JP5506628B2 - 圧力調整装置、吐出ユニット、吐出装置 - Google Patents

圧力調整装置、吐出ユニット、吐出装置 Download PDF

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Description

本発明は、圧力調整装置、吐出ユニット、吐出装置に関する。
吐出孔から液滴を吐出して印刷を行うインクジェット吐出装置においては、通常、吐出ヘッドとインクタンクを専用流路によって連結し、この流路を介してインクタンク内に貯留された吐出液が吐出ヘッドに供給される。
供給された吐出液は、吐出ヘッド内に設置された圧力発生装置(例えばオンデマンド型のインクジェットヘッドにおいては、ヒーターあるいは圧電素子等のアクチュエータ)によって発生した圧力波によって吐出孔から液滴として押し出される。
このとき、吐出孔から液滴が良好に吐出されるためには、吐出ヘッドが作動していないときの吐出孔部分のインクメニスカス(吐出液の表面状態)が安定して保持されている必要がある。メニスカスを維持するためには、液滴が重力によって自然落下するときの力に対抗する力を吐出液に与えなければならない。
しかし、上述したオンデマンド型吐出ヘッドには、液滴を射出する機構は具備されているが、吐出ヘッドが作動していないときに吐出ヘッドを通って吐出液が漏れないようにする機構は備えられていない。従って、インクタンク内に吐出液が漏れないような圧力(背圧)をかける方法が利用されている。
背圧をかける方法には従来真空ポンプ等が用いられたが、インクジェット吐出装置で必要とされる背圧の最小制御範囲は10mmH2O以下程度とされており、かつ外部雰囲気の大気圧との差が極めて小さいため、従来の真空ポンプ等を用いたシステムでは、この圧力領域を精度よく調整することが困難であった。
上記のような微少背圧をコントロールする公知の技術としては、特許文献1〜3に開示されているように、多孔質体の細孔によって発生する毛細管力を利用する方法や、特許文献4に開示されているように、実質的に密閉状態にあるインクタンク内部にインクタンクの内外を連通してU字状に曲がったトラップ管を設け、管内部の液体が流動することでインクタンク内外の差圧(すなわち背圧)を調整する方法が挙げられる。
しかしながら、これらの方法は、例えば、多孔質体にインク固形成分が吸着されてインク組成が変化する、多孔質体の材質を選定する上でインク耐性の制約を受ける、密閉状態に近い構造であるためにインクタンクに外部からインク供給を行う装置構造には適用できない等、何かしら不都合をあわせ持っていた。
そこで本願発明者らは、上記したような不都合が生じない微少背圧制御の方法について検討した結果、これまでに本願出願人による特許文献5に記載の背圧制御ユニットを考案した。このユニットは、インクタンクの内部圧力が外部雰囲気の圧力よりも所定圧力以上小さいときに開状態となる負圧弁と、インクタンクの内部圧力が外部雰囲気の圧力よりも大きいときに開状態となる正圧弁とを有し、これらの弁がインクタンクの内部圧力と外部雰囲気との圧力差(すなわち背圧)を所定範囲内に維持するように作動することで、メニスカスを安定させるものである。
前記出願である特許文献5では、開弁圧の制御方法として弁体の重量や弁バネの復元力を利用した実施例を示した。しかしながら、インクタンク内により高い背圧を維持するために、より重い弁体を使用したり、より復元力の強い弁バネを使用すると、背圧を微少範囲で制御することが困難になる。
そのため、吐出装置構成上の制約によりインクタンク内のインク液面が吐出ヘッドの吐出口よりも100mmを超えて上方に位置する場合には、前記出願に記載した実施例では背圧の制御性が不十分になるという新たな課題があることが判明した。
特許第2683187号公報 特許第3513979号公報 特開2007−326303号公報 特許第4011560号公報 国際公開第2010/038696号
