JP5486461B2 - ハードディスクドライブケース用トップカバー - Google Patents

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Description

本発明はハードディスクドライブケース用トップカバーに関する。
ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)は、周知の通り、密閉されたケース内で回転駆動されるディスクにヘッドを対向させて情報の記録再生を行なう。より具体的には、情報の記録および再生を担当する読取り/書込みヘッドを、情報保存用のディスク上の所定位置に移動させるアクチュエータと、ハードディスクを高速で回転させるスピンドルモータとを備え、所定の情報をディスク上に記録し、また、記録した所定の情報をディスク上から再生する装置(ディスク装置)である。
このようなHDDでは、前記HDDの各機器を搭載する密閉されたケースとして、箱型のベース部材に対して、同じく、浅い箱型のトップカバー(以下、単にカバーとも言う)が、前記HDDの各構成要素とは、1mm以下程度のわずかなクリアランス(隙間)をとって、設けられている。このようなトップカバーは、前記ベース部材の矩形平面形状に対応した矩形平面形状をしているが、近年では、軽量化のために、鋼板製やステンレス鋼板製に代えて、0.4mm程度のごく薄い厚み(板厚)のアルミニウム合金製のものが使用されている。このようなアルミニウム合金製カバーは、通常は、前記薄い板厚のアルミニウム合金冷延板(薄板)をプレス成形して製造される。
ここで、HDD用カバーは、薄肉なアルミニウム合金製であるがゆえに、外部圧力による変形を抑制する必要があり、そのために剛性を高めた表面形状(構造)とする必要がある。例えば、ディスクドライブをノートPCなどの携帯機器に組み込み、キーボード操作した際に、カバーの剛性が不足すると、カバーが押されて変形してしまうことが考えられる。そして、カバーが変形すると、ベース部材内に収容したモータ等の部品にカバーが接触して、ディスクに傷が付き、記録した情報が一部欠落したり、ディスク全面を損傷したりして、ディスクドライブが壊れてしまう可能性がある。また、回転途中のディスク或いはディスククランパにカバーが接触して負荷がかかり、ディスクの回転数が急激に変化し、ヘッドがディスクの外側に退避しないままディスクが停止してしまう現象も起こり、ディスクドライブが動作不能となる問題も生じる。更に、カバーが他の金属部品と接触すると、ゴミが発生し、このゴミがヘッドやディスク表面に付着して、データの読み取りが不可能になる可能性もある。
剛性を高めた、従来の代表的なハードディスクドライブ用アルミニウム合金製カバーの構造例を図3、4に示す。この図3、4において、トップカバー20は、ベース部材21の矩形平面形状に対応した矩形平面形状をしており、平坦な表面の4周囲(周縁部)に、ベース部材21の上部と係合する、各縦壁5が下方に向かって連なる、全体が浅い箱型の形状からなる。
このトップカバー20の剛性を高めた表面形状(構造)例を、図3、4に、カバーを、裏面側からではなく、表面側から見た場合の斜視図で示す。このように、カバーの表面側には、内部に装着されるハードディスク22あるいはスピンドルモータ23(回転子あるいは軸受け部)の上部、すなわち、これらに対応するカバー中央位置に形成された、平面形状が円形な凸状段部2を有する。また、この円形な凸状段部2の周囲に拡がる平面形状が円弧状の(円弧状に拡がる)凹状段部3と、この凹状段部3の周囲に平坦部4が設けられた表面形状を有している。
より具体的には、トップカバー20の表面側において、前記円形の凸状段部2は、断面形状が平らな頂部を有する台形状であるとともに、その頂部2aの高さが前記カバーの平坦部4と同じレベルである凸部を形成している。また、前記円弧状の凹状段部3は、その円弧状の周縁部から前記円形な凸状段部2に向かって下るすりばち状の斜面を有している。そして、この円弧状の凹状段部3の周縁部は、前記カバーの平坦部4側とこのカバーの平坦部4と同じレベル(高さ)でつながっている(連なっている)。
