JP5491082B2 - 自然免疫機能活性化組成物の製造方法及び自然免疫機能活性化組成物 - Google Patents

自然免疫機能活性化組成物の製造方法及び自然免疫機能活性化組成物 Download PDF

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Description

本発明は、植物体由来の自然免疫機能活性化組成物の製造方法とその製造方法を用いて得られた自然免疫機能活性化組成物に関する。
高齢化やストレスに伴って顕著に低下してしまうと言われる自然免疫機能を活性化することで、人々の病気に対する抵抗力を向上させ、生活の質を高めようという試みが行われ、多くの提案がなされている。
そのような提案の中でも、日々の食を通じて自然免疫機能を活性化させることは無理なく実施可能であるために、既に多くの方法が提案されている。この食を通じての自然免疫機能の活性化には、様々な食材からの抽出物が用いられているが、有力なものとして以下を挙げることができる。一つは抗がん剤としても用いられているキノコ類等の多糖類を含有する植物体からの抽出物、一つはヨーグルト等の発酵食品からの抽出物、一つは野菜や果実等の植物体からの抽出物、そしてそれらの抽出物を組み合わせた抽出物である。
食を通じて自然免疫機能を活性化する方法は、その対象物、抽出方法等に関し多くの提案や検討がなされている。そして得られた抽出物やその抽出物から単離された成分と同じ組成を持つ化学合成品等を摂取した場合に、自然免疫機能を活性化する作用を発揮するか否かに関する評価用の試験も行われている。
しかしながら、その評価結果はこれまでのところ総じて良い結果が得られていない。例えば、有色野菜等の食品から摂取でき、in vitro評価系である培養細胞等を用いた評価によって自然免疫機能を活性化する作用を有するとされて注目されたβ−カロテン(β-carotene)は、その単体物質としての抗癌作用等に対する大規模な疫学的検討が行われた結果、その作用に否定的な報告がされ(非特許文献2)、従来の評価方法では対象物の示す自然免疫機能を活性化する作用を正確に評価できていないことが明らかになった。
また、実際に食品等の形態で摂取する場合に、その作用を効果的に発揮させるための態様が明らかとなっていない等の新たな問題点も指摘されるようになってきた。このように、自然免疫機能を活性化する作用を正確に評価し、その作用を効果的に発揮させるための食品の態様がどのようなものかの決定が強く望まれている。
一方、野菜等の植物体から各種の成分を抽出する方法として、水を抽出用溶媒として用いる方法が多く行われている。また、抽出方法自体にも検討が加えられており、例えば、マイクロ波を植物体等に照射して加熱することで、目的の抽出物を効率よく得る方法も提案されている(特許文献2)。また、そのような抽出に適したマイクロ波照射装置も提案されている(特許文献3)。
また、野菜等の植物体からの抽出物の具体的な例として、ブロッコリーの水溶性画分、水不溶性画分、一価アルコール抽出画分の何れか1種を含む体内環境改善食品が提案されている(特許文献1)。この場合、上記画分のビフィズス菌増殖促進作用により、腸内環境が改善されるとしている。また、ブロッコリー等のアブラナ科植物に含まれるインドール類やイソチオシアネート類が、DNAの変異に対する防御力を高める効果があるとする報告もある(非特許文献1)。
また、水等の液状媒体を用いずに、植物体を直接加熱し、植物体自身が有する水分を蒸発させて、その水蒸気によって植物体の細胞壁を破壊して、細胞壁に含まれる抗酸化成分を抽出/収集する方法が報告されている(特許文献4)。
更に、植物体等の被抽出物を前処理用ガスの雰囲気下で加圧処理した後に、抽出操作を行うことを特徴とする、抽出物の製造方法も報告されている(特許文献5)。
しかしながら、植物体からの抽出物で、明確に自然免疫機能を活性化する作用を有するとされたものは知られておらず、従って、自然免疫機能を活性化する作用を増強するような、植物体からの成分抽出方法も知られてはいなかった。
特開2001−089497号公報 特開2004−089786号公報 特開2008−073605号公報 特開2006−340623号公報 特開2007−229590号公報
Bonnesen C., Eggleston IM., Hayes JD., Cancer ResAug 15;61(16)6120-30(2001) Bjelakovic G., et al.,Lancet 364:1219-28(2004)
生体内における自然免疫機能の活性化は単一物質によって起こっているのではなく、さまざまな成分が相互に影響しあってその作用を発揮していると考えられる。しかしながら、従来、植物体等から機能活性化成分を抽出する方法についての検討は、目的の機能活性化成分をいかに効率よく抽出するかに重点が置かれており、機能活性化成分以外の成分を取り除くという観点からの検討はほとんど行われていなかった。
例えば、上記特許文献2の抽出方法は、マイクロ波を用いる等、抽出方法自体に工夫を凝らしたものであるが、それはあくまでもコストを含めた抽出効率の改善を目的とするものであり、自然免疫機能活性化成分以外の成分を取り除いて、その結果として自然免疫機能を活性化する作用が増強された抽出物を得ようとするものではなかった。
また、上記特許文献4の抽出方法は、目的成分の抽出に際し、水等の液状媒体を用いないことに特徴があり、機能活性化成分以外の成分を取り除くために、水等の液状媒体を用いないとしたものではない。
また、上記特許文献5の抽出方法は、目的成分の抽出操作を行う前に、植物体等の被抽出物を前処理用ガスの雰囲気下で加圧処理することに特徴があり、前処理としての加圧処理後に目的成分以外の成分を取り除くための操作は行っていない。つまり前処理時に植物体等から溶出してくる成分を除去操作により取り除くことで、目的物質の活性が顕著に向上するという結果は示されておらず、それを示唆する記載も認められない。
これは、抽出物中に、「自然免疫機能を活性化する作用を抑制する成分」等の「自然免疫機能活性化成分以外の成分」があったとしても、従来の評価系ではその影響を評価することができなかったことが原因であると考えられる。
従って、本発明の課題は、自然免疫機能を活性化する作用が増強された自然免疫機能活性化組成物の製造方法を提供することにある。それには、植物体から抽出されるさまざまな成分を含んでいる抽出物について、生体内での自然免疫機能の活性化作用やその抑制作用等の複合的な作用を簡便に正確に評価することができる評価系が必要となるが、実際にそれが可能な評価系を用いて、種々の方法で得られる「植物体からの抽出物の自然免疫機能活性化作用や抑制作用」を簡便に評価することによって、自然免疫機能を活性化する作用が増強された自然免疫機能活性化組成物の製造方法を提供することが本発明の課題である。
本発明者は、上記課題を解決するために、植物体から得られる抽出物等の生体内における自然免疫機能活性化作用を簡便に正確に評価するための評価系の検討を行った。そして、特開2006−028097号公報で報告したカイコ等の完全変態型昆虫の幼虫に試料を投与した場合に、試料中に神経伝達物質が存在すると急激な筋収縮が起こるという現象に着目し、その応用検討を行った結果、自然免疫機能活性化作用を有する物質を完全変態型昆虫の幼虫に投与した場合には、その完了に10分程度を要するゆっくりとした筋収縮(以下、「緩行性筋収縮」と略記する)が起こることを見出した。そしてこの緩行性筋収縮は自然免疫機能活性化作用を評価する際に擬陽性の原因となっているリポポリサッカライド(LPS)を投与した場合には起こらず、手法も簡便なため、自然免疫機能活性化作用を評価するための実用的な指標として用いることができることを確認した。
そして、植物体からの抽出条件として、この緩行性筋収縮を指標として各種抽出条件を検討した結果、植物体をマイクロ波照射により加熱した後に水洗等の操作を加え、次いでその植物体に対して抽出操作を行った場合に、自然免疫機能の活性化作用が著しく増大することを見出した。
その後、「植物体に対して自然免疫機能活性化組成物の抽出操作」前の操作を、自然免疫機能の活性化作用を増大させるための「前処理工程」と捉え、上記緩行性筋収縮を指標とする評価方法によって、自然免疫機能の活性化作用を増大させる前処理工程の態様について検討を行った。すなわち、マイクロ波照射による加熱以外の他の加熱方法による加熱条件や、その後の水洗操作等の自然免疫機能の活性化作用への影響について、更に詳細に検討を加えた。
その結果、自然免疫機能の活性化作用を増大させることが再現性よく確認された前処理工程の態様が明らかとなった。その態様は、通常の方法において抽出効率を向上させるために行われる、植物体を粉砕、細断、すりおろし等の処理を行わず、むしろ植物体をできるだけその形状を維持した状態で加熱処理した後に、自然免疫機能活性化成分以外の成分を取り除く操作を行う態様であった。すなわち、該加熱処理により、「自然免疫機能活性化成分以外の成分」を植物体の表面に出させたり、植物体を該植物体から該成分を取り除き易く変化させたり、又は、「加熱により自然免疫機能活性化成分以外の成分に変化する物質」を「自然免疫機能活性化成分以外の成分」に変化させて取り除き易くさせたりできること等を見出した。