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、弁体の重量や弁バネの復元力を利用した方法では制御が困難なほどの高い背圧がインクタンク内に必要な場合でも、インクタンク内の背圧を精度よく調整できる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、中空の筐体が隔壁で第一の内部空間と第二の内部空間に二分され、前記隔壁に設けられた第一、第二の逆止弁のうち、両方が閉状態では前記第一、第二の内部空間の間は遮断され、少なくとも一方が開状態では前記第一、第二の内部空間が接続されるように構成され、前記第二の内部空間の圧力が前記第一の内部空間の圧力よりも、予め設定された第一の圧力以上大きいときには、前記第二の逆止弁が閉状態で前記第一の逆止弁が開状態になり、前記第一の内部空間の圧力が前記第二の内部空間の圧力よりも、予め設定された第二の圧力以上大きいときには、前記第一の逆止弁が閉状態で前記第二の逆止弁が開状態になる圧力調整装置であって、前記第一の逆止弁は、前記第一、第二の内部空間の間を接続できる空気孔が形成された弁座板と、弾性部材で構成され、周囲が前記弁座板の弁座部に接触する弁体と、弾性部材で構成され、一端が前記弁体に固定された軸部と、前記軸部の他端に設けられ、前記弁座板の保持部と接触する留部と、を有し、前記弁体の前記周囲の位置から、前記留部の位置までの、前記軸部の前記軸部が伸びる方向に沿った長さである軸距離は、前記保持部と前記弁座部の間の前記弁座板の厚み方向の長さである板厚よりも短く形成され、前記軸部は、前記弁座板に形成された前記取付孔に伸ばされて挿通されて縮む方向の復元力が発生した状態で、前記留部が前記保持部に接触して前記弁座板に固定され、前記弁体の周囲が前記弁座部に環状に密着して、密着部分で前記空気孔を取り囲むと閉状態になるように構成され、前記第一の圧力は、前記弁体の前記弁座部に密着する部分の少なくとも一部が前記弁座部から離間して隙間が形成され、前記第一、第二の内部空間の間が、前記隙間と前記空気孔によって接続される大きさに設定されており、前記弁座板は、第一、第二の板と、前記第一、第二の板に挟まれて、前記空気孔を取り囲むスペーサとを有し、前記スペーサの厚みは、前記板厚の厚みの一部を構成する圧力調整装置である。
本発明は圧力調整装置であって、前記弁体はドーム形状である圧力調整装置である。
本発明は圧力調整装置であって、前記留部は弾性部材で構成され、直径が前記軸部の直径より大きい球状である圧力調整装置である。
本発明は、前記圧力調整装置と、吐出液が蓄液される中空のインクタンクと、を有し、前記圧力調整装置の前記第一の内部空間は前記インクタンクの内部空間と連通され、前記第二の内部空間は外部雰囲気に接続された吐出ユニットである。
本発明は、前記吐出ユニットと、前記吐出ユニットの前記インクタンクに接続されたインク室と、前記インク室に設けられた圧力発生装置と、一端が前記インク室に接続され、他端が前記外部雰囲気に露出する吐出孔とを有する吐出ヘッドと、を有し、前記インクタンクの内部空間に配置された前記吐出液は、前記インク室に供給され、前記圧力発生装置に圧力波を発生させると、前記吐出孔から吐出される吐出装置である。
本発明は吐出装置であって、前記吐出孔は前記インクタンクよりも下方に配置された吐出装置である。
インクタンク内に高い背圧が必要な条件であっても、前記背圧を精度よく制御できるので、吐出孔からのインク漏れが防止され、メニスカスも安定する。メニスカスが安定するから、吐出口からの液滴吐出量や着弾位置精度等の液滴吐出状態も安定する。
印刷装置の内部側面図 印刷装置の平面図 本発明の吐出装置の一例を示す内部構成図 本発明の吐出ヘッドの一例を示す内部構成図 本発明の圧力調整装置の一例を示す内部構成図 弁座板の一例の内部構成図 弁体部の一例の内部構成図 (a)、(b):スペーサの厚みが薄い場合と厚い場合の第一の逆止弁を説明するための模式図
図1は本発明の吐出装置2を有する印刷装置1の内部側面図、図2は同平面図を示している。
印刷装置1は、台座7と、可動腕8とを有している。
台座7の上方を向いた面は水平にされ、処理対象物である基板を載置できるように構成されている。符号6は台座7上に配置された基板を示している。
