JP5498355B2 - 有機と無機増感色素 - Google Patents

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Description

本発明は一種の太陽電池材料である、色素増感太陽電池(dye−sensitized solar cells, DSCs)に適用可能な増感色素に関する。
人類文明の今後の発展において、エネルギーは我々が積極的に開発し、解決する重要課題の一つとなっている。このため、汚染の低い再生可能(renewable)エネルギーは、人類が末永く発展する唯一の道を示す。その中でも太陽エネルギーがもっとも重視されている。その理由は、この種のエネルギーの量がもっとも多く、開発や応用には地形等の制限を受けないほか、適切な設備または装置により、太陽光のエネルギーを直接電気に変換できるため、クリーンで無尽蔵なエネルギーを生み出すことができるからである。尚、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する設備または装置を太陽電池という。
G. Zhang, H. Bala, Y. Cheng, D. Shi, X.LV, Q. Yu, P. Wang. Chem. Commun., 2009, 2198 M. Ohno, Y. Yamamoto, Y. Shirasaki, S.Eguchi, J. Chem. Soc., Perkin Trans.1993, 263) J. H. Yum, P. Walter, S, Huber, D. Rentsch,T. Geiger, F. Nuesch, F. D. Angelis, M. Gratzel,M. K. Nazeeruddin, J. Am. Chem. Soc., 2007, 129, 10320) J. Roncali, C. T. Gautier, E. H. Elandaloussiand P. Frke, J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1994, 2249 C. Kim, H. Choi, S. Kim, C. Baik, K. Song,M. S. Kang, S. O. Kang, J. Ko, J. Org. Chem., 2008, 73, 7072 I. Murase, Nippon Kagaku Zasshi, 1956,77, 682.、G. Mnerker, F. H. Case, J. Am. Chem. Soc.,1958, 80, 2745 D. Wenkert, R. B. Woodward, J. Org. Chem.,1983, 48, 283 C. Y. Chen, S. J. Wu, C. G. Wu, J. G.Chen, K. C. Ho, Angew. Chem. Int. Ed., 2006, 45, 5822 P. Leriche, J. M. Raimundo, M. Turbiez,V. Monroche, M. Allain, F. XaVier SauVage, J. Roncali, P. Frere,P. J. Skabara, J. Mater. Chem., 2003, 13, 1324 M. Gratzel,J.Photochem. A, 2004, 164, 3 M. K. Nazeeruddin et al., J. Am. Chem. Soc. 1993,115, 6382の"N3" M. K. Nazeeruddin et al., J. Am. Chem. Soc., 2001,123, 1613)の"Black dye (P. Wang, et al., AdV. Mater. 2004, 16,1806)の"Z−910" C. Y. Chen, M.Wang, J. Y. Li, N. Pootrakulchote, L. Alibabaei, C. Ngoc−le, J. D. Decoppet, J.H. Tsai, C. Gratzel, C. G. Wu, S. M. Zakeeruddin & M. Gratzel, ACS Nano 2009, 3,3103))の"CYC−B11" J. H. Yum et al. J. Am. Chem. Soc.2007, 129, 10320)の"SQ01"
近年、スイスのグレッツェル(Gratzel)教授率いる研究チームにより、一種の新しい太陽電池、色素増感太陽電池(dye−sensitized solar cells, DSCs)が提示されている。この種の太陽電池は素子の製造コストが安価で、優れた光電変換効率、高い光透過性を併せ持ち、可とう性を有することに加え、素子に様々な色を形成することが可能なため、多くの長所を備えており、業界の間で注目を集めている。通常、色素増感太陽電池の構造は4つの部分、電流経路を提供する陰/陽電極と、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)など電子の受入れと伝送働きの半導体部材と、自己集合(self−assembly)の形で半導体部材の表面に吸着される染料層と、正孔の伝送機能を備える電解質とを含まれている。
これらを鑑みて、本発明の目的は一連の有機と無機増感色素を提供する。本発明による増感色素は高い吸収係数を有し、かつ、この一連の増感色素の光吸収スペクトルは太陽放射スペクトルと同等の値を示す。さらに、本発明によれば、一部の有機分子は遠赤外線を有効的に吸収でき、色素増感太陽電池素子に適用すれば、極めて高い光電変換効率が得られる。
本発明の一連の有機と無機増感色素の分子式が次式(1)に示す。式(1)
Figure 0005498355
Figure 0005498355
はそれぞれ独立して−C2x+1、−(C2y)−OC2x+1、−(C2y)−SC2x+1、−(C2y)−N(C2x+1(そのうち、x=1〜20;y=1〜20)の一つを示す。
