JP5509608B2 - 画像処理装置、画像表示装置、及び画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置、画像表示装置、及び画像処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像処理装置、画像表示装置、及び画像処理方法等に関する。
近年、映像コンテンツの階調数やダイナミックレンジが増加し、表示された映像の低彩度部や高彩度部が、表示機器のコントラスト不足によって表現できず、低彩度部や高彩度部のディテールを完全に再現できないことが多くなっている。このような低彩度部や高彩度部のディテールではなく、暗部や明部のディテールを表現するために、例えば白黒伸張と呼ばれる画像適応型の階調補正処理が行われる。
図32に、上記の階調補正処理の説明図を示す。図32では、階調補正処理中の各画像信号により表される画像の特性として、横軸に画像の水平方向の位置、縦軸に輝度レベルを模式的に表している。
入力画像IMG1は、左側が低輝度(低階調)で、右側が高輝度(高階調)の画像であり、輝度が低い領域においても微小な階調変化を有し、輝度が高い領域においても微小な階調変化を有する。このような入力画像IMG1に対して上記の階調補正処理を行う場合、図32に示すように、全体的に輝度を上げるように上に凸のガンマ補正曲線に従って階調補正が行われる。その結果、階調補正後の出力画像IMG2では、画面全体の輝度が上がり、左側の低輝度の領域では輝度が伸張されるものの、低輝度の領域において平均的な輝度も上昇してしまう。
このように、従来の階調補正処理では、例えば画像に暗部が含まれるときには低階調側の輝度が上がるように全体的に輝度を上げることで、暗部の微小な階調変化を表現できるようにする。その一方、例えば画像に明部が含まれるときには高階調側の輝度が下がるように全体的に輝度を下げることで、明部の微小な階調変化を表現できるようにする。
このような階調補正処理に関する技術については、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1では、入力画像の平均輝度に応じたガンマ補正曲線を算出し、該ガンマ補正曲線に従って入力画像の輝度補正を行う技術が開示されている。この特許文献1に開示された技術では、入力画像の平均輝度が低いほど、補正後の輝度の増幅率が上昇する。また、入力画像が動画のとき、画面の平均輝度を前フレームの平均輝度との線形和に基づいてガンマ補正曲線を求めることで、補正後の動画のちらつきを抑える。
特開2004−266755号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、画面全体に対して一律の輝度補正を行うため、たとえ彩度方向の補正に適用したとしても、低彩度部のディテールだけでなく、低彩度部全体や補正対象外の彩度領域も鮮やかに表現されてしまうという問題がある。そのため、低彩度部と高彩度部とが混在している場合には、例えば低彩度部のディテールを表現できるようになる一方で、高彩度部のディテールを表現できなくなることがある。
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、補正対象外の彩度領域に影響を与えることなく画像のディテールの表現を改善する画像処理装置、画像表示装置、及び画像処理方法等を提供することにある。
(1)本発明の一態様は、画像表示部に供給される画像信号を補正する画像処理装置が、所与の空間周波数帯域において所与の彩度レベル範囲の画像信号に対してのみ該画像信号の彩度成分の補正量を算出する彩度成分補正量算出部と、前記彩度成分補正量算出部によって算出された前記補正量を用いて、前記画像信号の彩度成分を補正する彩度成分補正部とを含む。
本態様によれば、所与の空間周波数帯域において所与の彩度レベル範囲の画像信号に対してのみ該画像信号の彩度成分を補正するようにしたので、画面全体に対して一律の補正を行うことなく、高彩度部と低彩度部とが混在している場合であっても、高彩度部と低彩度部の両方のディテールを表現できるように画像信号を補正できるようになる。
(2)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記画像信号の彩度成分から前記空間周波数帯域の信号を抽出する信号抽出回路を含み、前記彩度成分補正量算出部は、前記画像信号の彩度成分のレベルに対応した彩度ゲインを算出する彩度ゲイン算出回路を含み、前記信号抽出回路によって抽出された前記空間周波数帯域の信号と前記彩度ゲイン算出回路によって算出された前記彩度ゲインとに基づいて、前記彩度成分の補正量を算出する。
本態様によれば、信号抽出回路により所与の空間周波数帯域の信号を抽出し、彩度ゲイン算出回路により所与の彩度成分のレベル範囲の信号を特定することができるので、簡素な構成により、所与の空間周波数帯域において所与の彩度レベル範囲の画像信号に対してのみ該画像信号の彩度成分を補正することができるようになる。
(3)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記画像信号の彩度成分から前記空間周波数帯域の信号を抽出する多段フィルター回路を含み、前記彩度成分補正量算出部は、前記多段フィルター回路の出力ごとに設けられ補正前の前記彩度成分のレベルに対応したゲインを出力する複数のテーブルと、前記多段フィルター回路の出力ごとに設けられ、前記多段フィルター回路の出力と前記複数のテーブルを構成する各テーブルの出力とを乗算する複数の乗算器と、前記複数の乗算器を構成する各乗算器の乗算結果を加算する加算器とを含み、前記加算器の出力を前記彩度成分の補正量として算出する。
本態様によれば、所与の空間周波数帯域において所与の彩度レベル範囲の画像信号に対してのみ該画像信号の彩度成分を補正する場合に、多段フィルター回路の出力ごとに設けられた複数のテーブルによりゲインを出力するようにしたので、乗算器の数を減らすことができ、低消費電力化及び低コスト化が可能となる。
(4)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記画像信号の彩度成分から前記空間周波数帯域の信号を抽出する信号抽出回路を含み、前記彩度成分補正量算出部は、前記信号抽出回路の出力と補正前の前記彩度成分のレベルに対応した前記彩度成分の補正量を出力するテーブルを含む。
本態様によれば、所与の空間周波数帯域において所与の彩度レベル範囲の画像信号に対してのみ該画像信号の彩度成分を補正する場合に、テーブルにより彩度成分の補正量を出力するようにしたので、乗算器を無くすことができ、大幅な低消費電力化及び低コスト化が可能となる。
(5)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記画像信号の彩度成分の空間周波数を解析する周波数解析部を含み、前記彩度成分補正量算出部が、前記画像信号の彩度成分の補正量を、前記周波数解析部の解析結果に応じて算出する。
本態様によれば、彩度成分の空間周波数を解析し、その解析結果に応じて彩度成分の補正量を算出するようにしたので、簡素な処理で、低彩度部のディテールと彩度ノイズとを区別して、低彩度部のディテールと一緒に彩度ノイズを強調してしまう事態を回避できるようになる。
(6)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記周波数解析部は、前記画像信号の彩度成分の所与の高周波成分を抽出する高周波成分抽出部を含み、前記彩度成分補正量算出部は、前記高周波成分抽出部によって抽出された前記高周波成分に対応した周波数ゲインを算出する周波数ゲイン算出部を含み、前記空間周波数帯域における所与の彩度レベル範囲の彩度成分と前記周波数ゲイン算出部によって算出された前記周波数ゲインとに基づいて、前記彩度成分の補正量を算出する。
本態様によれば、彩度成分の高周波成分を抽出し、該高周波成分に対応した周波数ゲインと、所与の空間周波数帯域における所与の彩度レベル範囲の彩度成分とに基づいて補正量を算出するようにしたので、簡素な処理で、低彩度部のディテールと彩度ノイズとを区別して、低彩度部のディテールと一緒に彩度ノイズを強調してしまう事態を回避できるようになる。
(7)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記彩度成分補正量算出部は、前記画像信号の彩度成分のレベルに対応した彩度ゲインを算出する彩度ゲイン算出部を含み、前記空間周波数帯域の信号と、前記周波数ゲインと、前記彩度ゲイン算出部によって算出された前記彩度ゲインとに基づいて、前記彩度成分の補正量を算出する。
本態様によれば、所与の空間周波数帯域の信号に対して、彩度ゲインにより所与の彩度成分のレベル範囲の信号を特定することができるので、簡素な構成により、所与の空間周波数帯域において所与の彩度レベル範囲の彩度成分に対してのみ該画像信号の彩度成分を補正することができるようになる。
(8)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記画像信号の彩度成分から前記空間周波数帯域の信号を抽出する信号抽出部を含む。
本態様によれば、簡素な構成で、所与の彩度レベル範囲の彩度成分のうち、所与の空間周波数帯域の成分を抽出できるようになる。
(9)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記周波数解析部は、前記画像信号の彩度成分から所与の彩度ノイズ成分を除去する彩度ノイズ除去部を含み、前記彩度成分補正部は、前記補正量を用いて、前記彩度ノイズ除去部によって前記彩度ノイズ成分が除去された前記画像信号の彩度成分を補正する。
本態様によれば、彩度ノイズが除去された彩度成分に対して、彩度成分補正部により算出された補正量を用いて補正するようにしたので、低彩度部と高彩度部の両方のディテールを表現し、且つ、画像の低彩度部のディテールと彩度ノイズとを区別する画像信号の補正を高精度に行うことができるようになる。
(10)本発明の他の態様に係る画像処理装置では、前記画像信号を構成する色差成分を、該色差成分に対応する彩度成分及び色相成分に変換する変換回路を含み、前記変換回路によって変換された前記彩度成分を補正する。
本態様によれば、敷佐成分を彩度成分及び色相成分に変換してから彩度成分を補正するようにしたので、上記の彩度成分の補正を高精度に行うことができるようになる。
(11)本発明の他の態様は、画像信号に基づいて画像を表示する画像表示装置が、前記画像信号を補正する上記のいずれか記載の画像処理装置と、前記画像処理装置によって補正された画像信号に基づいて画像を表示する画像表示部とを含む。
本態様によれば、補正対象外の彩度領域に影響を与えることなく画像のディテールの表現を改善する画像表示装置を提供できるようになる。
(12)また本発明の他の態様は、画像表示部に供給される画像信号を補正する画像処理方法が、所与の空間周波数帯域において所与の彩度レベル範囲の画像信号に対してのみ該画像信号の彩度成分の補正量を算出する彩度成分補正量算出ステップと、前記彩度成分補正量算出ステップにおいて算出された前記補正量を用いて、前記画像信号の彩度成分を補正する彩度成分補正ステップとを含む。
