JP5503805B2 - 熱輸送冷媒を流すことができるチャネルを有する電子チップ、電子コンポーネント、およびこの電子チップ内蔵のスイッチングアーム - Google Patents

熱輸送冷媒を流すことができるチャネルを有する電子チップ、電子コンポーネント、およびこの電子チップ内蔵のスイッチングアーム Download PDF

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Description

本発明は、電子チップ、およびこの電子チップを内蔵し、3D構造を有する電子コンポーネントに関する。また、本発明は、別の電子コンポーネント、およびこの電子チップを内蔵するスイッチングアームにも関する。
電子コンポーネントは、外部電気回路に接続するためのピンが外面上に設けられているパッケージの形態を有する構成部材である。このようなパッケージは、1つ以上の電子チップ、およびこれら1つ以上の電子チップを接続ピンに接続する電気配線を備えている。1つ以上の電子チップおよび電気配線は、それらを外部環境から保護するようになっている密閉材料で密封されている。通常は、密閉材料は、電気絶縁ポリマーである。また、この密閉材料は、一般に、パッケージの外壁をも形成している。
各電子チップは、ウエハと呼ばれることが多い半導体基板から切り出した板片である。これらの電子チップは、ウエハスケールのミクロ電子工学の製造工程を経て製造される。この工程は、半導体基板を機能的にするために、すなわち電子チップに所望の機能を付与するために、特に層を連続して順に重ねて、堆積およびエッチングすることから成っている。
これらの電子チップの多くは、制御可能なスイッチとして機能する。その理由は、それが電子装置の基本機能の1つであるからである。これらの電子チップは、制御信号に応えて、オン状態とオフ状態との間で切り替わる。そのため、電子チップは、一般に、基本的に平面上に設けられ、この電子チップがオン状態のとき、有効電流のほとんどが流れる1つ以上のp−n接合を形成する、少なくとも1つのpドープ領域、および少なくとも1つのnドープ領域によって形成された活性領域を有する、半導体基板を備えている。この活性領域は、ドリフト領域とも呼ばれている。
オン状態では、活性領域は、電子チップを接続するための少なくとも2つのピンの間を流れる有効電流に対する抵抗が小さい。対照的にオフ状態または遮断状態では、活性領域は、同じ接続ピンの間の有効電流に対して、抵抗がはるかに大きい。典型的には、U/J比は、オフ状態においては、1×106Ω/cm2よりも大きく、さらに1×108Ω/cm2よりも大きいことが好ましい。ここで、Uは、接続ピン間の電圧であり、Jは、活性領域を流れる電流の密度である。有効電流の流れは、オフ状態では完全に停止すると理想的である。オン状態では、U/J比は、1Ω/cm2より小さく、0.01Ω/cm2より小さいことが好ましい。
オン状態とオフ状態との切り替えは、このために設けられている制御電極に伝達される制御信号によって制御することができる。この制御電極は、例えば、電子チップが、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)、もしくはMOS(金属酸化物半導体)トランジスタなどの電界効果トランジスタのときは、「ゲート」と呼ばれ、バイポーラトランジスタの場合は「ベース」と呼ばれ、サイリスタの場合は「トリガ」と呼ばれている。また、これらの2つの状態間の切り替えは、ダイオードの場合のように、接続ピン間に印加される電圧だけに依存してもよい。この場合、オンおよびオフの2つの状態の間でダイオードを切り替える制御信号は、そのカソードとアノードとの間に印加される電圧である。
電子チップは、ジュール損失により熱せられる。これにより、電子チップの性能に悪影響が及ぶか、または例えば定格電流などの動作範囲が制限される。接続ピン間の電流と電圧の積が大きくなればなるほど、ますますジュール熱は大きくなる。電子コンポーネントには温度限界があるので、予防措置が講じられない場合、ジュール熱により、電子コンポーネントが破壊する恐れがある。従って、パワー電子コンポーネント、すなわち電流密度が1A/cm2より大きく、好ましくは100A/cm2より大きい有効電流を、例えば10分、またはかなりの時間でさえ破壊されることなしに流すことができる電子コンポーネントを冷却することは、おおむね必須のことである。従って、電子チップおよび電子コンポーネントは、冷却回路と関係していることが多い。
電子チップの基板の1つの面の少なくとも一部において、電子チップの非機能領域に、マイクロチャネルを形成することが既に提案されている。マイクロチャネルは、チャネルの横断面の最大寸法が500μmより小さく、好ましくは100μmより小さいチャネルである。このようなマイクロチャネルについては、例えば非特許文献1に記載されている。
多くの場合、これらのマイクロチャネルは、電流が流れる領域を妨害しないように、電子チップの基板の面と平行に延びている。しかし、最近、集積回路の分野において、これらのマイクロチャネルを、基板の面と垂直に基板の中を通過させることが提案されている(例えば、特許文献1(US2009/0294954)参照)。この場合、マイクロチャネルは、有効電流が流れる集積回路の1つ以上の領域を避けるように、注意深く設けられる。その理由は、集積回路の活性領域は極端に小さいからである(約数nm平方〜数十nm平方)。従って、もしマイクロチャネルがこの活性領域を通過するか、またはこの活性領域に接触すると、この活性領域は消滅することとなる。従ってこの技術は、集積回路の設計段階において、マイクロチャネルを通過させることができる領域を、電子的視点から非機能的にする対策を必要としている。これらの非機能領域により、電子チップの面積は増加し、小型化するのがさらに難しくなる。
現在、電子チップを改善するために、これらの電子チップを、より効果的に冷却することが必要になっている。また、基板と平行に設けられるマイクロチャネルは長いので、大きなヘッドロスを生じ、熱伝導流体と基板との間の熱交換係数を低下させることになる。
さらに、マイクロチャネルを使用する代わりに、活性領域を流れる有効電流を供給および回収する電気トラックが、活性領域から熱を排出し、それにより活性領域を冷却するために使用されている。
電気トラックはこの二重の機能を有するので、これらの電気トラックと活性領域との接触部分は、導電率が大きいだけでなく、熱のよい伝導体でもある必要がある。熱の伝導を確実に良くするために、これらの電気接続は、半田付けによって、または接着によって、もしくは非常な高圧で行われる。さらに、接触部分は、熱抵抗を減らすために、一般に大きな面積を有している。従って、このような接触部分は、熱および電気の良導体であり、電子チップを機械的に強くしているが、温度変化によって機械的なストレスを受けている。その理由は、基板と電気トラックは、一般に、熱膨張係数が異なり、かつそれらの間に自由度がないからである。
さらに、従来技術としては、特許文献2(EP1988572A1)、特許文献3(US2007/117306A1)、および特許文献4(US2007/126103A1)ほかがある。
米国特許出願公開第2009/0294954号明細書 欧州特許出願第1988572(A1)号明細書 米国特許出願公開第2007/117306(A1)号明細書 米国特許出願公開第2007/126103(A1)号明細書 国際公開第2005/089477号明細書
Tuckerman D.B.、Pease R.F.W.共著、「VLSI用の高性能ヒートシンキング(High Performance Heat Sinking For VSLI)」、IEEE電子装置レター、ボリュームEDL−2−5、ページ126−129、1981年 Philippe Leturck著"Tenue en tension des semi−conducteurs de puissance" Techniques de I’ingenieur, Traite Genie electrique, B3 104
本発明は、上記の欠点の少なくとも1つを解決することを目的としている。従って、本発明は、流れる熱伝導流体を収容することができ、かつ少なくとも活性領域のpドープ領域またはnドープ領域を通過する少なくとも1つのチャネルを備えている、電子チップに関する。さらに、この少なくとも1つのチャネルは、直線的であり、基板の面と垂直である方向Fと同一方向から、±45°の範囲内の方向に、基板を貫通している。
上記の電子チップでは、1つ以上のチャネルが、活性領域、すなわちジュール熱の大部分が発生する領域を通過している。従って、チャネルが、ジュール熱の発生源のごく近くに設置されているので、この電子チップとチャネルとの熱交換は、効果的になっている。従って、電子チップの冷却は改善されている。
この電子チップの実施形態は、次の特徴の1つ以上を備えているのが良い。
・電子チップは、第1および第2の金属化層を備えている。これらの層は、活性領域の断面に有効電流を分散させるために、活性領域の両面上に直接均一に広がっている。各金属化層は、活性領域に開いている1つ以上のチャネルを通って各金属化層を貫流する熱伝導流体を、透過させることができる。
・電子チップは、活性領域のnまたはpドープ領域を通過する100を超えるチャネルを備えている。
・チャネルの総断面積は、活性領域の面積の3分の1より小さい。
・チャネルは、最も弱くドープされた領域において、最も強くドープされた領域から最も弱くドープされた領域に進む方向に、朝顔形に広がっている。
・チャネルの側壁は、少なくともチャネルが異なるタイプにドープされた2つの領域の交わる部分を横切る位置においては、誘電体の層で覆われている。
・電子チップは、活性領域の1つの面に均一かつ直接に広がる少なくとも1つの金属化層を備えている。この金属化層は、活性領域に開いている1つ以上のチャネルの中を流れる熱伝導流体を透過させることができる。金属化層の厚さeは、比ρ/eが0.1mΩより小さくなる厚さである。ここで、ρは、金属化層が作られている材料の導電率である。
・活性領域は、大きなpまたはnドープ領域で形成され、このpまたはnドープ領域の中に、その反対のタイプにドープされた基本セルが作成されて、複数のp−n接合を形成し、その間に導電ゲートが設けられている。これらの導電ゲートは、活性領域をオン状態とオフ状態とに切り替えることができ、各チャネルは、2つのゲートの間に配置されている1つの基本セルの場所を、通過または占有している。