式(1)のBは次式(23)、(25)〜(29)、(31)、(32)の一つを示すか、または次式(23)、(25)〜(29)、(31)、(32)のいずれの任意素子の組合せを示す。
Figure 0005498355
(23)、(25)〜(29)、(31)のはそれぞれ独立して(−H)、−C2x+1、−(C2z)−OC2x+1、−(C2z)−SC2x+1、−(C2z)−N(C2x+1(x=1〜20;z=0〜20)の一つを示す。詳しくいえば、次式(23)、(25)〜(29)、(31)、(32)のXはそれぞれ独立して硫黄(S)、アンモニウム基(N−R)(Rは−C2q+1(q=1〜20))、酸素(O)またはセレニウム(Se)の一つを示す。
ここで、次式(1)のGはそれぞれ独立して次式(54)を示す。
Figure 0005498355
ここで、次式(4)〜(15)のDはそれぞれ独立して次式(74)〜(83)の一つを示す。
Figure 0005498355
(54)のEはそれぞれ独立して式(84)〜(95)の一つを示し、式(79)、式(81)と式(83)のGは前述と同じであることから、ここでの説明を省略する。
Figure 0005498355
式(87)、式(93)、式(94)のRはそれぞれ独立して−C2x+1、−(C2y)−OC2x+1、−(C2y)−SC2x+1、−(C2y)−N(C2x+1(x=1〜20;y=1〜20)を示す。式(84)〜(95)のRは、それぞれ独立して水素(−H)、−C2x+1、−(C2z)−OC2x+1、−(C2z)−SC2x+1、−(C2z)−N(C2x+1(x=1〜20;z=0〜2)を示す。式(91)のRがC2w(w=1〜2)を示す。詳しく言えば、次式(84)〜(95)のmが0〜10を示し、pが0〜2を示す。
式(74)〜(83)のZはそれぞれ水素(Hydrogen, H)、リチウム(Lithium, Li)、ナトリウム(Sodium, Na)、カリウム(Potassium, K)または第四アンモニウム塩(下記一般式(98)によって表される)を示す。
Figure 0005498355
式(98)のRはそれぞれ独立して水素(−H)または−C2x+1(x=1〜20)の一つを示す。
ただし、式(1)において、Aが(式(4)〜(15))のDは式(74)を示し、かつBが式(23)、(25)〜(29)、(31)、(32)の一つを示し、かつGが式(54)を示し、かつ式(54)のEが式(84)を示すとき、式(84)のmは0を示されない。言い換えると、本発明は式(99)を含まない。
Figure 0005498355
式(99)のAが式(4)〜(15)の一つを示し、Wが式(100)〜(107)の一つを示すかまたは式(100)〜(107)の任意素子の組合せを示す。
Figure 0005498355
ここで、Xはそれぞれ独立して硫黄(S)、アンモニウム基(N−R)(Rは−C2q+1(q=1〜20))、酸素(O)またはセレニウム(Se)の一つを示す。そのaは1〜4を示し、Rはそれぞれ独立して水素(−H)、−C2x+1、−(C2z)−OC2x+1、−(C2z)−SC2x+1または−(C2z)−N(C2x+1(x=1〜20;z=0〜20)の一つを示す。
さらに、式(1)のAが式(6)〜(9)または式(11)〜(13)の一つを示し、かつ式(6)〜(9)または式(11)〜(13)のDが式(76)〜(78)の一つを示し、かつ式(76)〜(78)のZが水素(H)を示し、Gが式(54)を示すとき、式(84)と(85)のmは0を示されない。つまり、本発明は式(108)を含まない。
Figure 0005498355
式(108)のAが式(6)〜(9)または式(11)〜(13)の一つを示し、かつ式(6)〜(9)または式(11)〜(13)のDが式(76)〜(78)の一つを示し、かつ式(76)〜(78)のZが水素(H)を示し、式(108)のGが式(54)を示し、かつ式(54)のEが、式(84)または式(85)の一つを示し、かつ式(84)と(85)のmが0を示す。
本発明の一連の有機と無機増感色素(一般式(1))のうち、前述特殊の基族(Aが式(4)〜(15)の一つを示し、Bが式(23)、(25)〜(29)、(31)、(32)の一つを示す。そのうち、Gはそれぞれ独立して式(54)を示し、Dがそれぞれ独立して式(74)〜(83)の一つを示し、Eがそれぞれ独立して(84)〜(95)の一つを示す)を示す。本発明の一連の有機と無機増感色素によれば、優れた光吸収能力と高いモル吸収係数(molar absorption coefficient;ε)を有する。すなわち、本発明の一連の増感色素は、太陽光の可視光と一部の近赤外光光子を有効に吸収することができる。本発明の一連の増感色素による一部の分子に対する光吸収性質について、後述にてさらに詳しく紹介する。
さらに、本発明の一連の有機と無機増感色素(式(1))が前述の特殊の基族を有するため、本発明の一連の有機と無機増感色素のエネルギーレベル構造と通常の色素増感太陽電池(DSCs)の陰極酸化電位および陽極の伝動帯のエネルギーギャップと極めて良いエネルギーレベルの組合せができるため、色素増感太陽電池の光電変換効率を高めることができる。
本発明の一部の実施例において、増感色素の化合物の構造は次式(112)〜(115)に示される。
Figure 0005498355
式(112)〜(115)のnはそれぞれ独立して0〜4を示す。式(112)〜式(115)のRはそれぞれ独立して−C2x+1、−(C2y)−OC2x+1、−(C2y)−SC2x+1、−C2x+1、−(C2y)−OC2x+1、−(C2y)−SC2x+1、−(C2y)−N(C2x+1(x=1〜20;y=1〜20)を示す。式(112)〜(115)のRは、それぞれ独立して水素(−H)、−C2x+1、−(C2z)−OC2x+1、−(C2z)−SC2x+1、−(C2z)−N(C2x+1(x=1〜20;z=0〜2)を示す。式(112)〜(115)のZはそれぞれ独立して水素(Hydrogen, H)、リチウム(Lithium, Li)、ナトリウム(Sodium, Na)、カリウム(Potassium, K)または第四アンモニウム塩(下記一般式(98)によって表される)を示す。
