JP5485145B2 - 電池用リチウムバナジウムポリアニオン粉末の製造のための方法 - Google Patents

電池用リチウムバナジウムポリアニオン粉末の製造のための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5485145B2
JP5485145B2 JP2010511320A JP2010511320A JP5485145B2 JP 5485145 B2 JP5485145 B2 JP 5485145B2 JP 2010511320 A JP2010511320 A JP 2010511320A JP 2010511320 A JP2010511320 A JP 2010511320A JP 5485145 B2 JP5485145 B2 JP 5485145B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid particles
liquid
lithium
carbon
solid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010511320A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010529622A (ja
Inventor
キムブル、ジェームズ・ビー.
マオ、ジェンフア
ナンニ、エドワード・ジェイ.
ラティマー、エドワード・ジー.
Original Assignee
コノコフィリップス カンパニー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by コノコフィリップス カンパニー filed Critical コノコフィリップス カンパニー
Publication of JP2010529622A publication Critical patent/JP2010529622A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5485145B2 publication Critical patent/JP5485145B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/58Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic compounds other than oxides or hydroxides, e.g. sulfides, selenides, tellurides, halogenides or LiCoFy; of polyanionic structures, e.g. phosphates, silicates or borates
    • H01M4/5825Oxygenated metallic salts or polyanionic structures, e.g. borates, phosphates, silicates, olivines
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B25/00Phosphorus; Compounds thereof
    • C01B25/16Oxyacids of phosphorus; Salts thereof
    • C01B25/26Phosphates
    • C01B25/45Phosphates containing plural metal, or metal and ammonium
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、リチウムイオン電池の正極において使用される材料及び該材料を製造する方法に関する。
リチウムイオン電池は、高い効率、エネルギー密度、高セル電圧及び長寿命が認められ、評価されており、1990年代初期から商業的に使用されているが、常に、より少ないコストでより良い電池を製造することが要求されている。
現在のリチウムイオン電池の鍵となる成分は、正極の金属プレート上に活物質として提供されるリチウム遷移金属ポリアニオン粉末である。鉄、コバルト、マンガン、及びニッケル遷移金属の粉末が用いられており、そして、他の遷移金属が検討されている。コバルトは高性能であるが、再充電の間に破裂の可能性があるために安全でないことが証明されている。鉄は低コストであるために魅力的であるが、コバルト及びニッケルのような他の遷移金属のエネルギー密度が提供されない。バナジウムは提案されているものの、まだ商業的に用いられていない。これは恐らく、費用が高いためと他のより開発された系を超える利点を得ることがわずかしか成功していないためである。
