[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る計量装置590を図1及び図2に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の計量装置590は、外部から隔離された内部空間を有する密閉ケース400を備え、その内部空間内に、液体、粉粒体その他収容物を収容した容器530が収容可能となっている。
密閉ケース400のケース天井壁408には撹拌機600が固定されている。撹拌機600は、モータ601から下方に向かって延びたシャフト602の先端(下端)に撹拌翼603を備えてなり、撹拌翼603を容器530内の収容物の中に沈めて回転させることで、収容物を撹拌するようになっている。ここで、モータ601とシャフト602との間には、図示しないトルク伝達マグネットカップリングが備えられ、ケース天井壁408を挟んで非接触でトルクを伝達可能となっている。つまり、シャフト602がケース天井壁408を貫通していないので、シャフト602と貫通孔との間のシール構造が不要となっている。なお、ケース天井壁408に上記第1実施形態のような磁性流体シールユニット60を設けて、シャフト602とモータ601との間をその磁性流体シールユニット60を介して連結してもよい。
図1に示すように、密閉ケース400は、複数のケース支持壁404,404(本発明の「ケース保持部」に相当する)によって計量装置590の設置面から離して備えられており、密閉ケース400の外側で底壁405(以下、「ケース底壁405」という)の下方空間には上皿計量器520が配置されている。上皿計量器520は、その上面中央に、計量対象物を載せるための上皿521を備えている。上皿521は、ケース底壁405に下方から対向しており、上皿521上に配置された計量対象物から上皿521が受ける荷重、即ち、計量対象物の重量を、上皿計量器520に内蔵した公知な検出部524(例えばロードセル)によって検出可能となっている。
上皿521は、計量皿522と、その計量皿522の上面全体を覆うように計量皿522に載置された平板状のカバープレート523とから構成されている。
カバープレート523の上面にはテーブル形容器台510が配置されている。テーブル形容器台510は、平板状をなしたテーブル天井板512(本発明の「容器載置部」に相当する)と、テーブル天井板512から垂下した複数のテーブル脚部513,513とから構成されている。テーブル天井板512は、密閉ケース400の内部空間内に収容され、ケース底壁405の上方に離して水平配置されている。このテーブル天井板512の上面に容器530が載置可能となっている。テーブル脚部513は、ケース底壁405を間に挟んでテーブル天井板512と上皿521(カバープレート523)との間を連結し、テーブル天井板512から上皿521へと荷重を伝達可能な構成となっている。
詳細には図2に示すように、各テーブル脚部513は、その上下方向で、カバープレート523に一体に設けられた下側カプラ514(本発明の「下側脚部」に相当する)と、テーブル天井板512に一体に設けられた上側カプラ516(本発明の「上側脚部」に相当する)とに分割され、ケース底壁405を挟んで配置されたそれら下側カプラ514と上側カプラ516との間が、マグネットカップリングMC2によって非接触で磁気結合されている。
下側カプラ514は、カバープレート523の上面の互いに離れた位置から、ケース底壁405に向かって垂直に起立している。下側カプラ514は、円柱体の上端部に上端開放の円筒壁514Aを備えており、その円筒壁514Aの一部が円筒形の第1直動マグネット515によって構成されている。第1直動マグネット515は、周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだ複数のマグネットリング515M,515Mを同軸上に重ねると共に、その軸方向で異なる磁極が隣り合うようにマグネットリング515M同士の位相を固定してなる。第1直動マグネット515の内周面は円筒壁514Aの内周面に露出している。
この下側カプラ514の形状に対応して、ケース底壁405には、複数のサイド中空突部430が形成されている。サイド中空突部430は、ケース底壁405から起立しかつ同心上に配置された内筒壁430Aと外筒壁430Bの上端をドーナッツ形の円板430Cで閉塞しかつ内筒壁430Aの下端を円板430Dで閉塞してなり、外筒壁430Bと内筒壁430Aとの間に形成された筒形空間に、下側カプラ514の円筒壁514A(第1直動マグネット515)が直動可能に遊嵌している。
一方、テーブル天井板512の下面の互いに離れた位置からはケース底壁405(詳細には、サイド中空突部430)に向かって上側カプラ516が垂下している。上側カプラ516は、内筒壁430Aの内径よりも小径な円柱状をなしており、その上側カプラ516の下端部分が円筒形の第2直動マグネット517によって構成されている。第2直動マグネット517は、周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだ複数のマグネット円盤517M,517Mを同軸上に重ねると共に、その軸方向で異なる磁極が隣り合うようにマグネット円盤517M同士の位相を固定してなる。第2直動マグネット517の外周面は上側カプラ516の外周面に露出している。
上側カプラ516(第2直動マグネット517)は、サイド中空突部430における内筒壁430Aの内側に直動可能に遊嵌されており、これにより、第1直動マグネット515と第2直動マグネット517とが内筒壁430Aを挟んで磁気結合している。詳細には、第1直動マグネット515の各マグネットリング515Mの内側に、第2直動マグネット517の各マグネット円盤517Mがそれぞれ配置されて磁気結合している。これら、第2直動マグネット517と第1直動マグネット515とによってマグネットカップリングMC2が構成されている。なお、内筒壁430Aは、本発明の「脚部隔離筒壁」に相当し、上側カプラ516は、本発明の「軸形遊嵌部」に相当し、円筒壁514Aは、本発明の「筒形遊嵌部」に相当する。
