JP5504220B2 - 提供情報選択装置、方法及びプログラム - Google Patents
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このようにすると、集団の行動履歴情報に含まれるジャンル情報等の出現頻度を利用して、各情報提供用データに対する集団の選択傾向度合いを適切に計算することが可能となる。
[概要]
この発明の一実施形態は、集団の関係性に加えて対象集団が選択した情報の傾向を考慮することで、集団にとって未知でかつ適切な情報と不適切な情報との間で生じるトレードオフの問題を解決する。
その実現方法として、嗜好空間に集団の選択傾向の次元を追加し、集団に提供する情報の候補である情報提供用データ、例えば「○○麻婆豆腐屋」、「△△ラーメン屋」等の飲食店情報データの集合と、集団の行動履歴データ、例えば「□□ハンバーガーショップ」に訪れた等の訪問した飲食店情報データをその拡張した嗜好空間上に示し、その空間上での類似度を測ることによって各情報提供用データが対象集団にとって適しているか否かを判定する手法を用いる。
(中華の出現頻度+豆腐の出現頻度)/(○○麻婆豆腐屋が持つメタ情報数)
=(2+1)/2
=1.5
となる。
なお、所持するジャンルに対応する出現頻度が存在しない場合には、その値は0として扱う。
例えば、対象集団の行動履歴として図15に示した3つの店舗で食事をしたとし、それぞれの店舗は図15に示されるジャンルをメタ情報として有しているものとする。この場合、それぞれのジャンルxの出現頻度GF(x) は以下のようになる。
GF(中華)=1/2+1/3+0
=5/6
GF(豆腐)=1/2+0+0
=1/2
GF(麺)=0+1/3+0
=1/3
GF(ラーメン)=0+1/3+0
=1/3
GF(和食)=0+0+1/3
=1/3
GF(居酒屋)=0+0+1/3
=1/3
GF(日本酒)=0+0+1/3
=1/3
BS(□□中華飯店)=1/2(5/6+0)
=5/12
BS(◇◇うどん)=1/2(1/3+0)
=1/6
BS(○○ステーキ店)=1/3(0+0+0)
=0
BS(△△小料理)=1/3(0+1/3+1/3)
=2/9
図14は、集団の行動履歴データ3つと情報提供用データ1つを、ユーザAとユーザBの嗜好スコアと集団の選択傾向度合いからなる空間上にプロットした場合の例を示したものである。集団の行動履歴データ及び情報提供用データは共にユーザAの嗜好スコア、ユーザBの嗜好スコア、集団の選択傾向度合いを成分としたベクトルで表される。ある情報提供用データDが所持するジャンル数をm、あるジャンルGに対するユーザUの嗜好スコアをGP(U,G) としたとき、ある情報提供用データDに対するユーザUの嗜好スコアをCP(U,D) は以下の式(3)で表される。なお、あるジャンルGに対するユーザUの嗜好スコアGP(U,G) は予めアンケート等で取得されているものとする。
CP(ユーザA、○○麻婆豆腐屋)=1/2(5+4)
=4.5
CP(ユーザB、○○麻婆豆腐屋)=1/(3+5)
=4
V(○○麻婆豆腐屋)=(4.5,4,5/12)
NGP(ユーザA,○○麻婆豆腐屋)
=1/2(0.8861+0.6185)
≒0.7525
同様に、ユーザBの中華および豆腐に対する嗜好スコアの正規化後の値NCP(ユーザB,中華)、NCP(ユーザB,豆腐)、及び「○○麻婆豆腐屋」(中華と豆腐をジャンルとして持つ)に対する嗜好スコアの正規化後の値(NCP(ユーザB,○○麻婆豆腐屋)は以下のようになる。
(NV(○○麻婆豆腐屋))=(0.7523,0.7649,0.8005)
図1は、この発明の一実施形態に係わる提供情報選択装置の機能構成を示すブロック図である。
この発明の一実施形態に係わる提供情報選択装置は、図示しない入力デバイスや表示デバイス、記憶装置との間でデータの入出力を行う入出力インタフェース1と、プログラム及びデータを記憶しておくための記憶部2と、情報選択部3と、集団の行動頻度情報算出部4と、他のシステムとの間で図示しない通信ネットワークを介して情報を送受信するための通信インタフェース部5と、開始トリガを発生するタイマ部6とを備えている。
図2は、図1に示した提供情報選択装置の具体的な構成を示すブロック図である。
