JP5494459B2 - 電解加工方法および電解加工装置 - Google Patents

電解加工方法および電解加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、電解加工方法および電解加工装置に関するものである。
従来、特許文献1には、電極と被加工物との間への電解液の供給を、電極に設けた電解液供給孔を通じて行い、電極に振動を付加しながら電極と被加工物との間に電圧を印可することによって、スラッジ(加工屑)を排出しながら電解加工する電解加工方法が記載されている。
特表2003−512189号公報
上記従来技術では、電極が被加工物に近づく方向に動いている場合には、電解液が電極によって押し込まれて正圧となるので電解液の流れが速くなり、その反対に、電極が被加工物から離れる方向に動いている場合には、電解液が負圧となって電解液の流れが遅くなる。したがって、電極と被加工物との間における電解液の流れは、電極の振動の下死点付近で最大となる。
本発明者の詳細な検討によると、上記従来技術において電極の振動の下死点で電圧印加した場合、電解液の流れが最大となる付近で加工を開始することとなるので、その電解液流れによる筋(流れ筋)が被加工物表面に発生し、所望の形状が得られなかったり、表面粗さを悪化したりするという問題があることがわかった。
本発明は上記点に鑑みて、電解液流れによる加工品質への悪影響を抑制できる電解加工方法および電解加工装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、電極(11)の電解液供給孔(11c)から被加工物(1)に電解液を供給し、電極(11)を被加工物(1)に対して接近・離反するように往復動させ、電極(11)と被加工物(1)との間に電圧を印可する電解加工方法であって、
電極(11)が被加工物(1)に対して最接近しているときには電圧の印加が停止されているようにし、
電極(11)が被加工物(1)に対して離反する方向に動いているときに電圧の印可を開始することを特徴とする。
これによると、電極(11)が被加工物(1)に対して最接近していて電解液の流れが速くなっているときには電解加工を行わず、電極(11)が被加工物(1)に対して離反する方向に動いて電解液の流れが遅くなるときに電解加工を開始するので、電解液流れによる加工品質への悪影響を抑制できる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の電解加工方法において、電極(11)と被加工物(1)との間に印可される電圧のパターンを加工の進展に伴って変化させることを特徴とする。
これにより、さらに高精度な加工が可能になる。
例えば、請求項3に記載の発明のように、請求項2に記載の電解加工方法において、電極(11)と被加工物(1)との間に印可される電圧、および電極(11)と被加工物(1)との間に流れる電流のうち少なくとも一方を検出手段(18)によって検出し、
検出手段(18)の検出結果に基づいて、電極(11)と被加工物(1)との間に印可される電圧のパターンを変化させるのが好ましい。
請求項4に記載の発明では、請求項2または3に記載の電解加工方法において、電極(11)と被加工物(1)との間にパルス電圧を印可し、
電極(11)と被加工物(1)との間に印可されるパルス電圧を、加工の進展に伴ってパルス幅が短くかつパルス数の多い第1パルス電圧から、パルス幅が長くかつパルス数の少ない第2パルス電圧へと変化させることを特徴とする。
これによると、高い選択性を必要とするプロセスと、低い選択性を必要とするプロセスとを連続的に行うことができる。なお、高い選択性を必要とするプロセスとしては、例えば、溝掘りをするプロセスが挙げられ、低い選択性を必要とするプロセスとしては、例えば、加工形状や表面粗さを仕上げるプロセスが挙げられる。
例えば、請求項5に記載の発明のように、請求項4に記載の電解加工方法において、電極(11)と被加工物(1)との間に第2パルス電圧が印可されている場合、電極(11)と被加工物(1)との間に第1パルス電圧が印可されている場合と比較して電極(11)の往復動の周波数を低くするのが好ましい。
また、請求項6に記載の発明のように、請求項5に記載の電解加工方法において、電極(11)の往復動の周波数に比例して電解液の供給圧力を低くするのが好ましい。
請求項7に記載の発明では、電解液供給孔(11c)が形成された電極(11)と、
電解液供給孔(11c)に電解液を供給する電解液供給手段(19)と、
電極(11)と被加工物(1)との間に電圧を印可する電源(17)と、