本態様によれば、所与の空間周波数帯域において所与の彩度レベル範囲の画像信号に対してのみ該画像信号の彩度成分を補正するようにしたので、画面全体に対して一律の補正を行うことなく、高彩度部と低彩度部とが混在している場合であっても、高彩度部と低彩度部の両方のディテールを表現できるように画像信号を補正できるようになる。
(13)また本発明の他の態様に係る画像処理方法では、前記画像信号の彩度成分の空間周波数を解析する周波数解析ステップを含み、前記彩度成分補正量算出ステップが、前記画像信号の彩度成分の補正量を、前記周波数解析ステップの解析結果に応じて算出する。
本態様によれば、彩度成分の空間周波数を解析し、その解析結果に応じて彩度成分の補正量を算出するようにしたので、簡素な処理で、低彩度部のディテールと彩度ノイズとを区別して、低彩度部のディテールと一緒に彩度ノイズを強調してしまう事態を回避できるようになる。
(14)また本発明の他の態様に係る画像処理方法では、前記周波数解析ステップは、前記画像信号の彩度成分の所与の高周波成分を抽出する高周波成分抽出ステップを含み、前記彩度成分補正量算出ステップは、前記高周波成分抽出ステップにおいて抽出された前記高周波成分に対応した周波数ゲインを算出する周波数ゲイン算出ステップを含み、前記空間周波数帯域における所与の彩度レベル範囲の彩度成分と前記周波数ゲイン算出ステップにおいて算出された前記周波数ゲインとに基づいて、前記彩度成分の補正量を算出する。
本態様によれば、彩度成分の高周波成分を抽出し、該高周波成分に対応した周波数ゲインと、所与の空間周波数帯域における所与の彩度レベル範囲の彩度成分とに基づいて補正量を算出するようにしたので、簡素な処理で、低彩度部のディテールと彩度ノイズとを区別して、低彩度部のディテールと一緒に彩度ノイズを強調してしまう事態を回避できるようになる。
(15)また本発明の他の態様に係る画像処理方法では、前記周波数解析ステップは、前記画像信号の彩度成分から所与の彩度ノイズ成分を除去する彩度ノイズ除去ステップを含み、前記彩度成分補正ステップは、前記補正量を用いて、前記彩度ノイズ除去ステップにおいて前記彩度ノイズ成分が除去された前記画像信号の彩度成分を補正する。
本態様によれば、彩度ノイズが除去された彩度成分に対して、彩度成分補正ステップにおいて算出された補正量を用いて補正するようにしたので、低彩度部と高彩度部の両方のディテールを表現し、且つ、画像の低彩度部のディテールと彩度ノイズとを区別する画像信号の補正を高精度に行うことができるようになる。
実施形態1における画像表示システムの構成例のブロック図。 図1の画像処理部において行われる補正処理の説明図。 図1の画像処理部の動作説明図。 図1の画像処理部のハードウェア構成例のブロック図。 図4の多段フィルター回路の構成例のブロック図。 図4の彩度信号補正量算出回路の構成例のブロック図。 図6の重み付け算出回路の動作説明図。 図6の彩度ゲイン算出回路の動作説明図。 図8の彩度ゲイン算出回路によって算出される彩度ゲイン係数の説明図。 実施形態1における画像処理部の彩度信号の補正処理例のフロー図。 図1の投射部の構成例の図。 実施形態1の第1の変形例における彩度信号補正量算出回路の構成例のブロック図。 図13(A)、図13(B)、図13(C)は図12の第1〜第3のLUTの動作説明図。 実施形態1の第2の変形例における彩度信号補正量算出回路の構成例のブロック図。 図14のLUTの動作説明図。 実施形態2における画像処理部の動作説明図。 実施形態2における画像処理部のハードウェア構成例のブロック図。 図17の周波数解析回路の構成例のブロック図。 図18のHPF回路、LPF回路のフィルター特性の一例を示す図。 重み付け算出回路の動作説明図。 重み付け算出回路が出力する重み付け係数の説明図。 図17の彩度信号補正量算出回路の構成例のブロック図。 図22の周波数ゲイン算出回路の動作説明図。 実施形態2における画像処理部の彩度信号の補正処理例のフロー図。 実施形態2の第1の変形例における彩度信号補正量算出回路の構成例のブロック図。 図25の重み付け算出回路の動作説明図。 実施形態2の第1の変形例における画像処理部の動作説明図。 実施形態2の第2の変形例における彩度信号補正量算出回路の構成例のブロック図。 図29(A)、図29(B)、図29(C)は図28の第1〜第3のLUTの動作説明図。 実施形態2の第3の変形例における彩度信号補正量算出回路の構成例のブロック図。 図30のLUTの動作説明図。 従来の階調補正処理の説明図。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
以下では、本発明に係る画像表示装置としてプロジェクターを例に説明するが、本発明に係る画像表示装置がプロジェクターに限定されるものではない。
〔実施形態1〕
図1に、本発明に係る実施形態1における画像表示システムの構成例のブロック図を示す。
画像表示システム10は、プロジェクター(広義には画像表示装置)20と、スクリーンSCRとを含む。プロジェクター20は、入力画像信号に基づいて図示しない光源からの光を変調し、変調後の光をスクリーンSCRに投射することで画像を表示する。
このプロジェクター20は、画像処理部30(広義には画像処理装置)と、投射部100(広義には画像表示部)とを含む。画像処理部30は、補正対象外の彩度領域に影響を与えることなく表示画像の低彩度部や高彩度部のディテールを表現できるように入力画像信号を補正し、補正後の画像信号を投射部100に出力する。投射部100は、画像処理部30からの画像信号に基づいて変調した光をスクリーンSCRに投射する。
図2に、図1の画像処理部30において行われる補正処理の説明図を示す。図2では、補正処理中の各画像信号により表される画像の特性として、横軸に画像の水平方向の位置、縦軸に彩度レベルを模式的に表している。
入力画像IMGinは、例えば左側が低彩度で、右側が高彩度の画像であり、彩度が低い領域においても微小な変化を有し、彩度が高い領域においても微小な変化を有する。信号抽出手段L1は、この入力画像IMGinの画像信号の彩度成分のうち所与の空間周波数帯域の彩度成分の信号Cを抽出する。図2では、空間周波数に対応してゲインが設定されており、信号抽出手段L1はこのゲインが大きい空間周波数帯域の彩度成分の信号Cを抽出している。
また、彩度ゲイン算出手段G1は、該入力画像の画像信号の彩度成分のレベルに対応したゲイン係数g(彩度ゲイン係数。広義には彩度ゲイン。以下同様)を算出する。図2では、彩度ゲイン算出手段G1が、彩度成分のレベルが低い領域で大きくなり、彩度成分のレベルが高い領域でほぼ0となるゲイン係数gを算出する。
この結果、乗算器M1は、信号抽出手段L1によって抽出された信号Cに彩度ゲイン算出手段G1によって算出されたゲイン係数gを掛け合わせた信号gCを生成する。信号gCが、入力画像信号の彩度成分の補正量に対応した信号である。加算器A1は、入力画像信号の彩度信号Cinと信号gCとを加算して、補正後の画像信号を構成する彩度信号Coutを出力する。
図3に、図1の画像処理部30の動作説明図を示す。図3では、縦軸に入力画像信号の彩度成分、横軸に該彩度成分の空間周波数を表している。
図1の画像処理部30は、空間周波数帯域Far(所与の空間周波数帯域)においてのみ画像信号の彩度成分の補正量を算出し、該補正量を用いて画像信号の彩度成分を補正する。より具体的には、画像処理部30は、信号抽出手段L1によって抽出された空間周波数帯域Farにおいて、彩度ゲイン算出手段G1によって算出された入力画像信号の彩度成分Cinの所与のレベル範囲Carの信号(図3では、範囲Sar)に対して補正を行う。これにより、全体的な彩度の傾向を変化させることなく、信号抽出手段L1によって抽出された空間周波数帯域Farであって、彩度ゲイン算出手段G1によって算出された入力画像信号の彩度成分Cinの所与のレベル範囲Carのみ、彩度成分を変化させることができるようになる。
信号抽出手段L1によって抽出される空間周波数帯域や、彩度ゲイン算出手段G1によってゲイン係数gが算出される彩度成分のレベル範囲は、それぞれ指定可能であるため、指定した空間周波数帯域の指定した彩度成分のレベル範囲のみ、入力画像信号の彩度変化を増幅させることができる。このため、例えば彩度ゲイン算出手段G1において、高彩度部の彩度成分に対して彩度ゲイン係数を小さくすることで、他の階調の彩度レンジを縮めることなく低彩度部のディテールを表現できるようになる。しかも、画面全体に対して一律の補正を行わないので、低彩度部と高彩度部とが混在している場合であっても、例えば一律に低彩度部の彩度も上げたり、或いは一律に高彩度部の彩度も下げたりすることもなく、低彩度部と高彩度部の両方のディテールを表現できるようになる。
以下、このような補正を実現する実施形態1におけるプロジェクター20の構成例について詳細に説明する。以下では、画像信号が、輝度信号Y及び色差信号U、Vにより構成され、色差信号U、Vから彩度信号C及び色相信号Hに変換する例について説明するが、本発明に係る画像信号は、これに限定されるものではない。
図4に、図1の画像処理部30のハードウェア構成例のブロック図を示す。
画像処理部30は、ラインメモリー32、34、多段フィルター回路(信号抽出回路)40、彩度信号補正量算出回路(彩度成分補正量算出部)50、彩度信号補正回路(彩度成分補正部)60、UV−CH変換回路(広義には変換回路)80、CH−UV変換回路90を含む。
ラインメモリー32は、入力画像信号を構成する輝度信号Y(入力画像信号の輝度成分)を格納する。ラインメモリー32に格納された輝度信号Yは、そのまま輝度信号Y1として出力される。
また、ラインメモリー34には、ラインメモリー32に輝度信号Yが格納されるタイミングに同期して、該輝度信号に対応した色差信号U、V(入力画像信号の色差成分)に対応した彩度信号Cin及び色相信号Hinが格納される。この彩度信号Cin及び色相信号Hinは、色差信号U、VをUV−CH変換回路80により変換することで得られる。
UV−CH変換回路80は、例えば以下の式に従って、色差信号U、Vを彩度信号Cin及び色相信号Hinに変換し、ラインメモリー34に格納する。ラインメモリー34には、多段フィルター回路40で必要なライン数分の彩度信号Cinを格納する。
ラインメモリー34に格納された色相信号Hinは、そのまま色相信号Houtとして出力される。一方、ラインメモリー34に格納された彩度信号Cinは、下記のディテール強調処理に供される。
多段フィルター回路40は、ラインメモリー34に格納された彩度信号Cin(画像信号の彩度成分)から所与の空間周波数帯域の信号を抽出する。この多段フィルター回路40は、図2の信号抽出手段L1の機能を実現することができる。
彩度信号補正量算出回路50は、多段フィルター回路40の出力と、ラインメモリー34に格納されている彩度信号とに基づいて、彩度信号の補正量を算出する。この彩度信号補正量算出回路50は、多段フィルター回路40によって抽出された所与の空間周波数帯域の彩度信号のうち所与の彩度レベル範囲の彩度信号に対する補正量を算出することができる。この彩度信号補正量算出回路50は、図2の彩度ゲイン算出手段G1の機能を実現することができる。