この図3、4に示したカバー20の構造は、例えば、渦巻き状(円弧状)段部を、前記円形な凸状段部2の周囲に同心円状に重ねて設けるなどの他の段部形状(凹凸形状)よりも、カバーの剛性に優れている。
これに対して、近年では、HDDの更なる軽量化のために、このようなアルミニウム合金製カバーも、0.5mm未満の肉厚(板厚)にするなど、より一層の薄肉化、軽量化が求められている。しかし、アルミニウム合金製カバーを薄肉化した場合には、板厚減少率の二乗で、カバーの剛性が低下する。
このため、例え、図3、4に示したカバー20であっても、0.5mm未満の肉厚(板厚)に薄肉化、軽量化する場合には剛性が不足し、剛性向上のための新たな構造上の工夫が必要となる。言い換えると、図3、4のアルミニウム合金製カバーを0.5mm未満の肉厚に薄肉化しても、剛性が低下しない工夫が求められる。
ただ、従来から、ハードディスクドライブに関しては多くの改良が提案されているものの、このようなアルミニウム合金製カバー自体に関する提案は少ない。例えば、特許文献1では、板厚0.25mm程度の鉄板あるいはステンレス板をプレス成形したカバー(蓋体)例が記載されている。この特許文献1では、カバーに、前記ディスクの外周に対向した円弧状の第1の段部(段差部)と、この第1の段部より上記ディスクに近い円弧状の第2の段部と、この第2の段部より上記ディスクに近い円弧状の第3の段部とを、前記図3、4で示した凸部2の周囲に、径方向に同心円状に複数個設けて、カバー(蓋体)の剛性を高めている。
しかし、このような、円周方向に連続的な円弧状の凹状段部を、径方向に同心円状に複数個設けても、アルミニウム合金製カバーにおいては、この特許文献1が対象とする鉄板あるいはステンレス板ほどには剛性の向上効果が無く、最大でも、前記渦巻き状(円弧状)段部を同心円状に重ねて設けたカバー構造例と同レベルの剛性が得られる程度である。
この他、アルミニウム合金製カバーとしては、特許文献2で、騒音を低減するために、0.4mmの板厚のアルミニウム合金製カバー(板状蓋体)の周囲に位置した複数の、ケース本体との固定部(接合部)に、この固定部近傍から磁気ディスクの中心と対向する中心対応部に向かって放射状に成形された放射状梁部(段部)と、中心対応部と同芯に成形された第1および第2円弧状梁部(段部)とを設けている程度である。
特開2004−326949号公報 特開2003−85938号公報
しかし、前記特許文献2のような段部では、騒音低減効果はあるとしても、ハードディスクドライブ用アルミニウム合金製カバーを、更に0.5mm未満に薄肉化した場合の剛性の向上効果は前記特許文献1と同様に小さい。また、このような放射状梁部(段部)と第1および第2の円弧状梁部とが交差した段部形状は、特に、前記0.5mm未満に薄肉化したアルミニウム合金板では、プレス成形が非常に困難で、騒音低減効果としても、実用的な解決方法ではない。
したがって、ハードディスクドライブ用アルミニウム合金製カバーを薄肉化しても、このカバーの剛性が低下しないような、構造上の提案は、これまであまり無かったのが実情である。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、0.5mm未満に更に薄肉化してもトップカバーの剛性が低下せず、加えて、このトップカバー形状への素材板のプレス成形時のスプリングバックを抑制して成形性を向上しうる、ハードディスクドライブケース用トップカバーを提供することにある。
上記目的達成のために、本発明の要旨は、ハードディスクドライブケース用トップカバーであって、その表面形状として、ハードディスクに対応する中央位置に形成された円形な凸状段部と、この円形な凸状段部の周囲に円弧状に拡がる凹状段部と、この凹状段部周囲の平坦部とを有し、更に、前記凹状段部の周縁側で、かつ、その円周方向に亙って、円弧状の凸状段部を複数個互いに間隔をあけて設け、前記円形な凸状段部がその高さが前記平坦部と同じレベルである平坦な頂部を有するとともに、前記凹状段部がその円弧状周縁から前記円形な凸状段部に向かって下るすりばち状の斜面を有しており、更に、前記円弧状の凸状段部がその高さが前記平坦部と同じレベルで、かつ、この平坦部につながる平坦な頂部を各々有することである。
