JP5502004B2 - 開放規制装置および建具 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の開放規制装置は、開き窓の面材(障子)に一端が支持されるロッド棒と、枠体(窓枠)に取り付けられてロッド棒を移動自在に挿通させる装置本体と、この装置本体に設けられてロッド棒を所定の複数位置で係止する位置決めボルトと、装置本体に設けられてロッド棒に係合して移動範囲を限定するシリンダ錠(錠部)とを備えて構成されている。この開放規制装置では、シリンダ錠を施錠状態としてロッド棒の移動領域を限定することにより、障子が所定の角度範囲でしか開閉できないように開放角度を規制し、シリンダ錠を解錠することにより規制が解除されて障子が全開できるように構成されている。
このような構成によれば、操作部の操作によって進退部と開放維持部との係止を外すことにより、移動部材がアーム部材の規制案内部側へ移動可能となるので、規制範囲において面材を開閉する際に錠部を操作する必要がなく、利便性をさらに向上させることができる。
このような構成によれば、アーム部材に第1摺接面、第2摺接面および後退面を設け、これらの間に第1段部および第2段部を形成することで、これらに沿って進退部を進退移動させるだけの簡単な構造で前述したような規制状態と非規制状態とを切り替えることができ、開放規制装置の大型化を抑制しつつ確実な切り替え動作を実現させることができる。
このような構成によれば、複数の板材を用いて第1摺接面および第2摺接面を構成するとともに、後退面の第1段部および第2段部を形成することで、板材の枚数の差によって摺接面の位置や段差部の高さを容易に設定することができ、摺接面や段差部を形成するための複雑な加工等を不要にして装置の部材コストを抑制させることができる。
このような構成によれば、非規制案内部に第2角度で面材の開放を規制する第2開放維持部を設けたことで、第1角度以外でも面材の開放角度を維持させることができ、利便性をさらに向上させることができる。この際、第2開放維持部においては、進退部が第2位置側の第4位置へ移動されるだけで、前述のように第1移動位置まで移動して錠部を施錠状態に切り替えることがないので、第2角度で維持させた後に面材を開閉操作する際には解錠操作しなくてもよく、良好な利便性を確保することができる。この第4位置としては、第2位置と第3位置との中間であることが望ましく、第2位置まで移動しないようにすることで、第2開放維持部における錠部の手動による施錠を制限することで、第2開放維持部による維持状態から面材を再度開閉操作することが容易にできる。
このような構成によれば、錠部と進退部とに設けた係合部および被係合部が互いに係合することで、これらを連動させることができるとともに、錠部の施錠状態および解錠状態に対応して係合部と被係合部とが係合しない遊びが設けられていることから、この遊びの範囲にある非係合の状態で面材を開閉操作することができ、頻繁に錠部を操作する必要がなく利便性を高めることができる。
ここで、本発明の建具において、面材の開放形式は特に限定されず、外開き形式や外倒し形式、突き出し形式、縦、横の辷り出し形式など、面材が屋外側に開放されるものでもよいし、内開き形式などの面材が屋内側に開放されるものでもよい。
このような本発明によれば、前述の開放規制装置と略同様の効果、すなわち、面材の閉鎖操作に伴って自動的に錠部が施錠状態とされて面材が規制状態となるので、再度面材を開放する際に第1角度までの規制範囲に開放規制することで防犯性を確保することができ、利便性を向上させることができる。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
図1において、本実施形態の建具としての外開き窓1は、建物開口部に設けられる枠体としての窓枠2と、この窓枠2で囲まれた内部に開閉自在に支持される面材としての障子10とを有して構成されている。窓枠2は、それぞれアルミ形材製の上枠3、下枠4および左右の縦枠5を四周枠組みして構成されている。障子10は、上框11、下框12および左右の縦框13を四周框組みした内部に、ガラスパネル14を嵌め込んで構成され、下框12または縦框13の下部が丁番やリンク機構を介して下枠4または縦枠5に支持され、図1中右側の縦框13が丁番等を介して縦枠5に支持されるか、または上框11および下框12がヒンジやリンク等を介して上枠3および下枠4に支持され、当該障子10の図1中左側が屋外側に向かって回動自在に窓枠2に支持されている。この外開き窓1には、障子10の下框12を下枠4に連結して開放移動を規制する開放規制装置20が設けられている。
図5〜図7には、障子10の開放角度が第1角度までに規制された規制状態における動作が示されている。