電極(11)を被加工物(1)に対して接近・離反するように往復動させる駆動機構(12、13)と、
電極(11)が被加工物(1)に対して最接近しているときに電圧の印加が停止されており、電極(11)が被加工物(1)に対して離反する方向に動いているときに電圧の印可が開始されるように電源(17)を制御する制御手段(15)とを備えることを特徴とする。
これによると、上記した請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の電解加工装置において、制御手段(15)は、電極(11)と被加工物(1)との間に印可される電圧のパターンが加工の進展に伴って変化するように電源(17)を制御することを特徴とする。
これによると、上記した請求項2に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
例えば、請求項9に記載の発明のように、請求項8に記載の電解加工装置において、電極(11)と被加工物(1)との間に印可される電圧、および電極(11)と被加工物(1)との間に流れる電流のうち少なくとも一方を検出する検出手段(18)を備え、
制御手段(15)は、検出手段(18)の検出結果に基づいて、電極(11)と被加工物(1)との間に印可される電圧のパターンを変化させるのが好ましい。
請求項10に記載の発明では、請求項8または9に記載の電解加工装置において、電源(17)は、パルス電圧を電極(11)と被加工物(1)との間に印可するものであり、
制御手段(15)は、電極(11)と被加工物(1)との間に印可されるパルス電圧が、加工の進展に伴ってパルス幅が短くかつパルス数の多い第1パルス電圧から、パルス幅が長くかつパルス数の少ない第2パルス電圧へと変化するように、電源(17)を制御することを特徴とする。
これによると、上記した請求項4に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
例えば、請求項11に記載の発明のように、請求項10に記載の電解加工装置において、電極(11)と被加工物(1)との間に第2パルス電圧が印可されている場合、制御手段(15)は、電極(11)と被加工物(1)との間に第1パルス電圧が印可されている場合と比較して電極(11)の往復動の周波数が低くなるように、駆動機構(12、13)を制御するのが好ましい。
また、請求項12に記載の発明のように、請求項11に記載の電解加工装置において、制御手段(15)は、電極(11)の往復動の周波数に比例して電解液の供給圧力が低くなるように電解液供給手段(19)を制御するのが好ましい。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態における電解加工装置の全体構成図である。 図1の電極および被加工物の断面図である。 第1実施形態における電解加工装置の作動を示すタイムチャートである。 電解加工時にスラッジが排出される様子を説明する模式図である。 第1実施形態の変形例における電極の振動パターン示すタイムチャートである。 第2実施形態における電解加工装置の作動を示すタイムチャートである。 第3実施形態の制御装置が実行する制御処理の要部を示すフローチャートである。 図7の制御処理で用いるテーブルを示す図表である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態を説明する。図1は、電解加工装置の全体構成図である。電解加工用電極11は、動力伝達機構12に保持されている。動力伝達機構12は、駆動装置13からの駆動力によって駆動され、電極11が被加工物1(ワーク)に対して接近・離反するように電極11を往復動させる。すなわち、動力伝達機構12および駆動装置13は、電極11を変位駆動する駆動機構を構成している。
動力伝達機構12としては、ボールネジ、カム、シリンダ、ピエゾアクチュエータ、ダイヤフラム、ばね等が適宜用いられる。駆動装置13としては、モータやエアシリンダ、ピエゾアクチュエータ等が適宜用いられる。
駆動装置13の作動状態は、センサ14によって検出される。センサ14の検出信号は制御装置15に入力される。制御装置15は、センサ14の検出信号に基づいて、電極11の往復動方向における位置を把握することができる。
被加工物1は、ベース16に固定されるようになっている。ベース16は、銅、SUS(ステンレス鋼)などの電気抵抗の低い金属で形成されている場合と、御影石等の石定盤のように絶縁剛性体から成る場合とがある。前者の場合、被加工物1はベース16に直接取り付けられて固定される。後者の場合、石定盤の上に銅やSUS(ステンレス鋼)の治具を別途取り付けて被加工物を固定する。
