JP5486069B1 - 透析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】透析液に含まれる浸透圧剤の体内吸収量を安全な範囲にまで低減させる透析装置を提供する。
【解決手段】注入カテーテル2と、半透膜容器1と、排出カテーテル3と、フィルター5と、を少なくとも有し、予め接続一体化した注入カテーテル2、半透膜容器1、排出カテーテル3のセットを患者の腹腔内に留置し、排出カテーテル3の患者の体外側の一端と、注入カテーテル2の体外側の一端との間にフィルター5を接続し、患者の腹腔内に体内細胞外液より浸透圧が高い液を充填し、患者の腹腔内に充填した前記液より浸透圧が高い膠質浸透圧剤を含む透析液を循環させ、患者の体内から排出された水分と尿毒素をフィルター5によって濾過させる構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、改良腹膜透析療法に用いる透析装置に関する。
腹膜透析の場合、所定の浸透圧を透析液に持たせることにより、限外濾過を進行させる必要がある。
しかし、透析液に浸透圧剤として添加されているグルコースや多糖類は、熱滅菌時にGDP(Glucose Degradation Products)と呼ばれる有害成分に変性し、この有害成分が、腹膜構成蛋白の架橋結合を進行させ、腹膜硬化症(EPS)の原因となる。また、透析液から体内へ吸収された大量の糖分は腎不全患者の体内の酸化ストレスによって蛋白の架橋結合を更に進行させる。
グルコース、デキストリン、デキストランなど輸液として使用されている医薬品であっても、毎日大量に腹腔より体内へ吸収される腹膜透析では、無視できない副作用が報告されている。
このような状況の下で、特許文献1では、CAPD(持続的腹膜透析療法)の逆限外濾過を防ぐ目的でグルコースを連続補充する連続体外循環装置が先行技術として開示されている。この連続体外循環装置を用いることにより、所定の除水量を達成し、グルコースの体内吸収量を従来の半分以下に軽減することができる。
特開2000−107286号公報
また、先行技術として、膠質浸透圧剤と晶質浸透圧剤とを含む透析液が、安定した限外濾過を進行できることが報告されている(酒井旭:回収アルブミンとGDP消去剤を含む低濃度グルコース透析液を用いた連続循環・連続補充方式PD透析法:第7回日本腹膜透析研究会)。膠質浸透圧剤と晶質浸透圧剤を含む透析液を用いることにより、透析液の体内吸収量を従来の40%以下まで軽減できる。
しかし、上記特許および学会報告の技術によっても依然として、透析液に含まれる浸透圧剤の体内吸収量は腹膜透過およびリンパ管吸収により、24時間あたり、数十グラムの水準にある。グルコースの代替品として欧州で試用されたアミノ酸の場合、40g/日を超える負荷でアシドーシス、血中尿毒素濃度の激増が報告されている。前述の先行技術においても 膠質浸透圧剤とアミノ酸の組み合わせが試みられたが、膠質浸透圧剤の腹膜透過・体内吸収が無視できない規模で進行するため、アミノ酸依存量が軽減されず、副作用の改善が不十分であった。
そこで本発明は、上記問題点に対処するため、透析液に含まれる浸透圧剤の体内吸収量を安全な範囲にまで低減させる透析装置を提供することを目的とする。
腹腔内に半透膜容器を設置し、当該半透膜容器に膠質浸透圧剤を収容し、晶質浸透圧剤を少量ずつ補充する構成の透析装置とした。具体的には、腹腔内に、体内細胞外液の浸透圧より高い浸透圧を有する液を充填し、半透膜容器内にはさらに高い浸透圧を持った浸透圧剤を含む透析液を収容し、当該透析液を連続的に体外循環させ、透析液から尿毒素を濾別し、過剰な水分を分離した後、晶質浸透圧剤を含む透析液を補充する構成の透析装置とした。これにより初めて、2段階式限外濾過法(第1段階:体内細胞外液から腹腔内充填液へ、第2段階:腹腔内充填液から半透膜容器内透析液へ)の開発に成功した。この方法を用いることにより、透析液に含まれる浸透圧剤の体内吸収量を安全な範囲にまで低減させることに成功した。