先ず、図5(A)および図6(A)に示すように、障子10の閉鎖状態において、開放規制装置20のシリンダ錠37が施錠状態とされてタンブラー372が施錠凹部313に係合され、係合孔352に遊挿されたボス部373が図中上方に位置している。また、止め金35は、コイルばね36によって係止片351が第1摺接面281に当接する第2位置に向かって付勢されている。この状態から図6(B)に示すように、操作部33のボタン部331を押し下げると、伝達部333が係合孔352の下端縁に当接して止め金35を押し下げるものの、係合孔352の上端縁がボス部373に当接することで、第1摺接面281と係止片351とに若干の隙間が形成される。そして、第1摺接面281と係止片351との摺接抵抗がない状態で障子10を開放するか、操作部33を操作せずに第1摺接面281に係止片351を摺接させたままで障子10を開放し、図5(B)に示すように、第1角度まで障子10を開放することで、移動部材30がアーム部材21の規制案内部Aに案内されて開放維持部Cまで移動される。この際、止め金35の係止片351が第2段部285よりも上方の後退部283側に位置していることから、移動部材30の非規制案内部B側への移動が規制され、第1角度を超える障子10の開放が規制される。
前述のようにしてシリンダ錠37を解錠してから、図8に示すように、障子10を非規制範囲に開放することで、止め金35の係止片351が第2摺接面282に沿って移動し、移動部材30が非規制案内部B内で案内される。そして、キー374の解錠方向への操作を中止すると、コイルばね36によって止め金35が上方に付勢され、図9(A)に示すように、第2開放維持部Dまで移動部材30を移動させると、付勢された止め金35が押し上げられて第4位置に上昇し、その係止片351が係止凹部286に挿入される。このように係止凹部286に係止片351が係止されて移動部材30の移動が規制されることで、第2角度にて障子10の開放が規制される第2角度維持状態となる。この際、止め金35の上昇に伴ってボス部373が押し上げられ、ボス部373が略水平位置となるまで錠本体371が回動される。なお、この状態では、第4位置にある止め金35の係合孔352の上端縁に当接することでボス部373が規制され、キー374の施錠方向への操作が制限されて施錠状態にすることができないようになっている。この第2角度維持状態において、再度キー374を解錠方向へ回転操作することで、伝達部333を介して止め金35が第3位置まで押し下げられることで、係止凹部286による係止片351の係止が解除され、移動部材30の非規制案内部B内での移動が可能となり、障子10をさらに開放方向へ回動するかまたは閉鎖方向に回動させて開閉操作できるようになる。
前述のようにキー374を抜いた状態で障子10を閉鎖方向に回動操作し、図11に示すように、第1角度まで障子10が閉鎖され、図12(A)に示すように、非規制案内部Bで案内された移動部材30が開放維持部Cまで移動すると、コイルばね36によって上方に付勢された止め金35が第1位置に上昇し、その係止片351が後退部283に挿入される。この止め金35の上昇に伴って係合孔352の下端縁および伝達部333を介してボス部373が押し上げられ、錠本体371が施錠状態に向かって回動される。この際、錠本体371から突出して解錠凹部314に係合していたタンブラー372が傾斜面316に乗り上げつつ錠本体371に没入し、係合凸部315を乗り越えることで施錠凹部313に係合してシリンダ錠37が施錠状態となる。このように、止め金35の係止片351が後退部283に挿入されて第1段部284と第2段部285との間に係合されることで、開放維持部Cにおいて移動部材30の移動が係止され、第1角度にて開放角度が維持された障子10の開放維持状態となる。
次に、本発明の第2実施形態に係る開放規制装置20Aを外開き窓1に設けた例を図13および図14に基づいて説明する。
本実施形態の開放規制装置20Aは、アーム部材21の一端部が障子10の下框12に回動自在に連結され、移動部材30が窓枠2の下枠4に回動自在に取り付けられる点が相違している以外は、前記第1実施形態の開放規制装置20と同様の構成を備えている。
すなわち、アーム部材21の一端部は、取付金具24に回動自在に連結され、この取付金具24が下框12に固定されている。移動部材30は、その移動部材本体31が取付金具26に固定され、この取付金具26が回動金具26Aを介して下枠4に取り付けられている。この開放規制装置20Aでは、第1実施形態の開放規制装置20と略同様のアーム部材21および移動部材30が利用可能であり、障子10の開閉に伴ってアーム部材21と移動部材30とが相対移動することとなる。このアーム部材21には、長さを適宜に調節した前記金属製板材28が設けられており、これらの板材28によって、障子10の開放角度に応じた位置に規制案内部A、非規制案内部Bおよび開放維持部Cが形成されている。
このような第2実施形態の開放規制装置20Aにおいても第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
例えば、前記実施形態においては、外開き窓1を例示したが、本発明の建具としては、これに限らず、その他各種の開閉形式や開閉方向の窓であってもよい。具体的には、例えば、内開き窓や縦、横辷り出し窓、突き出し窓、回転窓などが例示できる。
また、前記実施形態では、解錠状態としたシリンダ錠37からキー374を抜くことでタンブラー372が解錠凹部314に係合するように構成されていたが、図15に示すように、移動部材30の移動部材本体31における解錠凹部314と、その対称位置とに解錠凸部317を設けておくことで、施錠凹部313に回動した位置でしかキー374が抜き差しできないように構成してもよい。このように施錠凹部313にキー374の抜き差し位置を限定することで、解錠状態で放置されにくくなり、施錠状態に復帰させやすくすることができる。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (7)