本発明における、これらトップカバーの表面形状の規定は、前記図3、4や後述する図1、2のように、トップカバーを、裏面側からではなく、表面(おもてめん)側から見た場合の規定である。すなわち、トップカバーを裏面側から見た場合には、前記凹状や凸状は逆となり、前記円形な凸状段部は円形な凹状段部、前記円弧状に拡がる凹状段部は円弧状に拡がる凸状段部、前記円弧状の凸状段部は円弧状の凹状段部と各々なる。
通常、素材アルミニウム合金板の強度を上げても、本発明のような、0.5mm未満に薄肉化されたアルミニウム合金製カバーでは、形状(構造)効果ほどには、剛性の向上にしない。また、素材アルミニウム合金板の強度が上り過ぎると、カバーへのプレス成形性も低下する可能性もある。
したがって、本発明では、素材アルミニウム合金板は、そのまま、成形性の良い、AAあるいはJIS規格の5000系や3000系のアルミニウム合金を用い、このカバーの剛性を高めた表面形状(構造)とする。すなわち、前記図3、4に示したカバーの表面形状を改良して、0.5mm未満に更に薄肉化しても、剛性が低下しないものにする。
本発明によって、0.5mm未満に薄肉化したアルミニウム合金製カバーの剛性が向上するが、本発明は、その剛性を高めた表面形状(構造)によって、素材アルミニウム合金板のスプリングバックが抑制されて、カバーへの成形性も向上する効果も有する。
本発明のカバーを示す斜視図である。 図1の平面図(断面図付き)である。 改良前の従来のカバーを示す斜視図である。 図3のカバーを装着したハードディスクドライブの斜視図である。
以下に図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1において、1は本発明のハードディスクドライブケース用トップカバーであって、アルミニウム合金薄板をプレス成形した浅い箱型からなる。因みに、この図1で示すカバー1は、前記図3、4のカバー20の改良である。したがって、カバー1は、カバー20と同様に、前記ベース部材21の矩形平面形状に対応した矩形平面形状をしており、平坦な矩形表面の四周囲(周縁部)には、図4のベース部材21の各縦壁上端と係合する、短い各縦壁5が図の下方に向かって連なる、浅い箱型の全体形状からなる。
そして、このトップカバー1の剛性を高めた表面形状(構造)として、前記ケース内に収納されたハードディスクに対応するカバーの中央位置に形成された、円形な凸状段部(段差)2と、この円形な凸状段部2の周囲に円弧状に拡がる凹状段部(段差)3と、この凹状段部3の周囲の平坦部4とを有している。ちなみに、これらの表面形状は、本発明の前提条件であって、前記図3、4のカバー20の表面形状と同じである。
更に、図2に、図1の平面図(断面図付き)で、この剛性を高めた表面形状を示す通り、前記カバー1の表面側(カバー1の裏面側に対する表面側)において、前記円形な凸状段部2は、断面形状が平らな頂部2aを有する台形状であるとともに、その頂部2aの高さがカバー1周辺の平坦部4と同じレベルである凸部を形成している。また、前記凹状段部3は、その円弧状の周縁から、前記円形な凸状段部2に向かって次第に下る、すりばち状の斜面(凹部)を形成している。
円形な凸状段部2:
円形な凸状段部2が位置するカバー1の中央とは、厳密な意味でのカバー1の中央部という意味ではなく、カバー1の内部に実装されるハードディスクあるいはスピンドルモータ23(回転子あるいは軸受け部)の上部(上方)の位置、カバー1の周縁部位置に対する内側位置程度の意味である。この円形な凸状段部2の平らな頂部2aの高さは、カバー1周辺の平坦部4と同じレベルで良いが、これも、厳密に、カバー1周辺の平坦部4と同じ高さとする必要はなく、各縦壁5の高さ(前記HDDの各搭載機器との1mm以下のクリアランスを決定)に応じて、多少高くても、多少低くても、大体同じレベルと言える程度の違いがあっても良い。
凹状段部3:
円弧状に拡がる凹状段部3は、内装されるヘッドの位置の上部に相当する平坦部分9を除いて、円形な凸状段部2の、全周ではない、周囲に円弧状に拡がっている。この凹状段部3は、カバー1周辺の平坦部4とつながる円弧状の周縁(部)から前記円形な凸状段部2に向かって次第に(連続的に)下るすりばち状の斜面を有している。このすりばち状の斜面(凹部)では、図2の円周方向の断面図Aで示す通り、その径方向のごく内側(円形な凸状段部2に近接する円周方向部分)は、同じ高さの面が連続している。凹状段部3が、その円弧状の周縁において、縦壁のような落差(段差)を有して、不連続に周辺の平坦部4とつながるのではなく、このようなすりばち状の斜面を介して連続的に(漸近的に)つながることがトップカバーの剛性向上のために好ましい。
