JP5503459B2 - 固体撮像素子および撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、固体撮像素子の高感度化およびカラー化の技術に関する。
近年、CCDやCMOS等の固体撮像素子(以下、「撮像素子」と称する場合がある。)を用いたデジタルカメラやデジタルムービーの高機能化、高性能化には目を見張るものがある。特に半導体製造技術の急速な進歩により、撮像素子における画素構造の微細化が進んでいる。その結果、撮像素子の画素および駆動回路の高集積化が図られ、撮像素子の高性能化が進んでいる。特に近年では、固体撮像素子の配線層が形成された面(表面)側ではなく裏面側で受光する裏面照射型(backside illumination)の撮像素子を用いたカメラも開発され、その特性等が注目されている。その一方で撮像素子の多画素化に伴い、1画素の受ける光量が低下するため、カメラ感度が低下するという問題が起きている。
カメラの感度低下は、多画素化以外にも、色分離用の色フィルタが用いられることにも原因がある。通常のカラーカメラでは、撮像素子の各光感知セルに対向して有機顔料を色素とする減色型の色フィルタが配置される。色フィルタは、利用する色成分以外の光を吸収するため、このような色フィルタを用いた場合、カメラの光利用率は低下する。例えば、赤(R)1要素、緑(G)2要素、青(B)1要素を基本構成とするベイヤー型の色フィルタ配列をもつカラーカメラでは、R、G、Bの各色フィルタは、それぞれ赤の波長域の光(R光)、緑の波長域の光(G光)、青の波長域の光(B光)のみを透過させ、残りの光を吸収する。したがって、ベイヤー配列によるカラーカメラにおいて利用される光は、入射光全体の約1/3である。
上記の感度低下の問題に対して、入射光を多く取り込むために、撮像素子の受光部にマイクロレンズアレイを取り付けることによって受光量を増やす技術が特許文献1に開示されている。この技術によれば、マイクロレンズを用いて光感知セルに集光することにより、撮像素子における光開口率を実質的に向上させることができる。この技術は現在殆どの固体撮像素子に用いられている。この技術を用いれば、確かに実質的な開口率は向上するが、色フィルタによる光利用率低下の問題を解決するものではない。
光利用率低下と感度低下の問題を同時に解決する技術として、多層膜の色フィルタ(ダイクロイックミラー)とマイクロレンズとを組み合わせて、光を最大限利用する技術が特許文献2に開示されている。この技術では、光を吸収せず特定波長域の光を選択的に透過させ、他の波長域の光を反射する複数のダイクロイックミラーが用いられる。これにより、光を損失することなく、個々の光感知部に必要な波長域の光のみを入射させることができる。
図13は、特許文献2に開示された撮像素子の撮像面に垂直な方向の断面を模式的に示す図である。この撮像素子は、撮像素子の表面および内部にそれぞれ配置された集光用のマイクロレンズ4a、4bと、遮光部20と、光感知セル2a、2b、2cと、ダイクロイックミラー17、18、19とを備えている。ダイクロイックミラー17、18、19は、光感知セル2a、2b、2cにそれぞれ対向して配置されている。ダイクロイックミラー17は、R光を透過させ、G光およびB光を反射する特性を有している。ダイクロイックミラー18は、G光を反射し、R光およびB光を透過させる特性を有している。ダイクロイックミラー19は、B光を反射し、R光およびG光を透過させる特性を有している。
マイクロレンズ4aに入射した光は、マイクロレンズ4bによって光束を調整された後、第1のダイクロイックミラー17に入射する。第1のダイクロイックミラー17は、R光を透過させるが、G光およびB光を反射する。第1のダイクロイックミラー17を透過した光は、光感知セル2aに入射する。第1のダイクロイックミラー17で反射されたG光およびB光は、隣接する第2のダイクロイックミラー18に入射する。第2のダイクロイックミラー18は、入射した光のうちG光を反射し、B光を透過させる。第2のダイクロイックミラー18で反射されたG光は、光感知セル2bに入射する。第2のダイクロイックミラー18を透過したB光は、第3のダイクロイックミラー19で反射され、その直下の光感知セル2cに入射する。このように、特許文献2に開示された撮像素子によれば、集光マイクロレンズ4aに入射した可視光は、色フィルタによって吸収されることなく、そのR、G、Bの各色成分が3つの光感知セルによって無駄なく検出される。
上記の従来技術のほか、マイクロプリズムを用いることによって光の損失を防ぐことができる撮像素子が特許文献3に開示されている。この撮像素子は、マイクロプリズムによってR光、G光、B光に分離された光をそれぞれ異なる光感知セルが受ける構造を有している。このような撮像素子によっても光の損失を防ぐことができる。
しかしながら、特許文献2および特許文献3に開示された技術では、利用するダイクロイックミラーの数だけ、または分光する数だけ光感知セルを設ける必要がある。例えばRGB3色の光を検出するには、光感知セルの数を、従来の色フィルタを用いた場合の光感知セルの数と比較して3倍に増やさなければならないという課題がある。
以上の技術に対し、光の損失は一部発生するが、ダイクロイックミラーを用いて光の利用率を高める技術が特許文献4に示されている。図14は当該技術を用いた撮像素子の断面図の一部を示している。図示されるように、透光性の樹脂21内にダイクロイックミラー22、23が配置される。ダイクロイックミラー22はG光を透過させ、R光およびB光を反射する特性を有している。また、ダイクロイックミラー23はR光を透過させ、G光およびB光を反射する特性を有している。
このような構成により、B光は光感知部で受光できないが、R光、G光は以下の原理で全て検出できる。まずR光がダイクロイックミラー22、23に入射すると、ダイクロイックミラー22では反射され、ダイクロイックミラー23では透過する。ダイクロイックミラー22で反射されたR光は、さらに透光性の樹脂21と空気との界面でも反射され、ダイクロイックミラー23に入射する。R光は、ダイクロイックミラー23を透過し、さらにR光透過性を有する有機色素フィルタ25およびマイクロレンズ26も透過する。このようにして、一部が金属層27で反射するものの、ダイクロイックミラー22、23に入射するR光の殆どが光感知部に入射する。一方、G光がダイクロイックミラー22、23に入射すると、ダイクロイックミラー22では透過し、ダイクロイックミラー23では反射される。ダイクロイックミラー23で反射されたG光は、さらに透光性の樹脂21と空気との界面で全反射し、ダイクロイックミラー22に入射する。G光は、ダイクロイックミラー22を透過し、さらにG光透過性を有する有機色素フィルタ24およびマイクロレンズ26も透過する。このようにして、一部が金属層27で反射するものの、ダイクロイックミラー22、23に入射するG光の殆どが損失なく光感知部に入射する。
以上の原理により、特許文献4に示された技術では、R、G、B光のうち1色は損失するものの2色は殆ど損失なく受光できる。このため、R、G、B3色分の光感知部を配置する必要はない。ここで、ダイクロイックミラーを有さず有機色素フィルタのみによってカラー化を行う場合と比較すると、有機色素フィルタのみによる場合の光利用率が約1/3であるのに対して、特許文献4に開示された技術を用いた場合の光利用率は全入射光の約2/3となる。すなわち、この技術によれば撮像感度が約2倍に向上する。しかしながら、この技術によっても、3色のうちの1色は損失することになるため、光利用率を100%にはできないという課題が残る。
一方、分光要素を用いて大幅に光感知セルを増やすことなく光利用率を高めるカラー化技術が特許文献5に開示されている。この技術によれば、光感知セルに対応して配置された分光要素によって光が波長域に応じて異なる光感知セルに入射する。個々の光感知セルは、複数の分光要素から異なる波長域の成分が重畳された光を受ける。その結果、各光感知セルから出力される光電変換信号を用いた信号演算によって色信号を生成することができる。
特開S59−90467号公報 特開2000−151933号公報 特開2001−309395号公報 特開2003−78917号公報 国際公開第2009/153937号
従来技術では、光吸収タイプの色フィルタを用いれば、大幅に光感知セルを増やさずに済むが、光利用率が低くなるという問題点がある。また、特許文献2、3に開示された技術のように、ダイクロイックミラーやマイクロプリズムを用いれば、光利用率を高くすることができるが、光感知セルを大幅に増やさなければならないという課題がある。
一方、特許文献5に開示された技術によれば、確かに光利用率の高いカラー画像が理論上得られるが、理想的な分光特性を持つ分光要素を製造することが難しい。分光要素の材料特性や製造精度が悪いと、各光感知セルから出力される光電変換信号も理想的な信号にはならず、カラー画像の色再現性が低下するという課題がある。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、その主たる目的は、光感知セルを大幅に増やすことなく、光利用率を高くすることができ、かつ従来技術よりも色再現性の高いカラー撮像技術を提供することにある。
本発明の固体撮像素子は、各々が第1の光感知セルおよび第2の光感知セルを含む複数の単位ブロックが撮像面上に2次元状に配列された光感知セルアレイと、前記光感知セルアレイに対向して配置され、複数の分光要素を含む分光要素アレイと、前記光感知セルアレイおよび前記分光要素アレイの間に配置され、複数の色フィルタを含む色フィルタアレイとを備えている。前記分光要素アレイおよび前記色フィルタアレイが存在しないと仮定した場合に各光感知セルが受ける光を各光感知セルのセル入射光とし、前記第1の光感知セルのセル入射光が第1波長域の光、第2波長域の光、および第3波長域の光を含むとき、前記分光要素アレイは、前記第1の光感知セルに対向して配置された第1の分光要素であって、前記第1のセル入射光に含まれる前記第1波長域の光の少なくとも一部を前記第2の光感知セルに入射させる第1の分光要素を含み、前記第1の光感知セルおよび前記第2の光感知セルの少なくとも一方に、前記第1波長域の光、前記第2波長域の光、および前記第3波長域の光の少なくとも2つの波長域の光を入射させるように構成されている。前記色フィルタアレイは、前記第1の光感知セルおよび前記第1の分光要素の間に配置された第1の色フィルタであって、前記第1波長域の光を吸収または反射する第1の色フィルタを含む。
