JP5500979B2 - 古紙処理装置 - Google Patents
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Description
一般的な製紙工場で行なっている製紙方法は、パルプ工程、抄紙工程、仕上工程からなり、古紙を原料として使用する場合には古紙パルプ工程が加わる。
古紙パルプ工程では、原料である古紙を水に溶解し、機械的な力や薬品を利用して紙繊維以外の異物である金属やフィルム、粘着性樹脂、印刷インク(染料系、顔料系)、コピートナーなどを分離、除去し、漂白処理、脱水、乾燥して古紙パルプを得る。
本発明の古紙処理装置において、貯水手段は、抄紙部から排出する再生パルプを含む排水である白水を貯水し、再生パルプ部へ離解用水として白水を供給することを特徴とする。
(再生パルプ部)
再生パルプ部1は、古紙6の裁断紙片を離解して再生パルプを調製(再生)するものであり、再生原料の古紙6を定型のままに貯留する原料貯留部をなす定型用紙タンク11と、再生原料の古紙6を裁断処理して再生に適した所定の大きさに紙片化した裁断紙片を一時的に貯留する原料貯留部をなすシュレッダータンク12と、繊維量調整部13と、パルパー14と、繊維濃度調整部15を備えている。
繊維量調整部13は、シュレッダータンク12の排出口123の下方に配置してあり、排出口123から排出する裁断紙片61を受け止める受け皿部131と、受け皿部131を支持する計量部132を備えており、計量部132は受け皿部131に投入した裁断紙片61の重量を計量し、計量に係る設定重量を変更することでパルパー14へ投入する裁断紙片61の量、すなわち繊維量を調整する。また、同様に繊維量調整部13は定型用紙タンク11から投入される定型の古紙6の重量を計量し、計量に係る設定重量を変更することでパルパー14へ投入する裁断紙片61の量、すなわち繊維量を調整する。
(脱墨パルプ部)
脱墨パルプ部2は、貯蔵タンク21と脱墨前希釈タンク22と脱墨部23とを備え、貯蔵タンク21と脱墨前希釈タンク22の間には管路、ポンプ等からなる移送系201を設け、脱墨前希釈タンク22と脱墨部23の間には管路、ポンプ等からなりバルブ202bを有する移送系202aを設け、脱墨前希釈タンク22と後述する抄紙部3のヘッドボックス31の間には管路、ポンプ等からなりバルブ202dを有する移送系202cを設けている。
(抄紙部)
抄紙部3は、脱墨前希釈タンク22の再生パルプ含有液が移送系202aを通って脱墨部23へ流れる場合には、脱墨部23から流入する脱墨パルプを抄紙して再生紙を調製(再生)し、脱墨前希釈タンク22の再生パルプ含有液が移送系202cを通って直接にヘッドボックス31へ流れる場合には再生パルプを抄紙して再生紙を調製(再生)するものであり、図1に示すように、ヘッドボックス31、ワイヤー部32、脱水部33、プレス部34、ドライヤー部35からなる。
ドライヤー部35は、複数のローラ351の間に掛け渡した上下一対の布製の搬送ベルト352の間に抄いた紙333を挟み、複数の乾燥ローラ353に圧接させて抄いた紙333を乾燥させるものであり、搬送ベルト352は布の他、ゴムや樹脂などの材料を用いてもよい。
(仕上げ部)
仕上げ部4はカレンダー部41とカット部42を有しており、カレンダー部41は抄いた紙333を複数のプレスローラ411の間に通し、紙の平坦度を上げ、カット部42で所定のシートサイズにカットして再生紙100が完成する。
(排水処理部)
排水処理部5は、白水タンク51、排水処理部52の各槽体を有し、白水タンク51は抄紙排水系105を通してワイヤー部32から還流する再生パルプを含む排水を貯留し、再度各工程へ供給する。排水処理部52は脱墨排水系106を通して脱墨部23から流入する脱墨廃液を処理するものであり、フィルターに通して繊維、インク、トナーを除去し、薬剤の添加により中性化して公共下水等へ排水可能な水質にまで処理する。白水タンク51には補給水として上水を供給する補給水供給系107が連通している。
(制御部)