密閉ケース400内のテーブル天井板512に載置された容器530及びその収容物の荷重は、マグネットカップリングMC2を介して、密閉ケース400の外部に配置された上皿計量器520の上皿521に伝達される。また、下側カプラ514の円筒壁514Aがケース底壁405の内筒壁430Aの外側の遊嵌しかつ、上側カプラ516が内筒壁430Aの内側に遊嵌したので、上皿521とテーブル天井板512の水平方向への相対移動(横ずれ)が禁止され、容器530を上皿計量器520の鉛直上方位置で上下動するように保持することができる。
ここで、ケース底壁405は、密閉ケース400の自重が上皿521に伝達されないように、上皿521の上方に常時離して配置されており、サイド中空突部430と下側カプラ514との間が、上下方向で常時離間している(図2参照)。
また、サイド中空突部430と上側カプラ516及びテーブル天井板512との間は上下方向で常時離間しており、サイド中空突部430でテーブル天井板512にかかる荷重を受けないようになっている。
なお、カバープレート523は非磁性材料で構成され比較的厚肉になっている。このカバープレート523により、上皿計量器520(詳細には、計量皿522及び検出部524)に対するマグネットカップリングMC2の磁気の影響を防止することが可能となっている。
また、図1における符号581は、容器530内に収容された収容物を加熱するためのランプヒータ181(赤外線ランプやハロゲンランプ)である。また、符号582は、容器530内の収容物の温度を計測するための温度センサである。
以上が、本実施形態の構成に関する説明であり、次に本実施形態の作用を説明する。容器530に収容した収容物の計量を行う場合には、テーブル形容器台510を上皿計量器520にセットしかつ容器530を載置していない状態で、上皿計量器520の表示を「0」に設定(風袋引き)しておき、その後、容器530をテーブル天井板512に載置する。
このとき、収容物を含む容器530(以下、「容器530全体」という)の重量は上皿計量器520にて計量される。即ち、テーブル天井板512に載置された容器530全体の荷重は、テーブル脚部513に備えたマグネットカップリングMC2(第1直動マグネット515及び第2直動マグネット517)を介して、密閉ケース400の外部下方(ケース底壁405の下方)に配置された上皿計量器520の上皿521へと伝達され、これにより、上皿計量器520にて容器530全体の重量が計量される。
ここで、サイド中空突部430と上側カプラ516及びテーブル天井板512との間は上下方向で常時離間しており、テーブル天井板512からサイド中空突部430に荷重がかからないようになっている。即ち、テーブル天井板512にかかる容器530全体の荷重は、上皿計量器520の上皿521だけに伝達されるようになっている。つまり、上側カプラ516と下側カプラ514との間では力の伝達を許容しつつ、密閉ケース400と上側カプラ516との間及び密閉ケース400と下側カプラ514との間では力の伝達が遮断されているので、容器530全体の重量を上皿計量器520にて計量することができる。このように、本実施形態の計量装置590によれば、上皿計量器520の動作の安定性を確保して、密閉ケース400内に配置された容器530及びその収容物の重さを計量することが可能になる。
[第1参考例]
以下、本発明の技術的範囲には含まれないが、本発明と同等の効果を奏する第1参考例に係る計量装置100を図3〜図14に基づいて説明する。図3に示すように、計量装置100は、外部から隔離された内部空間を有する密閉ケース400を備え、その密閉ケース400内に収容された受容器130に対して、例えば、粉粒体を供給する供給機10と、供給機10から受容器130に向けて排出された粉粒体の重量を計量するための計量器300とを備えている。
密閉ケース400は、例えば、その一側面に搬入出口401を有した箱形構造をなしており、搬入出口401を閉塞可能な扉402と、吸排気管403とを備えている。吸排気管403は密閉ケース400の内外を連通して側方に突出しており、図示しないポンプ又はガス供給源が接続可能となっている。密閉ケース400の内部空間は、気密状態に密閉可能であり、外部からのガスや異物の侵入を防ぐと共に、密閉ケース400内を恒温・恒湿状態又は大気とは異なる特殊な雰囲気(例えば、大気圧とは異なる所定の圧力又は大気とは異なるガス雰囲気)に保持することが可能となっている。
密閉ケース400の天井壁408(以下、「ケース天井壁408」という)の上面には、固定ベース310が固定載置されている。固定ベース310は、水平な天板311の両側縁部からケース天井壁408に向かって1対の側板が垂下したテーブル形をなしており、天板311の上面に、本発明に係る計量器300(例えば、電子天秤又は台秤)が載置されている(図4参照)。
密閉ケース400の外部上方には、ケース天井壁408から離間した状態で上下動可能な可動ベース320が備えられている。可動ベース320は、縦長の枠形構造をなしている。詳細には、可動ベース320は、鉛直方向に延びた1対の側板321,321の上端部同士を水平方向に延びた上水平盤322Aにて連結すると共に、1対の側板321,321の下端部同士を水平方向に延びた下水平盤322Bにて連結した構造になっている。
上水平盤322Aのうち水平方向のちょうど中央部は計量器300上面に備えた計量台301に載置されており、1対の側板321,321は、天板311を非接触で貫通して(図4参照)ケース天井壁408の上面近傍位置まで達している。そして、下水平盤322Bは、ケース天井壁408に上方から対向しかつケース天井壁408と平行に配置されている。
供給機10は、密閉ケース400の内部空間に収容されかつケース天井壁408から吊り下げられた供給ドラム11と、密閉ケース400の外側、より詳細には、ケース天井壁408を間に挟んで供給ドラム11の鉛直上方位置に配置されたモータ50とを備えている。
供給ドラム11は、粉粒体を収容可能かつ下方に排出可能となっている。図5に示すように、供給ドラム11は、大径筒部12と小径筒部13とを備え、大径筒部12の下端部と小径筒部13の上端部との間が中間段差壁14によって連結されている。小径筒部13は中間段差壁14の中心から鉛直下方に突出しており、大径筒部12に収容された粉粒体は、小径筒部13の内側を通って下方に排出される。
大径筒部12の上端は開放しており大径キャップ15にて閉じられている。大径キャップ15は大径筒部12の上端外周面に螺合されている。