植物体を粉砕、細断又はすりおろし処理する必要がないことは、その処理自体の手間が省けるだけでなく、加熱処理後の水洗処理等の「植物体から自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作」を簡易化できるメリットもある。
また、上記加熱処理についても、通常の方法において加熱効率や抽出効率を向上させるために用いられる、水やアルコール等の液状媒体を用いない加熱処理が、むしろ良好な結果を与えることが確認された。液状媒体を用いない加熱処理とは、具体的には、マイクロ波照射による加熱やオートクレーブによる加熱、赤外線ヒーターやガスヒーター等のヒーターによる加熱時に、植物体を水やアルコール混液等の液状媒体に浸漬することなく、そのままの状態で、あるいは必要に応じてラップやホイル等に包んだ状態で加熱処理する方法である。
更に、上記2つの条件(粉砕、細断又はすりおろし処理することなく、かつ、液状媒体を用いることなし)で加熱処理することにより、植物体から自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作が効率的又は簡易的にできることを見出した。
以上の「前処理工程」の条件は、完全変態型昆虫の幼虫に各検討条件で得られた試料を投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさで自然免疫機能活性化作用の大きさを評価することによって初めて設定することが可能となったものである。
すなわち、本発明は、植物体由来の自然免疫機能活性化組成物の製造方法であって、該組成物の抽出工程前に、前処理工程として、植物体を粉砕、細断又はすりおろし処理することなく、かつ、液状媒体を用いることなく、植物体に対して加熱処理を行い、次いで、その植物体から自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作を行い、その後に、該植物体に対して自然免疫機能活性化組成物の抽出操作を行うことを特徴とする、自然免疫機能活性化組成物の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、上記加熱処理の条件、上記自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作の条件、及び/又は、上記自然免疫機能活性化組成物を抽出する条件を、完全変態型昆虫の幼虫に試料を投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさで自然免疫機能活性化作用の大きさを評価して設定することを特徴とする、上記の「自然免疫機能活性化組成物の製造方法」を提供するものである。
また、本発明は、少なくとも、以下の工程(1)ないし(3)を含む、上記の自然免疫機能活性化組成物の製造方法を提供するものである。
(1)植物体を加熱処理する工程
(2)完全変態型昆虫の幼虫に投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさを、自然免疫機能活性を評価するための指標として用いて、植物体から自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する条件を設定し、自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する工程
(3)完全変態型昆虫の幼虫に投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさを、自然免疫機能活性を評価するための指標として用いて、自然免疫機能活性化組成物を抽出する条件を設定し、自然免疫機能活性化組成物を得る工程
また、本発明は、上記の自然免疫機能活性化組成物の製造方法を使用して得られたものであることを特徴とする「植物体由来の自然免疫機能活性化組成物」を提供するものである。
本発明によれば、生体に有益な成分や逆に悪影響を与える成分、又は単なる増量成分等、さまざまな成分を含有している植物体から、自然免疫機能活性化成分以外の成分を選択的に除去した後に、自然免疫機能活性化作用を有する成分を抽出することが可能となるので、生体内での自然免疫機能活性化作用が著しく増強されたこれまでにない高活性の自然免疫機能活性化組成物が製造できる。
加熱処理の方法を変化させた時の自然免疫機能活性化作用の大きさを示す図である。 「□」及び「△」:それぞれ別の北海道産のブロッコリー 「○」:群馬県産のブロッコリー 「−」:3点の平均
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の具体的形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲内で任意に変形することができる。
本発明の「自然免疫機能活性化組成物の製造方法」は、植物体に対して自然免疫機能活性化組成物の抽出操作を行う前に、まず前処理工程として、
植物体を粉砕、細断又はすりおろし処理することなく、かつ、液状媒体を用いることなく、植物体に対して加熱処理を行い、次いで、
その植物体から自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作を行うことを特徴としている。
<前処理工程>
[植物体の加熱処理]
加熱処理は、植物体を粉砕、細断又はすりおろし処理することなく、かつ、液状媒体を用いることなく行うことが必須である。本発明における加熱処理は、単に抽出効率を上げるために行っているものではなく、植物体の内部から植物体の外部に、自然免疫機能を活性化する成分をできるだけ漏出させないようにして、「自然免疫機能活性化成分以外の成分」を溶出させ易くして、それらを除去し易くすることを目的として行うものである。前記したように、該加熱処理によって、「自然免疫機能活性化成分以外の成分」を植物体の表面に移動させる、植物体から該成分が取り除かれ易いように該植物体の表面構造等を変化させる、又は「加熱により自然免疫機能活性化成分以外の成分に変化する物質」を「自然免疫機能活性化成分以外の成分」に変化させて植物体から取り除き易くさせる、等が行われる。また、「自然免疫機能活性化成分以外の成分」が、細胞内の(加熱された)水に溶解して、表面に移行する可能性もある。
ここで、「自然免疫機能活性化成分以外の成分」には以下が含まれる。
(a)自然免疫機能の活性化作用を抑制又は低減する成分
(b)自然免疫機能活性化組成物の該効果を阻害する成分
(c)自然免疫機能の活性化作用を有さない成分
加熱処理を行わず、自然免疫機能活性化組成物の抽出操作を行う段階で熱水抽出等を行い、そのときの加熱で初めて自然免疫機能活性化成分以外の成分に変化させてしまうと、自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去し損なってしまうので、予め加熱処理を行うことで自然免疫機能活性化成分以外の成分に変化させて、水等に溶出させ易くして、自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作で取り除いてしまうことが可能である。このような成分としては明確ではなくまた特に限定はないが、例えば、植物体における加熱したときに出てくる苦味成分等が挙げられる。
加熱処理を行うことで、植物体から成分を溶出させ易くできる。中でも自然免疫機能活性化成分以外の成分を極めて溶出させ易くできる。加熱処理によって、自然免疫機能活性化成分以外の成分が極めて容易に溶出されるようになるので、植物体を粉砕、細断又はすりおろしする必要がなくなり簡易化が可能になる。例えば、ブロッコリー、ニンジン等の野菜等を、粉砕等をせずにそのまま加熱処理を行い、更に粉砕等をせずにそのまま水洗等の「自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作」を行えば、植物体を塊のまま(植物体自体の形のまま)処理できるので、取り扱いが容易となり、濾過の必要性、有効成分の散逸のおそれがなくなる等、工程の簡易化が可能になる。
(i)上記した加熱処理の効果も、(ii)粉砕等をせずにそのまま「自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作」を行っても自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去できることも、完全変態型昆虫の幼虫に投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさを自然免疫機能活性評価の指標として用いた多くの実験で確かめられている。例えば、加熱処理の後、植物体を塊のまま(植物体自体の形のまま)水洗を行った後の水洗水には、「自然免疫機能活性を抑制又は低減する物質」等の「自然免疫機能活性化成分以外の成分」が多く含まれていることは、完全変態型昆虫の緩行性筋収縮活性の大きさを指標として確かめている。完全変態型昆虫の幼虫は倫理的問題が少ないので、多くの実験が可能となり初めてこのような検討が可能になった。