種々のリチウム遷移金属ポリアニオン粉末を合成するために多くの方法が研究されている。それらの方法は、固相状態反応、炭素熱還元(carbon thermal reduction)、及び水素還元法を含む。しかしながら、それらの方法はそれぞれ、幾つかの問題を有している。主な問題は、a) 粒子の凝集、b) 不完全な反応、c) 出発原料中における望まない化合物の存在(existence)又は実在(presence)及び最終生成物中におけるそれらの引き続いての存在、d) 得られた材料の乏しい電気化学的性質、及びe) 高価な前駆物質及び/又は複雑なプロセスを必要とすること。
それらのリチウム遷移金属ポリアニオン粉末は、最も典型的には固体反応を用いて合成される。粒子形態である原料物質は、混合されて粒子の密接な(intimate)混合物を生じる。反応に影響させるため熱を加えた場合、固体粒子は、該混合物中の種々の粒子の中及び外への反応物質の拡散を伴う種々の表面反応を介して互いに反応する。この理由のため、所望の生成物の収率を高くするために、まず所望の粒子サイズを有する粒子を提供し、次いで、それらの粒子を混合してすみずみまで高度に分散した前駆物質との混合物を作り、高度な接触を得ることが好ましい。これを達成するため、粒子混合物は典型的に、ボールミル又は物理的混合のような方法で調製される。活物質の粒子が比較的大きいか及び/又はサイズが不均一であるという理由で、粒子間の表面接触のための表面の最適な状態が良好に達成されないことが多い。
それら上記の理由のために、電池活物質を合成するためのよりよい方法を提供することが望まれている。
Goodenoughらに対する米国特許第5,910,382(以降、「Goodenough」)は、再充電可能なリチウム電池のためのカソード物質の改良及び特に(PO4)3-のようなポリアニオンの封入を開示している。Goodenoughは、マンガン、鉄、コバルト及びニッケルを好むように思われるが、一方、Goodenoughは、バナジウムが既に開発されたコバルト、ニッケル及びマンガンを用いる系よりも安価で、また有毒な遷移金属が少ないと述べている。
Barkerらに対する米国特許第5,871,866(以降、「Barker」)は、リチウムイオン電池のカソードにおいて使用するための多くのリチウム遷移金属酸化物配合物を開示している。リチウムバナジウムホスフェート(Li3V2(PO4)3又は「LVP」)は、特に検討された例の一つである。
Barker及びGoodenoughは、それぞれ、前駆物質が混ぜ合わされて本質的に同種の粉末混合物を形成する、上記の固体反応を含む、カソード粉末を生成する方法を開示している。それぞれ、粒子接触がよい粒子を得るために、粉末の前駆物質をプレスしてペレットにすること、及び該物質の合成の間の幾つかの断続的な製粉工程を記載している。
Stokerらに対する米国特許第6,913,855(以降「Stoker」)もまた、LVPを含むリチウムイオン電池のカソードにおいて使用するためのリチウム遷移金属酸化物配合物のアレイを開示している。Stokerは、いくつかの前駆物質が溶媒中で部分的に溶解する溶媒を含むスラリー中で前駆物質を混ぜている。該スラリーは、明らかに、前駆物質の所望の分散を提供している。このスラリーは、次いで、所望の生成物を生成する反応を開始する前にスプレードライされる。Barkerのように、ぴったりと密着している反応混合物を得るための一つの選択肢は、反応の開始の前にスプレードライされた粉末をタブレットに圧縮することである。
本発明は、電池の技術の状態及び電池の製造において有用である材料を改良する。
本発明は、リチウムバナジウムホスフェート粉末を含むカーボンを製造するための改良された方法を提供する。
本発明は、好ましくは、リチウム源、五酸化バナジウム(V2O5)、ポリアニオン化合物及び還元剤を含む前駆物質を溶解及び分散して液体の溶液-懸濁液を形成する第1の工程を含む、リチウムバナジウムポリアニオン粉末を含むカーボンを製造する方法を含む。該溶液-懸濁液は、還元剤が5価状態のバナジウム(V5+)を3価状態のバナジウム(V3+)に還元し、3価のバナジウムを含む前駆物質が、リチウムバナジウムポリアニオン沈殿物を形成する、第1の温度に加熱される。沈殿物は液体から分離され、第2の温度に加熱される。該プロセスの間に、リチウムバナジウムポリアニオン粒子は、粉末を製造する第2の温度で結晶化及び炭化されるカーボン-残留物-形成物質でコーティングされる。
