JP5488213B2 - 電力変換システムのノイズ低減法 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置が複数台並列運転されるような電力変換システムにおいて、電力変換装置のスイッチング周波数の位相角を調整することでノイズを低減する技術に関する。
電力変換装置(パワーエレクトロニクス機器)が発生する伝導ノイズ/放射ノイズが周辺機器を誤動作させる要因となっている。これは近年のパワーエレクトロニクス技術が家電製品等にまで適用されるなど、電力変換機器の広範な普及を背景として、様々な場面で生じている。
このため、電力変換機器が発生する伝導ノイズ/放射ノイズは、国内ではVCCI(Voluntary Control Council for Information Technology Equipment:情報処理装置等電波障害自主規制協議会)、国際的にはIEC(国際電気標準会議)のCISPR(Comite International Special des Perturbations Radioelectriques )等により限度値が設けられており、規制の対象となっている。一般的な電力変換機器の場合、伝導ノイズは150kHz〜30MHzの広範囲の周波数帯にわたって複数の規制値が設けられており、電力変換機器の仕様環境に応じた規制値を満足するように開発されている。
電力変換機器が発生する伝導ノイズを低減する手法は、種々提案されている。そのうち、従来から知られている手法について、以下、説明する。
(イ)スイッチング周波数の特定角度を並列運転台数Nで割ることで位相角を決定する方法がある。すなわち、
(a) キャリア周波数の位相角を2π/Nに設定して低減(例えば特許文献1参照)する例が知られている。すなわち、
マトリックスコンバータを複数台並列運転する場合、特許文献1では、スイッチング周波数の位相角を2π/Nに設定することで、ノイズ周期をN倍化することを開示している。例えば、N=2の場合には、2次,4次,‥となる。この方法は、マトリックスコンバータだけに限らず、種々の回路について提案されている。
(b) スイッチング周波数の位相角をπ/Nに設定して低減(例えば特許文献2参照)する例が知られている。すなわち、
交流電気車の制御法として、特許文献2では、スイッチング周波数の位相角をπ/Nに設定して高次高調波成分を除去することを開示している。例えば、N=2の場合には、2次、6次等を除去できる。
(ロ)また、電力変換装置が並列ではないものの、類似の技術としては3相PWMインバータにおいて、スイッチング周波数に位相角を持たせて、特定高調波成分を除去する技術が提案されている(特許文献3)。この特許文献3は、特許文献3の(8)式,(9)式で位相角を決定し、3相PWMインバータの出力に含まれる特定高調波成分を除去するものである。
このように従来においては、スイッチング周波数の位相角を決定することで、不要な高調波成分を除去する技術が提案されている。そして、除去すべき高調波成分は機器に応じて異なることから、どのように位相角を決定すべきかの方法が種々異なっている。
また、これらの技術は、リアクトルを流れる高調波成分の低減等による損失低減や小型化を目的としていることから、スイッチングリプル等の絶対値を小さくすることが主目的となる。このため、低減する高調波成分は比較的低次の次数(1次〜3次)を低減する技術である。
しかしながら、規制の対象となる伝導ノイズ、すなわち雑音端子電圧を満足しなければならない場合、これまでの位相角の決定方法では十分なノイズ低減効果が得られない課題がある。
図2は、従来の電力変換システムで使用するインバータ単体を従来の位相角決定法に基づいて決定した位相角で動作させたときの伝導ノイズの測定結果例を示す図で、幅広い周波数帯域(一般に150kHz〜30MHz)にわたって規制値が設けられている雑音端子電圧に対して十分なノイズ低減効果が得られていない。以下では、十分なノイズ低減効果が得られない理由がどこにあるかについて説明する。
(1)ノイズレベルを減衰させたい周波数が、比較的高次の高調波成分に相当し、狙った高調波次数を自由に設定できない。