ある実施形態において、前記第1の分光要素は、前記第1の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第1波長域の光の一部を前記第2の光感知セルに入射させ、前記第1の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第1波長域の光の他の一部を隣接単位ブロックに含まれる第2の光感知セルに入射させる。
ある実施形態において、固体撮像素子は、前記第2の光感知セルに対向して配置された第2の分光要素をさらに備え、前記第1の分光要素は、前記第1波長域の光を前記第2の光感知セルに入射させ、前記第2波長域の光を隣接単位ブロックに含まれる第2の光感知セルに入射させ、前記第3波長域の光を前記第1の光感知セルに入射させ、前記第2の分光要素は、前記第2の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第2波長域の光の一部を前記第1の光感知セルに入射させ、前記第2の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第2波長域の光の他の一部を他の隣接単位ブロックに含まれる第1の光感知セルに入射させ、前記第1および第3波長域の光を前記第2の光感知セルに入射させる。
ある実施形態において、各単位ブロックは、第3の光感知セルと、第4の光感知セルとを含む。前記分光要素アレイは、前記第3の光感知セルに対向して配置された第3の分光要素であって、前記第3の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第1および第2波長域の一方の波長域の光を前記第4の光感知セルに入射させ、前記第3の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第1および第2波長域の他方の波長域の光を前記他の隣接単位ブロックに含まれる第4の光感知セルに入射させ、前記第3波長域の光を前記第3の光感知セルに入射させる第3の分光要素と、前記第4の光感知セルに対向して配置された第4の分光要素であって、前記第4の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第1波長域の光の一部を前記第3の光感知セルに入射させ、前記第4の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第1波長域の光の他の一部を前記隣接単位ブロックに含まれる第3の光感知セルに入射させ、前記第2および第3波長域の光を前記第4の光感知セルに入射させる第4の分光要素とを含む。また、前記色フィルタアレイは、前記第3の光感知セルおよび前記第3の分光要素の間に配置された第2の色フィルタであって、前記第2波長域の光を吸収または反射する第2の色フィルタを含む。
ある実施形態において、各単位ブロックは、第3の光感知セルと、第4の光感知セルとを含み、前記分光要素アレイは、前記第4の光感知セルに対向して配置された第2の分光要素であって、前記第2の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第2波長域の光の一部を前記第3の光感知セルに入射させ、前記第2の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第2波長域の光の他の一部を、他の隣接単位ブロックに含まれる第3の光感知セルに入射させ、前記第1および第3波長域の光を前記第4の光感知セルに入射させる第2の分光要素を含む。また、前記色フィルタアレイは、前記第4の光感知セルおよび前記第2の分光要素の間に配置された第2の色フィルタであって、前記第2波長域の光を吸収または反射する第2の色フィルタを含む。
ある実施形態において、各単位ブロックは、第3の光感知セルと、第4の光感知セルとを含み、前記分光要素アレイは、前記第2の光感知セルに対向して配置された第2の分光要素であって、前記第2の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第2波長域の光の一部を前記第1の光感知セルに入射させ、前記第2の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第2波長域の光の他の一部を他の隣接単位ブロックに含まれる第1の光感知セルに入射させ、前記第1および第3波長域の光を前記第2の光感知セルに入射させる第2の分光要素と、前記第3の光感知セルに対向して配置された第3の分光要素であって、前記第3の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第1および第2波長域の一方の波長域の光を前記第4の光感知セルに入射させ、前記第3の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第1および第2波長域の他方の波長域の光を前記隣接単位ブロックに含まれる第4の光感知セルに入射させ、前記第3波長域の光を前記第3の光感知セルに入射させる第3の分光要素とを含む。また、前記色フィルタアレイは、前記第2の光感知セルおよび前記第2の分光要素の間に配置された第2の色フィルタであって、前記2波長域の光を吸収または反射する第2の色フィルタを含む。
前記色フィルタアレイは、前記第3の光感知セルおよび前記第3の分光要素の間に配置された第3の色フィルタであって、前記第1および第2波長域の光を吸収または反射する第3の色フィルタをさらに有していてもよい。
ある実施形態において、各単位ブロックは、第3の光感知セルと、第4の光感知セルとを含み、前記分光要素アレイは、前記第2の光感知セルに対向して配置された第2の分光要素であって、前記第2の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第2波長域の光の一部を前記第1の光感知セルに入射させ、前記第2の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第2波長域の光の他の一部を他の隣接単位ブロックに含まれる第1の光感知セルに入射させ、前記第1および第3波長域の光を前記第2の光感知セルに入射させる第2の分光要素を含む。また、前記色フィルタアレイは、前記第2の光感知セルおよび前記第2の分光要素の間に配置された第2の色フィルタであって、前記2波長域の光を吸収または反射する第2の色フィルタと、前記第3の光感知セルおよび前記第3の分光要素の間に配置された第3の色フィルタであって、前記第1および第2波長域の光を吸収または反射する第3の色フィルタとを含む。
ある実施形態において、前記第1波長域は赤光および青光の一方の波長域に相当し、前記第2波長域は赤光および青光の他方の波長域に相当し、前記第3波長域は緑光の波長域に相当する。
ある実施形態において、前記分光要素アレイに含まれる各分光要素は、透光性部材を有し、前記透光性部材と前記透光性部材よりも屈折率の低い他の透光性部材との屈折率の差を利用して分光する。
本発明の撮像装置は、本発明の固体撮像素子と、前記固体撮像素子に像を形成する光学系と、前記固体撮像素子から出力される信号を処理して色情報を生成する信号処理部とを備える。
本発明の固体撮像素子によれば、入射光を波長帯域に応じて分離する分光要素が撮像面上に配置されるとともに、一部の波長帯域の光を吸収または反射する色フィルタが画素と分光要素との間に配置される。当該色フィルタを分光要素の特性に合わせて理想的な分光特性をもつように設計することにより、当該色フィルタを透過した光を受ける画素からの光電変換信号を、より理想的な信号に近づけることが可能となる。言い換えれば、分光要素の分光特性が設計値から多少ずれていても色フィルタによってそのずれに起因する信号のずれを補償することができる。そのため、本発明の撮像素子によれば、従来の撮像素子を用いた場合よりも色再現性の高い撮像が可能となる。本発明では、色フィルタによって一部の光は損失することになるが、その損失は分光要素の分光特性の設計値からのずれに起因するものであるため、損失量は僅かである。したがって、本発明によれば色再現性が高く、かつ光利用率の高い撮像装置を実現できる。
本発明の固体撮像素子における光感知セルアレイ、分光要素アレイ、色フィルタアレイの配置関係を示す斜視図である。 本発明の固体撮像素子における基本構造の一例を示す平面図である。 図2AにおけるAA´線断面図である。 本発明の他の固体撮像素子における断面構造を示す図である。 本発明のさらに他の固体撮像素子の断面構造を示す図である。 3画素を1単位とする固体撮像素子の基本構造の一例を示す平面図である。 3画素を1単位とする他の固体撮像素子の断面構造を示す図である。 本発明の実施形態1の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態1におけるレンズと撮像素子を示す図である。 本発明の実施形態1における固体撮像素子の単位画素ブロックの一例を示す平面図である。 本発明の実施形態1における固体撮像素子の単位画素ブロックの他の例を示す平面図である。 本発明の実施形態1における撮像素子の基本構造を示す平面図である。 図9AにおけるAA´線断面図である。 図9AにおけるBB´線断面図である。 本発明の実施形態1の変形例における撮像素子の基本構造の断面を示す図である。 本発明の実施形態2における撮像素子の基本構造を示す平面図である。 図4AにおけるCC´線断面図である。 図4AにおけるDD´線断面図である。 本発明の実施形態2における撮像素子の基本構造を示す平面図である。 図4AにおけるCC´線断面図である。 図4AにおけるDD´線断面図である。 マイクロレンズと多層膜フィルタ(ダイクロイックミラー)とを用いた従来の撮像素子の断面図である。 多層膜フィルタ(ダイクロイックミラー)と反射とを利用した従来の撮像素子の断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する前に、図1から図5を参照しながら本発明の基本原理を説明する。以下の説明において、共通する要素には同一の符号を付している。なお、本明細書において、波長域の異なる光を空間的に分離することを「分光」と称することがある。