可動腕8は台座7の上方に配置され、台座7の表面から可動腕8の底面までの高さは、基板6の厚さよりも大きくされている。
図2を参照し、ここでは台座7の側方には直線状のレール37が延接されている。可動腕8は不図示の移動手段によって、台座7上に配置された基板6と衝突することなく、レール37の長手方向に沿って往復移動するように構成されている。
可動腕8が台座7上に配置された基板6と衝突することなく、台座7に対して相対移動できるならば、移動手段は上記構成に限定されず、静止した可動腕8の下方を台座7が基板6と一緒に水平に移動するように構成してもよい。
可動腕8には一又は複数の吐出装置2が設けられている。
図1を参照し、各吐出装置2は、吐出ヘッド3と、吐出ユニット20とをそれぞれ有している。
吐出ヘッド3は吐出ユニット20に接続されている。吐出ユニット20に接続される吐出ヘッド3の数は一個でも複数でもよいし、一個の吐出ヘッド3が一個又は複数の吐出ユニット20に接続されていてもよいが、ここでは二個の吐出ヘッド3が一個の吐出ユニット20に接続されている。
図3は吐出装置2の一例を示す内部構成図である。
吐出ユニット20は、インクタンク11と、圧力調整装置12とを有している。
インクタンク11には、配管等の第一、第二の流路9、10が接続され、第一、第二の流路9、10にはメインタンク4と排出タンク5とがそれぞれ接続されている。
第一、第二の流路9、10には第一、第二のコック16、17がそれぞれ設けられている。メインタンク4にはインク(吐出液)が蓄液されており、第一のコック16を開状態にすると、メインタンク4からインクタンク11にインクが供給され、閉状態にするとインクの供給が停止する。
符号21はインクタンク11内に蓄液されたインク21を示している。
インクタンク11にインクが蓄液された状態で、第二のコック17を開状態とすると、インクタンク11から排出タンク5にインク21が排出され、閉状態にするとインク21の排出が停止する。
第一、第二のコック16、17の開閉を切り替えることで、インクタンク11にインク21を蓄液、又は排出することができるように構成されている。
後述する圧力調整装置12は、インクタンク11に接続され、後述するように、インクタンク11の内部圧力(インクタンク11内のインク21の液面上方空間の圧力)を所定の圧力範囲内に制御できるように構成されている。
インクタンク11の第二の流路10の接続位置と同じ高さには第三の流路15が接続されている。吐出ヘッド3はインクタンク11の下方に配置され、第三の流路15を介してインクタンク11に接続されている。
第三の流路15の途中には第三のコック18が設けられている。第三のコック18を開状態にすると、インクタンク11のインク21が吐出ヘッド3に供給され、閉状態にするとインク21の供給が停止する。
図4は吐出ヘッド3の一例の部分拡大断面図である。
吐出ヘッド3は、インク室31と、吐出孔36と、圧力発生装置(アクチュエーター)35とを有している。
第三の流路15はインク室31に接続されている。吐出孔36の一端はインク室31に接続され、他端は吐出ヘッド3の底面に露出している。アクチュエーター35はヒーターや圧電素子等であり、インク室31に設けられている。
インクタンク11から第三の流路15を通って供給されたインク21はインク室31に収容される。インク室31に収容されたインク21は、吐出孔36の内側で吐出装置2の外部雰囲気(大気)に露出する。
インクタンク11は吐出ヘッド3の上方に位置しており、吐出孔36内に露出するインク21の液面と、インクタンク11内のインク21の液面との間に水頭差が生じている。
しかしながら、圧力調整装置12によりインクタンク11の内部圧力が所定範囲内に制御されており、アクチュエーター35から押圧力を加えない停止状態で、吐出孔36からインク21が漏れ出さないようになっている。
アクチュエーター35に通電すると、アクチュエーター35は昇温又は変形してインク室31内のインク21に押圧力が加わり、吐出孔36からインク21が吐出され、台座7上の基板6に着弾する。
図5は本発明の圧力調整装置12の一例の拡大断面図である。