即ち、請求項1に係る発明は、透析液を患者の体外から半透膜容器に導く注入カテーテルと、
体内から腹膜を介して漏出してきた尿毒素分子を透過させる半透膜により構成される半透膜容器と、
透析液を当該半透膜容器から体外に導く排出カテーテルと、
患者の体内から排出された水分と尿毒素を濾過するフィルターと、を少なくとも有し、
予め接続一体化した前記注入カテーテル、前記半透膜容器、前記排出カテーテルのセットを患者の腹腔内に留置し、前記排出カテーテルの患者の体外側の一端と、前記注入カテーテルの体外側の一端との間にフィルターを接続し、患者の腹腔内に体内細胞外液より浸透圧が高い液を充填し、患者の腹腔内に充填した前記液より浸透圧が高く、前記半透膜容器を透過する低分子量分画が成分中から濾別・除去された膠質浸透圧剤を含む透析液を循環させ、患者の体内から排出された水分と尿毒素を前記フィルターによって濾過させる構成とする、透析装置とした。
また、請求項2に係る発明は、患者の腹腔内に充填した前記液に蓄積した剥離腹膜中皮細胞、析出フィブリンなどの固形異物を定期的に分離・精製するため、前記液を患者の体内から体外に導く第2排出カテーテルと、
前記液に含まれる固形異物を濾過する第2フィルターと、
前記液を患者の体内に戻す第2注入カテーテルとからなる精製回路を更に有し、
前記液を循環させ、前記液に含まれる固形異物を前記第2フィルターによって濾過させる構成とする、請求項1に記載の透析装置とした。
また、請求項3に係る発明は、前記半透膜容器に係る半透膜が、尿毒素分子は透過するがアルブミンは透過しない最大孔径を有する、請求項1又は2に記載の透析装置とした。
また、請求項4に係る発明は、前記半透膜容器が細長い円筒状の形状を呈し、注液後の外径が3cm以内であって、多層構造から成る、請求項1〜3のいずれかに記載の透析装置とした。
また、請求項5に係る発明は、前記注入カテーテル及び前記排出カテーテルの患者の腹腔内に留置される箇所に夫々、流路切り替えの三方活栓を設ける、請求項1、3、4のいずれかに記載の透析装置とした。
本発明により膠質浸透圧剤の体内吸収を防止し、晶質浸透圧剤の体内吸収を軽減し、患者の代謝能・排出能を上回ることなく、浸透圧剤を効果的に利用することが出来る。また、腹膜透過能亢進を抑制できる。また、除水不全を回避し、有害な浸透圧剤の乱用を防ぐことが出来る。その結果、腹膜硬化症(EPS)の発症を防止できる。更に腹膜透析の継続期間の延長が実現する。
本発明の一実施例である透析装置の全体的な構成を例示的に示す概念図である。 (a)〜(d)は夫々、本発明の一実施例である透析装置のアダプターの構成を例示的に示す概念図である。 本発明の一実施例である透析装置を用いた透析操作の流れを示す流れ図である。 本発明の一実施例である透析装置に付加的に用いる精製回路の全体的な構成を例示的に示す概念図である。 (a)〜(d)は夫々、本発明の一実施例である透析装置に用いる精製回路のアダプターの構成を例示的に示す概念図である。 本発明の他の実施例である透析装置の三方活栓の流路の構成を例示的に示す概念図である。 本発明の他の実施例である透析装置の三方活栓の流路の構成を例示的に示す概念図である。
本発明は、透析液を患者の体外から半透膜容器に導く注入カテーテルと、体内から腹膜を介して漏出してきた尿毒素分子を透過させる半透膜により構成される半透膜容器と、透析液を当該半透膜容器から体外に導く排出カテーテルと、患者の体内から排出された水分と尿毒素を濾過するフィルターと、を少なくとも有し、予め接続一体化した前記注入カテーテル、前記半透膜容器、前記排出カテーテルのセットを患者の腹腔内に留置し、前記排出カテーテルの患者の体外側の一端と、前記注入カテーテルの体外側の一端との間にフィルターを接続し、患者の腹腔内に体内細胞外液より浸透圧が高い液を充填し、患者の腹腔内に充填した前記液より浸透圧が高く、前記半透膜容器を透過する低分子量分画が成分中から濾別・除去された膠質浸透圧剤を含む透析液を循環させ、患者の体内から排出された水分と尿毒素を前記フィルターによって濾過させる構成の透析装置を提供することにより、透析液に含まれる浸透圧剤の体内吸収量をほぼゼロにすることができる。
