JP5500163B2 - 画像処理システム、画像処理方法および画像処理プログラム - Google Patents
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Description
本発明は、画像処理システム、画像処理方法および画像処理プログラムに関し、特に、被写体の局所的な動きによって、仮定された幾何学的な変形モデルに基づいて計算された画像間の画素同士の対応関係が不適当となる領域を特定する画像処理システム、画像処理方法および画像処理プログラムに関する。
複数フレームの画像を用いてより高画質な画像を生成する方法として、例えば、複数フレーム劣化逆変換法がある(例えば特許文献1参照)。一般に、カメラで被写体を複数フレームに渡って撮影する場合、フレームごとにカメラ位置、姿勢は微小に変動する。このため、異なる画像間では被写体のサンプリング位置にサブピクセル単位のずれが生じる。なお、サブピクセル単位のずれとは、例えば、1画素未満の精度で表されるずれを意味する。このような微小なずれにより、被写体の同じ箇所の画素であっても、画像間で画素値が異なる。複数フレーム劣化逆変換法は、被写体の位置ずれを画素間隔以下の高い精度で推定することで、被写体の同一部分が撮像された複数の画像の画素値から、より高画質な画像を生成するものである。
この方法は、被写体の位置ずれを高い精度で推定する位置ずれ量推定処理と、そこで得られた位置ずれ量から高画質な画像を生成する高画質画像作成処理とを含んでいる。より詳しくこれらの処理について説明する。図20は位置ずれ量推定を行う画像の例を示す。図20(a)に示す画像101は、複数の入力画像のうち基準となる基準画像を示し、図20(b)に示す画像102は、基準画像以外の入力画像である。基準画像101におけるビル103および家104と、他の画像102におけるビル105および家106は同じ被写体である。画像102撮影時のカメラの位置や姿勢は、基準画像101撮影時とは異なる。そのため、画像101,102間で、同一の箇所を表す画素の位置にずれが生じる。このような複数画像における画素の位置ずれを推定する場合、予め幾何学的な変形モデルを仮定し、その変形モデルをもとに位置ずれ量を画素毎に算出する。入力画像間の画素の位置ずれ量を推定した後、それらの位置ずれ量を基に、複数の入力画像からより高画質な画像の画素値を求める。その手法として、例えば、ML法(Maximum Likelihood法)やMAP法(Maximum A Posteriori法)等が知られている(非特許文献1参照)。
また、被写体の中に動物体が存在する場合、その動物体は、仮定された変形モデルによって表される変化とは別の動きをする。そのため、位置ずれ推定量が不正確となる画素が生じる。そのような被写体を含む画像から、より高画質な画像を生成する場合、位置ずれ推定量が不正確な画素を検出し、その画素以外の画素を用いて、ML法やMAP法を用いる。位置ずれ推定量が不正確な画素の検出方法が非特許文献2に記載されている。非特許文献2に記載された方法では、画像間の画素の差分の大きさをもとに位置ずれ量が不正確な画素を検出する。
また、特許文献2にも、画像中の動き部分を考慮して高解像度画像を生成する方法が記載されている。特許文献2には、基準フレーム以外の対象画像中の動き判定を行う判定画素と、判定画素を囲む基準フレーム内の各画素との間で、輝度値の最大値、最小値を計算する。この最大値をVmaxとし、最小値をVminとする。また、判定画素の輝度値をVtestとする。また、閾値をΔVthとする。このとき、以下の2つの式を満たす場合には、判定画素に動きはないと判定し、そうでなければ動きがあると判定する。
Vtest>Vmin−ΔVth
Vtest<Vmax+ΔVth
Vtest<Vmax+ΔVth
Sung Cheol Park, Min Kyu Park, Moon Gi Kang, "Super-resolution image reconstruction: a technical overview", Signal Processing Magazine, IEEE, Volume 20, Issue 3, 2003年5月 p.21−36
Zoran A. Ivanovski, Ljupcho Panovski, Lina.J.Karam, "Robust super-resolution based on pixel-level selectivity", Proc. SPIE, Vol. 6077, 607707 2006年
被写体として動物体が存在している場合に動物体の動きを考慮しないと、各画素の位置ずれ量が高精度に求まらない。すると、複数の入力画像からより高画質な画像を得ることができない。図21は、図20に示すビルや家の他に被写体として月も撮影した場合の画像である。図21(a)は基準画像201を示し、図21(b)は他の画像202を示す。図20と同様の被写体については図20と同一の符号を付す。基準画像201中のビル103、家104は、他の画像201において一様に変形したビル105、家106として表される。しかし、基準画像201内の月207と、他の画像202内の月208との間には、月自身の移動による位置ずれが生じ、月の部分の変形は、予め仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変形、すなわち本例の場合には画像全体の一様な変形には従っていない。この部分では、位置ずれ推定量が不正確になるため、高画質な画像を得られない。
非特許文献2や特許文献2に記載された技術は、そのような位置ずれ推定量が不正確な領域を特定するものである。そのような領域を除外して、高画質画像を生成することで、動物体の動きを考慮しない場合よりも画質を高めることができる。
しかし、非特許文献2に記載された方法のように、対応する画像間の画素の単純な差分値を用いる方法では、隣接する画素間で画素値の変化が大きいと、本来、高画質画像生成処理に適した領域であっても、高画質画像生成処理に適当でない領域と判定されやすい。そのような領域まで除外してしまうことで、画素値の変化が激しい領域では画質改善効果が減少してしまうという問題があった。
この問題について、より詳しく説明する。一般に、カメラの位置や姿勢の微小な変動のために、被写体の同じ箇所を表す画素であっても画像間では画素値が異なる。この傾向は、隣接する画素同士で画素値の変化が大きい領域で特に顕著となる。よって、複数画像における対応する画素同士の単純な画素値の差分から不適切領域を判定すると、画素同士が同じ箇所を示していても、不適切領域と判定されてしまう。図22は、対応する画素間の画素値が大きく変化する例を示す。図22(a)は、黒色および白色の領域で構成される被写体301を示す。この被写体を異なるカメラ位置や姿勢で撮影し、画像302,303を得たとする。ここで、画像302,303の間には0.5画素分の位置ずれが生じているとする。画像302の右上の画素304は黒色である。一方、画像303の右上の画素305は、画像302と0.5画素ずれていることにより、黒色と白色の中間色である灰色となる。画素304,305は、いずれも画像301の同じ部分を表す画素であるが、画素304は黒色となり、画素305は灰色となるので両者の画素値の差分は大きい。このため、本来同じ部分を表す画素304,305等の領域は、高画質画像化処理に不適切な領域と判定されやすくなり、高画質画像化処理で用いられなくなってしまう。
また、特許文献2に記載された方法でも、本来、高画質画像化処理に適切な画素と判定すべきときに不適切な画素と判定する場合が生じ得る。図23は、そのような状態の例を示す説明図である。ここでは説明を簡単にするため、画素の座標を1次元で示す。図23に示す横軸はその座標軸であり、縦軸は画素の輝度値を表す。また、丸は基準画像の画素を表し、四角形は他の画像の画素を表す。ここでは、画素150が判定画素であり、画素160〜162が画素150を囲む画素であるとする。図23(b)は、動き画像でないと判定される領域を示す。図23(b)に示すように、画素162の輝度値をVminとし、画素160の輝度値をVmaxとすると、(Vmin−ΔVth)〜(Vmax+ΔVth)の範囲内に、判定画素の輝度値が含まれていなければ、判定画素は不適切領域の画素と判定される。よって、図23に示す判定画素150は、不適切領域の画素と判定される。しかし、判定画素150の輝度値は、画素160に近く、画素150は高画質画像化処理に適切な画素と言える。特許文献2に記載された方法では、このような画素150についても高画質画像化処理に不適切な画素を判定してしまう。
また、以上の説明では、複数の入力画像から高画質画像を生成する場合を例に説明したが、その他の場合であっても、仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従わない局所的な領域を特定することが要求されることもある。
そこで、本発明は、仮定された変化に従わない局所的な領域を高い精度で判定することができる画像処理システム、画像処理方法および画像処理プログラムを提供することを目的とする。
本発明による画像処理システムは、基準画像に対する仮定された変化に従っていない局所領域の有無を判定される画像である対象画像と基準画像との位置ずれにおける位置ずれ量を計算する位置ずれ量計算手段と、位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算し、対応画素差分ベクトルと、予め定められた空間内における基準画像の画素に応じた楕円体とに基づいて、対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定する画素演算手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明による画像処理方法は、基準画像に対する仮定された変化に従っていない局所領域の有無を判定される画像である対象画像と基準画像との位置ずれにおける位置ずれ量を計算し、位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算し、対応画素差分ベクトルと、予め定められた空間内における基準画像の画素に応じた楕円体とに基づいて、対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定することを特徴とする。
また、本発明による画像処理プログラムは、コンピュータに、基準画像に対する仮定された変化に従っていない局所領域の有無を判定される画像である対象画像と基準画像との位置ずれにおける位置ずれ量を計算する位置ずれ量計算処理、および、位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算し、対応画素差分ベクトルと、予め定められた空間内における基準画像の画素に応じた楕円体とに基づいて、対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定する画素演算処理を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、仮定された変化に従わない局所的な領域を高い精度で判定することができる
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。以下の説明では、複数のカラー画像が入力され、カラー画像中で、仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従わない局所的な領域を特定する場合を例にして説明する。
実施形態1.
図1は、本発明の第1の実施形態の画像処理システムの例を示すブロック図である。本実施形態の画像処理システムは、プログラム制御により動作するコンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)400と、画像入力手段410と、画像出力手段420とを備える。また、コンピュータ400は、位置ずれ量推定手段401と、不適切領域判定手段402と、画像復元手段403とを有する。さらに、不適切領域判定手段402は、許容領域計算手段404と、画像差分計算手段405と、不適切領域抽出手段406と、不適切領域記憶手段407とを含む。
図1は、本発明の第1の実施形態の画像処理システムの例を示すブロック図である。本実施形態の画像処理システムは、プログラム制御により動作するコンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)400と、画像入力手段410と、画像出力手段420とを備える。また、コンピュータ400は、位置ずれ量推定手段401と、不適切領域判定手段402と、画像復元手段403とを有する。さらに、不適切領域判定手段402は、許容領域計算手段404と、画像差分計算手段405と、不適切領域抽出手段406と、不適切領域記憶手段407とを含む。
また、画像入力手段410は、基準画像入力手段411と、対象画像入力手段412とを有する。画像入力手段410に入力される画像の数をK枚とする。画像毎に画像番号k(k=1,・・・,K)を割り当て、各画像を画像番号で区別するものとする。また、各入力画像の画素数は等しく、1つの画像中の各画素を画素番号iで識別した場合、画像番号kの画像のある画素iの画素値を要素とするベクトルをxkiと表すこととする。例えば、画像がYUV信号で表現されている場合、画像番号kの画素iの画素値を要素とするベクトルxkiは、xki=(Yki,Uki,Vki)tという3次元ベクトルで表すこととする。Ykiは、i番目の画素のY信号(輝度)であり、Uki,Vkiは、i番目の画素のU信号、V信号(色差信号)である。なお、tは転置行列を意味する。
ここでは、画像がYUV信号で表現されている場合を例示したが、画像が他の形式で表現されていてもよい。例えば、RGB形式で表現されていてもよく、その場合、xkiはR,G,Bの各成分を要素とする3次元ベクトルである。ベクトルxkiの次元は3次元に限定されない。例えば、画像がグレースケールで表現される場合、ベクトルxkiは1次元ベクトルとなる。また、画像が、マルチスペクトル画像やハイパースペクトル画像である場合、ベクトルxkiは3次元より大きな多次元ベクトルとなる。入力画像における個々の画素がr個の信号で表現されているとすると、色空間はr次元空間となり、ベクトルxkiはr次元ベクトルとなる。以下、画像がYUV形式で表現されている場合を例にする。
図1に示す各手段について説明する。
ここで、位置ずれ量推定計算の際に基準となる画像を基準画像と記す。また、基準画像に対して画素がどれだけずれているかを計算される画像を対象画像と記す。画像入力手段410に入力されるK枚の画像のうち、1つが基準画像となり、残りの画像が対象画像である。K枚の入力画像のうち、どの画像を基準画像としてもよいが、本実施形態では、先頭の画像(k=1の画像)を基準画像とする場合を例にする。
ここで、位置ずれ量推定計算の際に基準となる画像を基準画像と記す。また、基準画像に対して画素がどれだけずれているかを計算される画像を対象画像と記す。画像入力手段410に入力されるK枚の画像のうち、1つが基準画像となり、残りの画像が対象画像である。K枚の入力画像のうち、どの画像を基準画像としてもよいが、本実施形態では、先頭の画像(k=1の画像)を基準画像とする場合を例にする。
基準画像入力手段411には、位置ずれ量推定計算の際に基準となる基準画像が入力され、基準画像入力手段411は、その基準画像を記憶する。対象画像入力手段412には、対象画像が入力され、対象画像入力手段412はその対象画像を記憶する。
位置ずれ量推定手段401は、基準画像入力手段411に入力された基準画像の画素値と、対象画像入力手段412に入力された対象画像の画素値とに基づいて、両者の相対的な位置ずれ量をサブピクセル精度(1画素未満の精度)で計算し、その位置ずれ量を記憶する。この位置ずれは、仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化で生じる位置ずれである。また、位置ずれ量推定手段401は、基準画像の画素をどのような位置に変動させることで対象画像のようになるかという変換方法も併せて特定してもよい。
基準画像を基準とする対象画像の変動は、平行移動、回転移動等の一様な幾何学的な変形モデルや、あるいはBスプライン関数等の補間関数によって表される非一様変形な幾何学的な変形モデル、あるいはそれらの幾何学的な変形モデルの組み合わせで表される。すなわち、仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化の態様には、画像全体の一様な変化や、画像全体の非一様な変化がある。それらの各種変動毎に、画像の変換方法および変動量を表すパラメータを予め位置ずれ量推定手段401が記憶し、その情報を用いて位置ずれ量を推定してもよい。例えば、位置ずれ量推定手段401が基準画像をそれぞれの変動方法で変換し、変換後の画像の画素値と対象画像の画素値との差を画素毎に計算して、その差分の総和を求める。そして、その総和が最小となるときの変換方法および変動量を特定することによって位置ずれ量を定めてもよい。
または、幾何学的な変形モデル(基準画像に対する変換方法の種類)については予め定めておき、位置ずれ量推定手段401は、その変形モデルにおける変換量(すなわち位置ずれの変動量)を推定してもよい。例えば、カメラ位置の違いに基づく基準画像と対象画像との位置ずれは、平行移動等の予め定めておいた変換方法で表せるものとし、位置ずれ量推定手段401は、その変動量(例えば平行移動量)を推定してもよい。この場合、位置ずれ量推定手段401は、変換後の基準画像の画素の画素値と対象画像の画素値との差分の二乗和が最小となるような変動量を、例えば勾配法などを用いて計算し、その変動量を示すパラメータを特定することによって位置ずれ量を定めてもよい。このように位置ずれ量を特定する方法は、以下に示す参考文献1に記載されている。
[参考文献1]
Bruce D.Lucas, Takeo Kanade, “An Iterative Registration Technique with an Application to Stereo Vision”, Proceedings of Imaging Understanding Workshop, 1981年,pp.121-130
Bruce D.Lucas, Takeo Kanade, “An Iterative Registration Technique with an Application to Stereo Vision”, Proceedings of Imaging Understanding Workshop, 1981年,pp.121-130