圧力調整装置12は、中空の筐体41と、隔壁44とを有している。
筐体41の内部空間は隔壁44により第一の内部空間41aと第二の内部空間41bに二分されている。
隔壁44には、第一、第二の逆止弁13、14が設けられている。
第二の逆止弁14は、ここでは第一、第二の補助弁座71、75と、補助弁体72と、弁バネ73とを有している。
第一、第二の補助弁座71、75は互いに対向して配置され、第一、第二の内部空間41a、41bを接続する第一、第二の補助貫通孔74、76がそれぞれ設けられている。
補助弁体72は外周が第一の補助貫通孔74の内周よりも大きく形成され、第二の内部空間41b側から第一の補助貫通孔74を覆うように配置されている。
弁バネ73は第一、第二の補助弁座71、75の間に配置され、一端が第二の補助弁座75に固定され、他端は弁バネ73が伸びた状態で第一の補助貫通孔74を通って補助弁体72に取り付けられている。弁バネ73の縮む方向の復元力により、補助弁体72は第一の補助弁座71の表面に押し付けられ、第一の補助貫通孔74の周囲に環状に密着して、補助弁体72を挟んで第一の内部空間41aと第二の内部空間41bとが遮断された閉状態になる。
第二の圧力P2が、補助弁体72が第一の補助弁座71から離間して隙間が形成され、第一の内部空間41aと第二の内部空間41bとが接続される大きさ(P2>弁バネ73の復元力/第一の補助貫通孔74の断面積)に設定されていると、第一の内部空間41aの圧力が第二の内部空間41bの圧力よりも、予め設定された第二の圧力P2以上大きいときには、第一の内部空間41aと第二の内部空間41bとが接続された開状態となる。
なお上記実施例では、第二の逆止弁14に、弁バネの復元力によって開弁圧を制御する構造を用いて説明したが、本発明はこれに限定されず、第二の逆止弁14に他の構造を用いてもよい。
第一の逆止弁13は、弁座板60と、弁体部50とを有している。
図6は弁座板60の一例の内部構成図を示している。
弁座板60は、第一、第二の板61a、61bと、スペーサ67を有している。
第一の板61aは、第一の主貫通孔62aと、第一の副貫通孔63aと、弁座部65とを有している。弁座部65は、第一の板61aの第一の内部空間41a側の表面に第一の主貫通孔62aの端部と第一の副貫通孔63aの端部の両方を取り囲むように設けられている。
第二の板61bは、第一の主貫通孔62aと連通する第二の主貫通孔62bと、第一の副貫通孔63aと連通する第二の副貫通孔63bと、第二の副貫通孔63bに設けられた保持部66とを有している。ここでは保持部66は第二の副貫通孔63bの第二の内部空間41b側の端部の開口である。
第一、第二の主貫通孔62a、62bが連通されて構成された孔を空気孔62と呼ぶと、空気孔62は第一、第二の内部空間41a、41bの間を接続できるように構成されている。
また、第一、第二の副貫通孔63a、63bが連通されて構成された孔を取付孔63と呼ぶ。
スペーサ67は、ここでは厚みが100μm程度の金属薄板であり、第一、第二の板61a、61bに挟まれて、空気孔62を取り囲んでいる。
第一の板61aとスペーサ67と第二の板61bは、ここでは第二の板61b側からネジ68によってネジ止めされて固定され、スペーサ67は第一、第二の板61a、61bに密着している。
弁座部65と保持部66の間の弁座板60の厚み方向の長さを板厚L2と呼ぶと、スペーサ67の厚みは、板厚L2の厚みの一部を構成している。
図7は弁体部50の一例の内部構成図を示している。
弁体部50は、弾性部材で構成された弁体51と、弾性部材で構成され、一端が弁体51に固定された棒状の軸部52と、軸部52の他端に設けられた留部53とを有している。
弁体部50の弁体51と軸部52と留部53はニトリルゴム(NBR)、フッ素系ゴム、シリコーンゴム等の弾性部材で一体成形されている。弁体51の形状および材質は、最小制御圧力範囲が1mmH2Oになるようにされている。
ここでは弁体51は、周囲55の大きさが第一の主貫通孔62aと第一の副貫通孔63aの両方を取り囲むことができる大きさのドーム形状に形成され、軸部52は弁体51の凹んだ側の面である裏面の中心に直角に固定されている。留部53は直径が軸部52の直径より大きい球形状に形成されている。