・電子チップは、制御信号に応えて、活性領域を、電流に対する抵抗が小さいオン状態と、電流に対する抵抗が少なくとも10倍大きいオフ状態とに切り替えることができる制御可能スイッチである。
・1つ以上のチャネルの最小動水直径は、1〜500μmである。
さらに、これらの実施形態は、次のような利点を有している。
−基板をその面と垂直に通過するチャネルは短くなるので、ヘッドロスを減らして、熱交換係数が大きくなっている。
−流体の流れに対して平行に、100を超えるチャネルを使用することにより、ヘッドロスを大幅に減少させることができるとともに、より大きな熱交換面を提供し、かつこれらのチャネルの1つが堆積物によって塞がれても、その影響を打ち消すことができる。
−チャネルの総断面積を、活性領域の面積の3分の1より確実に小さくすることにより、その活性領域の総面積を増大することはなく、そしてことによると、減少さえして、電子チップの電気特性を維持または改善している。
−最も弱くドープされた領域において、少なくとも一部が朝顔形に広がるチャネルを使用することにより、熱伝導流体内に等電界線が集中するのを制限することができ、電子チップと絶縁体との境界面における電界を減少させ、それによって、絶縁破壊電圧を維持し、熱伝導流体の選択の制約を緩和している。
−異なるタイプにドープされた領域の境界面をチャネルが横切る位置において、チャネルの側壁を誘電体で覆うことにより、電子チップの絶縁破壊電圧を維持することができる。この場合、等電界線は、主に誘電体内で間隔が狭まり、熱伝導流体内では、もはや狭まらないからである。
−比ρ/eが、0.1mΩより小さくなるような厚さeの金属化層を使用することにより、電流を活性領域により均一に分散させることができ、それによって、電子チップの絶縁破壊電圧を維持することができ、この電子チップを内蔵する電子コンポーネントの安全マージンを増加させ、かつ半導体を強固にしている。
−チャネルをゲートとゲートの間を通過させることにより、これらのゲートを接続する電気トラックのレイアウトを変更する必要がなくなっている。
また、本発明は、電子コンポーネントにも関し、この電子コンポーネントは、
−活性領域の1つの面の上に直接に均一に広がり、かつ活性領域に開いている1つ以上のチャネルの中を流れる熱伝導流体を透過させることができる、少なくとも1つの金属化層を備える上述の電子チップと、
−活性領域の周辺部だけに配置され、電子チップがオン状態のとき、この活性領域を通過する電流を供給および回収するために、金属化層に直接機械的および電気的に接触する少なくとも1つの電気トラックとを備えている。
電子チップを、その活性領域の周辺部だけで電気的に接続することにより、電流の伝播経路と熱の伝播経路を切り離すことができ、それによって、電気的接続を最適にすることができる。
このコンポーネントの実施形態は、次の特徴を1つ以上備えているのがよい。
・電気トラックと金属化層との電気的接触は、何らかの温度変化に応えて、電気トラックが金属化層の上を摺動することができるようにする、無はんだ、無接着の圧着接触だけから成っている。
・少なくとも1つの電気トラックは、導電材料で作られた中空チューブの形態のピンであり、この導電材料の周辺部は、電子チップの活性領域の周辺部に電気的に接続され、導電材料の中空部は、活性領域を通過する少なくとも1つのチャネルに流体的に接続されている。
さらに、この電子コンポーネントの実施形態は、次の利点を有している。
−電気トラックを金属化層に接触/接続するために圧着することにより、この電気トラックは、電子チップを損傷することなく、温度変化に応えて、金属化層の上を摺動することができる。
−中空チューブ状の接続ピンは、2つの役割、すなわち、電子チップの電気的接続と流体的接続を同時に果たし、それによって、電子コンポーネントの製造を簡単にしている。
また、本発明は、3D構造を有する電子コンポーネントにも関する。この電子コンポーネントは、
−少なくとも1つの第1の電子チップ、および少なくとも1つの第2の電子チップであって、これらの電子チップは上述のタイプであり、各電子チップは、上面および下面を有し、第1の電子チップの上面が、第2の電子チップの下面と向かい合うように順に積み重ねられている、第1の電子チップおよび第2の電子チップを備え、
−第1の電子チップの上面に開口している1つ以上のチャネルの上端は、第2の電子チップの下面に開口している1つ以上のチャネルの下端に流体的に接続されている。
上記の3D電子コンポーネントは、電子チップの積み重ね自体内の熱を効果的に放出するために、チャネルを好適に使用している。これにより、積み重ねられた電子チップの冷却が改善され、例えば、パワー電子コンポーネントに想定される新しいアーキテクチャを可能にしている。
3D構造を有するこの電子コンポーネントの実施形態は、次の特徴の1つ以上を備えているのがよい。
・第1の電子チップの上面および第2の電子チップの下面は、第1と第2の電子チップの間に位置している中間熱伝導流体マニホールドの上壁および下壁を画定し、このマニホールドに、第1の電子チップのチャネルの上端および第2の電子チップのチャネルの下端が開口している。
・第1および第2の電子チップは、それぞれ、活性領域の1つの面、すなわちそれぞれ下面および上面に、直接均一に広がり、かつ活性領域に開いている1つ以上のチャネルの中を流れる熱伝導流体を透過させることができる少なくとも1つの金属化層と、各電子チップの活性領域の周辺部だけに配置され、かつこれらの活性領域を通過する電流を供給または回収するために、第1の電子チップの活性領域の下面および第2の電子チップの活性領域の上面に広がる金属化層と直接機械的および電気的に接触する少なくとも1つの共通電気トラックとを備えている。
さらに、3D構造を有するこの電子コンポーネントの実施形態は、次の利点を有している。
―第1と第2の電子チップの間に位置している冷却流体マニホールドが存在することにより、電子コンポーネントの冷却を改善することができ、所与の電子チップを通過する種々のチャネル間の圧力を均一にすることができる。
さらに、本発明は、次のものを備えているスイッチングアームにも関する。
−電圧入出力端子と、
−これらの入出力端子の間に直列に接続され、それぞれが上述の電子チップを備えている、少なくとも2つの制御可能スイッチと、
−これらの入出力端子にそれぞれ電気的に接続された少なくとも2つの電極と、これら2つの電極を互いに電気的に絶縁する誘電体とを備える少なくとも1つのデカップリングコンデンサであって、電極間の誘電体を通過するか、または電極の少なくとも一方に沿って直接延び、制御可能スイッチを形成する電子チップの活性領域を通過するチャネルに流体的に接続された少なくとも1つのチャネルを備えているデカップリングコンデンサ。
制御可能スイッチを冷却するために使用されるチャネルに流体的に接続されているチャネルを使用して、コンデンサを冷却するので、このコンデンサを、これらの制御可能スイッチの近くにおいても、コンデンサが熱くなりすぎることはなく、コンデンサを、これらの制御可能スイッチの近くに設置することができる。従って、このスイッチングアームの電気接続線のインダクタンスによって発生する過電圧は、コンデンサと制御可能スイッチとを近接させることによって、小さくなっている。
本発明の限定しない単なる例を示す図面を参照して、以下の説明を読むことにより、本発明をよりよく理解しうると思う。
電子チップを備える電子コンポーネントの概略部分図である。 電子チップの上面を示す平面図である。 チャネル内の横断方向温度分布の概略図である。 チャネルの長さに対する、チャネルとチャネル内を流れる熱伝導流体との平均熱交換係数の変化を示す図である。 図1に示す電子コンポーネントの電子チップを製造する第1のプロセスのフロー図である。 図5に示すプロセスのあるステップにおける概略断面図である。 図5に示すプロセスのあるステップにおける概略断面図である。 図5に示すプロセスのあるステップにおける概略断面図である。 図5に示すプロセスのあるステップにおける概略断面図である。 図5に示すプロセスのあるステップにおける概略断面図である。 図5に示すプロセスのあるステップにおける概略断面図である。 図1に示す電子チップを製造する第2のプロセスのフロー図である。 図12に示すプロセスのあるステップにおける概略断面図である。 図12に示すプロセスのあるステップにおける概略断面図である。 図12に示すプロセスのあるステップにおける概略断面図である。 図1に示す電子チップを製造する第3のプロセスのフロー図である。 図16に示す製造プロセスのあるステップにおける概略断面図である。 図16に示すプロセスで使用される透過性金属化層の概略平面図である。 図16に示す製造プロセスのあるステップにおける概略断面図である。 図16に示す製造プロセスのあるステップにおける概略断面図である。 MOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)を製造するために使用される電子チップの概略部分図である。 図21のMOSFETの相当数の基本セルの概略部分平面図である。 図21に示す電子チップの活性領域に対する電気トラックの位置の概略部分平面図である。 図21に示す電子チップの別の実施形態の概略断面図である。 図21および図24に示す電子チップにチャネルを配置することができる種々の手法を示す部分平面図である。 図21および図24の電子チップを使用する3D構造の電子コンポーネントの、一実施形態による概略縦断面図である。 図21および図24の電子チップを使用する3D構造の電子コンポーネントの、別の実施形態による概略縦断面図である。 図1に示す電子チップなどの1つ以上の電子チップを内蔵する電子コンポーネントの概略図である。 統合スイッチングアームの概略図である。 パッケージLED(発光ダイオード)ランプの概略図である。
全ての図において、同一の要素には、同じ符号を使用している。
以下の説明において、当業者に公知の特徴および機能については、詳細には記述しない。
以下の説明において、「垂直」および「水平」という語は、図1に示す垂直方向Fを基準に定めている。同様に、「下部」および「上部」という語は、Fの方向を基準にして、要素のそれぞれ下の方向、および上の方向に位置している要素の部分を指している。
