JP5490866B2 - 低周波ノイズを伴わない磁気抵抗複合センサに基づく装置および関連する方法 - Google Patents

低周波ノイズを伴わない磁気抵抗複合センサに基づく装置および関連する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5490866B2
JP5490866B2 JP2012259973A JP2012259973A JP5490866B2 JP 5490866 B2 JP5490866 B2 JP 5490866B2 JP 2012259973 A JP2012259973 A JP 2012259973A JP 2012259973 A JP2012259973 A JP 2012259973A JP 5490866 B2 JP5490866 B2 JP 5490866B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
constriction
heating
magnetoresistive
heating element
supercurrent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012259973A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013040968A (ja
Inventor
パネティエ−ルクール,ミリアム
ポロヴィー,エドビージュ
フェルモン,クロード
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Commissariat a lEnergie Atomique et aux Energies Alternatives CEA
Original Assignee
Commissariat a lEnergie Atomique et aux Energies Alternatives CEA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Commissariat a lEnergie Atomique et aux Energies Alternatives CEA filed Critical Commissariat a lEnergie Atomique et aux Energies Alternatives CEA
Priority to JP2012259973A priority Critical patent/JP5490866B2/ja
Publication of JP2013040968A publication Critical patent/JP2013040968A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5490866B2 publication Critical patent/JP5490866B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Magnetic Variables (AREA)

Description

本発明は、低周波ノイズを伴わない磁気抵抗複合センサに基づく装置および関連する方法に関する。
本発明は、より具体的には、低周波ノイズの除去のための特定の実施形態を有する複合センサ装置に関する。低周波ノイズは、低周波揺らぎによって作り出された磁気抵抗素子の抵抗ノイズに関連している。この種のノイズは、全ての物理的システムにおいて出現し、システムのサイズが小さくなるにつれて増加する。fが低周波揺らぎの周波数であるとき、ノイズの出力密度は通常、1/fα(αは1のオーダーである)のように減少する。
低周波およびRFの適用のために少なくとも1つの超伝導ループと1つの磁気抵抗素子とを関連づける複合センサの原理は、国際公開第2004/068152号および国際公開第2004/068158号に記載されている。複合センサの原理はまた、パネティエ
エム、フェルモン シー、レ ゴフ ジー他著、「サイエンス」第304巻、第5677号、2004年6月11日、p.1648−1650(Pannetier M,Fermon C,Le Goff,et.al.,SCIENCE 304(5677):1648−1650 JUN 11 2004 )にも記載されている。
それぞれの超伝導ループは少なくとも1つのくびれを含む。磁場が前記超伝導ループに印加されると、ループ中に超電流が作り出される。超電流はくびれを通って流れ、電流密度は局所的に高い。少なくとも1つの磁気抵抗素子はくびれの上部または下部に配置され、超電流によって作り出された磁場を感知する。1cm2の超伝導ループとミクロンサイ
ズのくびれとの場合、印加磁場と磁気抵抗素子により感知された磁場との間の比は数千となりうる。複合センサの低周波ノイズは、磁気抵抗素子の低周波抵抗ノイズに起因する。
