JP5495415B2 - 下顎前歯部運動追尾システム、下顎前歯部運動追尾装置および顎関節雑音分析装置 - Google Patents

下顎前歯部運動追尾システム、下顎前歯部運動追尾装置および顎関節雑音分析装置 Download PDF

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Description

本発明は顎関節症の診断に用いられる顎関節雑音の分析並びに下顎前歯部運動軌跡を追尾するシステムおよび下顎前歯部運動追尾装置に関するものである。
顎関節症とは「顎関節雑音」、「開口障害(運動障害)」、「疼痛」の3症状をともなう疾患である。
今日では、顎関節症の患者が増加の傾向にあるといわれている。
現代において、多くの顎関節症の患者がいるにも関わらず、顎関節症の診断装置は存在しない。ただし、顎運動を記録描記する装置は市販されており、これを用いれば顎の動きの診断は可能である。
この装置は、患者に大掛かりな測定器具を装着し、患者の下顎前歯に直接マーカとなるものを付けて、外部から測定するものである。
そこで、安価で患者への負担が少ない顎関節症専用の診断装置が開発され、市販されるようになれば、歯科医が正しく顎関節症を定量的に診断し、治療効果を判定することが出来るようになる。
顎関節症の診断には以下の要因を解析する必要がある。
1.下顎運動障害
開閉口運動を、カメラを用いて記録し、あるエリアをテンプレートと指定し、画像マッチング処理行うことにより開口から閉口までの下顎前歯部の移動軌跡を測定し、開口度・左右変位量を表示する。
2.顎関節雑音測定
顎関節雑音を、聴診器、マイクロフォンおよび骨伝導マイクロフォンのうち、少なくとも1つを用いて測定し、その雑音についてフーリエスペクトル解析を行う。
3.疼痛の定量評価
VAS(Visual Analog Scale)法を用いる。
本発明は、「1.下顎運動障害」における下顎前歯部運動追尾システムを提案し、かつ「2.顎関節雑音測定」による顎関節雑音の解析を行わんとするものである。
従来の顎運動の計測では、測定位置に磁気を発生するものを取り付け、その動作に伴う磁場の変化を患者の頭部にアンテナを取り付け測定するものや、測定位置にLED光源を取り付け、光を検出するセンサを頭部に取り付け測定するようにしている。従って、位置検出に特別な装置が必要となる。
この場合には、装置の構成が大きくなり、従ってその設置に大きなスペースも必要となる。また測定位置の個所(例えば唇又は歯)に磁石やLED光源を取り付けるため、患者へも負担がかかってくる。(特許文献1、特許文献2参照)
また、従来の顎関節雑音の分析においては、顎関節症患者の主要症状である顎機能障害と顎関節雑音の関連性を総合的に診査し、鑑別診断と原因の推定、経過の観察、治療用プレートの咬合採得を支援するようにしている。
従来技術では、顎機能障害と顎関節雑音の関連性を総合的に診査するために、デジタイザーを顎位測定用座標入力装置としたゴシックアーチ描記システムのパーソナルコンピューターと、マイクロホンをセンサーとする振動測定装置とをA/D変換器とインターフェイスを介することによって接続し、両装置を設定された咬合高径に於ける水平面上の顎位置と顎関節雑音を同時に測定するようにしている。(特許文献3参照)
この特許文献3においては、パーソナルコンピューターへの顎位置測定用座標入力装置としてデジタイザーを用いたゴシックアーチ描記システム(特許文献4参照)を、顎運動測定装置として使用しているが、このゴシックアーチ描記システムは構成が複雑であり、しかも、デジタイザー本体を口腔内に装着する必要があり、患者に多大な負担がかかる。そして、何よりもゴシックアーチ描記そのものはそれ程精度の良いものではない。また、このゴシックアーチ描記装置を有歯顎患者に中心咬合位を取らせた状態で設置することは不可能である。主として、特許文献4は無歯顎患者用である。また、マイクロホンにより顎関節雑音を採音するが、マイクロホンを被検者のどこに設置し、採取した波形でクリック音が抽出されたとして、これをゴシックアーチ上で位置決定されても、なんの意味もない。
更に、特許文献3においては、取得した顎関節雑音の波形分析を行っているだけで、顎関節雑音の周波数分析は行っていない。
特開2003−305065号公報 特許第4191993号公報 特開平10−137269号公報 特公平7−112476号公報
本発明の目的は、ヘッドセットのような器具・マーカ等の装着物を取付けず、患者に接触することなく、患者の下顎の開閉口運動を自動追尾するシステムを提供せんとするものである。
本発明の他の目的は顎関節症の主要症状である顎運動の異常に対してこれまで主観的に行われていた顎運動診断にかわって、定量測定ができる下顎前歯部運動追尾装置を開発し、下顎前歯部運動軌跡の解析から、顎運動異常のパラメータを抽出し、診断法の確立、更には顎関節症の病態、病因の解明を図らんとするものである。
本発明の更に他の目的は顎関節雑音のクリック音およびクレピタス音を音響学的に採取解析し、その波形解析、フーリエスペクトル解析および周波数分析を行って顎関節雑音の特徴を描出することにより顎関節雑音の発生のメカニズムを解析し、最終的に顎関節症の病因解明を図らんとするものである。
本発明下顎前歯部運動追尾システムは、
