以下に添付図面を参照して、この発明にかかるコード読取装置、販売登録装置およびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態にかかるチェックアウトレーンシステム1の構成を概略的に示す外観斜視図である。図1に示すように、チェックアウトレーンシステム1は、商品を入れた買い物かごを戴置するためのサッカー台4と、サッカー台4の略中央に立設されたコード読取装置2とを備えている。また、チェックアウトレーンシステム1は、コード読取装置2と図示しない伝送路によって相互通信可能に接続された、販売登録装置としてのPOS端末3を備えている。
コード読取装置2は、商品に貼付されたバーコードを読み取って、バーコードが含む商品情報をPOS端末3に出力するための装置である。図1に示すように、コード読取装置2は、読取窓21と、キーボード22と、ディスプレイ23と、表示LED24と、ブザー25とを主に備えている。キーボード22は、バーコードで登録不能な商品の登録を行う場合に、各種キーによる入力を受付ける。ディスプレイ23は、登録された商品の品名や価格等を買い物客に対して表示する。表示LED24は、商品に貼付されたバーコードが読み取られた場合に点灯して、バーコードが読み取られたことをオペレータに報知する。ブザー25は、商品に貼付されたバーコード等が読み取られた場合にブザー音を鳴らして、オペレータに報知する。読取窓21が設けられたコード読取装置2の内部には、CCD(Charge Coupled Device)カメラ20(図2参照)が内蔵されている。
POS端末3は、客が購入する商品の販売登録を行うものである。図1に示すように、POS端末3には、キーボード31、店員用ディスプレイ32、客用ディスプレイ33、レシート等の印字を行うプリンタ34、現金等を収容するためのドロワ35等が設けられている。店員用ディスプレイ32には、販売登録する商品名や価格等を表示する商品登録画面が表示される。キーボード31には、一取引の締め処理を宣言するための現計キー等が配設されている。
次に、コード読取装置2の構成についてより詳細に説明する。図2は、コード読取装置2の構成を示すブロック図である。コード読取装置2は、CPU50と、ROM42と、RAM43と、通信I/F44と、出力ポート46と、キーボードコントローラ47と、表示コントローラ48と、カメラコントローラ49と、メモリ45とを主に備えており、これらがアドレスバス、データバスなどのバスライン41で接続されている。
CPU50は、コード読取装置2の動作全体を制御する制御部として機能する。ROM42は、CPU50が実行する各種プログラム等を記憶するものである。RAM43は、CPU50によってROM42が記憶する各種プログラムを展開する際にワークエリアとして機能するものである。また、RAM43は、カメラ20によって撮像した画像データなどの各種データを格納する。
通信I/F44は、バスを介して接続されたPOS端末3(図1参照)とのデータ通信を制御する。出力ポート46は、ブザー25と表示LED24に駆動信号を出力する。キーボードコントローラ47は、キーボード22からキー信号を取り込む。表示コントローラ48は、ディスプレイ23に対するデータ表示を制御する。カメラコントローラ49は、カメラ20の撮像動作を制御する。
カメラ20は、商品に付されたバーコードまたは二次元コード等のコードシンボルや、値引やポイント付加等のサービスを表示したサービス表示ラベルなどを撮像する。
次に、本実施の形態のコード読取装置2により処理される商品とカメラ20の撮像領域との関係について説明する。図3は、商品60とカメラ20の撮像エリアとの関係の一例を示す図である。図中2点鎖線で囲った領域は、カメラ20が1フレームで撮像できる領域である撮像エリア70aである。図3に示す商品60には、バーコードラベル61に加えて、サービス表示ラベルの一例である値引ラベルL1が貼付されている。
バーコードラベル61には、商品名「豚バラうす切り」や、商品価格「200円」や、バーコード62等が表示されている。バーコード62には、商品60の販売データをPOS端末3で登録処理するのに必要な商品情報として、商品コード等の情報が組み込まれている。また、バーコード62の下部には、バーコード62が組み込んでいる商品コード「0201234567890」が数字で表示されている。値引ラベルL1には、商品60に関する値引額を示す文字情報「表示価格より50円引き」が表示されている。
尚、サービス表示ラベルとしては、商品60に付され、商品60の購入時に付与されるサービスに関するサービスを表示しているもの(サービス表示の画像)であればよい。サービス表示ラベルのその他の例としては、図4に示すように、商品60の割引率を表示した割引ラベルL2や、図5に示すように、商品60を購入した客に対して、通常のポイント付与数より割増されて付与されるポイント数を表示したポイント割増ラベルL3等がある。