磁気抵抗素子の低周波ノイズのレベルは、公知の文献において広く研究されてきた。例えば、ラケット ビー、ヴィレット エム、コステス エム他著、「ジャーナル・オブ・マグネティズム・アンド・マグネティック・マテリアルズ」、第258巻、2003年3月、p.119−124(Raquet B,Viret M,Costes M,et.al.,JOURNAL OF MAGNETISM AND MAGNETIC MATERIALS 258:119−124 Sp.Iss. SI MAR 2003)では、巨大磁気抵抗(GMR)低周波ノイズが議論されている。エル.ジャング他著、「フィジカル・レビュー ビー」、第69巻、2004年、p.54407(L. Jiang,et.al.,Phys.Rev.B 69,2004,p54407)では、トンネル磁気抵抗センサ(TMR)におけるノイズが議論されている。
低周波ノイズの磁気的な部分が、センサの適切な設計(パネティエ エム、フェルモン
シー、レ ゴフ ジー他著、「ジャーナル・オブ・マグネティズム・アンド・マグネティック・マテリアルズ」、第290巻、第2部、特別版、2005年4月、p.1158−1160(Pannetier M,Fermon C,Le Goff G,et.al.,JOURNAL OF MAGNETISM AND MAGNETIC MATERIALS 290:1158−1160 Part 2 Sp.Iss.SI APR 2005)参照)により除去されうるとしても、現時点では非磁気的な部分は除去されていない。
国際公開第2004/068152号には、温度および経年劣化による変動を修正するために、磁気抵抗素子の飽和値をレファレンスとして使用することが記載されている。しかしながら、この技術は磁気抵抗素子の低周波ノイズを抑止していない。
文献PCT/EP2006/002599には、検出の作動周波数を磁場検出周波数の外側に動かすために、感知電流(sensing current)の変調を用いることが記載されている。この技術は、低周波ノイズより高い周波数において作動するために用いられうる。しかし、それがプリアンプチェイン(preamplification chain)から生じる低周波ノイズを抑止するとしても、それは抵抗揺らぎから生じるノイズを抑止しない。
フラックスゲートは、その非線形応答に基づく磁場変調技術を用いて低周波ノイズを抑止する(マグネス ダブル、ピアス ディー、ヴァラヴァノグロー エー、ミーンズ ジェー、バウムヨハン ダブル、ラッセル シー ティー、シュインゲンシュー ケイ、グレーバー ジー著、「メジャメント・サイエンス・アンド・テクノロジー」第14巻、第7号、2003年7月、p.1003−1012(Magnes W、Pierce D,Valavanoglou A,Means J,Baumjohann W,Russell C T,Schwingenschuh K,Graber G,MEASUREMENT SCIENCE & TECHNOLOGY 14(7):1003−1012 JUL 2003)参照)。パルス電流とともに高調波を用いることも提案されている(キュビック ジェイ、リプカ ピー著、「センサーズ・アンド・アクチュエーターズ・エー−フィジカル」、第132号、2006年11月8日、p.236−240(Kubik J,Ripka P,SENSORS AND ACTUATORS A−PHYSICAL 132(1):236−240 Sp.Iss.SI,NOV 8 2006)参照)。
これらのアプローチは、複合センサの作動の磁場範囲における線形応答のために、複合センサに適用することができない。
この技術はまた複合センサに対して試されている(国際公開第2004/068152号)。しかし、その効率は抵抗変動の2次導関数に比例しており、磁気抵抗センサの非線形性が低いため十分に競合的ではない。
より一般的には、全てのタイプの磁気センサに対して、検出システムにおける低周波ノイズの除去が、ソース磁場を十分に高い周波数で変調させることによって行われうることが知られている。それなら、ソース磁場の測定は周波数の変調を中心として行われ、検出システムの低周波ノイズはその測定を妨害しない。多数の刊行物や特許がその技術を適用している。
しかしながら、磁場ソースを変調できない場合にはその技術を適用することができない。例えば、人体により作り出された磁場の検出の場合がそれに当てはまる。
より具体的には、ホール効果に基づく磁気センサにおいて、電流入力と電圧出力との高周波のスイッチング(high frequency switching)は低周波ノイズの抑止を可能にする。このような方法の記載はピー.ミュンター著、「ア・ロー−オフセット・スピニング−カレント・ホール・プレート」、「センサーズ・アンド・アクチュエーターズ・エー−フィジカル」、第A22号、1〜3部、1990年、p.743−746(P.Munter,A Low−offset Spinning−current Hall Plate, Sens. Actuators A.Phys. A22 (1990) (1−3),pp. 743−746)に見受けられる。しかしながら、その技術は、ホール抵抗の方向的性質(測定電圧が印加電流の方向に対して垂直である)のために、ホールセンサに対して実に特異的であり、磁気抵抗センサに対しては、測定される電圧が印加電流の方向に沿っているため、適用できない。
本発明は、上述の欠点を改善することを目的とする。