加熱処理は、植物体を粉砕、細断又はすりおろし処理することなく行うことが必須である。かかる処理をしなくても、「自然免疫機能活性化成分以外の成分」を除去できることが、後述する「完全変態型昆虫の幼虫に試料を投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさで自然免疫機能活性化作用の大きさを評価する方法」で確かめられた。また、かかる処理を、「自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作」の後に行えば、「自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作」は植物体の形状のままできるので、その操作の簡易化が可能となる。
加熱処理は、液状媒体を用いることなく行うことが必須である。「液状媒体を用いる加熱処理」とは、植物体を液体媒体に浸漬する、液体媒体の蒸気中に置く、等の操作をすることなく加熱処理を行うことをいう。液状媒体を用いないことにより、植物体中の成分を実質的に散逸、消失等させないように加熱処理することができる。従って、本発明の加熱処理は、植物体中の成分を実質的に散逸、消失等させないような加熱処理であることが好ましい。ここで、上記「成分」は、「自然免疫機能活性化成分以外の成分」と「自然免疫機能活性化組成物に含まれる成分」の両方を意味する。
液状媒体を用いずに加熱処理することによって、本来、自然免疫機能活性化成分の抽出操作の段階で抽出すべき自然免疫機能活性化成分の、散逸・消失を防止することができる。なお、自然免疫機能活性化成分以外の成分は、上記加熱処理の段階で散逸・消失しても、そもそもこれは不要の成分であるため問題はない。しかしながら、自然免疫機能活性化成分以外の成分は水等の液体媒体に溶解し易い場合が多いため、加熱処理で水等の液体媒体を共存させると、加熱処理は100℃以上で行うことが好ましいので、必然的に自然免疫機能活性化成分も加熱処理段階で散逸・消失してしまうことになる。従って、水等の液体媒体中での加熱処理では、加熱処理を例えば80℃以上(好ましくは100℃以上)で行うことを前提にすれば、自然免疫機能活性化成分の散逸・消失なしに、自然免疫機能活性化成分以外の成分を選択的に溶出させることは難しい。従って、いっそのこと、何れの成分をも実質的に散逸・消失させないように、液状媒体を用いずに加熱処理することが、選択的な抽出の実現、加熱条件の簡略化、加熱処理装置の入手容易性等のためによい。
このような検討も、抽出液を完全変態型昆虫の幼虫に投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさを、自然免疫機能活性を評価するための指標として用いて行われる。完全変態型昆虫の幼虫は倫理的問題が少ないので多くの実験が可能であるため、初めてこのような検討も可能になった。
加熱処理は、上記要件を満たせば具体的には特に限定はなく、オートクレーブ内加熱、マイクロ波照射、電気炉内加熱、ガス炉内加熱等のヒーターによる加熱、赤外線照射等が好ましいものとして挙げられる。加熱処理に用いられる装置も特に限定はないが、例えば、オートクレーブ、電子レンジ、電気炉、ガス炉、バーナー等のヒーター、赤外線照射装置等が挙げられる。中でも、上記加熱処理が、ヒーターによる加熱、オートクレーブによる加熱、マイクロ波照射による加熱、の中から選ばれる少なくともひとつの加熱処理であることが、加熱条件を制御し易いので本発明に好ましく用いることができる。
加熱処理の温度は、上記効果を奏せば特に限定はないが、植物体の温度として、70〜160℃が好ましく、85〜140℃がより好ましく、100〜120℃が特に好ましい。温度が低過ぎる場合は、上記した効果を奏さない場合、特に、自然免疫機能活性化成分以外の成分が植物体から溶出させられるような状態にできない場合があり、また、「自然免疫機能活性化成分以外の成分」の前駆体を「自然免疫機能活性化成分以外の成分」に変えて比較的低温の水で溶出させ易くできない場合がある。一方、温度が高過ぎる場合は、自然免疫機能活性化成分が分解したり、加熱コストが無駄になったりする場合がある。
加熱処理の時間も上記効果を奏する範囲であれば特に限定はなく、加熱装置、加熱原理、植物体の形状等によって適宜調節すればよいが、マイクロ波照射以外の加熱処理では、10秒〜30分が好ましく、20秒〜10分がより好ましく、30秒〜3分が特に好ましい。マイクロ波照射による加熱処理では、10秒〜10分が好ましく、20秒〜5分がより好ましく、30秒〜3分が特に好ましい。
上記した加熱処理の条件は、その後の抽出液を完全変態型昆虫の幼虫に投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさを、自然免疫機能活性を評価するための指標として用いることによって決定された。完全変態型昆虫の幼虫は倫理的問題が少なく多くの実験が可能であるため、初めてこのような条件検討が可能になった。
加熱処理に際しては、植物体をそれぞれの加熱装置に適合される大きさに適宜カットして加熱すればよい。この際の植物体のカットは必要最小限のものでよく、植物体をできるだけ塊のまま(植物体自体の形のまま)加熱処理することが好ましい。前処理における植物体のカットは抽出効率を上げるために行うのではなく、あくまでも加熱装置へセットするための便宜上行われるものであり、後述する水洗等による自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作時にも、植物体が塊のまま(植物体自体の形のまま)となっていた方が操作し易い。
本発明は以下の原理の範囲に限定されるものではないが、加熱処理が効果的である原理については以下のように考えている。上記加熱処理によって、自然免疫機能を活性化しない水溶性の成分が植物体から溶出していることが確認されている。例えば、ブロッコリーの場合には、硝酸塩等の水溶性成分が植物体表面上に確認されている。本発明の「加熱処理」では、最終的に収集すべき自然免疫機能活性化組成物が植物体から実質的に溶出されず、自然免疫機能活性化成分以外の成分が、その後の洗浄操作等によって除かれ易い形で(恐らく水溶性成分として)溶出しているのではないかと推定している。
植物体を粉砕、細断又はすりおろし処理する必要がないこと、また液状媒体を用いないで加熱処理を行うこと、更に上記2つの条件により植物体から自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作が簡易化していること、等により本発明の「前処理工程」は実施上の制約が少ない実用性の高い方法となっている。
以下、マイクロ波照射による加熱処理の場合を例に挙げて、種々の条件設定の手順をより詳しく説明するが、本発明における加熱処理の方法や装置は、これに限定されるものではない。
マイクロ波照射に用いるマイクロ波発生装置は特に限定はないが、出力が100W〜2000Wのものが好ましく、100W〜500Wのものが特に好ましい。照射周波数は900MHz〜3000MHzのものが好ましく、2450MHzのものが特に好ましい。例えば、家庭用や業務用の電子レンジを、本発明用のマイクロ波発生装置として使用することができる。
照射出力、照射周波数、照射時間、照射距離等のマイクロ波照射条件は、対象とする植物体の種類、植物体に対する細断等の前処理の有無、前処理の種類や程度、製造スケール等の諸条件に応じて変化する。従って、かかる照射条件は、後述する完全変態型昆虫の幼虫を用いた、各段階の処理物の評価結果を参考にして決定することが好ましい。
「マイクロ波照射による加熱条件」は、上記照射条件によって決まる。かかる「マイクロ波照射による加熱条件」は、後述する完全変態型昆虫の幼虫を用いた際の緩行性筋収縮活性の大きさを指標として設定することが、操作が簡便であり、自然免疫機能活性化作用の大きさの評価が正確であるために好ましい。
具体的には、一定質量の植物体を用意し、照射出力を固定して、照射時間を一定の間隔で変動させて各処理物を評価する、又は、照射時間を固定して照射出力を変動させて各段階の処理物を評価する等の方法で照射条件を設定する。
本発明法における「マイクロ波照射による加熱」は、全ての成分の抽出効率を単純に向上させるために行うものではないので、適切な「マイクロ波照射による加熱条件」は、後述する完全変態型昆虫の幼虫を用いた評価系で決定することが好ましい。従って、照射エネルギー、照射電力、照射時間は特に限定されるものではないが、植物体10gを用いた場合、装置の設定電力と照射時間から求めた照射エネルギーは、1kJ〜100kJが好ましく、4kJ〜40kJがより好ましく、8kJ〜20kJが特に好ましい。照射電力は装置の設定電力として、100W〜2000Wが好ましく、100W〜500Wが特に好ましい。また、照射時間は5〜200秒が好ましく、10〜100秒がより好ましく、20〜40秒が特に好ましい。植物体が10gより多い場合、比例的に大きくなるとは限らないが、植物体の質量にほぼ応じて増加させることが好ましい。