同図に示すように提供情報選択装置は、中央処理ユニット(Central Processing Unit;CPU)11を備え、このCPU11に対しバス12を介してプログラムメモリ13及びデータメモリ14を接続し、さらに通信インタフェース16、入出力インタフェース17及びタイマ・インタフェース20を接続したものとなっている。
次に、以上のように構成された提供情報選択装置の動作を説明する。
提供情報選択装置は以下のような手順で処理を実行する。図8はその全体の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
提供情報選択装置は、待機状態において入出力制御プログラム131の制御の下でデータの入力を監視している。この状態で、入出力インタフェース17又は通信インタフェース16を介してデータが受信されると、先ずステップS1により当該入力データが開始トリガであるかを判断する。この判定の結果、開始トリガでなければ、続いてステップS3において上記入力データが集団の行動履歴情報であるか他のデータであるかを判定する。そして、集団の行動履歴情報以外のデータだったとすれば、ステップS7において当該入力データをデータメモリ14内の対応する記憶エリアに記憶させる。
一方、入力データが集団の行動履歴を表す情報だったとする。この場合提供情報選択装置は、ステップS4により入出力制御プログラム131の制御の下で、上記入力された集団の行動履歴情報をデータメモリ14内の集団の行動履歴情報記憶エリア142に記憶させる。次に、ステップS5において集団の行動頻度算出プログラム134を起動し、この行動頻度算出プログラム134の制御の下で集団の行動頻度を算出するための処理を以下のように実行する。図9はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
さて、この状態でタイマ21から開始トリガが発生するか、又は入力デバイス18において操作者が開始トリガを入力したとする。開始トリガには、集団に適した情報選択処理を実行する開始フラグと情報選択対象とするグループIDが必ず含まれ、必要に応じてその他の情報も含まれる。グループIDは、このグループIDに一致する情報を記憶部2より抽出するといった用途に使用する。その他の情報は、例えば場所や時間帯などの情報であり、必ずしも含まれていなくても良い。場所や時間帯情報は、開始トリガ発信者の今居る場所や時間帯であっても、これから向かおうと思っている場所や時間帯であっても構わない。なお、ユーザID、グループID、ジャンル名、項目名は全ての情報データにおいて統一されており、同一のID及び名称であれば同じものを示している。
すなわち提供情報選択装置は、先ずステップS21において、受信した開始トリガに含まれているグループIDに該当する集団行動頻度情報、集団構成情報及び集団行動履歴情報をそれぞれデータメモリ14内の記憶エリア147,146,142より読み出す。続いてステップS22において、上記読み出した集団構成情報に含まれるユーザIDをもとに該当する個人の嗜好情報を記憶エリア141から読み出す。
さて、上記各情報の読み出しが終了すると、提供情報選択装置は続いて上記情報提供用データ及び行動履歴情報の特徴ベクトルを作成する処理を以下のように実行する。
すなわち、先ずステップS25により、まだ特徴ベクトルを算出していない情報提供用データ及び行動履歴情報が存在するか否かを判定する。そして、特徴ベクトルを算出していない情報提供用データ及び行動履歴情報が存在する場合にはステップS26〜S28の処理へ、存在しなければステップS29へ移行する。
提供情報選択装置は、ステップS26において、選択された情報提供用データまたは行動履歴情報に対する個人の嗜好スコアを算出するために、データメモリ14から、選択した情報提供用データまたは行動履歴情報が持つジャンル名と、そのジャンル名と対象とするユーザに該当する個人の嗜好情報を読み出す。そして、上記選択された情報提供用データまたは行動履歴情報のデータDが所持するジャンル数をm、あるジャンルGに対するユーザUの嗜好スコアをGP(U,G)とすると、上記選択した情報提供用データDに対するユーザUの嗜好スコアCP(U,D)を以下の式により算出する。