これらの目的は、少なくとも1つのくびれを含む少なくとも1つの超伝導ループと当該くびれに隣接して位置する磁気抵抗素子とを有する複合センサ装置を含む装置であって、前記少なくとも1つの磁気抵抗素子を含む前記少なくとも1つのくびれを通って流れている超電流が一時的に抑止されるように、前記超伝導ループの少なくとも1つの部分をその臨界温度よりも高くへ、十分に高い周波数でスイッチングすること(switching)を可能とする少なくとも1つの加熱素子(heating elememt)を含むことを特徴とする装置により達成される。
第一の実施形態によると、当該装置は、循環する超電流を消滅させる(destroy)ことのできる1つの加熱素子とともに、単一のループと数個のくびれとを含む。
加熱素子は、導電性ワイヤ、レーザースポット(laser spot)、または磁気抵抗素子自体でありうる。
加熱素子は、くびれの大部分にわたる大きな拡張を有していてもよい。
加熱素子はまた、くびれの近隣に位置していてもよい。
より具体的には、本発明の実施形態によると、磁気抵抗素子にゆだねられた加熱素子はそれが埋め込まれて単一の複合素子を構成している。
本発明の具体的な実施形態によると、装置は、1つのくびれから他のくびれへと超電流が逸脱されうるように、少なくとも2つの加熱素子とともに少なくとも2つのくびれを並行に含む。
このような実施形態では、加熱素子は導電性ワイヤ、レーザースポット、または磁気抵抗素子自体でありうる。
本発明による装置は、くびれの大部分にわたる大きな拡張を有する加熱素子を含んでいてもよい。
加熱素子はまた、くびれの近隣に位置していてもよい。
本発明は、さらに、磁気抵抗複合センサにおける低周波ノイズの抑止のための方法において、少なくとも1つの磁気抵抗素子によって感知された超電流を解除する(cancel)ために、複合センサの一部(parts)の局所的な加熱(local heating)が、加熱素子によって一時的に行われることを特徴とする方法に関する。
局所的な加熱は、導電性ワイヤまたはレーザースポットによって行われてもよい。
局所的な加熱は少なくとも1つの磁気抵抗素子において、前記磁気抵抗素子が埋め込まれて単一の複合素子を構成している加熱素子によって行われてもよい。
加熱素子は、くびれの大部分にわたる大きな拡張を有していてもよい。
加熱素子はまた、くびれの近隣に位置していてもよい。
具体的な実施形態によると、少なくとも2つの加熱素子とともに少なくとも2つのくびれが、一方のくびれから他方のくびれへと超電流が逸脱されうるように、並行になっている。
このような場合には、加熱素子は導電性ワイヤ、レーザースポット、さもなければ磁気抵抗素子自体でありうる。
したがって、具体的な実施形態によると、局所的な加熱は磁気抵抗素子において、前記磁気抵抗素子が埋め込まれて複合素子を構成している加熱素子によって行われる。
加熱素子は、くびれの大部分にわたる大きな拡張を有することが有利である。
一般的には、加熱素子はまた、くびれの近隣に位置していることが有利である。
検出されようとしている例えば脳の電気的活動等により発生した外部磁場が、ソースシグナルを構成する。
本発明による装置は、磁気抵抗素子と局所的な加熱装置との両方が配置された少なくとも1つのくびれとともに設計されている。低周波シグナルの測定は、少なくとも1つの磁気抵抗素子を含む少なくとも1つのくびれを通って流れている超電流が一時的に抑止されるように、局所的な加熱器を測定シグナルの最大周波数の少なくとも2倍の周波数でスイッチングすることによって達成される。これに関連した方法は、少なくとも1つの磁気抵抗素子により感知された超電流を一時的に解除(cancel)するために、複合センサの一部(parts)の局所的な加熱を用いることを特徴とする。
第一の実施形態では、複合センサは、磁気抵抗素子と加熱素子との両方が位置する1つのくびれを有する、唯一つのループを含む。加熱素子による、くびれのその臨界温度より高い加熱は、ループに存在するいずれの超電流をも消滅させ、このゆえに装置をリセットする。
この実施形態では、1つは当該リセットの前、1つは直後、の2つの測定のセットが各点において行われる。第2の測定値は、磁気抵抗素子の抵抗のレファレンスとして用いられる。
2つの測定値の減算によって、低周波揺らぎにより修正された値が得られる。ソースシグナルの1次導関数が得られることに注意されたい。
サンプリング周波数(1サンプリング当たり1セットの測定)は、検出シグナルの最大周波数の少なくとも2倍の周波数で行われる。もし、サンプリング周波数がより低いならば、情報の遺失が起こりうる。
別の実施形態では、超伝導ループは、それぞれが磁気抵抗素子と加熱素子とを含む並行な2つのくびれによって閉じられている。その構成ではそれぞれのくびれにおける交互の加熱によって、1つのくびれともう1つのくびれとの間で超電流を切り替える(toggle)ことが可能である。その場合、超電流は消滅せず、測定値は、1次導関数ではなくソースシグナルの値を与える。
各切替え(each toggle)において、2つのくびれの内部の小さなループと超伝導ループとの間の比に等しい、超電流の小さな損失がある。これは印加された磁場のハイパスフィルタリング(a high pass filtering)を誘起する。サンプリング周波数(1サンプリング当たり1セットの測定)は、検出シグナルの最大周波数の少なくとも2倍の周波数で行われる。もしサンプリング周波数がより低いならば、情報の遺失が起こりうる。
具体的な実施形態では、加熱素子は、くびれの一部分に置かれた導電性ワイヤであり、このワイヤへの電流の供給によって加熱が与えられる。