以下、幾何学的な変形モデルは予め定められており、位置ずれ量推定手段401が、その変形モデルにおける変動量を推定する場合を例にして説明する。すなわち、基準画像から対象画像への変換方法自体は予め既知であり、変動量に関する推定を行う場合を例にする。
また、位置ずれ量推定手段401は、基準画像からの位置ずれ量を、個々の対象画像毎に求める。
不適切領域判定手段402は、基準画像入力手段411に記憶された基準画像の画素値と、位置ずれ量推定手段401で得られた画像間の位置ずれ量とを用いて、対象画像毎に、高画質画像生成処理に不適切な領域を特定し、その領域を記憶する。
許容領域計算手段404は、基準画像入力手段411に入力された基準画像の画素値を用いて、許容領域を計算し記憶する。許容領域とは、対象画像中の画素が仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従っている領域の画素であるか否かを判定するための色空間内の領域である。本例では、前述のように、幾何学的な変形モデルは予め仮定されている。許量領域は、基準画像の個々の画素毎に定められる。基準画像との位置ずれを解消するように対象画像を補正し、補正したときの対象画像の画素に最も近い位置にある基準画像中の画素を特定することにより、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付けたとする。このとき、基準画像中の画素に対応する対象画像中の画素の画素値が示す色空間での位置が、その基準画像中の画素の許容領域に含まれれば、その対象画像中の画素は、予め仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従っている領域(換言すれば固定物体の移動等による局所的変動が生じていない領域)の画素であると言うことができる。許容領域計算手段404は、基準画像の画素毎にこのような許容領域を計算する。なお、上記のような対象画像の補正(位置ずれを解消する補正)は、許容領域計算とは別に行われ、許容領域の計算自体では対象画像を用いない。
図2は、許容空間の例を示す説明図である。図2に示す色空間において、位置1403(x1i)は、基準画像中の一つの画素の画素値が示す色空間内の位置である。楕円体1401は、この基準画像の画素について求めた許容領域である。また、位置1402(xkj)は、対象画像中の画素が示す色空間内の位置である。位置1402は、許容領域1401内に存在するので、その対象画像中の画素は、予め仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従っている領域であると判断されることになる。また、対象画像中の画素の画素値が示す色空間内の位置が、図2に示す位置1404(xkl)であるとすると、位置1404は許容領域1401の外側なので、その対象画像中の画素は、予め仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従っている領域でないと判断されることになる。
許容領域計算手段404は、基準画像入力手段411に入力された基準画像の画素を順に選択し、画素毎に許容領域を計算する。許容領域計算手段404は、画素を選択すると選択した画素における最大変化ベクトルを求める。さらに、許容領域計算手段404は、中心軸方向の半径(以下、中心軸半径)が最大変化ベクトルの大きさとなり、中心軸の方向が最大変化ベクトルと同方向である楕円体を許容領域とする。なお、n次元色空間上のn次元楕円体はn本の主軸を有するが、中心軸以外のn−1本の各軸方向の半径は予め定めておく。また、中心軸は、n次元楕円体のn本の主軸のうち、主軸方向の半径が最も長い軸である。最大変化ベクトルの大きさが、予め定められたn−1本の各軸方向の半径よりも小さい場合、許容領域計算手段404は、予め定められた半径のうち最大の長さを、中心軸半径とする。例えば、図2に例示する3次元楕円体を定める場合、短軸半径は予め定めておく。そして、許容領域計算手段404は、最大変化ベクトルの大きさが長軸半径となる領域を許容領域と定める。このとき、最大変化ベクトルの大きさが短軸半径よりも小さければ、長軸半径を短軸半径と同じ値とした楕円体を許容領域と定める。
図3は、最大変化ベクトルを示す説明図である。図3(a)は、基準画像から選択した画素iおよび、画素iに隣接する周囲の画素である。選択した画素iの周囲には、図3(a)に示すように8個の画素がある。許容領域計算手段404は、選択した画素iとその周囲の各画素との間で、差分ベクトルを求める。許容領域計算手段404は、差分ベクトルとして、画素iの周囲の画素の画素値を要素とするベクトルから、画素iの画素値を要素とするベクトルを減算したベクトルを求める。例えば、図3(a)に示す画素i,jのベクトルをそれぞれx1i,x1jとすると、許容領域計算手段404は、差分ベクトルとしてx1j−x1iを求める。なお、色空間において、画素iの画素値を座標値とする位置から、画素iの周囲の画素の画素値を座標値とする位置までの方向を画素値勾配と呼ぶ。上記の差分ベクトルの方向は画素値勾配であるということができる。図3(a)に示すように、周囲の画素が8個ある場合には、許容領域計算手段404は、8個の差分ベクトルを求めることになる。許容領域計算手段404は、差分ベクトルのうち、大きさが最大となる差分ベクトルを特定する。このベクトルを、最大変化ベクトルと記す。なお、選択した画素の周囲の画素のうち、最大変化ベクトルをなす画素を最大変化画素と記す。
許容領域計算手段404が求める差分ベクトルは、基準画像における画素とその周囲の画素との間における差分ベクトルであり、隣接画素間差分ベクトルということができる。
図3に示す例では、画素jが最大変化画素であるものとする。選択した画素の画素値が示す色空間(本例ではYUV空間)内の位置を位置1703とする(図3(b)参照)。また、最大変化画素jの画素値が示す色空間内の位置を位置1706とする(図3(b)参照)。この場合、最大変化ベクトルは、図3(b)に示すベクトル1705となる。基準画像中の画素iについて求めた最大変化ベクトルをΔx1iと記す。
許容領域計算手段404は、選択した画素iの画素値が示す色空間内の位置を中心とし、最大変化ベクトルΔx1iの大きさを中心軸半径とし、中心軸の方向が最大変化ベクトルと同方向である楕円体を表すパラメータを計算し、そのパラメータを記憶する。図2に例示する3次元楕円体では、長軸が中心軸となる。
許容領域計算手段404は、楕円体を許容領域とする。このことは、選択した画素iの画素値が示す色空間内の位置を中心とし、その中心から許容領域の中心軸上の各頂点までの距離が等しくなるように許容領域を特定することを意味する。すなわち、楕円体の中心点から中心軸方向への広がりに偏りがない。例えば、図3(a)に示す例において、画素iを囲む画素のうち、画素j以外の画素値が画素iに近い画素値であっても、一方の長軸が長く他方の長軸を短く定めることはない。
最大変化ベクトルの方向は、選択する画素毎に異なる。また、画素iとその周囲の画素との間での画素値の変化が大きいほど、最大変化ベクトルも大きくなる。そのため、許容領域計算手段404は、基準画像中の画素毎に、最大変化ベクトルの方向や大きさに応じた許容範囲を定める。
ここでは、選択した画素iの画素値が示す色空間内の位置を楕円体の中心とし、最大変化ベクトルによって楕円体の中心軸の方向および中心軸半径を定める場合を示した。他の方法で、許容領域となる楕円体を定めてもよい。例えば、許容領域計算手段404は、選択した画素iおよびその周囲の8画素の画素値の平均を求める。例えば、YUV形式の画素であるならば、選択した画素およびその周囲の画素におけるY信号の平均値、U信号の平均値、V信号の平均値を計算する。そして、許容領域計算手段404は、そのY,U,V信号の各平均値が示す色空間内の位置を楕円体の中心位置と定めてもよい。さらに、許容領域計算手段404は、共分散行列を計算し、主成分分析により、第一主軸(中心軸)の方向と、第1主成分得点を求める。許容領域計算手段404は、中心軸半径の大きさが得られた第1主成分得点の中で最大のものであるものとして楕円体(許容領域)を定める。
また、主成分分析を用いて許容領域を定める方法として、以下のような方法を採用してもよい。この方法では、上記の場合と同様に、許容領域計算手段404は、選択した画素iおよびその周囲の8画素の画素値の平均を求め、各平均値が示す色空間内の位置を楕円体の中心位置と定める。そして、許容領域計算手段404は、共分散行列を計算し、主成分分析により、第n主軸と第n主成分得点を求め、楕円体の第n本目の軸方向を、第n主軸の方向として決定する。さらに、第n主成分得点のうち最も大きいものをtnとするとき、第n本目の軸の方向の半径をtn+Lとする。画素値がN次元である場合、n=1,,・・・,Nである。例えばYUV画像ではN=3であり、nは1から3までの値をとる。また、Lは半径の大きさを決定する定数であり、予め定められている。
画素差分計算手段405は、位置ずれ量推定手段401が推定した位置ずれを解消するように対象画像を補正する。位置ずれ量推定手段401は位置ずれ量を推定しているので、画素差分計算手段405は、その位置ずれ量をなくすように、基準画像から対象画像への変換の逆変換を行って、位置ずれを解消したときの対象画像の画素位置を求めればよい。そして、画素差分計算手段405は、補正後の対象画像中の画素に対応する基準画像中の画素を特定し、対応する画素の画素値が示すベクトル(画素値を要素とするベクトル)の差分ベクトルを計算する。
画素差分計算手段405が計算する差分ベクトルは、基準画像と対象画像との間において対応する画素の差分ベクトルであり、対応画素差分ベクトルということができる。
位置ずれ量推定手段401はサブピクセル精度で位置ずれ量を推定している。従って、その位置ずれを解消するように対象画像を補正したとき、補正後の対象画像の画素と、基準画像の画素とは合致するとは限らない。図4は、補正後の対象画像の画素と基準画像の画素とを示す説明図である。図4は、画像中で画素がどの位置に存在するかを示す2次元平面を表している。丸で示した画素は、基準画像の画素である。三角形で示した画素は、補正後の対象画像の画素であり、同様に四角形で示した画素も補正後の他の対象画像の画素である。サブピクセル精度で推定した位置ずれを解消するように補正しているので、図4に示すように、各対象画像の画素は、基準画像の画素に一致するとは限らない。画素差分計算手段405は、補正後の対象画像の画素の位置(画像中における位置)に最も近い基準画像中の画素を特定し、その2つの画素が対応していると定める。この結果、対象画像の画素と基準画像の画素との対応関係が定まる。そして、対応付けた各画素の画素値を要素とするベクトル(色空間におけるベクトル)の差分ベクトルを計算する。例えば、画素差分計算手段405は、図4に示す対象画像中の画素1501に最も近い基準画像中の画素1502を特定し、画素1501,1502を対応付ける。そして、画素差分計算手段405は、画素1501の画素値を要素とするベクトルから、画素1502の画素値を要素とするベクトルを減算した差分ベクトルを計算する。画素差分計算手段405は、各対象画像の各画素について差分ベクトルを計算する。
なお、画素差分計算手段405は、直接差分ベクトルを計算する代わりに、対象画像中の画素位置における画素値を基準画像の画素から補間して求め、その補間により求めた画素値を要素とするベクトルと、基準画像中の画素値が示すベクトルとの差分ベクトルを計算してもよい。例えば、図4に示す画素1501における画素値を、基準画像の画素値を用いてbilinear補間やbicubic補間によって計算してもよい。そして、その画素値を要素とするベクトルと画素1502の画素値を要素とするベクトルとの差分ベクトルを計算してもよい。
不適切領域抽出手段406は、画素差分計算手段405で得られた許容領域を用いて、対象画像中の各画素が予め仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従っていない領域の画素であるか否かを判定する。より具体的には、不適切領域抽出手段406は、対象画像中の画素に対応する基準画像中の画素について求めた許容領域と、その二つの画素について求めた差分ベクトルとを用いて、対象画像中の画素の画素値が示す色空間での位置が許容領域外であるか否かを判定する。対象画像中の画素の画素値が示す色空間での位置が許容領域外であるならば、不適切領域抽出手段406は、その対象画像中の画素は、予め仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従っていない領域の画素であると判定する。一方、対象画像中の画素の画素値が示す色空間での位置が許容領域の内部あるいは領域上であるならば、不適切領域抽出手段406は、その対象画像中の画素は、予め仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従っている領域の画素であると判定する。
予め仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従っていない領域であるということは、高画質画像生成に不適切な領域であることを意味する。この領域を単に不適切領域と記す。また、予め仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従っている領域であるということは、高画質画像生成に適切な領域であることを意味する。この領域を単に適切領域と記す。
不適切領域記憶手段407は、不適切領域抽出手段406で計算された不適切領域の画素の番号を記憶する。この画素の番号は、画像中における画素を識別するための画素番号であり、予め画素毎に定めておけばよい。不適切領域抽出手段406が、不適切領域の画素と判断したときに、その画素番号を不適切領域記憶手段407に記憶させてもよい。また、画素番号以外の態様で、不適切領域の画素を特定するための情報を記憶させてもよい。なお、画素番号を記憶する代わりに、各画素について、不適切領域抽出手段406が、対象画像中の画素が不適切領域に該当するか否かの計算結果から、その画素が画像復元手段403で使用されるべき適切領域であるかに関する信頼度を計算し、不適切領域記憶手段407がこれを記憶してもよい。
画像復元手段403は、位置ずれ推定手段410が計算した位置ずれ推定量と、不適切領域記憶手段407に記憶された不適切領域の画素番号と、画像入力手段410に記憶された複数の画像の画素値とに基づいて、より高画質な画像を復元する。この高画質な画像を復元画像と記す。画像復元手段403についてより具体的に説明する。K枚の入力画像におけるk枚目(kは1〜Kの整数)の入力画像の画素値のうち輝度値(YUV形式のY信号)のみを所定順序に並べた列ベクトルをIkとする。各入力画像における画素数をNとすると、Ikは(Yk1,Yk2,・・・,Yki,・・・,YkN)tというN次元ベクトルとなる。
また、画像復元手段403により復元される復元画像の輝度値(YUV形式のY信号)のみを所定順序に並べた列ベクトルをベクトルTとする。復元画像は、入力画像よりも高解像度の画像(すなわち画素数が多い画像)であり、復元画像の画素数をMとする。ここで、M>Nである。ベクトルTは、M次元ベクトルである。
なお、IkやTにおいて輝度値を並べる順序は、例えばラスタスキャン順でもよく、あるいは他の順序でもよい。
画像復元手段403は、以下に示す式(1)で表される評価関数E[T]の値が最小となるベクトルTを求めることによって、復元画像の各画素の輝度値(Y信号)を求める。
式(1)において、D,B,Qは予め定められた行列である。D,Bは、それぞれダウンサンプリング、カメラボケを表すローパスフィルタを表す行列である。Qは、ハイパスフィルタを表す行列である。Mkは、復元画像に対する幾何学的変形を表す行列であり、具体的には、基準画像に対する対象画像の幾何学的な変形(例えば平行移動や回転移動)を復元画像に施す変換を表す行列である。画像復元手段403は、位置ずれ量推定手段401に推定された位置ずれ量を復元画像に生じさせる行列Mkを定めればよい。なお、Mk自体は画像の拡大や縮小を伴うものではなく、復元画像の画素数を入力画像の画素数に減少させて画像を縮小することは、行列Dによって表される。従って、DとMkとの組み合わせにより、対象画像の画素値(本例では輝度値)と、復元画像の画素値との対応関係が定められる。
また、式(1)における行列Skは、対角行列であり、画像復元手段403は、Skの対角成分を以下のように定める。すなわち、画像復元手段403は、入力画像のi番目の画素が不適切領域に該当する場合、Skのi番目の対角成分を0と定め、入力画像のi番目の画素が適切領域に該当する場合、Skのi番目の対角成分を1と定める。入力画像のi番目の画素が適切領域に該当するか不適切領域に該当するかは、例えば、そのi番目の画素の画素番号が不適切領域記憶手段407に記憶されているか否かによって判定すればよい。ただし、kが基準画像を意味する場合(すなわちk=1の場合)、基準画像の画素については不適切領域であるか適切領域であるかの判定を行っていないので、画像復元手段403は、Skの対角成分を全て1とする。
式(1)の右辺の第一項は、誤差項と呼ばれる項であり、復元画像の輝度値(ベクトルT)に位置ずれ補正、カメラボケ、ダウンサンプリングを施したときの値と実際に得られているk枚目の輝度値(ベクトルIk)との差を最小にするための項である。式(1)の右辺の第二項は正則化項と呼ばれるものであり、数値的に計算が不安定になるのを防ぐための項である。また、αは正則化項の強さを表す重みである。
画像復元手段403は、式(1)の評価関数E[T]を最小化する最適化手法として、例えば、共役勾配法やガウスニュートン法を用いればよい。画像復元手段403は、共役勾配法やガウスニュートン法を用いてE[T]が最小値に十分収束するまで計算を行い、ベクトルT(すなわち復元画像の各Y信号)を求めればよい。
一方、画像復元手段403は、復元画像の色差成分、すなわち復元画像の各画素のU信号およびV信号については、以下のように求めればよい。すなわち、画像復元手段403は、入力画像のうち基準画像に対してbilinear補間やbicubic補間を行うことによって拡大し、その拡大画像における各画素のU信号およびV信号を、復元画像における各画素のU信号およびV信号とすればよい。