ただ、すりばち状の凹部の円弧状周縁から前記円形な凸状段部2に向かっての下り方、すなわち、径方向のすりばちの断面形状は、円周方向(円弧方向)に亙って均一な断面形状(下り方)であっても、また均一な断面形状で無くてもなくとも良い。例えば、図3は均一な断面形状の場合を示している。図3の右側のA(円形な凸状段部2の平坦部2aの中心)からA’(カバー1の平坦部4の右端側)の段部3aの半径方向の断面形状は、周縁4から前記円形な凸状段部2に向かってすりばち状に傾斜した斜面状となって平坦な段部3aにつながっている。これに対して、図3の左側のAからA”(カバー1の平坦部4の左端側)の段部3bの半径方向の断面形状も、前記図3の右側のAからA’の段部3aの半径方向の断面形状と同じとなっている。ただ、この円弧状の凹状段部3は、円周方向に亙って同じすりばち型断面形状である必要はなく、また、円周方向に亙って同じ下り方の断面形状である必要もなく、部分的に平坦な面や傾斜の違う斜面などの、異なる断面形状としても良い。
因みに、これらの剛性を高めた表面形状の設計条件は、HDD側の条件(1.8インチ、2.5インチ、3.5インチなど)によって、勿論異なるものの、段部2、3の基本的な構成や配置条件は同じである。
円弧状の凸状段部6:
本発明のカバー1の剛性を高めた表面形状(構造)の特徴は、前記円形な凸状段部2や円弧状の凹状段部3、前記周囲の平坦部4に加えて、更に、前記凹状段部3の周縁側(円弧状の周縁側)で、かつ、その円周方向(円弧方向)に亙って、円弧状の凸状段部(段差)6を複数個、互いに間隔をあけて設けたことである。図1、2の例では、円弧状の凸状段部6a、6b、6c、6d、6eの6個を、互いに間隔をあけて(互いに独立させて)設けている。
因みに、円弧状の凹状段部3は、図2の左側の平面図に点線の円Aで示す、図2の右側の円周方向の断面Aの通り、その径方向の内側(円形な凸状段部2に近接する内側部分)では、点線で示す周辺(平坦部4)の高さよりも低い、同じ高さの面が連続している。これに対して、この円弧状の凹状段部3の径方向の周縁部では、図2の左側の平面図に点線の円Bで示す、図2の右側の周方向の断面Bの通り、円弧状の凹状段部3と、例えば円弧状の凸状段部6a、6b、6cとが交互に出現する断面形状、すなわち、円弧状の凸状段部6a、6b、6c、6d、6eが互いに間隔を設けて円周方向に亙って点在する断面形状となっている。
これらの複数個の互いに独立して(間隔を開けて)点在する円弧状の凸状段部6a、6b、6c、6d、6eは、断面形状が平らな頂部8を各々有し、図2の右側の周方向の断面Bの通り、概ね台形状の断面形状を共通して有する。そして、円周方向側の各両端部7a、7bに、各々傾斜角度を有する直線状の段差(斜面)を有して、前記円弧状の凹状段部3に連なっている。また、図2の右側の周方向の断面Cの通り、円弧状の凸状段部6a、6b、6c、6d、6eは、円弧状の凹状段部3側の(内側の)平面形状が円弧状の端部7cに、各々傾斜角度を有する曲線状の段差(斜面)を有して、前記円弧状の凹状段部3に連なっている。これらの段差の設け方(傾斜角度や形状)も、成形性(成形できるか否か)との関連で、段部によって全て同じとしても、あるいは段部毎に変えるなども含めて、適宜設計できる。
この円弧状の凸状段部6の設計条件も、HDDの条件(1.8インチ、2.5インチ、3.5インチなど)によって、勿論異なる。但し、円弧状の凸状段部6の基本的な構成や配置条件は同じである。すなわち、効率よく剛性を上げるために、凹状段部3内に、円弧状の凸状段部6を設ける位置は、円形な凸状段部2の中心を中心点(円中心)とすると、これから凹状段部3の周縁部までの半径Dの1/2以上外側の周縁部側に位置させることが好ましい。