本発明による固体撮像素子は、撮像面に2次元状に配列された複数の光感知セル(画素)を含む光感知セルアレイと、複数の分光要素を含む分光要素アレイと、複数の色フィルタを含む色フィルタアレイとを備えている。図1は、固体撮像素子10の撮像面に形成された光感知セルアレイ200、分光要素アレイ100、および色フィルタアレイ300の一部を模式的に示す斜視図である。分光要素アレイ100は、光感知セルアレイ200に対向して光が入射する側に配置され、光を波長域に応じて空間的に分離する複数の分光要素を含んでいる。色フィルタアレイ300は、光感知セルアレイ200と分光要素アレイ100との間に配置され、分光要素アレイ100から入射する光の一部を吸収または反射する複数の色フィルタを含んでいる。なお、光感知セル2の配列、形状、サイズはこの図の例に限られず、公知のどのような配列、形状、サイズであってもよい。また、分光要素アレイ100および色フィルタアレイ300は、便宜上、四角柱で表されているが、実際はこのような形状を有しているわけではなく、様々な構造をとり得る。個々の光感知セル2は、光を受けると光電変換を行い、受けた光の強度(受光量)に応じた電気信号(本明細書において、「光電変換信号」または「画素信号」と呼ぶ。)を出力する。
以下、図2A、2Bを参照しながら、本発明における撮像素子10の基本構造の一例を説明する。
図2Aは、撮像面に配置された光感知セルアレイ200の基本画素構成(単位ブロック)40の例を示す平面図である。光感知セルアレイ200は、各々が2つの光感知セル2a、2bを含む複数の単位ブロック40が撮像面上に2次元状に配列された構造を有している。また、第1の光感知セル2aに対向して光が入射する側に色フィルタ3aが配置されている。さらに、色フィルタ3aに対向して光が入射する側に分光要素1aが配置されている。この例では、第2の光感知セル2bに対向する位置には色フィルタおよび分光要素は配置されていない。
図2Bは、図2AにおけるAA´線断面の構造を示す図である。なお、図2Bでは、隣接する単位ブロック(第1の隣接単位ブロック)に含まれる第1の光感知セル2b´、隣接する他の単位ブロック(第2の隣接単位ブロック)に含まれる第1の光感知セル2a´に対向する色フィルタ3a´および分光要素1a´も図示されている。分光要素1a´、色フィルタ3a´は、それぞれ分光要素1a、色フィルタ3aと同一の要素である。このように、光感知セル2a、2b、色フィルタ3a、分光要素1aを含むパターンが撮像面上に繰り返し形成されている。図2Bは、入射光(W)が分光要素1aによって波長域に応じて分離され、光感知セル2a、2bに異なる波長域の光が入射することを示している。具体的には、分光要素1aは、分光要素1aに入射する光に含まれる第1波長域の光(C1)の半分(C1/2)を光感知セル2bに入射させ、第1波長域の光の残りの半分を第1の隣接単位ブロックに含まれる光感知セル2b´に入射させ、第2波長域の光(C2)および第3波長域の光(C3)を光感知セル2aに入射させるように構成されている。色フィルタ3aは、第1波長域の光(C1)を吸収または反射し、第2および第3波長域の光(C2+C3)を透過させる特性を有している。
ここで、分光要素アレイ100および色フィルタアレイ300が存在しないと仮定した場合に各光感知セルが受ける光をその光感知セルの「セル入射光」と呼ぶこととする。1つの単位ブロックに含まれる光感知セル2a、2bが近接している場合、それらの光感知セルのセル入射光に含まれる光の強度および波長域ごとの強度分布(分光分布)はほぼ同一であると考えることができる。それらの光感知セルのセル入射光の可視光成分の強度を記号「W」で表すこととする。また、セル入射光をW光と呼ぶことがある。本明細書では、セル入射光に含まれる可視光成分を、大別して第1の色成分、第2の色成分、第3の色成分に分類する。また、第1の色成分、第2の色成分、第3の色成分に対応する波長域を、それぞれ第1波長域、第2波長域、第3波長域とする。第1波長域、第2波長域、第3波長域の光の強度をそれぞれC1、C2、C3と表すと、W=C1+C2+C3と表すことができる。第1波長域、第2波長域、第3波長域の組み合わせは、典型的には赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の光に対応する波長域の組み合わせであるが、可視光の波長帯域を3つの波長帯域に分けるものであれば他の組み合わせであってもよい。本明細書では、第1波長域、第2波長域、第3波長域の光を、それぞれC1光、C2光、C3光と呼ぶことがある。
図2Bに示す構成では、光感知セル2aは、対向する分光要素1aから入射する第2波長域の光(C2光)および第3波長域の光(C3光)を受ける。また、光感知セル2bは、2つの隣接する光感知セル2a、2a´にそれぞれ対向する分光要素1a、1a´からともに強度C1/2のC1光を受けるとともに、いずれの分光要素も介さずに直接入射するW光を受ける。よって、光感知セル2a、2bから出力される光電変換信号S2a、S2bは、それぞれ以下の式1、2で表すことができる。ただし、W光、C1光、C2光、C3光の強度を示す信号を、それぞれWs、C1s、C2s、C3sとする。
(式1) S2a=Ws−C1s=C2s+C3s
(式2) S2b=Ws+C1s=2C1s+C2s+C3s
S2bからS2aを減じることにより、以下の式3が得られる。
(式3) S2b−S2a=2C1
式3は、2つの光電変換信号S2aとS2bとの差分が第1波長域の光の強度を示す信号C1sの2倍に相当することを示している。このように、図2A、2Bに示す構成によれば、単位ブロック40ごとに第1波長域の光の強度C1を示す情報を得ることができる。そのため、第1の色成分(例えば赤色)の画像を得ることができる。
本発明において重要な点は、光感知セル2aと分光要素1aとの間に第1波長域の光を吸収または反射する色フィルタ3aが配置されている点である。これにより、仮に分光要素1aの分光性能が理想的な性能からずれていても光感知セル2aに第1波長域の光が入射することはない。すなわち、式1に示す信号S2aにC1光の成分が混入することを防ぐことができるため、従来技術による場合よりも色再現性を高めることができる。
図2Bの構成では、分光要素1aは、対向する光感知セル2aの両隣に配置された光感知セル2b、2b´に第1波長域の光を半分ずつ入射させるが、2つの光感知セル2b、2b´に、C1光を異なる比率で入射させてもよい。例えば、分光要素1aは、分光要素2bおよび分光要素2b´に、W光に含まれるC1光を7:3の比率で入射させてもよい。この場合、光感知セル2bは、分光要素1aから0.7C1で表されるC1光を受け、分光要素1a´から0.3C1で表されるC1光を受けることになるため、光感知セル2bが受けるC1光の総量は図2Bの構成を採用した場合と変わらない。
また、分光要素1aは、図3Aに示すように、第1波長域の光のほぼ全てを光感知セル2bに入射させ、光感知セル2b´には光を入射させないように構成されていてもよい。このような構成であっても、上記の式1〜3で示される信号演算処理によって全く同様に第1の色成分に関する画像を得ることができる。また、色フィルタ3aによって光感知セル2aにC1光が入射することを防げるという効果についても上記と同様である。
また、図3Bに示す構成を採用してもよい。この構成では、上記の分光要素1aとは異なる分光特性をもつ分光要素1aaおよび1bbが、それぞれ第1の光感知セル2aおよび第2の光感知セル2bに対向して配置されている。分光要素1aaは、第1波長域の光(C1)を第2の光感知セル2bに入射させ、第2波長域の光(C2)を第1の隣接単位ブロックに含まれる光感知セル2b´に入射させ、第3波長域の光(C3)を第1の光感知セル2aに入射させる。分光要素1bbは、第2波長域の光(C2)を第1の光感知セル2aおよび第2の隣接単位ブロックに含まれる光感知セル2a´に半分ずつ入射させ、第1波長域および第3波長域の光(C1+C3)を第2の光感知セル2bに入射させる。この構成例においても、色フィルタ3aは、光感知セル2aに対向して配置され、C1光のみを吸収または反射させる特性を有している。このような構成によっても、式1〜3で示される信号演算処理に変わりはない。また、色フィルタ3aによって光感知セル2aにC1光が入射することを防げるという効果についても上記と同様である。
以上のように、2つの光感知セルの光電変換信号を用いて1つの色成分の信号を得るためには、2つの光感知セルの差信号が当該色成分の光の強度を示す信号に比例するように各構成要素が構成されていればよい。そのような構成であれば、上記の例に限らず、1つの色成分に関する画像を得ることができる。なお、上記の各例において、C1光は可視光の1つの色成分であるが、C1光は、可視光に限らず赤外線や紫外線などであってもよい。すなわち、本発明は赤外線画像や紫外線画像などの生成にも用いることができる。
本発明によれば、1つの色成分に関する画像のみならず、3つの色成分に関する画像、すなわち、カラー画像を得ることができる。カラー画像を得るためには、各単位ブロックが3つ以上の光感知セルを含み、個々の光感知セルに分光分布が異なる光を入射させるように分光要素アレイが構成されていればよい。ここで、「分光分布が異なる」とは、その光に含まれる主要な色成分が異なることを意味するものとする。例えば、第1の光感知セルがC1光およびC2光を主に受け、第2の光感知セルがC2光およびC3光を主に受ける場合、両者が受ける光の分光分布は互いに異なっている。