本発明の他の態様は、リチウム源、五酸化バナジウム(V2O5)、リン酸、還元剤及びカーボン-残留物-形成物質(CRFM)を含む前駆物質を、溶液-懸濁液を形成する溶媒中に溶解及び分散する第1の工程を含む、カーボン含有リチウムバナジウムホスフェート粉末を製造する方法を含む。溶液-懸濁液は、第1の温度に加熱されて、還元剤に5価状態のバナジウム(V5+)を3価状態のバナジウム(V3+)に還元させ、LVP粒子が合成及び沈殿される。
バナジウムの還元は、次にCRFMを酸化させ、その溶解性を低下させてLVP粒子上及び該粒子内に沈殿させるために、CRFMは少なくとも部分的に沈殿する。次いで、緩い(loose)粉末を製造するために固体を液体から分離し、次いで、該粉末を、第2のより高い温度に加熱して、Li3V2(PO4)3粒子内の高度な結晶構造の形成を推進し、また、CRFMを炭化させる。
本発明は、また或いは、リチウム源、五酸化バナジウム(V2O5)、リン酸、カーボン-残留物-形成物質及びリチウム源を溶解するために及び五酸化バナジウムの還元を起こすために選択される溶媒/還元剤を含む前駆物質を化合する(combining)第1の工程を含む、カーボン含有リチウムバナジウムホスフェート粉末を製造するための方法を含む。前駆物質は溶液-懸濁液を形成する。溶媒/還元剤は、5価のバナジウムV5+ の3価のバナジウムV3+への還元を起こす。溶液-懸濁液は、第1の温度に加熱されて、LVP粒子を合成し、同時に、CRFMが酸化され、溶液中の溶解性が低下し、結果的に、固体粒子上及び固体粒子中に沈殿する。液体及び固体は、次いで、緩い粉末を生成するために分離され、該粉末は、Li3V2(PO4)3の粒子内の高度な結晶構造の形成を推進し、また、CRFMを炭化させるために、第2のより高い温度に加熱される。
図1は、LVPを作るための本発明の方法を示すブロック図である。 図2は、LVPを作るための本発明の方法の他の態様を示すブロック図である。 図3は、LVPを作るための本発明の方法の第2の他の態様を示すブロック図である。 図4は、LVPを作るための本発明の方法の第3の他の態様を示すブロック図である。 図5は、LVPを作るための本発明の方法の第4の他の態様を示すブロック図である。 図6は、LVPを作るための本発明の方法の第5の他の態様を示すブロック図である。 図7は、本発明の方法から作られた粉末の電極電位プロフィールを示すチャートである。 図8は、本発明の方法を用いて作られた粉末の、サイクル数における容量損失を示すチャートである。
本発明は、そのさらなる利点とともに、明細書と図面の組み合わせを参照してよく理解されるであろう。
本発明は、幾つかの面又は側面を含む。本発明は電池の種々のパラメーター及び質に関するため、議論及び理解のために、本発明の材料と従来の材料又は従来方法からの材料との比較のために幾つかの定義が提供される。
ここでは、以下の用語は当該分野におけるそれらの通常の意味を有し、また、以下の定義を特に含むよう意図される。
容量(mAh/g):ある定義された電極電位窓内で、与えられた単位当たりの電極物質に貯蔵され、それから放出される電荷の量。
クーロン効率(%):放電前の状態に電極を充電するために用いられる電荷の量に対する電極物質から放電された電荷の量の比。
「カーボン-残留物-形成物質」(CRFM)は、600℃又はそれ以上の炭化温度に不活性雰囲気中で熱的に分解されたとき、実質的に炭素である残留物を形成する任意の物質である。「実質的に炭素」は、ここでは、該物質が少なくとも重量で95%の炭素であることを示す。
「炭化(Carbonization)」は、炭素含有化合物を「実質的に炭素」であるとして特徴付けられる物質に転換する方法である。
本発明は、より具体的には、微細なLVP粉末を製造するための方法に関する。微細なLVP粉末は、高電力のリチウムイオン電池のための正極材料として特に有用である。本発明において、それらの粉末の好ましい態様は、カーボンコーティング又は我々がCCLVPとして記載するカーボン含有物を有して製造される。CCLVPは、他のカソード粉末と比較して改善された効率、容量、安定性又はエネルギー損失を有すると考えられる。さらに、本発明のCCLVPで作られたリチウムイオン電池は、他のカソード粉末で作られたリチウムイオン電池と比較して改善された性能をもたらすと考えられる。
図1は、本発明の一つの態様を説明するプロセスフロー図を示す。この態様において、プロセスに必要な前駆物質は、バナジウム源、リチウム源、リン酸、CRFM、溶媒及び還元剤を含む。単一の化合物は、二以上の前駆物質として役立ててもよく、特に溶媒は還元剤として役立ててもよい。