そして、円弧状の凸状段部6の各々の(個々の)円周方向の長さlは、円形な凸状段部2の中心を中心点とする中心角として、15度から90度の範囲とし、これら円弧状の凸状段部6の中心角の総和が90度から270度の範囲であることが好ましい。また、この条件を満足する、円弧状の凸状段部6の個数は2個から8個とすることが好ましい。
因みに、これら円弧状の凸状段部6を各々独立した存在とせずに、全てつなげた単一の、うずまき状(円弧状)段部とした場合には、0.5mm未満に薄肉化されたアルミニウム合金製カバーでは、剛性の向上効果が小さい。前記した従来のうずまき状(円弧状)段部を設けたカバーの剛性が小さいのはこのためである。
ここで、円弧状の凸状段部6の各半径方向の幅Wは、前記円弧状の凸状段部6の前記円形な凸状段部2の中心を中心点とする個々の半径方向の幅Wとして、前記凹状段部3の前記円形な凸状段部2の中心を中心点とする半径方向の幅Dに対する比で、0.3〜0.8の範囲であることが好ましい。
また、円弧状の凸状段部6の高さは、前記カバーの平坦部4側とは各々このカバーの平坦部4と同じレベル(高さ)でつながるようにすることが好ましい。図2の右側の円周方向の断面B、Cなどでは、周辺の高さを点線で示して、円弧状の凸状段部6の高さが、各々このカバーの平坦部4と同じレベル(高さ)であることを示している。また、図2の右下にも、図2の左側の斜線部で示す各円弧状の凸状段部6が、周辺の高さ(カバーの平坦部4)と等しいことを示している。ただ、これらの円弧状の凸状段部6の平らな頂部の高さは、カバー1の平坦部4と同じレベルで良いが、これも、厳密に、カバー1の平坦部4と同じ高さとする必要はなく、前記各縦壁5の高さに応じて、多少高くても、多少低くても、大体同じレベルと言える程度の違いがあっても良い。
このような円弧状の凸状段部6を設けることによって、0.5mm未満に薄肉化したトップカバーは、アルミニウム合金製であっても剛性が向上する。このため、0.5mm未満の領域において、0.01mm以上の薄肉化が可能となる。また、このような複数個の円弧状の凸状段部6を設けることによって、成形素材であるアルミニウム合金板などのスプリングバックが抑制されて、このようなトップカバー形状への成形性も向上するという効果も併せて有する。
HDDへの装着:
以上説明したカバー1は、図1、2に示す、各部に設けられた微小なボルト孔10を介して、前記図4のように、前記従来のカバー20と同様に、微小なボルト11によって、ベース部材21の微小なボルト孔12に係合される。また、HDDとしては、図4に示す通り、ベース部材21上には、スピンドルモータ23が設置され、その回転子(軸受け部)に、データ記録、再生用のディスク22が結合して、回転子とともに、このディスク22を回転させる。前記アクチュエータは、図示はしないが、ディスクの外郭に、旋回可能に配置されて旋回動作を行い、アクチュエータの先端の読取り/書込みヘッドおよびスライダーを、前記ディスク22上の所定の位置に移動させる。因みに、このアクチュエータへの駆動力も、図示はしないが、ボイスコイルモータ(VCM)によって提供される。
素材板:
本発明でトップカバーへ成形するのに用いる素材板は、主としてアルミニウム合金板を意図するが、同じように軽量で、成形時にスプリングバックの課題がある金属板として、マグネシウム合金薄板を用いても良い。アルミニウム合金板としては、0.5mm未満の薄板として、前記したカバー形状への成形が可能であり、プレス成形性に優れることが最も重要である。この他、強度、耐食性など、カバー用途の要求特性からすると、AA乃至JIS規格に規定される乃至含まれる、3000系、5000系、6000系などから選択されるアルミニウム合金材料が適宜選択される。ただ、これらの中でも、前記成形性の点では、5052、5056など5000系アルミニウム合金板が好適である。これらのアルミニウム合金板は、鋳造(DC鋳造法や連続鋳造法)、均質化熱処理、熱間圧延、中間焼鈍、冷間圧延、溶体化および焼入れ処理などの調質処理などの通常の各製造工程にて製造される。
図1、2に示す本発明カバー1と、比較のために、円弧状の凸状段部6を設けない図3、4に示すカバー20との剛性を、カバーの段部2に上方から荷重を負荷した際の初期剛性と最大荷重とをFEM解析にて求めた。