図4は、カラー画像を得ることができる構成の一例を示す平面図である。この例では、1つの単位ブロック40は、3つの光感知セル2a、2b、2cを含んでいる。第1の光感知セル2aに対向する位置には第1の分光要素(不図示)が配置され、第2の光感知セル2bに対向する位置には第2の分光要素(不図示)が配置されているものとする。第1の分光要素は、C1光を第2の光感知セル2bに入射させ、C1光以外の光を第1の光感知セル2aに入射させるように構成される。また、第2の分光要素は、C2光を第3の光感知セル2cに入射させ、C2光以外の光を第2の光感知セル2bに入射させるように構成される。第1の光感知セル2aと第1の分光要素との間にはC1光を吸収または反射させる第1の色フィルタ(不図示)が配置され、第2の光感知セル2bと第2の分光要素との間にはC2光を吸収または反射させる第2の色フィルタ(不図示)が配置されているものとする。
以上の構成により、光感知セル2a、2b、2cからそれぞれ出力される光電変換信号S2a、S2b、S2cは、それぞれ以下の式4〜6で表すことができる。
(式4) S2a=Ws−C1s=C2s+C3s
(式5) S2b=Ws+C1s−C2s=2C1s+C3s
(式6) S2c=Ws+C2s=C1s+2C2s+C3s
これらの光電変換信号から、3つの色信号C1s、C2s、C3sが以下のようにして得られる。まず、S2a、S2b、S2cを加算することにより、信号3Wsが得られる。次に、Ws−S2aの演算を行うことにより、信号C1sが得られる。得られた信号C1sを用いて、S2b−2C1sの演算を行うことにより、信号C3sが得られる。最後に、S2c−C1s−C3sの演算により、2C2sを得ることができる。以上の演算処理を各単位ブロックについて実行することにより、3つの色信号C1s、C2s、C3sを単位ブロックごとに得ることができるため、カラー画像を生成できる。
図4の構成例において、C1光を透過させない色フィルタが光感知セル2aに対向して配置され、C2光を透過させない色フィルタが光感知セル2bに対向して配置されている。このため、第1の分光要素および第2の分光要素の分光特性が理想的な特性からずれていても、光感知セル2a、2bにそれぞれC1光、C2光が混入することを防ぐことができる。このため、色再現性の高いカラー撮像装置を実現できる。なお、カラー画像を生成するためには、上記の構成例に限らず、1つの単位ブロックに含まれる少なくとも3つの光感知セルの光電変換信号が互いに異なっていればどのような構成であってもよい。
以上の各構成例では、分光要素アレイ100は、分光によって各光感知セルにC1光、C2光、C3光のうち少なくとも2種類の光が重畳した光を入射させるように構成されている。本発明においては、各単位ブロックにおいて一部の光感知セルが単色光を受けるように構成されていてもよい。ただし、少なくとも1つの光感知セルには、C1光、C2光、C3光のうち少なくとも2種類の光が重畳した光が入射するように分光要素アレイは構成される。
図5は、一部の光感知セルに単色光が入射するように構成された撮像素子10の断面構造の例を示す図である。この例では、単位ブロック40は3つの光感知セル2a、2b、2cを含んでいる。第1の光感知セル2aに対向する位置には分光要素1aaが配置されている。分光要素1aaは、C1光を第2の光感知セル2bに入射させ、C2光を第3の光感知セル2cに入射させ、C3光を第1の光感知セル2aに入射させるように構成されている。また、第1の光感知セル2aと分光要素1aaとの間に、C3光のみを透過させ、他の光を吸収または反射する色フィルタ3aaが配置されている。このような構成においても、製造誤差等に起因して光感知セル2aに想定外の光(C1光およびC2光)が入射することを防ぐことができる。この構成では、光感知セル2a、2b、2cの光電変換信号S2a、S2b、S2cは、それぞれ以下の式7〜9で表される。
(式7) S2a=C3s
(式8) S2b=Ws+C1s=2C1s+C2s+C3s
(式9) S2c=Ws+C2s=C1s+2C2s+C3s
式7〜9より、3つの色成分の強度を示す信号C1s、C2s、C3sを得ることができる。したがって、図5の構成においてもカラー画像を生成することが可能である。
以上のように、本発明の撮像素子10によれば、少なくとも1つの波長域の光を受けないように配置された光感知セルに対向して当該波長域の光を吸収または反射させる色フィルタが配置される。これにより、当該光感知セルに想定外の波長域の光が入射することを防ぐことができる。また、本発明における分光要素アレイ100は、各単位ブロック40に含まれる少なくとも1つの光感知セルに、第1の波長域、第2の波長域、および第3の波長域のうち少なくとも2つの波長域の光が重畳された光を入射させるように構成される。各単位ブロック40に含まれる第1の光感知セル2aに対向して配置された分光要素は、第1波長域の光の少なくとも一部を第2の光感知セル2bに入射させる。以上の構成により、第1の光感知セル2aの光電変換信号と第2の光感知セル2bの光電変換信号とを利用して色情報を生成することが可能になる。
なお、図2A〜3B、5において、各分光要素は長方形状の要素として描かれているが、分光要素の形状は必ずしもこのような形状である必要はない。本発明における分光要素として、例えば後述する高屈折率透明部材、多層膜フィルタ(ダイクロイックミラー)、マイクロプリズムなどが用いられ得る。また、色フィルタとして、光吸収型の公知の色フィルタのみならず、特定の波長域の光のみを透過し、他の波長域の光を反射するダイクロイックミラーなどを用いることができる。
以下、図6から図12Cを参照しながら本発明の好ましい実施形態を説明する。
(実施形態1)
図6は、本発明の第1の実施形態による撮像装置の全体構成を示すブロック図である。本実施形態の撮像装置は、デジタル式の電子カメラであり、撮像部500と、撮像部500から送出される信号に基づいて画像を示す信号(画像信号)を生成する信号処理部400とを備えている。なお、撮像装置は静止画のみを生成してもよいし、動画を生成する機能を備えていてもよい。
撮像部500は、被写体を結像するための光学レンズ12と、光学フィルタ11と、光学レンズ12および光学フィルタ11を通して結像した光情報を、光電変換によって電気信号に変換する固体撮像素子10(イメージセンサ)とを備えている。撮像部500はさらに、撮像素子10を駆動するための基本信号を発生するとともに撮像素子10からの出力信号を受信して信号処理部400に送出する信号発生/受信部13と、信号発生/受信部13によって発生された基本信号に基づいて撮像素子10を駆動する素子駆動部14とを備えている。光学レンズ12は、公知のレンズであり、複数のレンズを有するレンズユニットであり得る。光学フィルタ11は、画素配列が原因で発生するモアレパターンを低減するための水晶ローパスフィルタに、赤外線を除去するための赤外カットフィルタを合体させたものである。撮像素子10は、典型的にはCMOSまたはCCDであり、公知の半導体製造技術によって製造される。信号発生/受信部13および素子駆動部14は、例えばCCDドライバなどのLSIから構成されている。
信号処理部400は、撮像部500から送出される信号を処理して画像信号を生成する画像信号生成部15と、画像信号の生成過程で発生する各種のデータを格納するメモリ30と、生成した画像信号を外部に送出する画像信号出力部16とを備えている。画像信号生成部15は、公知のデジタル信号処理プロセッサ(DSP)などのハードウェアと、画像信号生成処理を含む画像処理を実行するソフトウェアとの組合せによって好適に実現され得る。メモリ30は、DRAMなどによって構成される。メモリ30は、撮像部500から送出された信号を記録するとともに、画像信号生成部15によって生成された画像データや、圧縮された画像データを一時的に記録する。これらの画像データは、画像信号出力部16を介して不図示の記録媒体や表示部などに送出される。
なお、本実施形態の撮像装置は、電子シャッタ、ビューファインダ、電源(電池)、フラッシュライトなどの公知の構成要素を備え得るが、それらの説明は本発明の理解に特に必要でないため省略する。また、以上の構成はあくまでも一例であり、本発明において、撮像素子10を除く構成要素には、公知のものを適切に組み合わせて用いることができる。
以下、本実施形態における固体撮像素子10を説明する。
図7は、露光中にレンズ12を透過した光が撮像素子10に入射する様子を模式的に示す図である。図7では、簡単のためレンズ12および撮像素子10以外の構成要素の記載は省略されている。また、レンズ12は、一般には光軸方向に並んだ複数のレンズによって構成され得るが、簡単のため、単一のレンズとして描かれている。撮像素子10の撮像面10aには、2次元状に配列された複数の光感知セル(画素)を含む光感知セルアレイが配置されている。各光感知セルは、典型的にはフォトダイオードであり、光電変換によって入射光量に応じた光電変換信号(画素信号)を出力する。撮像面10aにはレンズ12および光学フィルタ11を透過した光(可視光)が入射する。一般に撮像面10aに入射する光の強度、および波長域ごとの入射光量の分布(分光分布)は、入射位置に応じて異なっている。
図8A、8Bは、本実施形態における画素配列の例を示す平面図である。光感知セルアレイ200は、例えば、図8Aに示すように、撮像面10a上に正方格子状に配列された複数の光感知セルを有している。光感知セルアレイ200は、複数の単位ブロック40から構成され、各単位ブロック40は4つの光感知セル2a、2b、2c、2dを含んでいる。なお、光感知セルの配列は、このような正方格子状の配列ではなく、例えば、図8Bに示すような斜交型の配列であってもよいし、他の配列であってもよい。各単位ブロックに含まれる4つの光感知セル2a〜2dは、図8A、8Bに示すように、互いに近接していることが好ましいが、これらが離れていても、分光要素アレイを適切に構成することによって色情報を得ることは可能である。