大径キャップ15には上方を向いて常時開放の補給口15Aが形成されている。補給口15Aは大径キャップ15の中心からずれた位置に偏在して設けられており、この補給口15Aを介して後述する補給機200から粉粒体を受入可能となっている。
大径キャップ15の中心には中心孔15Bが貫通形成されている。中心孔15Bには、軸受け16が回転不能に嵌合されており、その軸受け16によって容器内回転シャフト20が回転可能に軸支されている。軸受け16は、例えば、「滑り軸受け」であって、軸心部を容器内回転シャフト20が摺接可能に貫通した筒形構造をなしており、上端部から側方に張り出したフランジが中心孔15Bの開口縁に係止されている。なお、軸受け16は、全体又は容器内回転シャフト20との摺動面が摩擦抵抗の小さい樹脂(具体的には、PTFE樹脂)で構成されている。また、軸受け16は、スラストベアリングでもよい。
大径キャップ15の上面で中心孔15Bの側方位置からは筒形螺合壁15Cが起立している。筒形螺合壁15Cの外周面には雄螺旋が形成されており、ここに筒形ジョイント17が螺合している。筒形ジョイント17は、両端開放の扁平円筒構造をなしている。
筒形ジョイント17の上面で周方向に互いに180度離れた位置には、ピン17P,17Pが起立形成されている。これに対し、ケース天井壁408の内面には、各ピン17P,17Pに対応して1対のピン孔408P,408Pが形成されており、それらピン17Pとピン孔408Pとが上下方向で凹凸係合している。これにより、ケース天井壁408に対する供給ドラム11の上下動を許容した状態でケース天井壁408に対する供給ドラム11の相対回転と水平移動とが禁止されている。なお、1対のピン17P,17Pと1対のピン孔408P,408Pとを凹凸係合させることにより、後述する補給機200に備えた補給パイプ213と大径キャップ15の補給口15Aとを同軸線上に位置決めすることができる。
容器内回転シャフト20は大径筒部12の中心軸に沿って延びている。容器内回転シャフト20の上端部は大径キャップ15を貫通して筒形ジョイント17より上方に突出しており、容器内回転シャフト20の下端部には、大径筒部12内に収容された供給回転部材21が固定されている。
大径筒部12の内部には、供給回転部材21の他に、容器内円板30及び上面待ち受けガイド31が収容されている。容器内円板30は、大径筒部12の下端部中央に配置されて大径筒部12の内側に遊嵌している。即ち、容器内円板30は大径筒部12の内径よりも小径でかつ、小径筒部13の内径よりも大径な平らな円板であり、中間段差壁14及び供給回転部材21の上方に僅かに離して水平に取り付けられている。容器内円板30は容器内回転シャフト20に固定されており、大径筒部12内で供給回転部材21と一体回転する。
上面待ち受けガイド31は、容器内円板30上に堆積した粉粒体を、容器内円板30と大径筒部12の側壁との間に形成された環状空間38(図5参照)に掻き出すために設けられている。上面待ち受けガイド31は、全体としてL字形状をなしている。即ち、大径キャップ15の上端壁から中間段差壁14に向かって垂下した垂直板31Aと、垂直板31Aの下端部から大径筒部12の中心に向かって延びて容器内円板30の上面に隣接して配置された水平板31Bとから構成されている。
図6に示すように、水平板31Bを容器内回転シャフト20の側面に当接させて取り付けることで、容器内円板30の回転方向(図6の実線矢印の方向)に対して水平板31Bが傾斜し、容器内円板30に乗った粉粒体が水平板31Bに案内されて容器内円板30の縁部に向けて押し出される。また、水平板31Bは、大径筒部12の側壁に隣接する位置まで延びており、押し出された粉粒体を環状空間38から中間段差壁14上に流下させる。さらに、容器内円板30と上面待ち受けガイド31とが協働して大径筒部12内の粉粒体を撹拌するので、大径筒部12内で粉粒体が固まったり、詰まったりすることを防ぐことができる。
中間段差壁14に堆積した粉粒体は、容器内円板30の外縁部と中間段差壁14との間で所定の安息角の斜面を形成して静止する。これにより、供給回転部材21が停止した状態では、中間段差壁14から小径筒部13に粉粒体が供給されないようになっている。
供給回転部材21が回転すると、中間段差壁14に堆積した粉粒体のうち、前記所定の安息角を有した斜面の部分が削り取られて小径筒部13内へと送り込まれる。
供給回転部材21は、図7及び図8に示すように容器内回転シャフト20が貫通した中央板部25から側方に片持ち梁状の集粉羽23と散粉羽24とが延びている。これら集粉羽23と散粉羽24とが中間段差壁14の上面に摺接しつつ水平面内で回転する。
図7に示すように集粉羽23は、供給回転部材21の回転方向(図7の実線矢印の方向)とは逆側に膨らむように複数の平板をつなげた屈曲構造をなす一方、散粉羽24は、供給回転部材21の回転方向に対して傾斜した状態で中央板部25から大径筒部12の側壁に向かって真っ直ぐ延びている。また、集粉羽23は、その先端が大径筒部12の側壁と隣接した位置まで延びており、散粉羽24はそれより短くなっている。
供給回転部材21が回転すると、中間段差壁14に堆積した粉粒体が集粉羽23によって中間段差壁14の中心側に誘導されて小径筒部13へと送り込まれる。また、小径筒部13に入らなかった粉粒体は、散粉羽24により中間段差壁14の外側に押し戻されて、次に集粉羽23が通過したときに小径筒部13内に取り込まれる。
供給回転部材21の中央板部25のうち集粉羽23の付け根部分25Aには、補助ガイド壁22が形成されている。補助ガイド壁22は、中央板部25から斜めに切り起こされており、集粉羽23による粉粒体の誘導方向(図7の点線矢印の方向)に向かって徐々に下るように傾斜している。そして、集粉羽23に誘導されてその基端部に達した粉粒体は、補助ガイド壁22によって小径筒部13へと強制的に落とされる。
図5に示すように、供給ドラム11のうち、小径筒部13の下端部には、スクリーン板33が着脱可能に取り付けられている。スクリーン板33は、図9及び図10に示すように薄肉の円板に、供給回転部材21の旋回方向と交差する方向に延びた複数のスリット33Aを貫通形成した構造をなす。詳細には、各スリット33Aは、スクリーン板33の中心から外側に向かうに従って、供給回転部材21の回転方向(図10の実線矢印の方向)の後方に向かうように湾曲して延びている。