不揮発性のメモリ45は、サービス表示ラベルの特徴と、サービス表示ラベルが示すサービスの内容を対応付けたラベル特徴テーブルTを格納している。
図6は、ラベル特徴テーブルTを説明する図である。図6に示すように、ラベル特徴テーブルTは、サービス表示ラベルが含む文字やシンボルの特徴を示したラベル特徴データと、当該サービス表示ラベルによって商品に付与されるサービス情報とを対応付けて記憶している。
より詳細には、ラベル特徴データとは、サービス表示ラベルからOCR等の文字認識処理によって抽出される情報のことである。即ち、図3に示すように、「表示価格より50円引き」と記載された値引ラベルL1については、図6のラベル特徴テーブルTにおいてNo.1のラベル特徴データに示すように、「50、円、引」という情報が文字認識処理によって抽出される。同様に、図4、5に示すラベルL2、L3に対しても、図6のNo.2、No.3のラベル特徴データに示すように、「10、%、引」「10、ポイント」という割引やポイント付与に関する情報が抽出される。
サービス情報とは、サービス表示ラベルから読み取った値引情報やポイント付与情報などのサービスに関する情報を、POS端末3の販売登録処理において使用できるよう英数値に変換した情報のことである。即ち、図6に示すように、ラベル特徴データ「50、円、引」に対しては、50円の値引を意味するサービス情報「−50YEN」が対応付けて記憶されている。また、ラベル特徴データ「10、%、引」に対しては、10%の割引を意味するサービス情報「−10%」が対応付けて記憶されている。さらに、ラベル特徴データ「10、ポイント」に対しては、10ポイントのポイント割増を意味するサービス情報「+10P」が対応付けて記憶されている。
次に、本実施の形態のコード読取装置2が有する特徴的な機能について説明する。CPU50は、RAM43に展開されたROM42が記憶するプログラムに従って動作することで、図2に示すように、画像データ取込部51と、バーコード読取部52と、バーコードデータ出力部53と、ラベル読取部54と、サービスコード出力部55と、報知部56として機能する。
画像データ取込部51は、カメラコントローラ49に撮像オン信号を出力してカメラ20に撮像動作を開始させる。画像データ取込部51は、カメラ20が撮像した撮像エリア70内の画像データを取り込んで、RAM43の画像ワークエリアに格納する。また、画像データ取込部51は、ラベル読取部54の指示を受けた場合に、カメラ20が撮像した撮像エリア70内の画像データを取り込んで、RAM43の画像ワークエリアに格納する。
ここで、画像データ取込部51が取り込む画像データD(Da、Db、Dc)について図3、図7ないし図10を用いて説明する。
図3に示すように、商品60においてバーコード62と値引ラベルL1が近接して貼付されている場合には、バーコード62と値引ラベルL1とが撮像エリア70aに納まっている。この場合、カメラ20は、バーコード62と値引ラベルL1とを1フレームで撮像することができる。画像データ取込部51は、撮像エリア70aに対応する画像データDa(図7参照)をRAM43の画像ワークエリアに格納する。
一方、図8に示すように、商品60においてバーコード62と値引ラベルL1とが離れて貼付されている場合には、バーコード62と値引ラベルL1とは同一の撮像エリア70に納まらない。この場合には、オペレータが読取窓21にかざす商品60の位置を変えて、バーコード62を含む撮像エリア70bと、値引ラベルL1を含む撮像エリア70cとの複数のフレームにより商品60を複数回に分けて撮像することとなる。画像データ取込部51は、撮像エリア70b、70cに対する各画像データDb(図9参照)、Dc(図10参照)をそれぞれ取り込み、RAM43の画像ワークエリアに格納する。
バーコード読取部52は、画像データ取込部51がRAM43の画像ワークエリアに格納した画像データD(Da〜Dc)から、バーコード62の画像を検出し、検出したバーコード62から商品60の商品情報を読み取るバーコード読取処理を行う。
より詳細には、バーコード読取部52は、RAM43の画像ワークエリアに格納された1フレームの画像データD(Da〜Dc、図7、図9、図10参照)を2値化し、2値化したデータ内にバーコード62に関するデータ領域が存在するか否かを検出する。バーコード読取部52は、取り込んだ画像データDにおいてバーコード62に関するデータ領域を検出した場合には、バーコード62をデコードして、図11に示すJ1〜J13のバーコードデータC1を、商品60の商品情報として読み取る。バーコードデータC1は、メーカーコードや、商品情報としての商品コードや、チェックデジット等を含んでいる。バーコード読取部52は、読み取ったバーコードデータC1をRAM43のバーコードワークエリアに格納する。