本発明による色素増感剤(JYL−SQ5およびSJW−B17)と公知技術による色素増感剤(N3)の吸収スペクトルである。 本発明による色素増感剤(JYL−SQ5)と公知技術による色素増感剤(CYC−B11)の吸収スペクトルである。 JYL−SQ5を色素層の部材として、作製された色素増感太陽電池の電流−電位特徴曲線図である。 SJW−B17を色素層の部材として、作製された色素増感太陽電池の電流−電位特徴曲線図である。
引き続き、本発明の一連の増感色素の合成を説明する。次の説明は限定的であるよりも、むしろ例示的であると見なされるべきである。
本発明の実施例1において、本発明の一合成物(以下、JYL−SQ5という)を例示する。すなわち、JYL−SQ5は前述式(1)の分子を示し、かつAが式(9)を示し、式(9)の窒素原子に接続するRは−Cを示し、2つのRとも−CHを示す。かつ式(9)のDが式(74)を示し、かつ式(74)のZが水素(−H)を示す。さらに、前述式(1)のBが式(25)を示し、かつ式(25)のXが硫黄(S)、Rは水素(−H)を示し、かつ前述式(1)のGが式(54)を示し、かつ式(54)のEが式(85)を示し、式(85)のmおよびpとも0を示し、かつRは−OC13を示す。
Figure 0005498355
まず、0.8グラム(6.0ミニモル)の塩化アルミニウム(AlCl)と3.51グラム(6.07ミニモル)のコード番号EDOT−TPA−Oh(合成方法は文献G.Zhang,H.Bala,Y.Cheng,D.Shi,X.LV,Q.Yu,P.Wang.ChemCommun.,2009,2198(非特許文献1)を参照)の反応物を60ミリリットルの無水ジクロロメタン(CHCl)によって溶かし、さらに、アルゴンガスの雰囲気において、2.26グラム(15.0ミニモル)のコード番号SQ−Cl(3,4−ジブトキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン、3,4−dichloro−3−cyclobutene−1,2−dione、合成方法は文献M.Ohno,Y.Yamamoto,Y.Shirasaki,S.Eguchi,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1993,263)(非特許文献2)を参照)の反応物5ミリリットルの無水ジクロロメタンによって溶かした後、EDOT−TPA−Ohを含有された反応フラスコにゆっくり注入し、前述の反応物を8時間加熱回流する。反応終了後、反応物を室温に冷ましてから、トリクロロメタン、飽和塩化アンモニウム水溶液、脱イオン水と塩化ナトリウム水溶液によって抽出し、有機層を集め、硫酸マグネシウムによって脱水し、濾過させ、回転濃縮により大部分の有機溶剤を取り除く。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液はヘキサン/酢酸エチル)により清浄化を行い、0.86gの中間体(コードがCl−SQ−EDOT−TPA−Oh;3−(5−(4−)二(4−(ヘキシルオキシ)フェニル基)アミノ基)フェニル基)2,3−ジヒドロチオフェン−[3,4−b][1,4]−ジオキシン)‐7‐イル)−4−クロロ−シクロブタ−3−エン−1,2−ジオン),3−(5−(4−(bis(4−(hexyloxy)phenyl)amino)phenyl)−2,3−dihydro−thieno−[3,4−b][1,4]−dioxin−7−yl)−4−chloro−cyclobut−3−ene−1,2−dione)が得られる。中間体(Cl−SQ−EDOT−TPA−Oh)の水素−核磁気共鳴(H−NMR)スペクトラムの信号はそれぞれ(300 MHz,δ/ppm in CDCl):0.92(6H);1.24−1.54(12H);1.71(4H);3.93(4H);4.34−4.46(4H);6.82−6.89(6H);7.07(4H);7.62(2H)を示す。
引き続き、得られた0.86グラム(1.2ミニモル)の中間体Cl−SQ−EDOT−TPA−Ohは3.7ミリリットルの酢酸(CHCOOH)、3.6ミリリットルの脱イオン水(HO)と、0.5ミリリットルの塩酸(HCl、濃度は2N)によって溶解させ、8時間の加熱回流反応を行った後、反応物を室温までに冷ませ、真空状態で用材を除去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー法(溶離液はトリクロロメタン/メタノール)によって純化させ、0.51gの中間体(コードHO−SQ−EDOT−TPA−Oh;3−(5−(4−)二(4−(ヘキシルオキシ)フェニル基)アミン基)フェニル基)2,3−ジヒドロチオフェン−[3,4−b][1,4]−ジオキシン)‐7‐イル)−4−クロロ−シクロブタ−3−エン−1,2−ジオン)、3−(5−(4−(bis(4−(hexyloxy)phenyl)amino)phenyl)−2,3−dihydrothieno[3,4−b][1,4]−dioxin−7−yl)−4−hydroxycyclobut−3−ene−1,2−dione)が得られる。中間体(HO−SQ−EDOT−TPA−Oh)の水素−核磁気共鳴(H−NMR)のスペクトル信号はつぎ(300 MHz,δ/ppm in CDCl)の通りである。0.86(6H);1.5−1.42(12H);1.63−1.71(4H);3.91(4H);4.26(4H);6.76(2H);6.88(4H);6.99(4H);7.48(2H)。