照射条件が弱過ぎると、植物体から自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去し難くなったり、自然免疫機能活性化組成物を抽出し難くなったりして、自然免疫機能活性化作用が増強された組成物が得られない場合がある。一方、照射条件が強過ぎても、植物体から自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去し難くなったり、自然免疫機能活性化組成物を抽出し難くなったりして、自然免疫機能活性化作用が増強された組成物が得られない場合がある。
マイクロ波照射に際し、植物体はマイクロ波照射による加熱に適した大きさに切断した後にマイクロ波照射に供することが好ましい。
また照射に際し、受け皿に乗せた状態でそのまま照射してもよいし、専用容器に入れて蓋をした後に照射してもよいし、ラップ等で覆った後に照射してもよい。かかる条件は、自然免疫機能を活性化する成分を分解させたり漏洩させたりしない条件に設定し、最終的な評価結果が良くなるように設定する。そのため、ラップで覆った後に照射することが特に好ましい。
[加熱処理後の自然免疫機能活性化成分以外の成分の除去操作]
本発明においては、加熱処理後に自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作を行うことが必須である。
「自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作」としては、洗浄、抽出等が挙げられる。洗浄溶媒又は抽出溶媒としては特に限定はないが、水が好ましい。「自然免疫機能活性化成分以外の成分」には水に溶解し易いものが多いためである。「自然免疫機能活性化成分以外の成分」は通常は不要であるため、除去された成分を廃棄する操作である「洗浄」が好ましい。「洗浄」の中でも、洗浄溶媒として水を用いる「水洗」が特に好ましい。
洗浄溶媒又は抽出溶媒の温度は特に限定はないが、0℃〜60℃が好ましく、5℃〜40℃がより好ましく、10℃〜35℃が特に好ましく、15℃〜30℃が更に好ましい。温度が低過ぎると、自然免疫機能活性化成分以外の成分を抽出する効率が落ちたり、無駄に低温にするためにコストがかかったりする場合がある。一方、温度が高過ぎると、自然免疫機能活性化成分をも溶出させてしまう場合がある。
特に好ましい態様である「水洗」は、流水にさらす、水に漬ける等の方法で行えばよい。水量は植物体の種類、スケール、自然免疫機能活性化成分以外の成分の種類等によって変化するが、植物体10gを用いた場合、500mL〜4Lが好ましく、1L〜2Lが特に好ましい。植物体が10gより多い場合、比例的に大きくなるとは限らないが、植物体の質量にほぼ応じて増加させることが好ましい。水には、水溶性溶媒、界面活性剤、水溶性塩等を本発明の効果を損なわない範囲で含有させることも好ましい。水溶性溶媒としては特に限定はないが、エタノール、ブチレングリコール等が挙げられる。
「自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作」は1段階の操作には限定されない。すなわち、例えば、水以外の溶媒を用いて「自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作」を行い、その後に水洗を行ってもよい。また、温度を2段階以上に変化させて、2段階以上の操作で除去してもよい。
かかる「自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作の条件」は、後述する完全変態型昆虫の幼虫を用いた際の緩行性筋収縮活性の大きさを指標として設定することが好ましい。
本発明における「自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作の条件」には、以下の(a)、(b)及び/又は(c)が含まれる。
(a)自然免疫機能の活性化作用を抑制又は低減する成分を除去する操作条件
(b)自然免疫機能の活性化作用を有する物質の効果を阻害する成分を除去する操作条件
(c)自然免疫機能の活性化作用を有さない成分を除去する操作条件
(a)で除去される成分は、自然免疫機能の活性化作用を有する物質とは独立に自然免疫機能活性を抑制する成分であり、(b)で除去される成分は、自然免疫機能活性化作用を有する成分に作用してその効果を阻害し結果として総合的に自然免疫機能活性を抑制する成分であり、(c)で除去される成分は、自然免疫機能活性に関しては何れの効果も示さずに単に増量させている成分である。
このうち、(a)及び/又は(b)、すなわち「自然免疫機能活性化を阻害する成分を除去する操作条件」であることが、単に自然免疫機能活性化組成物の純度を上げて組成物の単位質量中の「自然免疫機能活性化作用を有する物質」の含有割合を上げる(高濃度にする)に止まらず、積極的に自然免疫機能活性化作用を著しく増強させる点、「自然免疫機能活性化を阻害する成分」には、前記水洗で除去し易い成分が多い点等から特に好ましい。なお、「成分」には複数物質、単一物質の両方が概念として含まれる。
更に、本発明における「自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去させる操作の条件」は、(d)自然免疫機能活性化成分を実質的に除去しない操作条件、であることが、その一部であっても自然免疫機能活性化成分を廃棄してしまわない等のために好ましい。
「自然免疫機能活性化成分以外の成分」としては特に限定はないが、硝酸塩、硫酸塩、カルボン酸塩等の塩類;ブドウ糖、ショ糖等の糖類等が挙げられる。なお、水は「自然免疫機能活性化成分以外の成分」には含まれない。
<自然免疫機能活性化組成物の抽出操作>
本発明では、植物体をマイクロ波照射等の液状媒体を用いない加熱方法により加熱し、次いでその植物体から自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作を行った後に、自然免疫機能活性化組成物を抽出する。
自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作を行った後、自然免疫機能活性化組成物を抽出する前に、抽出効率を向上させる等のために、ブレンダー、ホモジナイザー等を用いて均質化処理を行ってもよい。均質化処理は、必要に応じて抽出溶媒を加えてから行ってもよい。
自然免疫機能活性化組成物の抽出に用いる抽出溶媒は特に限定はないが、水、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルペンタン、ノルマルヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル等のエーテル類;プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコール系分散媒類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、2−エチル−1−ヘキサノール等の1価アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール等の2価のアルコール類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノイソプロパノール、3−ジエチルアミノ−1−プロパノール、2−ジメチルアミノ−2−プロパノール、2−メチルアミノエタノール、4−ジメチルアミノ−1−ブタノール等のアミノ基含有アルコール類等を挙げることができる。
中でも、純水;エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン等の水溶性溶媒が好ましい。これらは単独でも、2種以上混合して使用してもよい。
自然免疫機能活性化組成物が植物体から抽出され易い等の点で、抽出溶媒が水であることが特に好ましい。また、水に水溶性有機溶媒を一定量含有させてもよい。更に、水には、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の水溶性塩類;界面活性剤等を溶解させてもよい。
水の温度は自然免疫機能活性化組成物が抽出される温度であれば特に限定されないが、60℃以上の温度で抽出した場合に自然免疫機能活性化作用が確認されており、121℃のオートクレーブによる抽出によっても自然免疫機能活性化作用が確認されているので、60℃〜125℃が好ましく、80℃〜121℃が特に好ましい。すなわち、「自然免疫機能活性化組成物の抽出」は熱水抽出であることが好ましい。
<各段階での自然免疫機能活性化作用の評価方法>
本発明の自然免疫機能活性化組成物の製造方法においては、上記した「加熱条件」、「自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作の条件」、及び/又は、「自然免疫機能活性化組成物を抽出する条件」を設定するに際して、完全変態型昆虫の幼虫に投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさで自然免疫機能活性化作用の大きさを評価して設定することが、自然免疫機能活性化作用の大きさの評価が正確であるために好ましい。また、操作が簡便であること、倫理的問題が少なく実験数を多くできること等からも好ましい。