前述の特許文献1〜3に記載されている技術は、リアクトル等を流れる高調波成分の低減による損失低減や小型化を目的としているため、スイッチングリプル等の絶対値を小さくすることが主目的となり、低減する高調波成分は比較的低次の次数(1次〜3次)を低減する技術の開示に止まっている。
これに対して雑音端子電圧は、前述のように幅広い周波数帯域(一般に150kHz〜30MHz)にわたって規制値が設けられており、規制を満足するためには一般に150kHz以上の周波数帯のノイズを低減しなければならない。
電力変換装置のスイッチング周波数は、高周波化の流れにあるものの、多くの機器が数10kHz以下である。例えば、電力変換機器の仕様環境でスイッチング周波数が20kHzの機器の場合、規制の対象周波数に含まれるのは8次高調波成分(160kHz)以降である。そして、低減したい次数はスイッチング周波数に応じて、変化することから(スイッチング周波数30kHzの場合には、5次高調波である150kHz)、所望の次数を低減する技術が必要となる。従来技術のように基準となる位相角2πやπと言う把握しやすい位相角の設定では、狙った高調波成分を低減することは困難である。
(2)幅広い周波数帯域でノイズを低減する必要がある。
雑音端子電圧は、前述のように幅広い周波数帯域(一般に150kHz〜30MHz)にわたって規制値が設けられており、そのすべての周波数帯域において、発生するノイズレベルが規制値以下としなければならない。すなわち、ある特定周波数成分を除去したとしても、その前後の次数の高調波成分は大きなノイズレベルであることから、幅広い周波数帯域のノイズレベルを低減するためには大きな効果が得られない。
例えば、前述の“キャリア周波数の位相角を2π/Nに設定して低減”する技術では、N=2の場合には2倍周期化するものの、2倍周期ごとに大きなノイズレベルのノイズが発生することになる。このように前後の周波数で大きなノイズレベルが発生してしまうと、規制を満足するために接続するノイズフィルタのサイズはほとんど変わらなくなってしまう。
このようなことから新たな課題としてスイッチング周波数に応じて狙った高次高調波次数および、その周辺の高調波成分を含めてノイズレベルを低減する技術を確立する必要が認識された。
図3は、本件出願人により特許出願(以降、先行出願と云う)された特許文献4に示された電力変換システムの構成を示す図であり、図4は、同じく図3に示された電力変換システムで使用される電力変換装置の具体例、すなわちハーフブリッジコンバータの構成例を示すものである。
図3において、LISN(Line Impedance Stabilizing Network:擬似電源回路網)10に個別の電力変換装置(Power converter)20_1〜20_nがN台並列に接続されている。このとき電力変換装置20としては、図4に示したハーフブリッジインバータを使用するものとしている。そして、図3に示す制御回路30によりN台の電力変換装置20_1〜20_nのスイッチング周期を同期させるとともに、各電力変換装置20_1〜20_nは適切な位相角により運転される。ここで、図3では、制御回路30を一つしか記載していないものの、この構成に限定されるものではない。電力変換装置20が個別に持っている制御回路のうちマスターやスレーブを切り替えることで、実現する方法もある。なお、LISN(擬似電源回路網)には、FCC(Federal Communications Commission)によって指定されたV型などがある。
図3に示した電力変換システムの構成において、以下、電力変換装置間の位相角の適切な設定方法について説明する。
最初に、並列運転台数が2台のときについて説明する。それぞれの電力変換装置20から個別にノイズ電流が流出することから、2台分のパルス電流が流れ、このとき、パルスの振幅を1、パルス間角度をα、パルス幅をβとして、フーリエ級数展開により高調波成分の各次数nの振幅an(フーリエ級数展開のsin成分の振幅bn=0になる)を計算すると次の式1となる。
そして、基準として位相角0[rad.]のときの各次数の振幅an0を求めると次の式2となる。
ここで、an/an0を求めると、位相角0[rad.]のときのノイズレベルを基準とした場合における位相角を変化させたときの比を求めることができ、次の式3となる。
