JP5504257B2 - ドライブコンポーネントおよびピックオフコンポーネントが配設される固定板を備えたフローメータ - Google Patents

ドライブコンポーネントおよびピックオフコンポーネントが配設される固定板を備えたフローメータ Download PDF

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Description

本発明は、フローメータに関するものであり、特にコリオリフローメータ等におけるドライブコンポーネントやピックオフコンポーネントの配設構造に関連する。
導管を流れる物質の質量流量やその他の物理量を測定するために、コリオリ効果を利用したフローメータ(質量流量メータ)を用いることは一般的に知られている。典型的なコリオリフローメータは、J.E.スミスらへ付与されている米国特許第4,109,524号、米国特許第4,491,025号およびRe第31,450号に開示されている。これらのフローメータは、直線構造または曲線構造を備えた1つ以上の導管を有している。コリオリ式の質量流量メータ内の各導管構造は、単純曲げモード、ねじれモードまたはこれらを組み合わせたタイプのモードのような一組の固有振動モードを有している。そして、これらの固有モードのうちの1つのモードで共振するように各導管を駆動する。フローメータの流入口側で接続されている配管から流れ込む物質は、一つ以上の導管を通り、フローメータの流出口側から流れ出る。このように物質が充填された振動系の固有振動モードは部分的に、導管の質量および導管内を流れる物質の質量の合計によって規定される。
フローメータに何も流れていない場合、加えられた駆動力によって導管に沿ったすべての部位が振動する。これらの部位は同一の位相で振動する場合もあれば、または、一定の値だけ僅かに位相がずれて振動する場合もあり、この一定の位相ずれは修正可能な場合もある。一方、物質がフローメータを流れ始めると、コリオリ力により、導管に沿った各部位が異なる位相を有するようになる。たとえば、フローメータの流入口端部の位相は駆動力よりも遅れており、流出口の位相は駆動力よりも進んでいる。導管に設けられたピックオフセンサーが該導管の運動を表す正弦波信号を発生し、この信号が処理されて2つ以上のピックオフセンサー間の位相差が求められる。ピックオフセンサー間の位相差は導管を流れる物質の質量流量に比例している。
複数のピックオフコンポーネントが存在するが、一般的な例としてマグネット−コイルアセンブリがある。デュアルフローチューブ構造では、通常一方のフローチューブにマグネットが固定されており、他方のフローチューブにコイルが固定されて、マグネットの近傍の位置に設けられている。このような構造では、フローチューブを振動させる交流電流がドライブコイルに供給されると、ピックオフセンサーのマグネット−コイルアセンブリには、フローチューブの振動に応じた誘導電圧が発生する。通常、フローチューブの流入口端部に1つのピックオフセンサーがあり、流出口端部に他のピックオフセンサーがある。したがって、各フローチューブは、少なくとも1つのドライブコンポーネントと2つのピックオフコンポーネントとを備えている。なお、マグネット−コイルアセンブリの動作は当該技術分野において知られている。
上述の構造に関する1つの問題は、振動するフローチューブ上のコイルにワイヤーを接続する点にある。従来、この問題は複数の方法で対処されて来ている。第一の方法は、ある種のテープまたは接着剤を用いてワイヤーをフローチューブに貼り付けることである。他のアプローチは、とくにフローチューブの直径が小さい場合、薄い可撓性の導体(フレクサー)を用いることである。これらのアプローチは両方とも欠点を有している。すなわち、テープまたは接着剤は一般的に高制振材であり、その特性が時間および温度の変化とともに予測不能に変化する。この変化により信号に誤差が生じて、メータの性能の評価を誤ってしまう。よって、テープまたは接着剤の使用による解決策は不十分なものである。一方、フレクサーは、制振性をほとんど有していないものの、通常、それ自他が固有振動数を有しており、固有振動数で励振されると急激に破損する恐れがある。しかも、フレクサーはその薄さのため、非常に脆弱である。
上述の問題に対する解決策を複数の特許文献が提案している。たとえば、米国特許第4,756,198号には、フローメータのハウジングにコイル用のマウントを溶接することが開示されている。コイル用のマウントが溶接されると、コイルがコイル用のマウントに搭載され、マグネットだけがフローチューブに取り付けられる。’198の特許文献の解決策に関する問題は、ワイヤーがコイルから自由に垂れ下がってしまうということである。このように、提案された解決策は、フローチューブにコイルを取り付けることに対する改善を提供しているものの、ワイヤーが垂れ下がるという問題を有している。