光感知セルアレイ200に対向して、光が入射する側に、複数の分光要素を含む分光要素アレイ100が配置される。本実施形態では、各単位ブロック40に含まれる4つの光感知セルに1対1に対応して4つの分光要素が設けられる。さらに、これらのうちの2つの光感知セルには、対向する分光要素との間に色フィルタが設けられる。
以下、本実施形態における分光要素を説明する。
本実施形態における分光要素は、屈折率が異なる2種類の透光性部材の境界で生じる光の回折を利用して入射光を波長域に応じて異なる方向に向ける光学素子である。このタイプの分光要素は、屈折率が相対的に高い材料で形成された高屈折率透明部材(コア部)と、屈折率が相対的に低い材料で形成されコア部の各々の側面と接する低屈折率透明部材(クラッド部)とを有している。コア部とクラッド部との間の屈折率差により、両者を透過した光の間で位相差が生じるため、回折が起こる。この位相差は光の波長によって異なるため、光を波長域(色成分)に応じて空間的に分離することが可能となる。例えば、第1の方向および第2の方向に第1色成分の光を半分ずつ向け、第3の方向に第1色成分以外の光を向けることができる。また、3つの方向にそれぞれ異なる波長域(色成分)の光を向けることも可能である。コア部とクラッド部との屈折率差によって分光が可能になるため、本明細書では、高屈折率透明部材のことを「分光要素」と呼ぶことがある。ただし、本明細書において「分光要素に入射する光」などの表現を用いる場合、その光には、高屈折率透明部材に入射する光だけでなく、高屈折率透明部材の周辺の低屈折率透明部材に入射する光も含まれるものとする。このような回折型の分光要素の詳細は、例えば、特許第4264465号公報に開示されている。
以上のような分光要素を有する分光要素アレイは、公知の半導体製造技術により、薄膜の堆積およびパターニングを実行することにより、製造され得る。分光要素の材質(屈折率)、形状、サイズ、配列パターンなどを適切に設計することにより、個々の光感知セルに所望の波長域の光を分離・統合して入射させることが可能となる。その結果、各光感知セルが出力する光電変換信号の組から、必要な色成分に対応する信号を算出することができる。
次に、図9A〜9Cを参照しながら本実施形態における撮像素子10の基本構造を説明する。
図9Aは、本実施形態における撮像素子10の基本構造を示す平面図である。各単位ブロック40において、4つの光感知セル2a、2b、2c、2dに対向して分光要素1a、1b、1c、1dがそれぞれ配置されている。また、1行2列目の光感知セル2bと分光要素1bとの間に赤の波長域の光を吸収し、緑および青の波長域の光を透過させる色フィルタ(Cyフィルタ)3bが配置されている。また、2行1列目の光感知セル2cと分光要素1cとの間に青の波長域の光を吸収し、赤および緑の波長域の光のみを透過させる色フィルタ(Yeフィルタ)3cが配置されている。このような基本構造を有する複数のパターンが撮像面10a上に繰り返し形成されている。
図9B、9Cは、図9AにおけるAA´線断面およびBB´線断面をそれぞれ示す図である。図示されるように、撮像素子10は、シリコンなどで形成される半導体基板7と、半導体基板7の内部に配置された光感知セル2a〜2dと、配線層5と、半導体基板7の裏面側(光が入射する側)に形成された透明層6と、半導体基板7の表面側(光が入射しない側)に形成された支持基板9と、支持基板9および半導体基板7を接合する接着層8とを備えている。透明層6の内部には、透明層6よりも屈折率の高い透光性部材からなる分光要素1a、1b、1c、1d、および公知の顔料などから形成される色フィルタ3b、3cが配置されている。また、各光感知セルへの集光を効率的に行うためのマイクロレンズ4が透明層6を隔てて個々の光感知セルに対応して配置されている。
図9B、9Cに示す構造は、公知の半導体製造技術により作製され得る。本実施形態における撮像素子10は、配線層5が形成されていない側から光が入射する裏面照射型の構造を有しているが、撮像素子10は、裏面照射型に限らず表面照射型の構造を有していてもよい。また、マイクロレンズ4が配置されていなくても本実施形態の効果を得ることは可能である。
図9Bに示すように、分光要素1aは、光の進行方向に長い長方形状の断面を有し、自身と透明層6との間の屈折率差によって分光する。分光要素1aは、対向する光感知セル2aに入射光(W)に含まれるR光およびG光を入射させ、光感知セル2bおよび第1の隣接単位ブロックに含まれる光感知セル(不図示)にB光を半分ずつ入射させる。なお、図9Bにおいて、記号B/2は、入射光に含まれるB光の半分の量であることを表している。
分光要素1bは、光が出射する側の先端に段差を有し、自身と透明層6との間の屈折率差により、入射光を0次、1次、−1次などの回折光に分離する。これらの回折角が波長によって異なるため、光を色成分に応じて3方向に分けることが可能となる。具体的には、分光要素1bは、対向する光感知セル2bにG光を入射させ、光感知セル2aにR光を入射させ、第2の隣接単位ブロックに含まれる光感知セル(不図示)にB光を入射させる。なお、上記のB光およびR光は、互いに入れ替わっていてもよい。すなわち、分光要素1bは、光感知セル2aにB光を入射させ、第2の隣接単位ブロックに含まれる光感知セルにR光を入射させてもよい。
各分光要素の特性は、形状や屈折率によって決まるが、本実施形態では、分光要素1a、1bが上記の分光特性をもつようにそれらの長さおよび厚さが設計されている。
Cyフィルタ3bは、光感知セル2bに対向して配置され、分光要素1a、1b、および第2の隣接単位ブロックに含まれる光感知セルに対向する分光要素から入射する光のうち、シアンの波長域(緑および青の波長域)の光のみを透過させる。その結果、光感知セル2bにはR光は入射せず、G光およびB光のみが入射する。
分光要素1a、1b、および色フィルタ3bの機能により、光感知セル2aは、分光要素1aからR光およびG光を受け、分光要素1bからR光を受け、第1の隣接単位ブロックに含まれる光感知セルに対向する分光要素(不図示)からB光を受ける。また、光感知セル2bは、分光要素1bからG光を受け、分光要素1aおよび第2の隣接単位ブロックに含まれる光感知セルに対向する分光要素(不図示)からB光を半分ずつ受ける。
また、図9Cに示すように、分光要素1cは、光が出射する側の先端に段差を有し、自身と透明層6との間の屈折率差により、入射光を0次、1次、−1次などの回折光に分離する。分光要素1cは、上記の分光要素1bと同一の特性を有しており、対向する光感知セル2cにG光を入射させ、光感知セル2dにB光を入射させ、第1の隣接単位ブロックに含まれる光感知セル(不図示)にR光を入射させる。なお、ここでもB光およびR光は、互いに入れ替わっていてもよい。すなわち、分光要素1cは、光感知セル2dにR光を入射させ、第1の隣接単位ブロックに含まれる光感知セルにB光を入射させてもよい。
分光要素1dは、光の進行方向に長い長方形の断面形状を有し、自身と透明層6との間の屈折率差によって分光する。分光要素1dは、対向する光感知セル2dに入射光(W)に含まれるB光およびG光を入射させ、光感知セル2cおよび第2の隣接単位ブロックに含まれる光感知セル(不図示)にR光を半分ずつ入射させる。なお、図9Cにおいて、記号R/2は入射光に含まれるR光の半分であることを表している。
分光要素1c、1dについても、各々が上記の分光特性をもつようにそれらの長さおよび厚さが設計されている。
色フィルタ3cは、光感知セル2cに対向して配置され、分光要素1c、1d、および第1の隣接単位ブロックに含まれる光感知セルに対向する分光要素から光を受け、黄の波長域(赤および緑の波長域)の光のみを透過させる。その結果、光感知セル2cにはB光は入射せず、R光およびG光のみが入射する。
分光要素1c、1d、および色フィルタ3cの機能により、光感知セル2cは、分光要素1cからG光を受け、分光要素1dおよび第1の隣接単位ブロックに含まれる光感知セルに対向する分光要素(不図示)からR光を半分ずつ受ける。また、光感知セル2dは、分光要素1dからG光およびB光を受け、分光要素1cからB光を受け、第2の隣接単位ブロックに含まれる光感知セルに対向する分光要素(不図示)からR光を受ける。
以上の構成により、光感知セル2a、2b、2c、2dは、それぞれ以下の式1〜4で表される光電変換信号S2a〜S2dを出力する。ここで、R光、G光、B光の強度に相当する信号をそれぞれRs、Gs、Bsと表している。
(式10)S2a=2Rs+Gs+Bs
(式11)S2b=Gs+Bs
(式12)S2c=Rs+Gs
(式13)S2d=Rs+Gs+2Bs
画像信号生成部15(図6)は、式10〜13で示される光電変換信号を用いた演算によって色情報を生成する。以下、画像信号生成部15による色情報生成処理を説明する。
第1に、(S2a−S2b)の演算によって赤光の強度を示す信号2Rsを算出する。第2に、(S2d−S2c)の演算によって青光の強度を示す信号2Bsを算出する。第3に、(S2a+S2b)または(S2c+S2d)の演算により、入射光強度を示す信号2Rs+2Gs+2Bs(=2Ws)を算出する。第4に、算出された2Rs+2Gs+2Bsから2Rsおよび2Bsを減じることにより、緑光の強度を示す信号2Gsを算出する。
画像信号生成部15は、以上の信号演算を光感知セルアレイ200の単位ブロック40ごとに実行することによってR、G、Bの各色成分の画像を示す信号(以下、「カラー画像信号」と呼ぶ。)を生成する。生成されたカラー画像信号は、画像信号出力部16によって不図示の記録媒体や表示部に出力される。
このように、本実施形態の撮像装置によれば、光電変換信号S2a〜S2dを用いた信号演算処理によってカラー画像信号を得ることができる。
上記の信号演算処理は、本来、色フィルタ3b、3cが配置されていない場合でも適用でき、カラー画像信号を得ることができる。しかし、実際には、分光要素として使用される材料の特性や製造精度の悪さに起因して分光要素の分光性能が理想的な性能からずれている場合がある。分光要素1aの分光性能が理想的な性能からずれている場合、分光要素1aに対向する光感知セル2aにB光の一部(ΔB)が混入したり、光感知セル2bにR光およびG光の一部(ΔR+ΔG)が混入することがある。この場合、分光要素1aから、(R+G−ΔR−ΔG+ΔB)で表される光が光感知セル2aに入射し、(B−ΔB+ΔR+ΔG)で表される光が光感知セル2bに入射することになる。その他の分光要素についても同様であり、各分光要素の製造精度が低く、分光性能が想定された性能からずれていると、各光電変換信号が上記の式10〜13で示される信号からずれ、色の再現性が低下することになる。