電源17は、電極11と被加工物1との間に電流を供給するものであり、例えばパルス電源や直流電源が用いられる。電源17の出力電圧は、制御装置15(制御手段)によって制御される。制御装置15は、設定電流(所定値)が電極11と被加工物1との間に流れるように電源17の出力電圧を制御する。
電極11と被加工物1との間に印可される電圧、および電極11と被加工物1との間に流れる電流は、電圧電流計18(検出手段)によってモニタリングされる。電圧電流計18の電圧モニタ値および電流モニタ値は、制御装置15に入力される。
電解液供給装置19(電解液供給手段)は、塩化ナトリウムや硝酸ナトリウムの水溶液などの電解液を吐出する。電解液供給装置19から吐出された電解液は、電極11に形成された電解液供給孔を通して電極11と被加工物1との間に供給される。
電解液供給装置19は、電解液の吐出口を開閉するバルブ(図示せず)と、アキュムレーター等の圧力変動を抑制する機構(図示せず)とを有している。電解液供給装置19のバルブの開閉は、制御装置15によって制御される。また、電解液供給装置19は、電解液の供給圧力を制御できるとともに、複数の電解液を準備しておき、被加工物の種類毎に適した電解液に切り替えできるようにするのが好ましい。
電極11と被加工物1との間に供給された電解液は、タンク20に回収される。タンク20に回収された電解液は、遠心分離装置やフィルタを有する濾過装置21を通して電解液供給装置19に戻されるようになっている。
図2は、電極11の断面図である。電極11は、被加工物1の加工対象部位に対応した導電部11aと、被加工物1の非加工対象部位に対応した絶縁部11bとを有している。導電部11aは、SUS(ステンレス鋼)などの電気抵抗の低い金属で形成されている。絶縁部11bは、ポリアセタールコポリマーや耐熱塩化ビニルなどの電気抵抗の高い絶縁材で形成されている。絶縁部11bには電解液供給孔11cが形成されている。また、絶縁部11bは、ポリテトラフルオロエチレン等のコーティング材で形成されていてもよい。
このような電極11を用いて、電解液供給孔11cから電解液を矢印のように供給しながら被加工物1と導電部11aの間に電圧を印加し、被加工物1のうち導電部11aと対向する部位の金属を溶出させ、被加工物1の表面に凹形状の加工部1aを形成する。また、被加工物1のうち絶縁部11bと対向する部位1bでは電解反応は起こらず、平坦な非加工部となる。加工部1aと非加工部1bとの境界にはエッジ部1cが形成される。
例えば、被加工物1がハードディスク駆動装置の動圧軸受け用部品の場合、加工部1aは油通路、平坦な非加工部1bは摺動面となり、加工部1aと非加工部1bとの境界部であるエッジ部1cは油膜発生部となる。
電極11の絶縁部11bは、図2の例のように導電部11aから突き出すように形成してもよいが、突き出さないで端部が導電部と同一面になるようにしてもよい。突き出す場合の突出量は、加工深さに応じてふさわしい量とする。突出量が必要以上になると、導電部11aと被加工物1の間の間隔が大きくなりすぎて、加工効率や精度が低下する。
絶縁部11bは、導電部11aに圧入されあるいは接着などにより接合されて導電部11aと一体化される。また、絶縁部11bは、図2の例のように導電部11aを貫通して設けてもよいが、導電部11aに形成された凹部に挿入されていてもよい。
図2の例では、電解液供給孔11cがストレート形状になっているが、ストレート形状に限らず、例えば電解液の出口部がテーパ状に広くなった形状になっていてもよい。
また、図2の例では、電解液供給孔11cが各絶縁部11bに1個ずつ設けられているが、絶縁部11bの平面形状(被加工物側から見た形状)が長い形状である場合は、電解液供給孔11cを複数個設けたり、電解液供給孔11cをスリット形状にしたりするのが好ましい。
次に、本実施形態の電解加工装置を用いた電解加工方法を説明する。制御装置15は、電解液供給装置19のバルブを開いて電解液を吐出させることにより、電解液を電解液供給孔11cを通して電極11と被加工物1との間に供給させる。また、制御装置15は、駆動装置13を制御して動力伝達機構12を駆動することにより、電極11を被加工物1に対し接近・離反する方向(上下方向)に往復動させる。
さらに、制御装置15は、図3に示すように、電極11の往復動タイミングに合わせて、電源11を制御する。具体的には、まず、センサ14の検出信号に基づいて電極11の移動方向と移動速度を演算して電極11の現在位置を把握する。図3の例では、電極11の往復動(振動)は正弦波状になっている。
