JP5501841B2 - 製鋼用アーク炉の廃熱回収設備および製鋼用アーク炉設備 - Google Patents

製鋼用アーク炉の廃熱回収設備および製鋼用アーク炉設備 Download PDF

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Description

本発明は、製鋼用アーク炉からの排ガスの廃熱を飽和蒸気として回収し、これをさらに加熱して過熱蒸気とする製鋼用アーク炉の廃熱回収設備およびこのような廃熱回収設備を有する製鋼用アーク炉設備に関する。
製鋼用アーク炉(「電気炉」ともいう)は、原料の鉄スクラップや還元鉄(DRI)およびそれを高温でブリケット化したホット・ブリケット・アイアン(HBI)、溶銑、冷銑(型銑)等を炉内に装入後、アーク炉内に電極を装入して通電し、原料を溶解した後、通電を停止し、溶解した鋼を排出する工程を1サイクルとする間歇運転が行われる。
原料である鉄スクラップには、塗料や機械油が付着していることが多く、合成樹脂などが混入することもあるため、白煙・悪臭などが発生する。また、鉄スクラップやDRIに含まれる炭素が一酸化炭素として発生する。このため、炉−炉蓋間や二次燃焼塔で積極的に空気を取り込んで排ガスを完全燃焼させている。
この燃焼ガスは、1200℃を超える高温となり、多大なエネルギーを有するため、その廃熱を回収することが試みられている。例えば、特許文献1には、電気炉排ガス管路に廃熱ボイラーを設置して製鋼用アーク炉の排ガスの顕熱・燃焼熱を回収する技術が開示されている。
また、回収した蒸気は蒸気タービンによる発電などに供されるが、蒸気タービンの駆動源として供給される蒸気は、タービン入口側のエンタルピーを増大させる観点から過熱蒸気を用いることが好ましく、特許文献2には、製鋼用アーク炉の廃熱を飽和蒸気として回収した後、過熱蒸気にすることが開示されている。
特開平8−277412号公報 特開2002−286209号公報
しかしながら、製鋼用アーク炉は、操業1サイクルを70分とした場合、55分程度の間は高温ガスが流れ、15分程度の間は冷風が流れるといったように、高温ガスと冷風とが交互に流れることとなるため、排ガス温度が大きく変動してしまう。このように排ガス温度が大きく変動すると、蒸気発生量が変動して回収蒸気量も変動する。回収蒸気量が変動すると、回収蒸気を蒸気タービンに供給している場合などには、発電量が低下したり、蒸気タービンの定常運転が困難となってしまう。
また、廃熱ボイラーで回収した蒸気は飽和蒸気であるため、そのままでは利用価値が少なく、蒸気タービンなどに供して発電を行う場合には過熱蒸気とすることが望ましく、上述したように特許文献2には、製鋼用アーク炉の廃熱を飽和蒸気として回収した後、過熱蒸気にすることが開示されている。しかしながら、特許文献2の方法では飽和蒸気を過熱蒸気とするために、化石燃料などの他の熱源を用いる必要があり、エネルギー経済性が低くなる。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、製鋼用アーク炉から排出される排ガスの廃熱を飽和蒸気として回収し、これをさらに加熱して過熱蒸気とするにあたり、排ガスの温度変動を抑制して効率良く廃熱回収することができ、かつエネルギー経済性が高い製鋼用アーク炉の廃熱回収設備およびこのような廃熱回収設備を有する製鋼用アーク炉設備を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点では、複数の製鋼用アーク炉から排出される排ガスの廃熱を飽和蒸気として回収し、さらに飽和蒸気を加熱して過熱蒸気とする製鋼用アーク炉の廃熱回収設備であって、それぞれの製鋼用アーク炉から排ガスを排出するための第1の排ガス流路と、前記第1の排ガス流路に設置された、排ガスの廃熱を飽和蒸気として回収する廃熱ボイラーと、それぞれの廃熱ボイラーで発生した飽和蒸気を合流させて貯留する蒸気アキュムレータと、前記蒸気アキュムレータに貯留された蒸気を加熱して過熱蒸気とする蒸気過熱器と、前記廃熱ボイラーで廃熱が回収された後の排ガスを前記蒸気過熱器に導いて飽和蒸気の加熱に供した後に排出する第2の排ガス流路と、前記廃熱ボイラーで廃熱が回収された後の排ガスを前記蒸気過熱器を経由せずに排出する第3の排ガス流路と、廃熱が回収された後の排ガスの流路を前記第2の排ガス流路と前記第3の排ガス流路とで切り替える切替手段とを具備することを特徴とする製鋼用アーク炉の廃熱回収設備を提供する。
上記廃熱回収設備において、前記排ガスの廃熱は、典型的には排ガスの顕熱、または排ガスの顕熱および燃焼熱である。
また、上記廃熱回収設備において、前記第1の排ガス流路は、排ガスダクトと、排ガスを燃焼させる燃焼塔とを有し、前記廃熱ボイラーは前記排ガスダクトおよび/または前記燃焼塔を構成するように設けることができる。また、前記廃熱ボイラーは、その出口の排ガスの温度が600℃以上となる範囲に設けられることが好ましい。