米国特許第5,349,872号には、他の解決策の提案が開示されている。’872の特許文献は、フローチューブからコイルを取り除き、フローチューブの上の位置に1つとフローチューブの下の位置に1つの2つのプリント回路基板(PCB)に搭載することを開示している。この解決策は、’198の特許文献のワイヤーが垂れ下がるという状況を解決するものの、過剰な構成部品が組み込まれることになり、ギャップのばらつきによって誤差が引き起こされる可能性を生じる。
したがって、コイルをフローチューブに取り付けることを必要とせず、また、同時に構成部品の数をできるだけ少なくしたフローメータが求められている。本発明は、これらおよび他の課題を克服し、当該技術分野の進歩を達成するものである。
態様
本発明の1つの態様によれば、第一のフローチューブ(103)と第二のフローチューブ(103’)とを有するフローメータ(30)は、第一のフローチューブ(103)と第二のフローチューブ(103’)との間に少なくとも一部分が配置されている固定板(250)と、この固定板(250)に配設されるドライブコンポーネントおよびピックオフコンポーネントのうちの少なくとも1つとを備えている。
好ましくは、固定板(250)全体を、第一のフローチューブ(103)と第二のフローチューブ(103’)との間に配置してもよい。
好ましくは、ドライブコンポーネントがドライブコイル(104B)を含んでおり、フローメータ(30)が、第一のフローチューブ(103)および第二のフローチューブ(103’)のうちの1つにおいてドライブコイル(104B)の近傍に配設されたドライブマグネット(104A)をさらに有している。
好ましくは、ドライブコンポーネントは、固定板(250)の第一の側面に配設された第一のドライブコイル(104B)を含み、さらに固定板(250)の第二の側面に配設された第二のドライブコイル(104B)含んでいる。
好ましくは、フローメータ(30)は、第一のフローチューブ(103)において第一のドライブコイル(104B)の近傍に配設される第一のドライブマグネット(104A)と、第二のフローチューブ(103’)において第二のドライブコイル(104B)の近傍に配設される第二のドライブマグネット(104A)とをさらに備えている。
好ましくは、ピックオフコンポーネントは、固定板(250)に配設されたピックオフコイル(105B、106B)を含んでおり、フローメータ(30)は、第一のフローチューブ(103)および第二のフローチューブ(103’)のうちの1つにおいてピックオフコイル(105B、106B)の近傍に配設されるピックオフマグネット(105A、106A)をさらに有している。
好ましくは、ピックオフコンポーネントは、固定板(250)に配設された第一のピックオフコイル(105B)を含み、さらに、固定板(250)に配設された第二のピックオフコイル(106B)を含んでいる。
好ましくは、フローメータ(30)は、第一のフローチューブ(103)において第一のピックオフコイル(105B)の近傍に配設される第一のピックオフマグネット(105A)と、第二のフローチューブ(103’)において第二のピックオフコイル(106B)の近傍に配設される第二のピックオフマグネット(106A)とをさらに備えている。
好ましくは、フローメータ(30)は、第一のフローチューブ103および第二のフローチューブ103’に配設される1つ以上のカウンターバランス(415)をさらに備えている。
好ましくは、フローメータ(30)は、第二の固定板(250)をさらに備えており、第一のピックオフコイル(105B)および第二のピックオフコイル(106B)のうちの一方が第二の固定板(250)に配設され、第一のピックオフコイル(105B)および第二のピックオフコイル(106B)のうちの他方が第一の固定板(250)に配設される。
好ましくは、固定板(250)は計測用電子機器(20)へ接続されている。
好ましくは、第一のフローチューブ(103)および第二のフローチューブ(103’)は固定板(250)に対して振動するように構成されている。
本発明の他の態様によれば、第一のフローチューブ(103)と第二のフローチューブ(103’)とを備えるフローメータ(30)が、それら第一のフローチューブ(103)および第二のフローチューブ(103’)の間に少なくとも一部分が配置される固定板(250)と、この固定板(250)に配設された第一のピックオフコイル(105B)、および第一のフローチューブ(103)において第一のピックオフコイル(105B)の近傍に配設された第一のピックオフマグネット(105A)を有する第一のピックオフセンサー(105)と、固定板(250)に配設された第二のピックオフコイル(106B)、および第二のフローチューブ(103’)において第二のピックオフコイル(106B)の近傍に配設された第二のピックオフマグネット(106A)を有する第二のピックオフセンサー(106)と、固定板(250)に配設された第一のドライブコイル(104B)、ならびに第一のフローチューブ(103)および第二のフローチューブ(103’)のうちの1つにおいて第一のドライブコイル(104B)の近傍に配設された第一のドライブマグネット(104A)を有するドライブコンポーネント(104)とを備えており、第一のフローチューブ(103)および第二のフローチューブ(103’)が固定板(250)に対して振動するように構成されている。