前駆物質を化合するプロセスにおける第1の工程の前に、前駆物質が選択され調製される。例えば、五酸化バナジウムがボールミルで製粉されて小さい粒子サイズ、好ましくは30マイクロメーター未満の平均粒子サイズ、より好ましくは15マイクロメーター未満、さらにより好ましくは8マイクロメーター未満のサイズにされる。5マイクロメーター以下が最も好ましい。高純度の前駆物質が常に好ましいが、低コストの前駆物質が利用できるときは、高価な前駆物質が選択される必要はない。
CCLVP産物のために好ましい前駆物質は、バナジウム源として5価のバナジウム酸化物(V2O5)粉末、リチウム源として炭酸リチウム(Li2CO3)又は水酸化リチウム(LiOH)、及びリン酸(H3PO4)、リン酸又はポリアニオン源としてリン酸アンモニウム水和物((NH4)2HPO4)又はリン酸アンモニウム NH4H2PO4、カーボン-残留物-形成物質(CRFM)、溶媒及び還元剤である。当該分野の通常の技術者には、最終リチウムバナジウムポリアニオン産物において必要なポリアニオンの原料として用いられることができるポリアニオン含有化合物が多数あることは認識されるであろう。これらに限定されないが、CRFMの例には、石油ピッチ及び化学的プロセスのピッチ、コールタールピッチ、パルプ工業からのリグニン;及びフェノール樹脂又はそれらの組み合わせが含まれる。CRFMは、アクリロニトリル及びポリアクリロニトリルのような有機化合物の組合せ;アクリル化合物;ビニル化合物;セルロース化合物;及び糖のような炭化水素物質を含んでよい。石油及びコールタールピッチ及びNMPの反応産物が、CRFMとして特に好ましく用いられる。
溶媒は、それがいくらかの前駆物質を溶解し、また、所望の反応温度で安定であり、また、得られる産物が溶解しないように選択される。さらに、該溶媒は、好ましくは、該溶媒が、下記に記載するように、高い価のバナジウムがより低い価状態に還元されるための媒体として作用できるように高沸点を有する。好ましい溶媒は、水及びNMP(n-メチル-ピロリドン、n-メチル-2-ピロリジノン、又は1-メチル-2-ピロリドン)、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートのような高沸点の極性有機化合物を含む。適切な溶媒の他の例は、アルコール、酸、ニトリル、アミン、アミド、キノリン、及びピロリジノン等及びそれらの溶媒の混合物を含む。任意に及び好ましくは、該溶媒は、還元剤としても用いられ得る。この場合、該溶媒は、遷移金属前駆物質と反応性である。よって、溶媒/還元剤は、アルコール、炭化水素、及び炭水化物のような液体有機化合物を含み、これは適度に安全であり毒性が低い。
リン酸及び溶媒/還元剤は、上記のように、好ましくは環境条件で液体であり、水酸化リチウム及びCRFMを溶解するように選択される。溶媒/還元剤に対するCRFMの割合は、溶液-懸濁液中で形成するカーボン沈殿物の量を決定する。五酸化バナジウムは、通常、溶解して真性の溶液を形成する方法は全くないが、産物の粒子サイズは前駆体五酸化バナジウムの粒子サイズよりも小さいことが観察される。そのように、V5+ の還元が加熱の間進行することでバナジウムが連続的に該溶液に溶解すると考えられ、また、それが溶液-懸濁液として記載される。
前駆物質が混合されたとき、還元剤は、五酸化バナジウムの、5価状態 (V5+)から3価状態 (V3+)への還元を引き起こし、同時に、固体LVP粒子の溶液からの沈殿を起こし、CRFMもまた酸化され、溶液中の溶解性が減少し、結果的に、固体粒子上及び固体粒子内に沈殿する。化学量論的に、3価のバナジウムは、LVPの合成に最適である。
前駆物質、還元剤、及び溶媒を混合した後に、該混合物を、窒素、ヘリウム、アルゴン、一酸化炭素、及び二酸化炭素ガスなどのような不活性雰囲気中で溶液/懸濁液を撹拌しながら加熱する。温度は400℃未満に、好ましくは300℃以下、より好ましくは250℃以下、しかし少なくとも50℃に制御される。加熱は、前駆物質及び還元剤の反応及び所望のLVP化合物の形成を推進し、これは、実質的に、化学量論的な組成での最終産物に近い。溶媒の存在は、得られる微細な粒子が成長及び凝集することを防ぐ。それ故、所望の粒子サイズを達成するため及び粒子の凝集を制御又は制限するために、反応溶液中の固体粒子の濃度を制御することが望ましい。反応溶液中の総固体含有量は、5重量%〜70重量%である。高い理論的な生産性は、高い固体含有量によって達成されると認識されており、溶液-懸濁液における高い固体含有量についての制限要因があると想定されている。それ故、固体含有量は、溶液-懸濁液の重量の10%〜70%であることが好ましく、20重量%以上であることがより好ましい。