また、前記廃熱ボイラーの出口および/または前記蒸気過熱器の入口に設けられたガス温度計をさらに具備し、前記廃熱ボイラーの出口の排ガス温度および/または前記蒸気過熱器の入口の排ガス温度が予め定められた温度以上の場合は、前記排ガスを前記第2の排ガス流路に流し、前記廃熱ボイラーの出口の排ガス温度および/または前記蒸気過熱器の入口の排ガス温度が予め定められた温度よりも低い場合は、前記排ガスを前記第3の排ガス流路に流すように前記切替手段が操作されることが好ましい。
前記第3の排ガス流路は、前記各製鋼用アーク炉の周囲および/または前記複数の製鋼用アーク炉が設置される製鋼工場内を換気するための換気ダクトと、前記第2の流路と前記換気ダクトとを接続する接続配管と、前記換気ダクトが集合した換気集合ダクトとを有する構成とすることができる。この場合に、前記第2の排ガス流路からの排ガスを集塵する集塵器と、前記集塵器に到達する前の排ガスを冷却する冷却器をさらに具備する構成とすることができる。また、前記第2の排ガス流路からの排ガスを集塵する集塵器をさらに具備し、前記第2の排ガス流路からの排ガスは前記換気集合ダクトの冷風が混合された状態で、前記集塵器に導かれる構成とすることもできる。具体的には、前記第2の排ガス流路は、前記各廃熱ボイラーの下流側の排ガスダクトと、これら排ガスダクトが集合した排ガス集合ダクトと、前記排ガス集合ダクトから延び、前記蒸気過熱器が接続された下流側排ガスダクトとを有し、前記下流側排ガスダクトが前記換気集合ダクトに接続され、前記換気集合ダクトには前記集塵器が接続された排ガス集塵ダクトが接続され、前記下流側排ガスダクトからの排ガスに前記換気集合ダクトの冷風が混合された状態で、前記排ガス集塵ダクトを介して前記集塵器に導かれる構成とすることができる。さらに、このように前記第2の排ガス流路からの排ガスは前記換気集合ダクトの冷風が混合された状態で、前記集塵器に導かれる構成とした上で、冷却器をさらに具備する構成とすることもできる。
前記過熱器に流入する排ガスの温度の変動を抑えるために、前記第2の排ガス流路の前記蒸気過熱器の上流側に設けられた蓄熱体をさらに具備することが好ましい。
前記蒸気過熱器に流入される飽和蒸気の流量を制御する飽和蒸気流量制御弁と、前記蒸気過熱器から排出される過熱蒸気の温度を検出する過熱蒸気温度計と、前記過熱蒸気の温度に応じて前記飽和蒸気流量制御弁を制御して過熱蒸気量を制御する制御器とをさらに具備することが好ましい。
前記蒸気過熱器に流入される排ガスの流量を検出する排ガス流量計と、前記蒸気過熱器に流入される排ガスの温度を検出する排ガス温度計と、前記蒸気過熱器に流入される飽和蒸気の流量を検出する飽和蒸気流量計と、前記排ガスの流量を調節する流量調節手段と、前記排ガスの温度と前記飽和蒸気の流量に応じて前記流量調節手段を制御して前記排ガス流量を制御する制御器とをさらに具備する構成とすることが好ましい。
また、本発明の第2の観点では、複数の製鋼用アーク炉と、前記複数の製鋼用アーク炉から排出される排ガスの廃熱を飽和蒸気として回収し、さらに飽和蒸気を加熱して過熱蒸気とする廃熱回収設備とを具備する製鋼用アーク炉設備であって、前記廃熱回収設備として、第1の観点の廃熱回収設備を備えることを特徴とする製鋼用アーク炉設備を提供する。
本発明によれば、複数の製鋼用アーク炉にそれぞれ設けた廃熱ボイラーで生成された飽和蒸気を合流させるので、1つの製鋼用アーク炉の操業において蒸気発生量にばらつきがあっても、合流した後の蒸気量は平準化される。また、飽和蒸気を加熱して過熱蒸気とする際に、加熱エネルギーの供給を廃熱回収後の排ガスを用いて行うので、過熱蒸気を生成するための別途の燃料が不要であり、エネルギー経済性が高い。さらに、過熱蒸気を生成する際に、製鋼用アーク炉において低温の排ガスが排出される期間は、蒸気過熱器を経由しない排ガス流路に排ガスが流れるように切り替えるので、飽和蒸気を加熱するための排ガスの温度低下を抑制することができ、安定して所定の過熱度の過熱蒸気を生成することができる。
本発明の一実施形態に係る製鋼用アーク炉の廃熱回収設備を備えた製鋼用アーク炉設備を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る製鋼用アーク炉の廃熱回収設備に用いる蒸気過熱器の構成を示す断面図である。 ダンパーによる排ガス流路の切替え態様を説明するための図である。 1ヒートが70分のときの製鋼用アーク炉における燃焼塔入口の温度変化例を示す図である。 蒸気タービンの出力が低下した際の出力が回復するまでの時間を説明するための図。 排ガス流路を蒸気過熱器に供給する排ガス流路と蒸気過熱器を経由しない排ガス流路とで切り替えるための好ましい構成を説明するための図。 排ガス流路を蒸気過熱器に供給する排ガス流路と蒸気過熱器を経由しない排ガス流路とで切り替えるための好ましい構成の他の例を説明するための図。 排ガス流路を蒸気過熱器に供給する排ガス流路と蒸気過熱器を経由しない排ガス流路とで切り替えるための好ましい構成のさらに他の例を説明するための図。 本発明の他の実施形態に係る製鋼用アーク炉の廃熱回収設備の要部を示す図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る製鋼用アーク炉の廃熱回収設備の要部を示す図である。 