口腔開口器によって開口させた被検者の開閉口運動の動画像をカメラにより撮影し、
該撮影された動画像をコンピュータの記録手段に保存し、
該コンピュータの記録手段において保存された動画像を1フレーム毎の静止画像に変換し、
該変換された静止画像のうち、上下顎前歯部が僅かに離開した状態の画像をスタート画像とし、コンピュータの記録手段から読み出し、画像表示手段に表示させ、該スタート画像のうち軌跡を確認したい下顎前歯部の関心部位にマークし、
該マークした点を中心にある範囲の関心領域(ROI)をあらかじめ設定しておき、
該設定された関心領域を第1テンプレートとして抽出し、
該抽出された第1テンプレートを用いて次の2枚目のフレーム画像に対して画像マッチング処理を施し、
該2枚目のフレーム画像で最大マッチングを示す該マークした点の座標を記憶して位置測定を行い、該2枚目のフレーム画像の画像マッチング処理された画像の最大マッチングを示す該マークした点の位置を中心に第1テンプレートと同じ範囲の関心領域を切り出し、これを第2テンプレートとし、該第2テンプレートと3枚目のフレーム画像とで画像マッチング処理を行い、
かかる処理を繰り返すことによってテンプレート作成と画像マッチング処埋を最後の静止画像まで行い、全画像について関心部位の該マークした点の位置を測定し、
各静止画像から得られる画像マッチング処理された位置座標の全てから開閉口運動の全軌跡を求めるようにしたことを特徴とする。
タート画像とカメラによって撮影された中心咬合位の画像との間のデータ未取得部分は、直線補間とすることも考えられる
中心咬合位とは、歯の最大咬合接触時における上下顎の位置関係であり、正常な中心咬合位の顎位は「安静時顎位から2〜4mmかみ込んだところに存在する。
また、安静時顎位とは、下顎頭の最も安定した位置は、上下歯の咬合しないリラックスした顎位であり、咀嚼筋や靭帯が最もリラックスした状態で上下口唇がかるく接したときの顎位である。
スタート画像として用いた顎位は安静時顎位に相当する。カメラによって撮影された中心咬合位の画像にある被検者の中心咬合位と安静時顎位における2mmから4mmという距離は下顎窩と下顎頭の関係に大きな影響を与えることがなく、咬んだときであっても、下顎窩と下顎頭の隙間は咬まない状態である安静時顎位の下顎窩と下顎頭の位置関係とほぼ同じであると考えられるため、中心咬合位の状態のフレーム画像から安静時顎位の状態であるスタート画像間のデータ未取得部分は直線で補間することが可能である。
止画像のうち軌跡を確認したい下顎前歯部の関心部位を下顎の正中線の両側にあたる中切歯の隣接面である切端隅角部、すなわち下顎前歯部中点の一点とすることも考えられる
本発明下顎前歯部運動追尾システムによれば、前記動画像を正面動画像とする。
本発明下顎前歯部運動追尾システムによれば、前記動画像を正面動画像とは直交する側面動画像とする。
本発明下顎前歯部運動追尾システムによれば、前記正面動画像からの画像マッチング処理と前記側面動画像からの画像マッチング処理とから三次元的に下顎前歯部の開閉口運動を追尾する。
本発明下顎前歯部運動追尾システムによれば、被検者の上下顎前歯部の動画像を撮影するカメラと、被検者の開閉口運動時の顎関節雑音を採音する採音器と、A/Dコンバータと、カメラからの動画像および採音器からの採音をA/D変換されたデータとして保存するコンピュータの記録手段とを備え、口腔開口器によって開口させた被検者の上下顎前歯部を露出させた状態、および、採音器を被検者の顎関節部にあてた状態で、被検者に開閉口運動を行わせ、該開閉口運動の動画像をカメラによって撮影し、該撮影された動画像をコンピュータの記録手段に保存すると同時に開閉口運動時の被検者の顎関節雑音を採音し、A/Dコンバータを経てコンピュータの記録手段にデータを保存し、該顎関節雑音発生時の静止画像と採音データとを同期させてコンピュータの記録手段に保存し、開閉口運動時の顎関節雑音の発生したフレーム画像を検知し得るようにする。
顎関節雑音の採音時にクリック音やクレピタス音が発生した場合には、その部分がピークとして検出できる。このクリック音やクレピタス音のピーク音を検出し、それをトリガーとしてとらえ、その時のフレーム画像をコンピュータの記録手段に保存する。解析時には保存されたクリック音やクレピタス音発生時のフレーム画像を読み出し、抽出した静止画像のマークした点の座標を得ることで、開閉口運動の全軌跡における顎関節雑音の発生位置を特定することができる。
本発明下顎前歯部運動追尾システムによれば、前記採音器は聴診器、マイクロフォンおよび骨伝導マイクロフォンの少なくとも1つを使用する。
本発明下顎前歯部運動追尾システムによれば、前記採音器を2つ使用する。