図1は、電気絶縁材料で作られた密封層(図示せず)で密封された電子チップ4を備える電子コンポーネント2を示している。密封層は、例えば、絶縁ポリマーまたは誘電体ゲルからなっている。電子チップ4は、電気トラック24、26を介して、電子コンポーネント2に接続するためのピンに、電気的に接続されている。また、これらの電気トラックも、同じ密閉材料で密封されている。
正確には、以下の説明は、電子チップ4がパワー電子チップ、すなわち、電流密度が1A/cm2より大きく、通常は50A/cm2または100A/cm2より大きい有効電流を通すことができる電子チップである特定の場合に関する。
説明を簡潔にするために、ここでは、電子チップ4について、この電子チップがパワーダイオードを形成する特定の場合に関して説明する。正確には、ここでは電子チップ4は、p−i−nダイオード(すなわち、強くドープされたp+およびn+の2つの領域の間に、真性の弱くドープされた領域を有するダイオード)である。
ここで、このパワーダイオードは、逆方向にバイアスされたとき、少なくとも50V、好ましくは少なくとも600Vの電圧に耐えることができる。
このようなダイオードは、逆方向にバイアスされると、アバランシェ電圧と呼ばれている閾電圧に達するまで、電流を通さない。オフ状態においては、漏洩電流だけが流れるが、この漏洩電流は、ダイオードがオン状態のとき、同じダイオードに流れる有効電流よりはるかに小さい。このダイオードは、順方向にバイアスされると、オン状態になる。
電子チップ4は、半導体基板6を備えている。この半導体基板は、ウエハの一片である。例えば、半導体基板6は、シリコン、または窒化ガリウム(GaN)、または炭化ケイ素(SiC)で作られる半導体基板である。以下の説明においては、半導体基板6は、シリコンで作られていると想定する。半導体基板6は、基本的に方向Fと直交する面に置かれている。方向Fにおけるこの半導体基板の厚さは、実質的に均一である。この厚さは、通常は1〜800μmであり、好ましくは5〜200μmである。ここでは、半導体基板6の厚さは110μmである。この半導体基板6は、平らな上面、および平らな下面を有している。
図1において、半導体基板6を横切る垂直の波線は、簡潔にするために、半導体基板6の大半が、図1に示されていないことを示している。
半導体基板6は、活性領域8を備えている。この活性領域8は、オン状態とオフ状態が切り替わる領域である。有効電流の大部分は、オン状態でこの領域を通過し、オフ状態で電圧を保持する。この領域8は、電子コンポーネント2のジュール熱の大部分を発生する領域に相当している。
電子パワーコンポーネントの特定の場合において、方向Fと垂直方向の活性領域の面積は大きい、すなわち10μm2より大きく、好ましくは100μm2または500μm2より大きい。実際のところ、場合によっては1mm2または2mm2よりも大きい。
オン状態とオフ状態との切り替えを可能にするために、ここで、活性領域は、1つ以上のp−n接合を形成するように、異なるタイプにドープされた1つ以上の領域を積み重ねて形成されている。これらのドープされた領域により、活性領域8は、非対称な電流伝導特性を有している。
ここで、活性領域8は、強くnにドープされた領域14と、それに接している弱くnにドープされた領域12と、それに接している強くpにドープされた領域10とを備えている。慣習的に領域10、12、14のドーピングは、それぞれp+、n-、n+で示してある。ドーピングが異なるこれらの領域は、Fの方向に順に重ねて配置されている。図1では、これらの領域は、破線で分けられている。p−n接合は、領域10と12によって形成されている。領域14は、本質的に、半導体基板6の下面をより導電性にする働きをしている。
一例として、領域10におけるp型ドーパントの濃度は、3×1017cm-3と等しい。領域12におけるn型ドーパントの濃度は、例えば、2×1014cm-3に等しい。領域14におけるn型ドーパントの濃度は、領域12の濃度より少なくとも1,000または10,000倍高い。例えば、領域14におけるn型ドーパントの濃度は、5×1019cm-3に等しい。
ここで、領域10、12、14は、p−n接合の末端の境界まで、半導体基板6の幅全体にわたって延びている。
領域10は、半導体基板6の上面を形成している。F方向のその厚さは、例えば3μmより薄い。
領域12の、F方向の厚さは、例えば3〜250μmである。
領域14の、F方向の厚さは、例えばが5〜525μmである。
活性領域8は、周辺領域18に囲まれている。ここで、周辺領域18は、電子チップ4の絶縁破壊電圧を平面接合の絶縁破壊電圧の近くに維持することにより、電子チップ4の絶縁破壊電圧を最大とするようになっている。絶縁破壊電圧は、電子チップがオフ状態になるように制御されているときでさえ、この電圧を超えると、電子チップが導電を開始する電圧である。ダイオードの絶縁破壊電圧は、空乏領域を横切る自由キャリアを過度に加速することによって引き起こされるダイオードを通過する電流の指数関数的な増加を生じることなく、ダイオードに印加することができる最大逆方向バイアスに相当している。有効電流は、周辺領域18を通過しない。通常は、漏洩電流だけが、周辺領域18を通過する。この漏洩電流の大きさより、有効電流は、少なくとも10倍大きい。
活性領域の周辺境界部は、コンポーネントの周辺部における電気接続を可能にするようになっている。
ここで、周辺領域は、誘電体からなっている。さらに、活性領域8と周辺領域18との境界面は、この周辺領域18に等電界線が集中するのを制限するようになっている。これにより、エッジ効果を制限している。非特許文献2のセクション3.2および3.3に記載されている解決手段などの種々の解決手段を実施することができる。
活性領域8の上面および下面は、それぞれ金属化層20および22で覆われている。これらの金属化層は、導電材料、すなわち導電率が1×105S・m-1または1×106S・m-1より大きい材料からなっている。これらの金属化層20、22を形成するために使用される材料は、半導体基板6の熱膨張係数と等しい値から、±100%までの熱膨張係数を有するように選択されることが好ましいが、この基準は、制限するものではない。例えば、金属化層20、22は、半導体基板6がシリコン、またはCuMo、CuW、CuC、もしくはAIC合金からなっている場合、モリブデンまたはタングステンからなっている。また、それらは、銅であってもよい。
これらの金属化層20、22は、有効電流が活性領域の全断面に均一に分散されるように、活性領域8の上面および下面の全体を覆っている。これらの金属化層20、22は、活性領域8の周辺部を越えて延びていないことが好ましい。ここで、それぞれの層の厚さeは、基準ρ/e<0.1mΩを順守するように選択される。ここで、ρは、金属化層20または22を作成するために使用される材料の導電率である。
金属化層20、22の厚さeは、半導体基板6を強固にするとともに、電子チップ4の熱容量を増加して、その温度の変化を遅くするように選択することが好ましい。さらに、これらの金属化層20、22は、半導体基板6の熱膨張係数を、金属化層から形成される電気トラック24、26の熱膨張係数と一致させるために使用されてもよい。
例えば、金属化層20、22の、厚さは5μmを超え、好ましくは10μmまたは100μmを超えている。
金属化層20は、ダイオードのアノードに相当するのに対して、金属化層22は、そのカソードに相当している。
また、電子コンポーネント2は、機械的・電気的に金属化層20および22とそれぞれ接触する電気トラック24および26も備えている。これらの電気トラック24および26はそれぞれ、ダイオードのアノードおよびカソードを、電子コンポーネント2の外部の電気回路に接続されるピンに接続させることができる。これらの電気トラック24および26は、例えば銅などの導電材料で作られている。
電気トラック24および26は、活性領域8に沿った金属化層20および22のそれぞれの上面および下面の領域を開放しておくために、金属化層20および22の外周部とだけ、機械的および電気的に接触している。
ここで、電気トラック24、26と金属化層20、22との接触は、電気伝導を確実に良好にするが、必ずしも熱伝導を良好にはしないようになっている。また、この接触は、電子チップを強固にもしている。例えば、電気トラック24、26と金属化層20、22との接触は、低圧接触である。すなわち、この電気トラックを対応する金属化層の面に対して、例えば10MPaより小さい圧力で単に押し付けるだけで生じる電気的接触である。圧着接触は、半田も接着剤も使用しない。さらに、圧着接触により、温度変化に応じて、電気トラックは、接触している金属化層の面の上を、摺動することができるようになっている。従って、このタイプの接触は、温度変化によって生じる機械的応力を抑制している。結果として、電子チップ4は、より頑丈になっている。
電子コンポーネント2は、マニホールド30、32を備え、これらのマニホールドは、金属化層20および22の上面および下面に熱伝導流体を流して、金属化層20および22を冷却するような形状をしている。
マニホールド32は、空洞であり、その上壁は、金属化層22の下面で画定されている。このマニホールド32の側壁は、電気トラック26の垂直面で画定されている。さらに、このマニホールド32の下壁は、誘電体層34の上面で画定されている。この誘電体層34は、熱伝導流体がマニホールド32に入るのを可能にする入口36を備えている。
同様に、マニホールド30は、空洞の下壁が金属化層20の上壁で画定されている空洞に相当している。この空洞の側壁は、電気トラック24の垂直面で画定されており、上壁は、誘電体で作られている層38で画定されている。この誘電体層38に、熱伝導流体用の出口が設けられている。
ジュール熱を発生する領域のできるだけ近くで電子チップ4を冷却するために、電子チップは、活性領域8を通過するマイクロチャネル44を備えている。図1は、簡潔にするために、マイクロチャネル44を2つだけ示している。
これらのマイクロチャネルは、ドープ領域10、12、14を通過している。従って、活性領域8に形成されているp−n接合も通過している。