本発明の別の実施形態に係る製鋼用アーク炉の廃熱回収設備の要部を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る製鋼用アーク炉の廃熱回収設備を備えた製鋼用アーク炉設備を示す概略構成図である。この製鋼用アーク炉設備100は、4つのアーク炉ユニット10a、10b、10c、10dを有している。これら、アーク炉ユニット10a〜10dは、図示しない製鋼工場に配置され、いずれも製鋼用アーク炉1を有しており、各製鋼用アーク炉1には排気ダクト2が接続されている。排気ダクト2には製鋼用アーク炉1から排出された高温の排ガスが流入する。排気ダクト2には前段側の水冷ダクト4が接続され、前段側の水冷ダクト4には排ガスを燃焼させる燃焼塔3が接続され、燃焼塔3には後段側の水冷ダクト4が接続され、後段側の水冷ダクト4にはダクト5が接続されている。排気ダクト2、水冷ダクト4、ダクト5は、排ガスダクトとして機能する。前段側および後段側の水冷ダクト4および燃焼塔3は廃熱ボイラー6を構成している。なお、廃熱ボイラー6は水冷ダクト4のみまたは燃焼塔3のみで構成されていてもよい。また、各アーク炉ユニットの製鋼用アーク炉1の周囲には、換気用フード11が設けられており、換気用フード11には換気用ダクト12が接続されている。
本実施形態では、製鋼用アーク炉1は、炉体21と、開閉可能な炉蓋22と、炉蓋22の上方から炉体21内部に挿入される3本のアーク電極23とを有しており、3相交流型のアーク炉を構成している。なお、製鋼用アーク炉1は、アーク電極23の本数が3本の3相交流型のアーク炉に限定されず、アーク電極が他の本数のアーク炉であってもよい。そして、炉体21内に鉄スクラップ、DRI、HBI、溶銑、冷銑(型銑)等の原料を装入し、アーク電極23に通電することにより形成されるアークにより原料を溶解して溶鋼を溶製するようになっている。図示はしていないが、製鋼用アーク炉1には、精錬用の酸素ガス吹込ランスおよび/または炭剤添加用の炭材吹込みランスが配置されることもある。
各アーク炉ユニットの燃焼塔3は、炉体21から排出される高温の排ガスの中の一酸化炭素、白煙物質、悪臭物質などを空気導入口8から導入される空気により完全燃焼させて無害化するものであり、この際の燃焼熱により排ガスの温度はさらに上昇する。
各アーク炉ユニットの廃熱ボイラー6は、排ガスの廃熱(ここでは排ガスの顕熱および燃焼熱)を飽和蒸気として回収するものであり、製鋼用アーク炉1から流出される排ガスの流路に設けられる。このとき廃熱ボイラー6は、排ガス温度が所定温度以上になるような範囲に設けることが好ましい。廃熱ボイラー6を構成する前段側および後段側の水冷ダクト4および燃焼塔3は伝熱管7を有している。
また、各アーク炉ユニットは、蒸気ドラム13を有しており、蒸気ドラム13には伝熱管7に冷却水(純水)を供給する供給配管14および伝熱管7から蒸気ドラム13に冷却水(蒸気)を返戻する返戻配管15が接続されている。また、供給配管14には循環水ポンプ16が設けられている。これにより、伝熱管7に冷却水が循環供給される。蒸気ドラム13に収容された冷却水は、循環水ポンプ16により供給配管14を介して伝熱管7に送られる。そして、伝熱管7に送られた冷却水は、製鋼用アーク炉1から発生する排ガスの顕熱および燃焼塔3で排ガスが燃焼して生じた燃焼熱により昇温されて飽和蒸気に変換され返戻配管15を介して蒸気ドラム13に返戻され、蒸気ドラム13において気水分離された状態となる。蒸気ドラム13には飽和蒸気搬送配管17が接続されており、蒸気ドラム13内の飽和蒸気がこの飽和蒸気搬送配管17を介してアキュムレータ62へ搬送される。
なお、蒸気ドラム13には純水タンク(図示せず)が接続されており、蒸気ドラム13に所定量の水が貯留されるように、適宜、純水タンクから冷却水(純水)が供給される。また、図では、供給配管14および返戻配管15を、便宜上、1つずつ記載しているが、実際には伝熱管7の数(必要に応じて分割されたボイラー部分の数)ずつ設けられている。
各アーク炉ユニットのダクト5は、いずれも排ガス集合ダクト41に接続されており、排ガス集合ダクト41には1本の下流側排ガスダクト42が接続されていて、各アーク炉ユニットのダクト5からの排ガスが排ガス集合ダクト41で集合され、下流側排ガスダクト42に至る。下流側排ガスダクト42には、飽和蒸気をさらに加熱して過熱蒸気とする蒸気過熱器43が接続されている。したがって、廃熱が回収された後の排ガスは、ダクト5、排ガス集合ダクト41、下流側排ガスダクト42を通って蒸気過熱器43における飽和蒸気の加熱に供される。蒸気過熱器43については後で詳細に説明する。なお、下流側排ガスダクト42の蒸気過熱器43よりも上流側の部分には排ガス流量計47が設けられている。一方、各アーク炉ユニットの換気ダクト12は、いずれも換気集合ダクト51に接続されている。そして、蒸気過熱器43を経た後の下流側排ガスダクト42が換気集合ダクト51に接続され、換気集合ダクト51には排ガス集塵ダクト52が接続されている。排ガス集塵ダクト52には、例えばバグフィルタを有する集塵器54、排気ファン55が接続されており、排ガス集塵ダクト52の終端には集塵器54で除塵された排ガスを大気に放出する煙突56が接続されている。また、集塵器54の上流の排ガス集塵ダクト52には、必要に応じて、排ガスの温度を集塵器54の耐熱温度以下とするための排ガス冷却器53が設けられる。