好ましくは、固定板(250)全体が、第一のフローチューブ(103)と第二のフローチューブ(103’)との間に配置されている。
好ましくは、第一のドライブコイル(104B)が固定板(250)の第一の側面に配設されており、第一のドライブマグネット(104A)が第一のフローチューブ(103)に配設されており、ドライブコンポーネント(104)は、固定板(250)の第二の側面に配設された第二のドライブコイル(104B)と、第二のフローチューブ(103)において第二のドライブコイル(104B)の近傍に配設された第二のドライブマグネット(104A)とをさらに有している。
好ましくは、第一のフローチューブ(103)および第二のフローチューブ(103’)に配設されている1つ以上のカウンターバランス(415)をさらに備えている。
好ましくは、固定板(250)は計測用電子機器(20)に接続されている。
従来のフローメータを示す図である。 本発明の1つの実施形態に係るフローメータを示す図である。 本発明の1つの実施形態に係るフローメータにおいて、固定板に沿った部分を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るフローメータにおいて、固定板に沿った部分を示す図である。
図1〜4および下記記載には、本発明の最良の態様を構成し利用する方法を当業者に教示するための具体的な実施形態が示されている。本発明の原理を教示するために、従来技術の一部が単純化または省略されている。当業者にとって明らかなように、これらの実施形態の変形例も本発明の技術範囲内に含まれる。また、当業者にとって明らかなように、下記の記載の構成部材をさまざまな方法で組み合わせて本発明の複数の変形例を形成することができる。したがって、本発明は、下記記載の特定の実施形態に限定されるのではなく、特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定されるものである。
図1には、従来のコリオリフローメータ10が示されている。コリオリフローメータ10は、流入口フランジ101と、流出口フランジ101とを備えている。コリオリフローメータ10は、流入口フランジ101および流出口フランジ101’を通じて、流体配管などへ接続されるように構成されている。流体は、流入口フランジ101の中へ流入し、マニホルド102において2つの別個の流れに分けられる。こうして分かれた流れはそれぞれフローチューブ103、103’に流入し、その後、フローチューブ103、103’から流出してマニホルド102’において合流した後に、流出口マニホルド101’から流出する。コリオリフローメータ10は、マグネット104Aおよびコイル104Bの組立体を有する駆動機器であるドライバ104(ドライブコンポーネント)をさらに備えている。同様に、コリオリフローメータ10は、第一のピックオフセンサー105と第二のピックオフセンサー106とを備えており、これらのセンサーは、マグネット105A(図示せず)、106Aと、コイル105B、106Bの組立体を有している。
動作時には、計測用電子機器20(METER ELECTRONICS)により駆動信号がリード線110を通じてドライブコイル104Bへと送信される。この駆動信号により、フローチューブ103、103’が曲げ軸線W、W’をそれぞれ中心として振動する。これらの曲げ軸線W、W’は、フローメータ10の動作領域を制限する複数のブレースバー120〜123を用いて部分的に規定されている。そして、フローチューブ103、103’の振動に応じてピックオフセンサー105、106に電圧が発生し、この電圧の信号がリード線111、111を通じて計測用電子機器20へと送られる。計測用電子機器20は、ピックオフセンサー105、106から送信される信号に基づいて質量流量の情報や物質密度の如き他の情報を生成する。RTD(図示せず)の如き温度測定デバイスが温度測定値をさらに提供することもできる。計測用電子機器20はこの情報をリード線26を通じて下流のプロセスへと送信することができる。