別の実施形態では、加熱素子は、くびれの一部分に位置する数μmsのレーザースポットである。
また別の実施形態では、磁気抵抗素子自体を加熱素子として用いることができる。
具体的な実施形態では、くびれ内で回転している超電流の存在をいずれも阻止するために、加熱素子はくびれの幅よりも広い加熱作用を有することができる。
別の具体的な実施形態では、加熱によりループ内に誘起される撹乱磁場を回避するために、加熱素子は、くびれの近隣であってくびれの上部でない位置に配置される。
また別の実施形態では、加熱素子は、複合センサの周辺に位置して、大量の超伝導磁力線(または渦(vortices))がくびれを横切り当該渦の流れ(vortex flow)が十分であるとき熱磁気効果を誘起してくびれをそのTcよりも高く引き上げる様な、ループに垂直な磁場ピークを生成する磁界発生器であってもよい。この効果はパネティエ−ルクール エム、フェルモン シー著、「フィジカル・レビュー・ビー」、第72巻、第18号、2005年11月、論文番号180501(Pannetier−Lecoeur M,Fermon C, PHYSICAL REVIEW B 72(18):Art.No.180501 NOV 2005)に記載されている。
磁気抵抗素子は、あるいは、異方性磁気抵抗器(AMR)、巨大磁気抵抗器(GMR)、トンネル磁気抵抗器(TMR)、または、磁場とともに十分に大きな変動を示すその他いずれの抵抗器であってもよい。
本発明の他の特徴および利点は、以下に図面を参照して例示した本発明のいくつかの実施形態についての説明から、より容易に現される。
は、金属コンタクト線と2つの磁気抵抗素子とによって局所的な加熱が与えられる、単純な複合センサ装置を有する本発明による装置の概要図である。 は、図1に示す装置に用いられた加熱シーケンスおよび得られた出力シグナルである。 は、局所的な加熱がレーザースポットを利用して与えられる、本発明による装置の例である。 は、磁気抵抗素子自体が加熱素子として用いられている、本発明の別の実施形態による装置の例である。 は、磁気抵抗素子が、大きな広がりを有する導電性ワイヤである、本発明による装置の例である。 は、加熱素子が、くびれの近隣に位置しているものの、ループの内部の電流の影響を回避するために、くびれの隣であって上部または下部ではない位置にある、本発明による装置の例である。 は、局所的な加熱が外部磁場を利用して与えられる、本発明による装置の例である。 は、くびれの並行な組が用いられている、本発明による装置の例であり、 は、図8に示す装置に用いられた加熱シーケンスおよび得られた出力シグナルである。
本発明は、本質的には、磁気抵抗素子を含むくびれを通って流れている超電流が一時的に抑止されるように、少なくとも1つの超伝導ループの少なくとも1つの部分をその臨界温度よりも高くへ、十分に高い周波数でスイッチングすることを可能とする少なくとも1つの加熱素子を含む複合センサ装置に関する。
装置の原理およびその好ましい実施形態について、図の的確な描写によって説明する。
図1は、磁束−磁界変成器として作用する単一の超伝導ループ1と、2つのくびれ3の上部に配置された、コンタクト(contacts)7と連結されている2つの磁気抵抗素子2と、を有する単純な複合センサを示す。付加的なくびれ4がループ上に配置されており、局所的な加熱のために用いられる。当該局所的な加熱は、金属ワイヤ5によって行われる。当該くびれ4をその臨界温度より高く温めるために、図2に示すような電流パルスが送られる。当該2つの磁気抵抗素子2は、温度揺らぎおよび平面磁場変動を抑止するために、ハーフブリッジ構成で取り付けられている。
図2は、図1に示す装置に用いられたシーケンス(sequence)を示す。曲線C1(最上部)は、加熱が加えられていない場合に、磁気抵抗素子2の出力において検出された合計シグナルを示す。このシグナルは、外部磁場成分をかたどった正弦シグナルと、磁気抵抗素子2のノイズ揺らぎとの合計である。
曲線C2は、くびれ4に加えられた加熱シーケンス(heating sequence)を示す。
曲線C3は、磁気抵抗素子2の有効出力を示す。磁気抵抗素子2のノイズ揺らぎは直に伝送されているが、外部磁場シグナルは引き出されているということが示されよう。
曲線C4は、次に続く測定につれて各加熱において得られたシグナルレファレンスを減算した結果である。それは外部磁場成分の1次導関数に相当する。
図3は、磁束−磁界変成器として作用する単一の超伝導ループ1と、2つのくびれ3の上部に配置されておりコンタクト7に連結されている2つの磁気抵抗素子2と、を有する単純な複合センサを示す。付加的なくびれ4がループ上に配置されており、局所的な加熱のために用いられる。当該局所的な加熱は、焦点を合わせたレーザービーム31により行われる。当該くびれ4をその臨界温度より高く温めるために、図2に示すような光パルスが送られる。当該2つの磁気抵抗素子は、温度揺らぎおよび平面磁場変動を抑止するために、ハーフブリッジ構成で取り付けられている。当該レーザービームは、レーザまたはレーザダイオードのいずれかによって作り出されうる。レーザ光の形成および強度は、くびれの迅速な加熱を確実にする程度に十分速くなくてはならない。1/fノイズの折点周波数(frequency corner)を超える周波数のサンプリングに対しては、10μs未満のパルス時間が好ましい。レーザービームに必要な出力は超伝導体の温度に依存する。4Kにおいて、ニオビウムのミクロンサイズのくびれにおける臨界温度に達するためには0.1mW未満の出力で十分である。