活性領域における単位面積当たりのマイクロチャネルの密度を増やすために、マイクロチャネルの数は、1mm2当たり、50、100、500、または1000より大きくされている。具体的には、マイクロチャネルの密度が大きければ大きいほど、ますます冷却は効果的になり、ヘッドロスは小さくなる。さらに、マイクロチャネルを多数使用することにより、これらのマイクロチャネルの1つを塞ぐほこり、または堆積物に対して、電子チップ4を頑丈にしている。例えば、1000を超えるこれらのマイクロチャネルの1つまたは複数が失われても、電子チップ4の冷却回路の動作、およびその表面の等温線には、ほとんど影響がない。
マイクロチャネルは、直線的であり、方向Fに実質的に平行な方向に半導体基板6を貫通していることが好ましい。「実質的に平行」という表現は、方向Fと同一方向から、±45°の範囲内の方向を意味している。この方向にマイクロチャネルを作成することを選択すると、半導体基板の面に平行に延びている従来技術のマイクロチャネルより短いので、ヘッドロスを減らすことができる。さらに、このように、マイクロチャネルの長さが、チャネルのほとんどにわたって熱伝導流体の流れが不安定な状態になる長さに対して十分に短くなるので、熱交換係数が大きくなる。不安定な状態については、図3を参照して詳細に定めている。
ここに示す特定の場合においては、各マイクロチャネル44は、対称軸または対称面48を有している。この対称軸または対称面は、方向Fと平行である。
好ましくは、これらのマイクロチャネル44の動水直径Dは、2Dtより完全に小さく、好ましくはDtより小さい。直径Dtは、層流状況において、関係式:Dt=L/(0.05ReD×Pr)で定められている。ここで、
−ReDは、熱伝導流体の流れのレイノルド数であり、
−Lは、マイクロチャネルの長さであり、
−Dtは、マイクロチャネルの全長にわたる平均動水直径であり、
−Prは、プラントル数である。
マイクロチャネル44の全長にわたる断面が一定でないとき、直径Dは、マイクロチャネルの全長Lにわたる動水直径の平均である。
長さLは、電子チップ4の厚さによって定められ、電子チップ4の厚さ自体は、電子チップ4に望まれる耐圧電圧などの電気的要件によって定められる。
レイノルド数ReDの決定に関して、検討しているマイクロチャネル内の熱伝導流体、およびこの流体の流量は、電子コンポーネント2の通常使用中に経験するものである。例えば、流量は、1000Wの消費電力に対して、1mL/分〜10L/分であり、好ましくは10mL/分〜2L/分である。熱伝導流体の例については、後で挙げる。
好ましくは、マイクロチャネルの総断面積は、活性領域の面積の3分の1より小さく、さらに好ましくは、活性領域の面積の25%または10%より小さい。「断面積」という表現は、ここでは、半導体基板6を通るマイクロチャネル44の全長に沿った平均断面積を意味している。
マイクロチャネルが占有する面積をこのように制限することにより、活性領域8からマイクロチャネル44が必要とする面積を奪っていることで、電子チップ4の性能が落ちるのを、少なくとも埋め合わせている。具体的には、活性領域の面積が減少すると、例えば電流密度を増加させ、電子チップ4における損失密度を増加させる。その一方で、消費電力密度の増加は、この場合は良好な冷却によって補償され、逆に、電子チップ4が対処することができる最大電力を増加させることができる。従って、マイクロチャネルの総断面積を、活性領域の面積の3分の1に制限することによって、活性領域を通過するマイクロチャネルがない場合に対して、活性領域の面積を増加することなく、場合によっては減少さえして、電子チップの電気特性を維持することができ、通常は改善することができる。
マイクロチャネル44は、活性領域の温度を、その幅全体にわたって、ほぼ一定に保ち、それによって、その上面の等温度線を確実に平行にするように、活性領域に配置されている。温度は、最も熱い点と最も冷たい点との差が1℃より小さい場合、実質的に一定である。そのため、例えば、マイクロチャネル44は、活性領域の全域にわたって均一に配置されている。
各マイクロチャネルは、矩形断面を有していることが好ましい。
各マイクロチャネルの最小動水直径は、500μmより小さく、好ましくは1〜100μmである。さらに好適な最小動水直径は、10〜100μmまたは50〜100μmである。
マイクロチャネルは、金属化層20、22も通過する。従って、金属化層20、22は、熱伝導流体を透過させることができるようになっている。さらに、これは、マイクロチャネルの長さを延ばし、熱交換面の面積を増やして、熱の放出に関与している。
各マイクロチャネルの断面は、電界が増加する電圧保持区間、すなわちここでは領域12の領域において、p−n接合の最も強くドープされた領域(ここでは領域10)から最も弱くドープされた領域(ここでは領域12)に進む方向に、朝顔形に広がっていることが好ましい。各マイクロチャネルの断面におけるこの広がりは、熱伝導流体内の等電界線の集中を制限することができる。従って、電子チップ4の絶縁破壊電圧は、維持または改善される。この理由は、大量の熱伝導流体の絶縁破壊電圧より、一般に、活性領域8の絶縁破壊電圧の方が、少なくとも10倍高いからである。この広がりにより、熱伝導流体における等電界線の間隔を互いに開けることができる。このようにして、流体の誘電強度を大幅に増加させるような小さな寸法とともに、熱伝導流体の絶縁破壊電圧を超えられるという危険性を減少させることができる。このようにして、電子チップ4の性能は改善され、熱伝導流体の選択の制約は緩和される。
ここで、各マイクロチャネルの断面は、チャネルが方向Fとは反対方向に半導体基板6の中に徐々に深く入って行くにつれて連続的に広がっている。この広がりの傾きは、10%より大きく、好ましくは25%、50%、または100%より大きい。傾きは、百分率で表して、関係式:X%=Max(r)/2Lで定められる。ここで、
−Max(r)は、半導体基板6内のマイクロチャネルの最大幅であり、
−Lは、半導体基板6を通るマイクロチャネルの長さである。
この特定の実施形態においては、電子チップ4の電気性能、特に絶縁破壊電圧を改善または維持するために、少なくともマイクロチャネルが、異なるタイプにドープされた2つの領域の境界面を横切る位置においては、誘電体で作られている保護層54が、マイクロチャネルの内部側壁を覆っている。具体的には、等電界線は、特に異なるタイプにドープされた2つの領域の境界面において、熱伝導流体に集中する傾向がある。従って、この位置に保護層54を適用すると、等電界線は、熱伝導流体にもはや集中せず、保護層54を形成する誘電体に確実に集中するようになる。保護層54は、熱伝導流体の絶縁破壊電圧より、少なくとも10倍高い絶縁破壊電圧を有している。従って、電子チップ4の絶縁破壊電圧は、改善されている。
熱伝導流体の絶縁破壊電圧は、米国のASTM D1816またはD3300標準、または欧州のCE160156標準に従って、もしくは、固体に対する米国のASTM D149標準に従って測定されてもよい。
例えば、保護層54は、基板がシリコンで作られている場合は、SiO2で作られ、基板が窒化ガリウムで作られている場合は、Si34で作られる。
図の特定の場合は、保護層54は、半導体基板6および金属化層20、22を通って、各マイクロチャネルの全長にわたって均一に広がっている。
電子チップ4は、多くの利点を有しており、特に電束を主熱流束から分離している。ここで、活性領域8を冷却することができる主熱流束は、垂直方向に活性領域の中央を通過する。対照的に、電束は、活性領域8の周辺部に限定されている。従って、熱流束は、電気トラック24、26によってではなく、基本的にマイクロチャネルによって排出されるので、電気接触を行うときに、良好な熱接触をもはや行う必要がないことは理解しうると思う。
電子コンポーネント2は、冷却回路60と関係している。この冷却回路60は、熱伝導流体を冷却することができる熱交換器62を備えている。この熱交換器62は、熱交換流体の入口64および出口66を備えている。
例えば、熱交換器62は、熱を熱伝導流体から大気に放出するフィン付きのラジエータである。この熱交換器は、基部70から延びるフィン68を備えており、その基部の中を、熱伝導流体を入口64から出口66まで流す1つ以上のチャネルが貫通している。このラジエータは、非常に良好な熱伝導性を有する材料、すなわち、熱伝導度が10Wm-1-1より大きく、好ましくは100Wm-1-1より大きい材料から作られている。例えば、この熱交換器は、アルミニウムまたは銅で作られている。
また、冷却回路60は、熱伝導流体を供給および回収するために、それぞれダクト72および74を備えている。ダクト72は、出口66と入口36との間を連結しているのに対して、ダクト74は、出口40と入口64との間を連結している。
また、冷却回路60は、熱交換器62からマイクロチャネル44へ、およびマイクロチャネルから入口64へ、熱伝導流体を流れさせるポンプ76も備えている。
さらに、冷却回路60には、膨張部が設けられている。この膨張部は、例えば空洞である。
図1の矢印は、冷却回路60およびマイクロチャネル44、46の内部において、熱伝導流体が流れる方向を示している。
熱伝導流体は、ここでは誘電体熱伝導流体である。すなわち、その導電率は、0.1S・m-1より小さく、好ましくは1×10-5S・m-1または1×10-6S・m-1より小さい。その相対誘電率εrは、厳密に1より大きく、かつ好ましくは10または20より小さい。熱伝導流体の相対誘電率が小さければ小さいほど、そこで観察される最大電界は、一層小さくなる。
熱伝導流体は、例えば、脱イオン水または油である。例えば、エクソン・モービル(登録商標)の「Coolanol」(登録商標)という商標名で販売されている油を使用してもよい。
また、熱伝導流体が直接接触する電子コンポーネント2の材料、特に電子チップ4の材料と化学的に相性がよい熱伝導流体も選択される。例えば、熱伝導流体は、できるだけ不活性である必要がある。
冷却回路60の動作中、ポンプは、熱伝導流体を、熱交換器62からマニホールド32へ流れさせるためにオンになっている。マニホールド32から、熱伝導流体は、マイクロチャネルを通って活性領域8を通過し、マニホールド30に流れ込む。ダクト74は、熱せられた熱伝導流体を、再び冷却することができるように、マニホールド30から熱交換器62へ戻す。
図2は、電気トラック24の上面を示している。図2における点線は、金属化層20の輪郭を示している。金属化層20の上面の円は、マイクロチャネル44の開口部が現れているところを示している。