各スリット33Aは、小径筒部13内に送り込まれた粉粒体同士が付着(架橋)して形成された粉粒体アーチにより閉塞されると共に、その粉粒体アーチが崩れた状態で粉粒体が通過可能な大きさになっている。なお、図示しないが、スリット33Aの形状が異なる複数種類のスクリーン板33が用意されており、計量装置100を使用する前に、粉粒体に適したスクリーン板33を任意に選択して取り付けることができるようになっている。なお、スリット33Aを有するスクリーン板33に替えて、多数の孔を有するパンチングメタル、エキスパンドメタル、織網を用いてもよい。
図5に示すようにスクリーン板33は、小径筒部13の外周面に螺合された支持ナット34によって小径筒部13の下端部に固定されている。図9に示すように、支持ナット34は、小径筒部13に螺合した螺合筒部34Aの下端部から中心に向かって鍔壁34Bが張り出した構造をなし、その鍔壁34Bと、小径筒部13の下端内周縁に形成された段差部13Aとの間で、スクリーン板33の外縁部が板厚方向で挟まれている。また、支持ナット34の外周面には有底の排出口キャップ35が螺合可能となっており、その排出口キャップ35によりスクリーン板33の下方(小径筒部13の下端開口)を封止可能となっている。
図8に示すように供給回転部材21には、集粉羽23及び散粉羽24の他に、中央板部25から下方に向かって延びた第1〜第3の旋回脚部26,27,28が一体に設けられている。図5に示すように、第1〜第3の旋回脚部26,27,28は、何れも小径筒部13の内側で旋回可能となっている。
図8に示すように、第1の旋回脚部26は対をなしており、間隔を空けて横並びに設けられている。第1の旋回脚部26は、中央板部25のうち散粉羽24の付け根部分25Bから延設されて、互いに平行な帯板状をなしている。第2の旋回脚部27は、中央板部25のうち集粉羽23の付け根部分25Aから延設されており、旋回方向の前方から見た幅が、第1の旋回脚部26より幅広の帯板状をなしている(図5参照)。これら第1及び第2の旋回脚部26,27は、互いに180度離れた位置に設けられており、図11及び図12に示すように、下方に向かうに従って供給回転部材21の旋回方向の後方へ向かうように斜めに延びている。なお、第1及び第2の旋回脚部26,27の傾斜は、鉛直方向に対して約30度が基本であるが、粉粒体特性に応じて変更してもよい。
図8に示すように、第3の旋回脚部28は、中央板部25のうち散粉羽24の付け根部分25Bから垂下しており、第1の旋回脚部26とほぼ同じ幅の帯板状をなしている。
図11に示すように、第1の旋回脚部26と第2の旋回脚部27は、長さが互いに異ならせてある。供給回転部材21の回転時には、第1の旋回脚部26の下端部がスクリーン板33の上面近傍(スクリーン板33の上面に接触しないすれすれ)を旋回する。これに対し、第2の旋回脚部27の下端部は、第1の旋回脚部26の下端部よりスクリーン板33の上方部分を旋回する。これら第1及び第2の旋回脚部26,27がスクリーン板33の上方を旋回することにより、スクリーン板33のスリット33Aを塞いだ粉粒体アーチが崩されて、スリット33Aから粉粒体が排出される。また、第3の旋回脚部28も第1の旋回脚部26と同様に下端部がスクリーン板33の上面近傍を旋回し、粉粒体アーチを崩してスリット33Aから粉粒体を排出させる。
例えば、供給回転部材21の回転速度が比較的低速の場合には、第2の旋回脚部27の移動に伴う押圧力が粉粒体アーチまで伝播せず、第1の旋回脚部26と第3の旋回脚部28だけが粉粒体アーチを崩す(図11に示す状態)。
これに対し、供給回転部材21の回転速度が比較的高速の場合には、第2の旋回脚部27の押圧力が粉粒体アーチまで伝播して粉粒体アーチが崩される。即ち、第1及び第2の旋回脚部26,27の両方と第3の旋回脚部28とが粉粒体アーチを崩す(図12の状態)。
このように、供給回転部材21の回転速度を大きくすることで、供給回転部材21の一回転当たりの排出量を増やすことができる。また、供給回転部材21の回転速度を大きくすることで、単位時間当たりの排出量を急激に増大させることができる。
また、供給回転部材21が回転すると第3の旋回脚部28は、小径筒部13の内周面の近傍を旋回する。これにより、小径筒部13の内周面に静電気等で付着した粉粒体を削ぎ落とすことができる。
ところで、供給回転部材21が固定された容器内回転シャフト20は、モータ50からトルクを受けて回転する。モータ50は、図5に示すように、可動ベース320に固定されてケース天井壁408の上方に離間した状態に保持されている。詳細には、可動ベース320の下水平盤322Bのうち、水平方向の中央部上面には、門形構造のモータ支持台330が設けられており、そのモータ支持台330のうち、下水平盤322Bに上方から対向したモータ固定板330Aの上面にモータ50が固定されている。
モータ50の下面からは出力シャフト52が突出しており、モータ固定板330Aを遊嵌状態で貫通している。
モータ50の出力シャフト52と容器内回転シャフト20との間を、密閉ケース400の気密を保持しつつ連結するために、ケース天井壁408には、磁性流体シールユニット60が備えられている。磁性流体シールユニット60は、ケース天井壁408から上方に向かって突出しており、可動ベース320の下水平盤322Bを遊嵌状態(非接触状態)で貫通してモータ固定板330Aの下面の近傍位置まで達している。
磁性流体シールユニット60は、ケース天井壁408に一体形成されて上下方向に延びた円筒形のハウジング61を有し、そのハウジング61の軸心に配置された回転シャフト62の上下両端部が、ベアリング63,63によってハウジング61に回転可能に軸支されている。また、回転シャフト62の外周面のうち1対のベアリング63,63で挟まれた部分には、磁性流体を回転シャフト62の周囲に固定した流体シールリングが設けられている。流体シールリングは、回転シャフト62の軸方向に複数段重ねて設けられており、これら複数段のシールリングによって、気密状態を保持した状態で回転シャフト62の回転が許容されている。なお、磁性流体シールユニット60の構造及び原理については公知(例えば、特許第3006780号公報参照)であるので、詳細な説明は省略する。