引き続き、1.2グラム(1.76ミニモル)の中間体HO−SQ−EDOT−TPA−Ohと、1.0グラム(2.6ミニモル)のコードTMCI−b(5−カルボキシ基−2,3,3−トリメチルl−1−ブチル−3水素−インドルヨウ化物、5−Carboxy−2,3,3−trimethyl−1−butyl−3H−indoliumiodide、合成方法は文献J.H.Yum,P.Walter,S,Huber,D.Rentsch,T.Geiger,F.Nuesch,F.D.Angelis,M.Gratzel,M.K.Nazeeruddin,J.Am.Chem.Soc.,2007,129,10320)(非特許文献3)の中間体、および40ミリリットルのブタノール(butanol)と40ミリリットルのベンゼン(benzene)を、凝縮システムとDean−Stark装置を架設し、アルゴンArガスを導入した状態において、前述反応物を24時間加熱回流する。反応終了後、温度を室温に引き下げて、真空状態において溶剤を除去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液はトリクロロメタン/メタノール(40/1))によって純化した後、0.25グラムの最終生成物(コードはJYL−SQ5;5−カルボキシ基−2−[[3−(5−(4−(ビス(4−(ヘキシルオキシ)フェニル基)アミノ基)フェニル基)−2,3−ジヒドロチオフェン[3,4−b][1,4ジクロロメタン−7−yl)−2−ヒドロキシル基−4−カルボキシ基−2−シクロブタ−1−イリデン]メチル基]−3,3−ジメチル基−1−ブチル−3H−インドール、5−Carboxy−2−[[3−(5−(4−(bis(4−(hexyloxy)phenyl)amino)phenyl)−2,3−dihy−drothieno[3,4−b][1,4]dioxin−7−yl)−2−hydroxy−4−oxo−2−cyclobuten−1−ylidene]methyl]−3,3−dimethyl−1−butyl−3H−indolium)が得られる。前述生成物の水素−核磁気共鳴(H−NMR)のスペクトル信号は(300 MHz,δ/ppm in DMSO−d):0.89(9H);1.28−1.39(15H);1.66−1.71(11H);3.92(4H);4.25−4.41(6H);6.10(1H);6.75(2H);6.91(4H);7.05(4H);7.59(2H);7.65(1H);8.01(1H);8.14(1H)である。なお、JYL−SQ5(C3662S)の元素の分析理論値は、C, 72.86,H,6.77;N,3.03;S,3.47%であり、実験値は、C,72.07,H,7.07;N,2.86;S,3.45%である。
本発明の実施例2は、本発明のうち一化合物(以下は、DTE−dyeという)、すなわち、DTE−dyeは前述式(2)の分子であり、かつそのうち6つのGはHを示し、残りのSのそばに連結されているGは式(54)を示す。さらに、式(54)のEは式(85)を示し、かつ式(85)のmとpとも0を示す。Rは−OC13を示す。かつ、前述式(2)のDは式(77)を示し、かつ式(77)のZは水素(−H)を示す。
Figure 0005498355
まず、1.66グラムのコードDTEの反応出発物質(合成方法は文献J.Roncali,C.T.Gautier,E.H.Elandaloussi and P.Frke,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1994,2249を参照する(非特許文献4))を250ミリリットルのテトラヒドロフラン(THF)に溶かして、温度を−78℃前後になるように下げる。2.7ミリリットル(6.79ミニモル)のn−ブチルリチウム(n−BuLi)2.5Mをn−ヘキサンにゆっくり注入し、室温において、2時間攪拌する。続いて、温度を−78℃に下げた状態で、1.65グラム(8.15ミニモル)のトリメチルすずクロリド(MeSnCl)をゆっくり注入し、無水テトラヒドロフランによって希釈した上、室温において、10時間を攪拌し、最後に脱イオン水を加えて反応を中止し、トリクロロメタンによって抽出する。収集された生成物は、回転濃縮器によって有機溶剤を除去し、コードTMeSnDTEの中間体が得られる。引き続き、前述中間体と2.79グラムのコードBr−TPA−Oh(合成方法は、G.Zhang,H.Bala,Y.Cheng,D.Shi,X.LV,Q.Yu,P.Wang.Chem.Commun.,2009,2198(非特許文献1)を参照)を160ミリリットルの無水N− N−ジメチルホルムアミド(DMF)に入れ、触媒として0.34グラム(0.289ミニモル)のトリフェニルホスフィン・パラジウム(Pd(PPhまず、わずかな量のテトラヒドロフランで溶かす) を入れ、72時間(温度を150℃に維持する)加熱反応させ、最後に飽和塩化アンモニウムを加え、10分間攪拌した後に反応を中止させ、トリクロロメタンによって抽出し、収集された有機溶剤は、さらに硫酸マグネシウムを用いて脱水処理し濾過させる。さらに純化処理し、コードDTE−TPA−Ohの中間体が得られる。中間体の水素−核磁気共鳴(H−NMR)のスペクトル信号はつぎ(300 MHz,δ/ppm in CDCl)の通りである。0.90(6H);1.34(8H);1.45(4H);1.76(4H);3.26−2.97(8H);3.91(4H);6.81(4H);6.88(3H);6.99(1H);7.05(4H);7.26(1H);7.34(2H)。
続いて、得られたDTE−TPA−Ohに適量の無水N−N−ジメチルホルムアミドによって溶解させ、オキシ塩化リン(POCl)と反応させ、コードAld−DTE−TPA−Ohの中間体が得られる。引き続き、得られたAld−DTE−TPA−Ohを適量のピペリジン(piperdine)によって溶かし、シアノ酢酸(CNCHCOOH)と反応させ、コードDTE−dyeの最終生成物(前述反応フローは、文献C.Kim,H.Choi,S.Kim,C.Baik,K.Song,M.S.Kang,S.