図に示すように、電気トラック24は、マイクロチャネル44を塞ぐことなく、金属化層20の外周部の大部分にわたって、金属化層20と機械的および電気的に接触している。図2の特定の場合は、電気トラック24は、金属化層20の全外周部と直接機械的および電気的に接触している。電気トラック26は、金属化層22に対して全く同じように配置されている。
図3は、水平の対称軸82に沿って延びているチャネル80を示している。このチャネル80は、流体が入って来る先端部84と、この流体が出て行く先端部86とを有している。曲線88〜91は、チャネル80を流れる流体の断面における温度プロファイルを示している。最初の入口端において、流体の温度は、その断面全体にわたって同じである。従って、曲線88は、直線であり、チャネル80の内壁からの距離の関数として温度を示している矢印は、全て同じ長さである。流体がチャネル80を進むにつれて、チャネル80の内壁に接触している流体は、曲線89が示すように、軸82上に位置している流体より急速に熱せられる。先端部84から測って長さLt後に、温度プロファイルは、曲線90および91が示すように、安定状態に達して変化が止まり、断面が出口86に近づくにつれて、矢印の長さだけが伸びている。
tは、温度プロファイルが安定するまでに、流体の断面部分が、先端部84から進む必要がある長さを表している。流れの状態は、長さLtの全体にわたって、「熱的に不安定」と言われる。対照的に、長さLtを越えると、流れの状態は、「熱的に安定」と言われる。
流れの状態が熱的に不安定であるときの、チャネル80の壁と、この壁と接触する熱伝導流体との温度差は、状態が安定しているときより大きい。従って、熱交換係数は、熱的に不安定な方が良い。従って、マイクロチャネルの動水直径Dの長さLが、2Ltより短くなるように、好ましくはLtより短くなるように動水直径Dを選択することにより、熱伝導流体と半導体基板6との間の熱交換係数を改善することができることは理解しうると思う。長さLtは、層流に関して前に紹介した公式、Lt=o.o5ReD×D×Prによって与えられる。
図4のグラフは、マイクロチャネルの長さの関数として、マイクロチャネルの熱交換係数の変化(曲線96)を示している。このグラフでは、X軸およびY軸は、それぞれチャネルの長さLおよび熱交換係数を表している。マイクロチャネルの長さを短くすると、平均熱交換係数が大幅に増加し、従って冷却の効果が大幅に高まることが分かると思う。
図5は、電子チップ4がパワーダイオードである特定の場合における、電子チップ4の第1の製造プロセスを示している。
最初のステップ100では、半導体基板6が用意される。この半導体基板は、例えば厚い。すなわち、その厚さが200μmを超えている。ここでは、厚さは750μmより薄い。半導体基板は、軽く均一にドープされて、領域12を形成している。簡潔にするために、領域12は、図6〜図11では示していない。
次のステップ102では、この基板の1つの面に、ドープ領域10が作成される。
ステップ104では、半導体基板6とは反対側の領域10の上面に、キャリア106(図6)が接合される。この例では、キャリアは、酸化ケイ素ウエハ、またはその表面に酸化物が堆積しているシリコンウエハである。酸化物により、このキャリアは、シリコン基板に接合させることができるようになっている。接合は、次のステップを実行可能にするのに十分な強さがある一方で、適切な時に容易に剥離することができるようになっている。
ステップ108では、図6に示すアセンブリが、キャリア106を使用して、ひっくり返される。
オプションのステップ110では、半導体基板6が薄くされる。例えば、その厚さは、200μmまたは110μmより薄くされる。
次のステップ112(図7)では、半導体基板6のキャリア106とは反対側の面がドープされて、領域14が形成される。
ステップ114では、領域14のキャリア106とは反対側の面に、金属化層22が付加される。金属化層22は、例えば、厚さが200μmを超える(Cu、Mo、W、MoCu等の)金属薄板、または管理された厚さの金属層が前もって堆積されているシリコンシートである。シリコンシートの場合、金属層は非常に薄く(すなわち、厚さ200μm未満)、厚さ約数十μmのことがある。一方、シリコンシートとしては、厚さが200μmを超えている。例えば、金属化層は、直接接合、共晶接合、または熱圧着などのプロセスを使用して接合される。また、金属化層22は、領域14上に直接電着されてもよい。この場合、金属化層22は、厚さが10〜50μmと薄い。
ステップ116では、金属化層22のキャリア106とは反対側の面に、ハードマスク118(図8)が堆積される。このハードマスクは、例えば、SiO2、またはレジスト、またはSi34からなっている。
ステップ120では、マイクロチャネル44を作成する必要がある位置を定めるために、ハードマスク118は、例えばフォトリソグラフィでエッチングされる。
ステップ122では、マイクロチャネル44のエッチングが開始される。これをするために、金属化層22は、ハードマスク118を通してエッチングされる。例えば、金属化層22は、耐熱材料用のプラズマエッチングを使用してエッチングされる。
ステップ124では、これらのチャネルが半導体基板6、特に領域10、14も通過するように、金属化層22におけるマイクロチャネル44のエッチングは続けられる(図9)。例えば、このステップでは、DRIE(深堀り反応性イオンエッチング)プロセスが使用される。簡潔にするために、図9〜図11は、マイクロチャネル44を、限られた数(1つまたは2つ)だけ示している。
ステップ126では、キャリア106は、例えば研磨または化学エッチングなどで除去される。化学エッチングは、シリコンを除去するテトラメチルアンモニウム水酸化物(TMAH)、および酸化物を除去するフッ化水素酸(HF)を使用して行ってもよい。
ステップ128では、領域10の上面に、キャリア106の代わりに、金属化層20が付加される。金属化層20は、例えば、この上面に接合される(図10)。この場合、金属化層20の厚さは、通常、200μmを超えている。
ステップ130では、マイクロチャネル44が金属化層200も通過するように、マイクロチャネル44のエッチングは続けられる。マイクロチャネルのエッチングが終了すると直ぐに、ハードマスクの層118は除去される(図11)。
次のステップ134では、これらの電子チップを1つずつにするために、半導体基板6はさいの目に切られて、半導体基板6の上に同時に製造された種々の電子チップ4が分離される。
その後のステップ136では、電子コンポーネント2を作るために必要な種々の要素が電子チップ4に付加される。ステップ136では、特に電気トラック24、26が、金属化層20、22の周辺部に堆積または付加される。
また、ステップ136では、外部環境から保護するために、各電子チップ4は密閉材料で密封されて、電子コンポーネント2が作成される。密封作業中、マイクロチャネルは塞がらないように保護される。
図12は、電子コンポーネント2、具体的には電子チップ4を製造する第2のプロセスを示している。このプロセスは、キャリア106が除去された後、マイクロチャネルが1つのステップでエッチングされることを除いては、前のプロセスと同様である。このプロセスは、例えば、金属化層を金属薄板より薄い堆積金属層で作るときに使用される。
このプロセスについて、このプロセスの特定のステップを示す図13〜図15を参照して説明する。
ここでは、図12のプロセスに関して、図5のステップとは異なるステップだけについて、詳細に説明する。より正確には、このプロセスは、上述のステップ100〜112で始まる。
ステップ112の後に、ステップ140が続く。このステップ140では、下面に金属化層22を備える薄板142(図13)が、導電材料または半導体で作成され、次いで、領域14に接合される。この場合、金属化層22は、非常に薄く(すなわち、厚さ200μm未満)、約数10μmの厚さのこともある。薄板の層142は、例えばシリコンからなっている。
ステップ143では、図13に示すアセンブリが、ひっくり返される。
次のステップ144では、キャリア106が除去され、金属化層20が堆積している基板148(図14)が領域10に接合される。このプロセスは、前のプロセスと同様に、金属化層20を非常に薄く、すなわち約数10μmの厚さとするのを容易にする。
次のステップ150では、ハードマスク152(図14)が、基板148の金属化層20とは反対側に堆積される。このステップ150では、ハードマスクは、マイクロチャネル44を作成する必要がある位置を定めるために、フォトリソグラフィでエッチングされる。
ステップ154では、ハードマスク152を使用して、マイクロチャネル144が作成される。このステップ154では、例えばDRIEエッチングが使用される。
ステップ156では、耐熱材料に対するプラズマエッチングなどのプロセスを使用して、金属化層20、22がエッチングされる。
ステップ158では、ハードマスク152が除去される。このようにして、図15に示す構造が得られる。
ステップ160では、基板142および148がエッチングされ、それぞれ、電気トラック24および26が形成される。
次に、プロセスは、ステップ136に続くが、電気トラック24、26は、既に作成されている。
図16は、電子コンポーネント2、より正確には電子チップ4を製造する第3のプロセスを示している。図17〜図20は、このプロセスの種々のステップをより詳細に示している。
このプロセスは、図5に示した上述のステップ100〜112で始まる。
ステップ112の後のステップ170では、領域14に金属化層22が付加される(図17)。例えば、金属化層22は、領域14に接合される。この実施形態の金属化層22は、孔が開いた金属薄板、すなわち多数の貫通孔が開いている薄板であり、各孔は、1つのマイクロチャネル44の先端部に相当している。図18は、領域14に接合されている金属化層22の平面図である。
次のステップ172では、金属化層22の貫通孔をマスクとして使用し、電子チップ4のマイクロチャネルがエッチングされる。
ステップ174では、キャリア106が除去され(図19)、次いでアセンブリがひっくり返される。