各アーク炉ユニットの飽和蒸気搬送配管17は、蒸気集合配管61に接続され、各飽和蒸気搬送配管17を搬送されてきた飽和蒸気は蒸気集合配管61により集合される。蒸気集合配管61には蒸気アキュムレータ62が接続されており各アーク炉ユニットの蒸気ドラム13で発生した飽和蒸気は蒸気アキュムレータ42に貯留されるようになっている。そして、蒸気アキュムレータ62を経た後の蒸気集合配管61に蒸気過熱器43が接続されている。なお、蒸気アキュムレータ62は図示のように1個であってもよいし、複数であってもよい。
蒸気過熱器43は、図2に示すように、筐体44と、筐体44内に多数屈曲して設けられた伝熱管45とを有している。筐体44は下流側排ガスダクト42に接続されており、筐体44内に高温の排ガスが通流される。一方、伝熱管45には蒸気アキュムレータ62からの飽和蒸気が供給され、伝熱管45を通流している飽和蒸気が排ガスにより加熱されて過熱蒸気に変換される。本実施形態では、変換された過熱蒸気は、発電用蒸気タービン63に供給されている。
各アーク炉ユニットには、廃熱ボイラー6の下流側のダクト5と換気ダクト12とを接続する接続配管18が設けられている。接続配管18は、廃熱が回収された後の排ガスを換気ダクト12に流すためのものである。ダクト5の接続配管18接続部の下流側にはダンパー31が設けられ、接続配管18のダクト5接続部の近傍にはダンパー32が設けられている。これらのダンパー31および32を操作することにより製鋼用アーク炉1からの排ガスを、蒸気過熱器43側の排ガス流路と、蒸気過熱器43を通らない換気ダクト12側の排ガス流路とで切り替えることが可能となっている。つまり、ダンパー31および32は、廃熱回収後の排ガスを蒸気過熱器43に供給する排ガス流路と、蒸気過熱器43を通らない排ガス流路とで切り替える切替手段として機能する。具体的には、製鋼用アーク炉1の運転時の排ガス温度が高い期間には、図3の(a)に示すように、ダンパー31を開き、ダンパー32を閉じて製鋼用アーク炉1からの排ガスをダクト5、排ガス集合ダクト41、下流側排ガスダクト42を介して蒸気過熱器43に導く。一方、製鋼用アーク炉1の運転を停止しているときのように排ガス温度が低い期間には、図3の(b)に示すように、ダンパー31を閉じ、ダンパー32を開いて製鋼用アーク炉1からの低温の排ガスを接続配管18を介して換気ダクト12に導く。このように本実施形態では、製鋼用アーク炉1からの低温の排ガスが蒸気過熱器43に供給されないようにして飽和蒸気を加熱するための排ガスの温度が低下することを防止するように構成されている。
なお、各製鋼用アーク炉1から排気ダクト2を経て、燃焼塔3および水冷ダクト4のボイラー6を構成する部分までは、排ガスの廃熱を回収する第1の排ガス流路を構成している。ダクト5、排ガス集合ダクト41、下流側排ガスダクト42は、廃熱が回収された後の排ガスを蒸気過熱器43に導いた後に排出する第2の排ガス流路として機能する。さらに、接続配管18、換気ダクト12、換気集合ダクト51は、廃熱が回収された後の排ガスを蒸気過熱器を経由せずに排出する第3の排ガス流路として機能する。
このような製鋼用アーク炉設備100は、運転の監視および各部の操作・制御を行う監視・操作・制御部70を有している。この監視・操作・制御部70は、製鋼用アーク炉設備100の運転状況を把握する監視ユニットと、オペレータがアーク電極23への通電開始・停止等、操業のための種々の操作を行うための操作パネルと、運転時に必要な制御を行う制御ユニットとを有している。
次に、このように構成される製鋼用アーク炉設備100の処理動作について説明する。
まず、製鋼用アーク炉1の炉体21内に原料を装入し、アーク電極23に通電してアーク放電により原料の溶解を開始し、必要に応じて原料の追加装入、酸素ガス吹き込みによる脱炭精錬および炭材等による成分調整等を含む精錬を行う。精錬が終了した時点で、アーク電極23への通電を停止し、炉体21から溶鋼を出鋼する。これにより1ヒートの操業が終了し、このような操業を繰り返し行う。
一方、本実施形態では、4つのアーク炉ユニットが設置され、それぞれの製鋼用アーク炉1において前述と同様の操業が行われるが、通常、4つの製鋼用アーク炉1の操業開始タイミングはずれた状態となる。
このような操業中、各製鋼用アーク炉1からは、高温の排ガスが排出され、第1の排ガス流路を構成する排気ダクト2、前段側の水冷ダクト4、燃焼塔3、後段側の水冷ダクト4を通過する間に、廃熱ボイラー6により廃熱(顕熱および燃焼熱)が回収される。具体的には、排ガスの廃熱は廃熱ボイラー6を構成する伝熱管7において飽和蒸気に変換され、この飽和蒸気は蒸気ドラム13、飽和蒸気搬送配管17、蒸気集合配管61を経て蒸気アキュムレータ62に貯留される。そして、蒸気アキュムレータに貯留された飽和蒸気は、蒸気過熱器43に供給され、そこで高温の排ガスにより加熱されて過熱蒸気に変換される。変換された過熱蒸気は、発電用蒸気タービン63に供給され、発電に供される。