バーコードデータ出力部53は、バーコード読取部52が読み取ったバーコードデータC1を、通信I/F44を介して、POS端末3に対して出力する。
ラベル読取部54は、画像データ取込部51がRAM43の画像ワークエリアに格納した画像データから、サービス表示ラベルを検出し、当該サービス表示ラベルが示すサービス情報(図6参照)を読み取るラベル読取処理を行う。
より具体的には、ラベル読取部54は、RAM43の画像ワークエリアに格納された1フレームの画像データD(Da〜Dc、図7、図9、図10参照)に対して、OCR(Optical Character Reader)等の文字認識処理を行う。ラベル読取部54は、サービス表示ラベルが含む文字や絵やシンボル等の特徴と、ラベル特徴テーブルTのラベル特徴データ(図6参照)とを照合して、一致度の高いラベル特徴データを検出した場合に、画像データDにおいてサービス表示ラベルを検出したと判断する。そして、ラベル読取部54は、検出したラベル特徴データに対応するサービス情報を、ラベル特徴テーブルT(図6参照)から読み取ってサービスコードC2(図12参照)を生成し、RAM43のサービスコードワークエリアに格納する。
図12は、サービスコードC2を説明する図である。図12に示すように、サービスコードC2は、値引額や値引率や付与ポイント数など提供されるサービスの値を示すデータP1〜P13を含んでいる。一例として、図3に示すように、商品60に50円引きの値引ラベルL1が貼付されている場合には、ラベル読取部54は、サービス情報として「−50YEN」を読み取り、サービスコードC2を「−50YEN」と生成する。
サービスコード出力部55は、ラベル読取部54が生成したサービスコードC2を、通信I/F44を介して、POS端末3に出力する。
報知部56は、サービスコード出力部55がPOS端末3にバーコードデータC1を出力した場合には、ブザー25を駆動して、バーコードラベル61が読み取られたことを示す第1のブザー音(例えば“ピッ”)を鳴らすとともに、表示LED24を点灯させる。
また、報知部56は、サービスコード出力部55がPOS端末3にサービスコードC2を出力した場合には、ブザー25を駆動して、サービス表示ラベルが読み取られたことを示す第2のブザー音(例えば“ピッ、ピッ”)を鳴らす。
次に、本実施の形態のPOS端末3の構成と機能について、図13を用いてより詳細に説明する。
図13は、POS端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。図13に示すように、POS端末3は、CPU60と、ROM66と、RAM67と、HDD68と、通信I/F69と、キーボードコントローラ36と、表示コントローラ37、38と、プリンタコントローラ39とを主に備えており、これらがアドレスバス、データバスなどのバスライン30で接続されている。
CPU60は、POS端末3の動作全体を制御する制御部として機能する。ROM66は、本実施の形態にかかるプログラムや、その他のプログラムを記憶する。RAM67は、CPU60によってROM66が記憶する各種プログラムを展開する際にワークエリアとして機能するものである。HDD68は、各種プログラムや、商品の販売記録を示す販売データや、店員用ディスプレイ32や客用ディスプレイ33に表示する各種の画面表示データを記憶する。
尚、上述では本実施の形態のプログラムをROM66に格納するとしたが、これに限定されるものではなく、HDD68やその他の記憶装置に格納するとしてもよい。
通信I/F69は、バスを介して接続されたコード読取装置2(図1参照)とのデータ通信を制御する。キーボードコントローラ36は、キーボード31からキー信号を取り込む。表示コントローラ37、38は、店員用ディスプレイ32および客用ディスプレイ33に対するデータ表示をそれぞれ制御する。プリンタコントローラ39は、プリンタ34を制御してレシート等を印字する。
次に、本実施の形態のPOS端末3が有する特徴的な機能について説明する。CPU60は、RAM67に展開されたROM66が記憶するプログラムに従って動作することで、図13に示すように、コード受信部61と、受信コード記録部62と、販売登録部63として機能する。
コード受信部61は、コード読取装置2から通信I/F69を介して、バーコードデータC1またはサービスコードC2を受信する。
受信コード記録部62は、コード受信部61が受信したバーコードデータC1またはサービスコードC2を各受信時刻に対応付けて、受信記録R(図14参照)としてRAM67に記録する。