制御装置15は、電極11が下降しているとき、すなわち電極11が上死点(トップ)を過ぎた後かつ電極11が下死点(ボトム)に到達する前の期間には電圧を印加させない。そして、電極11が上昇しているとき、すなわち下死点(ボトム)を過ぎた後かつ電極11が上死点(トップ)に到達する前の期間にパルス電圧を印加させる。なお、図3の例では、複数のパルス電圧を印可しているが、単発のパルス電圧を印可してもよい。
電極11が上昇しているとき、パルス電圧の印加によって電解加工が行われる。図4に模式的に示すように、電解加工によって発生したスラッジSは、電極11が下降しているときに電解液の流れによって排出される。すなわち、電極11が下降しているときには、電極11と被加工物1との間に供給された電解液が電極11によって押し込まれるので、電解液が高圧になって電解液の流れが速くなる。この速い流れの電解液によって、スラッジSを良好に排出することができる。
したがって、電極11が上昇している期間を加工ステップ、電極11が加工している期間を加工スラッジ排出ステップと表現することができる。
電極11が上昇しているときには、電極11のピストン効果によって電解液が負圧になるので、電解液の流れが遅くなる。本実施形態では、電解液の流れが遅くなっているときに電解加工が行われることとなるので、電解液流れによる筋(流れ筋)が被加工物1の表面に発生することを抑制できる。
また、電極11が下降しているときには、電解液が電極11によって押し込まれることによって非常に速い流速となり流れの剥離などの現象を起こすが、電極11が上昇しているときには、電極11のピストン効果によって電解液が負圧になるので負圧により系内にもたらされる流速と電解液供給孔11cから供給される電解液流速とが打ち消しあい電解液平均流速が低流速領域で均一化される。本実施形態では、電解液流れが低流速領域で均一化されているときに電解加工が行われることとなるので、流れの剥離により加工精度に悪影響を与えることを抑制できる。
要するに、本実施形態では、電極11が被加工物1に対して最接近しているとき(電極11が下死点にあるとき)には電圧の印加が停止されているようにし、電極11が被加工物1に対して離反する方向に動いているときに電圧の印可を開始するので、電解液の流速が速く且つ流速のバラツキが大きいときに電解加工が行われず、電解液の流速が遅く且つ流速のバラツキが小さいときに電解加工が行われることとなる。そのため、電解液流れによる加工品質への悪影響を抑制し、高精度な加工品質を得ることができる。
さらに、本実施形態では、絶縁部11bに電解液供給孔11cを設けているので、非加工部1bおよびエッジ部1cには濾過装置21で濾過された清浄な電解液が常時供給されることとなる。このため、電極11と被加工物1との間の電気抵抗を理想に近い状態に保つことができるので、エッジ部1cのR形状加工を高精度に行うことができる。
例えば、被加工物1が動圧軸受け用部品の場合、エッジ部1cは油膜発生部となるので、エッジ部1cのR形状精度が極めて重要となる。本実施形態では、エッジ部1cのR形状加工を高精度に行うことができるので、動圧軸受け用部品の加工品質を良好に確保できる。
なお、図3の例では、電極11の往復動が正弦波振動となっているが、これに限定されるものではなく、例えば図5に示すような矩形波と正弦波との合成振動となっていてもよい。図5の例によると、下死点近傍での停止時間が得られるので、電解液流れをより均一化することができる。
図5に示すような合成振動を得るためには、例えば動力伝達機構12にカム機構を用いればよい。
(第2実施形態)
本第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、加工プロセスの進行に合わせて加工条件を変化させるようにしたものである。
図6の例では、加工プロセスを、型彫り(溝成形)を行う電極転写ステップと、エッジ部1cのRや加工部1aの表面粗さ等を仕上げるエッジ仕上げを行うエッジクラウニングステップとに分け、電極転写ステップとエッジクラウニングステップとで加工条件を変化させる。変化させる加工条件は、印加電圧(印加電流)のパターン、電極11の振動周波数、およびギャップ(GAP)であり、各条件の具体的な値は制御装置15に予め設定されている。
なお、印加電圧(印加電流)のパターンとは、具体的には印加タイミング、パルス数、パルス幅、ピーク値、デューティ比等から決まるものである。ギャップ(GAP)とは、極間距離(電極11と被加工物1との間の距離)のことである。