上記式3により、位相角αを適切に設定することで、任意の高調波次数nを低減できるようになる。また、同時に以下のことも明らかになった。すなわち、
(A)位相角0[rad.]で動作させたときが最も大きなノイズを発生する。つまり、上記式3はかならず1以下の値となることから、0[rad.]で動作させたときが最もノイズが大きいものになる。
(B)任意のノイズ波形において上記式3は成立する。
上記において振幅、パルス幅に関する項は、上記式1及び式2には反映されているものの、上記式3になると位相角αと高調波次数nのみの関数となっている。このことから、同一周期のノイズ波形ならばその形状に依らず上記式3の関係を満足することがわかる。
ここで、雑音端子電圧を低減するための位相角αの設定法について説明する。スイッチング周波数が30kHzのとき、一般的な雑音端子電圧の規制下限周波数の150kHzとなるのは、5次高調波成分である。このとき、上記式3を充たす位相角αで動作させることで、5次高調波成分を大幅に低減できるようになる。
次に、上記式3に相当する位相角αと高調波次数nおよび電力変換装置の並列運転台数Nの関係式を導出する。Nが奇数台の場合におけるノイズ電流、偶数台の場合におけるノイズ電流の関係式を導出すると、次の式4(奇数台)および式5(偶数台)となる。
上記式4及び式5より、前述の(A)(B)は、並列運転台数Nの数を規定せずに満足することが確認できる。
したがって、並列運転台数N、電力変換システムが準拠すべきノイズ規格の下限周波数付近となる最も小さい高調波次数n0において、Nが奇数の場合には次の式6を、Nが偶数の場合には次の式7を充たす位相角αを設定することで、所望の高次高調波成分n0を大幅に低減できるようになる。なお、設定できる位相角αは0≦α≦2π/N[rad.]となる。
以上から先行出願において、少なくとも一つの半導体スイッチング素子を含む電力変換装置であり、前記電力変換装置を少なくとも2台以上の複数台を並列運転するとともに、前記複数台の電力変換装置のスイッチング周波数を同期させ、かつ適切な位相角を持たせて運転させる電力変換システムのノイズ低減法において、前記適切な位相角として、並列台数N、前記電力変換システムが準拠すべきノイズ規格の下限周波数付近となるスイッチング周波数の最も小さい高調波成分の次数nにおいて、Nが奇数の場合には上記式6を充たす、Nが偶数の場合には上記式7を充たす、位相角αを設定する技術を提案したところである。
また上記において、位相角αを、おおよそ2π/(N×n)[rad.]に設定する技術を提案したところである。
こうすることで、電力変換装置が複数台並列運転されるような電力変換システムにおいて、スイッチング周波数に応じて所望の高次高調波次数を大幅に低減できるようになる。これにより、所望の周波数のノイズレベルを低減できる低ノイズな電力変換システムを構築できる。また、規制対象の下限周波数付近の最低次数n0とすることでノイズフィルタを追加するような場合には、ノイズフィルタの小型化も同時に実現できる。
特開2005-065356号公報(請求項2) 特開平10-229609号公報(段落0002〜0003) 特開2004-248419号公報(段落0015) 特願2009-075598(提出日2009.03.26)
しかしながら、並列運転台数Nに対して、規制対象の下限周波数付近の最低次数n0に着目してノイズを低減しただけでは、十分でない場合が存在するので、これについて以下に説明する。
図3に示す電力変換システムの個別の電力変換装置20_1〜20_nには、図4に示すハーフブリッジインバータを適用し、PWM制御して動作させる。この場合において図5は、図3に示した先行出願の設定法による設定で、PWM制御したハーフブリッジインバータ単体で動作させたときの伝導ノイズの測定結果例である。ここで、ハーフブリッジインバータを16kHzで動作させており、規格下限周波数150kHz近傍で、大きく低減したい高調波成分は、n0 = 10(160kHz成分)となる。しかしながら、図5によると、スイッチング周波数の高調波成分ではない150kHz成分にも大きなノイズが発生していることが確認できる。これは、PWM制御することにより発生するノイズスペクトルが、スイッチング周波数の高調波成分周辺に側帯波として拡散したことが原因である。したがって、PWM制御した電力変換装置をN台並列運転した場合には、スイッチング周波数の高調波成分に基づくキャリア位相角の設定では、効率よくノイズを低減できない。