O.Kang,J.Ko,J.Org.Chem.,2008,73,7072(非特許文献5を参照)が得られる。前述生成物の水素−核磁気共鳴(H−NMR)のスペクトル信号は次に(300MHz,δ/ppm in DMSO−d)示す。 0.86(6H);1.22(−1.36H);1.68(4H);3.05(4H);3.24−2.97(8H); 3.93(4H);6.75(4H);6.91(3H);7.03(1H);7.30(4H); 7.47(1H);7.50(2H)。
本発明の実施例3は、本発明の一化合物(以下、SJW−B17という)、すなわち、SJW−B17が前式(3)に示す分子であり、かつGがすべて式(51)を示し、式(51)のXがサルファ(S)、n=2、かつそのうち一つのEが式(84)を示し、もう一つのEが式(43)を示す。かつ式(84)のm=3、p=0、Rとも−Cを示す。かつ前式(3)のDとも式(74)を示し、かつ式(74)のZとも水素(−H)を示す。
Figure 0005498355
まず、SJW−B17補助配位子Ligand17を合成する。4グラム(25ミニモル)のダブルチオフェンを60ミリリットルの無水テトラヒドロフラン(THF)に溶かせ、温度を−78℃前後に下げた状態で、8.8ミリリットル(22ミニモル)のn−ブチルリチウム(n−BuLi)2.5Mをn−ヘキサンにゆっくり注入し、室温において、1時間を攪拌し、引き続き、温度を−78℃に下げ、5グラム(25ミニモル)の1,3−ジブロモプロパン(Br(CHBr)をゆっくり加え、室温において、10時間攪拌する。最後に、塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を中止させ、ジクロロメタンによって抽出を行い、さらに純化した後、4.22グラムのコード3BrPBT(5−(3−ブロモプロペン)−2,2’−2’‐ビチオフェン、5−(3−bromopropyl)−2,2’−bithiophene)の中間体が得られる。中間体の水素−核磁気共鳴(H−NMR)のスペクトル信号はつぎ(300 MHz,δ/ppm in CDCl)の通りである。 2.28(2H);3.02(2H);3.49(2H);6.75(1H);7.01(2H);7.17(1H);7.20(1H)。
引き続き、0.93グラム(38.8ミニモル)の水素化ナトリウム(NaH)を25ミリリットルのN−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶かし、温度を0℃に下げ、30分間攪拌した後、5.15グラム(18.4ミニモル)の3,6ジ−tert−ブチル9H−カルバゾール(30ミリリットルのN−ジメチルホルムアミドに溶かす)をゆっくり注入し、引き続き温度0Cにおいて、1時間攪拌した後、4.22グラム(18.4ミニモル)の3BrPBTを(30ミリリットルのN−ジメチルホルムアミドに溶かす)加え、室温において8時間攪拌する。最後に、塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を中止させ、ジクロロメタンによって抽出を行い、さらに純化した後、6.56グラムのコードBTPDTBC(9−(3−(2,2’−ビチオフェン−5−イル) プロピル基)−3,6−ジ−tert−ブチル−9H−カルバゾール、9−(3−(2,2’−bithiophen−5−yl)propyl)−3,6−di−tert−butyl−9H−carbazole)の中間体が得られる。中間体の水素−核磁気共鳴(H−NMR)のスペクトル信号はつぎ(300 MHz,δ/ppm in CDCl)の通りである。1.46(18H);2.32(2H); 2.91(2H);4.35(2H);6.69(1H);7.01(2H);7.11(1H);7.19(1H);7.29(2H); 7.52(2H);8.10(2H)。
引き続き、6.56グラム(10.1ミニモル)のBTPDTBCを70ミリリットルの無水テトラヒドロフラン(THF)に溶かせ、温度を−78℃前後に下げ、6.5ミリリットル(16.25ミニモル)のn−ブチルリチウム(n−BuLi)2.5Mをn−ヘキサンにゆっくり注入し、室温において、2時間攪拌する。その後に、温度を−78Cに下げた状態で、3.67グラム(18.4ミニモル)のトリメチルすずクロリド(MeSnCl、無水テトラヒドロフランで希釈する)をゆっくり注入し、室温において10時間を攪拌する。最後に、脱イオン水を加えて反応を中止させ、ジクロロメタンによって抽出し、収集された生成物を回転濃縮器によって有機溶剤を除去した後、コードTMeSnBTPDTBC(3,6−ジ−tert−ブチル−9−(3−(5’−(トリメチルスタンニル)−2,2’−ビチオフェン−5−イル) プロピル基)−9H−カルバゾール、3,6−di−tert−butyl−9−(3−(5’−(trimethylstannyl)−2,2’−bithiophen−5−yl)propyl)−9H−carbazole)の中間体が得られる。