ステップ176では、前もって多数の貫通孔が開けられている、孔開き金属化層20が領域10に付加される。このステップ176では、金属化層20の貫通孔は、領域10を通過しているマイクロチャネルと位置を合わせられる。こうして、図20に示す電子チップが得られる。
以降のステップは、図5を参照して説明したステップと同じである。
以上において、マイクロチャネルについて、パワーダイオードの特定の場合について説明した。しかし、これらのマイクロチャネルは、他の電子コンポーネント、特にパワートランジスタまたはLEDなどの他のパワー電子コンポーネントの活性領域を、通過するように作成してもよい。
図21および図22は、パワートランジスタの活性領域190の一部分を示している。パワートランジスタは、例えばMOSFETである。ここで、活性領域190について、ゲートが「埋め込み」ゲートである特定の場合に関して説明する。
この活性領域190は、多数の全く同じ導電セル194が作成されている半導体基板192を備えている。簡潔にするために、図21は、2つのMOSセル194だけを示している。
各導電セル194は、pドープ領域200とn+ドープ領域202で形成されている。n+ドープ領域202は、例えば全ての導電セル194に共通であり、活性領域190の下面全体に広がっている。対照的に、pドープ領域200は、ゲート204が堆積しているセル間の領域によって互いに分離されている。
また、各pドープ領域200は、n+にドープされた2つの小領域208も備えている。各領域200、208は、例えばアルミニウムからなる金属化層210と直接接触している。同様に、金属化層212が、n+ドープ領域202の下に堆積されている。金属化層210は、トランジスタのソースを形成しているのに対して、金属化層212は、このトランジスタのドレインを形成している。
2つの導電セルの間に位置しているゲート204は、電気絶縁体214によって、これらの導電セルから、および金属化層210から電気的に絶縁されている。
MOSセルは、活性領域190の全体にわたって均一に分散されている。例えば、導電セル194は、ずらりと並んだ導電セル194(図22)を形成するために、2つの平行ではない方向にそれぞれの間隔p1およびp2で、間隔を開けて規則的に並べられている。各導電セル194の断面は、例えば辺長が20μmの正方形である。従って、パワートランジスタの場合は、活性領域は、1cm2当たり数千の基本セルを備えている。
マイクロチャネル216が、半導体基板192が基本的に位置している平面と垂直である方向Fと平行に、活性領域190を貫通している。
この実施形態によると、これらのマイクロチャネル216は、1つの導電セル194に取って代わる空間、すなわち、2つのゲート204の間の空間を占有している。
好ましくは、直前の実施形態と同様に、マイクロチャネル216は、活性領域190に均一に配置されている。
各マイクロチャネル216は、これらの基本セルの1つと置き換わっている。しかし、基本セルの数は、マイクロチャネル216の数よりはるかに多いので、これらの基本セルを、少しばかりマイクロチャネル216に置き換えても、パワートランジスタの動作に悪影響を及ぼさない。それどころか、活性領域190のサイズの減少は、この活性領域190における冷却の改善で大いに埋め合わせされている。
図23は、マイクロチャネル216が作られている金属化層210の周辺部の大部分に機械的および電気的に接触している電気トラック220の平面図である。この図では、種々のゲート204も、電気トラック220に接続されている。
図24は、パワートランジスタの活性領域230の別の実施形態を示している。活性領域230は、マイクロチャネル216がマイクロチャネル232と置換されていることを除いて、活性領域190と全く同じである。マイクロチャネル232の断面は、導電セル194の断面より大きい。従って、この断面は、マイクロチャネル232と置換された導電セル194の両側に位置しているゲート204の一部を切り取っている。
図25は、活性領域190、230と同様の構造の活性領域を有する電子コンポーネントに作ることが可能な、種々のマイクロチャネルの実施形態を示している。この図では、破線の正方形は、基本MOSセル240を表している。
第1の実施形態によると、マイクロチャネル242の断面は、マイクロチャネルが通過する基本MOSセルの断面より小さい。
第2の実施形態によると、マイクロチャネル244の断面は、複数のセル240にわたって広がっている。例えば、マイクロチャネル244は、2つの基本セル240を置換している。
第3の実施形態によると、マイクロチャネル246は、2つの直交する方向で複数のセル240に取って代わっている。ここでは、マイクロチャネル246は、正方形を成す4つのセル240と置換されている。
最後の第4の実施形態によると、マイクロチャネル248の断面は、列または縦列の全部のセル240を置換している。
これらのマイクロチャネルの実施形態の1つだけが、電子コンポーネントに適用されてもよいし、また対照的に、所与の活性領域において、これらの種々の実施形態を組み合わせてもよい。
図26は、「3D」構造と呼ばれている構造を有する電子コンポーネントを示している。3D構造を有する電子コンポーネントは、順に積み重ねられた複数の電子チップを備え、かつ同じパッケージに収容されているコンポーネントである。電子チップを順に積み重ねることにより、電磁的適合性が改善している。しかし、所与の電子コンポーネント内で電子チップを順に積み重ねると、冷却に関して特に深刻な問題が生じる。その理由は、これらの電子チップの間に位置している領域にアクセスするのが難しくなり、従って、冷却が著しく困難になるからである。
ここで、電子コンポーネント250について、スイッチングアーム、例えばインバータアームなどである特定の場合に関して説明する。このようなスイッチングアームは、中点を介して直列に接続された2つの制御可能スイッチで形成されている。ここで、各制御可能スイッチは、それぞれの電子チップ252、254で作られている。
電子チップ252、254は、それぞれ、図21〜図25を参照して上述したように作られている。その手法については、ここでは詳細に説明しない。
電子チップ252は、電子チップ254の上に積み重ねられている。そのソース210は、電気トラック270に接続されている。
電子チップ252のドレイン212および電子チップ254のソース210は、スイッチングアームの中点を形成する同じ電気トラック272に電気的に接続されている。
電子チップ254のドレイン212は、電気トラック274に接続されている。
図26に示すように、マイクロチャネル216は、各電子チップの両側で、マニホールド276、278、280と通じている。
マニホールド278は、電子チップ252と254の間に位置しており、これらの電子チップのそれぞれの半導体基板192の中間にある。熱伝導流体は、孔282を通ってマニホールド276に入るのに対して、電子チップ252、254で熱せられた熱伝導流体は、孔284を通ってマニホールド280から出て行く。
この実施形態においては、電子チップ252を通過するマイクロチャネル216と、電子チップ254を通過するマイクロチャネル216とは、互いに一列に並んでいる。
このように電子チップ252、254を組み立てることにより、効果的に冷却しうる3D電気コンポーネントを得ることができる。従って、冷却が効果的でないという欠点がなく、かつ電磁適合性が改良されているという利点が得られる。
図27は、電子チップ252のマイクロチャネルと、254のマイクロチャネルとが向かい合っており、一列に並んでいないことを除いては、電子コンポーネント250と全く同じである3D電気コンポーネント290を示している。従って、電子チップ252のマイクロチャネル216は、電子チップ254の金属化層210の上面に当たる噴流292を作り出す。この噴流により、冷却がより効率的になる。
図26および図27の矢印は、熱伝導流体の流れの方向を示している。
図28は、順に積み重ねられた2つの電子チップ302、304を備える電子コンポーネント300を示している。これらの電子チップ302、304は、上記の教示に従って作成されている。従って、具体的には、マイクロチャネル306が横切っている。電子チップ302のマイクロチャネル306は、一方は入口マニホールド308に、他方は中間マニホールド310と通じている。電子チップ304のマイクロチャネル306は、一方は中間マニホールド310に他方は出口マニホールド312と通じている。
電子チップ302、304は、それらの外周部を通して電気的に直列に接続されている。このため、電気トラック314は、電子チップ302の外周部を、その直下に位置している電子チップ304の外周部に接続している。
また、コンポーネント300は、電流を供給するトラック316および電流を回収するトラック318も備えている。これらのトラック316、318は、電子チップ302、304および種々のマニホールドを密封するポリマーパッケージ320から突き出るピンを形成する先端部を有している。
トラック316は、電子チップ302の活性領域の周辺部に電気的に接続されているのに対して、トラック318は、電子チップ304の活性領域の周辺部に電気的に接続されている。従って、これらのトラック316、318は、電子チップ302、304のパッケージ320と外部の電気回路との電気的接続を確実にしている。
ここで、これらのトラック316、318は、くり抜かれていて、中空チューブを形成している。トラック316は、入口マニホールド308に流体的に接続されている空洞部322を有しているのに対して、トラック318は、出口マニホールド312に流体的に接続されている空洞部324を有している
図28では、空洞部322の内側の矢印は、熱伝導流体の流れの方向を示している。
従って、この実施形態では、電子チップの電気接続ピンはまた、マイクロチャネル306をパッケージ320の外部の冷却回路に流体的に接続するダクトの働きもしている。
図29は、入出力電圧ピン331Aと331Bの間に電気的に接続されているスイッチングアーム330を示している。このスイッチングアームは、例えば、順に積み重ねられた電子チップ252、254だけでなく、デカップリングコンデンサ334もまた、ポリマーパッケージ332内に組み込んでいることを除いては、スイッチングアーム250と全く同じである。さらに、スイッチングアーム330では、マニホールド278は、デカップリングコンデンサ334の面に開口しているマニホールド336と置換されている。