図1から明らかなように、コイル104B、105B、106Bを計測用電子機器20へと接続するリード線110、111、111’は、接着剤130を用いてフローチューブ103’に固定されている。接着剤130によってもたらされる余計な制振が、センサーを不安定にさせる等のようにコリオリフローメータの性能に悪影響を及ぼすことがある。また、フローメータ10が温度変動に晒されると、接着剤が剥がれてしまう恐れがあり、さらなるメンテナンスが必要となる。
図2には、本発明の1つの実施形態に係るフローメータ30が示されている。1つの実施形態によれば、フローメータ30はコリオリフローメータであるが、いうまでもなく、フローメータ30は、振動式デンシトメータの如き他のタイプのフローメータであってもよい。したがって、本発明の技術範囲はコリオリフローメータに限定されるべきではない。
フローメータ30は、従来のフローメータ10に類似している。違いは、固定板250の有無にある。固定板250は複数の材料および構造を有しうる。本発明の1つの実施形態によれば、固定板250はプリント回路基板(PCB)250から構成されてもよい。しかしながら、いうまでもなく、固定板250は他の複数の材料またはこれらの材料を組み合わせたものから構成されてもよく、本発明はPCBを用いることに限定されるべきではない。しかしながら、下記の記載は、簡単明瞭にする目的で固定板250がPCBであるとしているが、いうまでもなく、本発明はそのように限定されるべきではない。
本発明の1つの実施形態によれば、PCB250の少なくとも1部分が、2つのフローチューブ103、103’の間の位置に設けられている。他の実施形態によれば、PCB250全体が2つのフローチューブ103、103’の間の位置に設けられている。PCB250はフローメータ30の外部に設けられた構造体に固定されてもよいし、またはそれに代えて、実施形態によっては、PCB250はフローメータのハウジング(図示せず)に固定されてもよい。本発明の他の実施形態によれば、PCB250は、ブレースバー120〜123のうちの1つ以上へ固定されてもよい。PCB250を固定するためにどのような方法が用いられるかは本発明の目的にとって重要なことではない。しかしながら、ほとんどの実施形態では、PCB250は、フローチューブ103、103’の振動に対して実質的に静止したままである。しかしながら、いうまでもなく、実施形態によっては、PCB250の小さな振動が、校正ルーチン中に許容され、補償されるように構成されてもよい。
図2に示されている実施形態によれば、ドライブコンポーネントはPCB250に配設されている。本明細書に記載されているようなドライブコンポーネントは、ドライブコイル104Bの如きドライブコイルまたはドライブマグネット104Aの如きドライブマグネットを含んでいる。いうまでもなく、コイル104Bを計測用電子機器20へ接続するワイヤーがPCB250へ結合されてもよい。本発明の他の実施形態によれば、ピックオフコンポーネントがPCB250に配設されている。本明細書に記載されているようなピックオフコンポーネントはピックオフコイルまたはピックオフマグネットを含んでいる。いうまでもなく、ピックオフセンサーを計測用電子機器20に接続するワイヤーがPCB250に結合されてもよい。ドライブコンポーネントおよびピックオフコンポーネントは、既知のボンディング技術または締結技術を用いてPCB250に配設されてもよい。本発明の実施形態によれば、マグネット104A、105のA、106AがPCB250に固定されている。本発明の他の実施形態によれば、ドライバ104およびピックオフセンサー105、106のすべてのコイル104B、105B、106BがPCB250に固定されており、マグネット104A、105A、106Aはフローチューブ103、103’に取り付けられている。このことで、フローメータ30のフローチューブ103、103’がフローメータ10のフローチューブ103、103’よりも軽量になり、リード線110、111、111’をフローチューブ103、103’へ固定する必要性が排除される。したがって、ワイヤーをフローチューブ103、103’へ取り付けることに関して先に記載した問題が削減されるか、または、実施形態によっては排除され得る。他の実施形態によれば、ピックオフコイル105B、106BのみがPCB250へ配設され、ドライブコイル104Bは、従来の方法に従って、フローチューブ103、103’へ固定される。この実施形態では、PCB250は、ドライバ104の通り抜けられる大きさの開口を有しており、ピックオフコイル105B、106BはPCB250に一体化されている。それに代えて、PCB250をドライバ104の下方に設けるようにしてもよい。