引き続き、8.84グラム(13.6ミニモル)のTMeSnBTPDTBCと1.93グラム(6.17ミニモル)の4,4’−dibromo−2,2’−ブロモピリジン(合成方法は、文献I.Murase,Nippon Kagaku Zasshi,1956,77,682.、G.Mnerker,F.H.Case,J.Am.Chem.Soc.,1958,80,2745(非特許文献6)と文献D.Wenkert,R.B.Woodward,J.Org.Chem.,1983,48,283(非特許文献7)を参照する)を60ミリリトルの無水N−ジメチルホルムアミドに溶かした後、0.95グラム(0.82ミニモル)のトリフェニルホスフィン・パラジウム(Pd(PPh3)4)触媒(極少量のテトラヒドロフランによって溶解させる)を加え、72時間加熱反応(150℃に加熱)する。最後に、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、10分間攪拌した後、反応を中止し、トリクロロメタンによって抽出した後、硫酸マグネシウムによって脱水し濾過した上、さらに純化させ、コードLigand−17の補助配位子が得られる。前述補助配位子の水素−核磁気共鳴(H−NMR)のスペクトル信号はつぎ(300 MHz,δ/ppm in CDCl)の通りである。1.46(36H);2.34(8H);2.93(4H);4.37(2H);6.73(4H);7.09(2H);7.24(1H);7.30(1H);7.57(2H);8.11(2H);8.63(2H)。
補助配位子(Ligand−17)を調製された後、1.15グラムの[RuCl2(p−cymene)]([塩化ルテニウム(II).(p−シメン)])と、4.2グラムの補助配位子(Ligand−17)を160ミリリットルの無水ジメチルホルムアミドDMFに溶かした上、溶液を80℃まで加熱し、4時間反応した後、さらに、0.90グラムのdcbpy(4,4−ジカルボン酸−2,2−ブロモピリジン、4,4’−dicarboxylicacid−2,2’−bipyridine)を加え、160℃で4時間反応した後に、適量のNHNCS(チオシアン酸アンモニウム(ammoniumthiocyanate)を加え、130℃で5時間反応する。前述反応フローと生成物SJW−B17の純化プロセスは、文献C.Y.Chen,S.J.Wu,C.G.Wu,J.G.Chen,K.C.Ho,Angew.Chem.Int.Ed.,2006,45,5822(非特許文献8)を参照する。純化された後、0.78グラムの生成物(SJW−B17)が得られる。生成物(SJW−B17)の構造分析と鑑定方法。
質量分光分析:論理値:m/z−1615.45([M]);実験値(LRMS(FAB)):m/z−1614.24(m)([M])。前述生成物の水素−核磁気共鳴(H−NMR)のスペクトル信号はつぎ(300MHz,δ/ppm in DMSO−d)の通りである。 1.39(36H);2.11(4H);2.87(4H);4.41(4H);6.83(1H);6.90(1H);7.22(1H); 7.32(2H);7.46(10H); 7.62(2H);7.90(1H);7.99(1H);8.18(6H);8.30(1H);8.88(1H);8.94(1H);9.03(1H);9.10(1H);9.16(1H);9.43(1H)。
本発明の実施例4は、本発明の一化合物(以下、SJW−B18という)、すなわち、SJW−B18が前式(3)に示す分子であり、かつ前式Gが式(63)を示し、式(63)のXがサルファ(S)、かつそのうち一つのEが式(84)を示し、もう一つのEとRが式(43)を示す。かつ式(84)のm=3、p=0、Rが−Cを示す。かつ前式(3)のDが式(74)を示し、かつ式(74)のZが水素(−H)を示す。
Figure 0005498355
反応に必要な起始物(コードTT)の合成方法は、文献P.Leriche,J.M.Raimundo,M.Turbiez,V.Monroche,M.Allain,F.XaVier SauVage,J.Roncali,P.Frere,P.J.Skabara,J.Mater.Chem.,2003,13,1324(非特許文献9)を参照する。その他中間体と補助配位子(Ligand−18)の合成プロセスは、前述補助配位子(Ligand−17)の合成と同じため、ここでの詳細説明を省略する。中間体と補助配位子(Ligand−18)の構造同定は以下に示す。
イ、中間体(PBrTT)の水素−核磁気共鳴(H−NMR)のスペクトルの信号は(300 MHz,δ/ppm in CDCl)を示す。2.25(2H);3.07(2H);3.46(2H);7.02(1H);7.18(1H);7.30(1H)。
ロ、中間体(TTP−DTBC)の水素−核磁気共鳴(H−NMR)のスペクトルの信号は(300 MHz,δ/ppm in CDCl)を示す。1.44(18H);2.28(2H);2.95(2H);4.32(2H);6.93(1H);7.17(1H);7.24(1H);7.27(2H);7.48(2H);8.08(2H)。
ハ、補助配位子(TTP−DTBC)の水素−核磁気共鳴(H−NMR)のスペクトルの信号は(300 MHz,δ/ppm in CDCl)を示す。1.46(36H);2.35(4H);2.98(4H);4.35(4H);6.95(2H);7.26(2H);7.29(2H);7.49(4H);7.52(2H);7.78(2H);8.11(4H);8.66(4H)。補助配位子(Ligand−18)を調製された後、前述SJW−B17(実施例3)の反応フローと純化プロセスによって、反応、純化した後に生成物(SJW−B18)が得られる。