デカップリングコンデンサ334は、通常、互いに向かい合い、誘電体337によって互いに電気的に絶縁されている導電性の櫛状部335A、335Bによって形成されている。デカップリングコンデンサ334の中を、多数のマイクロチャネル338が横切っている。これらのマイクロチャネル338は、一方はマニホールド336と、他方は入口マニホールド340と通じている。これらのマイクロチャネル338は、櫛状部335A、335Bおよび誘電体337を通過している。
入口マニホールド340および出口マニホールド280は、冷却回路350に流体的に接続されている。冷却回路350は、熱交換器352およびポンプ354を備えている。熱交換器352は、例えば、出口マニホールド280から出た熱交換流体を、マニホールド340に再注入する前に冷却することができるラジエータである。ポンプ354は、熱交換流体を、冷却回路の中を流れさせる。ここで、熱交換流体の流れは、矢印356で示されている。
デカップリングコンデンサ334は、電子チップ252、254のスイッチング中に発生する過電圧を除去するために、トラック270と274との間の電子チップの近くに接続されている。この過電圧は、電子コンポーネント330を電圧源に接続する導電体の寄生インダクタンスによって生じる。ここで、電圧は、トラック270、274にそれぞれ電気的に接続されている2つの端子331Aと331Bの間に印加される。
デカップリングコンデンサ334のマイクロチャネルは、電子チップ252、254の前に熱伝導流体を受け取るように、電子チップ252、254のマイクロチャネル216と流体的に接続されている。従って、デカップリングコンデンサ334を、スイッチのできるだけ近くに配置することができ、そうすることにより、過電圧のフィルタリングを改善している。さらに、マイクロチャネルにより、コンデンサは冷やされているので、すなわちその温度は、100℃または80℃未満のままであるので、コンデンは、電子チップ252、254の非常に近くにあるが、機能することができる。さらに、この実施形態では、冷却回路は、電子コンポーネント330に組み込まれている、すなわち、同じパッケージ332に含まれている。
図30は、ランプ400を示している。ランプ400は、供給される電力の一部を光子、従って光に変換する電子コンポーネントである。このため、ランプ400は、1つ以上のLED(発光ダイオード)404が作成される半導体基板402を備えている。LEDは公知であるので、ここでは、LEDの活性領域の冷却に関する情報だけについて説明する。ランプ400についての、ここに説明する以外の特徴に関する情報は、特許文献5(WO2005/089477)を参照されたい。
各LED404は、主にp−n接合によって形成されている活性領域を備えている。このp−n接合の役割は、有効電流が活性領域を流れるとき、光子を発生することである。この活性領域は、上述の活性領域と同様に、制御信号に応えて、オン状態とオフ状態とを切り替わる。ここで、図30の発光ダイオードに関して、制御信号は、ランプ400の端子間に印加される電圧である。しかし、スイッチとして使用される電子コンポーネントとは対照的に、オフ状態では、LEDは、小さな電圧、例えば2、3Vしか保持することができない。
LED404は、空洞410内に密閉されている半導体基板402を封入するために使用されるカバー408を含む、パッケージ406に取り付けられている。このカバー408は、窓412を備えている。この窓412は、各LEDから発光された光を集めて、面と平行にする、ずらりと並んだ回折素子または反射素子などの、光素子を備えていてもよい。半導体基板402は、その上面および下面が空洞410を流れる熱伝導流体414に触れるように、空洞410内に取り付けられている。図30の矢印は、熱伝導流体414の流れの方向を示している。
この実施形態による熱伝導流体414は、入口チャネル416を通って空洞410に入り、この空洞から出口チャネル418を通って出て行く。
前の実施形態と同様に、マイクロチャネル420は、半導体基板402の面に実質的に垂直に、各LEDの活性領域を通過する。
さらに、ランプ400は、熱伝導流体414を、マイクロチャネル420を通してLEDの活性領域を貫流させるのに適した形状の壁422も備えている。このようにして、各LEDの冷却が改善されている。
他の多くの実施形態も可能である。例えば、ラジエータ以外の異なるタイプの熱交換器を使用することもできる。特に、熱交換器は、一方の熱伝導流体と、他方の周囲液体との間で熱を交換する熱交換器であってもよい。
マイクロチャネルの側壁を不動態化する層を、省いてもよい。
また、マイクロチャネルの断面の朝顔形の広がりを、省いてもよい。
マイクロチャネルの縦断面の長さは、その幅より、10、100、または1000倍長くてもよい。
電子チップは、ダイオード、MOSトランジスタ、GTOトランジスタ、サイリスタ、HEMT(高電子移動度トランジスタ)、トライアックなどの任意のタイプの制御可能スイッチであってもよい。また、LEDであってもよい。
電子チップは、シリコン、または窒化ガリウム、または他の半導体で作られてもよい。
各電子チップに関して、ドーパントのタイプは逆にしてもよい。従って、n型ドープ領域は、p型ドープ領域と置換されてもよいし、その逆に置換してもよい。
マイクロチャネルの断面が朝顔形に広がるとき、マイクロチャネルの断面の最大寸法は、直線的に、または対照的に、例えば指数関数的など非直線的に増加してもよい。また、マイクロチャネルの断面の最大寸法の広がりは、階段状でもよいし、またマイクロチャネルの長さの一部だけが広がっていてもよい。
マイクロチャネルは、活性領域に不均一に配置されてもよい。例えば、他の領域より熱くなると分かっている活性領域の特定の領域において、マイクロチャネルの密度を大きくしてもよい。「マイクロチャネルの密度」という表現は、1cm2当たり活性領域を通過するマイクロチャネルの数を意味するものである。
不動態化層は、異なるタイプにドープされた2つの領域の境界面を、マイクロチャネルが横切る領域だけに設けてもよい。
活性領域を取り巻く周辺領域は、関係する電圧が十分に低い場合は、省いてもよい。
金属化層は、基板の面と垂直な一方向だけに延びる、チャネルが必要ない透過性材料を、活性領域の上面および下面に堆積させることによって得られる、多孔性の金属化層を使用して作成されてもよい。この透過性材料は、例えば粒状材料である。このような粒状材料は、例えば、導電材料の多数の小さな粒によって形成され、これらの粒は、互いに電気的に接触している。これらの粒の間には間隙があり、その間隙を通して、熱伝導流体が流れて、金属化層を通過することができる。例えば、粒状材料は、銅のフリットである。また、透過性材料は、鉄の泡などの泡、または繊維であってもよい。
熱伝導流体を透過させることができるようにするために、金属化層に作成されている孔の動水直径は、活性領域を通過するマイクロチャネルの動水直径より大きい方がよい。
金属化層およびこれらの層と接触する電気トラックは、同じ材料ブロックから形成してもよい。電気トラックの厚さを有する金属化層が、例えば、活性領域およびその周辺部に堆積される。活性領域と一列に並んだこの電気トラックの部分は、これらの電気トラックを通って、活性領域を通過するマイクロチャネルで孔を開けられ、マイクロチャネルは、金属層の基板とは反対側の外面にマイクロチャネルが通じるように、活性領域を通過する。
また、電気トラック24、26と金属化層20、22との接触は、半田付け、またはろう付けで、その接触面は、下がっているか、または同一平面であってもよい。
変形形態として、電気トラック24または26は、金属化層を他の電気トラックに電気的に接続する1つ以上のボンディングワイヤで作られる。これらのボンディングワイヤは、例えばアルミニウムまたは金で作られる。これらのボンディングワイヤは、上部金属層(例えば、金属化層20)を、電子チップが設けられている基板にエッチングされた電気トラックに接続していることが好ましい。
変形形態として、マイクロチャネルは、ゲートを貫通している。
上の記述はまた、埋め込みでないゲートを有するトランジスタにも当てはまる。
基板が十分に厚いとき、その電気特性に関する理由から、電子チップ製造のプロセスでキャリアを使用する必要はない。
金属化層を接合するステップは、導電材料を堆積するステップと置換してもよい。これらの材料は、例えば、電気分解で析出される。
上の記述は、全ての電極が基板の同じ側にある側方パワーコンポーネントにも当てはまる。
また、本明細書の教示は 同じ平面に順に横に並べられた複数の電子チップを備える電子コンポーネントにも当てはまる。例えば、この場合は、各電子チップのマイクロチャネルの一端は、共通の入口マニホールドと通じており、各電子チップのマイクロチャネルの他端は、共通の出口マニホールドと通じている。
図26〜図28に関して述べたような3D電子コンポーネントは、必ずしもトランジスタだけで作られるわけではない。この電子コンポーネントは、(ダイオード、サイリスタなどの)任意のタイプの電子チップを順に積み重ねて作成してもよい。
変形形態として、マイクロチャネル338は、デカップリングコンデンサの電極面に沿って通過するが、これらの電極またはこれらの電極間に存在する誘電体を通過しない。また、デカップリングコンデンサの冷却回路は、制御可能スイッチの冷却回路とは流体的に独立していてもよい。
熱伝導流体は、液体誘電体または気体誘電体であってもよい。これらの液体または気体は、高圧で使用されてもよい。
熱伝導流体は、電子チップの導電材料を電気的に絶縁するために、電気絶縁層が使用される場合、誘電体である必要はない。
熱伝導流体は、図に示す方向、またはその反対方向に流れてもよい。
熱伝導流体は、ある特定の場合は、電子チップを熱するために使用してもよい。
2、250、300 電子コンポーネント
4、252、254、302、304 電子チップ
6、192、402 半導体基板
8、190、230 活性領域
10 強pドープ領域
12 弱nドープ領域
14 強nドープ領域
18 周辺領域
20、22、210、212 金属化層
24、26、220、270、272、274、314 電気トラック
30、32、276、278、280、336 マニホールド