図7に示すように、制御部7は、CPU71に設定する機能回路として、以下の機能部を有している。つまり、再生パルプ部1の運転を制御する再生パルプ部制御機能部711と、脱墨パルプ部2の運転を制御する脱墨パルプ部制御機能部712と、抄紙部3の運転を制御する抄紙部制御機能部713と、仕上げ部4の運転を制御する仕上げ部制御機能部714と、排水処理部5の運転を制御する排水処理部制御機能部715と、稼動開始から稼動停止までの運転プロセスを逐次実行する自動運転制御機能部716と、分量測定センサ125から入力する裁断紙片の有無信号に応じて自動運転制御機能部716へ稼動開始の許可指示または不許可指示を入力する運転ロック制御機能部717と、調製(再生)する再生紙の目標枚数を設定する目標枚数設定機能部718と、調製(再生)した再生紙の枚数を数えるカウンター機能部719と、再生パルプ部1と脱墨パルプ部2と抄紙部3において運転終了時に所定の排水動作を行なう排水動作制御機能部720と、所定の洗浄動作を行なう洗浄動作制御機能部721と、分量測定センサ125で測定した原料の分量から再生可能な最大可能枚数内で、再生運転終了までに再生可能な再生予想枚数を算定する再生予想枚数算定機能部722と、運転開始予定時刻と運転終了予定時刻の少なくとも何れか一方の予定時刻を任意に設定する機能および運転時間を任意に設定する機能の少なくとも一つを有する時間設定機能部723と、再生運転の運転時間を積算する運転時間積算機能部724と、カウンター機能部719で積算する再生完了枚数が目標枚数設定機能部718で設定する再生目標枚数に達した時に再生運転を停止するか、運転時間積算機能部724で積算した運転時間が時間設定機能部723で設定する運転時間に達した時に再生運転を停止するかを選択設定する運転停止選択機能部725と、再生目標枚数の再生運転終了までに要する再生予想時間を算定する再生予想時間算定機能部726、再生運転終了後に省電力モードとオートパワーオフモードの何れを実行するか選択設定するパワーモード選択機能部727と、再生運転を停止している間の運転停止時間を測定する運転停止時間測定機能部728と、運転停止原因を判定する運転停止原因判定機能部729と、分量測定センサ125で測定した原料の分量を再生するのに必要な再生予想時間を算定し、時間設定機能部で設定した運転時間が再生予想時間を超えるときには後述する警告手段に警告を発する再生予想時間算定機能部730と、補給水系107から白水タンク51へ給水する際に水量センサ107bが通水を検知しないときに断水が発生したと判断し、断水発生時に非常運転動作を実行する断水時運転制御機能部731を有している。
(運転制御)
ユーザは表示部74に設けるタッチパネル等の各種のスイッチを操作することにより、運転開始予定時刻と運転終了予定時刻の少なくとも何れか一方の予定時刻、あるいは運転を連続的に継続する運転時間を、制御部7の時間設定機能部723に設定する。
次に、各温度センサ144、238により測定するパルパー14および脱墨部23の水温および、温度センサ354で測定する乾燥ローラ353の表面温度が設定温度に達したか否かの判断923を行なう。
(非常運転制御)
制御部7の断水時運転制御機能部731は、補給水系107から白水タンク51へ給水する際に水量センサ107bが通水を検知しないときに断水が発生したと判断し、断水発生時に非常運転動作を実行する。
2 脱墨パルプ部
3 抄紙部
4 仕上げ部
5 排水処理部
6 古紙
7 制御部
11 定型用紙タンク
12 シュレッダータンク
13 繊維量調整部
14 パルパー
15 繊維濃度調整部
21 貯蔵タンク
22 脱墨前希釈タンク
23 脱墨部
31 ヘッドボックス
32 ワイヤー部
33 脱水部
34 プレス部
35 ドライヤー部
41 カレンダー部
42 カット部
51 白水タンク
51a 上限水位センサ
51b 上限水位センサ
52 排水処理部
61 裁断紙片
71 CPU
73 タイミング入力部
74 表示部
75 運転中断指示手段
100 再生紙
101 溶媒供給系
101a、102a、104a、201a、202e ポンプ
101b、103a、104b、202b、202d バルブ
101c 水量センサ
102 移送系
103 濃度調整液供給系
104 希釈水供給系
105 抄紙排水系