また、ここでは基準画像を拡大する場合を例にして説明したが、画像復元手段403は、任意の一枚の対象画像を拡大してもよい。この場合、画像復元手段403は、対象画像に対してbilinear補間やbicubic補間を行うことによって拡大する。そして、その拡大画像からU信号のみを抽出し所定の順番(例えばラスタスキャン順)に並べた列ベクトルを作成し、前述の変換行列Mkにその列ベクトルを乗じ、その結果得られるベクトルに含まれる各要素の値を復元画像の各画素のU信号とする。また、画像復元手段403は、同様に、拡大画像からV信号のみを抽出し所定の順番に並べた列ベクトルを作成し、前述の変換行列Mkにその列ベクトルを乗じ、その結果得られるベクトルに含まれる各要素の値を復元画像の各画素のV信号とする。
ここでは、基準画像または対象画像を補間して得た拡大画像に基づいて復元画像のU,V信号を定める場合を説明したが、U信号およびV信号を輝度値(Y信号)と同様に計算してもよい。すなわち、k枚目(kは1〜Kの整数)入力画像の画素値のうちU信号のみを所定順序に並べたベクトルをIkとし、復元画像におけるU信号のみを所定順序に並べた列ベクトルをベクトルTとして、評価関数E[T]の値が最小となるベクトルTを求めることで、復元画像の各画素のU信号を求めてもよい。この場合、復元画像の各画素のY信号についても同様に求めればよい。
また、ここでは、入力画像がYUV形式で表現される場合を例にして説明したが、入力画像が他の表現形式(マルチスペクトル画像やハイパースペクトル画像)となっている場合にも、復元画像における個々の画素の画素値を同様の計算により求めればよい。
画像出力手段420は、画像復元手段403が生成した復元画像を出力(例えば、表示)する。画像出力手段420は、例えばディスプレイ装置によって実現される。
位置ずれ量推定手段401、許容領域計算手段404、画像差分計算手段405、不適切領域抽出手段406、画像復元手段403は、例えば画像処理プログラムに従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。すなわち、CPUが、プログラム記憶手段(図示せず)に記憶された画像処理プログラムを読み込み、そのプログラムに従って位置ずれ量推定手段401、許容領域計算手段404、画像差分計算手段405、不適切領域抽出手段406、画像復元手段403として動作してもよい。あるいは、各手段が専用回路で実現されていてもよい。
次に、動作について説明する。図5は、第1の実施形態における処理経過の例を示す説明図である。まず、基準画像入力手段411は基準画像を入力されると、その基準画像を記憶する(ステップS501)。次に、許容領域計算手段404は、基準画像の個々の画素毎に許容領域を表すパラメータを計算し、そのパラメータを記憶する(ステップS502)。例えば、既に説明したように、基準画像から選択した画素が示す色空間内の位置を中心とし、その画素に関する最大変化ベクトルの方向を中心軸方向とし、その最大変化ベクトルの大きさを中心軸半径とする楕円体を許容領域として定め、その許容領域を表すパラメータを記憶する。
対象画像入力手段412は、対象画像を入力されると、その対象画像を記憶する(ステップS503)。新たに対象画像が1枚入力され、記憶されると、位置ずれ量推定手段401は、基準画像に対するその対象画像の位置ずれ量をサブピクセル精度で推定し、記憶する(ステップS504)。
次に、画素差分計算手段405は、位置ずれ量推定手段401が推定した位置ずれを解消するように対象画像を補正し、補正後の対象画像中の画素と基準画像中の画素とを対応付ける。そして、対応付けた画素の組における差分ベクトルを計算する(ステップS505)。
次に、不適切領域抽出手段406は、ステップS503で入力された対象画像中の画素毎に、その画素について計算した差分ベクトルと、その画素に対応する基準画像中の画素の許容領域とを用いて不適切領域であるか否かを判定する。そして、不適切領域と判定された画素を不適切領域記憶手段407に記憶させる(ステップS506)。例えば、画素番号を記憶させる。
ステップS504〜S506の処理を行った対象画像が最後の対象画像でなければ(ステップS507のNo)、ステップS503以降の処理を繰り返す。例えば、対象画像入力手段412に次の対象画像が入力されたならば、対象画像入力手段412がその対象画像を記憶し(ステップS503)、その対象画像についてステップS504〜S506の処理を行う。また、ステップS504〜S506の処理を行った対象画像が最後の対象画像である場合(例えば、次の対象画像が入力されない場合)、画像復元手段403は、不適切領域記憶手段407に記憶された不適切領域の情報と、画像入力手段410に記憶されている基準画像および各対象画像とを用いて、合成画像(高解像度画像)を生成する(ステップS508)。画像復元手段403は、生成した復元画像を、画像出力手段420に出力する。例えば、ディスプレイ装置に復元画像を表示させる。
本実施形態によれば、基準画像における個々の画素毎に、その画素とその周囲の画素の輝度値に応じた許容領域を、色空間における楕円体として定める。このように、基準画像中の個々の画素の色の変化に応じて許容領域を個別に定めるので、画像中の画素値の変化が激しい領域が、仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従わない局所的な領域(不適切領域)と判定されやすくなってしまうことを防止できる。その結果、復元画像作成時に画質改善効果が減少してしまうことを防げる。
また、本実施形態によれば、基準画像の画素の画素値が示す色空間内の位置を中心とした楕円体を許容空間とする。従って、仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従わない局所的な領域であるか否かの判定をより適切に行うことができる。例えば、図23(b)に示す例において、画素160に対応する判定画素150は適切領域の画像であると判定することができる。
なお、本実施形態では、ベクトルxkiの要素として画素の画素値自体を用いる場合について述べたが、画素値自体の代わりに、画像の特徴を表す値をベクトルxkiの要素としてもよい。例えば、画像の特徴を表す値として、各画素の画素値をx方向やy方向に微分した値があり、これをベクトルxkiの要素としてもよい。あるいは、このような特徴値と画素値自体の両方を要素としたベクトルをベクトルxkiとしてもよい。許容領域となる楕円体を定める空間は、そのようなベクトルを表現可能な空間として予め定めておけばよい。
また、本実施形態では、許容領域計算手段404が基準画像に対して許容領域を計算する場合を説明したが、許容領域計算手段404が対象画像に対して許容領域を計算し、その許容領域を用いて不適切領域を判定してもよい。この場合、許容領域計算手段404が対象画像の画素毎に許容領域を計算する。そして、不適切領域抽出手段406が、対象画像の画素毎に計算された許容領域と、画素差分計算手段405で計算された差分ベクトルとを用いて、不適切領域を判定してもよい。なお、対象画像の画素毎の許容領域の計算は、基準画像の画素毎の許容領域の計算と同様である。
また、許容領域計算手段404は、基準画像と対象画像の各画素全てについて許容領域を計算し、その許容領域をもとに不適切領域を判定してもよい。基準画像の各画素について計算する許容領域をRaとする。また、対象画像の各画素について計算する許容領域をRbとする。不適切領域抽出手段406は、許容領域Raと画素差分計算手段405で計算された差分ベクトルとを用いた判定結果と、許容領域Rbと画素差分計算手段405で計算された差分ベクトルとを用いた判定結果が、共に不適切領域の画素であるという判定結果であれば、不適切領域抽出手段406は、着目している画素を不適切領域の画素であるとすればよい。あるいは、基準画像についての許容領域Raによる判定結果と、対象画像についての許容領域Rbによる判定結果のうち、一方でも、不適切領域の画素であるという判定結果であれば、不適切領域抽出手段406は、着目している画素を不適切領域の画素であると定めてもよい。
実施形態2.
図6は、本発明の第2の実施形態の画像処理システムの例を示すブロック図である。第1の実施形態と同様の構成要素については、図1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第2の実施形態の画像処理システムは、プログラム制御により動作するコンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)400aと、画像入力手段410と、画像出力手段420とを備える。コンピュータ400aは、位置ずれ量推定手段401と、不適切領域判定手段402aと、画像復元手段403とを有する。
図6は、本発明の第2の実施形態の画像処理システムの例を示すブロック図である。第1の実施形態と同様の構成要素については、図1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第2の実施形態の画像処理システムは、プログラム制御により動作するコンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)400aと、画像入力手段410と、画像出力手段420とを備える。コンピュータ400aは、位置ずれ量推定手段401と、不適切領域判定手段402aと、画像復元手段403とを有する。
不適切領域判定手段402aは、許容領域計算手段404aと、画像差分計算手段405aと、不適切領域抽出手段406と、不適切領域記憶手段407と、基準高解像度画像生成手段608とを備え、基準画像を高解像度化した画像を用いて、対象画像中の画素が不適切領域に該当するか否かを判定する。不適切領域抽出手段406、不適切領域記憶手段407は、第1の実施形態と同様である。また、画像入力手段410、位置ずれ量推定手段401、画像復元手段403、および画像出力手段420も第1の実施形態と同様である。
基準高解像度画像生成手段608は、基準画像入力手段411に入力された基準画像を取得し、基準画像に対して補間(例えばbilinear補間やbicubic補間)を行うことによって基準画像を高解像度化した画像を生成し、記憶する。この画像を基準高解像度画像と記す。
本実施形態の許容領域計算手段404aは、基準高解像度画像生成手段608に記憶された基準高解像度画像の個々の画素毎に許容領域を定め、その許容用域を表すパラメータを記憶する。基準画像ではなく基準高解像度画像を対象とする点以外は第1の実施形態の許容領域計算手段404と同様である。すなわち、画素毎に許容領域を定める方法は、第1の実施形態と同様である。
画素差分計算手段405aは、位置ずれ量推定手段401が推定した位置ずれを解消するように(すなわち、推定された位置ずれ量をなくすように)対象画像を補正する。そして、画素差分計算手段405aは、補正後の対象画像中の画素に対応する基準高解像度画像中の画素を特定し、対応する画素の画素値が示すベクトル(画素値を要素とするベクトル)の差分ベクトルを計算する。対象画像中の画素に対応する対象が基準高解像度画像である点の他は、第1の実施形態と同様である。
図7は、補正後の対象画像の画素と基準高解像度画像の画素とを表す説明図であり、画像中で画素がどの位置に存在するかを示す2次元平面を表している。丸で示した画素は、基準画像の画素であり、三角形で示した画素は補正後の対象画像の画素である。基準高解像度画像は基準画像を補間によって高解像度化した画像であるので、対象画像よりも画素数が多くなる。また、画素差分計算手段405aは、サブピクセル精度で推定された位置ずれを解消するように対象画像を補正するので、各対象画像の画素は、基準高解像度画像の画素に一致するとは限らない。画素差分計算手段405aは、補正後の対象画像の画素の位置(画像中における位置)に最も近い基準高解像度画像中の画素を特定し、その2つの画素が対応していると定める。そして、画素差分計算手段405aは、対応付けた各画素の画素値を要素とするベクトル(色空間におけるベクトル)の差分ベクトルを計算する。例えば、画素差分計算手段405aは、図7に示す対象画像中の画素1601に最も近い基準高解像度画像の画素1602を特定し、画素1601,1602を対応付ける。そして、画素差分計算手段405aは、画素1601の画素値を要素とするベクトルから、画素1602の画素値を要素とするベクトルを減算した差分ベクトルを計算する。画素差分計算手段405aは、各対象画像の各画素について差分ベクトルを計算する。第2の実施形態では、補間によって新たに生成された基準高解像度画像中の画素と、対象画像中の画素とが対応付けられることもある。
不適切領域抽出手段406は、画素差分計算手段405aで得られた許容領域を用いて、対象画像中の各画素が予め仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従っていない領域の画素であるか否かを判定する。この動作は第1の実施形態と同様に行えばよい。不適切領域抽出手段406は、対象画像中の画素に対応する基準高解像度画像中の画素について求めた許容領域と、その二つの画素について求めた差分ベクトルとを用いて、対象画像中の画素の画素値が示す色空間での位置が許容領域外であるかいなかを判定すればよい。
基準高解像度画像生成手段608、許容領域計算手段404a、画素差分計算手段405aは、例えばプログラムに従って動作するCPUによって実現される。あるいは、専用回路によって実現されていてもよい。
第2の実施形態の動作について説明する。図8は、第2の実施形態における処理経過の例を示すフローチャートである。基準画像入力手段411は基準画像を入力されると、その基準画像を記憶する。そして、基準高解像度画像生成手段608は、その基準画像に対してbilinear補間やbicubic補間を行い、基準高解像度画像を生成し、記憶する(ステップS701)。次に、許容領域計算手段404aは、基準高解像度画像の個々の画素毎に許容領域を表すパラメータを計算し、そのパラメータを記憶する(ステップS702)。
対象画像入力手段412は、対象画像を入力されると、その対象画像を記憶する(ステップS703)。次に、位置ずれ量推定手段401は、基準画像に対するその対象画像の位置ずれ量をサブピクセル精度で推定し、記憶する(ステップS704)。位置ずれ量推定手段401は、基準画像入力手段411に記憶されている基準画像を用いればよい。ステップS703,S704は、ステップS503,S504と同様である。
次に、画素差分計算手段405aは、位置ずれ量推定手段401が推定した位置ずれを解消するように対象画像を補正し、対象画像中の画素と基準高解像度画像中の画素とを対応付ける。そして、対応付けた画素の組における差分ベクトルを計算する(ステップS705)。
次に、不適切領域抽出手段406は、ステップS703で入力された対象画像中の画素毎に、その画素について計算した差分ベクトルと、その画素に対応する基準高解像度画像中の画素について求めた許容領域とを用いて不適切領域であるか否かを判定する。そして、不適切領域と判定された画素を不適切領域記憶手段407に記憶させる(ステップS706)。
ステップS704〜S706の処理を行った対象画像が最後の対象画像でなければ(ステップS707のNo)、ステップS703以降の処理を繰り返す。例えば、次の対象画像が入力されたならば、対象画像入力手段412がその対象画像を記憶し(ステップS703)、その対象画像についてステップS704〜S706の処理を行う。また、ステップS704〜S706の処理を行った対象画像が最後の対象画像である場合(例えば、次の対象画像が入力されない場合)、画像復元手段403は、不適切領域記憶手段407に記憶された不適切領域の情報と、画像入力手段410に記憶されている基準画像および各対象画像とを用いて、合成画像を生成し、画像出力手段420に出力する(ステップS708)。ステップS706〜S707の動作は、ステップS506〜S508と同様である。
第2の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従わない局所的な領域であるか否かの判定を適切に行うことができ、復元画像作成時に画質改善効果の減少を防ぐことができる。特に、第2の実施形態では、基準画像から基準高解像度画像を生成する際に補間を行うので、基準画像中の画素間に、元から存在する複数画素の中間色の画素が挿入される。従って、隣接する画素同士の色空間(例えばYUV空間)における距離は、基準高解像度画像の方が短くなる。許容領域計算手段404aは、この基準高解像画像の画素毎に許容領域を定めるので、画像中の画素間における色の変化を第1の実施形態よりもさらに反映した許容領域を定めることができる。その結果、仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従わない局所的な領域であるか否かの判定をさらに適切に行うことができる。また、復元画像における画質改善効果をさらに高めることができる。
第2の実施形態においても、第1の実施形態で説明したように、ベクトルxkiの要素として、画素値をx方向やy方向に微分した値等の特徴値を用いてもよい。
また、第1の実施形態で説明したように、基準画像に対して許容領域を計算するのではなく、対象画像に対して許容領域を計算してもよい。この場合、画像処理システムは、対象画像を補間して高解像度化する対象画像高解像度化手段(図示略)を備え、対象画像高解像度化手段は、基準高解像度画像生成手段608と同様の動作によって、対象画像を高解像度化すればよい。そして、画素差分計算手段405aは、高解像度化された対象画像を、位置ずれを解消するようにして補正し、その補正後の画像の画素の中から、基準画像の画素位置に最も近い画素を特定することによって、高解像度化された対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付ければよい。画素差分計算手段405aは、その対応付けた各画素に応じたベクトル同士の対応画素差分ベクトルを計算する。
また、許量領域計算手段404aは、対象画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素のとの間で、最大変化ベクトルを特定し、最大変化ベクトルの大きさおよび方向と選択した画素の画素値とにより定まる楕円体を判定用領域として定めればよい。この動作は、基準画像に関して許容領域を求める場合と同様である。
また、第1の実施形態で説明したように、基準画像の各画素について許容領域(Ra)を計算し、対象画像の各画素についても許容領域(Rb)を計算し、不適切領域抽出手段406が、基準画像および対象画像についてそれぞれ求めた許容領域Ra,Rbを用いて、対象画像の画素が不適切領域の画素であるか否かを判定してもよい。
実施形態3.
