JP5485602B2 - 冷凍システム - Google Patents
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Description
この種の冷凍システムは、凝縮用熱変換装置の最終過程で、冷媒がPh線図で飽和液線に沿った状態で減圧して蒸発器に送られるため、従来のものに比して、仕事量が増して、冷却効率が格段に向上するという利点が得られる。
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、大きな冷却効率が期待できる配置構成を提供することにある。
この発明では、凝縮用熱変換装置の減圧冷却部が、比較的低温部の蒸発器の入口近くに接続されているため、冷却効率が向上する。
前記冷凍システムが車載の冷凍システムであって、前記蒸発器及び前記減圧冷却部が、車両のキャビン内に配置されていてもよい。
前記冷凍システムが室内を空調する冷凍システムであって、前記蒸発器及び前記減圧冷却部が、室内ユニットに配置されていてもよい。
前記冷凍システムが冷蔵庫、冷凍庫、或いはショーケースの庫内を冷却する冷凍システムであって、前記蒸発器及び前記減圧冷却部が、前記庫内に配置されていてもよい。
これらの発明では、減圧冷却部が、例えば外気温やエンジンの放熱などの熱的影響を受けにくい部位に配置されるため、減圧冷却部では、圧縮機の吸引作用等により、冷媒の加速現象が起きて、減圧、及びエンタルピ減少を伴って、液化冷媒が冷却され、従って、減圧冷却部出口では、減圧され、冷却されて低温の液体となり、減圧冷却部の冷媒は、例えば、飽和液線Lにほぼ沿った状態で変化し、大きな仕事量が得られる。
また、前記減圧液化部が、前記等圧冷却部に送風する送風機の投影面内に配置されていてもよい。これにより、冷却能力がさらに向上する。
また、減圧冷却部が、例えば外気温やエンジンの放熱などの熱的影響を受けにくい部位に配置されるため、減圧冷却部では、圧縮機の吸引作用等により、冷媒の加速現象が起きて、減圧、及びエンタルピ減少を伴って、液化冷媒が冷却され、従って、その出口では減圧され、冷却されて低温の液体となり、減圧冷却部の冷媒は、例えば、飽和液線Lにほぼ沿った状態で変化し、大きな仕事量が得られる。
図1は、本実施の形態に係る凝縮用熱変換装置30を用いた冷凍システムの冷凍サイクルの構成図である。ここで、「熱交換装置」と「熱変換装置」の用語は、区別して使用する。冷凍システムは圧縮機1とミニ熱交換装置(等圧冷却部)3と螺旋状管(減圧液化部)6と螺旋状細管(減圧冷却部)8と蒸発器11とを要素機器として備え、それらの機器を冷媒配管2、4A,4B、10、サクション管12、大短管(膨張部)5、分岐管(膨張部)7、集合管(膨張部)9によって接続し、冷媒を矢印21の方向に循環させる事によって冷凍機能が具現されている。なお、ミニ熱交換装置3、或いは後述するミニファン(送風機)3−1の「ミニ」は「小型」の意味であり、従来に比べて凝縮器が小さくできる本発明の特徴を明確にするために用いている。この冷凍システムでは、従来の冷凍システムにおける膨張弁が不要である。従来の凝縮器、及び膨張弁に相当する部分が、凝縮用熱変換装置30としてミニ熱交換装置3、冷媒配管4A,4B、大短管5、螺旋状管6、分岐管7、螺旋状細管8、及び集合管9で構成される。
ここで、キャビン23B内とは、例えばエンジンルーム23Aを仕切る仕切り板23Cよりキャビン側に位置するすべての空間を含むものとする。
この実施の形態では、少なくとも螺旋状細管(減圧冷却部)8が、短い冷媒配管10を介して、蒸発器11の入口11Aの近くに接続されている。ここで、冷媒配管10の長さは、長くても概ね1m以内が望ましく、さらに望ましくは冷媒配管10の長さが30cm以内、或いは入口11Aの直近に接続すればなお好ましい。
図1ではミニ熱交換装置3は冷媒の通るパイプに放熱ファンを設けた通常の空冷タイプを示したが、ミニ熱交換装置3はこのタイプに限らず、水冷タイプその他でもよいことは言うまでもない。従来の冷凍システムの凝縮器では圧縮機から吐出される高温・高圧ガスをほぼ全部液化するが、それに比べて本発明の凝縮用熱変換装置30のミニ熱交換装置3は高温・高圧ガスの一部を液化するので、非常に小型にすることが可能である。同じタイプの熱交換装置(凝縮器)を有する同じ冷却能力の冷凍システムで比較して、本実施の形態のミニ熱交換装置は従来の凝縮器の1/10程度にすることが可能である。