彩度信号補正回路60は、彩度信号補正量算出回路50によって算出された補正量を用いて、ラインメモリー34に格納された彩度信号を補正し、補正後の彩度信号Coutとして出力する。
CH−UV変換回路90は、彩度信号補正回路60からの彩度信号Coutと、ラインメモリー34からの色相信号Houtとを、色差信号U1、V1に変換する。CH−UV変換回路90は、例えば以下の式に従って、彩度信号Cout及び色相信号Houtを色差信号U1、V1に変換する。
こうして画像処理部30は、輝度信号Y1、及び色相信号Houtとディテール強調処理された彩度信号Coutとから変換された色差信号U1、V1からなる画像信号を投射部100に出力する。
このように画像処理部30は、所与の空間周波数帯域において所与の彩度レベルの彩度信号に対してのみ、彩度信号を補正することができる。この際、画像処理部30は、UV−CH変換回路80を含み、入力画像信号を構成する色差信号(色差成分)を、該色差信号に対応する彩度信号Cin及び色相信号Hinに変換し、該彩度信号Cinに対してディテール強調処理を行うようにしている。これにより、色相を変化させることなく、高彩度部及び低彩度部が混在していた場合であってもこれらのディテールを表現できるようになる。
次に、画像処理部30を構成する各ブロックについて説明する。
図5に、図4の多段フィルター回路40の構成例のブロック図を示す。図5において、図4と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
多段フィルター回路40は、互いにフィルターサイズが異なる第1〜第3のフィルター回路42、44、46を含む。図5では、多段フィルター回路40が、3種類のフィルター回路でフィルター処理を行う例を説明するが、フィルター回路の数に本発明が限定されるものではない。
多段フィルター回路40は、それぞれが抽出する信号の周波数帯域が異なる複数のフィルター回路を有し、各フィルター回路は、画像の水平方向及び垂直方向に並ぶ画素の画素値と、フィルター係数行列との畳み込み演算結果を出力する。
第1のフィルター回路42は、次の式に従ってフィルター処理された結果を出力することができる。
上式において、第1のフィルター回路42の出力をFO1、座標(x,y)の彩度信号をC(x,y)、フィルター係数をa、(i,j)は対象画素を中心とした相対座標で上式の範囲をとり、フィルターサイズをsとする。各フィルター回路には、フィルターサイズに対応したライン数(垂直走査ライン数)の彩度信号が入力される。
上式では、第1のフィルター回路42の出力について示したが、第2及び第3のフィルター回路44、46も、上式と同様のフィルター処理結果を出力することができる(出力FO2、FO3)。
図5では、第1のフィルター回路42のフィルターサイズを「3」、第2のフィルター回路44のフィルターサイズを「5」、第3のフィルター回路46のフィルターサイズを「7」とするが、フィルターサイズに本発明が限定されるものではない。
図6に、図4の彩度信号補正量算出回路50の構成例のブロック図を示す。図6において、図4と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図7に、図6の重み付け算出回路52の動作説明図を示す。
図8に、図6の彩度ゲイン算出回路56の動作説明図を示す。
図9に、図8の彩度ゲイン算出回路56によって算出される彩度ゲイン係数hの説明図を示す。図9は、横軸に彩度、縦軸に彩度ゲイン係数hを表す。
彩度信号補正量算出回路50は、重み付け算出回路52、乗算器53〜53、加算器54、彩度ゲイン算出回路56、乗算器55を含む。
重み付け算出回路52には、多段フィルター回路40を構成する第1〜第3のフィルター回路42〜46の各フィルター回路の出力が入力される。そして、重み付け算出回路52は、図7に示すように、第1〜第3のフィルター回路42〜46の各フィルター回路の出力の組み合わせに応じて、重み付け係数g〜gを算出する。
このような重み付け算出回路52は、入力を第1〜第3のフィルター回路42〜46の各フィルター回路の出力とし、出力を重み付け係数g〜gとするLUTにより実現される。そのため、重み付け算出回路52には、予め第1〜第3のフィルター回路42〜46の各フィルター回路の出力の組み合わせに対応した重み付け係数(ga,ga,ga)、(gb,gb,gb)、(gc,gc,gc)、・・・が記憶されており、第1〜第3のフィルター回路42〜46の各フィルター回路の出力FO1〜FO3が入力されたとき、これらの組み合わせに対応した重み付け係数を出力するようになっている。
重み付け係数gは、第1のフィルター回路42の出力FO1が入力される乗算器53に入力される。乗算器53は、第1のフィルター回路42の出力FO1に重み付け係数gを乗算した結果を加算器54に出力する。
重み付け係数gは、第2のフィルター回路44の出力FO2が入力される乗算器53に入力される。乗算器53は、第2のフィルター回路44の出力FO2に重み付け係数gを乗算した結果を加算器54に出力する。
重み付け係数gは、第3のフィルター回路46の出力FO3が入力される乗算器53に入力される。乗算器53は、第3のフィルター回路46の出力FO3に重み付け係数gを乗算した結果を加算器54に出力する。
加算器54は、乗算器53〜53の各乗算結果を加算し、その加算結果を乗算器55に出力する。乗算器55には、彩度ゲイン算出回路56によって算出された彩度ゲイン係数hが入力されている。
彩度ゲイン算出回路56には、入力画像信号を構成する彩度信号が入力される。そして、彩度ゲイン算出回路56は、図8に示すように、彩度信号のレベル(画像信号の彩度成分のレベル)に対応した彩度ゲイン係数h(彩度ゲイン)を算出する。
このような彩度ゲイン算出回路56は、入力を彩度信号(画像信号の彩度成分)とし、出力を彩度ゲイン係数hとするLUTにより実現される。そのため、彩度ゲイン算出回路56には、予め入力画像信号を構成する彩度信号(入力彩度信号)に対応した彩度ゲイン係数ha、hb、hc、・・・が記憶されており、入力画像信号を構成する彩度信号が入力されたとき、該彩度信号に対応した彩度ゲイン係数を出力するようになっている。この彩度ゲイン算出回路56では、所望の彩度信号に対応した彩度ゲイン係数を指定できるので、指定した彩度に対してのみ補正量を生成することができる。
彩度ゲイン算出回路56は、例えば図9に示すように低彩度領域において大きくなり、高彩度領域ではほぼ0となる彩度ゲイン係数hを出力することが望ましい。こうすることで、補正対象外の彩度領域に影響を与えることなく表示画像の低彩度部や高彩度部のディテールを表現できるように入力画像信号を補正できるようになる。
乗算器55は、加算器54の加算結果に、彩度ゲイン算出回路56からの彩度ゲイン係数hを乗算する。乗算器55の乗算結果は、彩度信号の補正量に対応した補正信号VAとして出力される。この補正信号VAは、彩度信号補正回路60に入力される。
このように、彩度信号補正量算出回路50は、多段フィルター回路40(広義には信号抽出回路)によって抽出された所与の空間周波数帯域の信号と、彩度ゲイン算出回路56によって算出された彩度ゲイン係数とに基づいて、彩度信号の補正量を算出することができる。そして、彩度信号補正回路60は、例えば入力画像信号を構成する彩度信号に、彩度信号補正量算出回路50からの補正信号VAを加算することで、補正後の彩度信号Coutを出力する。
実施形態1における画像処理部30の処理は、ソフトウェア処理によって実現することもできる。この場合、画像処理部30は、中央演算処理装置(Central Processing Unit:以下、CPUと略す)、読み出し専用メモリー(Read Only Memory:以下、ROMと略す)又はランダムアクセスメモリー(Random Access Memory:以下、RAMと略す)を有し、ROM又はRAMに格納されたプログラムを読み込んだCPUが、該プログラムに対応した処理を実行することで乗算器や加算器等のハードウェアを制御して、上記の彩度成分の補正処理を行う。
図10に、実施形態1における画像処理部30の彩度信号の補正処理例のフロー図を示す。図10の処理をソフトウェアで実現する場合、画像処理部30が内蔵するROM又はRAMに図10に示す処理を実現するプログラムが格納される。
まず、画像処理部30は、入力彩度信号蓄積ステップとして、入力画像信号を構成する彩度信号(入力彩度信号)を蓄積する(ステップS10)。この場合、彩度信号は、ラインメモリー34、又はラインメモリー34の機能を実現するRAMに格納される。
次に、画像処理部30は、信号抽出ステップとして、彩度信号の特定の空間周波数帯域を抽出する(ステップS12)。例えば、多段フィルター回路40により所与の空間周波数帯域の彩度信号を抽出する。或いは、ソフトウェア処理で実現する場合には、CPUが多段フィルター回路40の機能を実現する乗算器や加算器を制御して上記の空間周波数帯域の彩度信号を抽出する。
その後、画像処理部30は、彩度成分補正量算出ステップとして、彩度信号の補正量を算出する(ステップS14)。即ち、彩度信号補正量算出回路50が、多段フィルター回路40で抽出された信号に応じて重み付けされた後、入力画像信号を構成する彩度信号の彩度レベルに応じた係数で乗算された補正信号VAを出力する。或いは、ソフトウェア処理で実現する場合には、CPUが、信号抽出処理により抽出した信号に応じて重み付けした後、入力画像信号を構成する彩度信号の彩度レベルに応じた係数で乗算した補正信号VAを生成する。即ち、ステップS14では、彩度ゲイン算出ステップとして、画像信号の彩度成分のレベルに対応した彩度ゲインが算出される。そして、ステップS12において抽出された空間周波数帯域の信号と、ステップS14において算出された彩度ゲインとに基づいて、彩度成分の補正量が算出される。
そして、画像処理部30は、彩度成分補正ステップとして、ステップS14で算出された補正量を用いて、入力画像信号を構成する彩度信号を補正し(ステップS16)、補正後の彩度信号を出力して(ステップS18)、一連の処理を終了する(エンド)。即ち、ステップS16では、彩度信号補正回路60が、入力画像信号を構成する彩度信号に、補正信号VAを加算して、補正後の彩度信号を生成する。或いは、ソフトウェア処理で実現する場合には、CPUが、入力画像信号を構成する彩度信号に、補正信号VAを加算して、補正後の彩度信号を生成する。
このように画像処理部30によってディテール強調処理が行われた彩度信号は、上述のように色相信号を用いて色差信号U1、V1に変換され、該色差信号に対応した輝度信号Y1と共に、投射部100に出力される。投射部100は、輝度信号Y1及び色差信号U1、V1に基づいて、光源からの光を変調し、変調後の光をスクリーンSCRに投射することができる。
図11に、図1の投射部100の構成例の図を示す。図11では、実施形態1における投射部100が、いわゆる3板式の液晶プロジェクターにより構成されるものとして説明するが、本発明に係る画像表示装置の投射部がいわゆる3板式の液晶プロジェクターにより構成されるものに限定されるものではない。即ち、以下では、1画素がR成分のサブ画素、G成分のサブ画素、及びB成分のサブ画素により構成されるものとして説明するが、1画素を構成するサブ画素数(色成分数)に限定されるものではない。