磁性流体シールユニット60のうち、回転シャフト62の上下両端には、先端開放の連結筒部62A,62Bが形成されている。上端の連結筒部62Aには、モータ50の出力シャフト52が挿入連結され、下端の連結筒部62Bには、容器内回転シャフト20の下端部が挿入連結されている。ここで、連結筒部62Aと出力シャフト52との間及び、連結筒部62Bと容器内回転シャフト20との間は、上下方向への相互の直動を許容しかつ回転を伝達するようになっている。具体的には、連結筒部62A,62Bの内周面と出力シャフト52の外周面及び容器内回転シャフト20の上端外周面には、それぞれスプラインが設けられており、それらスプライン同士が係合している。
つまり、モータ50のトルクを容器内回転シャフト20に伝達可能であり、ケース天井壁408に対する供給ドラム11及び可動ベース320の上下動が許容され、しかも、密閉ケース400の気密状態を保持することが可能となっている。なお、ピン17Pとピン孔408Pとの凹凸係合により、容器内回転シャフト20と回転シャフト62との芯出しを行うことができる。
さて、本参考例の計量装置100は、密閉ケース400内に収容された供給ドラム11とその内容物(粉粒体、供給回転部材21等)の重量を、密閉ケース400の外側に配置された計量器300にて計量可能とするために、以下の構成を備えている。具体的には、図3に示すように、密閉ケース400の内部空間には、ドラム保持プレート70が収容されている。ドラム保持プレート70は、供給ドラム11の外周面に係止されて側方に張り出している。ドラム保持プレート70は、円板の中央部に円孔70A(図5参照)を貫通形成したドーナッツ形の円板構造をなしており、その円孔70Aの内側に供給ドラム11の大径筒部12が嵌合すると共に、円孔70Aの周縁部に大径キャップ15の下端部が係止している。
図3に示すように、ドラム保持プレート70は、ケース天井壁408に下方から対向している。ドラム保持プレート70の上面で、互いに180度離れた位置には、雌形カプラ72,72が設けられている。雌形カプラ72は、ドラム保持プレート70の上面からケース天井壁408に向かって起立している。図13(A)に示すように、雌形カプラ72の上端部には、上端開放の円筒壁72Aが形成されている。また、円筒壁72Aの一部はインナーマグネット71によって構成されている。
インナーマグネット71は、図14に示すように周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだ複数のマグネットリング71M,71Mを同軸上に重ねると共に、その軸方向で異なる磁極が隣り合うように(図13(A)参照)マグネットリング71M同士の位相を固定してなる。インナーマグネット71の外周面は円筒壁72Aの外周面に露出している。
ケース天井壁408のうち、雌形カプラ72に対応した位置には、雌形カプラ72を直動可能に遊嵌したサイド中空突部415,415が形成されている。
サイド中空突部415,415は、ケース天井壁408のうち、磁性流体シールユニット60を中心にして互いに180度離れた位置に対をなして設けられている。各サイド中空突部415は、雌形カプラ72の上端側の外面形状に沿った円筒形状になっている。詳細には、ケース天井壁408から起立しかつ同心上に配置された内筒壁415Aと外筒壁415Bの上端をドーナッツ形の円板415Cで閉塞しかつ内筒壁415Aの下端を円板415Dで閉塞してなり、外筒壁415Bと内筒壁415Aとの間に形成された筒形空間に、雌形カプラ72の円筒壁72A(インナーマグネット71)が直動可能に遊嵌している。
可動ベース320の下水平盤322Bは、ケース天井壁408を挟んでドラム保持プレート70に上方から対向しており、その下水平盤322Bのうち、雌形カプラ72,72に対応した位置には、雄形カプラ74,74が備えられている。詳細には、図3に示すように、下水平盤322Bのうち、モータ支持台330を間に挟んだ両側には、円筒形のカバーハウジング324,324が備えられている。カバーハウジング324は、下水平盤322Bの上面から突出して下端開放かつ上端閉塞となっており、図13(A)に示すようにサイド中空突部415の上端部を内側に受容している。
図13(A)に示すように、カバーハウジング324の天井壁324Aの中央部からは、下方に向かって雄形カプラ74が垂下している。雄形カプラ74は円柱形状をなしてカバーハウジング324と一体になっており、その雄形カプラ74の下端部分が、アウターマグネット73にて構成されている。
アウターマグネット73は、図14に示すように周方向にS磁極とN磁極とが交互に並んだ複数のマグネット円盤73M,73Mを同軸上に重ねると共に、その軸方向で異なる磁極が隣り合うように(図13(A)参照)マグネット円盤73M同士の位相を固定してなる。アウターマグネット73の外周面は、雄形カプラ74の外周面に露出している。
そして、各雄形カプラ74,74が、各サイド中空突部415,415の内筒壁415A,415Aの内側に直動可能に遊嵌されインナーマグネット71とアウターマグネット73とが内筒壁415Aを挟んで磁気結合している。詳細には、図14に示すように、インナーマグネット71の各マグネットリング71Mの内側に、アウターマグネット73の各マグネット円盤73Mがそれぞれ配置されて磁気結合している。これらインナーマグネット71及びアウターマグネット73とで、マグネットカップリングMC1が構成されている。
そして、複数のマグネットカップリングMC1により、ドラム保持プレート70と可動ベース320(下水平盤322B)との間がケース天井壁408を間に挟んだ非接触な状態で連結され、供給ドラム11を重力に抗して密閉ケース400の天井壁408から吊り下げることが可能となる。また、供給ドラム11の収容物(粉粒体や供給回転部材21など)を含む供給ドラム11全体の重量の変化が、インナーマグネット71からアウターマグネット73へと伝達され、更に、アウターマグネット73に付与される供給ドラム11全体の重量の変化が、可動ベース320を介して計量器300に伝達される。これにより、計量器300により計量された重量の減少量を、供給ドラム11から密閉ケース400内の受容器130に向けて排出された粉粒体の重量として計量することが可能になっている。
ここで、図13(B)に示すように、複数のマグネットリング75M,75Mを重ねた補助マグネット75をカバーハウジング324の外側に嵌合して、その補助マグネット75と雌形カプラ72のインナーマグネット71とを磁気連結し、マグネットカップリングMC1の磁気連結力を補強してもよい。