提供情報選択装置は、次にステップS27において、上記選択された情報提供用データに対する集団の選択度合いを算出するために、選択した行動履歴情報が持つジャンル名と、そのジャンル名と対象とするグループに該当する行動頻度情報をデータメモリ14から読み出す。いま、全行動履歴情報の数がN、ある行動履歴情報Cが所持しているジャンル数をmとすると、あるジャンルGの出現頻度GF(G) は
提供情報選択装置は、続いてステップS28において、上記ステップS26,S27で算出されたユーザの嗜好スコアCP(U,D) 及び集団の選択傾向度合いBS(D) をもとに、上記選択された情報提供用データ及び行動履歴情報に対する特徴ベクトルを以下のように算出する。
V(D)={CP(U1,D),CP(U2,D),…,CP(UN,D),BS(D)} (11)
により算出する。そして、この算出された情報提供用データDの特徴ベクトル(V(D))をデータメモリ14に保存する。なお、行動履歴情報に対する特徴ベクトルについても同様に算出し、データメモリ14に保存する。
(3−3−1)特徴ベクトルを用いた類似度の算出
そうして全ての情報提供用データ及び行動履歴情報に対する特徴ベクトルの算出が終了すると、提供情報選択装置はステップS29に移行し、このステップS29において、上記算出された情報提供用データ及び行動履歴情報の特徴ベクトルを利用して、情報提供用データが対象集団に適しているか否かを判定する。ここでは、ユークリッド距離を応用した判定法を例にあげ、その処理を説明する。図11はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
前記選択されたひとつの情報提供用データと、全ての行動履歴データとの間の類似度の計算が終了すると、ステップS36に移行する。そして、このステップS36において、上記算出された類似度を用いて、上記選択された情報提供用データの推薦スコアを決定する。情報提供用データの推薦スコアは、ステップSS33〜S35で求めた類似度の総和とする。したがって、すべての行動履歴データの数をNとすると、情報提供用データ(C)の推薦スコア(RS(C))は、
かくして、全ての情報提供データについて推薦スコアが算出される。
上記ステップS29による推薦スコアの計算処理が終了すると、提供情報選択装置はステップS30に移行する。そして、ステップS29において算出された推薦スコアをもとに、対象集団に適した情報提供データを選択する。具体的には、提供候補となる全ての情報提供用データを、上記ステップS29により算出された推薦スコアが高い順に並べ、そのうち上位n個の情報提供用データを選択する。なお、このnは予め設定しておくか、あるいは開始トリガ情報の中に含めておく。
以上詳述したようにこの実施形態では、集団に提供する情報の集合である情報提供用データ集合と、集団の構成を表す情報と、集団を構成する各個人の嗜好を表す情報を取得してデータメモリ14の記憶エリアにそれぞれ格納すると共に、集団の行動履歴情報を取得してこの情報をもとに集団の行動頻度を算出して記憶エリアに格納する。そして、開始トリガが発生した場合に、この開始トリガにより指定されたグループIDに該当する集団に所属する個人の嗜好情報と、上記開始トリガにより指定された立地場所及び営業時間に該当する情報提供用データとをそれぞれ検索し、この検索された情報提供用データに対する個人の嗜好スコアを算出する。またそれと共に、上記情報提供用データ及び行動履歴データをもとに、当該情報提供用データに対する上記指定された集団の選択傾向度合いを表す情報を算出する。そして、上記算出された各構成員の嗜好スコア情報と集団の選択傾向度合いを表す情報とをもとに、上記情報提供用データ及び行動履歴を表す情報に対する特徴ベクトルをそれぞれ算出してこれらの特徴ベクトル間の類似度を算出し、上記情報提供用データごとに算出された特徴ベクトルの類似度を予め設定されたしきい値とそれぞれ比較することにより、類似度がしきい値より大きい嗜好スコア情報に対応する情報提供用データを、上記集団に適したデータとして選択するようにしている。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
Claims (5)
- 集団に提供するための複数の情報提供用データと、前記集団の構成員を表す情報と、前記構成員の嗜好を表す情報と、前記集団の行動履歴を表す情報をそれぞれ取得して記憶媒体に記憶する手段と、