本発明の1つの実施形態によれば、リード線100は、PCB250を計測用電子機器20へ直接接続する。本発明の1つの実施形態によれば、個々のリード線100をPCB250の内部を通すことにより、ワイヤーが露出しないようにすることができる。それに代えて、複数のPCB250を用いて、個々のリード線100を2つのPCBの間を通すようにしてもよい。他の代案としては、リード線100をPCB250の外側にボンディングするようにしてもよいしまたは締結するようにしてもよい。
図2の実施形態では単一のPCB250しか示されていないが、いうまでもなく、実施形態によっては、1を超える数のPCB250がフローチューブ103とフローチューブ103’との間に設けられてもよい。1つの実施形態によれば、各コイル104B、105B、106Bが別々のPCBに取り付けられている。したがって、本発明を単一のPCB250に限定すべきではない。
PCB250をフローチューブ103とフローチューブ103’との間に配置することにより、ドライバ104およびピックオフセンサー105、106を計測用電子機器20へ接続するリード線100をフローチューブ103、103’へ固定する必要性が低下する。コイル104B、105B、106BのすべてがPCB250へ結合されている実施形態では、リード線100をフローチューブ103、103’へ固定する必要性がなくなる。このため、リード線100がフローチューブ103、103’の減衰特性に対しても、また固有振動数に対しても影響を与えなくなる。このように、フローメータ30は従来技術よりも安定でかつ効率的な振動式フローメータとなる。さらに、フローメータ30は、センサーを不均衡にしてその性能に影響を与え得るテープ重量およびワイヤー重量をさらに含んでいない。フローメータ30においてPCB250を用いれば、フレクサーの使用に関して先に記載した問題も解消される。
図3は、本発明の実施形態に係るフローメータ30を示す平面図である。図3には、フローメータ30の全体は示されておらず、フローチューブ103、103’のうちのPCB250に沿った部分が示されている。図示されているように、本発明の1つの実施形態によれば、PCB250の少なくとも一部分が、フローチューブ103とフローチューブ103’との間に配置されている。本発明の他の実施形態によれば、PCB250全体がフローチューブ103とフローチューブ103’との間に配置されている。
図3に示されている実施形態は、以下の1つの重要な点で図2に示されている実施形態とは異なっている。図3に示されている実施形態は、ドライバ104の流入口端部(同図の左端にFLOWと示すように左端部)に1つのマグネット105Aしか有しておらず、また、ドライバ104の流出口端部に1つのマグネット106Aしか有していない。したがって、第一のピックオフセンサー105は1つのフローチューブ103または103’にしか結合されていない。同様に、第二のピックオフセンサー106は1つのフローチューブ103または103’にしか結合されていない。つまり、フローチューブ103’は第一のピックオフセンサー105を有しており、フローチューブ103は第二のピックオフセンサー106を有している。本発明の1つの実施形態によれば、フローメータ30は、フローチューブ103’の流入口端部とフローチューブ103の流出口端部との間の位相差を測定するようになっている。
図3に示されている実施形態では、第一のピックオフマグネット105Aがフローチューブ103’上に配置され、第二のピックオフマグネット106Aがフローチューブ103上に配置されていることが示されている。しかしながら、いうまでもなく他の実施形態では、マグネット105Aとマグネット106Aとが交換されてもよい。正確な位置は本発明の目的にとって重要なことではないが、本発明の1つの実施形態によれば、第一のピックオフマグネット105Aと第二のピックオフマグネット106Aとは、異なるフローチューブ103、103’に配置されている。
図4は、本発明の実施形態に係るフローメータ30であるフローメータ30の一部を示す平面図である。図4に示されている実施形態は、カウンターバランス415以外は、図3に示されている実施形態と類似している。上述のように、本発明の1つの実施形態によれば、フローメータ30は、ドライバ104の流入口端部に1つのピックオフ105しか有していないし、ドライバ104の流出口端部に1つのピックオフ106しか有していない。各フローチューブ103、103に1つのピックオフマグネットしか設けられていないので、フローチューブ103および103’は重量バランスが取れていない場合もある。