なお、ミニ熱交換装置3にはミニファン3−1が備えられており、後述するように、所定の運転状態になった場合に稼働して、熱交換能力を高めることができる。
螺旋状管6は図4(b)に示すように細管を螺旋伏に巻いた形態である。その内径や巻き数は、冷凍システムの冷凍能力等、様々な仕様から決定されるが、内径で2〜150mmまで許容し、望ましくは内径2〜50mm、実質的に最も望ましくは内径3〜8mmである。例えば、フロン冷媒R134aを用いた2000cal/h程度の冷凍機の揚合、細管の内径5mm、巻き数は23巻き、螺旋の径30mmで、細管の長さは2.3mである。なお、冷媒配管2、4の内径は7.7mm、冷媒配管10およびサクション管12の内径は10.7mmである。
上記螺旋状管6内の冷媒の流速は、本冷凍システムの設計において、ミニ熱交換装置3内の流速の2倍以上の設定が望ましい。
例えば、内径D2は冷媒配管4B(又は螺旋状管6)と螺旋状細管8のいずれの内径よりも大きく設定されるのが好ましい。
例えば、2000cal/h程度の冷凍機の場合、細管の内径2.5mm、巻き数は19巻き、螺旋の径は15mmで、細管の長さは0.72mのものを2本で並列に接続して構成される。
螺旋状細管8内の冷媒は、図3に示すように、飽和液線Lに沿った状態で変化する。
この螺旋状細管8内での温度低下の主因も、螺旋状管6内での温度低下と同様に、熱エネルギである冷媒のエンタルピが速度エネルギへ変換し、エンタルピが減少し、静温度低下の現象の生起に至ったものと判断される。
すなわち、螺旋状細管8も、螺旋状管6同様に、冷媒のエンタルピを速度エネルギに変換するエネルギ変換デバイスを構成している。
上記螺旋状細管8内の冷媒の流速は、本冷凍システムの設計において、ミニ熱交換装置3内の流速の2倍以上で、螺旋状管6内の流速以上であることが望ましい。
例えば、内径D3は螺旋状細管8と冷媒配管10のいずれの内径よりも大きく設定されるのが好ましい。大短管5、螺旋状管6、分岐管7、螺旋状細管8、及び、集合管9の材質は高熱伝導率の金属、例えば銅である。
冷媒は先にフロン134a(CH2FCF3)を用いる例を示したが、用いる冷媒に制限はなく、引火に対する安全対策を行えばイソブタン(CH(CH3)3)等のノンフロン冷媒を用いることもできる。
蒸発器11では、等圧、等温膨張の吸熱により、冷媒が蒸発し(図3の点l〜点h)、これにより図3のサイクルが完了する。
第一に、この冷凍システムでは、螺旋状細管(減圧冷却部)8が、蒸発器11の入口11Aの近くに接続されると高効率であった。螺旋状細管8を配置する位置は、低温部であることが望ましく、蒸発器11の近傍は比較的低温部である。
第二に、この冷凍システムが、図2に示すように、車両23に搭載された場合には、車両のエンジンルーム23A内は、外気温やエンジンの放熱などの熱的影響を受けて、極めて高温になる。仮に、高温のエンジンルーム23A内に、螺旋状細管8が配置された場合には、エンタルピの速度エネルギへの変換により、液冷媒が冷却されるべきところ、逆に、エンジンルーム23A内の熱的影響を受けて、螺旋状細管8内におけるエンタルピ減少が少なくなり、図3に一点鎖線(点k〜点l1)で示すように、飽和液線Lよりも内側に傾いた状態で変化し、図3の例えば点l1で終端する。こうなると、仕事量がQ1からQ2に減少し、本来の冷却効率を期待できない。
本構成では、凝縮用熱変換装置30を、等圧冷却部(ミニ熱交換装置3)、減圧液化部(螺旋状管6)、及び減圧冷却部(螺旋状細管8)で構成したが、減圧液化部(螺旋状管6)は、複数の螺旋状の管を直列接続して構成してもよく、この場合、図3の点j〜点kでは、複数屈曲点を持つサイクル線となる。減圧冷却部(螺旋状細管8)も、複数の螺旋状の管を直列接続して構成してもよく、この場合、図3の点k〜点lでは、複数屈曲点を持つサイクル線となる。
一般に冷媒として用いられている代替フロンは、オゾン層の破壊はないものの、地球温暖化の原因となる物質であり、その使用量を低減できることは地球環境の保全に有効である。また、圧縮機の動力も低減でき省エネの観点からも好ましい。
また、螺旋状管6、螺旋状細管8が圧力を制限するので、膨張弁も不要となる。