本実施形態における撮像素子によれば、一部の画素に対向して色フィルタを配置することによって上記の色再現性の問題を解決することができる。本実施形態では、G光およびB光のみを受光すべき光感知セル2bに対向してCyフィルタ3bが配置され、R光およびG光のみを受光すべき光感知セル2cに対向してYeフィルタ3cが配置される。その結果、光感知セル2b、2cでは入射光量が若干低下するが、それらの光感知セルにCyの波長域以外の光(R光)またはYeの波長域以外の光(B光)の入射を防止できる。このような対策により、式11および式12で示される信号S2b、S2cは設計値に近い信号となり、色の再現性を向上できる。なお、光感知セル2aに対向する位置にR:G:B=2:1:1の比率で光を透過させる色フィルタを配置することや、光感知セル2dに対向する位置にR:G:B=1:1:2の比率で光を透過させる色フィルタを配置することも考えられる。しかしながら、そのような色フィルタを配置すると、それらに対向する光感知セルの受光量が大幅に低下するため、そのような色フィルタを配置することは好ましくない。結局、光感知セル2a、2cに対向する位置には色フィルタを配置せず、光感知セル2b、2cに対向する位置にのみ色フィルタ3b、3cをそれぞれ配置することが好ましい。
以上のように、本実施形態の撮像装置によれば、撮像素子10の基本画素構成を2行2列とし、各画素に1対1に対応して入射光を色成分に応じて空間的に分離する分光要素が配置される。1行1列目には、対向画素に赤光および緑光を入射させ、対向画素に隣接する2つの画素に青光を半分ずつ入射させる分光要素1aが配置される。1行2列目および2行1列目には、対向画素に緑光を入射させ、対向画素に隣接する2つの画素の一方に赤光を入射させ、他方に青光を入射させる分光要素1bが配置される。2行2列目には、対向画素に緑光および青光を入射させ、対向画素に隣接する2つの画素に赤光を半分ずつ入射させる分光要素1dが配置される。さらに、1行2列目の光感知セル2bと分光要素1bとの間にCyフィルタが配置され、2行1列目の光感知セル2cと分光要素1cとの間にYeフィルタが配置される。これらの色フィルタにより、1行2列目の画素に赤光が入射することを防ぎ、2行1列目の画素に青光が入射することを防ぐことができる。その結果、分光要素の製造精度の低さ等に起因する分光性能の低下を防止でき、高感度で色再現性の高いカラー撮像装置を実現できるという優れた効果を奏する。
なお、本実施形態における画像信号生成部15は、必ずしも3つの色成分の画像信号を全て生成しなくてもよい。用途に応じて1色または2色の画像信号だけを生成するように構成されていてもよい。また、必要に応じて信号の増幅、合成、補正を行ってもよい。
また、色フィルタ3b、3cを配置してもなお、各光感知セルから実際に出力される光電変換信号が、式10〜13に示す光電変換信号から多少ずれている場合がある。その場合、ずれの程度に応じて信号を補正することによって良好な色情報を得ることが可能である。
さらに、本実施形態における画像信号生成部15が行う信号演算を、撮像装置自身ではなく他の機器に実行させることも可能である。例えば、撮像素子10から出力される光電変換信号の入力を受けた外部の機器に本実施形態における信号演算処理を規定するプログラムを実行させることによっても色情報を生成することができる。
本実施形態において、撮像素子10の基本構造は図9A〜9Cに示す構成に限られるものではない。例えば、図9Aに示す1列目の配置と2列目の配置とが入れ替わっていてもよいし、1行目の配置と2行目の配置とが入れ替わっていてもよい。
さらに、各分光要素における分光の仕方は、上記の例に限られるものではなく、R光、G光、B光は相互に入れ替え可能である。例えば、上記の説明におけるR光とG光とを入れ替えてもよいし、G光とB光とを入れ替えてもよい。
なお、本実施形態における色フィルタ3b、3cは、特定の波長域の光を吸収する色フィルタに限らず、特定の波長域の光を反射する多層膜フィルタ(ダイクロイックミラー)などであってもよい。
また、本実施形態における各分光要素1a、1b、1c、1dは、各々の対向画素に隣接する2つの画素に光を入射するように構成されているが、各分光要素は対向画素に隣接する1つの画素に光を入射するように構成されていてもよい。例えば、分光要素1aは、分光要素1aに入射する光に含まれるB光のほぼ全てを光感知セル2bに入射させてもよい。同様に、分光要素1bは、R光およびB光の両方を光感知セル2aに入射させてもよい。このような構成であっても各光感知セルの光電変換信号は変わらないため、同様の効果を得ることができる。
以上の説明では、分光要素として、2つの部材の屈折率差を利用して分光する光学素子を用いているが、分光要素は、各光感知セルに所望の色成分の光を入射できればどのようなものであってもよい。例えば、分光要素としてマイクロプリズムやダイクロイックミラーを用いてもよい。また、異なる種類の分光要素を組み合わせて用いることも可能である。
一例として、ダイクロイックミラーによる光の透過と反射とを一部に利用した撮像素子の構成例を図10に示す。図10は、図9Bにおける分光要素1aを分光要素1eに置換し、マイクロレンズ4を省いた構成を示している。分光要素1eは、B光を反射し、B光以外を透過させるダイクロイックミラーを2つ接合したものを含んでいる。2つのダイクロイックミラーは、撮像面の法線に対して対称に傾斜して配置されている。これらのダイクロイックミラーの傾斜角度は、その反射光が透明層6とマイクロレンズ4との界面6aで全反射し、対向画素に隣接する2つの画素に入射するように設定されている。このような構成を採用した場合でも上記の信号演算によって色情報を得ることが可能である。
(実施形態2)
次に、図11A〜11Cを参照しながら、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態の撮像装置は、実施形態1の撮像装置と比較して、撮像素子10の構造のみが異なっており、その他の構成要素は同一である。以下、実施形態1の撮像装置との相違点を中心に説明し、重複する点は記載を省略する。
図11Aは、本実施形態における撮像素子10の基本構造を示す平面図である。各単位ブロック40において、4つの光感知セル2a、2b、2c、2dのうち、2つの光感知セル2a、2dに対向して分光要素1a、1dがそれぞれ配置されている。分光要素1a、1dは、それぞれ実施形態1における分光要素1a、1dと同一の特性を有している。また、1行1列目の光感知セル2aと分光要素1aとの間に、青の波長域の光を吸収し、赤および緑の波長域の光を透過させる色フィルタ(Yeフィルタ)3aが配置されている。また、2行2列目の光感知セル2dと分光要素1dとの間に、赤の波長域の光を吸収し、緑および青の波長域の光を透過させる色フィルタ(Cyフィルタ)3dが配置されている。1行2列目および2行2列目の光感知セルには対向する分光要素および色フィルタは配置されない。このような基本構造を有するパターンが撮像面10a上に繰り返し形成されている。
図11Bは、図11AにおけるCC´線断面図である。図示されるように、分光要素1aは、対向する光感知セル2aにR光およびG光を入射させ、光感知セル2bおよび隣接する単位ブロックに含まれる光感知セルにB光をそれぞれ半分ずつ入射させるように構成されている。光感知セル2bには対向する色フィルタおよび分光要素は配置されていないため、いずれの分光要素も経由しないW光も入射する。
図11Cは、図11AにおけるDD´線断面図である。図示されるように、分光要素1dは、対向する光感知セル2dにG光およびB光を入射させ、光感知セル2cおよび隣接する単位ブロックに含まれる光感知セルにR光をそれぞれ半分ずつ入射させるように構成されている。光感知セル2cには対向する色フィルタおよび分光要素は配置されていないため、光感知セル2cにはいずれの分光要素も経由しないW光も入射する。
なお、本実施形態における撮像素子10も、配線層5が形成されていない側から光が入射する裏面照射型の構造を有しているが、撮像素子10は、裏面照射型に限らず表面照射型の構造を有していてもよい。
以上の構成により、撮像素子10に光が入射すると、光感知セル2aは、分光要素1aからYeフィルタ3aを介して入射するR光およびG光を受ける。光感知セル2bは、いずれの分光要素も介さずに直接入射するW光と、分光要素1aおよび隣接する単位ブロックに含まれる光感知セルに対向する分光要素からそれぞれ半分ずつ入射するB光とを受ける。光感知セル2cは、いずれの分光要素も介さずに直接入射するW光と、分光要素1dおよび隣接する他の単位ブロックに含まれる光感知セルに対向する分光要素からそれぞれ半分ずつ入射するR光とを受ける。光感知セル2dは、分光要素1dからCyフィルタ3dを介して入射するG光およびB光を受ける。結果として、各光感知セルから出力される光電変換信号2a〜2dは、以下の式14〜17で表すことができる。
(式14)S2a=Rs+Gs
(式15)S2b=Rs+Gs+2Bs
(式16)S2c=2Rs+Gs+Bs
(式17)S2d=Gs+Bs
画像信号生成部15(図6)は、式14〜17で示される光電変換信号を用いた演算によって色情報を生成する。第1に、(S2b−S2a)の演算によって青光の強度を示す信号2Bsを算出する。第2に、(S2c−S2d)の演算によって赤光の強度を示す信号2Rsを算出する。第3に、(S2a+S2b)または(S2c+S2d)の演算により、入射光強度を示す信号2Rs+2Gs+2Bs(=2Ws)を算出する。第4に、算出された2Rs+2Gs+2Bsから2Rsおよび2Bsを減じることにより、緑光の強度を示す信号2Gsを算出する。