次の工程は、粉末の液体からの分離である。例えば、遠心分離、又はろ過のような固体-液体分離のための従来の任意の方法が、LVPを溶液から分離するために用いられることができる。前駆物質が高品質であり、最終産物に有害で有り得る不純物がほとんど含まれないか全く含まれない場合、分離は、その後の結晶化工程の間に溶媒を単に蒸発させることによって達成できる。図1に示すように、溶媒液体は、任意に、前駆物質を化合する第1の工程に再循環されてよい。固体粒子粉末の液体からの分離の後に、得られた粉末が所望の最終LVP結晶産物の極めて高い純度の化学量論的な組成を有していることから、前駆物質中の不純物は、通常、液体に残ると考えられる。この段階での物質は、緩い粉末として残り、得られた粉末がいくらかの粒子凝集を含み得るとしても、典型的な一次粒子サイズは1 μm未満である。
LVPを製造するための本発明の方法の顕著な利点は、混入物、不純物又は望ましくない物質が、最終産物中にほとんど存在していないということである。望ましくない物質のほとんどは、不純物のほとんどが溶液に溶解されて残るために、中間体固体産物を溶媒から分離するときにそれから分離される。固体状態の反応においては、前駆物質中に含まれるか又は反応の副産物として形成されるものを含む混入物、不純物又は望ましくない物質は、最終産物中に保持される可能性が高い。
本発明の一つの特別な利点は、CRFMを他の前駆物質と共に適切な割合で含むことで、二つの所望の反応をほとんど同時に起こすことができることである。還元剤は、バナジウムをV5+ からV3+ 価状態に還元し、バナジウムはCRFMを酸化し、それは溶解性が低下して、得られるLVP粒子上及び恐らく該粒子内に沈殿する。この少量の元素カーボンは、電池において使用するために極めて望まれる、LVPの改良された導電率を提供する。そのように、LVPは、カーボン含有物であるか又はCCLVPとして記載される。
CCLVPは、しかし、最終産物のために望ましい程度の結晶化度を有していない。CCLVP粉末の温度は、不活性雰囲気中で300℃より高い温度に上昇される。加熱処理の温度は、400〜1000℃であり、好ましくは500〜900℃であり、より好ましくは650〜850℃である。得られる混合物は、緩い粉末として残る。この工程での加熱は、最終産物のための所望の結晶構造を形成するための必要な条件を提供する。
得られる粒子のカーボン含有量が0.1wt%より大きくない場合、CCLVP粉末はさらなる材料なしでは電池を実施するための十分な導電率を有さないことが分かった。当該分野で周知のように、グラファイト又はカーボンブラックが用いられ得る。より好ましくは、米国特許第7,323,120及びPCT公開公報WO 2007/082217に記載されているようなカーボンコーティングが、導電率を提供するために低カーボン含有量粉末(<0.1wt%)に適用され得る。基本的に、このさらなるコーティングプロセスは、選択的な沈殿方法を用いてCRFMの溶液中に該粉末が懸濁されている間に、該粉末上にコーティングを適用することを含む。CRFMコーティングを有するCCLVPは、次いで、CRFMをカーボンに転換し、また、カーボンコーティングをCCLVP粒子に堅固に結合させるために、熱処理される。この工程での加熱温度は、500〜1000℃、好ましくは600〜900℃、より好ましくは700〜900℃である。CCLVP上及びCCLVP中におけるカーボンの量は、好ましくは0.5 wt%以上約10 wt%までであり、0.5 wt%〜約5 wt%が好ましく、1 wt%〜3 wt%が最も好ましい。
カーボンコーティングについて上述したが、本発明の好ましい態様は、追加の工程によるさらなるカーボンの提供を有することなく、好ましいカーボン含有量を有するCCLVPを作ることである。上記のように、好ましいカーボン含有量は0.5 wt%〜10 wt%であり、好ましくは0.5 wt%〜5 wt%であり、及び1 wt%〜3 wt%が最も好ましい。
ここで、本発明の幾つかのバリエーション又は態様に焦点をあてると、図2は、前駆物質が5価のバナジウム、炭酸リチウム、リン酸及びNMPであることを示している。前駆物質は、NMPが5価のバナジウムを還元し、また、沈殿物としてLVPを合成するように、約200℃〜約300℃の温度まで加熱される。液体は、水と軽い副産物を排出するプロセスを通してリサイクルされ、固体は、約350℃〜約650℃の温度まで中間加熱処理を通る。液体-固体分離は、減圧ろ過、遠心分離又は他の既知の手段のような機械的分離によって達成される。LVPのより安定な粒子サイズと形状を作るための中間熱処理の後に、米国特許第7,323,120に記載されているように、ピッチコーティング工程が選択的沈殿によって達成される。簡単に言うと、CRFMは、溶媒中に溶解されて、LVPと化合される。カーボンは、粒子上に、約1重量%〜10重量%で選択的に沈殿する。コーティングされたLVP粒子は、次いで、溶媒から分離され、粒子はカーボンコーティングを炭化するための第3の熱処理に供される。カーボンコーティングは、熱処理プロセスによって最初に安定化され、次いで、より高い温度で炭化されるか、又は、最初の安定化なしで炭化され得る。