軸部52の直径は保持部66の直径より小さく、留部53の直径は保持部66の直径より大きくされている。
弁体51の周囲55の位置から留部53の位置までの、軸部52の自然な状態での軸部52が伸びる方向に沿った長さ(自然長)である軸距離L1は、弁座板60の板厚L2よりも短く形成されている。
図5を参照し、軸部52は、弁座板60に形成された取付孔63に伸ばされて挿通されて縮む方向の復元力が発生した状態で、留部53が保持部66に接触して弁座板60に固定され、弁体51の周囲55が弁座部65に環状に密着して、密着部分で空気孔62を取り囲むと、第一、第二の内部空間41a、41bが遮断された閉状態になる。
第一の圧力P1が、弁体51の弁座部65に密着する部分の少なくとも一部が弁座部65から離間して隙間が形成され、第一、第二の内部空間41a、41bの間が、前記隙間と空気孔62によって接続される大きさに設定されていると、第二の内部空間41bの圧力が第一の内部空間41aの圧力よりも、予め設定された第一の圧力P1以上大きいときには、第一の内部空間41aと第二の内部空間41bとが接続された開状態になる。
図8(a)、(b)はスペーサ67の厚みが薄い場合と厚い場合の第一の逆止弁13を説明するための模式図である。
図8(a)のようにスペーサ67の厚みが薄い場合に較べて、図8(b)のようにスペーサ67の厚みが厚い場合には、弁座板60の板厚L2がより大きく、弁体51が軸部52からより大きい力で引っ張られており、弁体51と弁座部65との接触面積がより大きく、第一の圧力P1はより大きな値に設定されている。
使用する弁体部50について、スペーサ67の厚みと第一の圧力P1の大きさとの関係を、予め実験やシミュレーションにより求めておけば、予め求めておいた関係に基づいて、所定の厚みのスペーサ67を第一、第二の板61a、61bの間に配置することで、第一の逆止弁13に所望の大きさの第一の圧力P1を設定できるようになっている。
また弁体部50の形状に個体差がある場合でも、個体差に起因する第一の圧力P1の違いは、スペーサ67の厚みにより解消でき、第一の逆止弁13に所望の大きさの第一の圧力P1を設定できるようになっている。
本発明の圧力調整装置12では、隔壁44に設けられた第一、第二の逆止弁13、14のうち、両方が閉状態では第一、第二の内部空間41a、41bの間は遮断され、少なくとも一方が開状態では第一、第二の内部空間41a、41bが接続されるように構成されている。
第二の内部空間41bの圧力が第一の内部空間41aの圧力よりも、予め設定された第一の圧力P1以上大きいときには、第二の逆止弁14が閉状態で第一の逆止弁13が開状態になる。また、第一の内部空間41aの圧力が第二の内部空間41bの圧力よりも、予め設定された第二の圧力P2以上大きいときには、第一の逆止弁13が閉状態で第二の逆止弁14が開状態になる。
筐体41の外壁面には、第一、第二の内部空間41a、41bとそれぞれ連通する第一、第二の補助流路42、43が接続されている。
図3を参照し、第一の補助流路42はインクタンク11に接続され、第二の補助流路43は外部雰囲気に接続されている。
従って、第一の逆止弁13はインクタンク11の負圧を調整する負圧弁、第二の逆止弁14はインクタンク11の正圧を調整する正圧弁として働き、インクタンク11の内部圧力と外部雰囲気との圧力差が、第二の圧力P2と第一の圧力P1とで定まる所定範囲内に維持される。
次に、本発明の吐出装置2の動作の一例について説明する。
まずインクタンク11に設定すべき背圧を予め求めておき、その背圧を維持できるスペーサ67の厚みを予め求めておく。第一、第二の板61a、61bの間に予め求めておいた厚みのスペーサ67を配置しておく。
インクタンク11に設定する背圧の大きさは特に限定されないが、内部圧力が小さくなりすぎると、インク21がインクタンク11から吐出ヘッド3の吐出孔36内へ正常に供給されなくなるので、インク21の供給が妨げられない大きさになるようにする。
