JP5501532B1 - 鋳造用中空金型及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、鋳造後の製品の熱処理が不要であり、かつ、金型代が安価である鋳造用金型を提供することを目的とする。本発明では、目的金型の元型を鋳鉄で作製し、該元型を所定の温度に加熱することにより、表層部のみ脱炭させる。その後、該元型を別の所定温度に加熱することにより内部の低融点部分のみを溶融させ、該元型の外部に流出させる。これにより、鋳鉄製の鋳造用中空金型を製造する。中空金型は中実金型よりも熱容量が小さいため、鋳造後の鋳造品の冷却速度が遅く、鋳造品の硬さが低くなる。

Description

本発明は、鋳鉄やアルミニウム等の金属鋳造品、或いはプラスチック製品を製造するための鋳型に関し、特に、金属製の鋳型(鋳造金型)に関する。また、その製造方法に関する。
自動車を始め、中・大型機械装置の本体や部品には多くの鋳鉄製品が使用されている。これらの鋳鉄製品は、一般的には鋳型に砂を用いる生砂鋳造により製造されている。生砂鋳造は大量生産向きであるという利点はあるものの、(1)鋳型を作るための装置(鋳型造型装置)や、砂を再利用するための砂再生処理装置等の大型設備が必要である、(2)砂型に鋳込んだ溶湯を室温まで下げるための広い冷却スペースが必要である、という問題点がある。このように、初期投資額が大きく、かつ、広大なスペースが必要であることから、少量多種生産や変量生産には適していない。
それに対し、金属製の型を用いる金型鋳造法が存在する。金型鋳造は生砂鋳造に比べて、砂に起因する不具合の発生が無い、寸法精度が良い、鋳造品の表面がきれいである等の特徴があり、その結果、歩留が良い、仕上工数が少なくて済むというメリットがある。また、生砂鋳造に比べて初期投資額が少なく、冷却等のスペースも小さくて済むというメリットもある。
特許第4099535号公報
金型鋳造は上記のような様々な利点があるものの、砂型と比較すると鋳造時の冷却速度が大きいため、鋳造後の鋳造製品が硬くなりやすく、硬さを下げるための熱処理が必要となるという問題がある。また、金型は高温の溶湯に接することから、高温に耐える金属を用いる必要がある。現在、金型材料としては銅合金や工具鋼等が用いられているが、これらは材料自体が高価である上、切削等の型加工が困難であるため、加工費も高いものとなるという問題がある。なお、1個の金型で複数回の鋳造を行うことができるものの、その寿命(回数)は限られていることから、型寿命を考慮しても鋳造品1個当たりの金型代は高価である。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、鋳造後の製品の熱処理が不要であり、かつ、金型代が安価である鋳造用金型を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明は、2〜5 mmの均一な厚さの殻とその内部洞からなることを特徴とする鋳鉄製の鋳造用金型である。
本発明に係る鋳造用中空金型は、鋳鉄の他、アルミニウム(合金)やマグネシウム(合金)等の様々な金属の鋳造に用いることができ、更には、プラスチック製品の製造(成形)にも用いることができる。
上記中空金型は、特許文献1に記載の加工方法を応用した方法により製造することができる。具体的には、次のような方法で作製する(図1)。
a) 目的とする金型(目的金型)の元型を鋳鉄で作製する(ステップS1)。
b) 該元型を所定の温度(脱炭温度)に加熱することにより、表面から2〜5 mmの表層部のみ脱炭させる(ステップS2)。
c) 該元型を別の所定温度(内部溶融温度)に加熱することにより前記表層部を除く内部の低融点部分のみを溶融させ、該元型の外部に流出させる(ステップS3)。
以上の処理を行うことにより、中空金型が完成する(ステップS4)。
上記のような中空処理が可能であるのは、特許文献1にも記載されているとおり、鋳鉄の炭素(C)含有量と融点の関係(図2のFe−C系状態図)をうまく利用したことによるものである。すなわち、ステップS2で鋳鉄品である元型を加熱することにより、元型の表面から炭素が脱出し(脱炭)、表面部分のみ炭素濃度が低くなる。図2のFe−C系状態図を見ると分かるように、Fe−C合金である鋳鉄の融点は、C濃度が低くなるほど、高くなる。前記脱炭処理により、元型の表面は純鉄に近い状態となり、その融点は純鉄の融点である1534℃に近い値となる。従って、そのように表面脱炭処理を施した元型を、内部の炭素含有部分の融点以上であって、表面の脱炭部分の融点以下である温度に加熱することにより、表面部分(殻部分)のみ固体のまま、内部のみ溶融させることができる。元型の下部に予め流出用の孔を空けておくことにより、溶融した内部の鋳鉄がその孔から流出し、内部が空洞となる。