図3において、プロセスは、中間加熱工程が省略されていること以外は図2で示したものと同様である。中間加熱工程は好ましいが、本発明の実行及びCCLVP粉末の製造のために必須ではない。
図4において、プロセスは、第1の加熱工程の後及び液体-固体分離の前に、CRFMを懸濁液-溶液に添加するという相違点を有するが、図3に示したものと同様である。この態様は、それ故、固体-液体分離工程を排除する利点を有する。
図5は、本発明の興味深い側面を示しており、ここでは、カーボン-残留物-形成物質は、実際に、5価のバナジウムによるNMP酸化-還元反応に寄与される。NMPの酸化は、水と、第1の加熱工程の後に溶液中に残り、LVP粒子が蒸発によって液体から分離される場合は蒸発しない、カーボン-産生(yielding)物質を生成する。それらのカーボン-産生物質は、LVPをコーティングするために用いられることができる。この態様において、粒子-液体分離は、カーボン-産生化合物をLVP沈殿物と共に維持するために、蒸発によって達成される。カーボン-産生物質は、LVP粒子の表面上で良好な分布を提供する。そのように、NMPからのカーボン-産生物質は、CRFMの代わりとして役立つことができる。
より好ましい取り合わせ(arrangement)と利用において、図5で述べたものは、液体の少なくとも一部又は全てがろ過又は他の機械的手段で分離され、そして、ある量の液体が固体LVPにメータドバック(metered back)されて、所望のそして制御されたレベルの粒子上のコーティングを提供する方法である。上記のように、所望の範囲は、約2%〜3%であり、より高い量のカーボン-形成物質は、酸化-還元プロセスによって作られることができる。不十分な量のカーボン-残留物-形成物質が存在する場合は、形成されたLVP粒子上での完全に制御されたコーティングプロセスを提供するために、さらなる量のCRFMが工程(d)において追加されてよい。
本発明の方法が、最適な結果のための制御のための種々の変数を用いて実行され得ることは明らかである。化学量論から、1モルのV2O5 が1.5 モルのLi2CO3及び3モルのリン酸と化合された場合に最適に近づくと考えられる。
全ての加熱処理が、典型的に及び好ましくは、例えば、所望の温度まで1分あたり5℃の温度で上昇し、所望の温度が、熱源が除去される前及び温度が自然の環境温度に戻ることを許容される前の間の所定の期間、維持されるような、制御された様式で行われることは注目されるべきである。
実施例1−9.27グラムのV2O5粉末(99.2%, Alfa Chemical)を、150 mlのNMPと共に約10分間、ボールミルし、続いて、ビーカーに移した。17.3グラムの86%のリン酸(H3PO4)を、懸濁液を連続的に撹拌しながら該ビーカーにゆっくり注いだ。次いで、連続的に撹拌しながら、5.547グラムの炭酸リチウム(Li2CO3)を該ビーカーにゆっくり加えた。得られた溶液/懸濁液は、固体の五酸化バナジウムと溶解したリン酸水素リチウムを含んだ。1.5グラムの石油ピッチを該懸濁液中に溶解した。得られた懸濁液を500 mlのステンレススチール圧力容器に移し、続いて、7.5 gのn-ブタノール(CH3(CH2)3OH)を該容器に加えた。
該懸濁液を圧力容器中で、該懸濁液を連続的に撹拌しながら250℃で3時間加熱した。該懸濁液を室温まで冷却させた。得られた固体粒子を、ろ過によって液体から分離し、次いで、減圧下で一晩、100℃で乾燥した。乾燥粉末の総重量は22.56グラムであった。
得られた粉末を50-mlのセラミックのるつぼに移し、管状炉内に置き、続いて、窒素ガス雰囲気下で以下の順序で加熱した:350℃で1時間;450℃で1時間;及び650℃で15時間。次いで、炉を室温まで冷却させ、得られた粉末を炉から回収した。回収した粉末の総重量は、20.33グラムであった。これは、実施例2及び3に記載したようなさらなる処理のための基礎物質である。実施例1の電気化学的性質は、Li-イオン電池のためのカソード物質として試験した。
実施例2−5グラムの実施例1のサンプルを、窒素ガス雰囲気下で、850℃で6時間、さらに加熱した。得られた粉末は4.91 gであり、緩い流動可能な(loose flowable)粉末として残った。実施例2のカーボン含有量及び電気化学的性質を下記の表1に示した。