完全変態型昆虫の幼虫に投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさで自然免疫機能活性化作用の大きさを評価することによって初めて本発明の製造方法が見出されたのであって、かかる評価方法でなければ本発明の製造方法は想到できない。本発明の製造方法に一部類似する方法が仮に知られていたとしても、かかる評価方法を用いなければ、本発明の製造方法と同一の製造方法を想到することは不可能である。
[完全変態型昆虫の幼虫]
完全変態型昆虫とは、卵、幼虫、蛹、成虫の成長過程を経る昆虫をいう。完全変態型昆虫としては、例えば、鱗翅目(チョウ、ガ等)、双翅目(ハエ等)、膜翅目(ハチ、アリ等)、甲虫目(カブトムシ等)等に属する昆虫が挙げられる。下記の(5)〜(7)の要件を満たすため、完全変態型昆虫の幼虫(以下、単に「幼虫」と略記する場合がある)が本発明には用いられる。本発明においては、これらの完全変態型昆虫の幼虫の緩行性筋収縮の大きさを測定するので、体長が長く、イモムシ形態のものが好ましい。その点、鱗翅目又は甲虫目に属する昆虫の幼虫が適しており、中でもカイコガの幼虫(以下、「カイコ」と略記する)は、下記の(1)〜(7)を満たすので、特に好適に用いることができる。
(1)入手が容易である。
(2)飼育する方法が既に確立されており、更に飼育に利便性がある。
(3)ヒト等の哺乳類の内臓・器官と類似する性質が、これまでの研究である程度分かっている。
(4)遺伝系統が確立されており、遺伝的均一性の維持ができている。
(5)比較的大型で、動きが緩慢であり、実質上無毛なので、定量的に扱い易い。
(6)狭いスペースで多数の個体を飼育でき、倫理的な問題も少ない。
(7)齢を揃える等、同じ状態の個体を揃えることが容易である。
それに対し、カマキリやバッタ等に代表される不完全変態型昆虫の幼虫は、緩行性筋収縮の大きさを測定するには不適であり、生育状態を揃えることが難しく、動きも活発で、完全変態型昆虫の幼虫と比べた場合、不利な点が多い。
本発明においては、上記幼虫の大きさや齢数は、幼虫の種類、幼虫の形態、操作上の観点等から選択されればよく特に限定はないが、例えばカイコの場合、3齢以上の幼虫を用いることが好ましい。4齢〜5齢の幼虫がより好ましく、5齢の幼虫が特に好ましい。
試験動物として用いる昆虫の幼虫の大きさは特に限定はないが、被検物質の投与、臓器の取り出し、血液の採取等の容易さの観点から、体長が1cm以上である幼虫が好ましく、1.5cm以上15cm以下がより好ましく、2cm以上10cm以下が特に好ましい。
本発明にカイコを用いる場合には、その品種は特に限定されない。これらは受精卵から育てて用いてもよいし、必要な齢の幼虫を入手して試験を実施してもよい。カイコガの受精卵やカイコの入手先としては、愛媛蚕種、上田蚕種等がある。緩行性筋収縮活性の大きさの測定を行う場合、筋肉への余分な信号の入力を排除するために幼虫は断頭筋肉標本として使用することが好ましい。
[緩行性筋収縮活性]
この緩行性筋収縮活性の大きさが自然免疫機能活性化の指標となる理由は、本発明者が以下のメカニズムの存在を見出したことによる。すなわち、完全変態型昆虫の幼虫に投与した際の緩行性筋収縮活性で自然免疫機能活性化作用が評価できる機序は以下の通りである。すなわち、自然免疫機能活性化物質(ペプチドグリカン、β−グルカン等が例示される)が、自然免疫系を持つ生物の体内に入ると免疫担当細胞の受容体に結合し、その結果として活性酸素種が産生され、それが完全変態型昆虫の幼虫の場合には麻痺ペプチドであるBmPPの活性化をもたらし、活性化されたBmPPが筋肉細胞に作用して筋肉の収縮を促すというメカニズムである。
筋収縮はこれ以外に神経伝達物質が作用した場合にも起こるが、その場合の筋収縮は試料を投与してから数秒以内に終了する速い反応であるのに対して、自然免疫系が活性化された場合の筋収縮は、収縮の完了に約10分程度を要する緩行性筋収縮なので、両者は明確に区別することができる。
また、この評価方法(指標)は、マクロファージ等の免疫担当細胞を用いた評価方法に比べて自然免疫機能活性化物質の体内動態を反映できるという利点がある。更に、培養細胞を用いて評価を行う場合に、「自然免疫機能活性化作用の可能性があるとされて擬陽性物質と評価されてしまい問題となるLPS」の影響を受けない(LPSは自然免疫機能活性化作用があると評価されない)という利点もある。
そのため、精製の進んでいないさまざまな成分を含んでいる組成物の体内における自然免疫機能活性化作用の評価を行うという本発明には特に適した指標となっている。従って、これを指標として評価した結果、前記のような製造方法が、優れた自然免疫機能活性化組成物の製造方法として見出された。すなわち、植物体を加熱し、次いでその植物体から自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作を行った後に、自然免疫機能活性化組成物を抽出すると、得られた植物体由来の組成物は、極めて顕著な自然免疫機能活性化を示す。
「自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作の条件」は、効率よく自然免疫機能活性化成分以外の成分が除去されていることを、完全変態型昆虫の幼虫に投与した際の緩行性筋収縮活性を測定することで設定することが好ましい。また、「自然免疫機能活性化組成物を抽出する条件」も、効率よく自然免疫機能活性化組成物を抽出していることを、完全変態型昆虫の幼虫に投与した際の緩行性筋収縮活性を測定することで設定することが好ましい。また、「マイクロ波照射、オートクレーブによる加熱等による加熱の条件」も、上記各段階の液を、完全変態型昆虫の幼虫に投与した際の緩行性筋収縮活性を測定することで設定することが好ましい。
各段階で得られた液(自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去した液、又は、自然免疫機能活性化組成物を抽出した液)は、そのまま完全変態型昆虫の幼虫に投与してもよく、遠心処理して上清を得て投与してもよい。また、得られた液をそのまま緩行性筋収縮活性の大きさを測定するための試料として用いてもよいが、凍結乾燥等で乾燥し、生理食塩水等に溶かしてから試料としてもよい。投与する試料の調製方法は、上記には限定されず、目的に応じて任意に選択して行えばよい。
定量的評価のために、生理食塩水等で段階希釈してから、カイコ等の完全変態型昆虫の幼虫の緩行性筋収縮活性の大きさの測定に供することが好ましい。緩行性筋収縮活性の大きさの測定は、例えば、カイコの断頭筋肉標本に対して、例えば試料0.05mLを血液内注射し、緩行性筋収縮の経時的変化を記録することにより行う。緩行性筋収縮活性の大きさは、注射前の体長から注射後の体長を引き算し、その値を注射前の体長で割り算した値を「C値」(Contraction Value)として評価することができる(K.Sekimizuら;J.Biochem.137,199−203(2005)参照)。C値はレコーダーにより記録し、緩行性筋収縮活性の大きさが最大となったときの値とした。また相互比較を容易とするために、C値が0.15の場合の(グラフ上でC値を0.15に内挿した)緩行性筋収縮活性を1ユニットと定義する。x[mg]で、C値が0.15になる物質の緩行性筋収縮活性は、0.15/x [units/mg]となる。
各評価を行う際には、測定間にブレがあるかどうかを確認するために、ネガティブコントロールとポジティブコントロールを測定することが好ましい。例えば、生理食塩液0.05mLをネガティブコントロール(C値0.05以下を許容)、空気0.2mLをポジティブコントロール(C値0.2〜0.4内に収まる場合を許容)として完全変態型昆虫の幼虫の筋肉標本に投与し、測定の信頼度の目安とすることが好ましい。
[評価方法の正確性・有効性]
完全変態型昆虫の幼虫に投与した際の緩行性筋収縮活性で自然免疫機能活性化作用が評価できる機序は前記した通りであるが、実際に評価できることは後述する実施例中の試験例1及び試験例2で確かめられている。すなわち、試験例1によると、自然免疫機能活性化作用が確認された植物体は、ブロッコリー、菜の花、パセリ、ニンジン、ピーマン、ミニトマト、カボチャ、ネギ(根)、ゴボウ、パクチー、キウリであった(表1参照、表1には一部未記載)。一方、ホウレンソウ、ニンニク、ダイコン、ショウガ、トウビョウ、キャベツは何れも、カイコの緩行性筋収縮活性を示さなかった(表1参照、表1には一部未記載)。自然免疫機能活性化作用が確認されたものの中では、特に、アブラナ科のブロッコリー(7.2ユニット/mg:5回の平均値)、菜の花(アブラナの花部分2.1ユニット/mg)の活性が明確に高く、その他ではセリ科のパセリとニンジンが、0.6〜1ユニット/mg程度と比較的高い自然免疫機能活性化作用を示した。そして、これらの結果については、試験例2の「野菜熱水抽出物の抗ウイルス効果の検討」で、両者に相関があることが確かめられている(表1の最右欄等参照)。