ここで、受信記録Rについて、図14を用いて説明する。一例として、コード受信部61が、商品のバーコードデータC1である「0201234567890」を17:00:00に受信した場合に、受信コード記録部62は、受信コード「0201234567890」を受信時刻「17:00:00」に対応付けて受信記録Rに記録する。また、コード受信部61が、商品のサービスコードC2である「−50YEN」を受信した場合には、受信コード記録部62は、受信コード「−50YEN」を受信時刻「17:00:01」に対応付けて受信記録Rに記録する。
販売登録部63は、受信記録Rに記録されたバーコードデータC1またはサービスコードC2を用いて、商品の販売登録を行う。即ち、販売登録部63は、バーコードデータC1に対応する商品の商品名や価格等を、POS端末3のHDD68または店舗内のホスト端末(不図示)が保持する商品マスタ(不図示)から読み込んで、店員用ディスプレイ32の商品登録画面(不図示)に表示する。また、販売登録部63は、サービスコードC2が示す値引やポイント付与等のサービス情報を、上述の商品登録画面に表示する。
また、販売登録部63は、サービスコードC2が示すサービスの適用対象となるバーコードデータC1を、サービスコードC2の受信時刻とバーコードデータC1の受信時刻とに基づいて判定し、当該バーコードデータC1に対して当該サービスを適用する。
即ち、販売登録部63は、サービスコードC2の受信時刻に対して、コード読取装置2が最小の時間差で読み取ったバーコードデータC1をサービスの適用対象として判定し、当該サービスコードC2が示すサービスを適用する。
ここで、販売登録部63が行う処理について、図14に示す受信記録Rを参照してより具体的に説明する。図14に示す例では、サービスコード「−50YEN」の受信時刻17:00:01と、サービスコード「−50YEN」の直前に受信したバーコードデータ「0201234567890」の受信時刻17:00:00との時間差は1秒である。これに対して、サービスコード「−50YEN」の受信時刻からサービスコード「−50YEN」の直後に読み取られたバーコードデータ「0101234567890」の受信時刻17:00:05までの時間差は4秒である。従って、販売登録部63は、時間差がより小さい方のバーコードデータ「0201234567890」に対して、サービスコード「−50YEN」を適用する。また、販売登録部63は、バーコードデータ「0201234567890」の商品に対して50円の値引を適用する旨を商品登録画面に表示する。
また、販売登録部63は、キーボード31の現計キーが押された場合には、一取引に関する締め処理を行ってストアサーバ等に販売データを送信し、RAM67の受信記録Rをクリアする。
次に、コード読取装置2が行うコード出力処理について図15を用いて説明する。図15は、コード読取装置2が行うコード出力処理の手順を示すフローチャートである。
コード読取装置2のCPU50は、POS端末3からのコマンドにより業務起動が指令されると、コード出力処理を開始する。画像データ取込部51は、カメラコントローラ49に撮像オン信号を出力し、カメラ20による撮像動作を開始する(ステップS1)。画像データ取込部51は、カメラ20が撮像した画像データD(Da,Db,Dc)をRAM43の画像ワークエリアに取り込む(ステップS2)。そして、バーコード読取部52は、上述したバーコード読取処理を開始する(ステップS3)。
バーコード読取部52は、ステップS3のバーコード読取処理においてバーコード62を検出したか否かを判断する(ステップS4)。バーコード62を検出していない場合(ステップS4:No)には、ステップS7に移行する。
バーコード62を検出している場合(ステップS4:Yes)には、バーコードデータ出力部53は、RAM43のバーコードワークエリアに格納されたバーコードデータC1(図11参照)を、POS端末3に対して出力する(ステップS5)。次に、報知部56は、ブザー25を駆動して、バーコードラベル61が読み取られたことを示す第1のブザー音(例えば“ピッ”)を鳴らすとともに、表示LED24を1回だけ(例えば1秒間を1回)点灯させる(ステップS6)。
次に、ラベル読取部54は、ステップS2でRAM43の画像ワークエリアに取り込んだ画像データに対して、ラベル読取処理を開始する(ステップS7)。そして、ラベル読取部54は、ステップS7のラベル読取処理においてサービス表示ラベルを検出したか否かを判断する(ステップS8)。サービス表示ラベルを検出していない場合(ステップS8:No)には、ステップS11に移行する。