なお、本参考例の計量装置100は、供給機10に粉粒体を補給するための補給機200を備えている。補給機200は、粉粒体を収容した補給ドラム211と、補給ドラム211から垂下してケース天井壁408を気密状態に貫通しかつ供給ドラム11内に挿入された補給パイプ213とを備え、補給ドラム211内に収容された排出回転ガイド(図示せず)をモータ250が回転駆動することで、粉粒体が補給パイプ213を通って供給ドラム11内に補給されるようになっている。補給ドラム211は、固定ベース310の天板311から垂下した吊下ブラケット312によって密閉ケース400の上方位置に吊り下げられている。
また、固定ベース310には補給ドラム211に粉粒体を補給するためのホッパー270及びシュート271が固定されている。ホッパー270とシュート271は一体となっており、ホッパー270が天板311の上方に配置されている。シュート271の途中には、2つのバルブ272,272が上下に並べて配置されており、補給パイプ213及び供給ドラム11を介して密閉ケース400の内部空間内と連通した補給ドラム211内を、気密状態に保持することが可能となっている。
本参考例の計量装置100の構成は以上である。この計量装置100を使用して、密閉ケース400内の受容器130に粉粒体を量り取る場合の動作について説明する。
まずは、粉粒体を収容した供給ドラム11を、密閉ケース400の搬入出口401から密閉ケース400内に入れてケース天井壁408に取り付ける。即ち、ドラム保持プレート70から起立した雌形カプラ72,72を、ケース天井壁408のサイド中空突部415,415に挿入すると共に、ピン17Pとピン孔408Pを凹凸係合させる。
すると、雄形カプラ74,74と雌形カプラ72,72との間にそれぞれ備えたマグネットカップリングMC1(アウターマグネット73とインナーマグネット71)が、ケース天井壁408を挟んで磁気結合して、供給ドラム11が密閉ケース400の内側でケース天井壁408から吊り下がった状態に保持される(図3参照)。
このとき、供給ドラム11の内容物(粉粒体や供給回転部材21など)を含む供給ドラム11全体の重量がインナーマグネット71からアウターマグネット73に伝達され、更に、アウターマグネット73から可動ベース320を介して計量器300に伝達される。
供給ドラム11をケース天井壁408から吊り下げたら、その真下位置に受容器130を置き、密閉ケース400の扉402を閉じて、密閉ケース400の内部空間を気密状態にする。その気密状態で、密閉ケース400内を所定の雰囲気(所定の温度、圧力、ガス雰囲気)に設定する。
密閉ケース400内の雰囲気が安定したら、内容物(粉粒体や供給回転部材21など)を含む供給ドラム11全体の重量を計量器300によって計量する。なお、このときの計量器300の表示が「0」になるように設定(風袋引き)を行ってもよい。
次いで、供給機10のモータ50をオンする。すると、磁性流体シールユニット60を介して出力シャフト52と連結された容器内回転シャフト20が回転し、供給ドラム11の内部で供給回転部材21が回転する。
供給回転部材21が回転すると、供給ドラム11の大径筒部12に収容された粉粒体が小径筒部13に掻き込まれ、スクリーン板33のスリット33Aを通って供給ドラム11の下方、即ち、密閉ケース400内の受容器130に向けて排出される。
供給ドラム11から粉粒体が排出されるに従い、供給ドラム11全体の重量は減少し、その重量の変化が、インナーマグネット71、アウターマグネット73及び可動ベース320を介して計量器300に伝達される。そして、計量器300にて計量された供給ドラム11全体の重量の減少量が、供給ドラム11からの粉粒体の排出量(受容器130への供給量)として制御装置90に取り込まれる。
ここで、制御装置90は、計量器300による検出結果(供給ドラム11全体の重量の減少量)に基づいてモータ50の回転速度をフィードバック制御する。これにより、粉粒体を一定量ずつ或いは、予め定めた所定量だけ受容器130に供給することができる。
このように、本参考例の計量装置100は、ドラム保持プレート70に雌形カプラ72,72を備えると共に、可動ベース320に雄形カプラ74,74を備え、雌形カプラ72,72に備えたインナーマグネット71,71と、雄形カプラ74,74に備えたアウターマグネット73,73とを、ケース天井壁408を挟んで密閉ケース400の内外で磁気結合してある。これにより、供給ドラム11が密閉ケース400内に収容された状態でケース天井壁408から吊り下げられかつ、粉粒体を含む供給ドラム11全体の重量がインナーマグネット71,71からアウターマグネット73,73に伝達される。そして、計量器300が、アウターマグネット73,73が固定された可動ベース320(下水平盤322B)と固定ベース310との間(より詳細には、可動ベース320と固定ベース310との間の荷重の伝達経路の途中)に配置されて、アウターマグネット73,73に付与される供給ドラム11全体の重量の変化、即ち、受容器130への粉粒体の供給量を、計量器300にて計量可能となっている。
このように、本参考例の計量装置100によれば、受容器130への粉粒体の供給量を計量するための計量器300を、密閉ケース400の外側に配置してあるから、密閉ケース400内の温度、圧力、ガス等の雰囲気状態により計量器300の動作が不安定になることは無い。つまり、計量器300の動作の安定性を確保して、密閉ケース400内に配置された供給ドラム11及びその収容物である粉粒体の重量を計量することが可能になる。
[第2参考例]
本参考例は、供給ドラム11をケース天井壁408から吊り下げた上記第1参考例の変形例である。上記第1参考例では、モータ50の出力シャフト52と容器内回転シャフト20との間が、磁性流体シールユニット60を介して連結されていたが、本参考例では、出力シャフト52と容器内回転シャフト20との間が、ケース天井壁408を間に挟んで磁気結合したマグネットカップリングMC3によって連結されている。また、マグネットカップリングMC3を設けたことに伴い、上記第1参考例におけるマグネットカップリングMC1,MC1が廃止されている。その他の構成については上記第1参考例と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図15に示すように、容器内回転シャフト20のうち、大径キャップ15の上面から突出した上端部には、雌形カプラ610が一体回転可能に固定されている。雌形カプラ610は、円柱部611の上部に円筒壁612を一体に備えた構造となっており、円柱部611の軸心を貫通した嵌合孔611Aに容器内回転シャフト20の上端部が回転不能に嵌合している。また、円筒壁612の一部がインナーマグネット71によって構成されている。