植物体の加熱処理によって自然免疫機能を活性化する作用が増大した組成物を得ることができる明確な理由は現時点で不明である。しかしながら、現象的には上記の加熱によって、植物体中の自然免疫機能活性化成分以外の成分が自然免疫機能活性化作用を有する成分より先に除去された結果として、その後の抽出操作により自然免疫機能活性化作用が増大した成分が得られると考えることができる。そして、水洗によって更にその効果が増すことから、除去した自然免疫機能活性化成分以外の成分の主体は、水溶性の成分であり、自然免疫機能活性化作用を示す成分よりも水に易溶な成分であることも確かであろうと考えられる。以上に加えて、加熱処理は、植物体から水分の漏出する経路を遮断しないで行うことが容易であることも、本発明の効果を奏するために影響しているものと考えられる。
加熱処理が、目的とする成分を単純に効率よく抽出することに用いられるだけでなく、「目的とする成分の作用を抑制してしまう成分」等の「自然免疫機能活性化成分以外の成分」を選択的に除去するためにも利用できるということは、本発明で初めて見出されたことである。従って、個々の抽出条件等がどのようなものであっても、マイクロ波を照射する等の加熱処理を行うことによって、「自然免疫機能活性化成分以外の成分」を選択的又は優先的に溶出等させて除去し、その後に、目的とする成分の抽出操作を行って自然免疫機能をより活性化する組成物が得られているのであれば、その製造方法と組成物は本発明の範囲内のものである。
前記したことを言いかえれば、本発明は、少なくとも、以下の工程(1)ないし(3)を含む、自然免疫機能活性化組成物の製造方法である。
(1)植物体を加熱処理する工程
(2)完全変態型昆虫の幼虫に投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさを、自然免疫機能活性を評価するための指標として用いて、植物体から自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する条件を設定し、自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する工程
(3)完全変態型昆虫の幼虫に投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさを、自然免疫機能活性を評価するための指標として用いて、自然免疫機能活性化組成物を抽出する条件を設定し、自然免疫機能活性化組成物を得る工程
<植物体>
本発明における植物体は特に限定はないが、野菜であることが自然免疫機能活性化を示すものが多い点で好ましい。野菜としては、前記したように、カイコに投与した際の緩行性筋収縮活性を測定することで確認された、ブロッコリー、菜の花、パセリ、ニンジン、ピーマン、ミニトマト、カボチャ、ネギ(根)、ゴボウ、パクチー、キウリ等が好ましい。アブラナ科2種とセリ科3種の植物体で活性の高いものを認めたことから、アブラナ科とセリ科の植物体が特に好ましい。アブラナ科の植物体としては、例えば、ケール、カリフラワー、芽キャベツ、ハクサイ、コマツナ、チンゲン菜、野沢菜、広島菜、ミズナ、ワサビ等があり、セリ科の植物体としては、例えば、セリ、アシタバ、セロリ、ミツバ、クミン、フェンネル等がある。これらは、本発明における植物体として特に好ましい。中でも、ブロッコリーがより好ましく、更にその中でも、ブロッコリーの花芽又は蕾の部分が、自然免疫機能活性がより高いために特に好ましい。
<組成物の形態と用途>
本発明の自然免疫機能活性化組成物は、抽出操作を行った液自身でも、凍結乾燥等で溶媒を留去した後の固形分だけでもよい。自然免疫機能活性化組成物を含む液は、要すれば他の材料と混合した後に、タブレット、粉末等にして、飲食品の原材料として用いることができる。また上清液を凍結乾燥や噴霧乾燥により乾燥処理した後に、通常行われる方法に従って粉末状やタブレット状に加工して用いることもできる。乾燥に際して、デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、マルトース、トレハロース等の賦形剤を添加した上で乾燥を行えばその後の粉末化、タブレット化等が容易となるため好ましい。
本発明の自然免疫機能活性化組成物には、更に薬理学的に許容しうる補助剤としての製剤用物質を混合することで、自然免疫機能活性化作用を持つ剤として用いることもできる。製剤用物質は製剤の剤型により適宜選択することができるが、例えば、賦形剤、希釈剤、添加剤、崩壊剤、結合剤、被覆剤、潤滑剤、滑走剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、乳化剤、可溶化剤等を挙げることができる。更に、製剤用物質を具体的に例示すると、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、ラクトース、マンニトール及びその他の糖類、タルク、牛乳蛋白、ゼラチン、澱粉、セルロース及びその誘導体、動物及び植物油、ポリエチレングリコール、及び溶剤、例えば滅菌水及び一価又は多価アルコール、例えばグリセロールを挙げることができる。
本発明の自然免疫機能活性化組成物を飲食品に混ぜて使用する場合には、通常の食品用原材料と同様に取り扱えばよく、飲料、ゼリー、アイスクリーム、ヨーグルト等の食品として知られているあらゆる種類の食品に使用することが可能である。また家畜やペット等の飼料用に用いることもできる。またその配合量は特に限定されるものではなく、食品の種類、摂取量、主な摂取対象者等を勘案して個別に決定すればよい。
本発明の自然免疫機能活性化組成物の摂取対象者は、健常者も種々の疾患に対する抵抗力を高めるという意味でもちろん摂取対象者であり、各種の疾患を有する者も自然免疫機能の低下に伴う疾患者に限定することなく、全身の自然免疫機能の活性化を目的としてほとんどの疾患を有する者に使用することができる。更に動物に対しても、飼料や動物用薬品等の種々の形態で適用することができる。
以下、実施例、比較例、試験例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例等に限定されるものではない。
<完全変態型昆虫の幼虫に投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさで自然免疫機能活性化作用の大きさを評価できることの立証>
試験例1
[各種植物体からの熱水抽出物の緩行性筋収縮活性の測定]
完全変態型昆虫の幼虫に投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさで自然免疫機能活性化作用の大きさを評価できることは前記した通りであるが、その更なる立証のためにできるだけ多くの野菜類について、カイコ断頭筋肉標本の緩行性筋収縮活性を測定した。また、本発明における好ましい植物体を選定するためにも以下の測定を行った。
[[試料調製方法1]]
各野菜10gに水20mLを加え、ポリトロン(登録商標)ホモジナイザーを用いてジュース状にホモジナイズしてから、121℃20分間オートクレーブ処理を行った。その後、処理液を8000rpm10分間遠心処理し、上清を熱水抽出液とした。これを凍結乾燥により乾燥し、生理食塩水でおよそ100mg/mLの濃度となるよう調整し、オートクレーブ処理して完全溶解してから、緩行性筋収縮の測定に供した。
[[試料調製方法2]]
各野菜を凍結乾燥し、乳鉢で粉砕した後、各サンプル1gに対して5mLの蒸留水を加え、8000rpm、5分の遠心処理を施した。沈殿に蒸留水3mLを加え、オートクレーブで121℃20分間処理した。これを室温にて8000rpm、10分の遠心処理により上清を得て、熱水抽出液とした。以下は、試料調製方法1と同様に操作を行った。
[[緩行性筋収縮活性の測定]]
緩行性筋収縮の測定は、Hamamoto H., Kamimura M., Sekimizu K., J.Biol.Chem.Jan.25;283(4):2185-91(2008)に記載の方法に従って行った。すなわち、5齢カイコの断頭筋肉標本に、上記試料0.05mLを血液内投与し、C値が最大となったとき(約10分後)に体長を測定して、注射前の体長から注射後の体長を引き算し、その値を注射前の体長で割り算した値であるC値(Contraction Value)を測定した。0.9%生理食塩液で1/1、1/4、1/16、1/64、1/256に系列段階希釈した液で、それぞれC値を測定し、C値が0.15のときの(横軸濃度、縦軸C値のグラフ上でC値を0.15に内挿したときの)緩行性筋収縮活性を1unitsと定義し、単位質量当たり何unitsを示すかを求めた。得られた結果を表1に示す。
また、生理食塩液0.05mLをネガティブコントロール(C値0.05以下を許容)、空気0.2mLをポジティブコントロール(C値が0.2〜0.4内に収まる場合を許容)として同時に測定に供した。
参考に、市販のアガリクス、ハナビラタケから熱水抽出処理を行った試料の緩行性筋収縮活性(自然免疫機能活性化作用)の測定も行った。
また、処理条件は異なるが、後述するブロッコリーの実施例2の結果(表3の結果)も表1中に併せて記載した。
表1において、「units/g原料」は、野菜そのもの1gが示す緩行性筋収縮活性を示し、「units/mg」は、凍結乾燥品1mgが示す緩行性筋収縮活性を示す。表1において、同じ材料(野菜、植物体)が複数行に亘って記載してあるのは、試料調製方法、試験日又は実験者が異なる測定結果である。なお、菜の花はアブラナの花部分である。
Figure 0005491082