図4は、局所的な加熱が磁気抵抗素子2自体により与えられる装置の例である。それゆえ、標準的な抵抗測定器41に加えて、磁気抵抗素子2に大きな電流を注入する強い電流ソース43を一時的に接続するための高速スイッチ42が加えられている。
図5は、加熱素子が、くびれ3の全表面を覆う導電性ワイヤ51である、装置の詳細を示す。その場合、くびれに残留するいずれの超電流も消滅する。この構成は、単一の点が加熱されたときに回転する超電流が現れて磁気抵抗素子による測定を乱しうる、大きなくびれの場合に好適である。
図6は、超伝導ループの内部の加熱電流(heating current)によって誘起される磁場を回避するために、加熱素子52,53が、くびれ3の上部または下部に配置されていないが、くびれ3の近隣に位置している、装置の詳細を示す。
図7は、局所的な加熱が外部磁場を利用して与えられる装置の例である。当該磁場はコイル71を通じて印加される。当該印加磁場は、くびれ3の臨界電流に達する程に十分高い強度を有するパルスであるべきであり、パルスソース72により発生される。通常、1mTの磁場は十分高いが、1000のゲインを有する複合センサに対しては、1μTの磁場で足りる。磁場変動の時間傾斜は、くびれの適切な加熱を確実にするために、1秒当たり5テスラより高くあるべきである。
その技術は、ニオビウム複合センサにおいてよく機能する。高Tc超伝導体(YBaCuO化合物等)が低温で操作されるためには、したがってそれらのTCから離れており、
物質の質によっては、くびれの局所的な加熱を達成するために必要な渦(vortices)の合計量が高くなりすぎるかもしれない。
図8に示すように、当該装置はまた、くびれのそれぞれが磁気抵抗(MR)素子と加熱素子5a,5bとを含む、2つのくびれ3a,3bを並行に含んでいてもよい。第1の枝路における加熱素子5aが最初に作動させられ、一方で、他方の枝路におけるMR素子2bの出力シグナルが測定される。シーケンスの次のステップでは、第2の枝路における加熱素子5bが作動させられ、一方で、第1の枝路のMR素子2aにおける測定値が得られる、などである。当該加熱は超電流のスイッチとして作用する。主として興味深いことは、超電流のリセットが磁場の履歴を取り消す前述の技術とは対照的に、超電流の値を維持して外部磁場の記憶を維持することである。各切替え(each toggle)において、全表面と2つの枝路に含まれる表面との比に等しい、超電流の損失がある。その理由により、外部磁場をハイパスフィルタする付加的な効果が存在する。
測定周波数帯が10Hzから1KHzであるならば、切替え(toggle)の周波数は2kHzよりも高くあるべきである。
表面の比が1000であるならば、各切替えに対する損失は、超電流の0.1%である。2kHzにとっての182msに相当する、367の切替えの後には、1/eの損失が得られる。これは、6Hzのカットオフ周波数を有する2次のハイパスフィルタと同じ挙動である。
図9は、図8に示す装置に用いられたシーケンスを示す。曲線D1(最上部)は、加熱が加えられていないときに、磁気抵抗素子2a,2bの出力において検出された合計シグナルである。このシグナルは、外部磁場成分をかたどった正弦シグナルと、磁気抵抗素子2a,2bのノイズ揺らぎとの合計である。曲線D2は、第1の加熱素子5aに加えられた加熱シーケンスを示す。曲線D3は、第2の加熱素子5bに加えられた加熱シーケンスを示す。リセットが行われるときを除いて、超電流の損失を回避するために当該シーケンスは、2つの加熱素子5a,5bが同時に加熱されないように調整されなければならない、ということに注意されたい。曲線D4は、第1の磁気抵抗素子2aにおける有効出力を示す。曲線D5は、第2の磁気抵抗素子2bにおける有効出力を示す。曲線D6は、それぞれの磁気抵抗素子2a,2bにおいて超電流を伴って、および、伴わずに測定された出力を、減算することによって得られた結果である。曲線D7は、アンチエイリアシング・フィルタ処理した後に再構築されたシグナルである。アンチエイリアシング・フィルタは、サンプリング周波数、ここでは切替え(toggle)の周波数、において周波数成分を取り出す、高次のローパスフィルタである。

Claims (12)

  1. 少なくとも2つのくびれ(3a、3b)を並行に含む少なくとも1つの超伝導ループ(1)と当該くびれ(3a、3bのそれぞれに隣接して位置する磁気抵抗素子(2a、2b)とを有する磁気抵抗複合センサを含む装置であって、
    記磁気抵抗素子(2a又は2b)を含む前記くびれ(3a又は3b)を通って流れている超電流が一時的に抑止され、測定シグナルの最大周波数の少なくとも2倍の周波数で1つのくびれから他のくびれへと前記磁気抵抗複合センサの超電流が逸脱するように、
    前記超伝導ループ(1)の各くびれ(3a又は3b)をその臨界温度よりも高くへ、十分に高い周波数でスイッチングすることを可能とする、前記くびれ(3a又は3b)に対応する少なくとも2つの加熱素子(5a、5b)を含むことを特徴とする装置。
  2. 前記加熱素子が導電性ワイヤ(5)であることを特徴とする請求項に記載の装置。