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施例を詳細に説明する。ただし、この実施例に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<透析装置の構成>
図1は、本実施例における透析装置の全体的な構成を例示的に示す概念図であり、透析装置が患者の腹腔内に留置された状態を示している。透析装置は、半透膜容器1と、注入カテーテル2と、排出カテーテル3と、循環カテーテル4と、フィルター5と、薬液容器6とから主として構成されている。注入カテーテル2の一端と半透膜容器1は接続され、半透膜容器1と排出カテーテル3の一端は接続されており、半透膜容器1と注入カテーテル2と排出カテーテル3は一体化されている。
注入カテーテル2の他端にはアダプターAが設けられ、排出カテーテル3の他端にはアダプターBが設けられている。また、循環カテーテル4の一端にはアダプターCが設けられ、他端にはアダプターDが設けられている。そして、注入カテーテル2のアダプターAと循環カテーテル4のアダプターCとが接続され、排出カテーテル3のアダプターBと循環カテーテル4のアダプターDとが接続されている。なお、図1では理解のため、アダプター同士は接続されておらず、間隔を空けて示されている。
また、透析液が循環カテーテル4、注入カテーテル2、半透膜容器1、排出カテーテル3、循環カテーテル4と透析装置内で循環するように、循環カテーテル4と注入カテーテル2と半透膜容器1と排出カテーテル3とは内部で連通している。
また、循環カテーテル4の適宜の箇所に、透析装置内を循環する透析液に含まれる水分や尿毒素等を濾過するフィルター5とデキストリン等の膠質浸透圧剤や、アミノ酸混合輸液等の晶質浸透圧剤が夫々充填されている薬液容器6が設置されている。
透析装置には、まず膠質浸透圧剤を含む透析液が注液され、当該透析液を透析装置内で循環させた後、適宜、少量ずつ晶質浸透圧剤が補充される。
なお、膠質浸透圧剤として 例えば、デキストリン、デキストランと呼ばれている澱粉部分分解物などの多糖類、グルコサミンなどのムコ多糖類、蛋白、コラーゲン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヘパリン、ヒアルロン酸などを用いることが出来る。また、晶質浸透圧剤としては低分子量有機成分、例えば アミノ酸を用いることができる。晶質浸透圧剤の補充量は ポンプ(図示省略)の回転数により制御できる。また、晶質浸透圧剤の補充量は 腹膜透過能、除水量記録に基づく処方により予め設定しておく。
<半透膜容器1の構成>
半透膜容器1は、腹腔内に留置される。半透膜容器1は、所定の大きさ以下の分子またはイオンのみを透過させる半透膜により構成されており、半透膜容器1の半透膜の透過分子量は、尿毒素を透過する800ダルトンから、アルブミンを透さない50,000ダルトンの範囲が好ましい。また、半透膜容器1の形状は 腹腔内に留置する際に腹壁に大きな切開をせずに済むよう、直径1〜2cm程度のトロッカー(図示省略)内に折り畳んで挿入できる形状が望ましい。楕円形または四角形といった形状よりも、細長い円筒形のような形状、例えば小腸のような形状が好ましい。注液後のサイズは、外径2〜3cm、長さ100〜200cm程度が好ましい。内容積は、1000〜2000mlが適切である。
半透膜容器1は多層構造とし 内層及び外層の軸方向に補強糸を通し、所定の引っ張り強度を有するようにする。また円周方向へ補強糸を通し、膨張時に外径が所定のサイズを超えないようにする。
半透膜容器1の表面に析出したフィブリンの付着を防ぐ効果を有する処理を施すことが望ましい。表面処理剤の一例として、ヘパリンが挙げられるが、他の血液凝固防止効果を有する薬品も利用できる。
小腸状の半透膜容器1を用いる場合には、液充填時にラセン階段状に膨張するよう湾曲した成型を行うことが望ましい。