また、図11では、画像処理部30から入力される輝度信号Y1、色差信号U1、V1が、RGBの各色成分の画像信号に変換された後、色成分毎に光源からの光を変調するものとする。この場合、RGB信号への変換回路は、画像処理部30が備えていてもよいし、投射部100が備えていてもよい。
実施形態1における投射部100は、光源110、インテグレーターレンズ112、114、偏光変換素子116、重畳レンズ118、R用ダイクロイックミラー120R、G用ダイクロイックミラー120G、反射ミラー122、R用フィールドレンズ124R、G用フィールドレンズ124G、R用液晶パネル130R(第1の光変調素子)、G用液晶パネル130G(第2の光変調素子)、B用液晶パネル130B(第3の光変調素子)、リレー光学系140、クロスダイクロイックプリズム160、投射レンズ170を含む。R用液晶パネル130R、G用液晶パネル130G及びB用液晶パネル130Bとして用いられる液晶パネルは、透過型の液晶表示装置である。リレー光学系140は、リレーレンズ142、144、146、反射ミラー148、150を含む。
光源110は、例えば超高圧水銀ランプにより構成され、少なくともR成分の光、G成分の光、B成分の光を含む光を射出する。インテグレーターレンズ112は、光源110からの光を複数の部分光に分割するための複数の小レンズを有する。インテグレーターレンズ114は、インテグレーターレンズ112の複数の小レンズに対応する複数の小レンズを有する。重畳レンズ118は、インテグレーターレンズ112の複数の小レンズから射出される部分光を液晶パネル上で重畳する。
また偏光変換素子116は、偏光ビームスプリッタアレイとλ/2板とを有し、光源110からの光を略一種類の偏光光に変換する。偏光ビームスプリッタアレイは、インテグレーターレンズ112により分割された部分光をp偏光とs偏光に分離する偏光分離膜と、偏光分離膜からの光の向きを変える反射膜とを、交互に配列した構造を有する。偏光分離膜で分離された2種類の偏光光は、λ/2板によって偏光方向が揃えられる。この偏光変換素子116によって略一種類の偏光光に変換された光が、重畳レンズ118に照射される。
重畳レンズ118からの光は、R用ダイクロイックミラー120Rに入射される。R用ダイクロイックミラー120Rは、R成分の光を反射して、G成分及びB成分の光を透過させる機能を有する。R用ダイクロイックミラー120Rを透過した光は、G用ダイクロイックミラー120Gに照射され、R用ダイクロイックミラー120Rにより反射した光は反射ミラー122により反射されてR用フィールドレンズ124Rに導かれる。
G用ダイクロイックミラー120Gは、G成分の光を反射して、B成分の光を透過させる機能を有する。G用ダイクロイックミラー120Gを透過した光は、リレー光学系140に入射され、G用ダイクロイックミラー120Gにより反射した光はG用フィールドレンズ124Gに導かれる。
リレー光学系140では、G用ダイクロイックミラー120Gを透過したB成分の光の光路長と他のR成分及びG成分の光の光路長との違いをできるだけ小さくするために、リレーレンズ142、144、146を用いて光路長の違いを補正する。リレーレンズ142を透過した光は、反射ミラー148によりリレーレンズ144に導かれる。リレーレンズ144を透過した光は、反射ミラー150によりリレーレンズ146に導かれる。リレーレンズ146を透過した光は、B用液晶パネル130Bに照射される。
R用フィールドレンズ124Rに照射された光は、平行光に変換されてR用液晶パネル130Rに入射される。R用液晶パネル130Rは、光変調素子(光変調部)として機能し、R用画像信号に基づいて透過率(通過率、変調率)が変化するようになっている。従って、R用液晶パネル130Rに入射された光(第1の色成分の光)は、R用画像信号に基づいて変調され、変調後の光がクロスダイクロイックプリズム160に入射される。
G用フィールドレンズ124Gに照射された光は、平行光に変換されてG用液晶パネル130Gに入射される。G用液晶パネル130Gは、光変調素子(光変調部)として機能し、G用画像信号に基づいて透過率(通過率、変調率)が変化するようになっている。従って、G用液晶パネル130Gに入射された光(第2の色成分の光)は、G用画像信号に基づいて変調され、変調後の光がクロスダイクロイックプリズム160に入射される。
リレーレンズ142、144、146で平行光に変換された光が照射されるB用液晶パネル130Bは、光変調素子(光変調部)として機能し、B用画像信号に基づいて透過率(通過率、変調率)が変化するようになっている。従って、B用液晶パネル130Bに入射された光(第3の色成分の光)は、B用画像信号に基づいて変調され、変調後の光がクロスダイクロイックプリズム160に入射される。
R用液晶パネル130R、G用液晶パネル130G、B用液晶パネル130Bは、それぞれ同様の構成を有している。各液晶パネルは、電気光学物質である液晶を一対の透明なガラス基板に密閉封入したものであり、例えばポリシリコン薄膜トランジスタをスイッチング素子として、各サブ画素の画像信号に対応して各色光の通過率を変調する。
実施形態1では、1画素を構成する色成分毎に光変調素子としての液晶パネルが設けられ、各液晶パネルの透過率がサブ画素に対応した画像信号により制御される。即ち、R成分のサブ画素用の画像信号が、R用液晶パネル130Rの透過率(通過率、変調率)の制御に用いられ、G成分のサブ画素用の画像信号が、G用液晶パネル130Gの透過率の制御に用いられ、B成分のサブ画素用の画像信号が、B用液晶パネル130Bの透過率の制御に用いられる。
クロスダイクロイックプリズム160は、R用液晶パネル130R、G用液晶パネル130G及びB用液晶パネル130Bからの入射光を合成した合成光を出射光として出力する機能を有する。投射レンズ170は、出力画像をスクリーンSCR上に拡大して結像させるレンズである。
実施形態1における補正処理を行った後に、画像表示ステップとしてこのような投射部100を制御して、上記の補正処理において補正された画像信号に基づいて画像を表示することで、補正対象外の彩度領域に影響を与えることなく画像のディテールの表現を改善する画像表示方法を提供できる。
以上のように、実施形態1では、彩度信号の補正対象が所与の空間周波数帯域において所与の彩度レベル範囲の彩度信号のみに限定される。
〔実施形態1の第1の変形例〕
実施形態1における画像処理部30では、彩度信号補正量算出回路50が、図6に示すように、重み付け算出回路52と彩度ゲイン算出回路56とを有し、重み付け係数や彩度ゲイン係数を乗算する乗算器により補正信号VAを生成する構成となっていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
図12に、実施形態1の第1の変形例における彩度信号補正量算出回路の構成例のブロック図を示す。例えば実施形態1における彩度信号補正量算出回路50に代えて、図12に示す彩度信号補正量算出回路が図4の画像処理部30に内蔵される。
彩度信号補正量算出回路200は、第1〜第3のLUT202〜202、乗算器204〜204、加算器206を含む。この彩度信号補正量算出回路200は、第1〜第3のLUT202〜202の各LUTからの彩度ゲイン係数を、多段フィルター回路40の各出力に乗算した後、各乗算結果を加算して補正信号VAとして出力する。
図13(A)、図13(B)、図13(C)に、図12の第1〜第3のLUT202〜202の動作説明図を示す。
第1のLUT202には、入力画像信号を構成する彩度信号が入力され、該彩度信号に対応した彩度ゲイン係数jを出力する。そのため、第1のLUT202には、予め彩度信号に対応した彩度ゲイン係数ja、jb、jc・・・が記憶されており、彩度信号が入力されたとき該彩度信号に対応した彩度ゲイン係数を彩度ゲイン係数jとして出力するようになっている。
第2のLUT202には、入力画像信号を構成する彩度信号が入力され、該彩度信号に対応した彩度ゲイン係数jを出力する。そのため、第2のLUT202には、予め彩度信号に対応した彩度ゲイン係数ja、jb、jc・・・が記憶されており、彩度信号が入力されたとき該彩度信号に対応した彩度ゲイン係数を彩度ゲイン係数jとして出力するようになっている。
第3のLUT202には、入力画像信号を構成する彩度信号が入力され、該彩度信号に対応した彩度ゲイン係数jを出力する。そのため、第3のLUT202には、予め彩度信号に対応した彩度ゲイン係数ja、jb、jc・・・が記憶されており、彩度信号が入力されたとき該彩度信号に対応した彩度ゲイン係数を彩度ゲイン係数jとして出力するようになっている。
図12において、乗算器204は、多段フィルター回路40を構成する第1のフィルター回路42の出力FO1と第1のLUT202からの彩度ゲイン係数jとを乗算し、乗算結果を加算器206に出力する。乗算器204は、多段フィルター回路40を構成する第2のフィルター回路44の出力FO2と第2のLUT202からの彩度ゲイン係数jとを乗算し、乗算結果を加算器206に出力する。乗算器204は、多段フィルター回路40を構成する第3のフィルター回路46の出力FO3と第3のLUT202からの彩度ゲイン係数jとを乗算し、乗算結果を加算器206に出力する。
加算器206は、乗算器204〜204の各乗算結果を加算し、加算結果を補正信号VAとして出力する。
以上のように、実施形態1の第1の変形例における画像処理部は、画像信号の彩度成分から所与の空間周波数帯域の信号を抽出する多段フィルター回路40を含み、彩度信号補正量算出回路200は、多段フィルター回路40の出力ごとに設けられ、補正前の彩度成分のレベルに対応したゲインを出力する複数のテーブルと、多段フィルター回路40の出力ごとに設けられ多段フィルター回路40の出力と上記の複数のテーブルを構成する各テーブルの出力とを乗算する複数の乗算器と、複数の乗算器の乗算結果を加算する加算器とを含み、加算器の出力を彩度成分の補正量として算出することができる。
このような実施形態1の第1の変形例では、実施形態1と同様に、所与の空間周波数帯域において所与の彩度レベル範囲の彩度信号のみを補正できる。
また、実施形態1の第1の変形例によれば、実施形態1と比較して、彩度信号補正量算出回路に内蔵される乗算器の数を減らすことができるので、低消費電力化及び低コスト化が可能となる。
〔実施形態1の第2の変形例〕
実施形態1の第1の変形例における彩度信号補正量算出回路200は、図12に示すように、第1〜第3のLUT202〜202と、乗算器204〜204と、加算器206とを有し、第1〜第3のLUT202〜202からの彩度ゲイン係数を用いた乗算器の乗算結果を加算する構成であったが、本発明はこれに限定されるものではない。
図14に、実施形態1の第2の変形例における彩度信号補正量算出回路の構成例のブロック図を示す。例えば実施形態1における彩度信号補正量算出回路50に代えて、図14に示す彩度信号補正量算出回路250が図4の画像処理部30に内蔵される。
彩度信号補正量算出回路250は、LUT252を含む。この彩度信号補正量算出回路250は、LUT252からの出力を補正信号VAとして出力する。