図9は、本発明の第3の実施形態の画像処理システムの例を示すブロック図である。第1の実施形態と同様の構成要素については、図1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第3の実施形態の画像処理システムは、プログラム制御により動作するコンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)400bと、画像入力手段410と、画像出力手段420とを備える。コンピュータ400bは、位置ずれ量推定手段401と、不適切領域判定手段402bと、画像復元手段403bとを有する。
図9は、本発明の第3の実施形態の画像処理システムの例を示すブロック図である。第1の実施形態と同様の構成要素については、図1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第3の実施形態の画像処理システムは、プログラム制御により動作するコンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)400bと、画像入力手段410と、画像出力手段420とを備える。コンピュータ400bは、位置ずれ量推定手段401と、不適切領域判定手段402bと、画像復元手段403bとを有する。
不適切領域判定手段402bは、許容領域計算手段404と、画像差分計算手段405と、不適切領域抽出手段406と、使用画像生成手段807とを備え、対象画像中の不適切領域の画素の画素値を、対応する基準画像の画素の画素値に置き換えることで、復元画像作成のために使用する画像を生成する。許容領域計算手段404、画像差分計算手段405および不適切領域抽出手段406は、第1の実施形態と同様である。また、画像入力手段410、位置ずれ量推定手段401および画像出力手段420も第1の実施形態と同様である。
本実施形態では、不適領域抽出手段406は、各対象画像の不適切領域に該当する画素の情報(例えば画素番号)を、使用画像生成手段807に送る。
使用画像生成手段807は、その不適切領域と判定された画素の情報に基づいて、対象画像中における不適切領域と判定された画素の画素値を、その画素に対応する基準画像の画素の画素値に置き換える。基準画像と、使用画像生成手段807によって画素値が置き換えられた対象画像が、復元画像生成のために使用される。
図10は、対象画像の画素値の置き換えの例を示す説明図である。図10(a)は家および月を撮影した基準画像であり、図10(b)は同じ家および月を撮影した対象画像である。図10(a),(b)では、各画像に表されている月および家を実線で図示し、他の画像中の月を表す領域に対応する領域を破線で示している。例えば、図10(b)に示す領域1909は、基準画像中の月を表す領域1901に対応し、対象画像では背景に相当する。対象画像には、撮影時のカメラの位置等に起因して、基準画像に対して一様な変化が生じている。ただし、被写体である月自身も動いているので、画像全体の一様な変化に従わない局所的な領域が生じる。すなわち、予め仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従わない局所的な領域が生じる。このため、月を表す画素同士が対応付けられていない。図10(b)に示す領域1909内の画素は、図10(a)に示す領域1901内の画素に対応付けられ、同様に、図10(b)に示す領域1902内の画素は、図10(a)に示す領域1908内の画素に対応付けられる。そして、この対象画像中の領域1909,1902内の画素は、不適切領域抽出手段406によって不適切領域の画素であると判定されることになる。
使用画像生成手段807は、そのように不適切領域の画素と判定された画素の画素値を、対応する基準画像中の画素の画素値に置き換える。図10に示す例では、使用画像生成手段807は、図10(b)に示す領域1909内の画素の画素値を、基準画像の領域1901内の画素の画素値に置き換え、同様に、図10(b)に示す領域1902内の画素の画素値を、基準画像の領域1908内の画素の画素値置き換える。その結果、図10(b)に示す対象画像は、図10(c)に示す画像となる。その結果、図10(c)に示すように、領域1909は月を表す領域となり、領域1902は背景領域となる。
使用画像生成手段807は、基準画像および各対象画像を記憶する。画素値を置き換えた対象画像については、画素値置き換え後の対象画像を記憶する。
画像復元手段403bは、使用画像生成手段807が記憶する基準画像および対象画像を用いて復元画像を生成する。ただし、画像復元手段403bは、復元画像の画素値(例えばYUV表現におけるY信号等)を定めるときに、以下に示す式(2)で表される評価関数E[T]の値が最小となるベクトルTを求めることによって、復元画像の各画素の輝度値を求めればよい。
画像復元手段403bは、評価関数E[T]として式(2)を用いる点の他は第1の実施形態における画像復元手段403と同様である。
第3の実施形態では、使用画像生成手段807が、対象画像の不適切領域の画素値を、対応する基準画像の画素の画素値に置き換えるので、対象画像における不適切領域は存在しなくなる。よって、式(1)における対角行列Skにおいて、対角成分は1とすればよい。式(2)は、式(1)の対角行列Skの対角成分を全て1とした場合の式であるということができる。
使用画像生成手段807および画像復元手段403bは、例えば、プログラムに従って動作するCPUによって実現される。あるいは、専用回路によって実現されていてもよい。
第3の実施形態の動作について説明する。図11は、第3の実施形態における処理経過の例を示すフローチャートである。基準画像入力手段411に基準画像が入力され、許容領域計算手段404が基準画像の画素毎に許容領域を表すパラメータを計算し、記憶するまでの処理(ステップS901,S902)は、第1の実施形態のステップS501,S502と同様である。
また、対象画像入力手段412は、対象画像を入力されると、その対象画像を記憶する(ステップS903)。そして、位置ずれ量推定手段401は、基準画像に対するその対象画像の位置ずれ量をサブピクセル精度で推定し、記憶する(ステップS904)。次に、画素差分計算手段405は、その位置ずれを解消するように対象画像を補正し、対象画像中の画素と基準画像中の画素とを対応付ける。そして、対応付けた画素の組における差分ベクトルを計算する(ステップS905)。不適切領域抽出手段406は、対象画像中の画素毎に、その画素について計算した差分ベクトルおよび許容領域を用いて不適切画領域であるか否かを判定する。そして、不適切領域と判定された画素を使用画像生成手段807に送る(ステップS906)。ステップS903〜S906の処理は、第1の実施形態のステップS503〜S506と同様である。
使用画像生成手段807は、ステップS903で入力された対象画像の画素のうち、不適切領域の画素と判定された各画素の画素値を、その画素に対応する基準画像中の画素の画素値に置き換える(ステップS907)。例えば、ステップS903で図10(b)に例示する対象画像が入力されたとすると、使用画像生成手段807は、その対象画像の領域1902,1909の画素の画素値を、基準画像(図10(a))の領域1908,1901の画素の画素値に置き換える。使用画像生成手段807は、基準画像と、画素値を置き換えた対象画像を記憶する。なお、対象画像中に不適切領域がなく、画素値を置き換えなかった場合、その対象画像をそのまま記憶する。
ステップS904〜S907の処理を行った対象画像が最後の対象画像でなければ(ステップS908のNo)、ステップS903以降の処理を繰り返す。例えば、次の対象画像が入力されたならば、対象画像入力手段412がその対象画像を記憶し(ステップS903)、その対象画像についてステップS904〜S907の処理を行う。また、ステップS904〜S907の処理を行った対象画像が最後の対象画像である場合(例えば、次の対象画像が入力されない場合)、画像復元手段403bは、使用画像生成手段807に記憶された基準画像および対象画像を用いて、復元画像を生成し、画像出力手段420に出力する(ステップS909)。ステップS909の動作は、評価関数E[T]として、式(2)を用いる点以外は、ステップS508と同様である。
第3の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従わない局所的な領域であるか否かの判定を適切に行うことができ、復元画像作成時に画質改善効果の減少を防ぐことができる。また、第3の実施形態では、使用画像生成手段807が対象画像中の不適切領域と判定された領域について画素値を置き換え、その対象画像を記憶し、画像復元手段403bは画素値置き換え後の対象画像を用いて復元画像を生成する。従って、画像復元手段403bは、不適切領域と判定された領域の情報を必要とせず、その情報を記憶するためのメモリ(不適切領域記憶手段407)を設ける必要がない。よって、第3の実施形態によれば、より少ないメモリ記憶量で高画質画像生成処理を行うことができる。
第3の実施形態において、不適切領域判定手段402bが、第2の実施形態で説明した基準高解像度画像生成手段608を備え、画素差分計算手段405が基準高解像度画像と対象画像とから差分ベクトルを計算してもよい。使用画像生成手段807は、対象画像の画素のうち、不適切領域の画素と判定された各画素の画素値を、その画素に対応する基準高解像度画像中の画素の画素値に置き換えればよい。
実施形態4.
第1から第3までの各実施形態では、入力画像よりも画素数の多い高解像度画像を生成する場合の構成を説明したが、第4の実施形態では、個々の入力画像と同じ解像度のブレンド画像を生成する場合の構成を説明する。ブレンド画像とは、複数の画像間の対応する画素の画素値の平均を画素毎に計算して得られる画像である。
第1から第3までの各実施形態では、入力画像よりも画素数の多い高解像度画像を生成する場合の構成を説明したが、第4の実施形態では、個々の入力画像と同じ解像度のブレンド画像を生成する場合の構成を説明する。ブレンド画像とは、複数の画像間の対応する画素の画素値の平均を画素毎に計算して得られる画像である。
図12は、本発明の第4の実施形態の画像処理システムの例を示すブロック図である。第1の実施形態と同様の構成要素については、図1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第4の実施形態の画像処理システムは、プログラム制御により動作するコンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)400cと、画像入力手段410と、画像出力手段420とを備える。コンピュータ400cは、位置ずれ量推定手段401と、不適切領域判定手段402と、ブレンド画像生成手段1003とを備える。
不適切領域判定手段402は、許容領域計算手段404と、画像差分計算手段405と、不適切領域抽出手段406と、不適切領域記憶手段407とを備える。画像入力手段410、位置ずれ量推定手段401、不適切領域判定手段402、画像出力手段420は、第1の実施形態と同様である。
ブレンド画像生成手段1003は、基準画像および各対象画像において対応する画素の画素値の平均値を画素毎に計算することによってブレンド画像を生成する。例えば、基準画像の画素毎に、その画素自身、および、その画素に対応する各対象画像の各画素における画素値の平均値を求めることによってブレンド画像を生成する。ただし、ブレンド画像生成手段1003は、ブレンド画像において動物体を表す領域の画素に関しては、平均値計算によって求めるのではなく、基準画像中で動物体を表している領域の画素値をブレンド画像における画素値として定める。また、基準画像および各対象画像において対応する画素の画素値の平均値を計算する場合、不適切領域に該当すると判定された画素は、平均値算出の対象から除外して画素値の平均値を計算する。
図13は、ブレンド画像生成手段1003によるブレンド画像生成の例を示す説明図である。図13に示す画像P0は基準画像であり、画像P1,P2は対象画像であり、画像Bはブレンド画像である。また、図13では、各画像に表されている月および家を実線で図示し、他の画像中の月を表す領域に対応する領域を破線で示している。例えば、対象画像P1における領域2002a,2004bは、基準画像P0や対象画像P2で月を表す領域2002,2004に対応する。本例では、対象画像P1では、領域2002a,2003の画素が不適切領域の画素と判定され、対象画像P2では、領域2002b,2004の画素が不適切領域の画素と判定される。その他の領域では、予め仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化が生じ、適切領域と判定されている。
図13に示す例では、基準画像P0の領域2002内の画素は、対象画像P1,P2の領域2002a,2002b内の画素と対応付けられる。同様に、領域2003,2003a,2003b内の画素が対応付けられ、領域2004,2004a,2004b内の画素が対応付けられる。また、家を表す領域2005,2006,2007内の画素が対応付けられる。
ブレンド画像生成手段1003は、基準画像中の画素に対応する各対象画像中の画素がいずれも適切領域の画素と判定されている場合、その基準画像中の画素、およびその画素に対応する各対象画像中の画素の画素値の平均値を計算し、ブレンド画像における画素値とする。例えば、基準画像P0の領域2005に対応する対象画像P1,P2の領域2006,2007はいずれも不適切領域ではない。従って、ブレンド画像生成手段1003は、領域2005,2006,2007の対応する画素の画素値の平均値を計算し、その平均値をブレンド画像Bにおける画素値とする。このようにして、例えば、ブレンド画像Bにおける領域2008の画素値が求められる。
また、ブレンド画像生成手段1003は、基準画像中において動物体を表す領域2002の画素の画素値を、ブレンド画像中の動物体を表す領域の画素の画素値としてそのまま用いる。従って、領域2002,2002a,2002bの画素は対応付けられるが、その画素値の平均値を計算することはなく、ブレンド画像Bにおいて、基準画像における動物体の領域2002と同じ位置2009の画素値は、領域2002における画素値と同じ値に定めればよい。なお、基準画像中において動物体を表す領域の画素であるか否かの判定は、例えば、以下のように行えばよい。すなわち、基準画像の画素に対応する各対象画像の画素がいずれも不適切領域とされていれば、ブレンド画像生成手段1003は、その基準画像の画素が動物体を表す領域の画素であると判定すればよい。ただし、ブレンド画像生成手段1003は、基準画像中において動物体を表す領域の画素を他の方法で判定してもよい。
また、ブレンド画像生成手段1003は、基準画像の画素に対応する対象画像の画素野中に、不適切領域の画素と判定されている画素があれば、基準画像の画素と、その画素に対応する対象画像の画素のうち適切領域の画素と判定されている画素の画素値の平均値を計算し、ブレンド画像における画素値とする。例えば、基準画像P0の領域2003a内の画素は、対象画像P1,P2の領域2003,2003bの画素に対応する。ただし、領域2003の画素は不適切領域の画素と判定されているので、ブレンド画像生成手段1003は、領域2003aの画素、および、その画素に対応する領域2003bの画素の画素値の平均値をブレンド画像Bの画素値と定める。また、基準画像P0の領域2004a内の画素は、対象画像P1,P2の領域2004b,2004の画素に対応する。領域2004の画素は不適切領域の画素と判定されているので、ブレンド画像生成手段1003は、領域2004aの画素、および、その画素に対応する領域2004bの画素の平均値をブレンド画像Bの画素値と定める。
ブレンド画像生成手段1003は、例えば、プログラムに従って動作するCPUによって実現される。あるいは、専用回路によって実現されてもよい。
図14は、第4の実施形態における処理経過の例を示すフローチャートである。第1の実施形態と同様の処理については図5と同一の符号を付し、説明を省略する。基準画像の入力から、各対象画像中の不適切領域の画素の情報を不適切領域記憶手段407に記憶させるまでの動作(ステップS501〜S507)は、第1の実施形態と同様である。
また、ステップS504〜S506の処理を行った対象画像が最後の対象画像である場合(例えば、次の対象画像が入力されない場合)、ブレンド画像生成手段1003は、各対象画像中の不適切領域に該当する画素の情報を参照して、上述のように、基準画像および各対象画像からブレンド画像を生成する(ステップS600)。ブレンド画像生成手段1003は、ブレンド画像を画像出力手段420に出力する。
第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、画像中の画素値の変化が激しい領域が、仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従わない局所的な領域(不適切領域)と判定されやすくなってしまうことを防止できる。よって、そのような画素値の変化が激しい領域の画素もブレンド画像生成処理に使用でき、生成するブレンド画像の画質を高めることができる。また、ブレンド画像生成手段1003は、対象画像中の不適切領域の画素の画素値はブレンド画像生成時に平均値計算に用いない。このことによっても、ブレンド画像の画質を高めることができる。
第4の実施形態において、不適切領域判定手段402が、第2の実施形態で説明した基準高解像度画像生成手段608を備え、基準高解像度画像生成手段608が生成した基準高解像度画像を用いて許容領域を定め、不適切領域の画像を判定する構成であってもよい。
また、不適切領域判定手段402が、第3の実施形態で説明した使用画像生成手段807を備え、使用画像生成手段807が各対象画像の不適切領域内の画素の画素値を、対応する基準画像中の画素の画素値に置き換えてもよい。この結果、対象画像からは不適切領域がなくなる。よって、ブレンド画像生成手段1003は、基準画像および対象画像で、対応している各画素の画素値の平均値を求め、その画素値をブレンド画像の画素値と定めてブレンド画像を生成すればよい。
実施形態5.