34、38 誘電体層
36 (電子コンポーネント)入口
40 (電子コンポーネント)出口
44、216、232、242、244、246、248、306、338、420 マイクロチャネル
48 対称軸、対称面
54 保護層
60、350 冷却回路
62、352 熱交換器
64 (冷却回路)入口
66 (冷却回路)出口
68 フィン
70 基部
72、74 ダクト
76、354 ポンプ
80 チャネル
82 (チャネル)対称軸
84、88 先端部
88〜91 曲線
106 キャリア
118、152 ハードマスク
142 薄板
148 基板
194、240 導電セル
200 pドープ領域
202 n+ドープ領域
204 ゲート
208 小領域
210 ソース
212 ドレイン
214 電気絶縁体
282、284 孔
290 3D電気コンポーネント
292 噴流
308、340 入口マニホールド
310 中間マニホールド
280、312 出口マニホールド
270、274、316、318 トラック
320、332 ポリマーパッケージ
322、324 空洞部
330 スイッチングアーム
331A、331B 入出力電圧ピン
334 デカップリングコンデンサ
335A、335B 導電櫛状部
337 誘電体
356 矢印
400 ランプ
404 LED
406 パッケージ
408 カバー
410 空洞
412 窓
416 入口チャネル
418 出口チャネル
414 熱伝導流体
422 壁
F 半導体基板の面と垂直の方向
1、p2 セル間の間隔

Claims (17)

  1. 電子チップであって、
    −基本的に平面に置かれており、活性領域(8、190、230)を有している半導体基板(6、12)と、
    −流れる熱伝導流体を収容することができ、少なくとも前記活性領域のpドープ領域またはnドープ領域を通過する少なくとも1つのチャネル(44;216;232;242;244;246;248)とを備え、
    前記活性領域は、少なくとも1つのpドープ領域および少なくとも1つのnドープ領域によって形成され、前記pドープ領域およびnドープ領域は、1つ以上のp−n接合を形成し、前記p−n接合には、前記電子チップがオン状態のとき、有効電流の大部分が流れ、
    前記少なくとも1つのチャネル(44;216;232;242;244;246;248)は、直線的であり、前記半導体基板の面と垂直な方向Fと同一方向から±45°の範囲内で、前記半導体基板(6;192;402)を貫通するようになっていることを特徴とする電子チップ。
  2. 前記電子チップは、第1および第2の金属化層(20、22;210、212)を備え、前記金属化層は、前記活性領域の断面に有効電流を分散させるために、前記活性領域のそれぞれ反対側の面に直接均一に広がり、各金属化層は、前記熱伝導流体を透過させることができ、前記熱伝導流体は、前記活性領域に開いている前記1つ以上のチャネルの中を通って、各金属化層を貫流するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の電子チップ。
  3. 前記活性領域の前記nまたはpドープ領域を通過する100を超えるチャネルを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子チップ。
  4. 前記チャネル(44;216;232;242;244;246;248)の総断面積は、前記活性領域の面積の3分の1未満であることを特徴とする請求項3に記載の電子チップ。
  5. 前記チャネル(44)は、最も弱くドープされた領域において、最も強くドープされた領域から最も弱くドープされた領域に進む方向に朝顔形に広がっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子チップ。
  6. 前記チャネル(44)の側壁は、少なくとも前記チャネル(44)が、異なるタイプにドープされた2つの領域が交わる部分を横切る場所においては、誘電体の層(54)で覆われていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子チップ。
  7. 金属化層(20、22;210、212)の厚さeは、比ρ/eが0.1mΩ未満になる厚さであり、ここで、ρは、前記金属化層が作られている材料の導電率であることを特徴とする請求項2に記載の電子チップ。
  8. −前記活性領域(190;230)は、前記活性領域をオン状態とオフ状態に切り替えることができる導電ゲート(204)が間に配置される複数のp−n接合を形成するために、反対のタイプにドープされた基本セル(200)が作成される大きなpまたはnドープ領域で形成されていること、および
    −各チャネル(216;232)は、2つのゲートの間に位置している1つの基本セルの場所を通過または占有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子チップ。
  9. 制御信号に応えて、前記活性領域を、電流に対する抵抗が小さいオン状態と、電流に対する抵抗が少なくとも10倍大きいオフ状態とに、切り替えることができる制御可能スイッチであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子チップ。
  10. 前記1つ以上のチャネルの最小動水直径は、1〜500μmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子チップ。
  11. 電子コンポーネントであって、
    −請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子チップ(4;252、254;302、304)であって、前記活性領域の1つの面に直接均一に広がる少なくとも1つの金属化層(20、22;210、212)を備え、前記金属化層は、前記活性領域に開いている前記1つ以上のチャネルの中を流れる前記熱伝導流体を透過させることができる、電子チップ(4;252、254;302、304)と、
    −前記活性領域の周辺部だけに配置され、前記電子チップが前記オン状態であるとき、この活性領域を流れる電流を供給または回収するように、前記金属化層と直接機械的および電気的に接触する少なくとも1つの電気トラック(24、26;220)とを備えていることを特徴とする電子コンポーネント。
  12. 前記電気トラック(24、26;220)と前記金属化層(20、22;210、212)との前記電気的接触は、温度変化に応えて、前記電気トラックが前記金属化層の上を摺動するのを可能にする無半田および無接着の圧着接触だけからなることを特徴とする請求項11に記載の電子コンポーネント。
  13. 前記少なくとも1つの電気トラックは、導電材料の中空チューブの形態のピン(316、318)であり、前記導電材料の周辺部は、前記電子チップの前記活性領域の周辺部に電気的に接続され、前記導電材料の中空部(322、324)は、前記活性領域を通過する前記少なくとも1つのチャネル(306)に流体的に接続されていることを特徴とする請求項11または12に記載の電子コンポーネント。
  14. 3D構造を有する電子コンポーネントであって、
    −少なくとも1つの第1の電子チップ(252)および少なくとも1つの第2の電子チップ(254)であって、各チップは上面および下面を有し、前記第1の電子チップの上面が前記第2の電子チップの下面に向かい合うように順に積み重ねられている第1および第2の電子チップ(252、254)を備え、
    前記第1および第2の電子チップ(252、254)は、請求項1〜10のいずれか1項に記載されており、前記第1の電子チップの上面に開口している前記1つ以上のチャネル(216)の上端は、前記第2の電子チップの下面に開口している前記1つ以上のチャネルの下端に流体的に接続されていることを特徴とする電子コンポーネント。
  15. 前記第1および第2の電子チップ(252、254)の上面および下面は、前記第1と第2の電子チップの間に位置している中間熱伝導流体マニホールド(278)の下壁および上壁を画定し、前記中間熱伝導流体マニホールド(278)に、前記第1の電子チップの前記チャネル(216)の上端、および前記第2の電子チップの前記チャネルの下端が開口していることを特徴とする請求項14に記載の電子コンポーネント。
  16. −前記第1および第2の電子チップ(252、254)は、それぞれ、前記活性領域の1つの面、すなわちそれぞれ下面および上面に、直接均一に広がる少なくとも1つの金属化層(210、212)を備え、前記金属化層は、前記活性領域に開いている前記1つ以上のチャネルの中を流れる前記熱伝導流体を透過させることができ、
    −少なくとも1つの共通電気トラック(272)は、各チップの前記活性領域の周辺部だけに配置され、これらの活性領域を流れる電流を供給または回収するように、前記第1の電子チップの前記活性領域の下面に、および前記第2の電子チップの前記活性領域の上面に広がる前記金属化層と、直接機械的および電気的に接触するようになっていることを特徴とする請求項14または15に記載の電子コンポーネント。
  17. スイッチングアームであって、
    −電圧入出力端子(331A、331B)と、
    −前記入出力端子の間に直列に接続されている少なくとも2つの制御可能スイッチ(252、254)と、
    −前記入出力端子にそれぞれ電気的に接続されている少なくとも2つの電極と、これら2つの電極を互いに電気的に絶縁する誘電体とを備えている少なくとも1つのデカップリングコンデンサ(334)とを備え、
    各制御可能スイッチ(252、254)は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子チップを備え、前記デカップリングコンデンサ(334)は、前記電極間の前記誘電体を通過するか、または前記電極の少なくとも1つに沿って直接延びる少なくとも1つのチャネル(338)を備え、前記1つ以上のチャネルは、前記制御可能スイッチを形成する前記電子チップの前記活性領域を通過する前記チャネル(216)に流体的に接続されていることを特徴とするスイッチングアーム。
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