本発明の中空金型の材料である鋳鉄の炭素等量CEは、次の式(1)を満たす組成を有することが望ましい(式中の%は質量%)。
2.0≦CE = C% + (Si% + P%)/3≦5.5 …(1)
CEの値が4.3付近のものは共晶、それ以下のもの(2.0≦CE<4.3)は亜共晶、それ以上のもの(4.3≦CE≦5.5)は過共晶である(図2)。
CEが(1)式の範囲内の値であれば、その固相線(融点)は炭素等量に拘わらずほぼ1147℃で一定である(液相線は約1400℃以下である)。従って、上記c)内部溶融・流出工程における加熱温度は、概ね、その融点(1147℃)からそれより50℃程度高い温度、すなわち、1147〜1200℃の範囲内とすることが望ましい。なお、脱炭層における炭素濃度を1%以下にしておけば、その部分(脱炭層)の融点は1350℃程度となる。
望ましくは、CE値は3.5〜4.6としておく。これにより、液相線(完全溶融温度)が1250℃以下となり、内部の溶融が容易となる。もちろん、鋳造も容易となる。
元型の材料を亜共晶(CE<4.3、望ましくはCE≦4.2)とすることにより、本発明の金型は完全な中空ではなく、ハニカム状の中空金型となる。これは、図2の状態図から明らかなように、上記c)の内部溶融工程において内部の亜共晶鋳鉄が完全には溶融せず、融点の高いデンドライト状のγ相の一部が格子状に残存するためであると考えられる。ハニカム状中空鋳鉄については、本件出願人の出願に係る国際出願PCT/JP2011/079367に詳しく開示されている。これにより、金型の強度が上昇するため、歪を生じやすい大型金型への使用に適したものとなる。逆に、元型の材料を共晶又は過共晶(CE≧4.3)とすることにより、本発明の金型は完全な中空金型となる。
本発明に係る中空金型の殻の厚さは、上記b)脱炭工程における脱炭層の厚さを調節することにより決定することができる。これは、b)脱炭工程における加熱温度と時間により任意に調整することができるが、あまりの高温・長時間の加熱は金型の素材である鋳鉄に悪影響を与えるため(脱炭温度は、融点よりも100〜30℃程度低い範囲の値とすることが望ましい。)、最大でも5 mm程度としておくことが望ましい。一方、薄い方は任意に設定することができるが、金型としての強度が必要であるため、一般的には2 mm以上としておくことが望まれる。
本願発明に係る金型は中空であるため、特に鋳造品に接する部分において熱容量が小さく、また、中空部の空気層による断熱効果により、鋳造後の鋳造品の冷却速度が従来の金型よりも遅い。そのため、製品によっては鋳造後の熱処理を省略することができる。また、その素材は鋳鉄であるため従来の合金金型鋼よりも遙かに安価であり、寿命が多少短くても、鋳造製品1個当たりの単価は十分低く抑えることができる。
なお、この鋳造後の冷却速度は、この金型の中空部分に空気や水等の流体を流通させることにより適宜調整することができる。
本発明に係る中空金型を製造する工程の概略フローチャート。 鉄−炭素系状態図(Si = 0%の場合)。 実施例1であるコップ状中空金型の外観写真(a)及びX線CT(断面)写真(b)。 実施例1の中空金型の素材の主要化学組成(質量%)。 実施例1の中空金型で製造した鋳造品の外観写真(a)、表面ミクロ組織写真(b)及び表面硬さ分布のグラフ(c)。 実施例2である遊星歯車キャリア用中空金型の下型の外観図(a)及び上型の外観図(b)、並びに、下型のX線CT(断面)写真(c)及び上型のX線CT(断面)写真(d)。 実施例2の中空金型の素材の主要化学組成。 実施例2の中空金型の下型に中子をセットした状態の平面写真(a)、下型と上型を合わせた状態の外観写真(b)、上型と下型をクランプで型締めした状態の外観写真(c)。 実施例2の中空金型で製造した遊星歯車キャリアの鋳造状態の外観写真(a)及び表面を機械加工した後の外観写真(b)。 種々の条件の下で製造した遊星歯車キャリアの表面の硬さの測定結果を示す表及び図。
本発明に係る中空金型の製造例を2種説明する。
第1の例は、図3(a)に示すようなコップ状の中空金型である。これは具体的な製品を想定したものではなく、中空金型の製造可能性及び使用可能性を確認するための試験品として作製した。大きさは、開口外径72 mm、開口内径52 mm、底外径62 mm、底内径42 mm、全高80 mmである。
この金型の元型は、FCD450鋳鉄を砂型に鋳込むことにより作製した。その鋳鉄の化学成分を図4に示す。図4の最後の欄に示すように、本実施例の中空金型(以下、これを中空金型1と呼び、その元型を元型1と呼ぶ。)の素材のCE値は4.4であり、僅かに過共晶である。