本発明の1つの実施形態によれば、フローチューブ103、103’の重量バランスを補償するために、カウンターバランス415が設けられている。1つの実施形態によれば、カウンターバランス415は、フローチューブ103、103’のうちの、従来技術に従ってマグネットが配置されるであろう位置と実質的に同一の位置に設けられる。本発明の他の実施形態によれば、カウンターバランス415は、従来技術に従ってマグネットが配置されるであろう位置とは異なる位置に配置されてもよい。一部の実施形態では、カウンターバランス415は、図4に示されているような内側ではなく、フローチューブ103、103’の外側部分に配置されてもよい。さらに他の実施形態では、カウンターバランス415は、たとえばスリーブとして、フローチューブ103、103’の外周全体のまわりに配置されてもよい。本発明の1つの実施形態によれば、カウンターバランス415は実質的にマグネット105A、106Aと同一の重量である。しかしながら、カウンターバランス415の重量はマグネット105A、106Aとは異なる重量を有していてもよい。
カウンターバランス415は、マグネット105A、106Aによりフローチューブ103、103’へ付加される重量による影響を打ち消すことにより、フローチューブ103、103’のバランスを取るために設けられる。このようにして、フローチューブ103、103’が1つのピックオフマグネット105A、106Aしか有していないとしても、フローチューブ103、103’のバランスが依然として保たれることになる。
本発明は、リード線100をフローチューブ103、103’の外側へ取り付けることを必要としないフローメータ30を提供している。さらに、本発明は、フローチューブ103、103’の各々へ取り付けられる単一のピックオフだけを有するフローメータ30を提供している。いうまでもなく、上述の発明概念は、コリオリフローメータにだけに適用可能であるというわけではなく、ピックオフセンサーから延びるワイヤーを用いることを必要とする他のフローメータに対しても同様に適用可能である。
上述の実施形態の詳細な記載は、本発明の技術範囲内に含まれるものとして本発明者が考えているすべての実施形態を完全に網羅するものではない。さらに正確にいえば、当業者にとって明らかなように、上述の実施形態のうちの一部の構成要件をさまざまに組み合わせてまたは除去してさらなる実施形態を作成してもよいし、また、このようなさらなる実施形態も本発明の技術範囲内および教示範囲内に含まれる。また、当業者にとって明らかなように、本発明の技術および教示の範囲に含まれるさらなる実施形態を作成するために、上述の実施形態を全体的にまたは部分的に組み合わせてもよい。
以上のように、本発明の具体的な実施形態または実施例が例示の目的で記載されているが、当業者にとって明らかなように、本発明の技術範囲内において、さまざまな変更が可能である。本明細書に記載の教示を上述のかつそれに対応する図に記載の実施形態のみでなく他の実施形態にも適用することができる。したがって、本発明の技術範囲は下記の請求項によって決められる。

Claims (17)

  1. 第一のフローチューブ(103)と第二のフローチューブ(103’)と、第一又は第二のフローチューブ(103、103‘)を振動させるドライバ (104)と、第一又は第二のフローチューブ(103、103‘)の振動を検知するピックオフセンサ(105)とを備えたフローメータ(30)であって、
    前記第一のフローチューブ(103)と前記第二のフローチューブ(103’)との間に少なくとも一部分が配置されている固定板(250)を備え、この固定板(250)にドライバコンポーネント(104A、104B)およびピックオフコンポーネント(105A、105B)のうちの少なくとも1つが配設され、
    固定板(250)はプリント回路基板(PCB)から構成されている、フローメータ(30)。
  2. 前記固定板(250)の全体が、前記第一のフローチューブ(103)と前記第二のフローチューブ(103’)との間に配置されている、請求項1に記載のフローメータ(30)。
  3. 前記ドライバコンポーネントがドライブコイル(104B)を含んでおり、
    前記第一のフローチューブ(103)および前記第二のフローチューブ(103’)のうちの1つにおいて、前記ドライブコイル(104B)の近傍にドライブマグネット(104A)が配設されている、請求項1に記載のフローメータ(30)。
  4. 前記ドライバコンポーネントは、前記固定板(250)の第一の側面に配設された第一のドライブコイル(104B)と、該固定板(250)の第二の側面に配設された第二のドライブコイル(104B)とを含む、請求項1に記載のフローメータ(30)。
  5. 前記第一のフローチューブ(103)において前記第一のドライブコイル(104B)の近傍に第一のドライブマグネット(104A)が配設され、
    前記第二のフローチューブ(103’)において前記第二のドライブコイル(104B)の近傍に第二のドライブマグネット(104A)が配設されている、請求項4に記載のフローメータ(30)。
  6. 前記ピックオフコンポーネントは、前記固定板(250)に配設されたピックオフコイル(105B、106B)を含み、