電極転写ステップでは、印加電圧を短い群パルス(第1パルス電圧)とする。これにより、高い選択性を得ることができるので、溝堀り加工を良好に行うことができる。これに対して、エッジクラウニングステップでは、印加電圧を長い単パルス(第2パルス電圧)とする。これにより、選択性が失われるので、エッジ仕上げを良好に行うことができる。
なお、エッジクラウニングステップでは、印加電圧のパルス幅を長くする都合上、電極11の振動周波数を電極転写ステップに比べて低くする。また、エッジクラウニングステップでは、エッジ部1cに電流が効果的に流れるようにするために、ギャップ(GAP)を電極転写ステップに比べて大きくする。
本実施形態によると、加工プロセスの進行に合わせて加工条件を変化させるので、溝掘りをするプロセスと、加工形状や表面粗さを仕上げるプロセスとを、ワンサイクル内で自動的に加工することができる。
(第3実施形態)
上記第2実施形態では、加工プロセスの進行に合わせて変化する加工条件が予め設定されているが、本第3実施形態は、加工状態に応じて加工条件を自動的に変化させる。
図7は、本実施形態の制御装置15が実行する制御処理の要部を示すフローチャートである。図8は、図7の制御処理で用いるテーブルを示す図表である。
図8のパターンNo.とは、加工条件のパターンのNo.であり、加工プロセスが進行するにつれてパターンNo.が1→2→3→…と1つずつ増加する。ピーク電圧閾値および積算電流閾値は、図7のフローチャートにおける判定処理で用いられる。図8では、各パターンNo.に対応する加工条件の例として、印加電圧パターンを構成する設定電流値、パルス幅、パルス数およびデューティ比を示している。図示を省略しているが、実際のテーブルには、各パターンNo.に対応する電極11の振動周波数およびギャップ(GAP)も含まれている。
図7のフローチャートにおいて、制御装置15は、まずステップ100にて、電圧電流計18が検出した電流・電圧のモニタ値を取得する。
次いで、ステップS110にて、積算電流を演算する。積算電流とは、加工を開始してからの通電電流の積算値である。次いで、ステップS120にて、ピーク電圧が閾値範囲外にあり、かつ積算電流が閾値より大きいか否かを判定する。ピーク電圧の閾値および積算電流の閾値は、図8のテーブルから取得する。例えば、現在のパターンNo.が「1」である場合、ピーク電圧がA1以下かつ積算電流がB1より大きい場合、YES判定をする。
YES判定の場合、ステップS130へ進み、パターンNo.を1つ増加させて、印加電圧パターン、電極振動周波数およびギャップ(GAP)を変更する。例えば、図8において現在のパターンNo.が1である場合、パターンNo.を「1」から「2」に変更し、設定電流値、パルス幅、パルス数およびデューティ比の各値をC1、D1、E1、F1からC2、D2、E2、F2へ変更する。これにより、電圧電流計18の検出結果に基づいて、印可電圧のパターンを変化させることができる。
印可電圧と同様に、電極振動周波数およびギャップ(GAP)についても電圧電流計18の検出結果に基づいて変化させることができる。
ステップS120でNO判定の場合、ステップS130を実施しない。すなわちパターンNo.を変更させないので、加工条件も変化しない。
なお、本実施形態では、各パターンNo.に対応する閾値および加工条件をテーブルから取得するが、各パターンNo.に対応する閾値および加工条件を、所定の演算式を用いて演算するようにしてもよい。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、制御装置15による制御処理の一例を示したものに過ぎず、これに限定されることなく、制御装置15による制御処理を種々変形可能である。
例えば、上記第2実施形態では、電極転写ステップでは印加電圧を短い群パルスとし、エッジクラウニングステップでは印加電圧を長い単パルスとするが、これに限定されるものではなく、加工の進展に伴って、パルス幅が短くかつパルス数の多い第1パルス電圧から、パルス幅が長くかつパルス数の少ない第2パルス電圧へと変化するようにすればよい。
また、制御装置15は、電極11の往復動の周波数に比例して電解液の供給圧力が低くなるように電解液供給装置19を制御するようにしてもよい。
また、本発明は、溝成形加工のみならず、孔明け加工等の種々の加工に広く適用可能である。
1 被加工物
11 電極
11c 電解液供給孔
12 動力伝達機構(駆動機構)
13 駆動装置(駆動機構)
15 制御装置(制御手段)
17 電源
18 電圧電流計(検出手段)
19 電解液供給装置(電解液供給手段)