この元型1を電気式加熱炉により、都市ガスを変成してCO/(CO+CO2)*100=85%となるように調整した変成ガス雰囲気中で1070℃まで加熱し、24 h保持するという脱炭処理を行った。脱炭処理後は雰囲気をN2ガスに変え、500℃まで炉冷し、その後大気中で放冷した。
常温にした元型1の開口側の縁の一箇所(図3(a)の手前側)にφ6 mmのドリルで深さ6 mmの孔(流出孔)を穿孔した。
その後、同じ電気式加熱炉内に、上記流出孔が下になるように元型1を置き、炉内をN2ガス雰囲気となるようにして、50 minかけて1185℃まで加熱し、その温度で8 min保持した。元型1がその温度に達した時点で前記流出孔より溶湯が流出し始めたが、数分の後、溶湯の流出量が減少し、8 minの保持時間後には殆ど流出が止んでいた。同じN2雰囲気中で500℃となるまで炉冷し、その後大気中で放冷した。これにより、中空金型1が得られた。
中空金型1の、X線CTで撮影した断面を図3(b)に示す。厚さ約2.5 mmの脱炭層から成る殻で囲まれた内部がきれいな空洞(中空)となっていることが分かる。元型1の質量は1,020 gr(グラム)であったが、中空処理後の中空金型1は680 grとなっていた。
この中空金型1を用いて鋳鉄の鋳造を行った。これにより得られた鋳造品(これを鋳造品1と呼ぶ。)の外観を図5(a)に示す。鋳造品1の素材も金型と同様FCD450鋳鉄とし、中空金型1の空洞内には空気を吹き込まず、鋳鉄を鋳込んだ後、室温で放冷した。得られた鋳造品1の質量は490 grである。
鋳造品1の表面近傍のミクロ組織を図5(b)に、深さ方向の硬さ分布を図5(c)に示す。硬さは表面の最も高い部分でもHv 200程度であり、組織もきれいな球状化組織を呈している。このような状態ではもちろん、鋳造後の熱処理を行う必要はない。
第2の例は、自動車のオートマチック・トランスミッションで用いられる遊星歯車キャリアを製造するための金型である。本実施例の金型(中空金型2と呼ぶ。)は下型と上型から成り、それぞれの外観写真を図6(a)及び(b)に示す。中空金型2の大きさは、縦190 mm、横165 mm、高さ(下型)50 mm、(上型)70 mmである。これら下型及び上型の元型(これらを下型元型2、上型元型2及び元型2と呼ぶ。)はいずれも砂型を用いた鋳造により作製した。元型2(中空金型2)の素材もFCD450とした。その主要化学組成は図7に示すとおりであり、CE値は4.3(ほぼ共晶)である。
これら元型下型2及び元型上型2を、CO/(CO+CO2)=85%の雰囲気中で1,070 ℃×24 h加熱することにより、脱炭処理を施した。いったん冷却した後、元型下型2及び元型上型2の同じ方向の箇所(図6(a)、(b)では共に下側)に、下型2では径10 mm、深さ12 mmの、上型2では径18 mm、深さ15 mmの流出孔をドリルで穿孔した。次に、これら下型・上型元型2を、流出孔を下にした状態で加熱した。両元型2は、加熱開始後約90 minで1180℃に達し、その時点で流出孔より溶湯が流出し始めた。その後、ほぼ20 minで流出が完了した(溶湯がほとんど流出しなくなった)ので、加熱を終了し(このときの両元型2の温度は1190℃であった)、放冷により室温まで冷却した。
このようにして製造した下型元型2及び上型元型2のX線CT(断面)写真を図6(c)及び(d)に示す。流出孔を設けた箇所(図6(c)、(d)の右側)では固化した残留溶湯のために厚くなっているが、その他の部分ではほぼ2.5 mmの均等な厚さの殻に囲まれた中空金型2が完成していることがわかる。
これら中空金型2(下型2及び上型2)を用いて遊星歯車キャリアを製造する方法は次の通りである。図8(a)に示すように下型2を置き、キャビティに中子を置いた後、図8(b)に示すように上型2を置く。図8(b)の左側に現れているように、下型2及び上型2には、その内部空洞に空気を流入させるためのパイプを取り付ける。また、上型2には湯口を設ける。そして、図8(c)に示すように上型2と下型2をクランプで締め付け、湯口から溶湯を流し込む。
下型2及び上型2を用いて様々な条件で遊星歯車キャリアの鋳造品を製造し(これを鋳造品2と呼ぶ。)、その表面の硬さを測定した。なお、本実施例で用いた溶湯素材は球状黒鉛鋳鉄FCD500である。
その結果を図10に示す。表面硬さは、鋳造品2のうち、上型と接する箇所(上型側)と下型と接触する箇所(下型側)で測定した。