従って、本発明において重要な構成要素部材である大短管5、螺旋状管6、分岐管7、螺旋状細管8、集合管9、及び、冷媒配管2、4A,4B、10、12は、用いられる金属の材質、管の長さ及び径、ピッチ及び巻き方向の各条件は、想定される運転条件で数々の試験を重ね、冷媒サイクルの各部の冷媒の温度、圧力等を測定して設定する。
(A)中温・高圧冷媒ガス、0.7MPa、40℃、(B)高圧気液冷媒(90%ガス・10%液)、0.7MPa、38℃、(C)(D)高圧気液冷媒、0.7MPa、38℃、(E)中圧冷媒液、0.5MPa、22℃、(F)中圧冷媒液、0.5MPa、21℃、(G)低圧冷媒液、0.3MPa、8℃、(H)低圧冷媒液、0.07MPa、−25℃、(I)低圧冷媒液、0.07MPa、−25℃、(J)低圧気液冷媒、0.07MPa、−25℃、(K)低圧気液冷媒、0.07MPa、−15℃となる。
この場合、図1の各部の寸法は以下の通りである。
冷媒配管2、4の内径は7.7mm(断面積は46.5mm2)、大短管5の太い部分は長さ30mm、内径10.7mm(断面積は89.9mm2)、螺旋状管6は内径5mm(断面積は19.6mm2)、長さ2.3mの細管を30mm径の螺旋状に23巻きしたものであり、分岐管7の太い部分の長さは30mm、内径は13.8mm(断面積は149.5mm2)であり、螺旋状細管8を構成する2本の細管の内径は2.5mm(1本の細管の断面積は4.9mm2で、2本合計では9.8mm2)、長さ71cmの細管を15mm径の螺旋状に19巻きしたものであり、集合管9の太い部分の長さは30mm、内径は13.8mm(断面積は149.5mm2)、冷媒配管10、及び、サクション管12の内径は10.7mm(断面積は89.9mm2)である。
等圧冷却部(冷媒配管2、4)の断面積を基準とした場合、減圧液化部(螺旋状管6)、減圧冷却部(螺旋状細管8)の順に各断面積は徐々に小さくして、減圧液化部(螺旋状管6)の断面積は40〜50%、減圧冷却部(螺旋状細管8)の断面積は20〜30%に設定することが望ましい。
大短管5、螺旋状管6、分岐管7、螺旋状細管8、及び、集合管9の材質は銅である。
従って、冷凍システムに過負荷がかかると、圧縮機1に過負荷がかかる。圧縮機1に備えられた温度センサ、あるいは圧縮機1から吐出された冷媒ガスの温度を計る温度センサが所定の温度を超えた場合には、過負荷であると制御部(図示せず)で判断し、ミニファン3−1が稼働し、ミニ熱交換装置3の冷媒液化能力を増強する。
31は壁掛け型の室内ユニット、33は室外ユニットを示し、室外ユニット33に、圧縮機1と、凝縮用熱変換装置30の一部、即ち、ミニ熱交換装置(等圧冷却部)3、螺旋状管(減圧液化部)6が配置される。また、外気温などの熱的影響を受けにくい、室内ユニット31には、凝縮用熱変換装置30の残りの一部、即ち、分岐管(膨張部)7、螺旋状細管(減圧冷却部)8、集合管(膨張部)9と、蒸発器11とが配置される。
この実施の形態では、少なくとも螺旋状細管(減圧冷却部)8が、冷媒配管10を介して、比較的低温部の蒸発器11の入口11A近くに接続される。ここで、冷媒配管10の長さは、長くても概ね1m以内が望ましく、さらに望ましくは30cm以内、或いは入口11Aの直近に接続すればなお好ましい。
室内空調用の冷凍システムでは、図示は省略したが、例えば、一台の室外ユニット33に対し、複数台の室内ユニット31が、いわゆるマルチ接続される場合がある。この場合であっても、一台の室外ユニット33に対し、圧縮機1と、凝縮用熱変換装置30の一部、即ち、ミニ熱交換装置(等圧冷却部)3、螺旋状管(減圧液化部)6が配置され、各室内ユニット31の側に、凝縮用熱変換装置30の残りの一部、即ち、分岐管(膨張部)7、螺旋状細管(減圧冷却部)8、集合管(膨張部)9と、蒸発器11とが配置される。このとき、螺旋状細管(減圧冷却部)8は、冷媒配管10を介して、低温部の各蒸発器11の入口11A近くに接続される。
なお、図6では説明の便宜上、本冷凍システムにおける主要構成要素のみを図示し、他の要素の図示を省略している。
41は冷蔵庫、43はコンデンシングユニットを示し、コンデンシングユニット43に、圧縮機1と、凝縮用熱変換装置30の一部、即ち、ミニ熱交換装置(等圧冷却部)3、螺旋状管(減圧液化部)6が配置される。