図15に、図14のLUT252の動作説明図を示す。
LUT252には、入力画像信号を構成する彩度信号と、多段フィルター回路40を構成する第1〜第3のフィルター回路42〜44の各フィルター回路の出力FO1〜FO3が入力され、彩度信号及び各フィルター回路の出力の組み合わせに対応した補正量を出力する。この補正量が、補正信号VAとして出力される。そのため、LUT252には、予め彩度信号及び各フィルター回路の出力FO1〜FO3の組み合わせに対応した補正量VAa、VAb、・・・、VAc、VAd、VAe、・・・が記憶されており、彩度信号及び各フィルター回路の出力が入力されたとき、これらの組み合わせに対応した補正量を出力するようになっている。
以上のように、実施形態1の第2の変形例における画像処理部は、画像信号の彩度成分から所与の空間周波数帯域の信号を抽出する多段フィルター回路(広義には信号抽出回路)40を含み、彩度信号補正量算出回路250は、多段フィルター回路40の出力と補正前の彩度成分のレベルとに対応した彩度成分の補正量を出力するテーブルを含むことができる。そして、このテーブルが出力する補正量を補正信号VAとして出力する。
実施形態1の第2の変形例では、実施形態1又は実施形態1の第1の変形例と同様に、所与の空間周波数帯域において所与の彩度レベル範囲の彩度信号のみを補正できる。
また、実施形態1の第2の変形例によれば、実施形態1又は実施形態1の第1の変形例と比較して、彩度信号補正量算出回路に内蔵される乗算器及び加算器を無くすことができるので、大幅な低消費電力化及び低コスト化が可能となる。
〔実施形態2〕
実施形態1又はその変形例では、画像のディテールと彩度ノイズとを区別することなく、入力彩度信号に対して補正処理を行っていたが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る実施形態2では、入力画像信号の彩度成分の高周波成分に応じて、補正強度を異ならせることで、画像のディテールと彩度ノイズとを区別して入力彩度信号に対する補正処理を行う。
このような実施形態2における画像処理部400は、図1の画像処理部30に代えてプロジェクター20に搭載される。この画像処理部400は、図2に示すように実施形態1と同様の補正処理を行う際に、入力画像IMGinの画像信号の彩度成分に含まれる彩度ノイズ量を考慮して、図示しない周波数ゲイン算出手段によってゲイン係数f(周波数ゲイン係数。広義には周波数ゲイン。以下同様)を算出し、このゲイン係数fを、信号gCに掛け合わせることで、低彩度部のディテールと彩度ノイズとを区別して、表示画像の低彩度部のディテールのみが強調されるようにしている。
図16に、実施形態2における画像処理部400の動作説明図を示す。図16では、3次元の座標系において、入力画像信号の彩度成分、該彩度成分の空間周波数、該彩度成分の高周波成分の信号CHPFを模式的に表している。
実施形態2における画像処理部400は、画像信号の彩度成分の空間周波数を解析し、空間周波数帯域Far(所与の空間周波数帯域)のみにおいて画像信号の彩度成分の補正量を、画像信号の彩度成分の空間周波数の解析結果に応じて算出し、該補正量を用いて画像信号の彩度成分を補正する。より具体的には、画像処理部400は、信号抽出手段L1によって抽出された画像信号の彩度成分の空間周波数帯域Farにおいて、彩度ゲイン算出手段G1によって算出された入力画像信号の彩度信号Cinの所与のレベル範囲Carの信号(図16では、範囲Sar)に対して補正を行う。このとき、入力画像信号の彩度成分の高周波成分に応じて、補正強度を異ならせる。例えば、彩度成分の高周波成分が多いとき、所望の信号成分が多く彩度ノイズが少ないと判断して補正強度を強くし、彩度成分の高周波成分が少ないとき、所望の信号成分が少なく彩度成分ノイズが多いと判断して、補正強度を弱くする。これにより、画像の彩度ノイズを強調してしまうことなく全体的な彩度の傾向を変化させずに、信号抽出手段L1によって抽出された空間周波数帯域Farであって、彩度ゲイン算出手段G1によって算出された入力画像信号を構成する彩度信号Cinの所与のレベル範囲Carのみ、彩度成分を変化させることができるようになる。
信号抽出手段L1によって抽出される空間周波数帯域、彩度ゲイン算出手段G1によってゲイン係数gが算出される彩度成分のレベル範囲、彩度成分の高周波帯域は、それぞれ指定可能であるため、指定した空間周波数帯域の指定した彩度成分のレベル範囲のみ、入力画像信号の彩度変化を、彩度ノイズ量に合わせて増幅させることができる。このため、例えば彩度ゲイン算出手段G1において、低彩度部の彩度成分に対して彩度ゲイン係数を大きくすることで、他の階調の彩度レンジを縮めることなく低彩度部のディテールを表現できるようになる。
しかも、画面全体に対して一律の補正を行わないので、低彩度部と高彩度部とが混在している場合であっても、例えば一律に低彩度部の彩度も上げたり、或いは一律に高彩度部の彩度も下げたりすることもなく、低彩度部と高彩度部の両方のディテールを表現できるようになる。例えば、図16に示す場合には、入力画像信号の彩度の中周波数帯域から高周波数帯域に対して補正するため、入力画像の全体的な鮮やかさを変化させずに、ディテールのみを強調できるようになる。更に、画像の低彩度部のディテールと彩度ノイズとを区別することができるので、低彩度部のディテールと一緒に彩度ノイズを強調してしまう事態を回避できるようになる。
以下、このような補正を実現する実施形態2におけるプロジェクターの構成例及び処理例について説明するが、実施形態1におけるプロジェクター20と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図17に、実施形態2における画像処理部400のハードウェア構成例のブロック図を示す。図17において、図4と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図17の画像処理部400が図4の画像処理部30と異なる点は、画像処理部400が、高周波成分抽出回路や彩度ノイズ除去回路として機能する周波数解析回路(周波数解析部)70が追加され、彩度信号補正量算出回路50に代えて彩度信号補正量算出回路450が設けられている点である。
周波数解析回路70は、ラインメモリー34に格納されている彩度信号の空間周波数を解析する。より具体的には、周波数解析回路70は、彩度信号の高周波成分を抽出すると共に、ラインメモリー34からの彩度信号から彩度ノイズを除去することができる。周波数解析回路70によって抽出された彩度信号の高周波成分の絶対値である出力highCは、周波数解析回路70の解析結果として彩度信号補正量算出回路450に供給される。周波数解析回路70によって彩度ノイズが除去された彩度信号は、彩度信号NRとして彩度信号補正回路60に供給される。
彩度信号補正量算出回路450は、多段フィルター回路40の出力と、ラインメモリー34に格納されている彩度信号と、周波数解析回路70の解析結果とに基づいて、彩度信号の補正量に対応する補正信号VAを算出する。この彩度信号補正量算出回路450は、出力highCに応じて、多段フィルター回路40によって抽出された所与の空間周波数帯域の彩度信号のうち所与の彩度レベル範囲の彩度信号に対する補正量を算出することができる。
ここで、出力highCは、入力画像の低彩度部のディテールや彩度ノイズに対応した信号である。即ち、彩度信号補正量算出回路450は、出力highCのレベルに応じて、彩度ノイズが小さいと判断されるときには補正強度が強くなるように補正量を生成し、彩度ノイズが大きいと判断されるときには補正強度が弱くなるように補正量を生成することができる。この彩度信号補正量算出回路450は、図2の彩度ゲイン算出手段G1や図示しない周波数ゲイン算出手段の機能を実現することができる。
彩度信号補正回路60は、彩度信号補正量算出回路450によって算出された補正信号VAを用いて、周波数解析回路70によって彩度ノイズが除去された彩度信号NRを補正し、補正後の彩度信号Coutとして出力する。
このように画像処理部400は、所与の空間周波数帯域において所与の彩度レベルの彩度信号に対してのみ、入力画像の彩度信号の空間周波数の解析結果に応じて彩度信号を補正することができる。
次に、その他のブロックについては、画像処理部30の対応するブロックと同様であるため、画像処理部400特有のブロックである周波数解析回路70及び彩度信号補正量算出回路450について説明する。
図18に、図17の周波数解析回路70の構成例のブロック図を示す。図18において、図17と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
周波数解析回路70は、高周波成分抽出回路(高周波成分抽出部)72と、彩度ノイズ除去回路(彩度ノイズ除去部)74とを含む。高周波成分抽出回路72は、ラインメモリー34に蓄積された彩度信号から、画像の低彩度部のディテールと彩度ノイズが含まれる所与の高周波成分を抽出して、その絶対値を出力highCとして出力する。彩度ノイズ除去回路74は、ラインメモリー34に蓄積された彩度信号から、彩度ノイズを除去した彩度信号NRを生成する。ここで、彩度ノイズ除去回路74は、高周波成分抽出回路72によって抽出された高周波成分を用いて、彩度信号NRを生成する。
高周波成分抽出回路72は、HPF(High Pass Filter)回路73を含む。HPF回路73には、ラインメモリー34から彩度信号が入力され、該彩度信号の高周波成分の絶対値を出力highCとして、彩度信号補正量算出回路50や彩度ノイズ除去回路74に出力する。このようなHPF回路73は、公知のHPF処理により、次式に従って出力highCを、高周波成分の絶対値として出力する。
ここで、highCはHPF回路73の出力、Cは入力彩度信号、(x,y)は対象画素の座標であり、aHPFはフィルター係数、(u,v)は対象画素を中心とした相対座標系で上記の範囲をとり、sはフィルターのサイズを表す。sは、例えば「3」とすることができるが、「3」以外であってもよい。
彩度ノイズ除去回路74は、LPF(Low Pass Filter)回路75、重み付け算出回路76、乗算器77、78、加算器79を含む。LPF回路75には、ラインメモリー34から彩度信号が入力され、該彩度信号の低周波成分を通す。このようなLPF回路75は、公知のLPF処理により、次式に従って出力lowCを出力する。
ここで、lowCはLPF回路75の出力、Cは入力彩度信号、(x,y)は対象画素の座標であり、aLPFはフィルター係数、(u,v)は対象画素を中心とした相対座標系で上記の範囲をとり、sはフィルターのサイズを表す。sは、例えば「5」とすることができるが、「5」以外であってもよく、HPF回路73のフィルターサイズより大きいことが望ましい。
図19に、図18のHPF回路73、LPF回路75のフィルター特性の一例を示す。図19は、横軸に彩度信号の周波数、縦軸にゲインを表す。