そこで本発明は、電力変換装置が複数台並列運転されるような電力変換システムのノイズ低減法において、高調波成分nに基づかない適切なキャリア位相角αを設定してノイズを効率よく低減することを第1の目的とするものである。
また本発明は、電力変換装置が複数台並列運転されるような電力変換システムのノイズ低減法において、高調波成分nに基づかない適切な時間差tdを設定してノイズを効率よく低減することを第2の目的とするものである。
上記第1の目的を達成するために本発明は、少なくとも一つの半導体スイッチング素子を含む電力変換装置であり、前記電力変換装置を少なくとも2台以上の複数台を並列運転するとともに、前記複数台の電力変換装置のスイッチング周波数を同期させ、かつ適切な位相角αを持たせて運転させる電力変換システムのノイズ低減法において、
並列台数N、前記電力変換システムが準拠すべきノイズ規格の下限周波数flとスイッチング周波数fsとした場合に、位相角αとして、下記式8を充たす位相角αを設定することを特徴とする。
同じく上記第1の目的を達成するために本発明は、少なくとも一つの半導体スイッチング素子を含む電力変換装置であり、前記電力変換装置を少なくとも2台以上の複数台を並列運転するとともに、前記複数台の電力変換装置のスイッチング周波数を同期させ、かつ適切な位相角αを持たせて運転させる電力変換システムのノイズ低減法において、
並列台数N、前記電力変換システムが準拠すべきノイズ規格の下限周波数flとスイッチング周波数fsとした場合に、位相角αとして、下記式9を充たす位相角αを設定することを特徴とする。
上記第2の目的を達成するために本発明は、少なくとも一つの半導体スイッチング素子を含む電力変換装置であり、前記電力変換装置を少なくとも2台以上の複数台を並列運転するとともに、前記複数台の電力変換装置のスイッチング周波数を同期させ、かつ適切な遅れ時間を持たせて運転させる電力変換システムのノイズ低減法において、
並列台数N、前記電力変換システムが準拠すべきノイズ規格の下限周波数flとスイッチング周波数fsとした場合に、遅れ時間tdとして、下記式10を充たす遅れ時間tdを設定することを特徴とする。
同じく上記第2の目的を達成するために本発明は、少なくとも一つの半導体スイッチング素子を含む電力変換装置であり、前記電力変換装置を少なくとも2台以上の複数台を並列運転するとともに、前記複数台の電力変換装置のスイッチング周波数を同期させ、かつ適切な遅れ時間を持たせて運転させる電力変換システムのノイズ低減法において、
並列台数N、前記電力変換システムが準拠すべきノイズ規格の下限周波数flとスイッチング周波数fsとした場合に、遅れ時間tdとして、下記式11を充たす遅れ時間tdを設定することを特徴とする。
本発明によれば、電力変換装置が複数台並列運転されるような電力変換システムにおいて、規格下限周波数fl周辺のノイズを大幅に低減することができる。この場合において、制御回路としてマイコン制御機器の使用のみならず、アナログ制御機器を使用することができるようになる。
本発明の実施形態に係る電力変換システムの構成を示す図である。 従来の電力変換システムの各電力変換装置で使用するインバータ単体を従来の位相角設定法で設定した位相角で動作させたときの伝導ノイズの測定結果例を示す図である。 先行出願に示した電力変換システムの構成を示す図である。 図3の各電力変換装置で使用するハーフブリッジインバータの構成を示す図である。 先行出願の位相角設定法で設定した位相角でハーフブリッジインバータ単体をPWM制御して動作させたときの伝導ノイズの測定結果例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電力変換システムの構成を示す図である。図1において、本発明の実施形態に係る電力変換システムは、図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力変換システムの構成を示す図である。