更に、本発明下顎前歯部運動追尾装置は、口腔開口器によって開口させ、被検者に開閉口運動を行わせ、該開閉口運動をカメラによって動画像を撮影する手段と、該撮影された動画像をコンピュータの記録手段に保存する手段と、該コンピュータの記録手段において保存された動画像を1フレーム毎の静止画像に変換する手段と、該変換された静止画像のうち、上下顎前歯部が僅かに離開した状態の画像をスタート画像とし、コンピュータの記録手段から読み出し、画像表示手段に表示させる手段と、該表示された該スタート画像のうち軌跡を確認したい下顎前歯部の関心部位にマークする手段と、該スタート画像を用いて軌跡のテンプレート設定を行う手段と、該マークした点を中心にある範囲の関心領域(ROI)をあらかじめ設定する手段と、該設定された関心領域を第1テンプレートとして抽出する手段と、第1テンプレートを用いて次の2枚目のフレーム画像に対して画像マッチング処理を施す手段と、該2枚目のフレーム画像で最大マッチングを示す該マークした点の座標を記憶して位置測定を行う手段と、該2枚目のフレーム画像の画像マッチング処理された画像の最大マッチングを示す該マークした点の位置を中心に第1テンプレートと同じ範囲の関心領域を切り出し、これを第2テンプレートとする手段と、かかる処理を繰り返すことによってテンプレート作成と画像マッチング処埋を最後の静止画像まで行い、全静止画像について関心部位の該マークした点の位置を測定する手段と、各静止画像から得られる画像マッチング処理された該マークした点の位置座標の全てから開閉口運動の全軌跡を求める手段とを備えたことを特徴とする。
タート画像とカメラによって撮影された中心咬合位の画像との間のデータ未取得部分を直線補間する手段を備えることも考えられる
本発明顎関節雑音分析装置は、被検者の顎関節部に装着した採音器と、該採音器に接続された増幅手段と、該増幅手段に接続された波形出力記録手段と、波形出力を解析する波形解析手段と、採取されたオリジナル波形に、スムージング処理を施す手段と、ウインドウ関数処理を施し、かつフーリエ変換する手段とを備え、または該採音器から採取されたオリジナル波形に、スムージング処理を施す手段と、関心領域を設定し、これを切り出す手段と、ウインドウ関数処理を施し、かつフーリエ変換する手段とを備えることを特徴とする。
本発明顎関節雑音分析装置によれば、前記採音器は聴診器、マイクロフォンおよび骨伝導マイクロフォンの少なくとも1つを使用する。
本発明顎関節雑音分析装置によれば、前記採音器を2つ使用する。
上述したように、本発明によれば、患者への装着物を使用しないため患者の負担が減ると共に装着物がないことによる位置付け操作が容易となる。
更に、小型カメラを用いているため小スペース(例えば、チェアサイド) においての測定が可能となる。
図1に示す本発明下顎前歯部運動追尾装置1において、被検者の顔の正面に、顔正面からカメラ2までの距離を一定に保たせるための器具(鼻下点と額を支点としたもの(図示せず)) を使用し固定されたカメラ2により、口唇と頬を十分に覆いながら開口し、術野が広範囲に拡大される口腔開口器15によって開口された被検者の上下顎前歯部の開閉口運動の動画像を撮影し、これをカメラ2に接続されているコンピュータ3の記録手段にて記録する。このコンピュータ3の前方には、A/Dコンバータ4が設けられているが、このA/Dコンバータ4は後述する顎関節雑音の採取に使用するものである。
この下顎前歯部運動追尾装置1によって撮影される患者の下顎前歯部運動の軌跡の追跡手段を図2a−図2gにつき説明する。
まず、口腔開口器15(図1参照)によって開口させた患者5の開閉口運動の動画像の撮影をカメラ2により行い(図2a)、この動画像をコンピュータ3の記録手段に保存する。
本発明の口腔開口器15としてはオプトラゲート(Optra gate(商標名))を使用するが、被検者の上下顎前歯部を露出させることが出来るものであればこれに限定されない。
変換された静止画像のうち上下顎前歯部がわずかに離開した状態の画像をスタート画像としコンピュータ3の記録手段から読み出し、画像表示手段に表示させ、表示させたスタート画像のうち、歯科医が軌跡を確認したい下顎前歯部の関心領域を画像表示手段上にマークして、1枚目の静止画像を用いて軌跡の初期設定を行い(図2b)、このマークした点を中心にある範囲の関心領域(ROI)をあらかじめ設定しておき、そのエリアを第1テンプレートとして抽出する(図2c)。斯様にして抽出した第1テンプレートを用いて次の2枚目のフレーム画像に対して画像マッチング処理を施し、2枚目のフレーム画像の画像マッチング処理した画像の中心位置の位置座標を記憶して位置測定を行うと共に画像マッチング処理した画像の最大マッチングを示す該マークした点の位置を中心に第1テンプレートと同じ範囲の関心領域を切り出し、これを次のフレームの第2テンプレートとして使用する(図2d)。かかる処理を繰り返し、このテンプレート作成と画像マッチング処埋を最後の静止画像まで行い、全静止画像(開口から閉口まで)について関心部位の該マークした点の位置を測定し、その各画像から得られる画像マッチング処理した該マークした点の位置座標の全てから開閉口運動の全軌跡を求める(図2e、図2f)、また開口から最大開口度までと最大開口度から閉口までの軌跡の色を変えて表示する、又は矢印表示することが可能である。斯様にして全軌跡から開口度や左右への変位量を測定し、その測定結果としての下顎の運動軌跡を図2gに示す。
これら全運動軌跡から最初のマーク点を中心とし、左右への変位量や最大開口の定量測定も行うことが出来る。
また、本発明によれば、正面動画像と側面動画像を組み合わせることによって三次元的な下顎前歯部運動の軌跡を得ることができる。
この場合には、1つのカメラによって、複数のミラーを用いて正面画像と該正面画像とは直交する側面画像を取得することができる(図3参照)。
斯様にして、得られた側面軌跡および正面軌跡のプロット点より三次元データを取得することで、開閉口運動を三次元的に表示することが可能となる。