例えば、インクタンク11の内部圧力から外部雰囲気の圧力を引いた値が−100mmH2O〜−300mmH2Oの範囲内の設定値になった時に、第二の逆止弁14が閉状態、第一の逆止弁13が開状態になるようなスペーサ67の厚みを予め求めておき、その厚みのスペーサ67を第一、第二の板61a、61bの間に配置しておくと、インクタンク11内のインク液面が吐出ヘッド3の吐出孔36よりも100mmを超えて上方に位置する場合であってもインクタンク11内の背圧を精度よく調整できる。
メインタンク4とインクタンク11との間の第一のコック16を開状態にし、他の第二、第三のコック17、18を閉状態にして、メインタンク4からインクタンク11へのインク供給を行う。
この時にインクタンク11の内部圧力が上昇するが、大気圧より第二の圧力P2以上大きいときには、第一の逆止弁13が閉状態、第二の逆止弁14が開状態になって、大気圧との圧力差が第二の圧力P2未満になるまで内部圧力が減少される。従って、インクタンク11の内部圧力は、大気圧との圧力差が第二の圧力P2未満の正圧に維持される。所定量のインク21がインクタンク11に収容されたら、第一のコック16を閉じ、メインタンク4からのインク21の供給を停止する。このとき、第一、第二の逆止弁13、14は両方とも閉状態になっている。
次に、排出タンク5とインクタンク11との間の第二のコック17を開状態に、他の第一、第三のコック16、18を閉状態にし、インクタンク11からインク21を少量排出し、インクタンク11内部に、インク漏れ防止のための背圧(外部雰囲気よりも負圧)を形成する。インクタンク11の内部圧力が下がりすぎて大気圧との圧力差が第一の圧力P1以上になった場合は、第二の逆止弁14が閉状態、第一の逆止弁13が開状態になって、大気圧との圧力差が第一の圧力P1未満になるまで上昇し、背圧が第一の圧力P1未満の所定範囲に維持される。
所定範囲の背圧が形成されたら、第二のコック17を閉じてインク21の排出を停止する。このとき、第一、第二の逆止弁13、14は両方とも閉状態になっている。
インクタンク11と吐出ヘッド3との間の第三のコック18を開状態にし、他の第一、第二のコック16、17を閉状態にすれば、インク21がインクタンク11から吐出ヘッド3に供給され、吐出ヘッド3からの吐出プロセスが可能になる。
上述したように、インクタンク11の内部には、インク漏れ防止のための所定範囲内の背圧が形成されているから、アクチュエーター35から押圧力が加わらない停止状態では、吐出孔36からインク21が漏れ出さず、メニスカスも安定する。メニスカスが安定するから、吐出孔36からの液滴吐出量や着弾位置精度等の液滴吐出状態も安定する。
液滴吐出プロセスの実行に伴ってインクタンク11内のインク21は減少する。インク21の減少に伴い、インクタンク11の内部圧力も減少するが、大気圧との圧力差が第一の圧力P1以上になると、第二の逆止弁14が閉状態、第一の逆止弁13が開状態になって、大気圧との圧力差が第一の圧力P1未満になるまで上昇し、背圧が第一の圧力P1未満の所定範囲内に維持される。
インクタンク11内のインク21が所定量未満に減ったら、インクタンク11とメインタンク4との間の第一のコック16を開状態、他の第二、第三のコック17、18を閉状態にして、インク21を供給する。
インク供給後は、上述したように、背圧を形成した後、吐出プロセスを再開する。
なお、外部雰囲気の圧力(ここでは大気圧)は気象現象によって逐次変化しているが、その場合は外気圧とインクタンク11内部の圧力の差圧が圧力調整装置12に対して常に作用するので、上記背圧調整の中に上記大気圧との差圧補正も含まれる。
上記実施例では、インク21をインクタンク11に供給した後、インク21をインクタンク11から排出タンク5に排出することでインクタンク11内に負圧を形成したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、インクタンク11に排気ポンプを接続し、インクタンク11にメインタンク4からインク21を供給してインクタンク11の内部圧力が上昇したら、インクタンク11のインク21の液面よりも上方の空間を排気ポンプで排気して、インクタンク11内にインク漏れ防止のための背圧を形成してもよい。