  3. 前記加熱素子がレーザースポット(31)であることを特徴とする請求項に記載の装置。
  4. 磁気抵抗素子にゆだねられた加熱素子が、埋め込まれて単一の複合素子を構成していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記加熱素子が、前記くびれ(3)の大部分にわたる大きな拡張を有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の装置。
  6. 前記加熱素子が前記くびれ(3)の近隣に位置していることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の装置。
  7. 少なくとも2つの加熱素子(5a、5b)とともに、少なくとも2つのくびれ(3a、3b)を並行に有する少なくとも1つの超伝導ループを備えた磁気抵抗複合センサにおいて低周波ノイズ抑止する方法であって
    前記くびれ(3a又は3b)に対応する磁気抵抗素子(2a又は2b)によって感知され超電流を解除し、測定シグナルの最大周波数の少なくとも2倍の周波数で1つのくびれから他のくびれへと前記磁気抵抗複合センサの超電流が逸脱するように、前記磁気抵抗複合センサのくびれ(3a、3b)を局所的かつ一時的にその臨界温度よりも高くへと交互に加熱するステップを含むことを特徴とする方法。
  8. 前記局所的な加熱が導電性ワイヤ(5)によって行われることを特徴とする請求項に記載の方法。
  9. 前記局所的な加熱がレーザースポット(31)によって行われることを特徴とする請求項に記載の方法。
  10. 局所的な加熱が、少なくとも2つの磁気抵抗素子において、前記磁気抵抗素子が埋め込まれて単一の複合素子を構成している少なくとも2つの加熱素子によって行われることを特徴とする請求項に記載の方法。
  11. 前記加熱素子が、前記くびれ(3)の大部分にわたる大きな拡張を有することを特徴とする請求項10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記加熱素子が、前記くびれ(3)の近隣に位置していることを特徴とする請求項11のいずれかに記載の方法。
JP2012259973A 2012-11-28 2012-11-28 低周波ノイズを伴わない磁気抵抗複合センサに基づく装置および関連する方法 Active JP5490866B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012259973A JP5490866B2 (ja) 2012-11-28 2012-11-28 低周波ノイズを伴わない磁気抵抗複合センサに基づく装置および関連する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012259973A JP5490866B2 (ja) 2012-11-28 2012-11-28 低周波ノイズを伴わない磁気抵抗複合センサに基づく装置および関連する方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010514153A Division JP2010531450A (ja) 2007-06-27 2007-06-27 低周波ノイズを伴わない磁気抵抗複合センサに基づく装置および関連する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013040968A JP2013040968A (ja) 2013-02-28
JP5490866B2 true JP5490866B2 (ja) 2014-05-14

Family

ID=47889463

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012259973A Active JP5490866B2 (ja) 2012-11-28 2012-11-28 低周波ノイズを伴わない磁気抵抗複合センサに基づく装置および関連する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5490866B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01147386A (ja) * 1987-12-04 1989-06-09 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 磁気センサー
JPH01197677A (ja) * 1988-02-02 1989-08-09 Mitsubishi Electric Corp 超電導磁力計
JPH0643231A (ja) * 1992-07-27 1994-02-18 Daikin Ind Ltd Squid磁束計
JP3248776B2 (ja) * 1992-12-25 2002-01-21 シャープ株式会社 超電導測定装置
US7511483B2 (en) * 2003-01-31 2009-03-31 Commissariat Energie Atomique Device for sensing RF field
CA2514869C (en) * 2003-01-31 2011-07-12 Commissariat Energie Atomique Device for sensing a magnetic field