腹腔内に設置する半透膜容器1を透過する膠質浸透圧剤を、半透膜容器1に注入すると、当該膠質浸透圧剤が腹腔内へ漏出し、腹膜を介して体内へ吸収されてしまう。そのため予め、膠質浸透圧剤の成分中、半透膜容器1を透過する低分子量分画を濾別・除去しておくことが望ましい。濾別処理後の膠質浸透圧剤は 腹腔内に設置する半透膜容器1のカットオフポイント(最大透過分子量)以下の分子量分画を含まないので 体内吸収をほぼゼロにすることができる。
<腹腔内充填液の構成>
予め 数日間分の透析排液を回収・精製した血漿蛋白糖液濃縮液を、所定濃度に調整して、腹腔内に充填させる液を作製する。この腹腔内充填液は、後述する透析操作時に潤滑液の働きを果たす。従って、病原菌の感染を防止するため、腹腔内充填液を外気に触れさせることなく、腹腔内に充填できる密閉回路も本発明の構成因子である。
また、この腹腔内充填液にアルブミンを、血液内濃度を上回る濃度で含ませる構成とすれば、体内からのアルブミン漏出を軽減し 栄養状態の劣化を防止することができる。
浸透圧勾配は、「体内細胞外液(あるいは、血液) < 腹腔内充填液 <半透膜容器1内透析液」とする。このような浸透圧勾配とすることにより、2段階式の限外濾過(第1段階:体内細胞外液から腹腔内充填液へ、第2段階:腹腔内充填液から半透膜容器1内透析液へ)を継続的に進行させることができる。
<アダプターの構成>
図2に示すように、前記注入カテーテル2の他端に設置されたアダプターAは凹型で、排出カテーテル3の他端に設置されたアダプターBは凸型形状であり、アダプターAとBは接合可能である。循環カテーテル4の各端に設置されたアダプターC、Dは夫々、凸型、凹型形状で、アダプターCとDは接合可能である。アダプターAとCは接合可能、アダプターBとDは接合可能である。一方、アダプターA とD は接合不可能、アダプターBとCも接合不可能である。また日中は透析装置としての接続を解除し、アダプターAとBを接続し、外気からの病原菌の侵入を防止する。
<透析操作の流れ>
次に、本実施例に係る透析装置を用いた透析操作の流れについて、図3を用いて説明する。
まず、腹膜内に充填させる腹腔内充填液を作製する(ステップS301)。そして、半透膜容器1と注入カテーテル2と排出カテーテル3とを一体化したセットを腹腔内に外科手術で留置する(ステップS302)。
詳しくは、トロッカー(図示省略)2本をV字状に腹腔内へ穿刺し、右方のトロッカー内に、一列に繋がった排出用カテーテル3、半透膜容器1、注入用カテーテル2を押しこみ、排出用カテーテル3の先端の部分を、左方トロッカーを通して 体外へ引っ張り出す。
次に、注入カテーテル2及び排出カテーテル3の夫々について、腹部皮下トンネルを通して出口縫合を行う。腹腔内の病原菌の感染を防止するために行われるこの出口縫合については、周知技術であるため、説明を省略する。以上で、透析装置の腹腔側の部分が形成される。次に、注入カテーテル2のアダプターAと循環カテーテル4のアダプターCとを接続すると共に、排出カテーテル3のアダプターBと循環カテーテル4のアダプターDとを接続する(ステップS303)。
そして付帯の密閉回路(図示省略)を通じて、腹腔内に腹腔内充填液を充填する(ステップS304)。
次に、半透膜容器1内へ膠質浸透圧剤を含む透析液を注液し、膨張させる(ステップS305)。その場合、適正な腹圧になるよう、液量を調整する。そして、透析装置内で透析液を循環させ、患者の体内から排出された水分と尿毒素をフィルター5によって濾過させた後(ステップS306)、半透膜容器1内へ晶質浸透圧剤を含む透析液を注液し(ステップS307)、透析装置内で晶質浸透圧剤を含む透析液を循環させ、患者の体内から排出された水分と尿毒素をフィルター5によって濾過させる(ステップS308)。
夜間は アダプターAとCを、アダプターBとDをそれぞれ接続した状態で、連続循環・濾過の操作を透析装置で行う。朝、透析装置をはずし、アダプターAとBを接続し、日中は透析液の交換を行わず、日常生活を行う。