情報提供用データの提供対象となる集団が指定されたとき、前記記憶媒体に記憶された集団の構成員を表す情報及び当該構成員の嗜好を表す情報をもとに、前記記憶された複数の情報提供用データの各々に対する前記指定された集団の各構成員の嗜好の強さを表す嗜好スコア情報を算出する手段と、
前記記憶媒体に記憶された情報提供用データ及び行動履歴を表す情報をもとに、前記情報提供用データごとに当該情報提供用データに対する前記指定された集団の選択傾向度合いを表す情報を算出する手段と、
前記算出された各構成員の嗜好スコア情報と前記算出された集団の選択傾向度合いを表す情報とをもとに、前記情報提供用データ及び行動履歴を表す情報に対する特徴ベクトルをそれぞれ算出する手段と、
前記情報提供用データごとに、当該情報提供用データに対し算出された特徴ベクトルと前記行動履歴を表す情報に対し算出された特徴ベクトルとの類似度をそれぞれ算出する手段と、
前記情報提供用データごとに算出された特徴ベクトルの類似度を予め設定されたしきい値とそれぞれ比較し、類似度がしきい値より大きい嗜好スコア情報に対応する情報提供用データを、前記集団に適したデータとして選択する手段と
を具備することを特徴とする提供情報選択装置。 - 前記選択傾向度合いを表す情報を算出する手段は、
前記記憶媒体に記憶された行動履歴を表す情報をもとに、当該行動履歴情報の総数をN、任意の行動履歴情報に含まれる当該行動履歴の特徴を表すメタ情報の数をmとした場合に、あるメタ情報Gの出現頻度GF(G) を
前記記憶媒体に記憶された複数の情報提供用データのうち候補として選んだ情報提供用データDに含まれるメタ情報の数をmとしたとき、前記行動履歴情報から算出されたメタ情報Gの出現頻度GF(G) に基づいて、当該候補となる情報提供用データDに対する前記集団の選択傾向度合いBS(D) を
を備えることを特徴とする請求項1記載の提供情報選択装置。 - 集団に提供するための複数の情報提供用データと、前記集団の構成員を表す情報と、前記構成員の嗜好を表す情報と、前記集団の行動履歴を表す情報をそれぞれ取得して記憶媒体に記憶する過程と、
情報提供用データの提供対象となる集団が指定されたとき、前記記憶媒体に記憶された集団の構成員を表す情報及び当該構成員の嗜好を表す情報をもとに、前記記憶された複数の情報提供用データの各々に対する前記指定された集団の各構成員の嗜好の強さを表す嗜好スコア情報を算出する過程と、
前記記憶媒体に記憶された情報提供用データ及び行動履歴を表す情報をもとに、前記情報提供用データごとに当該情報提供用データに対する前記指定された集団の選択傾向度合いを表す情報を算出する過程と、
前記算出された各構成員の嗜好スコア情報と前記算出された集団の選択傾向度合いを表す情報とをもとに、前記情報提供用データ及び行動履歴を表す情報に対する特徴ベクトルをそれぞれ算出する過程と、
前記情報提供用データごとに、当該情報提供用データに対し算出された特徴ベクトルと前記行動履歴を表す情報に対し算出された特徴ベクトルとの類似度をそれぞれ算出する過程と、
前記情報提供用データごとに算出された特徴ベクトルの類似度を予め設定されたしきい値とそれぞれ比較し、類似度がしきい値より大きい嗜好スコア情報に対応する情報提供用データを、前記集団に適したデータとして選択する過程と
を具備することを特徴とする提供情報選択方法。 - 前記選択傾向度合いを表す情報を算出する過程は、
前記記憶媒体に記憶された行動履歴を表す情報をもとに、当該行動履歴情報の総数をN、任意の行動履歴情報に含まれる当該行動履歴の特徴を表すメタ情報の数をmとした場合に、あるメタ情報Gの出現頻度GF(G) を
前記記憶媒体に記憶された複数の情報提供用データのうち候補として選んだ情報提供用データDに含まれるメタ情報の数をmとしたとき、前記行動履歴情報から算出されたメタ情報Gの出現頻度GF(G) に基づいて、当該候補となる情報提供用データDに対する前記集団の選択傾向度合いBS(D) を
を備えることを特徴とする請求項3記載の提供情報選択方法。 - 請求項3又は4記載の提供情報選択方法が備える過程に対応する処理をコンピュータに実行させるプログラム。
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