一方、サービス表示ラベルを検出している場合(ステップS8:Yes)には、サービスコード出力部55は、RAM43のサービスコードワークエリアに格納されているサービスコードC2(図12参照)をPOS端末3に対して出力する(ステップS9)。そして、報知部56は、ブザー25を駆動して、サービス表示ラベルが読み取られたことを示す第2のブザー音(例えば“ピッ、ピッ”)を鳴らす(ステップS10)。
その後、POS端末3からのコマンドにより業務終了が指令されたか否かを判断する(ステップS11)。業務終了が指令されていない場合(ステップS11:No)には、ステップS2に戻って、ステップS2〜S13を全ての商品に対する読取処理が終了するまで繰り返す。業務終了が指令された場合には(ステップS11:Yes)、CPU50は、カメラコントローラ49に撮像オフ信号を出力し(ステップS12)、カメラ20による撮像動作を終了する。
次に、POS端末3が行う商品の販売登録処理について図16を用いて説明する。図16は、POS端末3が行う販売登録処理の手順を示すフローチャートである。
まず、POS端末3は、販売登録処理を開始すると、コード読取装置2からバーコードデータC1またはサービスコードC2を受信したか判定し、受信がない場合(ステップS21:No)にはステップS24に移行する。コード受信部61が、バーコードデータC1またはサービスコードC2を受信した場合(ステップS21:Yes)には、ステップS22に移行する。そして、受信コード記録部62は、コード受信部61が受信したバーコードデータC1またはサービスコードC2を、各受信時刻に対応付けて、受信記録R(図14参照)としてRAM67に記録する(ステップS22)。
販売登録部63は、バーコードデータC1に対応する商品の商品名や価格を上述の商品マスタから読み込んで、店員用ディスプレイ32の商品登録画面に表示する(ステップS23)。また、販売登録部63は、サービスコードC2が示す値引やポイント付与等のサービス情報を、商品登録画面に表示する(ステップS23)。
販売登録部63は、サービスコードC2の受信をトリガとして、サービスコードC2の適用対象となるバーコードデータC1の判定を行う。即ち、販売登録部63は、サービスコードC2を受信して、RAM67の受信記録R(図14参照)にサービスコードC2が記録されたか判定する(ステップS24)。サービスコードC2を受信していない場合(ステップS24:No)には、ステップS26に移行する。
一方、サービスコードC2が受信されて、受信記録Rに記録された場合(ステップS24:Yes)には、ステップS25に移行する。販売登録部63は、サービスコードC2の受信時刻に対して、コード読取装置2が最小の時間差で読み取ったバーコードデータC1に、当該サービスコードC2が示すサービスを適用する(ステップS25)。
次に、販売登録部63は、キーボード31の現計キーが押されたか否か判定する(ステップS26)。現計キーが押されていない場合(ステップS26:No)には、ステップS21に戻って、ステップS21〜S27の処理を続行する。現計キーが押された場合(ステップS26:Yes)には、一取引に関する締め処理を行って、ストアサーバ等に販売データを送信する(ステップS27)。また、販売登録部63はRAM67の受信記録Rをクリアして(ステップS28)、一取引に関する販売登録処理を終了する。
上述のように、本実施の形態のコード読取装置2は、画像データDからバーコードデータC1を読み取るとともに、サービス情報を読み取ってサービスコードC2を生成し、これらのコードをPOS端末3に出力する。これにより、POS端末3は、受信したバーコードデータC1とサービスコードC2とにより商品に対するサービス付与処理を行うことができる。従って、オペレータによる処理操作を必要とせずに、値引処理やポイント付与処理などのサービス付与処理を自動的に行うことが可能となるという効果を奏する。
また、コード読取装置2において、同一商品60に貼付された複数のラベルを読み取る場合に要する時間差は、その他の商品に貼付されたラベルを読み取る場合に要する時間差と比べて一般的に短い。これに対して、本実施の形態のPOS端末3は、上述のように受信時刻の時間差に基づいてサービスを適用するバーコードデータC1を判定する。これにより、バーコード62とサービス表示ラベルの貼付位置が離れていても、POS端末3において、バーコードデータC1とサービスコードC2とを適切に関連付けて、自動的にサービス付与処理を行うことが可能となる。
また、上述のように、報知部56はバーコードラベル61が読み取られた場合と、サービス表示ラベルが読み取られた場合とで、ブザー音の音色や回数を変えてオペレータに報知する。従って、オペレータは、ブザー音の違いにより、サービス表示ラベルが読み取られたか否かを容易に判別することができる。従って、POS端末3によって自動的に値引処理やポイント割増等のサービス付与を行う場合に、オペレータによる確認作業を簡単に行うことができる。