一方、廃熱が回収された後の排ガスは、第2の排ガス流路を構成するダクト5、排ガス集合ダクト41、下流側排ガスダクト42を経て蒸気過熱器43に至り、蒸気過熱器43において飽和蒸気の加熱に供される。
製鋼用アーク炉1の周囲および/または図示しない製鋼工場内は、換気用フード11、換気用ダクト12を介して換気され、換気用ダクト12からの冷風は換気集合ダクト51に至る。また、飽和蒸気の加熱に供された後の排ガスは、下流側排ガスダクト42を経て換気集合ダクト51に至り、換気ダクト12から供給された冷風と混合した状態で、集塵ダクト52に供給され、集塵器54で集塵されて煙突56から排出される。このように、排ガス集塵ダクト52には、下流側排ガスダクト42の高温の排ガスと換気集合ダクト51の換気用の冷風とが合流して、温度が低下された排ガスが供給され、バグフィルタからなる集塵器54に流れる排ガスの温度を集塵器54の耐熱温度以下とすることが可能となる。また、上述したように集塵器54の上流の排ガス集塵ダクト52に冷却器53を設けることにより、排ガス温度を集塵器54の耐熱温度以下とすることが一層容易となる。
ここで、一つの製鋼用アーク炉1においては、上述のように、原料装入−溶解(−原料追加装入−溶解−精錬)−出鋼という一連のプロセスを1ヒートとして操業を行うが、この1ヒートの期間に排ガス温度は大きく変動する。図4は1ヒートが70分である製鋼用アーク炉における燃焼塔入口の温度変化を示すものである。この図に示すように、通電開始後から排ガス温度は上昇して1400℃近傍に達し、原料追加装入により一旦400℃程度に低下するが、原料の溶解の進行にともなって1200℃程度まで再度上昇し、原料が完全に溶解(溶け落ち)を経過してその後の精錬期間まで排ガス温度が高い期間(高温期)が継続する。一方、精錬期間終了後の出鋼にともなって排ガス温度は低下し、出鋼完了後には200℃以下となる。そして、出鋼完了後から次ヒートの原料装入を経て次ヒートの通電開始まで、200℃以下の排ガス温度の低い期間(低温期)となる。このような排ガスの温度変動にともない、排ガスの顕熱および燃焼熱を利用して回収される飽和蒸気の量は変動することとなる。
しかし、本実施形態では、製鋼用アーク炉設備100が4つの製鋼用アーク炉1を有しており、これらは通常操業開始タイミングが所定時間ずれた状態となる。これにより、これら4つの製鋼用アーク炉1の高温期と低温期は互いにずれた状態となり、これら4つの製鋼用アーク炉1で回収された飽和蒸気を蒸気アキュムレータ62で合流させるので、合流後の飽和蒸気量は平準化されることとなる。このとき、各製鋼用アーク炉1の操業タイミングを制御することにより、合流後の飽和蒸気量の分布を所望のものとすることができる。
また、本実施形態では、飽和蒸気を過熱蒸気にする際に蒸気過熱器43に対する加熱エネルギーの供給を廃熱回収後の排ガスを用いて行うことができるので、過熱蒸気を生成するための別途の燃料が不要であり、エネルギー経済性が高い。
ところで、廃熱が回収された後の排ガスを、過熱蒸気を生成するための熱源として用いる場合、所定の過熱度の過熱蒸気を生成するための熱量を確保しておく必要があり、そのために蒸気過熱器43に供給される排ガス温度の低下を極力防止することが必要となる。しかし、製鋼用アーク炉1においては低温の排ガスが排出されることがある。例えば、製鋼用アーク炉1において通電直後、原料追加装入直後、出鋼後は低温の排ガスが排出される。この低温の排ガスが運転中の他の製鋼用アーク炉の高温の排ガスに混合されると、混合後のガス温度が低下してしまう。排ガス温度が低下すると、所定の過熱度の過熱蒸気生成のための熱量が不足する不都合が生じる。これにより、過熱蒸気流量および/または蒸気過熱度が低下して量蒸気タービンの出力が低下し、その後過熱蒸気流量および/または蒸気過熱度が回復しても、定常出力に回復するまでに長時間を要し、発電量が低下してしまう。例えば、図5に示すように、出力が23MWの場合に6MW分程度の過熱蒸気流量および/または蒸気過熱度が低下しただけでも定常状態に回復するのに15分間程度かかり、20MW分程度低下した場合には40分間近くかかってしまう。
そこで、本実施形態では、廃熱ボイラー6下流側のダクト5に、換気ダクト12へ接続される接続配管18を設け、廃熱回収後の排ガスを蒸気過熱器43側に供給する排ガス流路と、蒸気過熱器43を通らない排ガス流路とで切り替える切替手段としてダンパー31および32を設けている。そして、製鋼用アーク炉1から高温の排ガスを排出している期間(高温期)には、図3の(a)に示すように、ダンパー31を開き、ダンパー32を閉じて、排ガスが蒸気過熱器43に供給されるようにする。一方、製鋼用アーク炉1の運転を停止しているとき等の低温の排ガスを排出している期間(低温期)には、図3の(b)に示すように、ダンパー31を閉じ、ダンパー32を開いて、製鋼用アーク炉1からの排ガスを換気用ダンパー12に導き、製鋼用アーク炉1からの排ガスが蒸気過熱器43に供給されないようにする。これにより、過熱蒸気発生用の排ガスの温度が低下することを防止することができ、安定して所定の過熱度の過熱蒸気を生成することができる。