図15は、本発明の第5の実施形態の画像処理システムの例を示すブロック図である。第1の実施形態、第4の実施形態と同様の構成要素については、図1、図12と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第5の実施形態の画像処理システムは、プログラム制御により動作するコンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)400dと、画像入力手段410と、画像出力手段420とを備える。コンピュータ400dは、位置ずれ量推定手段401と、不適切領域判定手段402dと、ブレンド画像生成手段1003とを備える。画像入力手段410、画像出力手段420、位置ずれ量推定手段401、ブレンド画像生成手段1003は第4の実施形態と同様である。
図15は、本発明の第5の実施形態の画像処理システムの例を示すブロック図である。第1の実施形態、第4の実施形態と同様の構成要素については、図1、図12と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第5の実施形態の画像処理システムは、プログラム制御により動作するコンピュータ(中央処理装置;プロセッサ;データ処理装置)400dと、画像入力手段410と、画像出力手段420とを備える。コンピュータ400dは、位置ずれ量推定手段401と、不適切領域判定手段402dと、ブレンド画像生成手段1003とを備える。画像入力手段410、画像出力手段420、位置ずれ量推定手段401、ブレンド画像生成手段1003は第4の実施形態と同様である。
不適切領域判定手段402dは、最大変化画素計算手段1208と、許容領域計算手段1240と、画素差分計算手段405と、不適切領域抽出手段406と、不適切領域記憶手段407とを備える。画素差分計算手段405、不適切領域抽出手段406、および不適切領域記憶手段407は、第1および第4の実施形態と同様である。
不適切領域判定手段402dは、基準画像入力手段411に記憶された基準画像の画素値と、位置ずれ量推定手段401で得られた画像間の位置ずれ量とを用いて、対象画像毎に、不適切領域を特定し、その領域を記憶する。
最大変化画素計算手段1208は、基準画像入力手段411に記憶された基準画像の画素毎に、最大変化画素を特定し、その最大変化画素を記憶する。最大変化画素計算手段1208は、基準画像の画素毎に、最大変化ベクトルを特定することによって最大変化画素を定めればよい。最大変化ベクトルの特定は、第1の実施形態における許容領域計算手段404と同様に行えばよい。
許容領域計算手段1240は、基準画像の画素毎に、その画素について特定されている最大変化画素を用いて、許容領域を定める。許容領域計算手段1240は、基準画像の画素と、その画素の最大変化画素から差分ベクトル(すなわち、最大変化ベクトル)を計算する。そして、許容領域計算手段1240は、その基準画像の画素の画素値が示す色空間内の位置を中心とし、最大変化ベクトルの大きさを中心軸半径とし、中心軸の方向が最大変化ベクトルと同方向である楕円体を表すパラメータを計算すればよい。ただし、許容領域計算手段1240は、許容領域を表すそのパラメータを記憶しない。
なお、最大変化画素計算手段1208が、最大変化画素を記憶するのではなく、最大変化ベクトル自体を記憶してもよい。そして、許容領域計算手段1240がその最大変化ベクトルを用いて許容領域を定めてもよい。
最大変化画素計算手段1208および許容領域計算手段1240は、例えば、プログラムに従って動作するCPUによって実現される。あるいは、専用回路によって実現されていてもよい。
最大変化画素計算手段1208および許容領域計算手段1240は、第1の実施形態の許容領域計算手段404の機能を分けた要素である。ただし、第1の実施形態では、基準画像が入力されたときに、基準画像の画素毎に許量領域を求め、その許容領域を表すパラメータを記憶していた。一方、第5の実施形態では、基準画像が入力されたときには、画素毎の最大変化画素を特定して記憶するだけで、許量領域のパラメータまでは計算しない。そして、許容領域計算手段1240は、対象画像の画素が不適切領域の画素であるか否かを判定するときに、個々の対象画像毎に、最大変化画素の情報を利用して許容領域を計算する。対象画像毎に許量領域を計算することにより、許量領域を表すパラメータを記憶せずに、そのメモリ容量の削減を実現する。以下、フローチャートを参照して第5の実施形態の処理経過を説明する。
図16は、第5の実施形態における処理経過の例を示すフローチャートである。第1の実施形態や第4の実施形態と同様の処理については、図5、図14と同一の符号を付し、説明を省略する。基準画像入力手段411は基準画像を入力されると、その基準画像を記憶する(ステップS501)。
そして、最大変化画素計算手段1208は、その基準画像の画素毎に最大変化画素を特定し、記憶する(ステップS502a)。最大変化画素計算手段1208は、基準画像の画素を順に選択していく。そして、選択した画素をiとすると、画素iとその周囲の各画素の差分ベクトルを計算し、画素iの周囲の画素のうち、差分ベクトルの大きさが最大となる画素(最大変化ベクトルをなす画素)を最大変化画素として特定すればよい。他の実施形態と異なり、基準画像が入力された際に、最大変化画素計算手段1208は、許容領域を計算しない。また、最大変化画素計算手段1208は、最大変化画素の情報として画素の識別情報(例えば画素番号)を記憶すればよい。
対象画像の入力(ステップS503)から、位置ずれを解消するように対象画像を補正し、対象画像中の画素と基準画像中の画素とを対応付け、対応付けた画素の組における差分ベクトルを計算する処理(ステップS505)までの処理は、第4の実施形態と同様である。
次に、許容領域計算手段1204は、基準画像入力手段1211に入力されている基準画像の画素毎に、その画素の最大変化画素がどの画素であるかを最大変化画素計算手段1208から読み込み、許容領域を表すパラメータを計算する(ステップS505a)。
次に、不適切領域抽出手段406は、ステップS503で入力された対象画像中の画素毎に、その画素について計算した差分ベクトルと、その画素に対応する基準画像中の画素の許容領域とを用いて不適切領域であるか否かを判定する。そして、不適切領域と判定された画素を不適切領域記憶手段407に記憶させる(ステップS506)。
ステップS504〜S506の処理を行った対象画像が最後の対象画像でなければ(ステップS507のNo)、ステップS503以降の処理を繰り返す。例えば、対象画像入力手段412に次の対象画像が入力されたならば、対象画像入力手段412がその対象画像を記憶し(ステップS503)、その対象画像についてステップS504〜S506の処理を行う。また、ステップS504〜S506の処理を行った対象画像が最後の対象画像である場合(例えば、次の対象画像が入力されない場合)、ブレンド画像生成手段1003は、各対象画像中の不適切領域に該当する画素の情報を参照して、第4の実施形態と同様にブレンド画像を生成し、画像出力手段420に出力する。
ステップS503〜S507のループ処理では、許容領域計算手段1204がステップS505bに移行する毎に基準画像の各画素の許容領域を表すパラメータを計算し、不適切領域抽出手段406は、そのパラメータを用いてステップS506の判定を行う。従って、許容領域を表すパラメータを記憶しておく必要がなく、許容領域を記憶するためのメモリ容量を削減することができる。
本実施形態においても、第4の実施形態と同様に、画像中の画素値の変化が激しい領域が、仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従わない局所的な領域(不適切領域)と判定されやすくなってしまうことを防止できる。そして、生成するブレンド画像の画質を高めることができる。また、許量領域を表すパラメータを対象画像毎に計算し直すので、許量領域を表すパラメータを記憶しておく必要がなく、最大変化画素の情報を記憶しておけばよいので、メモリ容量を削減することができる。
第5の実施形態において、不適切領域判定手段402dが、第2の実施形態で説明した基準高解像度画像生成手段608を備え、最大変化画素計算手段1208が、基準高解像度画像の画素毎に最大変化画素を特定する構成であってもよい。この場合、許容領域計算手段1204は、ステップS505aにおいて、基準高解像度画像の各画素について許容領域を表すパラメータを計算すればよい。
また、不適切領域判定手段402dが、第3の実施形態で説明した使用画像生成手段807を備え、使用画像生成手段807が各対象画像の不適切領域内の画素の画素値を、対応する基準画像中の画素の画素値に置き換えてもよい。この結果、対象画像からは不適切領域がなくなる。よって、ブレンド画像生成手段1003は、基準画像および対象画像で、対応している各画素の画素値の平均値を求め、その画素値をブレンド画像の画素値と定めてブレンド画像を生成すればよい。
また、第5の実施形態では、ブレンド画像を生成する場合の構成を示したが、第1から第3までの各実施形においても、許容領域計算手段404,404aの代わりに最大変化画素計算手段1208および許容領域計算手段1204を備え、基準画像入力時では最大変化画素を特定するに留め、対象画像毎のループ処理内で画素毎の許容領域を計算する構成としてもよい。その場合にもメモリ容量を削減できる。
第3、第4、第5の各実施形態においても、第1の実施形態で説明したように、ベクトルxkiの要素として、画素値をx方向やy方向に微分した値等の特徴値を用いてもよい。
また、第3、第4、第5の各実施形態においても、第1の実施形態で説明したように、基準画像に対して許容領域を計算するのではなく、対象画像に対して許容領域を計算してもよい。また、基準画像の各画素について許容領域(Ra)を計算し、対象画像の各画素についても許容領域(Rb)を計算し、不適切領域抽出手段406が、基準画像および対象画像についてそれぞれ求めた許容領域Ra,Rbを用いて、対象画像の画素が不適切領域の画素であるか否かを判定してもよい。
また、第1から第5までの各実施形態において、画像処理システムが画像復元手段403,403b、または、ブレンド画像生成手段1003と、画像出力手段420を備えず、復元画像やブレンド画像を生成しない構成であってもよい。そのような構成であっても、対象画像の各画素が仮定された幾何学的な変形モデルによって表される変化に従わない局所的な領域であるか否かを高い精度で判定することができる。この場合、他の装置が復元画像やブレンド画像を生成すればよい。
実施形態6.