まず、下顎前歯部運動軌跡の非接触測定法について説明する。
本発明では、被検者に非接触で測定できる装置を開発し、測定の基本原理は、画像工学で用いられる画像マッチング処理を応用する。
図4および図5にテンプレートの設定を示す。
測定方法は、被検者に口腔開口器15を用いて上下顎前歯部を露出させ、開口から閉口に到る1周期の顎運動を行わせる。この間の下顎前歯部の動きを、被検者正面に設置したカメラ2(図1参照)から規格撮影を行い、動画像を採取し、コンピュータ3の記録手段に保存する。次に保存された動画像を1フレーム毎の静止画像に変換し、変換された静止画像のうち上下顎前歯部がわずかに離開した状態の画像をスタート画像として決め、基本となるテンプレートを切り出し、次のフレーム画像の位置を画像マッチング処理によって検出する。
本発明でのテンプレートの設定では、ある画像サイズを切り出し、その重心を基準点とし、この基準点を下顎左右中切歯切縁の中点に設定する。
画像マッチング処理は、相関係数を求めて判定する方法を採用した。
画像マッチング処理は以下に示す数式で説明する。
スタート画像をf(x,y)とし、この画像中に設定したテンプレートをt(x,y)とし、あるi時間後のフレーム画像をf(x,y)とし、f(x,y)の中のどの位置にt(x,y)があるかを見出すため、2つの画像すなわちt(x,y)とf(x,y)の相互相関係数Rを求めてマッチングの判定を行う。
これを式に表すと、次のようになる。
(数1)
R(m , n) = ΣΣt(x , y)fi(x+m , y+n) / ΣΣfi 2(x+m , y+n)‥‥ (1)
ここにRは相互相関係数、m、nはf(x,y)画像の中で、
t(x,y)の位置を表すものとする。
顎関節症患者の顎運動異常について、定量的な測定法の開発と診断パラメータ設定のため、以下に示すような実験項目を設定した。
実験項目:
下顎前歯部運動追尾装置の作製
基礎実験
1 下顎前歯部運動追尾装置の測定精度
2 下顎前歯部運動軌跡の測定時変化
3 下顎前歯部運動軌跡の経日的変化
下顎前歯部運動軌跡の臨床応用
1 健常者の下顎前歯部運動軌跡
2 クリック音を呈する被検者の下顎前歯部運動軌跡
3 クレピタス音を呈する被検者の下顎前歯部運動軌跡
下顎前歯部運動時における顎関節のMRI解析
1 健常者の顎関節
2 クリック音を呈する顎関節
3 クレピタス音を呈する顎関節
下顎前歯部運動軌跡の三次元解析
1 三次元下顎前歯部運動追尾法の開発と装置の作製
2 三次元下顎前歯部運動軌跡の測定と診断パラメータ
下顎前歯部運動追尾装置の作製
図1に、下顎前歯部運動追尾装置1のブロックダイアグラムを示す。
カメラ2にはUSBカメラを用い、カメラからの信号は、30fpsのフレームレートでコンピュータ3の記録手段であるメモリに記録した。
カメラ2から被検者の口元までの距離は、30cmとし、撮影時間は、患者の開口から閉口までの1周期を約4秒とした。すなわち採取されるフレーム枚数は約120フレームとなる。
約120枚のフレーム画像の中から、テンプレート設定内に上下顎前歯部がわずかに離開した状態で上顎前歯部が入らない最小開口度の画像をスタート画像とする。
テンプレートの設定を図6に示す。図6に示すように、下顎左右中切歯切縁の中点を基準点(マークした点)として、この点を中心にX軸方向に左右50画素、Y軸方向に上下10画素のサイズをテンプレートとして自動的に切り出すようにし、テンプレートのサイズは20×100画素となった。
各フレーム画像についてテンプレート作成と画像マッチング処理を最後のフレーム画像まで行い、画像マッチング処理されたマークした点の位置座標が決定した後、各座標点を撮影開始の最初の画像である中心咬合位の画像に転記し、更に前述したように中心咬合位と安静時顎位の下顎窩と下顎頭の位置関係は、ほぼ同じである為、中心咬合位のフレーム画像から安静時顎位の状態であるスタート画像間の未取得分のデータ部分は、直線で補間し、そして全ての座標点を結んで開口から閉口にいたる軌跡を下顎前歯部運動軌跡とした。
下顎前歯部運動軌跡の計測については、撮影時に図6の左端に示されるメジャーを同時撮影して、実際に動いた距離をmm単位で算出した。
図7に診断パラメータの設定を示す。
下顎前歯部運動計測のため、軌跡が描記されたフレーム画像に座標を設定した。座標は、中心咬合位で下顎中切歯切縁中点である基準点を原点とし、原点を通り矢状平面に平行な縦軸をY軸、Y軸に直交する水平軸をX軸とした。
また、以下に示すような計測項目を設定した。
即ち、
垂直的計測としてDMO(最大開口距離(Distance of Maximum Open ))とは、 Y軸上の最大の開口距離を示す。
水平的計測としてSDR(右側変移距離(Shift Distance of Right side))とは、 患者の右側(X軸上をマイナス方向)にY軸から変移した最大距離を示す。さらに、水平的計測としてSDL(左側変移距離(Shift Distance of Left side))とは、患者の左側(X軸上をプラス方向)にY軸から変位した最大距離を示す。さらに、水平的計測としてSDT(総変移距離(Shift Distance Totality))とは、左右側の総変移距離を示す。これらを基本的な検査項目とした。