引き続き、本発明による増感色素の吸収係数(ε)の測定方法を説明すると共に、JYL−SQ5およびSJW−B17の吸収係数と位置を公知技術による増感色素の吸収係数と位置とを比較してみた。本発明による増感色素の吸収係数の測定方法は、まず、既知濃度の増感色素溶液を配置した上、適量の溶液を水晶製サンプルタンクに入れ、水晶製サンプルタンクを紫外光−可視光(UV/Vis)吸収吸光分光光度計によって分析測定を行い、ベアーの法則(Beer’s law)(A=εbc, A:吸光度、b:光路、c:サンプル濃度)により吸収係数を算出する。本発明による増感色素(JYL−SQ5およびSJW−B17)と公知技術N3の吸収スペクトルは図1に示す。本発明による増感色素(JYL−SQ5およびSJW−B17)の吸収係数と公知技術による増感色素の吸収係数との比較を行い、測定結果は表1に示す。
そのうち、表1に示す公知技術による増感色素は、それぞれ文献(M.Gratzel,J.Photochem.A,2004,164,3(非特許文献10)、文献M.K.Nazeeruddin et al.,J.Am.Chem.Soc.1993,115,6382))の“N3“(非特許文献11、文献(M.K.Nazeeruddin et al.,J.Am.Chem.Soc.,2001,123,1613)の“Black dye” (非特許文献12)、文献(P.Wang,et al.,AdV.Mater.2004,16,1806)の“Z−910”(非特許文献13)、文献(C.Y.Chen,M.Wang,J.Y.Li,N.Pootrakulchote,L.Alibabaei,C.Ngoc−le,J.D.Decoppet,J.H.Tsai,C.Gratzel,C.G.Wu,S.M.Zakeeruddin&M.Gratzel,ACS Nano 2009,3,3103))の“CYC−B11“(非特許文献14)、および文献(J.H.Yum et al.J.Am.Chem.Soc.2007,129,10320)の“SQ01“(非特許文献15)に示す。
Figure 0005498355
表1から分かるように、本発明によれば、JYL−SQ5増感色素 の最大吸光波長は公知技術による増感色素の最大吸光波長より長く、かつ吸収係数の大きい部分は公知技術による増感色素より高い。さらに、SJW−B17増感色素の吸収係数は、公知技術による増感色素に近づいており、かつ最大吸光波長も長い。本発明の一連の有機と無機増感色素(一般式(1)〜(3))のうち、前述特殊の基族(Aが式(4)〜(15)の一つを示し、Bが式(16)〜(42)の一つを備える。そのうち、Gはそれぞれ独立して式(43)〜(73)の一つを示し、Dがそれぞれ独立して式(74)〜(83)の一つを示し、Eがそれぞれ独立して式(43)〜(49)または式(84)〜(97)の一つを示す)を示す。よって、本発明の一連の有機と無機増感色素は優れた光吸収能力とより高いモル吸収係数(molar absorption coefficient,ε)を有する。すなわち、本発明の一連の有機と無機増感色素は、太陽光の可視光と一部の近赤外光光子を有効に吸収できるほか、公知技術による増感色素に比べ、より良い光吸収能力を有する。よって、本発明の一連の増感色素を色素増感太陽電池に適用すれば、より高い光電変換効率が得られる潜在能力を有する。
このほか、前述測定方式によって得られたJYL−SQ5と公知技術の高効率のルテニウム錯体光増感剤“CYC−B11”の吸収スペクトル(図2に示す)に対して、JYL−SQ5は公知技術のルテニウム錯体の遠赤外線部分の吸収を補うことができ、色素増感太陽電池の光電変換効率をさらに向上することができる。よって、本発明の一連の有機と無機増感色素を色素増感太陽電池に適用すれば、優れた性能が期待できる。
引き続き、本発明によるルテニウム錯体増感色素を色素増感太陽電池の色素層の部材として、色素増感太陽電池を製作し、素子の性能を測定した。
それぞれJYL−SQ5とSJW−B17を色素層の部材として、色素増感太陽電池を製作する方法は、制作された二酸化チタン(TiO)電極をJYL−SQ5またはSJW−B17を含ませた溶液に若干の時間を浸すことにより、JYL−SQ5またはSJW−B17を自己集合により、TiO電極の表面に吸着させる。TiO電極を取り出して、溶剤でTiO電極を濯ぎ、乾燥させた後、対電極を被せて、エポキシレジン(epoxy)によってシールしておく。引き続き、注入口より電解質を注入した後に、注入口を密封させ、色素増感太陽電池の製作を完了する。製作されたJYL−SQ5またはSJW−B17を色素層部材の色素増感太陽電池の電池素子に、光源AM1.5G(光強度100mW/cm)の擬似太陽光を照射させ、電池素子の電圧、電流、フィルファクターおよび光電変換効率を測定した結果を表2に示す。
Figure 0005498355
表2からわかるように、JYL−SQ5またはSJW−B17を色素に用いた色素増感太陽電池の初期的な光変換効率はそれぞれ2.19%と4.90%を示された。よって、本発明の一連の有機と無機増感色素を色素増感太陽電池に適用すれば、優れた性能が期待できる。