第1から第5までの各実施形態では、対象画像の画素が不適切領域の画素であるか否かを判定する場合に、対象画像の画素に対応する基準画像内の画素に関する楕円体を用いて判定する場合を示した。対象画像内のある一つの画素が不適切領域の画素であるか否かを判定する場合に、対象画像内の複数の画素に関する色空間内での各位置が、その複数の画素に対応する基準画像内の各画素に関する色空間内の楕円体の内側に存在するか外側に存在するかの程度を表す値を計算し、その値に基づいて、対象画像内の一つの画素が不適切領域の画素であるか否かを判定してもよい。以下、第6の実施形態として、このように対象画像内の各画素について判定を行う実施形態を示す。
第1から第5までの各実施形態では、対象画像の画素が不適切領域の画素であるか否かを判定する場合に、対象画像の画素に対応する基準画像内の画素に関する楕円体を用いて判定する場合を示した。対象画像内のある一つの画素が不適切領域の画素であるか否かを判定する場合に、対象画像内の複数の画素に関する色空間内での各位置が、その複数の画素に対応する基準画像内の各画素に関する色空間内の楕円体の内側に存在するか外側に存在するかの程度を表す値を計算し、その値に基づいて、対象画像内の一つの画素が不適切領域の画素であるか否かを判定してもよい。以下、第6の実施形態として、このように対象画像内の各画素について判定を行う実施形態を示す。
図17は、本発明の第6の実施形態の画像処理システムの例を示すブロック図である。第1の実施形態と同様の構成要素については、図1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第6の実施形態の画像処理システムは、プログラム制御により動作するコンピュータ400eと、画像入力手段410と、画像出力手段420とを備える。コンピュータ400eは、位置ずれ量推定手段401と、不適切領域判定手段402eと、画像復元手段403とを有する。
不適切領域判定手段402eは、画素差分計算手段405と、不適切領域抽出手段500と、不適切領域記憶手段407とを備え、対象画像中の画素が不適切領域に該当するか否かを判定する。
画素差分計算手段405は、第1の実施形態における画素差分計算手段405と同様であり、基準画像と対象画像との間において対応する画素の差分ベクトル(対応画素差分ベクトル)を計算する。
また、不適切領域記憶手段407も、第1の実施形態における不適切領域記憶手段407と同様である。
不適切領域抽出手段500は、対象画像内の個々の画素について、不適切領域の画素であるか否かを判定する。不適切領域抽出手段500は、対象画像内の一つ一つの画素に関してこの判定を行うときに、対象画像内の複数の画素に関する色空間内での各位置が、その複数の画素に対応する基準画像内の各画素に関する色空間内の楕円体の内側に存在するか外側に存在するかの程度を表す値(以下、判定指標値と記す)を、対応画素差分ベクトルを用いて計算し、その判定指標値に基づいて、対象画像内の画素が不適切領域の画素であるか否かを判定する。
位置ずれ量推定手段401、画素差分計算手段405および不適切領域抽出手段500は、例えばプログラムに従って動作するCPUによって実現される。あるいは、専用回路によって実現されていてもよい。
ここで、説明を簡単にするために、基準画像内の画素に関する色空間内の楕円体を表すパラメータについて説明する。本例では、基準画像および対象画像がYUV形式で表現されているものとする。この楕円体は、第1の実施形態において許容領域として計算される楕円体と同様の楕円体である。ただし、第6の実施形態では、基準画像内の一つの画素に関する一つの楕円体そのものが、判定用領域として用いられるわけではない。基準画像内の任意の画素をiとし、その画素iの画素値を要素とするベクトルをx1i=(Y1i,U1i,V1i)tとする。このとき、画素iに関する色空間内の楕円体は、以下の式(3)に示す行列Aによって表される。
式(3)に示すσは、楕円体の回転軸以外の軸方向の半径である。図2に例示する楕円体では、σは楕円体の短軸半径である。σは、予め定数として定めておく。Iは、色空間の次元と同数の行数および列数の単位行列である。本例では、Iは3×3の単位行列である。また、式(3)に示すΔx1iは、基準画像中の画素iの最大変化ベクトルである。すなわち、画素iに隣接する周囲の8画素の画素値が示すベクトルから、画素iの画素値が示すベクトルを減算した差分ベクトルのうち大きさが最大となるベクトルである。
式(3)に示すdは、楕円体の中心軸半径である。図2に例示する楕円体では、dは楕円体の長軸半径である。dは、画素iの最大変化ベクトルΔx1iの大きさである。ただし、中心軸半径の上限dmaxを定数として予め定めておく。Δx1iの大きさをdと定めるが、Δx1i>dmaxであればd=dmaxと定める。また、中心軸半径は、他の軸方向の半径以上となるように定める。従って、最大変化ベクトルΔx1iの大きさがσよりも小さい場合には、中心軸半径d=σとなる。
次に、動作について説明する。ここでは、画像入力手段410に入力される1枚目の画像が基準画像として基準画像入力手段411に入力され、2枚目以降の画像が対象画像として対象画像入力手段412に入力されるものとする。また、ここでは、基準画像および対象画像がYUV形式で表現されているものとする。画像処理システムは、対象画像毎に、以下に示す処理を行う。以下の説明では、処理対象として着目している対象画像が、k枚目(k≧2)の入力画像であるものとする。
位置ずれ量推定手段401は、1枚目の入力画像である基準画像の画素値xiと、対象画像の画素値xkとを用いて、基準画像に対する対象画像の位置ずれ量をサブピクセル精度で計算する。入力画像全体における対象画像の順番をkとしている。位置ずれ量推定手段401は、対象画像の各画素が基準画像のどの位置座標に存在するかを計算しているということができる。位置ずれ量を推定するとき、位置ずれ量推定手段401は、例えば、一様な変形を仮定した変形モデルである射影変換モデルを用いて計算を行う。画像中の大部分の領域の位置ずれ量が一様な変形によって表現できる場合には、その領域については少ない誤差で位置ずれ量を推定することが可能である。位置ずれ量推定手段401は、推定した位置ずれ量を記憶する。
次に、画素差分計算手段405は、計算された位置ずれ量に基づいて、着目しているk枚目の対象画像の画素に最も近い基準画像中の画素を特定する。その対象画像中の画素をjとし、画素jの画素値が表すベクトルをxkjとする。また、画素jに最も近いと判定された基準画像中の画素をiとし、その画素値が表すベクトルをxkiとする。画素差分計算手段405は、画素iと画素jとを対応付ける。そして、画素jと画素iの差分ベクトルとして、ベクトルδx(k,i,j)=xkj−x1iを計算する。画素差分計算手段405は、対象ベクトル内の各画素について、同様に、基準画像中の画素と対応付け、差分ベクトルを計算する。
次に、不適切領域抽出手段500は、対象画像内の画素jが不適切領域の画素であるか否かを、判定指標値に基づいて判定する。判定指標値は、対象画像内の複数の画素に関する色空間内での各位置が、その複数の画素に対応する基準画像内の各画素に関する色空間内の楕円体の内側に存在するか外側に存在するかの程度を表す値である。判定指標値の値が小さいほど、対象画像内の複数の画素に関する色空間内での各位置が各楕円体の内側に存在する程度が大きいことを意味する。対象画像内の複数の画素には、画素j自身も含まれる。この複数の画素は、画素jを中心とする複数の画素である。本例では、対象画像内の複数の画素として、対象画像内の全画素を用いる場合を例にして説明するが、判定対象となる画素jとの距離が、予め定められた距離閾値以内になっている各画素のみを用いてもよい。
不適切領域抽出手段500は、具体的には、以下の式(4)に例示する計算を行って、判定指標値D1を計算する。
式(4)において、j’は、着目している対象画像(k枚目の入力画像)中から選択した画素を表す。i’は、対象画像中の画素j’に対応する基準画像内の画素を表す。すなわち、不適切領域抽出手段500は、対象画像から個々の画素を選択し、選択した画素毎にF(j、j’)・C(k,i’,j’)を計算し、その総和を判定指標値D1とする。
式(4)におけるC(k,i’,j’)は、以下に示す式(5)で表される。
C(k,i’,j’)は、画素j’に関する色空間内での位置が、画素j’に対応する基準画像内の画素に関する色空間内の楕円体の内部にあるか外部にあるかを表す値であるということができる。
また、不適切領域抽出手段500は、例えば、基準画像が入力されたときに、基準画像内の各画素に関して行列Aを予め計算して記憶しておく。行列Aを計算するということは、楕円体を定めることを意味する。不適切領域抽出手段500は、基準画像の入力時に、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化ベクトルを特定し、最大変化ベクトルによって行列Aを計算すればよい。そして、不適切領域抽出手段500は、基準画像の画素毎に計算した行列Aを記憶しておけばよい。
式(5)におけるF(j、j’)は、不適切領域の画素であるか否かの判定対象画素である画素jと、画素j’との位置関係(距離)に応じた重み係数である。例えば、画素j、J’間の距離が小さいほど、重み係数が大きくなるように、重み係数F(j、j’)を定めてもよい。F(j、j’)は、例えば、以下に示す式(6)のように定めてもよい。
式(6)において、Rj,j’は、画素j,j’間の距離である。また、式(6)におけるεは、F(j、j’)の大きさを調整するパラメータである。εの値を大きく設定しておくほど、画素j,j’間の距離(Rj,j’)が大きい場合にも、F(j、j’)の値が大きな値となる。
また、例えば、F(j、j’)は、以下に示す式(7)のように定めてもよい。
式(7)は、画素j,j’間の距離(Rj,j’)がR0以上である場合には、重み係数F(j、j’)の値を0とし、距離Rj,j’がR0未満の場合に、重み係数F(j、j’)の値を1/R0 2とする。R0は、重み係数を0とする範囲と、0としない範囲との境界を規定する距離である。
不適切領域抽出手段500は、式(5)の計算を行って、判定指標値D1を計算したならば、判定指標値D1と、予め定められた閾値とを比較する。そして、D1が閾値よりも大きければ、不適切領域抽出手段500は、対象画像内の画素jが不適切領域の画素であると判定する。逆に、D1が閾値以下であれば、不適切領域抽出手段500は、対象画像内の画素jが不適切領域の画素でないと判定する。
不適切領域抽出手段500は、以上の判定を、対象画像内の各画素に対して行い、不適切領域の画素と判定された画素を不適切領域記憶手段407に記憶させる。
1枚の対象画像中の各画素についての判定処理が終了した後、画像処理システムは、次の対象画像についても同様の処理を繰り返す。全ての対象画像についての判定処理が終了した後、画像復元手段403が画像を復元する。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、上記の説明では、式(4)で計算されるD1を判定指標値とする場合を示したが、式(4)以外の計算方法で判定指標値を計算してもよい。例えば、不適切領域抽出手段500は、以下に示す式(8)の計算によりD2を求め、D2を判定指標値としてもよい。
式(8)は、対象画像内の画素毎に計算したF(j、j’)・C(k,i’,j’)のうちの最大値をD2とすることを表している。このように判定指標値D2を求めた場合にも、不適切領域抽出手段500は、予め定めた閾値とD2とを比較し、D2が閾値よりも大きければ、画素jが不適切領域の画素であると判定し、D2が閾値以下ならば、画素jが不適切領域の画素でないと判定すればよい。
また、上記の説明では、不適切領域抽出手段500が基準画像内の各画素に関して行列A(換言すれば楕円体)を予め計算して記憶する場合を示した。行列A自体を予め計算して記憶するのではなく、第5の実施形態と同様に、基準画像内の各画素に関する最大変化画素を予め記憶しておいてもよい。そして、個々の対象画像毎に、対象画像内の画素が不適切領域の画素であるか否かを判定するときに、最大変化画素を参照して行列Aを計算してもよい。行列Aを計算する際には、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素とその画素の最大変化画素とから隣接画素間差分ベクトルを計算し、隣接画素間差分ベクトルによって行列Aを計算すればよい。このように、基準画像が入力されたときには、基準画像内の各画素に関する最大変化画素を記憶しておき、対象画像毎に、基準画像内の各画素に関する行列Aを計算すれば、第5の実施形態と同様の効果が得られる。
また、第6の実施形態において、不適切領域判定手段402eは、第2の実施形態と同様に、基準高解像度画像生成手段608(図6参照)を備え、基準高解像度画像生成手段608が、基準高解像度画像を生成してもよい。そして、画素差分計算手段405および不適切領域抽出手段500は、基準高解像度画像と対象画像とを用いて、上記と同様の処理を行ってもよい。この場合、第2の実施形態と同様の効果が得られる。
また、第6の実施形態において、コンピュータ400eが、不適切領域記憶手段407および画像復元手段403の代わりに、第3の実施形態で示した使用画像生成手段807および画像復元手段403bを備える構成であってもよい。この場合、第3の実施形態と同様の効果が得られる。
また、第6の実施形態において、コンピュータ400eが、画像復元手段403の代わりに、第4の実施形態で示したブレンド画像生成手段1003を備える構成であってもよい。この場合、第4の実施形態と同様の効果が得られる。
その他、第1から第5までの各実施形態において説明した種々の変形例を、第6の実施形態に適用してもよい。例えば、第6の実施形態においても、対象画像を補間して高解像度化する対象画像高解像度化手段を備えていてもよい。そして、画素差分計算手段405は、高解像度化された対象画像を、位置ずれを解消するように補正した画像の画素の中から、基準画像の画素位置に最も近い画素を特定することによって、高解像度化された対象画像中の画素と、基準画像中の画素とを対応付けてもよい。そして、画素差分計算手段405は、その対応付けた各画素に応じた対応画素差分ベクトルを計算すればよい。
図1を参照して、本発明の実施例を説明する。この実施例は第1の実施形態に対応するものである。
本実施例では、画像入力手段410として、NTSC(National Television System Committee)信号を入出力できるビデオキャプチャボードを用いる。画像出力手段420として、ディスプレイ装置を用いる。また、コンピュータ400として、画像処理プロセッサを搭載した画像処理ボードを用いる。ビデオキャプチャボードは、入力されたビデオ信号をYUV信号に変換し、画像処理ボードに送る。また、ビデオキャプチャボードは、画像処理ボードにおける処理結果が転送させると、その処理結果をビデオ信号に変換してディスプレイ装置に表示させる。このように、本実施例では、画像処理ボードの処理結果をビデオキャプチャボードに転送し、ビデオキャプチャボードが画像をディスプレイ装置に表示させる。
画像処理ボードは、位置ずれ量推定手段401と、不適切領域判定手段402(許容領域計算手段404、画像差分計算手段405、不適切領域抽出手段406、不適切領域記憶手段407)と、画像復元手段403とを含む。
基準画像の入力信号が基準画像入力手段411に入力されると、基準画像入力手段411はその値を記憶する。本実施例では、複数の入力画像のうち、1枚目を基準画像とするものとする。また、基準画像および対象画像は、YUV形式で表現されているとする。許容領域計算手段404は、基準画像の画素を順に選択する。選択した画素を画素iとして、その画素iの画素値を要素とするベクトルをx1i=(Y1i,U1i,V1i)tとする。本実施例では、許容領域計算手段404、許容領域を表すパラメータを、既に説明した式(3)に示す行列Aとして求める。
式(3)に示すσは、許容領域となる楕円体の回転軸以外の軸方向の半径である。図2に示す例では、σは楕円体の短軸半径である。σは、予め定数として定めておく。Iは、色空間の次元と同数の行数および列数の単位行列である。本例では、色空間は、Y,U,Vの3次元空間であるので、Iは3×3の単位行列となる。また、式(3)に示すΔx1iは、基準画像から選択した画素iの最大変化ベクトルである。すなわち、画素iに隣接する周囲の8画素の画素値が示すベクトルから、画素iの画素値が示すベクトルを減算した差分ベクトルのうち大きさが最大となるベクトルである。
式(3)に示すdは、許容領域となる楕円体の中心軸半径である。すなわち、図2に示す例では、dは楕円体の長軸半径である。dは、画素iの最大変化ベクトルΔx1iの大きさである。ただし、中心軸半径の上限dmaxを定数として予め定めておく。許容領域計算手段404は、Δx1iの大きさをdと定めるが、Δx1i>dmaxであればd=dmaxと定める。また、中心軸半径は、他の軸方向の半径以上となるように定める。従って、許容領域計算手段404は、最大変化ベクトルΔx1iの大きさがσよりも小さい場合には、中心軸半径d=σと定める。
対象画像が対象画像入力手段412に入力されると、位置ずれ量推定手段401は、1枚目の入力画像である基準画像の画素値xiと、対象画像の画素値xkとを用いて、基準画像に対する対象画像の位置ずれ量をサブピクセル精度で計算する。入力画像全体における対象画像の順番をkとしている。位置ずれ量推定手段401は、対象画像の各画素が基準画像のどの位置座標に存在するかを計算しているということができる。位置ずれ量を推定するとき、位置ずれ量推定手段401は、例えば、一様な変形を仮定した変形モデルである射影変換モデルを用いて計算を行う。画像中の大部分の領域の位置ずれ量が一様な変形によって表現できる場合には、その領域については少ない誤差で位置ずれ量を推定することが可能である。位置ずれ量推定手段401は、推定した位置ずれ量を記憶する。
次に、画素差分計算手段405は、計算された位置ずれ量に基づいて、着目しているk枚目の対象画像の画素に最も近い基準画像中の画素を特定する。その、対象画像中の画素をjとし、その画素jの画素値が表すベクトルをxkjとする。また、画素jに最も近いと判定された基準画像中の画素をiとし、その画素値が表すベクトルをxkiとする。画素差分計算手段405は、画素iと画素jとを対応付ける。そして、画素jと画素iの差分ベクトルとして、ベクトルδx(k,i,j)=xkj−x1iを計算する。画素差分計算手段405は、対象ベクトル内の各画素について、同様に、基準画像中の画素と対応付け、差分ベクトルを計算する。
不適切領域抽出手段406は、対象画像中の画素毎に、その画素に対応付けられた基準画像中の画素におけるパラメータAと、画素差分計算手段405が計算した差分ベクトルδx(k,i,j)とを用いて、対象画像中の画素が不適切領域に該当するか否かを判定する。不適切領域抽出手段406は、対象画像中の画素jの画素値が示す色空間での位置が、対応する画素iの許容領域外であるか否かを判定すればよい。具体的には、不適切領域抽出手段406は、以下の式(9)に示すC(k,i,j)を計算し、C(k,i,j)が閾値より大きい値であるか否かを判定すればよい。この閾値は予め定めておけばよい。
不適切領域抽出手段406は、C(k,i,j)が閾値より大きければ、対象画像中の画素jの画素値が示す色空間での位置が、基準画像中の対応する画素iの許容領域外であり、画素jは不適切領域の画素であると判定する。一方、C(k,i,j)が閾値以下であれば、対象画像中の画素jの画素値が示す色空間での位置が、基準画像中の対応する画素iの許容領域内であり、画素jは適切領域の画素であると判定する。
不適切領域抽出手段406は、不適切領域の画素を特定する情報を不適切領域記憶手段407に記憶させる。本実施例では、対象画像の画素数をNとしたときに、N×Nの対角行列を以下のように定め、その対角行列を不適切領域記憶手段407に記憶させる。不適切領域抽出手段406は、着目している対象画像(k枚目の入力画像)のj番目の画素に関して、その画素が不適切領域と判定した場合、N×Nの対角行列のj番目の対角成分の値を0とし、適切領域と判定した場合、j番目の対角成分の値を1とする。このように定めたN×Nの対角行列は、式(1)における行列Skに該当する。
図18は、不適切領域の例を示す説明図である。図18(a)は基準画像を表し、図18(b)は対象画像を表している。基準画像および対象画像で撮影された家1801,1802は静止物体であり、家を表す領域は、位置ずれ量推定手段401で仮定された射影変換モデルによる変換に従う。基準画像および対象画像で撮影された月1803,1804は、時間と共に位置が変化するので、射影変換モデルに従わない。このとき、月の領域1804内の画素、および領域1803に対応する領域の画素について計算したC(k,i,j)は、一定値以上の大きな値となり、不適切領域と判定される。よって、対象画像中の領域のうち、図18(c)に示す領域1805,1806の画素が不適切領域と判定される。不適切領域抽出手段406は、対象画像中の領域1805,1806の画素に対応する対角成分を0とし、対象画像中の他の画素に対応する対角成分を1とした行列(Sk)を定め、不適切領域記憶手段407に記憶させる。