雌形カプラ610は、大径キャップ15の筒形螺合壁15Cに螺合されたキャップ形ジョイント170の内側に収容されている。キャップ形ジョイント170は、雌形カプラ610の軸方向(上下方向)への移動を禁止すると共に相対回転を許容している。また、キャップ形ジョイント170は、雌形カプラ610に対応した形状をなしている。
詳細には、キャップ形ジョイント170は、同心上に配置された内筒壁170Aと外筒壁170Bとを備えて、外筒壁170Bと内筒壁170Aの上端部同士をドーナッツ形の円環壁170Cで接合しかつ、内筒壁170Aの下端部を円板壁170Dで閉塞した構造になっている。そして、内筒壁170Aと外筒壁170Bとの間に形成された筒形空間に、雌形カプラ610の円筒壁612(インナーマグネット71)が相対回転可能な遊嵌状態で収容されている。なお、キャップ形ジョイント170の外周面に形成された段差面からはピン17P,17Pが起立形成されており、ケース天井壁408に形成されたピン孔408P,408Pに凹凸係合している。
ケース天井壁408のうち、モータ50の鉛直下方部分には、センター中空突部420が形成されている。図15に示すように、センター中空突部420は、密閉ケース400の上面から突出して、可動ベース320の下水平盤322Bを遊嵌状態(非接触状態)で貫通している。
センター中空突部420は、雌形カプラ610及びキャップ形ジョイント170に対応した形状をなしている。詳細には、センター中空突部420は、同心上に配置された内筒壁420Aと外筒壁420Bとを備え、外筒壁420Bと内筒壁420Aの上端部同士をドーナッツ形の円環壁420Cで接合すると共に、内筒壁420Aの下端部を円板壁420Cで閉塞した構造となっている。そして、このセンター中空突部420の内側空間に、キャップ形ジョイント170が上下方向に直動可能かつ回転不能な状態で遊嵌している。
モータ50の出力シャフト52には雄形カプラ615が固定されている。出力シャフト52と雄形カプラ615との間では回転を伝達可能である一方、上下方向への直動が禁止されている。雄形カプラ615は、出力シャフト52と嵌合した上端部が、その下側部分に比べて段付き状に大径となった円柱状をなしており、モータ50から鉛直下方に向かって延びている。また、雄形カプラ615の下端部がアウターマグネット73によって構成されており、アウターマグネット73は、雄形カプラ615の外周面に露出している。
そして、雄形カプラ615が、センター中空突部420の内筒壁420Aの内側に上下方向に直動可能に遊嵌され、インナーマグネット71とアウターマグネット73とがセンター中空突部420の内筒壁420Aと、キャップ形ジョイント170の内筒壁170Aとを間に挟んで磁気結合している。詳細には、図16に示すようにインナーマグネット71の各マグネットリング71Mの内側に、第1のアウターマグネット73の各マグネット円盤73Mがそれぞれ配置されて磁気結合させてある。これら、インナーマグネット71とアウターマグネット73とで、マグネットカップリングMC3が構成されている。
マグネットカップリングMC3により、雄形カプラ615と雌形カプラ610が一体回転可能に連結され、密閉ケース400の外部上方に配置されたモータ50のトルクを、供給ドラム11内の容器内回転シャフト20に伝達することが可能になっている。
また、マグネットカップリングMC3により、供給ドラム11を重力に抗して密閉ケース400の天井壁408から吊り下げた状態に保持することできる。そして、供給ドラム11の収容物(粉粒体や供給回転部材21など)を含む供給ドラム11全体の重量の変化が、インナーマグネット71からアウターマグネット73へと伝達され、アウターマグネット73に付与される供給ドラム11全体の重量の変化が、モータ50、モータ支持台330、可動ベース320を介して計量器300に伝達される。従って、計量器300により計量された重量の減少量を、供給ドラム11から密閉ケース400内の受容器130へと供給された粉粒体の重量として計量することが可能になっている。即ち、本参考例の構成でも、上記第1参考例と同等の効果を奏する。
なお、容器内回転シャフト20の回転時には、雌形カプラ610が筒形ジョイント17及び軸受け16に対して相対回転するので、それらの間の摩擦抵抗を軽減するために、キャップ形ジョイント170及び軸受け16を摩擦抵抗の小さい樹脂(例えば、PTFE)で構成したり、互いの摺接面間に摩擦抵抗を軽減する摺接部材を挟んでもよい。また、雌形カプラ610の外周面とキャップ形ジョイント170の外筒壁170Bとの間及び、雌形カプラ610の円筒壁612とキャップ形ジョイント170の内筒壁170Aとの間は、隙間を設けてもよい。
[第3参考例]
この第3参考例は、本発明の技術的範囲に含まれないが、本発明と同等の効果を奏する計量装置であって、図17に示されている。同図に示すように、本参考例の計量装置は、上皿計量器520と容器530の双方に、ケース底壁405を介して上下方向で反発し合うマグネット550,551取り付けて、それらマグネット550,551によって、マグネットカップリングMC4を構成したものである。以下、第1実施形態と同じ構成に関しては、同一符号を付して重複した説明は省略し、第1実施形態と異なる構成に関してのみ説明する。
上皿計量器520の計量皿522には、マグネット保持盤552が載置されている。マグネット保持盤552は、その上面中央にマグネット550を保持しており、マグネット保持盤552の下面と側面は磁気遮蔽用のケース553によって覆われている。マグネット550は平板状をなしており、ケース底壁405との間に隙間を開けて下方から対向している。また、マグネット550は、その板厚方向(上下方向)でSN極となっている。
一方、密閉ケース400の内部空間には、上面に容器530を載置可能な容器載置盤554が収容されている。容器載置盤554は、その中央部にマグネット551を保持しており、容器載置盤554の上面と側面とが磁気遮蔽用のケース555によって覆われている。また、マグネット551は平板状をなしており、ケース底壁405との間に隙間を開けて上方から対向している。また、マグネット551は、その板厚方向(上下方向)でSN極となっている。