本発明の一連の有機と無機増感色素(一般式(1)〜(3))のうち、前述特殊の基族(Aが式(4)〜(15)の一つを示し、Bが式(16)〜(42)の一つを備える。そのうち、Gはそれぞれ独立して式(43)〜(73)の一つを示し、Dがそれぞれ独立して式(74)〜(83)の一つを示し、Eがそれぞれ独立して式(43)〜(49)または式(84)〜(97)の一つを示す)を示す。よって、本発明の一連の有機と無機増感色素は優れた光吸収能力とより高いモル吸収係数(molar absorption coefficient,ε)を有する。すなわち、本発明の一連の有機と無機増感色素は、太陽光の可視光と一部の近赤外光光子を有効に吸収できるほか、公知技術による増感色素に比べ、より良い光吸収能力を有する。よって、本発明の一連の増感色素を色素増感太陽電池に適用すれば、より高い光電変換効率が得られる潜在能力を有する。実施例はJYL−SQ5およびSJWB17を色素層の部材として、作製された色素増感太陽電池の電流−電位特徴曲線図は、図3と図4に示す。図から分かるように、JYL−SQ5およびSJWB17色素を色素増感太陽電池に適用できることを確認されている。
本発明は前述の好ましい実施例でもって説明したが、これらの説明は本発明になんらの制限を加わるものではない。この種の技術を熟知する者は、本発明の精神と範囲を逸脱しない程度による変更と修飾によって実施可能である。よって、本発明の特許請求範囲は本発明の請求書に記載する特許請求範囲によるものとする。

Claims (4)

  1. 色素増感太陽電池に適用できる有機と無機増感色素において、前記増感色素は次式(1)によって表される、
    Figure 0005498355
    そのうち、Aが一般式(4)〜(15)の一つを示し、
    Figure 0005498355
    そのうち、Bが一般式(23)、(25)〜(29)、(31)、(32)の一つ、または一般式(23)、(25)〜(29)、(31)、(32)のいずれの任意素子を組合せたものを示し、
    Figure 0005498355
    そのうち、Gはそれぞれ独立して次式(54)を示し、
    Figure 0005498355
    そのうち、Dはそれぞれ独立して次式(74)〜(83)の一つを示し、
    Figure 0005498355
    そのうち、Eはそれぞれ独立して一般式(84)〜(95)の一つを示し、
    Figure 0005498355
    そのうち、Zはそれぞれ独立して水素(Hydrogen, H)、リチウム(Lithium, Li)、ナトリウム(Sodium, Na)、カリウム(Potassium, K)または第四アンモニウム塩(下記一般式(98)によって表される)を示し、
    Figure 0005498355
    そのうち、式(23)、(25)〜(29)、(31)、(32)のXはそれぞれ独立して硫黄(S)、アンモニウム基(N−R)(Rが−C2q+1(q=1〜20))、酸素(O)またはセレニウム(Se)の一つを示し、そのうち、式(84)〜(95)のmが0〜10を示し、式(84)〜(95)のpが0〜2を示し、そのうち、式(4)〜(15)、式(87)、式(93)と式(94)のRはそれぞれ独立して−C2x+1、−(C2y)−OC2x+1、−(C2y)−SC2x+1、−(C2y)−N(C2x+1(x=1〜20;y=1〜20)の一つを示し、そのうち、式(23)、(25)〜(29)、(31)、式(84)〜(95)のRはそれぞれ独立して水素(−H)、−C2x+1、−(C2z)−OC2x+1、−(C2z)−SC2x+1、−(C2z)−N(C2x+1(x=1〜20;z=0〜20)の一つを示し、そのうち、式(91)のRがCH2(w=1〜2)を示し、式(98)のR はそれぞれ独立して水素(−H)または−C 2x+1 (x=1〜20)の一つを示す。
  2. 前記式(1)において、A(式(4)〜(15))の中にあるDが式(74)を示し、かつBが式(23)または式(31)〜(32)の一つを示し、かつGが式(54)を示し、かつ式(54)のEが式(84)を示すとき、式(84)のmは0を示されないことを特徴とする請求項1記載の有機と無機増感色素。
  3. 式(1)のAが式(6)〜(9)または式(11)〜(13)の一つを示し、かつ式(6)〜(9)または式(11)〜(13)のDが式(76)〜(78)の一つを示し、かつ式(76)〜(78)のZが水素(H)を示すとき、Eは式(84)、式(88)或いは式(89)の一つを示し、かつ、式(84)、式(88)また式(89)のmは0を示されないことを特徴とする請求項1記載の有機と無機増感色素。
  4. 前記化合物の構造は次式(112)〜(115)によって表される請求項1記載の有機と無機増感色素において、
    Figure 0005498355
    式(112)〜式(115)のnが0〜4を示し、式(112)〜式(115)のRはそれぞれ独立して−C2x+1、−(C2y)−OC2x+1、−(C2y)−SC2x+1、−(C2y)−N(C2x+1(x=1〜20;y=1〜20)の一つを示し、式(112)〜式(115)のRはそれぞれ独立して水素(−H)、−C2x+1、−(C2z)−OC2x+1、−(C2z)−SC2x+1、−(C2z)−N(C2x+1(x=1〜20;z=0〜20)の一つを示し、式(112)〜式(115)のZはそれぞれ独立して水素(Hydrogen,H)、リチウム(Lithium,Li)、ナトリウム(Sodium,Na)、カリウム(Potassium; K)また第四アンモニウム塩(下記一般式(98)によって表される)を示し、
    Figure 0005498355
    式(98)のRはそれぞれ独立して水素(−H)または−C2x+1(x=1〜20)の一つを示す。
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