また、不適切領域抽出手段406は、この行列のj番目の対角成分として、以下の値を定めてもよい。
C(k,i,j)は、k枚目の対象画像中のj番目の画素について、式(9)の計算により求めた値である。βは、C(k,i,j)の値をどの程度、行列Skの対角成分に反映させるかを表すパラメータであり、予め定められた定数である。C(k,i,j)とβを用いて上記の計算によって求めた対角成分は、j番目の画素が適切領域である信頼度を表している。
入力された対象画像毎に対角行列(Sk)が記憶された後、画像復元手段403は、置ずれ量推定手段401に計算された位置ずれ推定量と、対象行列毎に定められた行列Skを用いて、高解像度画像を生成する。画像復元手段403は、式(1)の評価関数E[T]を最小にする行列Tを求めることによって、高解像度画像を生成すればよい。最後に、生成した高解像度画像を画像出力手段420に送り、表示させる。
基準画像および対象画像がYUV形式の画像である場合、式(3)における単位行列Iとして3×3の単位を用い、3×3の行列Aを計算する。そして式(9)では、3×3の行列と3次元ベクトルの計算を行う。基準画像および対象画像が、マルチスペクトル画像やハイパースペクトル画像のように3以外の次元の色空間で表される場合には、式(3)において、その色空間の次元に応じた単位行列Iを用いればよい。すなわち、画素がr個の画素値を有する場合、r×rの単位行列Iを用いて式(3)の計算を行えばよい。
以下、本発明の最小構成について説明する。図19は、本発明の最小構成を示すブロック図である。本発明の画像処理システムは、位置ずれ量計算手段91と、画素演算手段95とを備える。
位置ずれ量計算手段91(例えば、位置ずれ量推定手段401)は、基準画像に対する仮定された変化に従っていない局所領域の有無を判定される画像である対象画像と基準画像との位置ずれにおける位置ずれ量を計算する。
画素演算手段95(例えば、不適切領域判定手段402,402a,402b,402d,402e)は、位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算し、対応画素差分ベクトルと、予め定められた空間内における基準画像の画素に応じた楕円体とに基づいて、対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定する。
そのような構成により、画像中の画素値の変化が激しい領域が、仮定された変化に従わない局所領域と判定されやすくなってしまうことを防止できる。
また、上記の実施形態には、画素演算手段が、基準画像の画素に対応する対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定するための判定用領域(例えば、許容領域)を、予め定められた空間(例えば、色空間)内における楕円体として求める判定用領域特定手段(例えば、許量領域計算手段404,404a、あるいは最大変化画素計算手段1208および許量領域計算手段1204)と、対象画像と基準画像との位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算する差分計算手段(例えば、画素差分計算手段405,405a)と、対象画像の画素毎に、当該対象画像の画素に応じた空間内の位置が、当該画素に対応する基準画像の画素の判定用領域の外側であるか否かを対応画素差分ベクトルを用いて判定することにより、対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定する局所領域判定手段(例えば、不適切領域抽出手段406)とを含む構成が開示されている。
また、上記の実施形態には、判定用領域特定手段が、基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化ベクトルを特定し、最大変化ベクトルの大きさおよび方向と選択した画素の画素値とにより定まる楕円体を判定用領域とする構成が開示されている。
また、上記の実施形態には、判定用領域特定手段が、基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素の周囲の画素のうち、選択した画素との間で画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化画素を求める最大変化画素特定手段(例えば、最大変化画素計算手段1208)と、局所領域判定手段が、対象画像の画素が仮定された変化に従っていない局所領域の画素であるか否かを対象画像毎に判定するときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素とその画素の最大変化画素とから隣接画素間差分ベクトルを計算し、隣接画素間差分ベクトルの大きさおよび方向と選択した画素の画素値とにより定まる楕円体を判定用領域とする判定用領域算出手段(例えば、判定用領域計算手段1204)とを含む構成が開示されている。そのような構成によれば、局所領域であるか否かの判定を行うまでに用いるメモリ記憶量を抑えることができる。
また、上記の実施形態には、判定用領域特定手段が、対象画像が入力されたときに、対象画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化ベクトルを特定し、最大変化ベクトルの大きさおよび方向と選択した画素の画素値とにより定まる楕円体を判定用領域とする構成が開示されている。
また、上記の実施形態には、画素演算手段(例えば、不適切領域判定手段402e)が、対象画像と基準画像との位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算する差分計算手段(例えば、画素差分計算手段405)と、対象画像の画素毎に、当該画素を中心とする対象画像内の複数の画素に応じた、予め定められた空間内における各位置が、その複数の画素に対応する基準画像内の各画素に応じた空間内における各楕円体の内側に存在するか外側に存在するかの程度を表す基準指標値を対応画素差分ベクトルを用いて計算し、基準指標値に基づいて、対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定する局所領域判定手段(例えば、不適切領域抽出手段500)とを含む構成が開示されている。
また、上記の実施形態には、局所領域判定手段(例えば、不適切領域抽出手段500)が、基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化ベクトルを特定し、最大変化ベクトルによって楕円体を定める構成が開示されている。
また、上記の実施形態には、局所領域判定手段(例えば、不適切領域抽出手段500)が、基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化画素を特定し、対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定するときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素と当該画素の最大変化画素とから隣接画素間差分ベクトルを計算し、当該隣接画素間差分ベクトルによって楕円体を定める構成が開示されている。
また、上記の実施形態には、仮定された変化に従っていない局所領域の画素がどこであるかを示す情報に応じて、基準画像および対象画像から一つの画像を生成する画像生成手段(例えば、画像復元手段403、403b、あるいはブレンド画像生成手段1003)を備えた構成が開示されている。
また、上記の実施形態には、画像生成手段(例えば、画像復元手段403、403b)が、基準画像および対象画像から、基準画像および対象画像よりも画素数の多い高解像度画像を生成する構成が開示されている。そのような構成によれば、仮定された変化に従わない局所領域を精度良く判定するので、高画質画像生成時における画質改善効果の減少を防ぐことができる。
また、上記の実施形態には、仮定された変化に従っていない局所領域の画素であると判定された対象画像の画素の画素値を、その画素に対応する基準画像の画素の画素値に置き換える画素値置換手段(例えば、使用画像生成手段807)を備え、画像生成手段が、基準画像と、画素値置換手段によって画素値が置き換えられた対象画像とから高解像度画像を生成する構成が開示されている。そのような構成によれば、より少ないメモリ記憶量で高画質画像を生成できる。
また、上記の実施形態には、画像生成手段が、基準画像および対象画像から、基準画像および対象画像の対応する画素同士の画素値の平均値を算出するとともに、仮定された変化に従っていない局所領域の画素を平均値の算出対象から除外し、算出した平均値を画素値とするブレンド画像を生成する構成が開示されている。そのような構成によれば、仮定された変化に従わない局所領域を精度良く判定するので、ブレンド画像の画質を高めることができる。
また、上記の実施形態には、仮定された変化に従っていない局所領域の画素であると判定された対象画像の画素の画素値を、その画素に対応する基準画像の画素の画素値に置き換える画素値置換手段(例えば、使用画像生成手段807)を備え、画像生成手段が、基準画像と、画素値置換手段によって画素値が置き換えられた対象画像とから、基準画像および対象画像の対応する画素同士の画素値の平均値を画素値とするブレンド画像を生成する構成が開示されている。そのような構成によれば、より少ないメモリ記憶量で画質のよいブレンド画像を生成できる。
また、上記の実施形態には、基準画像を補間して高解像度化する基準画像高解像度化手段(例えば、基準高解像度画像生成手段608)を備え、差分計算手段が、位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い高解像度化された基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と高解像度化された基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の対応画素差分ベクトルを計算する構成が開示されている。
また、上記の実施形態には、対象画像を補間して高解像度化する対象画像高解像度化手段を備え、差分計算手段が、高解像度化された対象画像を位置ずれを解消するように補正した画像の画素の中から、基準画像の画素位置に最も近い画素を特定することによって、高解像度化された対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の対応画素差分ベクトルを計算する構成が開示されている。
なお、上記の実施の形態では、以下の(1)〜(15)に示すような画像処理システムの特徴的構成が開示されている。
(1)基準画像に対する仮定された変化に従っていない局所領域の有無を判定される画像である対象画像と基準画像との位置ずれにおける位置ずれ量を計算する位置ずれ量計算部と、位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算し、対応画素差分ベクトルと、予め定められた空間内における基準画像の画素に応じた楕円体とに基づいて、対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定する画素演算部とを備えることを特徴とする画像処理システム。
(2)画素演算部が、基準画像の画素に対応する対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定するための判定用領域を、予め定められた空間内における楕円体として求める判定用領域特定部と、対象画像と基準画像との位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算する差分計算部と、対象画像の画素毎に、当該対象画像の画素に応じた空間内の位置が、当該画素に対応する基準画像の画素の判定用領域の外側であるか否かを対応画素差分ベクトルを用いて判定することにより、対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定する局所領域判定部とを含む画像処理システム。
(3)判定用領域特定部が、基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化ベクトルを特定し、最大変化ベクトルの大きさおよび方向と選択した画素の画素値とにより定まる楕円体を判定用領域とする画像処理システム。
(4)判定用領域特定部が、基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素の周囲の画素のうち、選択した画素との間で画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化画素を求める最大変化画素特定部と、局所領域判定部が、対象画像の画素が仮定された変化に従っていない局所領域の画素であるか否かを対象画像毎に判定するときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素と当該画素の最大変化画素とから隣接画素間差分ベクトルを計算し、隣接画素間差分ベクトルの大きさおよび方向と選択した画素の画素値とにより定まる楕円体を判定用領域とする判定用領域算出部とを含む画像処理システム。
(5)判定用領域特定部が、対象画像が入力されたときに、対象画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化ベクトルを特定し、最大変化ベクトルの大きさおよび方向と選択した画素の画素値とにより定まる楕円体を判定用領域とする画像処理システム。
(6)画素演算部が、対象画像と基準画像との位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算する差分計算部と、対象画像の画素毎に、当該画素を中心とする対象画像内の複数の画素に応じた、予め定められた空間内における各位置が、その複数の画素に対応する基準画像内の各画素に応じた空間内における各楕円体の内側に存在するか外側に存在するかの程度を表す基準指標値を対応画素差分ベクトルを用いて計算し、基準指標値に基づいて、対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定する局所領域判定部とを含む画像処理システム。
(7)局所領域判定部が、基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化ベクトルを特定し、最大変化ベクトルによって楕円体を定める画像処理システム。
(8)局所領域判定部が、基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化画素を特定し、対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定するときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素と当該画素の最大変化画素とから隣接画素間差分ベクトルを計算し、当該隣接画素間差分ベクトルによって楕円体を定める画像処理システム。
(9)仮定された変化に従っていない局所領域の画素がどこであるかを示す情報に応じて、基準画像および対象画像から一つの画像を生成する画像生成部を備えた画像処理システム。
(10)画像生成部が、基準画像および対象画像から、基準画像および対象画像よりも画素数の多い高解像度画像を生成する画像処理システム。
(11)仮定された変化に従っていない局所領域の画素であると判定された対象画像の画素の画素値を、当該画素に対応する基準画像の画素の画素値に置き換える画素値置換部を備え、画像生成部が、基準画像と、画素値置換部によって画素値が置き換えられた対象画像とから高解像度画像を生成する画像処理システム。
(12)画像生成部が、基準画像および対象画像から、基準画像および対象画像の対応する画素同士の画素値の平均値を算出するとともに、仮定された変化に従っていない局所領域の画素を平均値の算出対象から除外し、算出した平均値を画素値とするブレンド画像を生成する画像処理システム。
(13)仮定された変化に従っていない局所領域の画素であると判定された対象画像の画素の画素値を、当該画素に対応する基準画像の画素の画素値に置き換える画素値置換部を備え、画像生成部が、基準画像と、画素値置換部によって画素値が置き換えられた対象画像とから、基準画像および対象画像の対応する画素同士の画素値の平均値を画素値とするブレンド画像を生成する画像処理システム。
(14)基準画像を補間して高解像度化する基準画像高解像度化部を備え、差分計算部が、位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い高解像度化された基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と高解像度化された基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の対応画素差分ベクトルを計算する画像処理システム。
(15)対象画像を補間して高解像度化する対象画像高解像度化部を備え、差分計算部が、高解像度化された対象画像を位置ずれを解消するように補正した画像の画素の中から、基準画像の画素位置に最も近い画素を特定することによって、高解像度化された対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の対応画素差分ベクトルを計算する画像処理システム。
また、上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限定されない。
(付記1)基準画像に対する仮定された変化に従っていない局所領域の有無を判定される画像である対象画像と基準画像との位置ずれにおける位置ずれ量を計算し、前記位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算し、対応画素差分ベクトルと、予め定められた空間内における基準画像の画素に応じた楕円体とに基づいて、対象画像の画素が前記局所領域の画素であるか否かを判定することを特徴とする画像処理方法。
(付記2)基準画像の画素に対応する対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定するための判定用領域を、予め定められた空間内における楕円体として求め、対象画像と基準画像との位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算し、対象画像の画素毎に、当該対象画像の画素に応じた前記空間内の位置が、当該画素に対応する基準画像の画素の判定用領域の外側であるか否かを前記対応画素差分ベクトルを用いて判定することにより、対象画像の前記画素が前記局所領域の画素であるか否かを判定する付記1に記載の画像処理方法。
(付記3)基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化ベクトルを特定し、最大変化ベクトルの大きさおよび方向と前記選択した画素の画素値とにより定まる楕円体を判定用領域とする付記2に記載の画像処理方法。
(付記4)基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素の周囲の画素のうち、選択した画素との間で画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化画素を求め、対象画像の画素が仮定された変化に従っていない局所領域の画素であるか否かを対象画像毎に判定するときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素と当該画素の最大変化画素とから隣接画素間差分ベクトルを計算し、隣接画素間差分ベクトルの大きさおよび方向と前記選択した画素の画素値とにより定まる楕円体を判定用領域とする付記2に記載の画像処理方法。
(付記5)対象画像が入力されたときに、対象画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化ベクトルを特定し、最大変化ベクトルの大きさおよび方向と前記選択した画素の画素値とにより定まる楕円体を判定用領域とする付記2に記載の画像処理方法。