HPF回路73の出力は、彩度信号の空間周波数が低い領域では小さくなり、彩度信号の空間周波数が高い領域では大きくなる(図19のT1)。このHPF回路73のカットオフ周波数は、ωHPFである。一方、LPF回路75の出力は、彩度信号の空間周波数が低い領域では大きくなり、彩度信号の空間周波数が高い領域では小さくなる(図19のT2)。このLPF回路75のカットオフ周波数は、ωLPFである。ここで、HPF回路73のカットオフ周波数とLPF回路75のカットオフ周波数とは等しいことが望ましい(ωHPF=ωLPF=ωcut)。これにより、元の彩度信号の情報を欠落させることなく、彩度信号を補正することができるようになる。
図18において、重み付け算出回路76は、高周波成分抽出回路72からの出力に応じて、重み付け量を算出する。重み付け算出回路76は、HPF回路73の出力highCに対応した重み付け量をLUT形式で保存しており、HPF回路73からの出力に対応した値を読み出したり、HPF回路73からの出力に対応した複数の値を補間して出力したりできるようになっている。
図20に、重み付け算出回路76の動作説明図を示す。
重み付け算出回路76は、HPF回路73の出力に応じて、乗算器77に対して重み付け係数αLPFを出力すると共に、乗算器78に対して重み付け係数αHPFを出力する。より具体的には、重み付け算出回路76は、HPF回路73からの出力に対応した重み付け係数αHPF、αLPFを予めLUT形式により記憶されている。すなわち、重み付け算出回路76には、予めHPF回路73の出力に対応した重み付け係数(αHPFa,αLPFa)、(αHPFb,αLPFb)、(αHPFc,αLPFc)、・・・が記憶されており、HPF回路73の出力highCが入力されたとき、これに対応した重み付け係数αHPF、αLPFを出力するようになっている。
図21に、重み付け算出回路76が出力する重み付け係数αHPF、αLPFの説明図を示す。図21は、横軸にHPF回路73の出力、縦軸に重み付け算出回路76が出力する重み付け量としての重み付け係数αHPF、αLPFを表す。
重み付け算出回路76には、HPF回路73の出力highCが大きくなるに従って、値が大きくなる重み付け係数αHPFを記憶する(図21のT10)と共に、HPF回路73の出力highCが大きくなるに従って、値が小さくなる重み付け係数αLPFを記憶する(図21のT11)。なお、図21では、HPF回路73の出力highCに応じて重み付け係数αHPF、αLPFがリニアに増加又は減少しているが、所与の関数に従って重み付け係数αHPF、αLPFが増加又は減少していてもよい。
図18において、乗算器77は、LPF回路75の出力と重み付け算出回路76からの重み付け係数αLPFとの乗算結果を出力し、加算器79に出力する。乗算器78は、HPF回路73の出力と重み付け算出回路76からの重み付け係数αHPFとの乗算結果を出力し、加算器79に出力する。加算器79は、乗算器77の乗算結果と乗算器78の乗算結果とを加算し、彩度ノイズを除去した後の彩度信号NRとして出力する。即ち、彩度ノイズ除去回路74は、次の式に従って彩度信号NRを出力する。
上式において、highCはHPF回路73の出力であり、lowCはLPF回路75の出力である。
重み付け算出回路76が、図21に示したように重み付け係数αHPF、αLPFを出力するため、彩度信号NRは、高周波の彩度ノイズが除去された信号となる。即ち、HPF回路73の出力highCが小さい領域は、主として低周波数帯域に分布する彩度信号に対応しており、重み付け係数αHPFを小さくし、重み付け係数αLPFを大きくすることで、彩度ノイズを強調させることなく、所望の彩度信号NRを得ることができる。一方、HPF回路73の出力highCが大きい領域は、主として高周波数帯域に分布する彩度信号に対応しており、重み付け係数αHPFを大きくし、重み付け係数αLPFを小さくすることで、所望の彩度信号NRを得ることができる。
なお、図18では、周波数解析回路70が、高周波成分抽出回路72及び彩度ノイズ除去回路74を含む構成を有しているものとして説明したが、周波数解析回路70が高周波成分抽出回路72のみを含む構成を有し、ラインメモリー34に蓄積された彩度信号がそのまま彩度信号NRとして彩度信号補正回路60に供給されてもよい。
図22に、図17の彩度信号補正量算出回路450の構成例のブロック図を示す。図22において、図6又は図17と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図23に、図22の周波数ゲイン算出回路の動作説明図を示す。
彩度信号補正量算出回路450は、重み付け係数記憶回路452、乗算器53〜53、加算器54、乗算器55、彩度ゲイン算出回路(彩度ゲイン算出部)56、周波数ゲイン算出回路(周波数ゲイン算出部)458、乗算器59を含む。彩度信号補正量算出回路450が、図6に示す彩度信号補正量算出回路50と異なる点は、重み付け算出回路52に代えて重み付け係数記憶回路452が設けられると共に、周波数ゲイン算出回路458と乗算器59とが追加され、周波数ゲイン係数fを加味した補正信号VAが生成される点である。
このような彩度信号補正量算出回路450において、重み付け係数記憶回路452は、予め決められた定数値である重み付け係数g〜gを記憶する。重み付け係数gは、第1のフィルター回路42の出力FO1が入力される乗算器53に入力される。乗算器53は、第1のフィルター回路42の出力FO1に重み付け係数gを乗算した結果を加算器54に出力する。
重み付け係数gは、第2のフィルター回路44の出力FO2が入力される乗算器53に入力される。乗算器53は、第2のフィルター回路44の出力FO2に重み付け係数gを乗算した結果を加算器54に出力する。
重み付け係数gは、第3のフィルター回路46の出力FO3が入力される乗算器53に入力される。乗算器53は、第3のフィルター回路46の出力FO3に重み付け係数gを乗算した結果を加算器54に出力する。
加算器54は、乗算器53〜53の各乗算結果を加算し、その加算結果を乗算器55に出力する。乗算器55には、彩度ゲイン算出回路56によって算出された彩度ゲイン係数hが入力されている。
このような乗算器55の乗算結果が入力される乗算器59には、周波数ゲイン算出回路458によって算出された周波数ゲイン係数fが入力されている。周波数ゲイン算出回路458には、図18のHPF回路73からの出力highCが入力される。そして、周波数ゲイン算出回路458は、図23に示すように、HPF回路73の出力highCのレベルに対応した周波数ゲイン係数f(周波数ゲイン)を算出する。
このような周波数ゲイン算出回路458は、入力をHPF回路73の出力highCとし、出力を周波数ゲイン係数fとするLUTにより実現される。そのため、周波数ゲイン算出回路458には、予め出力highCに対応した周波数ゲイン係数fa、fb、fc、・・・が記憶されており、HPF回路73からの出力highCが入力されたとき、出力highCに対応した周波数ゲイン係数を出力するようになっている。この周波数ゲイン算出回路458では、所望の出力highCに対応した周波数ゲイン係数を指定できるので、指定した高周波数帯域に対してのみ補正量を生成することができる。
乗算器59は、乗算器55の乗算結果に周波数ゲイン算出回路458からの周波数ゲイン係数fを乗算する。乗算器59の乗算結果は、彩度信号の補正量に対応した補正信号VAとして出力される。この補正信号VAは、彩度信号補正回路60に入力される。
このように、彩度信号補正量算出回路450は、多段フィルター回路40(広義には信号抽出回路)によって抽出された所与の空間周波数帯域の信号と、彩度ゲイン算出回路56によって算出された彩度ゲイン係数と、周波数ゲイン算出回路58によって算出された周波数ゲイン係数とに基づいて、彩度信号の補正量を算出することができる。そして、彩度信号補正回路60は、例えば入力画像信号を構成する彩度信号又は彩度ノイズ成分が除去された彩度信号に、彩度信号補正量算出回路450からの補正信号VAを加算することで、補正後の彩度信号Coutを出力する。これにより、彩度ノイズが少ない場合にのみ補正を行うことができるので、補正によって彩度ノイズが増幅されるのを防ぐことができるようになる。
なお、彩度ゲイン係数を算出するまでもなく、彩度信号補正量算出回路450は、多段フィルター回路40(広義には信号抽出回路)によって抽出された所与の空間周波数帯域における所与の彩度レベル範囲の彩度成分と、周波数ゲイン算出回路58によって算出された周波数ゲイン係数とに基づいて、彩度信号の補正量を算出するようにしてもよい。
実施形態2における画像処理部400の処理は、ソフトウェア処理によって実現することもできる。この場合、画像処理部400は、CPU、ROM、RAMを有し、ROM又はRAMに格納されたプログラムを読み込んだCPUが、該プログラムに対応した処理を実行することで乗算器や加算器等のハードウェアを制御して、上記の彩度成分及び色差成分の補正処理を行う。
図24に、実施形態2における画像処理部400の彩度信号の補正処理例のフロー図を示す。図24の処理をソフトウェアで実現する場合、画像処理部400が内蔵するROM又はRAMに図26に示す処理を実現するプログラムが格納される。
まず、画像処理部400は、入力彩度信号蓄積ステップとして、入力画像信号を構成する彩度信号(入力彩度信号)を蓄積する(ステップS40)。この場合、彩度信号は、ラインメモリー34、又はラインメモリー34の機能を実現するRAMに格納される。
次に、画像処理部400は、信号抽出ステップとして、ラインメモリー34等に蓄積された彩度信号から特定の空間周波数帯域の彩度信号を抽出する(ステップS42)。例えば、多段フィルター回路40により所与の空間周波数帯域の彩度信号を抽出する。或いは、ソフトウェア処理で実現する場合には、CPUが多段フィルター回路40の機能を実現する乗算器や加算器を制御して上記の空間周波数帯域の彩度信号を抽出する。
その後、画像処理部400は、周波数解析ステップとして、ステップS44で抽出された特定の空間周波数帯域の彩度信号の空間周波数を解析する(ステップS44、ステップS46)。より具体的には、ステップS44では、高周波成分抽出ステップとして、ステップS42で抽出された特定の空間周波数帯域のうち所与の高周波成分の彩度信号が抽出される。そして、ステップS46では、彩度ノイズ除去ステップとして、ラインメモリー等32に蓄積された彩度信号から彩度ノイズ成分が除去される。
そして、画像処理部400は、彩度成分補正量算出ステップとして、彩度信号の補正量を算出する(ステップS48、ステップS50、ステップS52)。より具体的には、ステップS48において、彩度ゲイン算出ステップとして、ステップS42で抽出された彩度信号に対して重み付けを行い、入力画像信号を構成する彩度信号の彩度レベルに応じた係数で乗算される。そして、ステップS50において、周波数ゲイン算出ステップとして、ステップS44で抽出された高周波成分の彩度信号(HPF回路73の出力highC)に応じた係数で、ステップS48で彩度レベルに対応した係数を乗算された彩度信号に乗算される。この結果、ステップS54では、彩度信号の補正量に対応した補正信号VAが生成される。或いは、ソフトウェア処理で実現する場合には、CPUが、信号抽出処理により抽出した彩度信号に対して重み付けを行った後に、入力画像信号を構成する彩度信号の彩度レベルに応じた係数と、ステップS44で抽出された高周波成分の彩度信号(HPF回路73の出力highC)に応じた係数とを用いて乗算した結果を、彩度信号の補正量に対応した補正信号VAとして生成する。このように、ステップS52では、ステップS44において抽出された空間周波数帯域の信号と、ステップS48において算出された彩度ゲインと、ステップS50において算出された周波数ゲインとに基づいて、彩度成分の補正量が算出される。