実施例3−ピッチコーティング及び炭化−実施例1で製造された生成粉末をピッチでコーティングした。まず、14.4グラムの生成粉末を、キシレンに分散した。次いで、2.20グラムの石油ピッチを約2.2グラムのキシレンに溶解し、90℃に加熱した。ピッチ/キシレン溶液を粉末/キシレン懸濁液と化合し、該混合性の懸濁液を連続的に撹拌しながら140℃で10分間加熱した。続いて熱を除去して該懸濁液を室温に冷却させた。得られた固体粉末をろ過により分離し、100℃の減圧下で乾燥した。得られた粉末は14.8グラムであり、収量は重量でピッチの約2.8%であった。
上記ピッチコーティングされた粉末を、管状炉内に置き、窒素ガス中で以下の順序で加熱した:温度を、1℃/分の速度で250℃まで上げ(ramped up)、300℃で4時間維持し、1℃/mで400℃に上げ、400℃で2時間維持し、次いで、室温まで冷却した。この粉末を炉から取り出し、プラスチックボトル中でブレンドした。続いて、この粉末を炉に戻し、窒素雰囲気下で以下の順序で加熱した:450℃で1時間、650℃で1時間、及び850℃で6時間。得られた粉末は、緩く流動可能のままであり、さらに製粉する必要がなかった。この実施例3の電気化学的性質及びカーボン含有量を試験し、その結果を表1に示した。
カーボン含有量の分析−実施例2及び3のサンプルを、以下の様式でそれらのカーボン含有量について分析した。それぞれのサンプル1グラムを、50 mlの15 wt% 酸性水溶液 (9 wt% HCl, 3 wt% HNO3,及び3% H2SO4)に環境温度(〜22℃)で溶解した。不溶性の残渣固体をろ過により分離し、脱イオン化水で徹底的に洗浄し、減圧下で、100℃で少なくとも2時間乾燥した。得られた不溶性の粉末の重さを量り、エネルギー分散性X線蛍光分光法によって元素カーボンを決定した。
電気化学的評価−上記の実施例で製造した粉末を、以下のようにリチウムイオン電池のためのカソード物質として評価した。この粉末をコインセルのための電極に組み立て、次いで、該コインセルを下記のように試験した。
電極の製造−所望の量の粉末を、アセチレンカーボンブラック、微細なグラファイト粉末(<8μm)、及びフッ化ポリビニリデン(PVDF)溶液 (溶媒としてNMP)と混合し、スラリーを調製した。このスラリーを20-μmの厚さのアルミニウムホイル上に落とした。ホイルに塗布されたスラリーを、ホットプレート上で乾燥した。乾燥した固体フィルムは、2%のカーボンブラック、4%のグラファイト、4%のPVDF、及び90%のLi3V2(PO4)3 粉末を含んだ。該フィルムを5 cm片に裁ち、該固体フィルムが約2.0 g/ccの密度になるように、水力式ローリングプレスによって押した。固体フィルムの厚さ又はマスローディング(mass loading)は、約6 mg/cm2に制御した。しかしながら、該サンプルが、実施例3よりも導電性が低いと考えられるため、実施例1及び2のサンプルを試験するための電極組成は85 wt%の活物質、5 wt%のカーボンブラック、5%のグラファイト、及び5%のPVDFであった。
電気化学的試験−直径1.41 cmのディスクを、プレスされたフィルムから打ち抜き、リチウム金属を負極として備える標準コインセル(サイズCR2025)における正極として用いた。コインセルに用いたセパレーターは、ガラスマット(glass matt)(Watman(登録商標)ガラスマイクロファイバーフィルター、GF/B)であり、電解質は混合溶媒(40%のエチレンカーボネート、30%のメチルカーボネート、及び30%のジエチルカーボネート)中1 M LiPF6 であった。試験スキームは以下の通りである。それぞれのセルを、セル電圧が4.2ボルトに達するまで、0.5 mA(〜50 mA/g)の定電流で充電し、4.2ボルトで、1時間又は電流が0.03 mA以下に低下するまで、さらに充電した。次いで、セルを、セル電圧が3.0ボルトに達するまで、0.5 mAの定電流で放電した。サイクルの間の材料の安定性を測定するため、充電/放電サイクルを繰返した。材料の容量は、放電の間に通過した電気的チャージに基づいて算出し、一方、クーロン効率は、充電時の容量に対する放電容量の割合に基づいて算出した。全ての試験は、電気化学的試験装置(Arbin Model BT-2043)を用いて行った。全ての実験は、室温(〜22℃)で行った。
実施例1、2及び3で作製された粉末について、第1サイクルと第10サイクルの容量とクーロン効率の比較を表1に示す。実施例2及び3のサンプルのカーボン含有量は表1に記載した。