表1より、ブロッコリー、菜の花、パセリ、ニンジン、ピーマン、ミニトマト、カボチャ、ネギ(根)に緩行性筋収縮活性を認め、自然免疫機能活性化作用があることが分かった。特にブロッコリーは明確に他の野菜より高い自然免疫機能活性化作用を示した。一方、ホウレンソウ、ニンニク、ダイコン、ショウガ、トウビョウには、緩行性筋収縮活性が認められず、自然免疫機能活性化作用がないことが分かった。
試験例2
[野菜熱水抽出物の抗ウイルス効果の検討(バキュロウイルスを投与したカイコに対する野菜熱水抽出物の効果の有無の検討)]
本発明者は、カイコが黄色ブドウ球菌感染モデル動物として用いることができることを既に報告している(例えば、特開2007−327964号公報)。バキュロウイルス投与カイコに、試験例1の試料調製方法2で調製したブロッコリー、ニンジン、ピーマン、ホウレンソウ、ニンニク、ショウガの各試料を、試験例1と同様に0.05mL投与して、カイコのウイルス感染による死を遅延させる効果があるかどうかを測定した。この際、生理食塩水を「抗ウイルス効果なし」の対照として投与し、市販のアガリクスからの抽出物を「抗ウイルス効果」ありの参考品として投与した。
結果を、表1の最右欄に記した。
表1の抗ウイルス効果は以下の通りである。
++:生理食塩水に比べ12時間以上の差が認められる
+:生理食塩水に比べ6〜12時間の差が認められる
−:生理食塩水に比べ6時間未満の差しか認められない
表1から、緩行性筋収縮モデルで得られた結果と、抗ウイルス効果等の実際的な自然免疫機能活性化作用の結果とは、極めて良い相関があった。これより、「加熱処理の条件」、「自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作の条件」及び/又は「自然免疫機能活性化組成物を抽出する条件」を、完全変態型昆虫の幼虫に投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさで、自然免疫機能活性化作用の大きさを評価して、かかる条件を最適に設定することが可能であることが分かった。また、自然免疫機能活性化作用の大きい自然免疫機能活性化組成物が得られる植物体のスクリーニングに、完全変態型昆虫の幼虫に投与する緩行性筋収縮モデルが使用できることが分かった。
実施例1
[マイクロ波照射により加熱したブロッコリーからの自然免疫機能活性作用が増大した自然免疫機能活性化組成物の調製]
ブロッコリー(愛知県産)を房ごとに、はさみで切り取り、9.7gをラップで2重に包み、マイクロ波照射による加熱を行った。すなわち、上記の材料を電子レンジ(日立製作所社製、MRO−N75)に入れ、目盛り「強」(500W)で、40秒間加熱した。すなわち、20000Jのエネルギーで加熱した。照射周波数は2450MHzであった。
加熱後、流水(水道水20℃)1Lにて、5秒間洗浄し、水分を拭き取った。
次いで、花芽又は蕾の部分を切り取り、その部分3.3gを50mL遠心管(BD Falcon(登録商標) 352027)に入れ、蒸留水6.6mLを加え、ホモジナイザー(ポリトロン(登録商標) PT3000、株式会社セントラル科学貿易)で、26.0×1000rpmにて、25秒間処理した。処理してドロドロした状態となった液を、121℃で20分間オートクレーブにかけた後、冷却遠心機で8000rpmにて、25℃、10分間遠心処理し、7mLの上清(熱水抽出液)を回収した。
上記上清(熱水抽出液)を、1mLずつ2mL用遠心管に分注し、9時間凍結乾燥し、36.1mgの自然免疫機能活性化組成物を得た。
比較例1
実施例1において、流水による洗浄を行わないこと以外は、実施例1と同様に操作を行い、凍結乾燥品の自然免疫機能活性化組成物を得た。
比較例2
実施例1において、マイクロ波照射による加熱と流水による洗浄を行わないこと以外は、実施例1と同様に操作を行い、凍結乾燥品の自然免疫機能活性化組成物を得た。
比較例3
マイクロ波照射を行わずに植物体の破砕処理と水洗処理を実施した。ブロッコリーに以下の破砕処理を施したものに、マイクロ波照射を行わずに以下の水洗処理を行い、その後に以下の熱水処理を行って凍結乾燥品の自然免疫機能活性化組成物を得た。
<処理の具体的内容>
ブロッコリーの花芽又は蕾の部分4gに対して水8mLを加えて、ホモジナイザーで破砕後、60℃で20分間処理し、8000rpm10分間遠心処理して上清を取り除いた。沈殿部分(抽出残渣)に水6mLを加えて、よく攪拌するためにホモジナイザーで破砕し、121℃で20分間処理し、8000rpm10分間遠心処理して上清を回収した。
上記上清を、1mLずつ2mL用遠心管に分注し、9時間凍結乾燥し、自然免疫機能活性化組成物を得た。
評価例1
[各熱水抽出物のカイコ断頭筋肉標本の筋収縮活性測定]
[[試料調製方法]]
実施例1と比較例1〜3で得た各凍結乾燥品に、0.9%生理食塩液を1mL加えて121℃で20分間オートクレーブにかけて溶解させた。この液を0.9%生理食塩液で1/1、1/4、1/16、1/64、1/256に系列段階希釈した。
[[緩行性筋収縮活性の測定]]
上記の各希釈液50μLを用いて、試験例1と同様に緩行性筋収縮活性を測定し、乾燥品1mgが何unitsを示すかを求めた。得られた結果を表2に示す。なお、実施例1は日を変えて6回、比較例2は日を変えて11回の平均値である。
Figure 0005491082
実施例1で、マイクロ波照射後、20℃の流水によって洗浄を5秒行ったが、その洗浄水を同様に評価したところ、緩行性筋収縮活性は全く示さなかった。これより、自然免疫機能活性化成分以外の成分が20℃の流水による洗浄で除去されたことが明らかになった。
マイクロ波照射による加熱をせずに、ホモジナイズをせずに20℃の流水1Lで水洗したものは、表2中には記載はないが、この場合、水洗時には何も除去されないので、結果は水洗なしの比較例2と同じである。
比較例3で、熱水抽出に先立って、60℃の水で20分抽出したが、その抽出物を同様に評価したところ、緩行性筋収縮活性は全く示さなかった。これより、加熱処理をしていなくてもある程度は、自然免疫機能活性化成分以外の成分が60℃の水による抽出で除去されたことが明らかになった。
表2及び上記の結果から以下のことが分かった。すなわち、本発明の自然免疫機能活性化組成物の製造方法により製造された自然免疫機能活性化組成物(実施例1)は、マイクロ波照射による加熱とそれに次ぐ水洗がないもの(比較例2)に比べて、22倍の緩行性筋収縮活性を示した。また、マイクロ波照射による加熱はしたがそれに次ぐ水洗がないもの(比較例1)に比べても、4.6倍の緩行性筋収縮活性を示した。また、マイクロ波照射による加熱をせずに、60℃水で20分抽出した後の沈殿部分(抽出残渣)(比較例3)に比べても、11倍の緩行性筋収縮活性を示した。
比較例3の結果より、マイクロ波照射による加熱を行わない場合、通常は抽出効率を向上させる破砕処理を行っても、自然免疫機能活性化成分以外の成分が植物体外に溶出し難く、60℃の水20分の処理では、さほど溶出しなかった可能性があることが分かった。前処理工程における加熱処理が、自然免疫機能活性化組成物の活性向上には支配的であり、通常は抽出効率を向上させると考えられている破砕処理は重要ではなく、手間を含めるとむしろ良くないことも分かった。
これより、マイクロ波照射により加熱し、次いで自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作を行った後に、自然免疫機能活性化組成物を抽出することによって、自然免疫機能活性化が顕著に増大した自然免疫機能活性化組成物が得られることが分かった。また、比較例3から、植物体を粉砕、細断又はすりおろし処理することは、特に必要ないことが分かった。植物体を粉砕処理等することは、その後の洗浄処理等「自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作」の手間を増大させることになるので、この時点で粉砕処理等を行わないことは本発明の重要なポイントの1つである。
試験例1等で自然免疫機能活性が認められたアブラナ科、セリ科等の植物体、具体的には、ブロッコリー、菜の花、パセリ、ニンジン、ピーマン、ミニトマト、カボチャ、ネギ(根)、ゴボウ、パクチー、キウリ等でも、加熱処理し、自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作を行った後に、自然免疫機能活性化組成物を抽出することによって、同様に自然免疫機能活性化が顕著に増大した自然免疫機能活性化組成物が得られると考えられる。
また、自然免疫機能活性化の絶対値的にも、特定の野菜からの抽出物からは、自然免疫機能を活性化する効果が大きい自然免疫機能活性化組成物が得られることが分かった。特にブロッコリーからの抽出物からは、極めて優れた自然免疫機能活性化組成物が得られることが分かった。
実施例2
[マイクロ波照射条件の検討]
マイクロ波照射時の照射強度(Wワット)と照射時間(秒)が緩行性筋収縮活性に与える影響を検討し、最適なマイクロ波照射強度と照射時間の確認を行った。
マイクロ波加熱条件を変動させる以外は、実施例1と同様にして、原料1g当たりと凍結乾燥品1mg当たりの緩行性筋収縮活性を求めた。結果を以下の表3に示す。表中、No.4−1は、日を変えての11点の平均であり、No.4−3は、日を変えての4点の平均であり、その他は、それぞれ日を変えての2点の平均である。