尚、上述では、バーコード読取部52がバーコード62から商品情報(バーコードデータC1)を読み取ってから、ラベル読取部54がサービス表示ラベルからサービス情報を読み取るとしたが、情報を読み取る順番はこれに限定されるものではない。その他の例として、ラベル読取部54がサービス表示ラベルからサービス情報を読み取った後に、バーコード読取部52がバーコード62から商品情報を読み取るとしても良い。これにより、オペレータは、バーコード62と値引ラベルL1とを撮像する場合にどちらを先に撮像してもよいため、読取操作をよりスムーズに行うことができる。
尚、上述では、商品60にサービス表示ラベルが1枚貼付される例について説明したが、商品60に貼付されるサービス表示ラベルは複数枚であっても良い。即ち、POS端末3は、所定の時間差(例えば0.5秒)以内で複数のサービスコードC2を受信した場合に、これらを一組のサービスコードとして扱い、前後のバーコードデータC1のうち時間差のより小さい方にこれらサービスコードC2のサービスを適用するとしてもよい。
また、上述では、バーコード読取部52は、商品60に貼付されたバーコード62を読み取るとしたが、これに限定されるものではなく、コードシンボル等の2次元コードなどを読み取ってもよい。また、バーコード62は、バーコードラベル61によって商品60に貼付されるとしたが、バーコード62が商品に直接印刷されていてもよい。
尚、上述では、ラベル読取部54は、サービス表示ラベルからサービス情報を読み取るとしたが、値引や割引などの情報はラベルに印刷される形態に限定されるものではない。その他の例として、商品60に直接記載または印刷されたサービス情報を読み取ってもよいし、クーポン券などに表示されたサービス情報を読み取るとしてもよい。また、ラベル読取部54は、文字情報の識別処理に限定されず、ラベルや図形等の色や大きさ、形状などを識別して、それらの特徴に対応付けられたサービス情報を読み取るとしても良い。
また、上述では、カメラ20によって撮像した画像データDからバーコードデータC1を読み取るとしたが、バーコードの読取方法はこれに限定されるものではない。その他の例として、ハンドスキャナなどの光学式スキャナによってバーコード62をスキャンし、バーコードデータC1を読み取るとしてもよい。
尚、販売登録部63は、サービスコードC2の受信時刻に対して最小の時間差で読み取られたバーコードデータC1を、当該サービスコードC2の適用対象と判定したが、適用対象の判定方法は、これに限定されるものではない。その他の例として、予め店員に対してバーコードを先に読み込むように周知しておき、販売登録部63によって、サービスコードC2の直前に読み取られたバーコードデータC1を、当該サービスコードC2に適用するとしてもよい。
或いは、販売登録部63は、サービスコードC2の直後にコード読取装置2が読み取ったバーコードデータC1を、当該サービスコードC2の適用対象としてもよい。尚、この場合には、コード読取装置2において先にサービス表示ラベルを読み込むように構成するとよい。即ち、図15において、ステップS7のラベル読取処理を、ステップS3のバーコード読取処理に先立って行うように構成するとよい。
尚、販売登録部63は、サービスコードC2の受信時刻と、その前後のバーコードデータC1の受信時刻が予め定められた所定の時間を上回った場合に、当該サービスコードC2を無効化する処理を行うとしてもよい。これにより、サービスコードC2の受信が不自然なタイミングであった場合に、そのサービスコードC2を自動的に排除することができる。
(第2の実施の形態)
従来、スーパーマーケット等の店舗では、得意客に対する優待サービスとして、一取引で購入する全商品を値引できるクーポン券L4を配布する場合がある。図17に示すように、クーポン券L4には、クーポン券L4を会計時に提示した場合には、一会計で購入する全商品に対して「全品1割引」とする旨のサービス表示が示されている。本実施の形態では、コード読取装置2においてこのようなクーポン券L4が読み取られた場合に、POS端末3において、一取引で購入される全商品に対してサービスを一括して適用するものである。
コード読取装置2において、カメラ20によってクーポン券L4をスキャンすると、ラベル読取部54は、クーポン券L4からサービス表示を読み取ってサービスコードC2を「ALL−10%」と生成する。ここで、サービスコードC2に含まれるコード「ALL」は、全商品に対して1割引が適用される旨のコードである。また、サービスコード出力部55は、生成したサービスコードC2をPOS端末3に出力する。このように、本実施の形態において、コード読取装置2が生成して出力するサービスコードC2には、複数の商品を対象としてサービスを適用する旨のコードが含まれる。