このように、本実施例に係る透析装置を腹腔内に留置し、当該透析装置を用いて、2段階式限外濾過法(第1段階:体内細胞外液から腹腔内充填液へ、第2段階:腹腔内充填液から半透膜容器内透析液へ)を実行することにより、透析液に含まれる浸透圧剤の体内吸収量を安全な範囲にまで低減させることができる。
<追加部品例>
排出カテーテル3のアダプターBの手前に逆行防止弁(逆止弁)を設ける構成としても良い。逆行防止弁を設ける構成とすることによって、排出カテーテル3からアダプターBを外した際の病原菌の侵入を防止することができる。
<追加部品例>
透析装置内を循環している透析液は、体温に近い水準に調整して腹腔内へ戻すことが望ましい。従って、透析液の温度を計測し、ヒーター等の加温器を用いて温める構成を透析装置に付加してもよい。
また、例えば、特許第4882545号公報に示すように、腎不全患者の体内抗酸化力補強のため、チオ硫酸ソーダなどの抗酸化剤を透析液に添加する構成としても良い。
上記実施例1では、当該透析装置を用いて、2段階式限外濾過法(第1段階:体内細胞外液から腹腔内充填液へ、第2段階:腹腔内充填液から半透膜容器内透析液へ)を実行する構成を示した。更に、本実施例では、半透膜容器に目詰りを生じさせることなく、長期間安定的に、この2段階式限外濾過法を実施可能とするため、継続的に透析を行うことにより発生する析出フィブリンや剥離腹膜中皮細胞などの固形異物を、腹腔内充填液から定期的に濾過し、体内から漏出したベータ2ミクログロブリンを除去するための精製回路を付加的に用いる構成について説明する。
<精製回路の構成>
図4は、本実施例における精製回路の全体的な構成を例示的に示す概念図であり、精製回路が患者の腹腔内に留置された状態を示している。精製回路は、注入カテーテル12と、排出カテーテル13と、循環カテーテル14と、フィルター15とから主として構成されている。
注入カテーテル12の一端と、排出カテーテル13の一端は、患者の腹腔内に留置されている。注入カテーテル12の他端にはアダプターEが設けられ、排出カテーテル13の他端にはアダプターFが設けられている。また、循環カテーテル14の一端にはアダプターGが設けられ、他端にはアダプターHが設けられている。そして、注入カテーテル12のアダプターEと循環カテーテル14のアダプターGとが接続され、排出カテーテル13のアダプターFと循環カテーテル14のアダプターHとが接続されている。なお、図4では理解のため、アダプター同士は接続されておらず、間隔を空けて示されている。
また、循環カテーテル14の適宜の箇所に、精製回路内を循環する腹腔内充填液に含まれる析出フィブリンや剥離腹膜中皮細胞などの固形異物等を濾過し、体内から漏出したベータ2ミクログロブリンを除去するフィルター15が設置されている。
<アダプターの構成>
図5に示すように、注入カテーテル12のアダプターE、循環カテーテル14のアダプターGは夫々、凸型、凹型の形状で、アダプターEとGは接合可能であり、排出カテーテル13のアダプターF、循環カテーテル14のアダプターHは夫々、凹型、凸型の形状で、アダプターFとHは接合可能である。なお、アダプターG及びFを誤って、アダプターC又はDと接合しないように アダプターG及びFと、アダプターC及びDとは、異なる形状とする。
<精製操作の流れ>
析出フィブリンの発生は患者の個人差が大きいが、1〜4週間に1回 腹腔内充填液中に蓄積した析出フィブリンを濾別し、ベータ2ミクログロブリンを除去するため、アダプターEとGを アダプターFとHを接続し、精製回路内で腹腔内充填液を数時間循環させる。終了後 アダプターEとFを接続し、外気からの病原菌の侵入を防止する。なお、精製操作中は、図4に示すようにアダプターA とBを接続し、透析回路は密閉状態を維持する。また、ここで透析回路とは、上述した透析装置の構成要素のうち、分岐部に接続されている薬液容器6などを除いた、透析液が循環する流路を指す。