この場合に、予め1ヒートの排ガス温度プロファイルを把握しておき、排ガス温度が予め定めた温度よりも低温になる場合に、蒸気過熱器43へ排ガスが供給されないようにすることができる。
より安定して過熱蒸気を生成する観点からは、図6に示すように、各アーク炉ユニットの廃熱ボイラー6の出口に温度計81を設置し、温度計81の温度が予め定めた温度よりも低温になった時点で、該当する製鋼用アーク炉1のダンパー31および32を操作して排ガスが蒸気過熱器43へ供給されないようにしてもよい。この場合は、図6に示すように制御器82を設け、温度計81の信号を制御器82に出力し、制御器82がその信号に基づいてダンパー31および32を自動的に操作するようにすることが好ましい。また、図7に示すように、温度計81の他に蒸気過熱器43の入口にも温度計83を設けるようにしてもよい。この場合には、温度計83が所定温度よりも低くなった時点で、各アーク炉ユニットのうち温度計81の温度が予め定められた温度よりも低いものについて排ガスが蒸気過熱器43に流れないようにダンパー31および32を操作する。このとき、このような操作を制御器82の制御によって行うことが好ましい。さらに、図8に示すように、温度計83のみを設け、その温度が予め定められた温度よりも低くなった時点で、4つの製鋼用アーク炉1の操業状態を把握し、低温期にある製鋼用アーク炉1に対応するアーク炉ユニットについて排ガスが蒸気過熱器43に流れないようにダンパー31および32を操作するようにしてもよい。このとき、監視・操作・制御部70からの情報に基づいて制御器82が低温期にある製鋼用アーク炉1に対応するアーク炉ユニットにダンパー31および32を操作する指令を与えるようにすることが好ましい。
次に、廃熱ボイラー6の範囲について説明する。
顕熱および燃焼熱が回収された後の排ガスを過熱蒸気生成のための熱源として使用する場合、その熱量は発生飽和蒸気量と過熱度、廃熱ボイラー6以降蒸気過熱器43までの管路の熱放散により決定される。今、215℃の飽和蒸気から350℃の過熱蒸気を得ようとしたとき、廃熱ボイラー6の入口の熱量を100%とすると、廃熱ボイラー6での吸熱量が50〜55%のときの発生蒸気を過熱するために必要な熱量は5〜10%となる。さらに管路などからの放熱を加味すると、廃熱ボイラー6の範囲は、廃熱ボイラー6の出口の排ガス温度が500℃以上の範囲となる。
一方、製鋼用アーク炉の廃熱ボイラー6は、主として放射伝熱による熱交換となり、放射伝熱による熱交換量は概略以下の(1)で求めることができる。
Q=CA〔(Tg/100)−(Tw/100)〕 ……(1)
Q:放射伝熱量
Tg:ガス温度
Tw:水冷壁管表面温度
A:有効放射伝熱面積
C:有効放射係数
実際の放射伝熱は複雑な現象であるが、有効放射係数に変化がないと仮定して、ガス温度が1000℃のときに吸収される熱量と同じ吸収熱量を得ようとした場合、排ガス温度が800℃では約2.5倍、排ガス温度が600℃では約8倍の有効放射伝熱面積が必要となり、排ガス温度が600℃よりも低い位置まで廃熱ボイラー6の範囲を広げることは伝熱面積の増加割合に比して回収蒸気量が少なく、経済的でない。このことと、上述した熱バランスから廃熱ボイラー6を設置する範囲は、排ガス温度が600℃以上の範囲が好ましく、700℃以上の範囲がより好ましい。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
ここでは、図9に示すように、上記図1の設備に加え、さらに下流側排ガスダクト42の蒸気過熱器43の上流側部分に蓄熱体75を設け、排ガスが蓄熱体75を通過して流れるようにしている。蓄熱体75としてはチェッカレンガ等の熱容量の大きいブロック体を用いることができる。さらにいえば、伝熱面積が大きく同一容量の蓄熱室ではより多くの蓄熱ができる特殊形状のチェッカを用いることがより好ましい。上述のように、ダンパー31および32を操作して低温の排ガスが蒸気過熱器43に供給されないようにすることにより、蒸気過熱器43に供給される排ガス温度の低下を極力防止することができるが、やはり多少の排ガス温度変動が生じる。しかし、この蓄熱体75は高温の排ガスにより多量の熱量を蓄積することができ、排ガスの温度変動があっても排ガスが蓄熱体75を通過する際に、蓄熱体75から排ガスに熱供給されて蒸気過熱器43に供給される排ガス温度の変動を緩和することができる。これにより排ガスの温度変動を一層小さくすることができ、蒸気過熱器43の蒸気の温度をより均一にすることができる。
次に、本発明のさらに他の実施形態について説明する。