これらの結果、本発明カバー1は、円弧状の凸状段部6を設けない従来のカバー20に対して、初期剛性で6%、最大荷重で5%、性能を向上させることができた。これは、アルミニウム合金製カバーを、0.5mm未満の領域において、0.01mm以上薄肉化しても、従来のカバー20よりも性能が低下しないことを意味している。
ここで、本発明カバー1も従来のカバー20も共通して、板厚(肉厚)はカバー各部とも均一な0.39mmとした。素材アルミニウム合金板も、共通して5052−H32(調質)材の(引張強度:235MPa、0.2%耐力:182MPa、伸び11.8%)とした。
本発明カバー1の段部6の設計条件として、図1、2に示す通り、円弧状の凸状段部6を設ける位置は、前記半径Dの1/2以上の外側の周縁部に位置させ、5個の円弧状の凸状段部6の各円周方向の長さlの総和は前記中心角で220度とした。これら段部6の個々の長さlは、6a、6b、6c、6eは前記中心角で各々40度、6dは前記中心角で60度とした。これら段部6同士の各間隔として、狭い、段部6a、6b、6cの各同士と、6dと6e同士との間隔は前記中心角で25度とした。また、広い、段部6cと6d同士の間隔は前記中心角で40度、段部6eと6a同士の間隔は前記中心角で60度とした。更に、円弧状の凸状段部6の各径方向の幅Wは、共通して、凹状段部3の前記円形な凸状段部2の中心を中心点とする半径方向の幅Dに対する比で、0.3とした。
また、円弧状の凸状段部6a、6b、6c、6d、6eは、図2の円周方向の断面図Bで示す通り、円周方向側の各両端部7a、7bに、共通して、各々傾斜角度60度を有する直線状の段差(斜面)を有して、段部3に連なっていることとした。また、円弧状の凸状段部6a、6b、6c、6d、6eは、図2の円周方向の断面図Cで示す通り、円弧状の凹状段部3側の(内側の)平面形状が円弧状の端部7cに、各々傾斜角度を有する曲線状の段差(斜面)を有して、段部3に連なっていることとした。
ここで、前記FEM解析には汎用の有限要素法解析ソフトABAQUSを用いた。
本発明によれば、薄肉化しても剛性が低下しないアルミニウム合金製カバーであって、しかも、素材アルミニウム合金板をプレス成形しやすい剛性構造(剛性形状)のカバーを提供することができる。したがって、本発明は、0.5mm未満に更に薄肉化されたハードディスクドライブ用のアルミニウム合金製カバーに好適である。
1:カバー、2:円形な凸状段部、3:円弧状の凹状段部、4:平坦部、5:縦壁、6:円弧状の凸状段部、7:斜面、8:段部の頂部、9:ヘッド相当平坦部、10:ボルト孔、

Claims (4)

  1. ハードディスクドライブケース用トップカバーであって、その表面形状として、ハードディスクに対応する中央位置に形成された円形な凸状段部と、この円形な凸状段部の周囲に円弧状に拡がる凹状段部と、この凹状段部周囲の平坦部とを有し、更に、前記凹状段部の周縁側で、かつ、その円周方向に亙って、円弧状の凸状段部を複数個互いに間隔をあけて設け、前記円形な凸状段部がその高さが前記平坦部と同じレベルである平坦な頂部を有するとともに、前記凹状段部がその円弧状周縁から前記円形な凸状段部に向かって下るすりばち状の斜面を有しており、更に、前記円弧状の凸状段部がその高さが前記平坦部と同じレベルで、かつ、この平坦部につながる平坦な頂部を各々有することを特徴とするハードディスクドライブケース用トップカバー。
  2. 前記円弧状の凸状段部の前記円形な凸状段部の中心を中心点とする個々の中心角が15度から90度の範囲であり、これら円弧状の凸状段部の中心角の総和が90度から270度の範囲である請求項1に記載のハードディスクドライブケース用トップカバー。
  3. 前記円弧状の凸状段部の前記円形な凸状段部の中心を中心点とする個々の半径方向の幅が、前記凹状段部の前記円形な凸状段部の中心を中心点とする半径方向の幅に対する比で、0.3〜0.8の範囲である請求項1または2記載のハードディスクドライブケース用トップカバー。
  4. 前記ハードディスクドライブケース用トップカバーがアルミニウム合金薄板またはマグネシウム合金薄板を成形してなる請求項1乃至のいずれか1項に記載のハードディスクドライブケース用トップカバー。
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