図10においてNo. 1〜No. 4の試料は、脱炭−溶融・流出処理を行わず、中実としたままの下型(下型元型2)及び上型(上型元型2)を用いて鋳造したものであり、No. 5〜No. 8の試料は本発明に係る中空金型を用いて鋳造したものである。また、No. 1とNo. 2及びNo. 5とNo. 6の試料は金型内に塗型を行わないで鋳造を行い、No. 3とNo. 4及びNo. 7とNo. 8の試料は金型の内面に塗型を行って鋳造を行った。ここで用いた塗型は珪藻土であり、その厚さは約0.2 mmとした。更に、No. 1、No. 3、No. 5、No. 7の試料は鋳鉄への接種を行なわず、No. 2、No. 4、No. 6、No. 8の試料は鋳込む直前の鋳鉄溶湯にフェロシリコンの投入(接種)を行った。
No. 1〜No. 4の試料の下型側及び上型側の硬さ(計8点)の平均値はHv 526であり、No. 5〜No. 8の試料の同平均値はHv 341である。すなわち、本発明に係る中空金型を用いることにより、従来の中実金型を用いた場合と比較すると、ビッカース硬さで約200近く鋳造品の硬さが低下していることがわかる。
中実の金型を用いた試料では、最も低いものでも表面硬さはHv 417という高い値となっているが、このような硬さの鋳造品では、熱処理(焼なまし処理)が必須となる。
一方、中空金型を用いたNo. 5〜8の試料では、塗型を使用し、接種を行った場合にはHv 264〜269まで硬さが低下しており、このような硬さでは鋳造後の熱処理は不要となる。
遊星歯車キャリアの鋳造のままの状態の外観写真を図9(a)に、その鋳造品を仕上げ機械加工した状態の外観写真を図9(b)に示す。鋳造品、加工品とも、外観上の問題は全く無い。なお、鋳造品(図9(a))の外径は95 mm、高さは75 mm、質量は980 grであり、製品(図9(b))の質量は650 grである。
図10の試料はいずれも、中空金型2の空洞内に空気を流通させて作製したものである。内部空洞への空気の流通を行わない場合、鋳造品の冷却速度はより小さく(遅く)なり、その硬さも低下する。しかし、内部空洞への空気の流通を行わない場合、溶湯に接する金型がより高温となり、繰り返し使用した場合に熱疲労により繰り返し寿命が低下する。
従来の銅合金や工具鋼を用いた中実金型では、10,000回(ショット)の繰り返し使用が可能とされている。本発明に係る中空金型では、素材として非常に安価な鋳鉄を使用することができ、また、元型を鋳造で製造することができることから、そのような従来の金型と比較するとその金型自体のコストは1/20程度とすることができる。従って、1ショット当たりのコストを従来の銅合金や工具鋼製中実金型よりも低くし、実用的に使用できるようにするためには、1,000ショット以上の寿命を有することが望まれる。このような観点より、鋳造品のサイズや鋳造品の素材に応じて、鋳造後の熱処理を必要としない程度の低い硬さを確保しつつ中空金型の寿命を延ばすために、予め実験を行っておき、内部空洞への空気の流通を行う、或いは、行わない、という処理を選択することが望ましい。

Claims (9)

  1. 2〜5 mmの均一な厚さの殻とその内部の空洞からなる鋳鉄製の鋳造用中空金型。
  2. 素材の鋳鉄の[C% + (Si% + P%)/3]で定義されるCE値が2.0≦CE≦5.5であることを特徴とする請求項1に記載の鋳造用中空金型。
  3. 4.3≦CE≦4.6であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋳造用中空金型。
  4. 3.5≦CE<4.3であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋳造用ハニカム状中空金型。
  5. 内部空洞に流体を流通させるための流入・流出口を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鋳造用中空金型。
  6. a) 目的金型の元型を鋳鉄で作製する工程と、
    b) 該元型を所定の温度に加熱することにより、表面から2〜5 mmの表層部のみ脱炭させる工程と、
    c) 該元型を別の所定温度に加熱することにより前記表層部を除く内部の低融点部分のみを溶融させ、該元型の外部に流出させる工程と
    を有することを特徴とする鋳造用中空金型の製造方法。
  7. 前記元型を鋳造で作製することを特徴とする請求項に記載の鋳造用中空金型の製造方法。
  8. 前記元型を、[C% + (Si% + P%)/3]で定義されるCE値が4.3≦CE≦4.6である鋳鉄で作製することを特徴とする請求項又はに記載の鋳造用中空金型の製造方法。
  9. 前記元型を、[C% + (Si% + P%)/3]で定義されるCE値が3.5≦CE<4.3である鋳鉄で作製することを特徴とする請求項又はに記載の鋳造用ハニカム状中空金型の製造方法。
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