Figure 0005491082
実施例3
[加熱処理後の水洗条件の検討]
「自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作」の中でも好ましい「水洗」の条件の検討を行った。すなわち、前処理工程における加熱処理後の植物体に対する処理条件(水洗条件)が緩行性筋収縮活性に与える影響を検討し、最適の水洗条件の確認を行った。
水洗条件を変動させる以外は、実施例1と同様にして、原料1g当たりと凍結乾燥品1mg当たりの緩行性筋収縮活性を求めた。結果を以下の表4に示す。
Figure 0005491082
表4より、20℃の水で水洗すると、緩行性筋収縮活性が大きくなり、自然免疫機能活性化作用が増強された自然免疫機能活性化組成物が得られることが分かった。水洗の最適条件も分かった。本発明の製造方法の各条件が、完全変態型昆虫の幼虫に試料を投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさで自然免疫機能活性化作用の大きさを評価して設定することを基盤としている。
試験例1等で自然免疫機能活性が認められたアブラナ科、セリ科等の植物体、具体的には、ブロッコリー、菜の花、パセリ、ニンジン、ピーマン、ミニトマト、カボチャ、ネギ(根)、ゴボウ、パクチー、キウリ等でも、マイクロ波照射等により加熱し、自然免疫機能活性化成分以外の成分を除去する操作を行った後に、自然免疫機能活性化組成物を抽出することによって、同様に自然免疫機能活性化が顕著に増大した自然免疫機能活性化組成物が得られると考えられる。
また、自然免疫機能活性化の絶対値的にも、特定の野菜からの抽出物からは、自然免疫機能を活性化する効果が大きい自然免疫機能活性化組成物が得られることが分かった。特にブロッコリーからの抽出物からは、極めて優れた自然免疫機能活性化組成物が得られることが分かった。
試験例3
[ブロッコリーの部位と自然免疫機能活性化との関係]
ブロッコリーの部位(花芽又は蕾、茎A(花芽又は蕾に向けて分かれている部分)、茎B(花芽又は蕾に向けて分かれていない直径15mm位の部分)について同様に評価した。なお、ブロッコリーは埼玉産の新鮮なものを用いた。
その結果、花芽又は蕾では、255units/g原料、茎Aでは180units/g原料の緩行性筋収縮活性を示したが、茎Bでは40units/g原料以下の緩行性筋収縮活性しか示さなかった。なお、「units/g原料」は、野菜そのもの1gが示す緩行性筋収縮活性である。
試験例3の結果から、特にブロッコリーの花芽又は蕾の部分からは、他の部分に比較して、極めて優れた自然免疫機能活性化組成物が得られることが分かった。
実施例4
[前処理時の加熱処理方法の検討]
実施例1で行ったマイクロ波照射による加熱処理に加えてオートクレーブによる加熱処理を行い両者の比較を行った。また加熱処理の効果のコントロールとして、加熱処理を行わない方法も同時に実施した。
<被検植物体>
北海道産ブロッコリー2点と群馬県産ブロッコリー1点の計3点を以下の検討に使用した。
<マイクロ波照射による加熱処理>
ブロッコリーを房ごとに、はさみで切り取り、約10gをラップで2重に包み、電子レンジ(日立製作所社製、MRO−N75)に入れ、目盛り「強」(500W)で、40秒間加熱した。すなわち、20000Jのエネルギーで加熱した。照射周波数は2450MHzであった。加熱処理後の水洗は実施例1と同様に実施した。
<オートクレーブによる加熱処理>
ブロッコリーを房ごとに、はさみで切り取り、そのまま、約10gをオートクレーブに入れ、105℃で1分間加熱した。加熱処理後の水洗は実施例1と同様に実施した。
<加熱処理なし>
加熱処理を行わずに水洗のみ行い、その後、他の方法と同様に熱水抽出処理に供した。
<自然免疫機能活性化組成物の抽出操作(熱水抽出)>
次いで、花芽又は蕾の部分を切り取り、その部分約6gを50mL遠心管(BD Falcon(登録商標) 352027)に入れ、蒸留水約12mLを加え、ホモジナイザー(ポリトロン(登録商標) PT3000、株式会社セントラル科学貿易)で、26.0×1000rpmにて、25秒間処理した。
処理してドロドロした状態となった液を、121℃で20分間オートクレーブにかけた後、冷却遠心機で8000rpmにて、25℃、10分間遠心処理し、約12mLの上清(熱水抽出液)を回収した。
上記上清(熱水抽出液)を、1mLずつ2mL用遠心管に分注し、9時間凍結乾燥し、測定試料(自然免疫機能活性化組成物)を得た。
測定例1と同様にして、凍結乾燥品1mg当たりの緩行性筋収縮活性を求めた。結果を図1に示す。
図1より、前処理時に加熱処理を行った試料は、マイクロ波照射による加熱、オートクレーブによる加熱の何れも、加熱処理を行わない場合に比べて、緩行性筋収縮活性が大きいことが確認された。従って、加熱処理を行うことによって自然免疫機能活性化作用が増強された自然免疫機能活性化組成物が得られることが分かった。マイクロ波照射で、20000Jで処理をしたものは、加熱処理なし品に比べて、約20倍の自然免疫機能活性化作用の増加が見られた。また、オートクレーブで、105℃で1分間、加熱処理をしたものは、加熱処理なし品に比べて、約40倍の自然免疫機能活性化作用の増加が見られた。この結果から、前処理時の加熱処理としてマイクロ波照射以外にもオートクレーブによる加熱処理も、自然免疫機能活性化作用を顕著に増加させることが確認された。
本発明によれば、自然免疫機能を活性化する効果が高い自然免疫機能活性化組成物が得られるので、各種の飲食品、錠剤、顆粒、チュアブルタブレット等に、広く利用することができる。また、本発明の自然免疫機能活性化組成物は、生体内で自然免疫機能活性化作用を有する機能性食品、特定保健用食品、免疫機能低下が問題となる病人食や介護食等の素材として特に好適に利用することができる。更に、医薬品の原材料としても広く利用することが可能である。

Claims (8)

  1. ブロッコリー由来の自然免疫機能活性化組成物の製造方法であって、該組成物の抽出工程前に、前処理工程として、ブロッコリーを粉砕、細断又はすりおろし処理することなく、かつ、液状媒体を用いることなく、ブロッコリーに対して70〜160℃で加熱処理を行い、次いで、そのブロッコリーから自然免疫機能活性化を阻害する成分を水洗によって除去する操作を行い、その後に、該ブロッコリーに対して自然免疫機能活性化組成物の抽出操作を行うことを特徴とする、自然免疫機能活性化組成物の製造方法。
  2. 上記加熱処理が、ヒーターによる加熱、オートクレーブによる加熱、マイクロ波照射による加熱、の中から選ばれる少なくともひとつの加熱処理である、請求項1に記載の自然免疫機能活性化組成物の製造方法。
  3. 上記マイクロ波照射による加熱処理が、ブロッコリー10gに対して1〜100kJの照射エネルギーを照射する加熱処理である、請求項2に記載の自然免疫機能活性化組成物の製造方法。
  4. 上記自然免疫機能活性化を阻害する成分を水洗によって除去する操作が、0℃〜40℃の水を用いる操作である、請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の自然免疫機能活性化組成物の製造方法。
  5. 上記自然免疫機能活性化組成物の抽出操作が60〜125℃の水での抽出である、請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の自然免疫機能活性化組成物の製造方法。
  6. 上記加熱処理の条件、上記自然免疫機能活性化を阻害する成分を水洗によって除去する操作の条件、及び/又は、上記自然免疫機能活性化組成物を抽出する条件を、カイコに試料を投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさで自然免疫機能活性化作用の大きさを評価して設定することを特徴とする、請求項1ないし請求項の何れかの請求項に記載の自然免疫機能活性化組成物の製造方法。
  7. 少なくとも、以下の工程(1)ないし(3)を含む、請求項1ないし請求項の何れかの請求項に記載の自然免疫機能活性化組成物の製造方法。
    (1)ブロッコリーを70〜160℃で加熱処理する工程
    (2)カイコに投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさを、自然免疫機能活性を評価するための指標として用いて、ブロッコリーから自然免疫機能活性化を阻害する成分を水洗によって除去する条件を設定し、自然免疫機能活性化を阻害する成分を水洗によって除去する工程
    (3)カイコに投与した際の緩行性筋収縮活性の大きさを、自然免疫機能活性を評価するための指標として用いて、自然免疫機能活性化組成物を抽出する条件を設定し、自然免疫機能活性化組成物を得る工程
  8. 請求項1ないし請求項の何れかの請求項に記載の自然免疫機能活性化組成物の製造方法を使用して得られたものであることを特徴とする、ブロッコリー由来の自然免疫機能活性化組成物。
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