そして、画像処理部400は、彩度成分補正ステップとして、ステップS52で算出された補正量を用いて、ステップS46において彩度ノイズが除去された彩度信号を補正し(ステップS54)、補正後の彩度信号を出力して(ステップS56)、一連の処理を終了する(エンド)。即ち、ステップS54では、彩度信号補正回路60が、ステップS46において彩度ノイズが除去された彩度信号に、補正信号VAを加算して、補正後の彩度信号を生成する。或いは、ソフトウェア処理で実現する場合には、CPUが、ステップS46において彩度ノイズが除去された彩度信号に、補正信号VAを加算して、補正後の彩度信号を生成する。
なお、実施形態2では、図24のステップS44とステップS46の順序を入れ替えたり、図24のステップS48とステップS50の順序を入れ替えたりしてもよく、図24に示す処理順序に限定されるものではない。
実施形態2においても、上記の補正処理を行った後に、画像表示ステップとしてこのような投射部100を制御して、上記の補正処理において補正された画像信号に基づいて画像を表示することで、補正対象外の彩度領域に影響を与えることなく画像のディテールの表現を改善する画像表示方法を提供できる。
〔実施形態2の第1の変形例〕
実施形態2では、多段フィルター回路40を構成する第1〜第3のフィルター回路42、44、46の出力FO1〜FO3の比率を変更できなかったが、本発明はこれに限定されるものではない。実施形態2の第1の変形例では、多段フィルター回路40を構成する第1〜第3のフィルター回路42、44、46の出力FO1〜FO3の比率を、HPF回路73の出力highCに応じて変更可能に構成される。
このような実施形態2の第1の変形例における画像処理部が、実施形態2における画像処理部400と異なる点は、彩度信号補正量算出回路の構成である。そこで、以下では、実施形態2と共通する点については図示及び説明を省略し、実施形態2の第1の変形例における画像処理部の彩度信号補正量算出回路について説明する。
図25に、実施形態2の第1の変形例における彩度信号補正量算出回路の構成例のブロック図を示す。図25において、図22と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図26に、図25の重み付け算出回路の動作説明図を示す。
実施形態2の第1の変形例における彩度信号補正量算出回路490は、重み付け算出回路492、乗算器53〜53、加算器54、乗算器55、彩度ゲイン算出回路56を含む。
重み付け算出回路492には、周波数解析回路70の高周波成分抽出回路72のHPF回路73によって生成された出力highCが入力される。そして、重み付け算出回路492は、図26に示すように、HPF回路73からの出力highCに応じて、重み付け係数g〜gを算出する。
このような重み付け算出回路492は、入力をHPF回路73からの出力highCとし、出力を重み付け係数g〜gとするLUTにより実現される。そのため、重み付け算出回路492には、予めHPF回路73からの出力highCに対応した重み付け係数(ga,ga,ga)、(gb,gb,gb)、(gc,gc,gc)、・・・が記憶されており、HPF回路73から出力highCが入力されたとき、これに対応した重み付け係数を出力するようになっている。
加算器54は、乗算器53〜53の各乗算結果を加算し、その加算結果を乗算器55に出力する。乗算器55には、彩度ゲイン算出回路56によって算出された彩度ゲイン係数hが入力されている。乗算器55の乗算結果は、彩度信号の補正量に対応した補正信号VAとして出力される。この補正信号VAは、彩度信号補正回路60に入力される。
このように、彩度信号補正量算出回路490は、HPF回路73からの出力highCと、多段フィルター回路40(広義には信号抽出回路)によって抽出された所与の空間周波数帯域の信号と、彩度ゲイン係数とに基づいて、彩度信号の補正量を算出することができる。そして、彩度信号補正回路60は、例えば入力画像信号を構成する彩度信号又は彩度ノイズ成分が除去された彩度信号に、彩度信号補正量算出回路490からの補正信号VAを加算することで、補正後の彩度信号Coutを出力する。
図27に、実施形態2の第1の変形例における画像処理部の動作説明図を示す。図27において、図16と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
実施形態2の第1の変形例では、実施形態2と同様に、画像信号の彩度成分の空間周波数を解析し、空間周波数帯域Far(所与の空間周波数帯域)のみにおいて画像信号の彩度成分の補正量を、画像信号の彩度成分の空間周波数の解析結果に応じて算出し、該補正量を用いて画像信号の彩度成分を補正する。このとき、入力画像信号の彩度成分の高周波成分に応じて、補正強度を異ならせる。更に、実施形態2の第1の変形例では、多段フィルター回路40を構成する第1〜第3のフィルター回路42、44、46の出力FO1〜FO3の比率を変更できるため、図27に示すように、高周波成分のレベルが小さくなって彩度ノイズが多くなるに従って空間周波数帯域が狭くなるように彩度信号を抽出することができる。そして、低彩度でゲインが大きくなるように彩度ゲインを与えることで、低彩度部のディテールのみを増幅することができるようになる。
このように、実施形態2の第1の変形例によれば、実施形態2の効果に加えて、彩度ノイズ量に応じて抽出される空間周波数帯域を狭くできるので、高周波数帯域に存在する彩度ノイズが増幅されるのを防ぐことができるようになる。
〔実施形態2の第2の変形例〕
実施形態2又は実施形態2の第1の変形例における画像処理部では、彩度信号補正量算出回路が、重み付け係数記憶回路452や重み付け算出回路492と彩度ゲイン算出回路56とを有し、重み付け係数や彩度ゲイン係数を乗算する乗算器により補正信号VAを生成する構成となっていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
図28に、実施形態2の第2の変形例における彩度信号補正量算出回路の構成例のブロック図を示す。例えば実施形態2における彩度信号補正量算出回路450に代えて、図28に示す彩度信号補正量算出回路が図17の画像処理部400に内蔵される。
彩度信号補正量算出回路500は、第1〜第3のLUT502〜502、乗算器504〜504、加算器506を含む。第1〜第3のLUT502〜502の各LUTには、入力画像信号を構成する彩度信号とHPF回路73からの出力highCとが入力される。各LUTには、入力画像信号を構成する彩度信号とHPF回路73からの出力highCとの組み合わせに対応して、彩度ゲイン係数が記憶されている。この彩度信号補正量算出回路500は、第1〜第3のLUT502〜502の各LUTからの彩度ゲイン係数を、多段フィルター回路40の各出力に乗算した後、各乗算結果を加算して補正信号VAとして出力する。
図29(A)、図29(B)、図29(C)に、図28の第1〜第3のLUT502〜502の動作説明図を示す。
図29(A)に示すように、第1のLUT502には、入力画像信号を構成する彩度信号とHPF回路73からの出力highCとが入力され、該彩度信号及び出力highCの組み合わせに対応した彩度ゲイン係数jを出力する。そのため、第1のLUT502には、予め彩度信号及び出力highCの組み合わせに対応した彩度ゲイン係数ja、jb、jc・・・が記憶されており、彩度信号及び出力highCが入力されたとき該彩度信号及びHPF回路73からの出力highCの組み合わせに対応した彩度ゲイン係数を彩度ゲイン係数jとして出力するようになっている。
図29(B)に示すように、第2のLUT502には、入力画像信号を構成する彩度信号とHPF回路73からの出力highCとが入力され、該彩度信号及び出力highCの組み合わせに対応した彩度ゲイン係数jを出力する。そのため、第2のLUT502には、予め彩度信号及び出力highCの組み合わせに対応した彩度ゲイン係数ja、jb、jc・・・が記憶されており、彩度信号及び出力highCが入力されたとき該彩度信号及びHPF回路73からの出力highCの組み合わせに対応した彩度ゲイン係数を彩度ゲイン係数jとして出力するようになっている。
図29(C)に示すように、第3のLUT502には、入力画像信号を構成する彩度信号とHPF回路73からの出力highCとが入力され、該彩度信号及び出力highCの組み合わせに対応した彩度ゲイン係数jを出力する。そのため、第3のLUT502には、予め彩度信号及び出力highCの組み合わせに対応した彩度ゲイン係数ja、jb、jc・・・が記憶されており、彩度信号及び出力highCが入力されたとき該彩度信号及びHPF回路73からの出力highCの組み合わせに対応した彩度ゲイン係数を彩度ゲイン係数jとして出力するようになっている。
図28において、乗算器504は、多段フィルター回路40を構成する第1のフィルター回路42の出力FO1と第1のLUT502からの彩度ゲイン係数jとを乗算し、乗算結果を加算器506に出力する。乗算器504は、多段フィルター回路40を構成する第2のフィルター回路44の出力FO2と第2のLUT502からの彩度ゲイン係数jとを乗算し、乗算結果を加算器506に出力する。乗算器504は、多段フィルター回路40を構成する第3のフィルター回路46の出力FO3と第3のLUT502からの彩度ゲイン係数jとを乗算し、乗算結果を加算器506に出力する。
加算器506は、乗算器504〜504の各乗算結果を加算し、加算結果を補正信号VAとして出力する。
以上のように、実施形態2の第2の変形例における画像処理部は、画像信号の彩度成分から所与の空間周波数帯域の信号を抽出する多段フィルター回路40を含み、彩度信号補正量算出回路500は、多段フィルター回路40の出力ごとに設けられ補正前の彩度成分のレベルに対応したゲインを出力する複数のテーブルと、多段フィルター回路40の出力ごとに設けられ多段フィルター回路40の出力と上記の複数のテーブルを構成する各テーブルの出力とを乗算する複数の乗算器と、複数の乗算器の乗算結果を加算する加算器とを含み、加算器の出力を彩度成分の補正量として算出することができる。
このような実施形態2の第2の変形例によれば、実施形態2又は実施形態2の第1の変形例と比較して、彩度信号補正量算出回路に内蔵される乗算器の数を減らすことができるので、低消費電力化及び低コスト化が可能となる。
〔実施形態2の第3の変形例〕
実施形態2の第2の変形例における彩度信号補正量算出回路500が、図28に示すように、第1〜第3のLUT502〜502と、乗算器504〜504と、加算器506とを有し、第1〜第3のLUT502〜502からの彩度ゲイン係数を用いた乗算器の乗算結果を加算する構成であったが、本発明はこれに限定されるものではない。