2……吐出装置
3……吐出ヘッド
11……インクタンク
12……圧力調整装置
13……第一の逆止弁
14……第二の逆止弁
20……吐出ユニット
21……吐出液(インク)
31……インク室
35……圧力発生装置(アクチュエーター)
36……吐出孔
41……筐体
41a……第一の内部空間
41b……第二の内部空間
44……隔壁
51……弁体
52……軸部
53……留部
60……弁座板
61a……第一の板
61b……第二の板
62……空気孔
63……取付孔
65……弁座部
66……保持部
67……スペーサ

Claims (6)

  1. 中空の筐体が隔壁で第一の内部空間と第二の内部空間に二分され、
    前記隔壁に設けられた第一、第二の逆止弁のうち、両方が閉状態では前記第一、第二の内部空間の間は遮断され、少なくとも一方が開状態では前記第一、第二の内部空間が接続されるように構成され、
    前記第二の内部空間の圧力が前記第一の内部空間の圧力よりも、予め設定された第一の圧力以上大きいときには、前記第二の逆止弁が閉状態で前記第一の逆止弁が開状態になり、
    前記第一の内部空間の圧力が前記第二の内部空間の圧力よりも、予め設定された第二の圧力以上大きいときには、前記第一の逆止弁が閉状態で前記第二の逆止弁が開状態になる圧力調整装置であって、
    前記第一の逆止弁は、
    前記第一、第二の内部空間の間を接続できる空気孔が形成された弁座板と、
    弾性部材で構成され、周囲が前記弁座板の弁座部に接触する弁体と、
    弾性部材で構成され、一端が前記弁体に固定された軸部と、
    前記軸部の他端に設けられ、前記弁座板の保持部と接触する留部と、
    を有し、
    前記弁体の前記周囲の位置から、前記留部の位置までの、前記軸部の前記軸部が伸びる方向に沿った長さである軸距離は、前記保持部と前記弁座部の間の前記弁座板の厚み方向の長さである板厚よりも短く形成され、
    前記軸部は、前記弁座板に形成された前記取付孔に伸ばされて挿通されて縮む方向の復元力が発生した状態で、前記留部が前記保持部に接触して前記弁座板に固定され、前記弁体の周囲が前記弁座部に環状に密着して、密着部分で前記空気孔を取り囲むと閉状態になるように構成され、
    前記第一の圧力は、前記弁体の前記弁座部に密着する部分の少なくとも一部が前記弁座部から離間して隙間が形成され、前記第一、第二の内部空間の間が、前記隙間と前記空気孔によって接続される大きさに設定されており、
    前記弁座板は、第一、第二の板と、前記第一、第二の板に挟まれて、前記空気孔を取り囲むスペーサとを有し、
    前記スペーサの厚みは、前記板厚の厚みの一部を構成する圧力調整装置。
  2. 前記弁体はドーム形状である請求項1記載の圧力調整装置。
  3. 前記留部は弾性部材で構成され、直径が前記軸部の直径より大きい球状である請求項1記載の圧力調整装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の圧力調整装置と、
    吐出液が蓄液される中空のインクタンクと、
    を有し、
    前記圧力調整装置の前記第一の内部空間は前記インクタンクの内部空間と連通され、前記第二の内部空間は外部雰囲気に接続された吐出ユニット。
  5. 請求項4記載の吐出ユニットと、
    前記吐出ユニットの前記インクタンクに接続されたインク室と、前記インク室に設けられた圧力発生装置と、一端が前記インク室に接続され、他端が前記外部雰囲気に露出する吐出孔とを有する吐出ヘッドと、
    を有し、
    前記インクタンクの内部空間に配置された前記吐出液は、前記インク室に供給され、前記圧力発生装置に圧力波を発生させると、前記吐出孔から吐出される吐出装置。
  6. 前記吐出孔は前記インクタンクよりも下方に配置された請求項5記載の吐出装置。
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