このように、継続的に透析を行うことにより発生する析出フィブリンや剥離腹膜中皮細胞などの固形異物を、腹腔内充填液から定期的に濾過し、体内から漏出したベータ2ミクログロブリンを除去するための精製回路を付加的に用いることによって、透析装置の半透膜容器1に目詰りを生じさせることなく、長期間安定的に、この2段階式限外濾過法を実施可能となる。
<共用カテーテル案>
本実施例では、腹腔内充填液中に蓄積した析出フィブリンを濾別し、ベータ2ミクログロブリンを除去するため、透析装置の注入カテーテル2及び排出カテーテル3とは別に、2本のカテーテル(注入カテーテル12、排出カテーテル13)を用いる精製回路の構成を示したが、この構成に限定されるものではない。
透析装置の注入カテーテル2及び排出カテーテル3の腹腔内半透膜容器1との接続部分の近傍に三方活栓16を設ける。この三方活栓16を操作し、透析液循環時には図6のような流路とし、腹腔内充填液の精製時には図7のような流路とする。このような三方活栓16の120度回転による流路の操作は 体外から電磁波、磁力などによる遠隔でおこなう。このように共用カテーテルを用いることにより、4本のカテーテルを用いる必要を解消できる。
腹腔内充填液中に蓄積した析出フィブリンの濾別、ベータ2ミクログロブリンの除去に先立ち、透析回路内の透析液を体外へ排出させ、透析回路に電解質塩溶液を注液させた後、三方活栓16を図7に示すような流路に切り替え、腹腔内充填液を体外へ排出し、析出フィブリン、剥離中皮細胞などの固形異物を濾別し、ベータ2ミクログロブリンを除去する。
1:半透膜容器、2:注入カテーテル、3:排出カテーテル、4:循環カテーテル、5:フィルター、6:薬液容器、12:注入カテーテル、13:排出カテーテル、14:循環カテーテル、15:フィルター、16:三方活栓
A、B、C、D、E、F、G、H:アダプター

Claims (5)

  1. 透析液を患者の体外から半透膜容器に導く注入カテーテルと、
    体内から腹膜を介して漏出してきた尿毒素分子を透過させる半透膜により構成される半透膜容器と、
    透析液を当該半透膜容器から体外に導く排出カテーテルと、
    患者の体内から排出された水分と尿毒素を濾過するフィルターと、を少なくとも有し、
    予め接続一体化した前記注入カテーテル、前記半透膜容器、前記排出カテーテルのセットを患者の腹腔内に留置し、前記排出カテーテルの患者の体外側の一端と、前記注入カテーテルの体外側の一端との間にフィルターを接続し、患者の腹腔内に体内細胞外液より浸透圧が高い液を充填し、患者の腹腔内に充填した前記液より浸透圧が高く、前記半透膜容器を透過する低分子量分画が成分中から濾別・除去された膠質浸透圧剤を含む透析液を循環させ、患者の体内から排出された水分と尿毒素を前記フィルターによって濾過させる構成とすることを特徴とする、透析装置。
  2. 患者の腹腔内に充填した前記液に蓄積した剥離腹膜中皮細胞、析出フィブリンなどの固形異物を定期的に分離・精製するため、前記液を患者の体内から体外に導く第2排出カテーテルと、
    前記液に含まれる固形異物を濾過する第2フィルターと、
    前記液を患者の体内に戻す第2注入カテーテルとからなる精製回路を更に有し、
    前記液を循環させ、前記液に含まれる固形異物を前記第2フィルターによって濾過させる構成とすることを特徴とする、請求項1に記載の透析装置。
  3. 前記半透膜容器に係る半透膜が、尿毒素分子は透過するがアルブミンは透過しない最大孔径を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の透析装置。
  4. 前記半透膜容器が細長い円筒状の形状を呈し、注液後の外径が3cm以内であって、多層構造から成ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の透析装置。
  5. 前記注入カテーテル及び前記排出カテーテルの患者の腹腔内に留置される箇所に夫々、流路切り替えの三方活栓を設けることを特徴とする、請求項1、3、4のいずれかに記載の透析装置。

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