図17に示すように、マグネット保持盤552に保持されたマグネット550と、容器載置盤554に保持されたマグネット551は、同じ磁極同士(例えば、S磁極同士)が対向するように配置されており、ケース底壁405を挟んで上下方向で反発し合っている。その反発力によって容器載置盤554がケース底壁405の上方に浮上するようになっている。
ここで、容器載置盤554を上下動可能かつ水平移動不能にガイドするために、ケース底壁405と容器載置盤554との間には、容器ガイドが備えられている。詳細には、ケース底壁405の内面から複数のガイドピン560,560が垂直に起立しており、それらガイドピン560,560が、容器載置盤554に形成されたガイド孔561,561に直動可能に挿入されている。
容器530及びその収容物を含む容器530全体、容器載置盤554及びマグネット保持盤552の合計重量は、マグネット550,551を介して上皿計量器520に伝達され、上皿計量器520にて重量を計測することが可能になる。そして、上皿計量器520による計量値の変化分を、容器530に収容された収容物の重量の変化量として計量することができる。このように、本参考例の構成でも、上記第1実施形態と同等の効果を奏する。
ここで、容器載置盤554が上下移動する際にガイドピン560,560とガイド孔561,561との間の摩擦抵抗が大きいと、上皿計量器520による計量値に誤差が生じ得る。そこで、ガイドピン560,560の外周面とガイド孔561,561の内周面との間でリテーナ(図示せず)によって保持された複数のボール(図示せず)を転動可能として、直動時の摩擦抵抗を軽減させてもよい。または、ガイド孔561,561の内周面とガイドピン560,560の外周面との間に磁気的反発力を発生させて、その反発力により、ガイドピン560,560の外周面とガイド孔561,561の内周面とが非接触な遊嵌状態で直動可能な構成にしてもよい。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記第1実施形態では、テーブル脚部513は、円筒形の下側カプラ514の内側に上側カプラ516を挿入し、下側カプラ514に備えた円筒形の第1直動マグネット515の内側に上側カプラ516に備えた第2直動マグネット517が配置されて、それらが水平方向で磁気結合した構成(図14参照)となっていたが、図18に示す構成としてもよい。即ち、テーブル脚部513をその上下方向の途中で軸方向と直交する切断面で切断して1対の脚部構成体513A,513Bを形成し、それら脚部構成体513A,513Bの上下方向で対向した対向面に、互いに反発し合うマグネット519,519を配置してもよい。この場合、上皿521を構成するカバープレート523とテーブル天井板512との水平方向への横ずれを規制するために、例えば、ケース底壁405の上下両面から突出して各脚部構成体513A,513Bの外側に直動可能に遊嵌した1対の直動ガイド筒509,509を設けておく。又は、図示しないが、直動ガイド筒509,509の替わりに、ケース底壁405にガイドポストを設けて、マグネット519,519に陥没形成した各ガイド孔にそれらガイドポストを直動可能に遊嵌してもよい。
(2)上記第1参考例における供給ドラム11の計量機構と、第1実施形態又は第3参考例における容器530の計量機構とを組みわせて、供給ドラム11から排出された粉粒体の重量と、受容器130に実際に受容された粉粒体の重量との両方を計量可能な構成としてもよい。同様に、上記第2参考例における供給ドラム11の計量機構と、第1実施形態又は第3参考例における容器530の計量機構とを組みわせてもよい。
本発明の技術的範囲には含まれないが、上記第1〜第3参考例の計量装置を以下のような構成にしてもよい。
(3)上記第1参考例では、上側カプラ516を円柱形とし、下側カプラ514に円筒壁514Aを形成して、その内側に上側カプラ516を直動可能に遊嵌した構成であったが、下側カプラを円柱状とし、上側カプラに下端開放の円筒壁を設けて、その内側に下側カプラが直動可能に遊嵌した構成としてもよい。
(4)上記第2参考例では、容器内回転シャフト20に雌形カプラ610が固定され、モータ50の出力シャフト52に雄形カプラ615が固定されていたが、容器内回転シャフト20に雄形カプラ615を固定し、モータ50の出力シャフト52に雌形カプラ610を固定してもよい。
(5)上記第1及び第2参考例では、補給機200を備えていたが、補給機を備えていない構成でもよい。また、補給ドラム211及び補給パイプ213を排除して、シュート271の下端部を直接、供給ドラム11の補給口15Aに挿入してもよい。
(6)上記第1及び第2参考例において、供給ドラム11は、内部に収容した収容物を下方に排出可能な構成であればよく、内部の粉粒体に外力を付与する供給回転部材を備えていなくてもよい。例えば、容器の下端部を円錐状又は角錐状にしてホッパー形状とし、粉粒体が自重落下するようにしてもよい。また、供給ドラム11内に備えた供給回転部材は、上記第1参考例の構成に限定するものではなく、例えば、スクリーン板33が無く、小径筒部13の下端部が全面開放になっている場合には、供給回転部材21における第1〜第3の旋回脚部26〜28を無くして、集粉羽23と散粉羽24だけを備えた構成としてもよい。
(7)上記第1及び第2参考例では、密閉ケース400に収容された1つの受容器130に対して粉粒体を供給する構成であったが、ケース底壁405上で水平移動可能な可動容器ホルダ(図示せず)を備えて、その可動容器ホルダの上面に複数の受容器130を保持させると共に、複数の受容器130が順次、供給ドラム11の真下位置になるように可動容器ホルダを移動及び位置決めすることで、供給ドラム11から複数の受容器130に粉粒体を所定量ずつ分配供給するようにしてもよい。なお、複数の受容器130の替わりにディープウェルプレートを可動容器ホルダに保持させて、各ウェルに分配供給するようにしてもよい。
(8)また、可動容器ホルダに、受容器130ではなく板状基材を保持させて、可動容器ホルダを移動させながら粉粒体を供給することで、板状基材の上面に粉粒体のラインを描くようにしてもよい。