    前記第一のフローチューブ(103)および前記第二のフローチューブ(103’)のうちの1つにおいて、前記ピックオフコイル(105B、106B)の近傍にピックオフマグネット(105A、106A)が配設されている、請求項1に記載のフローメータ(30)。
  7. 前記ピックオフコンポーネントは、前記固定板(250)に配設された第一のピックオフコイル(105B)と、該固定板(250)に配設された第二のピックオフコイル(106B)とを含む、請求項1に記載のフローメータ(30)。
  8. 前記第一のフローチューブ(103)において前記第一のピックオフコイル(105B)の近傍に第一のピックオフマグネット(105A)が配設され、
    前記第二のフローチューブ(103’)において前記第二のピックオフコイル(106B)の近傍に第二のピックオフマグネット(106A)が配設されている、請求項7に記載のフローメータ(30)。
  9. 前記第一のフローチューブ(103)および前記第二のフローチューブ(103’)の少なくとも1つにカウンターバランス(415)が配設されている、請求項7に記載のフローメータ(30)。
  10. 更に、一部が前記第一のフローチューブ(103)および前記第二のフローチューブ(103’)の間に位置した第二の固定板(250)と、該第二の固定板(250)に連結された第2のドライバコンポーネント(104A、104B)の少なくとも1つ、又は第2のピックオフコンポーネント(106A、106B)の1つを含む、請求項1に記載のフローメータ(30)。
  11. 前記固定板(250)が計測用電子機器(20)へ接続されてなる、請求項1に記載のフローメータ(30)。
  12. 前記第一のフローチューブ(103)および前記第二のフローチューブ(103’)が前記固定板(250)に対して振動するように構成されている、請求項1に記載のフローメータ(30)。
  13. 第一のフローチューブ(103)と第二のフローチューブ(103’)とを有するフローメータ(30)であって、
    前記第一のフローチューブ(103)と前記第二のフローチューブ(103’)との間に少なくとも一部分が配置された固定板(250)であって、前記第一のフローチューブ(103)および前記第二のフローチューブ(103’)が前記固定板(250)に対して振動するように構成されている固定板(250)と、
    前記固定板(250)に配設された第一のピックオフコイル(105B)と、前記第一のフローチューブ(103)において前記第一のピックオフコイル(105B)の近傍に配設された第一のピックオフマグネット(105A)とを有する第一のピックオフセンサー(105)と、
    前記固定板(250)に配設された第二のピックオフコイル(106B)と、前記第二のフローチューブ(103’)において前記第二のピックオフコイル(106B)の近傍に配設された第二のピックオフマグネット(106A)とを有する第二のピックオフセンサー(106)と、
    前記固定板(250)に配設された第一のドライブコイル(104B)と、前記第一のフローチューブ(103)および前記第二のフローチューブ(103’)のうちの1つにおいて前記第一のドライブコイル(104B)の近傍に配設された第一のドライブマグネット(104A)とを有するドライバ(104)と、
    前記固定板(250)に連結され、第一のピックオフセンサー(105)、第二のピックオフセンサー(106)及びドライバ(104)に電気的に接続されているリード(100)を備えている、フローメータ(30)。
  14. 前記固定板(250)全体が、前記第一のフローチューブ(103)と前記第二のフローチューブ(103’)との間に配置されている、請求項13に記載のフローメータ(30)。
  15. 前記第一のドライブコイル(104B)が前記固定板(250)の第一の側面に配設され、
    前記第一のドライブマグネット(104A)が前記第一のフローチューブ(103)に配設され、
    前記ドライバ(104)は、前記固定板(250)の第二の側面に配設されている第二のドライブコイル(104B)と、前記第二のフローチューブ(103)において前記第二のドライブコイル(104B)の近傍に配設された第二のドライブマグネット(104A)とをさらに有する、請求項13に記載のフローメータ(30)。
  16. 前記第一のフローチューブ(103)および前記第二のフローチューブ(103’)の少なくとも1つにカウンターバランス(415)が配設されている、請求項13に記載のフローメータ(30)。
  17. 前記固定板(250)が計測用電子機器(20)へ接続されてなる、請求項13に記載のフローメータ(30)。
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