また、冷蔵庫41の庫内41Aには、凝縮用熱変換装置30の残りの一部、即ち、分岐管(膨張部)7、螺旋状細管(減圧冷却部)8、集合管(膨張部)9と、蒸発器11とが配置される。ここで、冷蔵庫41の庫内41Aとは、食品貯蔵部に限らず、冷却室41Bも含んでおり、コンデンシングユニット43以外の比較低温となるすべての空間を指し示す。44は仕切り板、45は食品載置棚、46は前扉である。
この実施の形態では、少なくとも螺旋状細管(減圧冷却部)8が、冷媒配管10を介して、低温部の蒸発器11の入口11A近くに接続される。ここで、冷媒配管10の長さは、長くても概ね1m以内が望ましく、さらに望ましくは30cm以内、或いは入口11Aの直近に接続すればなお好ましい。
この構成でも、図5の場合とほぼ同様の効果が得られる。
なお、図7では説明の便宜上、本冷凍システムにおける主要構成要素のみを図示し、他の要素の図示を省略している。
この構成でも、図5の場合とほぼ同様の効果が得られる。
この場合の形態としては、図2に示すように、車両23に搭載する場合、この螺旋状管6を、ラジエータとしてのミニ熱交換装置(等圧冷却部)3の近傍に配置すればよい。図8に示すように、ミニ熱交換装置3のミニファン3−1の投影面内であって、例えばミニ熱交換装置3よりも風上に、螺旋状管6を配置すれば、ミニファン3−1からの送風により、螺旋状管6が効率よく冷却され、さらに冷却能力が向上する。ここで、ミニファン3−1の投影面内とは、図8に示すように、送風面の投影面内を指し、この投影面内の一部に螺旋状管6が位置すれば、螺旋状管6を図示のように横配列しても、或いは縦配列(不図示)してもよく、さらには斜め配列してもよい。図5の場合には、室外ユニット33内において、また、図6の場合には、コンデンシングユニット43内において、さらに、図7の場合には、一台のコンデンシングユニット53内において、それぞれミニ熱交換装置3のミニファン3−1の投影面内であって、例えばミニ熱交換装置3よりも風上に、螺旋状管6を配置すれば、ミニファン3−1からの送風により、螺旋状管6が効率よく冷却され、冷却能力が向上する。
3 ミニ熱交換装置(等圧冷却部)
6 螺旋状管(減圧液化部)
8 螺旋状細管(減圧冷却部)
11 蒸発器
23 車両
23A エンジンルーム
23B キャビン
31 室内ユニット
33 室外ユニット
41 冷蔵庫
43 コンデンシングユニット
51 ショーケース
53 コンデンシングユニット
Claims (6)
- 圧縮機、凝縮用熱変換装置、蒸発器を備え、
前記凝縮用熱変換装置が、
前記圧縮機から吐出する高温・高圧冷媒ガスを等圧変化により冷却する等圧冷却部と、
前記等圧冷却部で一部液化した残りのガス冷媒を冷媒の加速現象によって減圧、及びエンタルピ減少を伴って液化する減圧液化部と、
前記減圧液化部を経た冷媒が螺旋状に回転しながら通過するように構成された配管を備え、前記配管を通過する冷媒を冷媒の加速現象によって減圧、及びエンタルピ減少を伴って冷却し、減圧に伴い液冷媒の一部がガス化する減圧冷却部と、を含んで構成され、
前記減圧冷却部が、前記蒸発器の入口近くに接続され、前記減圧冷却部においてガス化した冷媒が前記蒸発器へ流入する、
ことを特徴とする冷凍システム。 - 前記減圧冷却部が、前記蒸発器の入口から1m以内に接続された、ことを特徴とする請求項1に記載の冷凍システム。
- 前記冷凍システムが車載の冷凍システムであって、
前記蒸発器及び前記減圧冷却部が、車両のキャビン内に配置された、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷凍システム。 - 前記冷凍システムが室内を空調する冷凍システムであって、
前記蒸発器及び前記減圧冷却部が、室内ユニットに配置された、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷凍システム。 - 前記冷凍システムが冷蔵庫、冷凍庫、或いはショーケースの庫内を冷却する冷凍システムであって、
前記蒸発器及び前記減圧冷却部が、前記庫内に配置された、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷凍システム。 - 前記減圧液化部が、前記等圧冷却部に送風する送風機の投影面内に配置された、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の冷凍システム。
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