(付記6)対象画像と基準画像との位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算し、対象画像の画素毎に、当該画素を中心とする対象画像内の複数の画素に応じた、予め定められた空間内における各位置が、前記複数の画素に対応する基準画像内の各画素に応じた前記空間内における各楕円体の内側に存在するか外側に存在するかの程度を表す基準指標値を対応画素差分ベクトルを用いて計算し、前記基準指標値に基づいて、対象画像の前記画素が局所領域の画素であるか否かを判定する付記1に記載の画像処理方法。
(付記7)基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化ベクトルを特定し、最大変化ベクトルによって楕円体を定める付記6に記載の画像処理方法。
(付記8)基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化画素を特定し、対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定するときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素と当該画素の最大変化画素とから隣接画素間差分ベクトルを計算し、当該隣接画素間差分ベクトルによって楕円体を定める付記6に記載の画像処理方法。
(付記9)仮定された変化に従っていない局所領域の画素がどこであるかを示す情報に応じて、基準画像および対象画像から一つの画像を生成する付記1から付記8のうちのいずれかに記載の画像処理方法。
(付記10)基準画像および対象画像から、前記基準画像および対象画像よりも画素数の多い高解像度画像を生成する付記9に記載の画像処理方法。
(付記11)仮定された変化に従っていない局所領域の画素であると判定された対象画像の画素の画素値を、当該画素に対応する基準画像の画素の画素値に置き換え、基準画像と、画素値が置き換えられた対象画像とから高解像度画像を生成する付記10に記載の画像処理方法。
(付記12)基準画像および対象画像から、前記基準画像および対象画像の対応する画素同士の画素値の平均値を算出するとともに、仮定された変化に従っていない局所領域の画素を前記平均値の算出対象から除外し、算出した平均値を画素値とするブレンド画像を生成する付記9に記載の画像処理方法。
(付記13)仮定された変化に従っていない局所領域の画素であると判定された対象画像の画素の画素値を、当該画素に対応する基準画像の画素の画素値に置き換え、基準画像と、画素値が置き換えられた対象画像とから、前記基準画像および対象画像の対応する画素同士の画素値の平均値を画素値とするブレンド画像を生成する付記9に記載の画像処理方法。
(付記14)基準画像を補間して高解像度化し、位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い高解像度化された基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と高解像度化された基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の対応画素差分ベクトルを計算する付記1から付記13のうちのいずれかに記載の画像処理方法。
(付記15)対象画像を補間して高解像度化し、高解像度化された対象画像を位置ずれを解消するように補正した画像の画素の中から、基準画像の画素位置に最も近い画素を特定することによって、高解像度化された対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の対応画素差分ベクトルを計算する付記1から付記13のうちのいずれかに記載の画像処理方法。
(付記16)コンピュータに、基準画像に対する仮定された変化に従っていない局所領域の有無を判定される画像である対象画像と基準画像との位置ずれにおける位置ずれ量を計算する位置ずれ量計算処理、および、前記位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算し、対応画素差分ベクトルと、予め定められた空間内における基準画像の画素に応じた楕円体とに基づいて、対象画像の画素が前記局所領域の画素であるか否かを判定する画素演算処理を実行させるための画像処理プログラム。
(付記17)コンピュータに、画素演算処理で、基準画像の画素に対応する対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定するための判定用領域を、予め定められた空間内における楕円体として求める判定用領域特定処理、対象画像と基準画像との位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算する差分計算処理、および、対象画像の画素毎に、当該対象画像の画素に応じた前記空間内の位置が、当該画素に対応する基準画像の画素の判定用領域の外側であるか否かを前記対応画素差分ベクトルを用いて判定することにより、対象画像の前記画素が前記局所領域の画素であるか否かを判定する局所領域判定処理を実行させる付記16に記載の画像処理プログラム。
(付記18)コンピュータに、判定用領域特定処理として、基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化ベクトルを特定し、最大変化ベクトルの大きさおよび方向と前記選択した画素の画素値とにより定まる楕円体を判定用領域とする処理を実行させる付記17に記載の画像処理プログラム。
(付記19)コンピュータに、判定用領域特定処理として、基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素の周囲の画素のうち、選択した画素との間で画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化画素を求める最大変化画素特定処理、および、局所領域判定処理で、対象画像の画素が仮定された変化に従っていない局所領域の画素であるか否かを対象画像毎に判定するときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素と当該画素の最大変化画素とから隣接画素間差分ベクトルを計算し、隣接画素間差分ベクトルの大きさおよび方向と前記選択した画素の画素値とにより定まる楕円体を判定用領域とする判定用領域算出処理を実行させる付記17に記載の画像処理プログラム。
(付記20)コンピュータに、判定用領域特定処理として、対象画像が入力されたときに、対象画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化ベクトルを特定し、最大変化ベクトルの大きさおよび方向と前記選択した画素の画素値とにより定まる楕円体を判定用領域とする処理を実行させる付記17に記載の画像処理プログラム。
(付記21)コンピュータに、画素演算処理で、対象画像と基準画像との位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算する差分計算処理、および、対象画像の画素毎に、当該画素を中心とする対象画像内の複数の画素に応じた、予め定められた空間内における各位置が、前記複数の画素に対応する基準画像内の各画素に応じた前記空間内における各楕円体の内側に存在するか外側に存在するかの程度を表す基準指標値を対応画素差分ベクトルを用いて計算し、前記基準指標値に基づいて、対象画像の前記画素が局所領域の画素であるか否かを判定する局所領域判定処理を実行させる付記16に記載の画像処理プログラム。
(付記22)コンピュータに、基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化ベクトルを特定し、最大変化ベクトルによって楕円体を定めさせる付記21に記載の画像処理プログラム。
(付記23)コンピュータに、基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化画素を特定させ、対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定するときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素と当該画素の最大変化画素とから隣接画素間差分ベクトルを計算し、当該隣接画素間差分ベクトルによって楕円体を定めさせる付記21に記載の画像処理プログラム。
(付記24)コンピュータに、仮定された変化に従っていない局所領域の画素がどこであるかを示す情報に応じて、基準画像および対象画像から一つの画像を生成する画像生成処理を実行させる付記16から付記23のうちのいずれかに記載の画像処理プログラム。
(付記25)コンピュータに、画像生成処理で、基準画像および対象画像から、前記基準画像および対象画像よりも画素数の多い高解像度画像を生成させる付記24に記載の画像処理プログラム。
(付記26)コンピュータに、仮定された変化に従っていない局所領域の画素であると判定された対象画像の画素の画素値を、当該画素に対応する基準画像の画素の画素値に置き換える画素値置換処理を実行させ、画像生成処理で、基準画像と、画素値が置き換えられた対象画像とから高解像度画像を生成させる付記25に記載の画像処理プログラム。
(付記27)コンピュータに、画像生成処理で、基準画像および対象画像から、前記基準画像および対象画像の対応する画素同士の画素値の平均値を算出するとともに、仮定された変化に従っていない局所領域の画素を前記平均値の算出対象から除外し、算出した平均値を画素値とするブレンド画像を生成させる付記24に記載の画像処理プログラム。
(付記28)コンピュータに、仮定された変化に従っていない局所領域の画素であると判定された対象画像の画素の画素値を、当該画素に対応する基準画像の画素の画素値に置き換える画素値置換処理を実行させ、画像生成処理で、基準画像と、画素値が置き換えられた対象画像とから、前記基準画像および対象画像の対応する画素同士の画素値の平均値を画素値とするブレンド画像を生成させる付記24に記載の画像処理プログラム。
(付記29)コンピュータに、基準画像を補間して高解像度化する基準画像高解像度化処理を実行させ、差分計算処理で、位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い高解像度化された基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と高解像度化された基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の対応画素差分ベクトルを計算させる付記16から付記28のうちのいずれかに記載の画像処理プログラム。
(付記30)コンピュータに、対象画像を補間して高解像度化する対象画像高解像度化処理を実行させ、差分計算処理で、高解像度化された対象画像を前記位置ずれを解消するように補正した画像の画素の中から、基準画像の画素位置に最も近い画素を特定することによって、高解像度化された対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の対応画素差分ベクトルを計算させる付記16から付記28のうちのいずれかに記載の画像処理プログラム。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2009年2月19に出願された日本出願特願2009−036826を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明は、複数の画像から高解像度画像やブレンド画像を生成する処理等に適用可能である。
401 位置ずれ量推定手段
403 画像復元手段
404 許容領域計算手段
405 画像差分計算手段
406 不適切領域抽出手段
407 不適切領域記憶手段
411 基準画像入力手段
412 対象画像入力手段
608 基準高解像度画像生成手段
807 使用画像生成手段
1003 ブレンド画像生成手段
1204 許容領域計算手段
1208 最大変化画素計算手段
403 画像復元手段
404 許容領域計算手段
405 画像差分計算手段
406 不適切領域抽出手段
407 不適切領域記憶手段
411 基準画像入力手段
412 対象画像入力手段
608 基準高解像度画像生成手段
807 使用画像生成手段
1003 ブレンド画像生成手段
1204 許容領域計算手段
1208 最大変化画素計算手段
Claims (17)
- 基準画像に対する仮定された変化に従っていない局所領域の有無を判定される画像である対象画像と基準画像との位置ずれにおける位置ずれ量を計算する位置ずれ量計算手段と、
前記位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算し、対応画素差分ベクトルと、予め定められた空間内における基準画像の画素に応じた楕円体とに基づいて、対象画像の画素が前記局所領域の画素であるか否かを判定する画素演算手段とを備える
ことを特徴とする画像処理システム。 - 画素演算手段は、
基準画像の画素に対応する対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定するための判定用領域を、予め定められた空間内における楕円体として求める判定用領域特定手段と、
対象画像と基準画像との位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算する差分計算手段と、
対象画像の画素毎に、当該対象画像の画素に応じた前記空間内の位置が、当該画素に対応する基準画像の画素の判定用領域の外側であるか否かを前記対応画素差分ベクトルを用いて判定することにより、対象画像の前記画素が前記局所領域の画素であるか否かを判定する局所領域判定手段とを含む
請求項1に記載の画像処理システム。 - 判定用領域特定手段は、基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化ベクトルを特定し、最大変化ベクトルの大きさおよび方向と前記選択した画素の画素値とにより定まる楕円体を判定用領域とする
請求項2に記載の画像処理システム。 - 判定用領域特定手段は、
基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素の周囲の画素のうち、選択した画素との間で画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化画素を求める最大変化画素特定手段と、
局所領域判定手段が、対象画像の画素が仮定された変化に従っていない局所領域の画素であるか否かを対象画像毎に判定するときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素と当該画素の最大変化画素とから隣接画素間差分ベクトルを計算し、隣接画素間差分ベクトルの大きさおよび方向と前記選択した画素の画素値とにより定まる楕円体を判定用領域とする判定用領域算出手段とを含む
請求項2に記載の画像処理システム。 - 判定用領域特定手段は、対象画像が入力されたときに、対象画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化ベクトルを特定し、最大変化ベクトルの大きさおよび方向と前記選択した画素の画素値とにより定まる楕円体を判定用領域とする
請求項2に記載の画像処理システム。 - 画素演算手段は、
対象画像と基準画像との位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算する差分計算手段と、
対象画像の画素毎に、当該画素を中心とする対象画像内の複数の画素に応じた、予め定められた空間内における各位置が、前記複数の画素に対応する基準画像内の各画素に応じた前記空間内における各楕円体の内側に存在するか外側に存在するかの程度を表す基準指標値を対応画素差分ベクトルを用いて計算し、前記基準指標値に基づいて、対象画像の前記画素が局所領域の画素であるか否かを判定する局所領域判定手段とを含む
請求項1に記載の画像処理システム。 - 局所領域判定手段は、基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化ベクトルを特定し、最大変化ベクトルによって楕円体を定める
請求項6に記載の画像処理システム。 - 局所領域判定手段は、
基準画像が入力されたときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素とその周囲の画素との間で、画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである隣接画素間差分ベクトルを求め、隣接画素間差分ベクトルの大きさが最大となる最大変化画素を特定し、
対象画像の画素が局所領域の画素であるか否かを判定するときに、基準画像の画素を順に選択し、選択した画素と当該画素の最大変化画素とから隣接画素間差分ベクトルを計算し、当該隣接画素間差分ベクトルによって楕円体を定める
請求項6に記載の画像処理システム。 - 仮定された変化に従っていない局所領域の画素がどこであるかを示す情報に応じて、基準画像および対象画像から一つの画像を生成する画像生成手段を備えた
請求項1から請求項8のうちのいずれか1項に記載の画像処理システム。 - 画像生成手段は、基準画像および対象画像から、前記基準画像および対象画像よりも画素数の多い高解像度画像を生成する
請求項9に記載の画像処理システム。 - 仮定された変化に従っていない局所領域の画素であると判定された対象画像の画素の画素値を、当該画素に対応する基準画像の画素の画素値に置き換える画素値置換手段を備え、
画像生成手段は、基準画像と、画素値置換手段によって画素値が置き換えられた対象画像とから高解像度画像を生成する
請求項10に記載の画像処理システム。 - 画像生成手段は、基準画像および対象画像から、前記基準画像および対象画像の対応する画素同士の画素値の平均値を算出するとともに、仮定された変化に従っていない局所領域の画素を前記平均値の算出対象から除外し、算出した平均値を画素値とするブレンド画像を生成する
請求項9に記載の画像処理システム。 - 仮定された変化に従っていない局所領域の画素であると判定された対象画像の画素の画素値を、当該画素に対応する基準画像の画素の画素値に置き換える画素値置換手段を備え、
画像生成手段は、基準画像と、画素値置換手段によって画素値が置き換えられた対象画像とから、前記基準画像および対象画像の対応する画素同士の画素値の平均値を画素値とするブレンド画像を生成する
請求項9に記載の画像処理システム。 - 基準画像を補間して高解像度化する基準画像高解像度化手段を備え、
差分計算手段は、
位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い高解像度化された基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と高解像度化された基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の対応画素差分ベクトルを計算する
請求項1から請求項13のうちのいずれか1項に記載の画像処理システム。 - 対象画像を補間して高解像度化する対象画像高解像度化手段を備え、
差分計算手段は、
高解像度化された対象画像を位置ずれを解消するように補正した画像の画素の中から、基準画像の画素位置に最も近い画素を特定することによって、高解像度化された対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の対応画素差分ベクトルを計算する
請求項1から請求項13のうちのいずれか1項に記載の画像処理システム。 - 基準画像に対する仮定された変化に従っていない局所領域の有無を判定される画像である対象画像と基準画像との位置ずれにおける位置ずれ量を計算し、
前記位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算し、対応画素差分ベクトルと、予め定められた空間内における基準画像の画素に応じた楕円体とに基づいて、対象画像の画素が前記局所領域の画素であるか否かを判定する
ことを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータに、
基準画像に対する仮定された変化に従っていない局所領域の有無を判定される画像である対象画像と基準画像との位置ずれにおける位置ずれ量を計算する位置ずれ量計算処理、および、
前記位置ずれを解消するように対象画像を補正したときにおける対象画像の画素位置に最も近い基準画像の画素を特定することによって、対象画像の画素と基準画像の画素とを対応付け、対応付けた各画素に応じたベクトル同士の差分ベクトルである対応画素差分ベクトルを計算し、対応画素差分ベクトルと、予め定められた空間内における基準画像の画素に応じた楕円体とに基づいて、対象画像の画素が前記局所領域の画素であるか否かを判定する画素演算処理
を実行させるための画像処理プログラム。
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