- 枠体に対して回動自在に支持される面材の開放移動を規制する開放規制装置であって、
前記面材の開放角度を閉鎖状態から所定の第1角度までの規制範囲に規制する規制状態と、当該第1角度を超える非規制範囲まで開放させる非規制状態とを切り替える開放角度切替手段を備え、
前記開放角度切替手段は、前記枠体および面材の一方に接続されるアーム部材と、前記枠体および面材の他方に接続されるとともに前記面材の開放移動に伴って前記アーム部材の長手方向に沿って移動自在に設けられる移動部材とを有して構成され、
前記アーム部材は、前記規制範囲に対応して前記移動部材を案内する規制案内部と、前記非規制範囲に対応して前記移動部材を案内する非規制案内部と、前記第1角度に対応した位置にて前記移動部材を係止して前記面材の開放角度を維持する開放維持部とを有して構成され、
前記移動部材は、前記アーム部材に案内される移動部材本体と、この移動部材本体に進退自在に支持されるとともに進退方向一方側の第1位置に向かって付勢される進退部と、この進退部の進退移動を規制する施錠状態と規制を解除する解錠状態とが切り替え可能な錠部とを有し、前記進退部は、前記錠部の施錠状態において、前記第1位置と当該第1位置よりも進退方向他方側の第2位置との間を進退移動可能に設けられ、前記錠部の解錠状態において、前記第1位置から前記第2位置を超えてさらに進退方向他方側の第3位置まで進退移動可能に設けられ、
前記錠部が施錠状態の場合には、この錠部に規制されて前記進退部が前記第3位置へ移動不能とされることで、前記移動部材が前記アーム部材の非規制案内部へ移動不能な規制状態とされ、
前記錠部が解錠状態の場合には、この錠部の規制が外れて前記進退部が前記第3位置へ移動可能とされることで、前記移動部材が前記アーム部材の非規制案内部へ移動可能な非規制状態とされ、
前記錠部の解錠状態において、前記移動部材が前記アーム部材の非規制案内部から前記開放維持部に移動された際には、前記進退部が前記第3位置から付勢された前記第1位置に移動することで、この進退部に連動して前記錠部が施錠状態に切り替えられて規制状態に復帰する開放規制装置。 - 前記移動部材は、前記進退部を前記第1位置から前記第2位置に移動させる操作部を有して構成され、
前記移動部材が前記開放維持部に位置して前記進退部が係止された角度維持状態において、前記操作部の操作によって前記進退部を前記第2位置に移動させることで前記開放維持部の係止が外れ、前記移動部材が前記アーム部材の規制案内部側へ移動可能に構成されている請求項1に記載の開放規制装置。 - 前記アーム部材において、前記規制案内部には、前記進退部が摺接可能な第1摺接面が設けられ、前記非規制案内部には、前記進退部が摺接可能で前記第1摺接面よりも前記他方側に位置する第2摺接面が設けられ、前記開放維持部は、前記第1摺接面よりも前記一方側に位置する後退面が設けられ、前記第1摺接面と前記後退面との間に第1段部が形成され、前記第2摺接面と前記後退面との間に第2段部が形成され、
前記錠部が施錠状態で前記移動部材が開放維持部に位置する場合には、前記進退部が前記第1位置に移動して第1段部に係止されることで前記移動部材の移動が規制されて規制状態とされ、
前記錠部が解錠状態とされて前記進退部が前記第3位置に移動された場合には、前記進退部が前記第2段部を越えることで前記移動部材が前記非規制案内部側へ移動可能な非規制状態とされる請求項1または請求項2に記載の開放規制装置。 - 前記アーム部材は、アーム本体と、このアーム本体に取り付けられる複数の板材とを有して構成され、
前記第1摺接面は、前記板材を少なくとも1枚取り付けて構成され、この板材の長手方向一端面によって前記第1段部が形成され、
前記第2摺接面は、前記第1摺接面よりも少なくとも1枚多い前記板材を重ねて取り付けて構成され、これらの板材の長手方向一端面によって前記第2段部が形成されている請求項3に記載の開放規制装置。 - 前記アーム部材の非規制案内部には、前記面材を所定の第2角度で前記移動部材を係止して開放角度を維持する少なくとも1つの第2開放維持部が設けられ、
前記移動部材が前記アーム部材の第2開放維持部へ移動された場合には、前記進退部が前記第3位置から前記第2位置側の第4位置へ移動されることで、非規制状態における第2角度維持状態とされる請求項1から請求項4のいずれかに記載の開放規制装置。 - 前記錠部および前記進退部には、互いに係合可能な係合部および被係合部が設けられ、
前記錠部が施錠状態の場合に前記係合部および被係合部は、前記進退部が前記第1位置と前記第2位置との間を移動する際には互いに係合せず、前記進退部が前記第3位置へ移動する際に係合して当該進退部の移動を規制し、
前記錠部が解錠状態の場合に前記係合部および被係合部は、前記進退部が前記第2位置と前記第3位置との間を移動する際には互いに係合せず、前記第1位置へ移動する際に互いに係合して当該進退部の移動に連動して前記錠部が施錠状態に切り替えられる請求項1から請求項5のいずれかに記載の開放規制装置。 - 枠体と、この枠体に回動自在に支持される面材と、請求項1から請求項6のいずれかに記載の開放規制装置とを備えた建具。
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