POS端末3において、販売登録部63は、サービスコードC2に複数の商品を対象としてサービスを適用する旨のコードが含まれている場合には、対象となる全商品に対してサービスコードC2が示すサービスを一括して適用する。例えば、サービスコードC2が「ALL−10%」であって、全商品を対象とする旨のコード「ALL」が含まれている場合には、販売登録部63は全商品に対して1割引を適用する。
次に、本実施の形態においてPOS端末3が行う商品の販売登録処理について図18を用いて説明する。図18は、POS端末3が行う販売登録処理の手順を示すフローチャートである。尚、図16で説明した手順についてはここでの説明を省略する。
販売登録部63は、サービスコードに「ALL」が含まれているか判別する(ステップS30)。含まれていない場合(ステップS30:No)には、ステップS25に移行する。「ALL」が含まれている場合(ステップS30:Yes)には、全ての商品に対してサービスコードC2が示すサービス(例えばALL以下に示された−10%)を適用する(ステップS31)。
このように、本実施の形態によれば、店員はクーポン券等をコード読取装置2にかざすだけでその他の処理操作を必要とせずとも、複数の商品に対して簡単にサービスを付与できるという効果を奏する。
(第3の実施の形態)
値引の対象となる主な商品としては、店舗内で加工販売される生鮮食品等が挙げられる。これら店舗内で加工販売される商品には、一般的に、特定の数値(例えば、02)で始まるインストアコードがバーコードデータC1として使用される。即ち、図3に示すように、バーコードが「0201234567890」と「02」で始まっている場合に、このバーコードはインストアコードであるといえる。本実施の形態にかかるPOS端末3は、インストアコードであるバーコードデータC1のみに、サービスコードC2を適用することを特徴とする。
POS端末3において、販売登録部63は、サービス表示によるサービスが付与されうる対象商品のバーコードデータC1、すなわちインストアコードのみに対して、サービスコードC2を適用する。
一例として、図14に示す受信記録Rを参照すると、サービスコード「−50YEN」の直前に読み取られたバーコードデータ「0201234567890」は「02」で始まっているためインストアコードであり、直後に読み取られたバーコードデータ「0101234567890」は02で始まっていないためインストアコードではない。このように、サービスコードC2の直前または直後に読み取られたバーコードデータC1のうち、少なくとも一方がインストアコードでない場合には、販売登録部63は、インストアコードであるバーコードデータC1に対して、サービスコードC2のサービスを適用する。
また、販売登録部63は、直前または直後に読み取られたバーコードデータC1の両方がインストアコードでない場合には、両方ともサービス対象商品ではないと判断して、どちらにもサービスコードC2のサービスを適用しない。
尚、販売登録部63は、直前または直後に読み取られたバーコードデータC1の両方がインストアコードである場合には、第1の実施の形態と同様に読取時間の時間差に基づいて、サービスを適用するバーコードデータC1を選別する。
次に、POS端末3が行う販売登録処理について図19を参照して説明する。図19は、POS端末3が行う販売登録処理の手順を示すフローチャートである。尚、図16で説明した手順についてはここでの説明を省略する。
ステップS32において、販売登録部63は、時間差が最小となるインストアコード(バーコードデータC1)に対して、サービスコードC2が示すサービスを適用する。
上述のように、本実施の形態にかかるPOS端末3は、インストアコードのみに対して、サービスコードC2が示すサービスを適用するため、サービス適用対象外の商品に対して誤ってサービスを付与することを避けることができる。
なお、本実施の形態のPOS端末3およびコード読取装置2で実行されるプログラムは、それぞれROM66、ROM42等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態のPOS端末3およびコード読取装置2で実行されるプログラムは、それぞれインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施の形態のPOS端末3およびコード読取装置2で実行されるプログラムを、それぞれインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
また、この発明は前記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。