106 脱墨排水系
107 補給水供給系
107a 手動バルブ
107b 水量センサ
107c 自動開閉バルブ
121 上部開口
122 底面
123 排出口
124 排出装置
125 分量測定センサ
131 受け皿部
132 計量部
131a 受け皿
131b 側壁部
141 槽体
142 攪拌翼
143 ヒータ
144 温度センサ
201、202a、202c 移送系
231 前槽
232 後槽
233 仕切り壁
234、235 ヒーター
236 噴出口
237 攪拌翼
238 温度センサ
321、322 ローラ
323 メッシュベルト
331 ローラ
332 吸水ベルト
333 抄いた紙
334 脱水ローラ
341 ローラ
351 ローラ
352 搬送ベルト
353 乾燥ローラ
354 温度センサ
411 プレスローラ
711 再生パルプ部制御機能部
712 脱墨パルプ部制御機能部
713 抄紙部制御機能部
714 仕上げ部制御機能部
715 排水処理部制御機能部
716 自動運転制御機能部
717 運転ロック制御機能部
718 目標枚数設定機能部
719 カウンター機能部
720 排水動作制御機能部
721 洗浄動作制御機能部
722 再生予想枚数算定機能部
723 時間設定機能部
724 運転時間積算機能部
725 運転停止選択機能部
726 再生予想時間算定機能部
727 パワーモード選択機能部
728 運転停止時間測定機能部
729 運転停止原因判定機能部
730 再生予想時間算定機能部
731 断水時運転制御機能部
Claims (6)
- 古紙もしくは古紙の裁断紙片を再生原料として貯留する原料貯溜部と、再生原料を離解して再生パルプを調製する再生パルプ部と、再生パルプを抄紙して再生紙を調製する抄紙部と、再生パルプ部へ離解用水を供給する貯水手段と、貯水手段に給水する給水系と、給水系から貯水手段への通水の有無を検出する通水センサと、各部の運転を制御する制御部とを備え、
制御部は、運転開始から運転停止までの再生運転の運転プロセスを逐次実行する自動運転制御機能部と、給水系から貯水手段へ給水する際に通水センサが通水を検知しないときに断水が発生したと判断し、断水発生時に非常運転動作を実行する断水時運転制御機能部を有し、断水時運転制御機能部は、非常運転動作において、再生パルプ部が離解動作途中または離解動作終了であるときに、再生パルプ部の少なくとも1回の離解動作に相応する再生運転を実行した後に運転停止することを特徴とする古紙処理装置。 - 貯水手段は再生パルプ部の1回の離解動作に必要な貯水量に相当する水位を設定水位とする水位センサを有し、断水時運転制御機能部は、断水発生時に再生パルプ部の毎回の離解処理動作の終了時に水位センサで水位を検知し、水位センサが設定水位未満の水位を検知したときには、貯水手段から再生パルプ部へ離解用水を供給せずに、かつ次回の離解処理動作を行わずに運転停止し、水位センサが設定水位以上の水位を検知したときには、貯水手段から再生パルプ部へ離解用水を供給し、再生パルプ部の少なくとも1回の離解動作に相応する再生運転を実行して後に運転停止することを特徴とする請求項1に記載の古紙処理装置。
- 再生パルプを再生パルプ部から抄紙部へ移送する移送経路の途中に設けられ、移送経路の上流側から流入する再生パルプを漂白して脱墨パルプを調製する脱墨パルプ部を備え、抄紙部が脱墨パルプを抄紙して再生紙を調製することを特徴とする請求項1または2に記載の古紙処理装置。
- 貯水手段には、抄紙部から再生パルプを含む排水が還流し、給水系が貯水手段に補給水を給水することを特徴とする請求項3に記載の古紙処理装置。
- 貯水手段は、抄紙部から排出する再生パルプを含む排水である白水を貯水し、再生パルプ部へ離解用水として白水を供給することを特徴とする請求項4に記載の古紙処理装置。
- 制御部は、運転停止状態が設定時間経過したときに、排水動作および予め設定したメンテナンス動作を実行することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の古紙処理装置。
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