図1においてもLISN(Line Impedance Stabilizing Network:擬似電源回路網)100に個別の電力変換装置(Power converter)200_1〜200_nがN台並列に接続されている。そして当該電力変換装置200_1〜200_nとして、図4に示したハーフブリッジインバータを使用し且つ各ハーフブリッジインバータを制御回路300によりPWM制御するものとして説明するが、系統連系インバータや、汎用インバータ等、ノイズ発生スペクトルに側帯波が立つような機器ならば、どんな機器でも適用できる。なお、LISN(擬似電源回路網)には、FCC(Federal Communications Commission)によって指定されたV型などの種類がある。
ところで個別の電力変換装置にハーフブリッジインバータを使用し、該ハーフブリッジインバータをPWM制御した際に図5に示した発生ノイズレベルによると側帯波の影響で、スイッチング周波数の高調波成分以外でも大きなノイズレベルを発生する機器の場合、規格下限周波数(fl:一般的に150kHz)に着目してノイズを低減すればよい。このとき、スイッチング周波数fsと規格下限周波数flに基づいて、下記式12(請求項1では式16)や下記式13(請求項2では式17)にように位相角αを設定すれば良い。これにより、スイッチング周波数の高調波成分n0に依らず、規格下限周波数fl近傍のノイズを幅広く低減できるようになる。
これにより、規格を満足するためのノイズフィルタ(EMIフィルタ)を小型化できるようになる。
請求項1、および、請求項2に記載された発明によると、スイッチング周波数fsの位相角α[rad.]は、スイッチング周波数fs、規格下限周波数fl、並列運転台数Nの3つの変数に基づいて、上記式12、および、上記式13を満足することで、高次高調波成分nに依存しない設定を実現することができる。そして、この設定は、電力変換装置を制御する制御回路300にマイコンを用いることで簡単に演算可能である。
しかしながら、制御回路300にマイコンにより制御を行う機器がある一方で、制御回路300にアナログ回路を組み合わせて制御する機器も依然として多い。そこで以下に示す請求項3、および、請求項4にかかる発明では、制御回路300にアナログ回路を組み合わせて制御するような機器に対しても、規格下限周波数fl近傍となる高次高調波成分n0に依らず、適切な動作条件を設定する方法について述べる。
一般にアナログ回路で制御する機器において、ノイズを効果的に低減するためには、以下のような課題があることが知られている。すなわち、発振周波数がバラツクという課題である。そのため、一般には、専用制御ICにコンデンサや抵抗を接続して設定する場合が多い。このとき、コンデンサや抵抗の精度、温度ドリフト等により発振周波数が変化してしまう。すなわち、150kHz近傍となる高次高調波成分n0が、上記発振周波数のバラツキを考慮した上で設定せざるを得ない。また高次高調波成分n0ではなく、上記式12、および、上記式13に基づき設定しようとすると、スイッチング周波数fsがバラツクことになるため、適切な位相角αが周囲温度、動作条件によって変化してしまい、設定が困難になってしまう。
このように、マイコン制御機器に比べると、アナログ制御機器では、実現するためのハードルが一段と高くなることが懸念されている。
そこで請求項3、および、請求項4にかかる発明は、この課題を解決するために案出されたもので、より簡単な構成でノイズを低減する適切な動作条件を設定できるようになる。
上述したように制御回路300にマイコンを使用する制御機器の場合、制御ソフトの設定だけで済むことから、様々な条件に対応できるように多くの変数を盛り込むことが効果的である。しかしながら、制御回路300にアナログ回路を使用する制御機器の場合には、回路の複雑化および上記バラツキの増加を招くことから、変数の増加は得策でない場合が多い。
このことを考慮すると、規格下限周波数flは、機器に応じて決定している(一般的には150kHz)ことを考えれば、規格下限周波数flを変数として取り扱わずに済む。