基本的実験として、下顎前歯部運動追尾装置の軌跡描出の測定精度について検討した。
方法は、画像マッチング処理に用いられたフレーム画像をプリントアウトし、フレーム画像の基準点を視覚的に判断し、画像上に印記した。各フレーム画像のマークした印記点を、中心咬合位置の画像に転記して肉眼による下顎前歯部運動軌跡を描出し、標準顎運動軌跡(以後、標準軌跡と称する)とした。
標準軌跡と画像マッチング処理によって描出された自動軌跡から、上述した検査項目のDMOと左右に変移したSDRまたはSDLの大きい方を算出した。そして標準軌跡と自動軌跡の差に対する標準軌跡の比を以って、下顎前歯部運動追尾装置の測定誤差とした。
図8は、自動軌跡と、標準軌跡を示す。両者のDMOとSDLについて計測した値を表1に示す。この結果をみると、両者の測定誤差は最大で5%であり、この程度の誤差であれば、臨床に十分利用できるものと考えることができる。
Figure 0005495415
下顎前歯部運動軌跡の測定時変化:
下顎前歯部運動軌跡が、測定時にどの程度の違いを示すかを、あらかじめ把握しておくため、顎関節症を呈する被検者の中から最も顎運動に変化のみられた1名を選定し、下顎前歯部運動軌跡を3度連続して測定した。それらの軌跡の比較から、下顎前歯部運動の動きの変化と、代表値を決定するための条件設定について検討した。
図9に3回それぞれの運動軌跡と1座標に記録したものを示し、表2に検査項目の結果を示す。
Figure 0005495415
これらの結果から、下顎前歯部の動きは測定時ごとに変動し、DMOとSDLは、極めて不安定であることが判明した。また、顎が大きく左右に変移する顎関節症の場合は、動きは不安定となることが示唆された。
従って、以後の軌跡の採取にあたっては、まず顎の最大開口度に注意を払いつつ、十分な開閉口運動の訓練を行った後に、3回軌跡を採取し2回同じ軌跡を示したものを代表値として採用した。
下顎前歯部運動軌跡の経日変化を測定するために、顎関節症を呈する被検者と同じ被検者について計測を行った。
測定期間は、1週間の間隔を置き2週間にわたり観察した。下顎前歯部運動軌跡は、前実験同様、下顎前歯部運動軌跡を3回測定し2回ほぼ同じ軌跡を示したものを試料とした。
図10に2週間の経過を置いて採取した3回の下顎前歯部運動軌跡と、1座標に記録したものを示し、表3に検査項目の測定値を示す。開閉口運動の訓練を行ったため、安定した結果が得られたが、大きな顎変移を示す閉口時の下顎前歯部運動軌跡に差異を認めた。
このうちSDRの誤差が30%と大きな値を示したが、SDRの実際の距離差は、表3に示すように0.5mmであった。この程度の差であれば臨床上、問題にならないと考えられ、他の測定値は極めて良い一致を得ることができた。
Figure 0005495415
これらの結果から、下顎前歯部運動軌跡の測定時に、開閉口運動の訓練を行った後に採取した軌跡は、臨床評価を行うに十分である。
下顎前歯部運動軌跡の臨床応用:
健常者の下顎前歯部運動軌跡;
臨床的に健常と思われる被検者3人について、下顎前歯部運動軌跡と検査項目を測定し、下顎前歯部運動軌跡の標準値を求めた。
図11に健常者の下顎前歯部運動軌跡を示し、表4に、検査項目の測定値を示す。
Figure 0005495415
これらの結果から、健常者といえども、開閉口運動にともない顎の動きが左右に多少変移することが判明した。
クリック音を呈する被検者の下顎前歯部運動軌跡:
クリック音を主とする顎関節症を呈する被検者3名について下顎前歯部運動軌跡を求め、クリック音を呈する側と顎変移側を比較・測定し、健常者と比較した。
図12にクリック音を呈する下顎前歯部運動軌跡を示し、表5に、検査項目の測定値を示す。
Figure 0005495415
この軌跡から顎の変移とクリック音を呈する側を比較した。D被検者では、クリック音と同じ左側に変移しているのに対し、E、F被検者ではクリック音とはそれぞれ反対側に変移していた。
クレピタス音を呈する被検者の下顎前歯部運動軌跡:
クレピタス音を有する被検者3名を選び、これらの下顎前歯部運動軌跡を求め、クレピタス音を呈する側と顎変移側とを比較した。また測定値を求め、健常者とクリック音を有する被検者と比較した。
図13にクレピタス音を呈する被検者の下顎前歯部運動軌跡を示す。G被検者では、顎の変移は殆んどみられず、H、I被検者については、クレピタス音を発する側とは反対側に顎の変移がみられた。
夫々の被検者について、検査項目の一覧を表6に示す。
Figure 0005495415
顎運動時における顎関節のMRI解析:
本実施例は、顎運動と関節円板とがどのような関係にあるかを検証するために行う。
MRI(日立製Airis-mate(商標名))を使用し、撮像条件は、FOVを150mm、TRを3000ms、TEを30ms、スライス厚を4mm、積算回数を2(前頭断像も同様)とし、FSE(Fast Spin Echo)にて矢状断層を得た。さらに設定した関節円板の位置判定基準を
正常(A): 下顎頭に上部に関節円板が位置するもの
やや前方(B): 関節円板の後方端に下顎頭が位置するもの
前方転位(C): 関節円板が完全に下顎頭より前方に位置するものとし、
さらに、それぞれに外側内側転位がみられれば、それを加味する。
健常者の顎関節:
本実施例では、健常者の下顎前歯部運動軌跡と同じ健常者について、中心咬合位の閉口位と、開口位とに対しMRI撮影による検査を行い、MRI画像から、関節円板の位置と顎運動変位の関係について検討した。
表7に3名の被検者について、開閉口位で下顎頭と関節円板との位置関係を判定した結果を示し、図14にMRI画像を示す。
Figure 0005495415
A,B被検者のMRI画像をみると、閉口位では左右側ともに、関節円板はやや前方位置を呈し、開口位では、正常な位置に存在した。
従って、左右側閉口位での関節円板のやや前方転位は、運動機能に影響するものでないと判断した。
C被検者のMRI画像で関節円板の関係をみると、左側では閉口位で前方転位を認めたが、開口位は正常な位置であり、右側では閉口位でやや前方位置であるが、開口位では正常に位置した。
その動きの特徴は、前方転位側である左側顎関節の動きが良いことを意味している。したがって閉口位で関節円板の前方転位があっても、開口位に関節円板が正常位置に復帰すれば、顎運動に障害を及ぼさないことがわかる。この被検者の関節円板は復位性であり、復位性の関節円板では顎運動の障害に繋がらないと考えられる。
クリック音を呈する顎関節
クリック音を呈する被検者3名についても同様にMRI撮像を行った。その結果を図15に示す。表8には、下顎頭と関節円板の位置関係を判定した結果を示す。図15にはMRI画像を示す。
Figure 0005495415
被検者DのMRI画像をみると、左側閉口位では前方転位、開口位では前外側転位であった。右側閉口位では正常であるものの、開口位に前外側転位を認め、この被検者の関節円板は、左右側とも非復位性であると判断された。
左側開閉口位とも関節円板の前方転位により、左側顎関節での運動が障害されていることが推測された。その理由は、最大開口位で右側の顎関節にエミネンス・クリックがみられるのに対し、左側では見られなかったからである。さらに右側のエミネンス・クリックと同時に顎は左側に変移する動きを示した。これらのことから左側顎関節では、運動障害が起こっていると推測することができる。
この被検者の顎の動きは、左側では関節円板の前方転位のために、最大開口に至る動きが制限され、対照的に右側下顎頭の動きは関節円板前方転位がみられ、最大開口位で顎が左に変移するものと考えられる。
閉口運動に入っても、右側下顎頭はすぐに結節を後戻りすることが出来ないため、顎は左に変移したまましばらく閉口運動を行い、ある程度閉口してから元に戻るものと推測される。
さらに下顎頭の形態を左右で比較すると、右側はほぼ正常な形であるのに対し、左側は平坦化して変形性顎関節症の状態を呈しており、これも動きを反映したものであると考えることができる。
E被検者は、左右側共に閉口位でやや前方を呈したが、開口位では正常であった。
F被検者は、左側の関節円板は開閉口位とも正常な位置にあったが、右側では閉口位で前方転位を示し、開口位で正常な位置に戻っていた。
その動きを考えると、右側の関節円板が前方転位でありながら、最大開口時に顎が左側に変移を示した。このことは、関節円板前方転位の右側顎関節の動きが良いことになり、健常者であるC被検者の顎の動きと一致するものであった。
クリックを呈する被検者の解析からは、関節円板の非復位性の前方転位は、顎の動きに影響することが考えられた。
クレピタス音を呈する顎関節
下顎前歯部運動軌跡の経日的変化でクレピタス音を発する被検者(G、H、I)の閉口位と開口位についてMRI撮影を行った。
表9に関節円板の位置関係を判定した結果を示し、図16にMRI画像を示す。
Figure 0005495415
G被検者については、左右側の開閉口位ともに、関節円板と下顎頭の関係は正常であった。
H被検者については、左側閉口位でやや前方を呈し、右側では前方転位を示した。開口位は左右側ともに正常であった。
I被検者は、左側閉口位では関節円板のやや内側転位がみられたが、開口位では正常に位置していた。右側では位置関係に異常はみられなかった。
顎の開閉運動は咀嚼筋の作用するところであり、筋の伸縮が関与の可能性も考慮する。
次に、本発明顎関節雑音分析装置の実施例を図17のブロック図を参照して説明する。
この装置の概要は、顎関節雑音を採音するために、例えば、聴診器10と骨伝導マイクロフォン11とを組合せた顎関節雑音採取器12(以後採音器と称す)を作製し、かかる採音器を2つ採用した。採音器12によって電気信号に変換された顎関節雑音は増幅手段13で増幅され、波形出力記録手段14で波形として記録する。波形出力記録手段14に記録された波形を波形解析手段16によって波形解析を行った。
顎関節雑音の採音条件としては開閉口運動の周期を一定にしておくことが必要である。
本発明では、採音器として聴診器と骨伝導マイクロフォンとを組み合わせたが、これに限定されることはなく、例えば、骨伝導マイクロフォン単独のものを採音器としても良い。
本実施例では顎関節雑音の発生メカニズムは、開閉口運動時に顎関節内で起こるインパルスによって顎顔面頭蓋内の特定部位で共振が起こり、顎関節雑音として採音されるため、1つの採音器12は顎関節雑音発生部位である被検者の顎関節部上に固定し、もう一つの採音器12は顎関節雑音発生部位の共振部位にあて、開口から閉口までの1周期を約2秒とし、スピードが安定した時点で顎関節雑音採音を行うようにした。データの採取条件としては、クリック音の場合サンプリングレートを10ms/div、クレピタス音の場合50ms/divとした。これをサンプリングピッチに変換すると、夫々50μsと117.2μsとなる。サンプリングの総数はいずれも5,120点である。