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013040968A (ja) 2013-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010531450A (ja) 低周波ノイズを伴わない磁気抵抗複合センサに基づく装置および関連する方法
JP5362713B2 (ja) 磁気抵抗複合センサにおける低周波ノイズ除去の方法
Silva et al. High sensitivity giant magnetoimpedance (GMI) magnetic transducer: magnitude versus phase sensing
CN103149542B (zh) 在二次谐波检测模式下使用磁阻传感器感测弱磁场的方法
CN110869788B (zh) 用于抑制磁阻传感器的低频噪声的系统和方法
JP7311931B2 (ja) 電気的に隔離されたトンネル磁気抵抗センシング素子を利用する水素ガス・センサ
Luomahaara et al. All-planar SQUIDs and pickup coils for combined MEG and MRI
Pannetier-Lecoeur et al. Magnetoresistive-superconducting mixed sensors for biomagnetic applications
Jander et al. Chopping techniques for low-frequency nanotesla spin-dependent tunneling field sensors
Pişkin et al. Interface-induced enhancement of sensitivity in NiFe/Pt/IrMn-based planar hall sensors with nanoTesla resolution
Luong et al. Design of 3-D magnetic field sensor with single bridge of spin-valve giant magnetoresistance films
Butta et al. Method for offset suppression in orthogonal fluxgate with annealed wire core
Das et al. Detection of low-frequency magnetic fields down to sub-pT resolution with planar-hall effect sensors
Pannetier-Lecoeur et al. Magnetocardiography with GMR-based sensors
JP5490866B2 (ja) 低周波ノイズを伴わない磁気抵抗複合センサに基づく装置および関連する方法
Pannetier et al. Ultra-sensitive field sensors-an alternative to SQUIDs
Tian et al. Magnetic Flux Vertical Motion Modulation for 1/${f} $ Noise Suppression in Magnetoresistance Field Sensors Using MEMS Device
Tsukada et al. Hybrid magnetic sensor combined with a tunnel magnetoresistive sensor and high-temperature superconducting magnetic-field-focusing plates
JP6317443B2 (ja) 電流が貫流する一次導体における電流強度を測定するための装置、配置構造、および方法
Cubells-Beltrán et al. Limitations of magnetoresistive current sensors in industrial electronics applications
JP7414703B2 (ja) 磁気センサ及び検査装置
Breth et al. Fluxgate principle applied to a magnetic tunnel junction for weak magnetic field sensing
JP2019174438A (ja) 磁気検出装置
JP2019086290A (ja) 磁気センサ
Vyhnanek et al. Experimental comparison of the low-frequency noise of small-size magnetic sensors

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121203

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5490866

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250