その上、高次高調波成分n0、スイッチング周波数fsのどちらにも依存しない設定法を実現する必要がある。具体的には、キャリアの遅れ時間tdに基づいて設定することで、より簡単に設定できるようにする。すなわち、上記式12、および、上記式13は、位相角α[rad.]であるが、遅れ時間tdとして計算すると、以下の式14(請求項3では式18)、および、式15(請求項4では式19)のように求められる。
この結果、スイッチング周波数fsも変数として扱う必要が無くなることがわかる。
このことから、変数は並列運転台数Nのみとなり、簡単なアナログ回路でも構築できるようになる。遅れ時間tdを設定するような回路においても、前記fsがバラツク要因は生じる。しかしながら、前記の場合にはfsがばらつき、それが原因で位相角αがばらつくと2重で誤差が蓄積されてしまうのに対し、請求項3、および、請求項4にかかる発明では、遅れ時間tdのみであることから、誤差を大幅に低減できるようになる。
以上より、請求項3、および、請求項4にかかる発明によれば、ノイズを低減するための設定が、位相角αから遅れ時間tdに変更できる。これにより詳細な条件設定と演算を必要とせずに、効果的にノイズを低減する制御法を制御回路300にアナログ回路を使用する制御機器に対しても適用できるようになる。
本発明の電力変換システムは、図1においては、電源系統に対して電力変換装置が並列運転される構成としているが、これにとどまるものではない。すなわち本発明の電力変換システムは、電源系統ではなく同一の負荷に供給するために電力変換装置を並列接続する場合でも適用できる。また、電源系統に対して、電力変換装置が並列接続され、同一の負荷に電力を供給する場合でも適用できる。
100 LISN(擬似電源回路網)
200_1〜200_n 電力変換装置
300 制御回路

Claims (4)

  1. 少なくとも一つの半導体スイッチング素子を含む電力変換装置であり、前記電力変換装置を少なくとも2台以上の複数台を並列運転するとともに、前記複数台の電力変換装置のスイッチング周波数を同期させ、かつ適切な位相角αを持たせて運転させる電力変換システムのノイズ低減法において、
    並列台数N、前記電力変換システムが準拠すべきノイズ規格の下限周波数flとスイッチング周波数fsとした場合に、位相角αとして、下記式16を充たす位相角αを設定することを特徴とする電力変換システムのノイズ低減法。
  2. 少なくとも一つの半導体スイッチング素子を含む電力変換装置であり、前記電力変換装置を少なくとも2台以上の複数台を並列運転するとともに、前記複数台の電力変換装置のスイッチング周波数を同期させ、かつ適切な位相角αを持たせて運転させる電力変換システムのノイズ低減法において、
    並列台数N、前記電力変換システムが準拠すべきノイズ規格の下限周波数flとスイッチング周波数fsとした場合に、位相角αとして、下記式17を充たす位相角αを設定することを特徴とする電力変換システムのノイズ低減法。
  3. 少なくとも一つの半導体スイッチング素子を含む電力変換装置であり、前記電力変換装置を少なくとも2台以上の複数台を並列運転するとともに、前記複数台の電力変換装置のスイッチング周波数を同期させ、かつ適切な遅れ時間を持たせて運転させる電力変換システムのノイズ低減法において、
    並列台数N、前記電力変換システムが準拠すべきノイズ規格の下限周波数flとスイッチング周波数fsとした場合に、遅れ時間tdとして、下記式18を充たす遅れ時間tdを設定することを特徴とする電力変換システムのノイズ低減法。
  4. 少なくとも一つの半導体スイッチング素子を含む電力変換装置であり、前記電力変換装置を少なくとも2台以上の複数台を並列運転するとともに、前記複数台の電力変換装置のスイッチング周波数を同期させ、かつ適切な遅れ時間を持たせて運転させる電力変換システムのノイズ低減法において、
    並列台数N、前記電力変換システムが準拠すべきノイズ規格の下限周波数flとスイッチング周波数fsとした場合に、遅れ時間tdとして、下記式19を充たす遅れ時間tdを設定することを特徴とする電力変換システムのノイズ低減法。
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