ここでは、図10に示すように、蒸気過熱器43の入口に飽和蒸気流量制御弁91を設け、蒸気過熱器43の出口に過熱蒸気温度計92と過熱蒸気流量計93を設け、過熱蒸気温度計92の信号に応じて飽和蒸気流量制御弁91を制御して供給する飽和蒸気流量を制御する制御器94を設ける。これにより、過熱蒸気温度に応じた過熱蒸気量になるように、飽和蒸気流量制御弁91を制御して飽和蒸気流量を制御することができるので、過熱蒸気の過熱度を一定にすることができる。なお、過熱蒸気流量計93を設ける代わりに、制御器93に予め求めた飽和蒸気流量制御弁91の開度と飽和蒸気量との関係を設定しておき、過熱蒸気温度に応じた飽和蒸気流量となるように飽和蒸気流量制御弁91の開度を制御してもよい。
次に、本発明の別の実施形態について説明する。
ここでは、図11に示すように、蒸気過熱器43の入口に排ガス温度計83を設け、蒸気過熱器43の入口に飽和蒸気流量計97を設け、排ガス流量を制御する制御器98を設ける。そして、制御器98に排ガス温度計83および飽和蒸気流量計97からの信号および下流側排ガスダクトに設けられた排ガス流量計47からの信号を入力するようにし、制御器98が排ガス温度計96および飽和蒸気流量計97からの信号に応じてダンパー31および32の開度を制御するようにする。これにより、飽和蒸気流量に応じて蒸気過熱器43に流入する排ガス流量を制御することができる。
製鋼用アーク炉の排ガスは、窒素、酸素、二酸化炭素を主成分とし操業による変動は少なく、ガス成分の変動による比熱の変動も少ないので、ガス温度と比熱の関係を予め測定しておけば排ガス流量と排ガス温度の測定のみで排ガスの持つ熱エネルギー量を把握することができる。したがって、排ガス流量と排ガス温度を測定することにより、蒸気過熱器43に通気される飽和蒸気量と要求される過熱度から過熱蒸気生成のための必要とする熱エネルギーを、蒸気過熱器43に流入する排ガス量で制御することができる。このため、ほぼ一定の過熱度の過熱蒸気を生成することができ、極めて高効率で蒸気タービン式の発電用タービン63を駆動することができる。このとき、各アーク炉ユニットの廃熱ボイラー6の出口に温度計を設けることにより、流量制御する排ガスの温度を正確に把握することができるので、より精度を高めることができる。また、このように飽和蒸気を過熱するための排ガスの熱エネルギーを制御することにより、過熱蒸気の過度の過熱や、排ガスが高温になりすぎて蒸気過熱器43を通過した後に集塵器を焼損する等の不都合を防止することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、上記例では4つの製鋼用アーク炉を用いた例について示したが、製鋼用アーク炉の数は2以上であればいくつでもよい。また、飽和蒸気を発電に利用する場合について示したが、これに限るものではない。さらに、上記実施形態では、排ガスを燃焼塔で燃焼させて、排ガスの顕熱および燃焼熱を廃熱として回収する場合について示したが、燃焼塔は必ずしも必要はなく、燃焼塔を省いた廃熱ボイラー内で燃焼させることも可能である。また、製鉄所内で発生した鋼くずのみの溶解などであれば、白煙・悪臭などの発生が無く、一酸化炭素の発生量も少ないため、燃焼用空気を積極的に吸引する必要はなく、より高温の排ガスからの熱回収が可能となる。この場合には排ガスから回収される廃熱は、実質的に顕熱のみとなる。
1;製鋼用アーク炉
2;排気ダクト
3;燃焼塔
4;水冷ダクト
5;ダクト
6;廃熱ボイラー
7;伝熱管
8;空気導入口
10a,10b,10c,10d;アーク炉ユニット
11;換気用フード
12;換気ダクト
13;蒸気ドラム
17;飽和蒸気搬送配管
18;接続配管
21;炉体
23;アーク電極
31,32;ダンパー
41;排ガス集合ダクト
42;下流側排ガスダクト
43;蒸気過熱器
51;換気集合ダクト
52;排ガス集塵ダクト
54;集塵器
61;蒸気集合配管
62;蒸気アキュムレータ
63;発電用タービン
70;監視・操作・制御部
75;蓄熱体
81,83;温度計
82;制御器
91;飽和蒸気流量制御弁
92;加熱蒸気温度計
93;加熱蒸気流量計
94;制御器
95;排ガス流量計
96;排ガス温度計
97;飽和蒸気流量計
98;制御器
100;製鋼用アーク炉設備

Claims (14)

  1. 複数の製鋼用アーク炉から排出される排ガスの廃熱を飽和蒸気として回収し、さらに飽和蒸気を加熱して過熱蒸気とする製鋼用アーク炉の廃熱回収設備であって、
    それぞれの製鋼用アーク炉から排ガスを排出するための第1の排ガス流路と、
    前記第1の排ガス流路に設置された、排ガスの廃熱を飽和蒸気として回収する廃熱ボイラーと、
    それぞれの廃熱ボイラーで発生した飽和蒸気を合流させて貯留する蒸気アキュムレータと、
    前記蒸気アキュムレータに貯留された蒸気を加熱して過熱蒸気とする蒸気過熱器と、
    前記廃熱ボイラーで廃熱が回収された後の排ガスを前記蒸気過熱器に導いて飽和蒸気の加熱に供した後に排出する第2の排ガス流路と、
    前記廃熱ボイラーで廃熱が回収された後の排ガスを前記蒸気過熱器を経由せずに排出する第3の排ガス流路と、
    廃熱が回収された後の排ガスの流路を前記第2の排ガス流路と前記第3の排ガス流路とで切り替える切替手段とを具備することを特徴とする製鋼用アーク炉の廃熱回収設備。