Claims (12)

  1. 電極(11)の電解液供給孔(11c)から被加工物(1)に電解液を供給し、前記電極(11)を前記被加工物(1)に対して接近・離反するように往復動させ、前記電極(11)と被加工物(1)との間に電圧を印可する電解加工方法であって、
    前記電極(11)が前記被加工物(1)に対して最接近しているときには電圧の印加が停止されているようにし、
    前記電極(11)が前記被加工物(1)に対して離反する方向に動いているときに電圧の印可を開始することを特徴とする電解加工方法。
  2. 前記電極(11)と被加工物(1)との間に印可される電圧のパターンを加工の進展に伴って変化させることを特徴とする請求項1に記載の電解加工方法。
  3. 前記電極(11)と被加工物(1)との間に印可される電圧、および前記電極(11)と被加工物(1)との間に流れる電流のうち少なくとも一方を検出手段(18)によって検出し、
    前記検出手段(18)の検出結果に基づいて、前記電極(11)と被加工物(1)との間に印可される電圧のパターンを変化させることを特徴とする請求項2に記載の電解加工方法。
  4. 前記電極(11)と被加工物(1)との間にパルス電圧を印可し、
    前記電極(11)と被加工物(1)との間に印可されるパルス電圧を、加工の進展に伴ってパルス幅が短くかつパルス数の多い第1パルス電圧から、パルス幅が長くかつパルス数の少ない第2パルス電圧へと変化させることを特徴とする請求項2または3に記載の電解加工方法。
  5. 前記電極(11)と被加工物(1)との間に前記第2パルス電圧が印可されている場合、前記電極(11)と被加工物(1)との間に前記第1パルス電圧が印可されている場合と比較して、前記電極(11)の往復動の周波数を低くすることを特徴とする請求項4に記載の電解加工方法。
  6. 前記電極(11)の往復動の周波数に比例して前記電解液の供給圧力を低くすることを特徴とする請求項5に記載の電解加工方法。
  7. 電解液供給孔(11c)が形成された電極(11)と、
    前記電解液供給孔(11c)に電解液を供給する電解液供給手段(19)と、
    前記電極(11)と被加工物(1)との間に電圧を印可する電源(17)と、
    前記電極(11)を前記被加工物(1)に対して接近・離反するように往復動させる駆動機構(12、13)と、
    前記電極(11)が前記被加工物(1)に対して最接近しているときに電圧の印加が停止されており、前記電極(11)が前記被加工物(1)に対して離反する方向に動いているときに電圧の印可が開始されるように前記電源(17)を制御する制御手段(15)とを備えることを特徴とする電解加工装置。
  8. 前記制御手段(15)は、前記電極(11)と被加工物(1)との間に印可される電圧のパターンが加工の進展に伴って変化するように前記電源(17)を制御することを特徴とする請求項7に記載の電解加工装置。
  9. 前記電極(11)と被加工物(1)との間に印可される電圧、および前記電極(11)と被加工物(1)との間に流れる電流のうち少なくとも一方を検出する検出手段(18)を備え、
    前記制御手段(15)は、前記検出手段(18)の検出結果に基づいて、前記電極(11)と被加工物(1)との間に印可される電圧のパターンを変化させることを特徴とする請求項8に記載の電解加工装置。
  10. 前記電源(17)は、パルス電圧を前記電極(11)と被加工物(1)との間に印可するものであり、
    前記制御手段(15)は、前記電極(11)と被加工物(1)との間に印可されるパルス電圧が、加工の進展に伴ってパルス幅が短くかつパルス数の多い第1パルス電圧から、パルス幅が長くかつパルス数の少ない第2パルス電圧へと変化するように、前記電源(17)を制御することを特徴とする請求項8または9に記載の電解加工装置。
  11. 前記制御手段(15)は、前記電極(11)と被加工物(1)との間に前記第2パルス電圧が印可されている場合、前記電極(11)と被加工物(1)との間に前記第1パルス電圧が印可されている場合と比較して前記電極(11)の往復動の周波数が低くなるように前記駆動機構(12、13)を制御することを特徴とする請求項10に記載の電解加工装置。
  12. 前記制御手段(15)は、前記電極(11)の往復動の周波数に比例して前記電解液の供給圧力が低くなるように前記電解液供給手段(19)を制御することを特徴とする請求項11に記載の電解加工装置。
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