画像信号生成部15は、以上の信号演算を光感知セルアレイ200の単位ブロック40ごとに実行することによってR、G、Bの各色成分の画像を示す信号(カラー画像信号)を生成する。生成されたカラー画像信号は、画像信号出力部16によって不図示の記録媒体や表示部に出力される。このように、本実施形態の撮像装置によっても、光電変換信号S2a〜S2dを用いた信号演算処理によってカラー画像信号を得ることができる。
上記の信号演算処理は、本来、色フィルタ3b、3cが配置されていない場合でも適用でき、カラー画像信号を得ることができる。しかし、実際には、分光要素として使用される材料の特性や製造精度の悪さに起因して分光要素の分光性能が理想的な性能からずれている場合がある。各分光要素の分光性能が想定された性能からずれていると、各光電変換信号が上記の式14〜17で示される信号からずれ、色の再現性が低下することになる。
本実施形態における撮像素子によれば、一部の画素に対向して色フィルタを配置することによって上記の色再現性の問題を解決することができる。本実施形態では、R光およびG光のみを受光すべき光感知セル2aに対向してYeフィルタ3aが配置され、G光およびB光のみを受光すべき光感知セル2dに対向してCyフィルタ3dが配置される。その結果、それらの光感知セルにYeの波長域以外の光(B光)またはCyの波長域以外の光(R光)の入射を防止できる。このような対策により、式14および式17でそれぞれ表される信号S2aおよびS2dは設計値に近い信号となり、色の再現性を向上できる。
以上のように、本実施形態の撮像装置によれば、撮像素子10の基本画素構成を2行2列とし、1行1列目および2行2列目の各画素に1対1に対応して入射光を色成分に応じて空間的に分離する分光要素が配置される。1行1列目には、対向画素に赤光および緑光を入射させ、対向画素に隣接する2つの画素に青光を半分ずつ入射させる分光要素1aが配置される。1行2列目および2行1列目には、分光要素は配置されない。2行2列目には、対向画素に緑光および青光を入射させ、対向画素に隣接する2つの画素に赤光を半分ずつ入射させる分光要素1dが配置される。さらに、1行1列目の光感知セル2aと分光要素1aとの間にYeフィルタ3aが配置され、2行2列目の光感知セル2dと分光要素1dとの間にCyフィルタ3dが配置される。これらの色フィルタにより、1行1列目の画素に青光が入射することを防ぎ、2行2列目の画素に赤光が入射することを防ぐことができる。その結果、分光要素の製造精度の悪さ等に起因する分光性能の低下を防止でき、高感度で色再現性の高いカラー撮像装置を実現できるという優れた効果を奏する。
なお、本実施形態において、撮像素子10の基本構造は図11A〜11Cに示す構成に限られるものではない。例えば、図11Aに示す1列目の配置と2列目の配置とが入れ替わっていてもよいし、1行目の配置と2行目の配置とが入れ替わっていてもよい。
また、各分光要素における分光の仕方は、上記の例に限られるものではなく、R光、G光、B光は相互に入れ替え可能である。例えば、上記の説明におけるR光とG光とを入れ替えてもよいし、G光とB光とを入れ替えてもよい。
さらに、本実施形態における各分光要素1a、1dは、各々の対向画素に隣接する2つの画素に光を入射させるように構成されているが、各分光要素は対向画素に隣接する1つの画素に光を入射させるように構成されていてもよい。例えば、分光要素1aは、分光要素1aに入射する光に含まれるB光のほぼ全てを光感知セル2bに入射させてもよい。同様に、分光要素1dは、分光要素1dに入射する光に含まれるR光のほぼ全てを光感知セル2aに入射させてもよい。このような構成であっても各光感知セルの光電変換信号は変わらないため、同様の効果を得ることができる。
本実施形態においても、各分光要素は、各光感知セルに所望の色成分の光を入射できればどのようなものであってもよい。例えば、分光要素としてマイクロプリズムやダイクロイックミラーを用いることができる。また、分光要素1aと分光要素1dとが異なる種類の分光要素であってもよい。さらに、色フィルタ3a、3dは、特定の波長域の光を吸収する色フィルタに限らず、特定の波長域の光を反射するダイクロイックミラーなどであってもよい。
(実施形態3)
次に、図12A〜12Cを参照しながら、本発明の第3の実施形態を説明する。本実施形態の撮像装置は、実施形態1の撮像装置と比較して、撮像素子10の構造のみが異なっており、その他の構成要素は同一である。以下、実施形態1の撮像装置との相違点を中心に説明し、重複する点は記載を省略する。
図12Aは、本実施形態における撮像素子10の基本構造を示す平面図である。各単位ブロック40において、4つの光感知セル2a、2b、2c、2dのうち、3つの光感知セル2b、2c、2dに対向して分光要素1b、1cc、1dがそれぞれ配置されている。分光要素1b、1dは、それぞれ実施形態1における分光要素1b、1dと同一の特性を有している。分光要素1ccは、実施形態1および実施形態2における分光要素1aと同一の特性を有している。また、1行2列目の光感知セル2bと分光要素1bとの間に、赤および青の波長域の光を吸収し、緑の波長域の光を透過させる色フィルタ(Gフィルタ)3bbが配置されている。また、2行1列目の光感知セル2cと分光要素1ccとの間に、青の波長域の光を吸収し、赤および緑の波長域の光を透過させる色フィルタ(Yeフィルタ)3cが配置されている。さらに、2行2列目の光感知セル2dと分光要素1dとの間に、赤の波長域の光を吸収し、緑および青の波長域の光を透過させる色フィルタ(Cyフィルタ)3dが配置されている。1行1列目の光感知セル2aには対向する分光要素および色フィルタは配置されない。このような基本構造を有するパターンが撮像面10a上に繰り返し形成されている。
図12Bは、図12AにおけるEE´線断面図である。図示されるように、分光要素1bは、対向する光感知セル2bにG光を入射させ、光感知セル2aおよび隣接する単位ブロック(第1隣接単位ブロック)に含まれる光感知セルにB光を入射させるように構成されている。光感知セル2aには対向する色フィルタおよび分光要素は配置されていないため、光感知セル2aにはいずれの分光要素も経由しないW光も入射する。
図12Cは、図12AにおけるFF´線断面図である。図示されるように、分光要素1ccは、対向する光感知セル2cにR光およびG光を入射させ、光感知セル2dおよび隣接する他の単位ブロック(第2隣接単位ブロック)に含まれる光感知セルにB光をそれぞれ半分ずつ入射させるように構成されている。分光要素1dは、対向する光感知セル2dにG光およびB光を入射させ、光感知セル2cおよび第1隣接単位ブロックに含まれる光感知セルにR光をそれぞれ半分ずつ入射させるように構成されている。
なお、本実施形態における撮像素子10も、配線層5が形成されていない側から光が入射する裏面照射型の構造を有しているが、撮像素子10は、裏面照射型に限らず表面照射型の構造を有していてもよい。
以上の構成により、撮像素子10に光が入射すると、光感知セル2aは、いずれの分光要素も介さずに直接入射するW光と、分光要素1bから入射するR光と、第2隣接単位ブロックに含まれる光感知セルに対向する分光要素から入射するB光とを受ける。光感知セル2bは、分光要素1bからGフィルタ3bbを介して入射するG光を受ける。光感知セル2cは、分光要素1ccからYeフィルタ3cを介して入射するR光およびG光と、分光要素1dおよび第2隣接単位ブロックに含まれる光感知セルに対向する分光要素からそれぞれ半分ずつ入射するR光とを受ける。光感知セル2dは、分光要素1dからYeフィルタ3dを介して入射するG光およびB光と、分光要素1cおよび第1隣接単位ブロックに含まれる光感知セルに対向する分光要素からそれぞれ半分ずつ入射するB光とを受ける。結果として、各光感知セルから出力される光電変換信号2a〜2dは、以下の式18〜21で表すことができる。
(式18)S2a=2Rs+Gs+2Bs
(式19)S2b=Gs
(式20)S2c=2Rs+Gs
(式21)S2d=Gs+2Bs
画像信号生成部15(図6)は、式18〜21で示される光電変換信号を用いた演算によって色情報を生成する。第1に、(S2a−S2b)の演算によって2(Rs+Bs)を算出する。第2に、(S2c−S2d)の演算によって2(Rs−Bs)を算出する。第3に、算出された2(Rs+Bs)と2(Rs−Bs)とを加算することによって赤光の強度を示す信号4Rsを生成する。また、2(Rs+Bs)から2(Rs−Bs)を減じることによって青光の強度を示す信号4Bsを生成する。第4に、(S2a+S2b)または(S2c+S2d)の演算により入射光強度を示す信号2Rs+2Gs+2Bs(=2Ws)を算出する。第5に、算出された2Rs+2Gs+2Bsから2Rsおよび2Bsを減じることにより、緑光の強度を示す信号2Gsを算出する。
画像信号生成部15は、以上の信号演算を光感知セルアレイ200の単位ブロック40ごとに実行することによってR、G、Bの各色成分の画像を示す信号(カラー画像信号)を生成する。生成されたカラー画像信号は、画像信号出力部16によって不図示の記録媒体や表示部に出力される。このように、本実施形態の撮像装置によっても、光電変換信号S2a〜S2dを用いた信号演算処理によってカラー画像信号を得ることができる。
上記の信号演算処理は、本来、色フィルタ3bb、3c、3dが配置されていない場合でも適用でき、カラー画像信号を得ることができる。しかし、実際には、分光要素として使用される材料の特性や製造精度の悪さに起因して分光要素の分光性能が理想的な性能からずれている場合がある。各分光要素の分光性能が想定された性能からずれていると、各光電変換信号が上記の式18〜21で示される信号からずれ、色の再現性が低下することになる。
本実施形態における撮像素子においても、一部の画素に対向して色フィルタを配置することによって上記の色再現性の問題を解決することができる。本実施形態では、G光のみを受光すべき光感知セル2cに対向してGフィルタ3bbが配置され、R光およびG光のみを受光すべき光感知セル2cに対向してYeフィルタ3cが配置され、G光およびB光のみを受光すべき光感知セル2dに対向してCyフィルタ3dが配置される。その結果、光感知セル2b、2c、2dにそれぞれG光、Ye光(R光およびG光)、Cy光(G光およびB光)以外の光が入射することを防ぐことができる。このような対策により、式19〜21でそれぞれ表される信号S2b、S2c、S2dは、設計値に近い信号となり、色の再現性を向上できる。