  2. 前記排ガスの廃熱は、排ガスの顕熱、または排ガスの顕熱および燃焼熱であることを特徴とする請求項1に記載の製鋼用アーク炉の廃熱回収設備。
  3. 前記第1の排ガス流路は、排ガスダクトと、排ガスを燃焼させる燃焼塔とを有し、前記廃熱ボイラーは前記排ガスダクトおよび/または前記燃焼塔を構成するように設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の製鋼用アーク炉の廃熱回収設備。
  4. 前記廃熱ボイラーは、その出口の排ガスの温度が600℃以上となる範囲に設けられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の製鋼用アーク炉の廃熱回収設備。
  5. 前記廃熱ボイラーの出口および/または前記蒸気過熱器の入口に設けられたガス温度計をさらに具備し、前記廃熱ボイラーの出口の排ガス温度および/または前記蒸気過熱器の入口の排ガス温度が予め定められた温度以上の場合は、前記排ガスを前記第2の排ガス流路に流し、前記廃熱ボイラーの出口の排ガス温度および/または前記蒸気過熱器の入口の排ガス温度が予め定められた温度よりも低い場合は、前記排ガスを前記第3の排ガス流路に流すように前記切替手段が操作されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の製鋼用アーク炉の廃熱回収設備。
  6. 前記第3の排ガス流路は、前記各製鋼用アーク炉の周囲および/または前記複数の製鋼用アーク炉が設置される製鋼工場内を換気するための換気ダクトと、前記第2の流路と前記換気ダクトとを接続する接続配管と、前記換気ダクトが集合した換気集合ダクトとを有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の製鋼用アーク炉の廃熱回収設備。
  7. 前記第2の排ガス流路からの排ガスを集塵する集塵器と、前記集塵器に到達する前の排ガスを冷却する冷却器をさらに具備することを特徴とする請求項6に記載の製鋼用アーク炉の廃熱回収設備。
  8. 前記第2の排ガス流路からの排ガスを集塵する集塵器をさらに具備し、前記第2の排ガス流路からの排ガスは前記換気集合ダクトの冷風が混合された状態で、前記集塵器に導かれることを特徴とする請求項6に記載の製鋼用アーク炉の廃熱回収設備。
  9. 前記第2の排ガス流路は、前記各廃熱ボイラーの下流側の排ガスダクトと、これら排ガスダクトが集合した排ガス集合ダクトと、前記排ガス集合ダクトから延び、前記蒸気過熱器が接続された下流側排ガスダクトとを有し、前記下流側排ガスダクトが前記換気集合ダクトに接続され、前記換気集合ダクトには前記集塵器が接続された排ガス集塵ダクトが接続され、前記下流側排ガスダクトからの排ガスに前記換気集合ダクトの冷風が混合された状態で、前記排ガス集塵ダクトを介して前記集塵器に導かれることを特徴とする請求項8に記載の製鋼用アーク炉の廃熱回収設備。
  10. 前記集塵器に到達する前の排ガスを冷却する冷却器をさらに具備することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の製鋼用アーク炉の廃熱回収設備。
  11. 前記第2の排ガス流路の前記蒸気過熱器の上流側に設けられた蓄熱体をさらに具備することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の製鋼用アーク炉の廃熱回収設備。
  12. 前記蒸気過熱器に流入される飽和蒸気の流量を制御する飽和蒸気流量制御弁と、前記蒸気過熱器から排出される過熱蒸気の温度を検出する過熱蒸気温度計と、前記過熱蒸気の温度に応じて前記飽和蒸気流量制御弁を制御して過熱蒸気量を制御する制御器とをさらに具備することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の製鋼用アーク炉の廃熱回収設備。
  13. 前記蒸気過熱器に流入される排ガスの流量を検出する排ガス流量計と、前記蒸気過熱器に流入される排ガスの温度を検出する排ガス温度計と、前記蒸気過熱器に流入される飽和蒸気の流量を検出する飽和蒸気流量計と、前記排ガスの流量を調節する流量調節手段と、前記排ガスの温度と前記飽和蒸気の流量に応じて前記流量調節手段を制御して前記排ガス流量を制御する制御器とをさらに具備することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の製鋼用アーク炉の廃熱回収設備。
  14. 複数の製鋼用アーク炉と、前記複数の製鋼用アーク炉から排出される排ガスの廃熱を飽和蒸気として回収し、さらに飽和蒸気を加熱して過熱蒸気とする廃熱回収設備とを具備する製鋼用アーク炉設備であって、
    前記廃熱回収設備として、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の廃熱回収設備を備えることを特徴とする製鋼用アーク炉設備。
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