波形解析は図18に示すように、採音器12から採音されたオリジナル波形(S1)に、前処理としてまずスムージング処理(S2),例えば5点スムージング処理を行った。次に、波形内に関心領域(S3)を設定し、これを切り出した。ROIのサンプル数はクリック音では1,024点、クレピタス音では2,048点とした。切り出した波形についてウインドウ関数としてハミング関数処理(S4)を行い、次いで高速フーリエ変換(以後、FFTと称する)(S5)を行い、アウトプット(S6)した。フーリエスペクトルはFFTの絶対値で表示した。フーリエスペクトルは既存のFFTソフトを用いて解析した。
この解析結果から治療するにつれて数値の減少は顎関節雑音が小さくなっていることを表し、治療効果の判定に繋がる。
なお、本実施例ではオリジナル波形にスムージング処理を行ってからROI設定を行ったが、ROI設定を行った後にスムージング処理を行ってもよい。
次に顎関節雑音発生時の静止画像と採音データとを同期保存し、開閉口運動時の顎関節雑音の発生したフレーム画像を検知する実施例を図1を用いて説明する。被検者5の口腔に口腔開口器15を装着し、開口させ、上下顎前歯部を露出させた状態での被検者5による開閉口運動の動画像をカメラ2により撮影し、該開閉口運動時の顎関節雑音を採音器12により採音して、カメラからの動画像および採音器からの採音をA/Dコンバータ4によりA/D変換して得たデータをコンピュータ3の記録手段に保存し、被検者5による開閉口運動の動画像撮影と、該開閉口運動時の顎関節雑音の採音とを同時に行い、クリック音やクレピタス音が発生した場合には、該クリック音やクレピタス音のピーク音を検出し、それをトリガーとしてとらえ、その時のフレーム画像をコンピュータ3の記録手段に保存する。解析時には保存されたクリック音やクレピタス音発生時のフレーム画像をコンピュータ3の記録手段から読み出し、抽出した静止画像のマークした点の座標を得ることで、開閉口運動の全軌跡における顎関節雑音の発生位置を特定することができる。
本発明では、関心領域の設定については、関心部位のマークした点を中心にある範囲の関心領域を自動で設定することも可能であり、さらに術者が任意に関心領域を設定することも可能である。
更に本発明では、第1テンプレートを使用して、第2テンプレートを作成し、第2テンプレートを使用して、第3テンプレートを作成していくという方法であるが、被検者の上下顎前歯部を撮影するカメラを望遠カメラにし、被検者と該望遠カメラとの距離を離すことにより、開閉口運動を行っても関心領域をほぼ平行に同形状で捉えることが可能なので、第1テンプレートだけですべてのフレーム画像の画像マッチング処理を行うことが出来る。
また望遠カメラの他、光学的処理が行えるカメラを使用することで、被検者とカメラの距離をさほど離さずに撮影及び画像マッチング処理を行うことが出来る。
本発明下顎前歯部運動追尾システムに使用する下顎前歯部運動追尾装置の構成を示すブロック図である。 本発明下顎前歯部運動追尾システムを説明するための説明図である。 三次元画像を取得するための構成配置を示す説明図である。 下顎前歯部運動軌跡の非接触測定法を説明するための説明図である。 同じく下顎前歯部運動軌跡の非接触測定法を説明するための説明図である。 同じく下顎前歯部運動軌跡の非接触測定法を説明するための説明図である。 診断パメラメータの設定を示す説明図である。 下顎前歯部運動追尾装置の測定精度を示す説明図である 下顎前歯部運動軌跡の測定時変化を示す説明図である。 下顎前歯部運動の軌跡の経日変化を示す説明図である。 健常者の下顎前歯部運動軌跡を示す説明図である。 クリック音を呈する患者の下顎前歯部運動軌跡を示す説明図である。 クレピタス音を呈する患者の下顎前歯部運動軌跡を示す説明図である。 健常者の顎関節のMRI画像を示す説明図である。 クリック音を呈する顎関節のMRI画像を示す説明図である。 クレピタス音を呈する顎関節のMRI画像を示す説明図である。 顎関節雑音測定装置の構成を示すブロック図である。 顎関節雑音解析のフローチャートを示す説明図である。
符号の説明
1 下顎前歯部運動測定装置
2 カメラ
3 コンピュータ
4 A/Dコンバータ
5 被検者
10 聴診器
11 骨伝動マイクロフォン
12 採音器
13 増幅器
14 デジタルオシロスコープ
15 口腔開口器
16 波形解析手段

Claims (11)

  1. 被検者の上下顎前歯部を露出させた状態において、被検者に開閉口運動を行わせ、該開閉口運動をカメラによって動画像を撮影し、
    該撮影された動画像をコンピュータの記録手段に保存し、
    該記録手段において保存された動画像を1フレーム毎の静止画像に変換し、該変換された静止画像のうち、上下顎前歯部がわずかに離開した状態の画像をスタート画像としてコンピュータの記録手段から読み出し、画像表示手段に表示させ、該スタート画像のうち軌跡を確認したい下顎前歯部の関心部位にマークし、
    該マークした点を中心にある範囲の関心領域(ROI)をあらかじめ設定し、該設定された関心領域を第1テンプレートとして抽出し、