図30に、実施形態2の第3の変形例における彩度信号補正量算出回路の構成例のブロック図を示す。例えば実施形態2における彩度信号補正量算出回路50に代えて、図30に示す彩度信号補正量算出回路が図17の画像処理部400に内蔵される。
彩度信号補正量算出回路550は、LUT552を含む。この彩度信号補正量算出回路550は、LUT552からの出力を補正信号VAとして出力する。
図31に、図30のLUT552の動作説明図を示す。
LUT552には、入力画像信号を構成する彩度信号、HPF回路73からの出力highC、多段フィルター回路40を構成する第1〜第3のフィルター回路42〜44の各フィルター回路の出力FO1〜FO3が入力され、彩度信号、出力highC、及び各フィルター回路の出力の組み合わせに対応した補正量を出力する。この補正量が、補正信号VAとして出力される。そのため、LUT552には、予め彩度信号、出力highC、及び各フィルター回路の出力FO1〜FO3の組み合わせに対応した補正量(補正信号)VAa、VAb、・・・、VAc、VAd、VAe、・・・が記憶されており、彩度信号、出力highC、及び各フィルター回路の出力が入力されたとき、これらの組み合わせに対応した補正量を出力するようになっている。
このような実施形態2の第3の変形例によれば、実施形態2又はその変形例と比較して、彩度信号補正量算出回路に内蔵される乗算器及び加算器を無くすことができるので、大幅な低消費電力化及び低コスト化が可能となる。
以上、本発明に係る画像処理装置、画像表示装置、及び画像処理方法を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記の各実施形態又はその変形例では、画像表示装置としてプロジェクターを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る画像表示装置は、液晶表示装置やプラズマディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置等の画像表示を行う装置全般に適用できる。
(2)上記の各実施形態又はその変形例では、光変調素子として透過型の液晶パネルを用いたライトバルブを用いるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。光変調素子として、例えばDLP(Digital Light Processing)(登録商標)、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)等を採用してもよい。
(3)上記の各実施形態又はその変形例では、光変調素子として、いわゆる3板式の透過型の液晶パネルを用いたライトバルブを例に説明したが、単板式の液晶パネルや2板又は4板式以上の透過型の液晶パネルを用いたライトバルブを採用してもよい。
(4)上記の各実施形態又はその変形例では、1画素を3つの色成分のサブ画素で構成されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。1画素を構成する色成分数が2、又は4以上であってもよい。
(5)上記の各実施形態又はその変形例では、彩度ゲイン及び周波数ゲインを算出するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、入力彩度信号を補正する際に、彩度ゲイン及び周波数ゲインの少なくとも1つを算出し、その算出結果を用いて入力彩度信号を補正するようにしてもよい。
(6)上記の各実施形態又はその変形例において、本発明を、画像処理装置、画像表示装置、及び画像処理方法等として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記の画像処理装置や画像表示装置を含む画像表示システムであってもよい。或いは、例えば、本発明を実現するための画像処理装置の処理方法(画像処理方法)、又は本発明を実現するための画像表示装置の処理方法(画像表示方法)の処理手順が記述されたプログラムや、該プログラムが記録された記録媒体であってもよい。
10…画像表示システム、 20…プロジェクター、 30,400…画像処理部、
32,34…ラインメモリー、 40…多段フィルター回路、
42…第1のフィルター回路、 44…第2のフィルター回路、
46…第3のフィルター回路、
50,200,250,450,490,500,550…彩度信号補正量算出回路、
52,76,492…重み付け算出回路、
53〜53,55,59,77,78,204〜204,504〜504…乗算器、
54,79,206,506…加算器、 56…彩度ゲイン算出回路、
60…彩度信号補正回路、 70…周波数解析回路、 72…高周波成分抽出回路、
73…HPF回路、 74…彩度ノイズ除去回路、 75…LPF回路、
80…UV−CH変換回路、 90…CH−UV変換回路、 100…投射部、
110…光源、 112,114…インテグレーターレンズ、 116…偏光変換素子、
118…重畳レンズ、 120R…R用ダイクロイックミラー、
120G…G用ダイクロイックミラー、 122,148,150…反射ミラー、
124R…R用フィールドレンズ、 124G…G用フィールドレンズ、
130R…R用液晶パネル、 130G…G用液晶パネル、
130B…B用液晶パネル、 140…リレー光学系、
142,144,146…リレーレンズ、 160…クロスダイクロイックプリズム、
170…投射レンズ、 202,502…第1のLUT、
202,502…第2のLUT、 202,502…第3のLUT、
252,552…LUT、 452…重み付け係数記憶回路、
458…周波数ゲイン算出回路、 SCR…スクリーン

Claims (11)

  1. 画像表示部に供給される画像信号を補正する画像処理装置であって、
    高周波数帯域において所与の彩度レベル範囲の画像信号に対して該画像信号の彩度成分の補正量を算出する彩度成分補正量算出部と、
    前記彩度成分補正量算出部によって算出された前記補正量を用いて、前記画像信号の彩度成分を補正する彩度成分補正部と
    前記画像信号の彩度成分から前記高周波数帯域の信号を抽出する信号抽出回路とを含み、
    前記彩度成分補正量算出部は、
    前記画像信号の彩度成分のレベルに対応した彩度ゲインを算出する彩度ゲイン算出回路を含み、
    前記信号抽出回路によって抽出された前記高周波数帯域の信号と前記彩度ゲイン算出回路によって算出された前記彩度ゲインとに基づいて、前記彩度成分の補正量を算出することを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1において、
    前記画像信号の彩度成分から前記高周波数帯域の信号を抽出する多段フィルター回路を含み、
    前記彩度成分補正量算出部は、
    前記多段フィルター回路の出力ごとに設けられ補正前の前記彩度成分のレベルに対応したゲインを出力する複数のテーブルと、
    前記多段フィルター回路の出力ごとに設けられ、前記多段フィルター回路の出力と前記複数のテーブルを構成する各テーブルの出力とを乗算する複数の乗算器と、
    前記複数の乗算器を構成する各乗算器の乗算結果を加算する加算器とを含み、
    前記加算器の出力を前記彩度成分の補正量として算出することを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項1において、
    前記画像信号の彩度成分から前記高周波数帯域の信号を抽出する信号抽出回路を含み、
    前記彩度成分補正量算出部は、
    前記信号抽出回路の出力と補正前の前記彩度成分のレベルに対応した前記彩度成分の補正量を出力するテーブルを含むことを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項1において、
    前記画像信号の彩度成分の空間周波数を解析する周波数解析部を含み、
    前記彩度成分補正量算出部が、
    前記画像信号の彩度成分の補正量を、前記周波数解析部の解析結果に応じて算出することを特徴とする画像処理装置。
  5. 請求項において、
    前記周波数解析部は、
    前記画像信号の彩度成分の所与の高周波成分を抽出する高周波成分抽出部を含み、
    前記彩度成分補正量算出部は、
    前記高周波成分抽出部によって抽出された前記高周波成分に対応した周波数ゲインを算出する周波数ゲイン算出部を含み、
    前記高周波数帯域における所与の彩度レベル範囲の彩度成分と前記周波数ゲイン算出部によって算出された前記周波数ゲインとに基づいて、前記彩度成分の補正量を算出することを特徴とする画像処理装置。
  6. 請求項において、
    前記彩度成分補正量算出部は、
    前記画像信号の彩度成分のレベルに対応した彩度ゲインを算出する彩度ゲイン算出部を含み、
    前記高周波数帯域の信号と、前記周波数ゲインと、前記彩度ゲイン算出部によって算出された前記彩度ゲインとに基づいて、前記彩度成分の補正量を算出することを特徴とする画像処理装置。
  7. 請求項乃至のいずれかにおいて、
    前記画像信号の彩度成分から前記高周波数帯域の信号を抽出する信号抽出部を含むことを特徴とする画像処理装置。
  8. 請求項乃至のいずれかにおいて、
    前記周波数解析部は、
    前記画像信号の彩度成分から所与の彩度ノイズ成分を除去する彩度ノイズ除去部を含み、
    前記彩度成分補正部は、
    前記補正量を用いて、前記彩度ノイズ除去部によって前記彩度ノイズ成分が除去された前記画像信号の彩度成分を補正することを特徴とする画像処理装置。
  9. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記画像信号を構成する色差成分を、該色差成分に対応する彩度成分及び色相成分に変換する変換回路を含み、
    前記変換回路によって変換された前記彩度成分を補正することを特徴とする画像処理装置。
  10. 画像信号に基づいて画像を表示する画像表示装置であって、
    前記画像信号を補正する請求項1乃至のいずれか記載の画像処理装置と、
    前記画像処理装置によって補正された画像信号に基づいて画像を表示する画像表示部とを含むことを特徴とする画像表示装置。
  11. 画像表示部に供給される画像信号を補正する画像処理方法であって、
    高周波数帯域において所与の彩度レベル範囲の画像信号に対して該画像信号の彩度成分の補正量を算出する彩度成分補正量算出ステップと、
    前記彩度成分補正量算出ステップにおいて算出された前記補正量を用いて、前記画像信号の彩度成分を補正する彩度成分補正ステップと、
    前記画像信号の彩度成分から前記高周波数帯域の信号を抽出する信号抽出ステップとを含み、
    前記彩度成分補正量算出ステップは、
    前記画像信号の彩度成分のレベルに対応した彩度ゲインを算出する彩度ゲイン算出ステップを含み、
    前記信号抽出ステップによって抽出された前記高周波数帯域の信号と前記彩度ゲイン算出ステップによって算出された前記彩度ゲインとに基づいて、前記彩度成分の補正量を算出することを特徴とする画像処理方法。
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