以上のように、本実施形態の撮像装置によれば、撮像素子10の基本画素構成を2行2列とし、1行2列目、2行1列目、2行2列目の各画素に1対1に対応して入射光を色成分に応じて空間的に分離する分光要素が配置される。1行1列目には、分光要素は配置されない。1行2列目には、対向画素にG光を入射させ、対向画素に隣接する2つの画素の一方にR光を入射させ、他方にB光を入射させる分光要素1bが配置される。2行1列目には、対向画素に赤光および緑光を入射させ、対向画素に隣接する2つの画素に青光を半分ずつ入射させる分光要素1ccが配置される。2行2列目には、対向画素に緑光および青光を入射させ、対向画素に隣接する2つの画素に赤光を半分ずつ入射させる分光要素1dが配置される。さらに、1行2列目の光感知セル2bと分光要素1bとの間にGフィルタが配置され、2行1列目の光感知セル2cと分光要素1ccとの間にYeフィルタ3cが配置され、2行2列目の光感知セル2dと分光要素1dとの間にCyフィルタ3dが配置される。これらの色フィルタにより、1行2列目の画素に赤光および青光が入射することを防ぎ、2行1列目の画素に青光が入射することを防ぎ、2行2列目の画素に赤光が入射することを防ぐことができる。その結果、分光要素の製造精度の悪さ等に起因する分光性能の低下を防止でき、高感度で色再現性の高いカラー撮像装置を実現できるという優れた効果を奏する。
なお、本実施形態では、2行2列の基本画素構成において1行2列目に分光要素1bおよびGフィルタ3bbが配置されているが、分光要素1bおよびGフィルタ3bbのいずれか一方のみが配置されていてもよい。その場合であっても上記と同様の処理によってカラー化を実現できる。但し、分光要素1bを配置せず、Gフィルタ3bbのみを配置した場合は、光感知セル2aの光電変換信号は、S2a=Rs+Gs+Bsと表される。そのため、(S2a−S2b)の演算結果が(Rs+Bs)となるので、その結果を2倍した信号を用いて後続の信号処理を行う必要がある。
なお、本実施形態において、撮像素子10の基本構造は図12A〜12Cに示す構成に限られるものではない。例えば、図12Aに示す1列目の配置と2列目の配置とが入れ替わっていてもよいし、1行目の配置と2行目の配置とが入れ替わっていてもよい。
また、各分光要素における分光の仕方は、上記の例に限られるものではなく、R光、G光、B光は相互に入れ替え可能である。例えば、上記の説明におけるR光とG光とを入れ替えてもよいし、G光とB光とを入れ替えてもよい。
さらに、本実施形態における各分光要素1b、1cc、1dは、各々の対向画素に隣接する2つの画素に光を入射させるように構成されているが、各分光要素は対向画素に隣接する1つの画素に光を入射させるように構成されていてもよい。例えば、分光要素1cは、分光要素1cに入射する光に含まれるB光のほぼ全てを光感知セル2dに入射させてもよい。同様に、分光要素1dは、分光要素1dに入射する光に含まれるR光のほぼ全てを光感知セル2aに入射させてもよい。このような構成であっても各光感知セルの光電変換信号は変わらないため、同様の効果を得ることができる。
本実施形態においても、各分光要素は、各光感知セルに所望の色成分の光を入射できればどのようなものであってもよい。例えば、分光要素としてマイクロプリズムやダイクロイックミラーを用いることができる。また、分光要素1aと分光要素1dとが異なる種類の分光要素であってもよい。さらに、色フィルタ3bb、3c、3dは、特定の波長域の光を吸収する色フィルタに限らず、特定の波長域の光を反射するダイクロイックミラーなどであってもよい。
本発明の固体撮像素子および撮像装置は、固体撮像素子を用いるすべてのカメラに有効である。例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの民生用カメラや、産業用の固体監視カメラなどに利用可能である。
1a、1a´、1aa、1aa´、1bb´、1b、1c、1d、1e、1cc 分光要素
2、2a、2b、2c、2d、2a´、2b´ 撮像素子の光感知セル
3a、3b、3c、3d、3a´、3aa、3bb 色フィルタ
4、4a、4b マイクロレンズ
5 撮像素子の配線層
6 透明層
6a 透明層と外部層との界面
7 半導体基板
8 接着層
9 固定基板
10 撮像素子
10a 撮像素子の撮像面
11 光学フィルタ
12 光学レンズ
13 信号発生及び画素信号受信部
14 素子駆動部
15 画像信号生成部
16 画像信号出力部
17 赤(R)以外を反射する多層膜フィルタ
18 緑(G)のみを反射する多層膜フィルタ
19 青(B)のみを反射する多層膜フィルタ
20 遮光部
21 透光性の樹脂
22 G光透過の多層膜フィルタ
23 R光透過の多層膜フィルタ
24 G光透過の有機色素フィルタ
25 R光透過の有機色素フィルタ
26 マイクロレンズ
27 金属層
30 メモリ
40 単位ブロック
100 分光要素アレイ
200 光感知セルアレイ
300 色フィルタアレイ
400 信号処理部
500 撮像部

Claims (5)

  1. 各々が第1の光感知セルおよび第2の光感知セルを含む複数の単位ブロックが撮像面上に2次元状に配列された光感知セルアレイと、
    前記光感知セルアレイに対向して配置され、複数の分光要素を含む分光要素アレイと、
    前記光感知セルアレイおよび前記分光要素アレイの間に配置され、複数の色フィルタを含む色フィルタアレイと、
    を備え、
    前記分光要素アレイおよび前記色フィルタアレイが存在しないと仮定した場合に各光感知セルが受ける光を各光感知セルのセル入射光とし、前記第1の光感知セルのセル入射光が第1波長域の光、第2波長域の光、および第3波長域の光を含むとき、
    前記分光要素アレイは、前記第1の光感知セルに対向して配置された第1の分光要素であって、前記第1の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第1波長域の光の少なくとも一部を前記第2の光感知セルに入射させる第1の分光要素を含み、前記第1の光感知セルおよび前記第2の光感知セルの少なくとも一方に、前記第1波長域の光、前記第2波長域の光、および前記第3波長域の光の少なくとも2つの波長域の光を入射させるように構成され、
    前記色フィルタアレイは、前記第1の光感知セルおよび前記第1の分光要素の間に配置された第1の色フィルタであって、前記第1波長域の光を吸収または反射する第1の色フィルタを含
    前記分光要素アレイは、前記第2の光感知セルに対向して配置された第2の分光要素をさらに含み、
    前記第1の分光要素は、前記第1波長域の光を前記第2の光感知セルに入射させ、前記第2波長域の光を隣接単位ブロックに含まれる第2の光感知セルに入射させ、前記第3波長域の光を前記第1の光感知セルに入射させ、
    前記第2の分光要素は、前記第2の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第2波長域の光の一部を前記第1の光感知セルに入射させ、前記第2の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第2波長域の光の他の一部を他の隣接単位ブロックに含まれる第1の光感知セルに入射させ、前記第1および第3波長域の光を前記第2の光感知セルに入射させる、
    固体撮像素子。
  2. 各単位ブロックは、第3の光感知セルと、第4の光感知セルとを含み、
    前記分光要素アレイは、
    前記第3の光感知セルに対向して配置された第3の分光要素であって、前記第3の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第1および第2波長域の一方の波長域の光を前記第4の光感知セルに入射させ、前記第3の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第1および第2波長域の他方の波長域の光を前記他の隣接単位ブロックに含まれる第4の光感知セルに入射させ、前記第3波長域の光を前記第3の光感知セルに入射させる第3の分光要素と、
    前記第4の光感知セルに対向して配置された第4の分光要素であって、前記第4の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第1波長域の光の一部を前記第3の光感知セルに入射させ、前記第4の光感知セルのセル入射光に含まれる前記第1波長域の光の他の一部を前記隣接単位ブロックに含まれる第3の光感知セルに入射させ、前記第2および第3波長域の光を前記第4の光感知セルに入射させる第4の分光要素と、
    を含み、
    前記色フィルタアレイは、前記第3の光感知セルおよび前記第3の分光要素の間に配置された第2の色フィルタであって、前記第2波長域の光を吸収または反射する第2の色フィルタを含んでいる、
    請求項1に記載の固体撮像素子。
  3. 前記第1波長域は赤光および青光の一方の波長域に相当し、前記第2波長域は赤光および青光の他方の波長域に相当し、前記第3波長域は緑光の波長域に相当する、請求項1または2に記載の固体撮像素子。
  4. 前記分光要素アレイに含まれる各分光要素は、透光性部材を有し、前記透光性部材と前記透光性部材よりも屈折率の低い他の透光性部材との屈折率の差を利用して分光する、請求項1から3のいずれかに記載の固体撮像素子。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の固体撮像素子と、
    前記固体撮像素子に像を形成する光学系と、
    前記固体撮像素子から出力される信号を処理して色情報を生成する信号処理部と、
    を備える撮像装置。
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