    該抽出された第1テンプレートを用いて次の2枚目のフレーム画像に対して画像マッチング処理を施し、
    該2枚目のフレーム画像で最大マッチングを示す該マークした点の座標を記憶して位置測定を行い、
    該2枚目のフレーム画像の画像マッチング処理された画像の最大マッチングを示す該マークした点の位置を中心に第1テンプレートと同じ範囲の関心領域を切り出し、
    これを第2テンプレートとし、該第2テンプレートと3枚目のフレーム画像とで画像マッチング処理を行い、
    かかる処理を繰り返すことによってテンプレート作成と画像マッチング処埋を最後の静止画像まで行い、
    全静止画像について関心部位の該マークした点の位置を測定し、
    各静止画像から得られる画像マッチング処理された該マークした点の位置座標の全てから開閉口運動の全軌跡を求めるようにしたことを特徴とする下顎前歯部運動追尾システム。
  2. 前記動画像を正面動画像とすることを特徴とする請求項1に記載の下顎前歯部運動追尾システム。
  3. 前記動画像を前記正面動画像とは直交する側面動画像とすることを特徴とする請求項1に記載の下顎前歯部運動追尾システム。
  4. 前記正面動画像からの画像マッチング処理と前記側面動画像からの画像マッチング処理とから三次元的に下顎前歯部の開閉口運動を追尾することを特徴とする請求項1乃至請求項いずれかに記載の下顎前歯部運動追尾システム。
  5. 被検者の上下顎前歯部の動画像を撮影するカメラと、被検者の開閉口運動時の顎関節雑音を採音する採音器と、A/Dコンバータと、カメラからの動画像および採音器からの採音をA/D変換されたデータとして保存するコンピュータの記録手段において、被検者の上下顎前歯部を露出させた状態、および、採音器を被検者の顎関節部にあてた状態で、被検者に開閉口運動を行わせ、該開閉口運動の動画像をカメラによって撮影し、該撮影された動画像をコンピュータの記録手段に保存し、また、同時に開閉口運動時の被検者の顎関節雑音を採音し、A/Dコンバータを経てコンピュータ記録手段にデータを保存し、該顎関節雑音発生時の静止画像と採音データとを同期させてコンピュータの記録手段に保存し、開閉口運動時の顎関節雑音の発生したフレーム画像を検知できることを特徴とする請求項1に記載の下顎前歯部運動追尾システム。
  6. 前記採音器は聴診器、マイクロフォンおよび骨伝導マイクロフォンの少なくとも1つを使用することを特徴とする請求項に記載の下顎前歯部運動追尾システム。
  7. 前記採音器は2つ使用することを特徴とする請求項に記載の下顎前歯部運動追尾システム。
  8. 被検者の上下顎前歯部を露出させた状態において、被検者に開閉口運動を行わせ、該開閉口運動をカメラによって動画像を撮影する手段と、該撮影された動画像をコンピュータの記録手段に保存する手段と、該コンピュータの記録手段において保存された動画像を1フレーム毎の静止画像に変換する手段と、該変換された静止画像のうち、上下顎前歯部がわずかに離開した状態の画像をスタート画像とし、コンピュータの記録手段から読み出し、画像表示手段に表示させる手段と、該表示された該スタート画像のうち軌跡を確認したい下顎前歯部の関心部位にマークする手段と、該スタート画像を用いて軌跡のテンプレート設定を行う手段と、該マークした点を中心にある範囲の関心領域(ROI)をあらかじめ設定する手段と、該設定された関心領域を第1テンプレートとして抽出する手段と、第1テンプレートを用いて次の2枚目のフレーム画像に対して画像マッチング処理を施す手段と、該2枚目のフレーム画像で最大マッチングを示す該マークした点の座標を記憶して位置測定を行う手段と、該2枚目のフレーム画像の画像マッチング処理された画像の最大マッチングを示す該マークした点の位置を中心に第1テンプレートと同じ範囲の関心領域を切り出し、これを第2テンプレートとする手段と、かかる処理を繰り返すことによってテンプレート作成と画像マッチング処埋を最後の静止画像まで行い、全静止画像について関心部位の該マークした点の位置を測定する手段と、各静止画像から得られる画像マッチング処理された該マークした点の位置座標の全てから開閉口運動の全軌跡を求める手段とを備えたことを特徴とする下顎前歯部運動追尾装置。
  9. 被検者の顎関節部に設定された採音器と、該採音器に接続された増幅手段と、該増幅手段に接続された波形出力記録手段と、波形出力を解析する波形解析手段と、採取されたオリジナル波形に、スムージング処理を施す手段と、ウインドウ関数処理を施し、かつフーリエ変換する手段とを備え、または、該採取されたオリジナル波形に、スムージング処理を施す手段と、関心領域を設定し、これを切り出す手段と、ウインドウ関数処理を施し、かつフーリエ変換する手段とを備えることを特徴とする請求項5に記載の下顎前歯部運動追尾システムに使用する顎関節雑音分析装置。
  10. 前記採音器は聴診器、マイクロフォンおよび骨伝導マイクロフォンの少なくとも1つを使用することを特徴とする請求項に記載の顎関節雑音分析装置。
  11. 前記採音器は2つ使用することを特徴とする請求項10に記載の顎関節雑音分析装置。
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