比較例−この例は、V2O5の代わりにV2O3 粉末をバナジウム源として用いた。さらに、この例にはブタノールを加えなかった。反応工程前の固体粒子粉末を、液体を蒸発させることによって懸濁液から分離した。残りの工程は、実施例1と同様であった。
表1におけるデータは、第1サイクルの容量及びクーロン効率の面で、実施例1のLi3V2(PO4)3 粉末が比較例のものより優れていることを明らかに示している。実施例2のサンプルについて示したように、それが約3.3%の元素カーボンを含むことは注目される。反応温度が650℃〜850℃に上昇されたとき、該物質の容量は著しく上昇した。しかしながら、実施例3について示したように、ピッチコーティング及び続く炭化は、容量を上昇させなかった。表1のカラム1及び3における容量は、総重量に基づき、最後のカラムに与えられた容量は、Li3V2(PO4)3 のみ(総重量引くカーボン含有量)に基づく。実施例2及び3の何れのサンプルの容量も、理論値131.5 mAh/gに極めて近く、ピッチコーティングは、容量にほとんど影響しないことがわかる。
Figure 0005485145
3サンプルの第1のサイクルにおける充電及び放電の間の電極電位プロフィールの比較のために、図7に言及する。全ての電位プロフィールは、Li3V2(PO4)3 材料の典型的な特徴:それぞれ、Liに対して〜3.6、3.7及び4.1ボルトでの3つのプラトーを示している。しかしながら、3つのサンプルの間で、充電と放電の曲線の間でプラトーの長さとヒステリシスにおいて幾つかの相違がある。実施例2は、他の二つよりも長いプラトーと少ないヒステリシスを示しており、該物質が他のものよりも可逆的であることを示している。
表1に示したように、実施例1〜3の材料の容量は、第10サイクルの後にわずかに上昇した。図8は、異なるサイクルでのそれらのサンプルの容量を示している。全ての粉末が、10サイクル以内で容量の損失がないことを示した。
従って、本発明に従った方法が、Li-イオン電池のためのカソード物質として優れた電気化学的性質を示す炭素含有Li3V2(PO4)3 粉末を与えることが例証されている。この新規の方法は、単純であり、また、それは、高価な前駆物質の使用が最も少ない。該方法の有用性は、緩い流動可能な粉末の合成のみではなく、得られた物質の優れた機能性にも反映されている。さらにその上、本発明の方法は、リチウムイオン電池のカソードのための他のリチウム金属ポリアニオン化合物粉末を作るためにも用いられることができる。
従って、保護の範囲は、上記の記載によって限定されず、請求項によってのみ限定され、その範囲は、請求項の構成要件の全ての等価物を含む。それぞれの請求項は、本発明の態様として明細書中に組み込まれる。よって、請求項は、さらなる記載であり、本発明の好ましい態様の付記である。本願におけるいずれの参照文献の議論も、特に本願の優先日後に公開されたいずれの参照文献の議論も、それが本発明の従来技術であることを認めるものではない。

Claims (20)

  1. 微細なリチウムカソード電池粉末を製造する方法であって、以下の工程を含む方法:
    a.リチウム塩リン酸(H 3 PO 4 )及びリン酸アンモニウムの少なくとも一つ、及び五酸化バナジウム(V2O5)を含む前駆物質を、有機溶媒に分散及び溶解させて懸濁液-溶液を形成すること、ここで前記有機溶媒は還元剤である
    b.前記懸濁液-溶液を第1の上昇温度に加熱して、前記有機溶媒に、五酸化バナジウムを5+ 価状態から3+ 価状態に還元させ、同時に、リチウムバナジウムリン酸固体粒子を形成させること;及び
    c.前記固体粒子を前記液体から分離すること。
  2. 前記リチウム塩が、炭酸リチウム(Li2CO3)、水酸化リチウム(LiOH)及びそれらの組み合わせの少なくとも一つを含む、請求項に記載の方法。
  3. 前記前駆物質を化合する工程が、前記有機溶媒が高沸点の極性溶媒を含むことによってさらに特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記高沸点の極性溶媒は、代わりに名称n-メチル-ピロリドン、n-メチル-2-ピロリジノン及び1-メチル-2-ピロリドンによっても記載されるNMPである、請求項に記載の方法。
  5. 前記加熱工程が不活性雰囲気中で行われる、請求項1に記載の方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、さらに、前記固体を前記液体から分離する工程c)の後の選択的沈殿によって、粒子状の粉末をカーボン-残留物-形成物質でコーティングする工程を含み、さらに、不活性環境中で、前記リチウムバナジウムリン酸固体粒子の結晶化及び前記カーボン-残留物-形成物質コーティングの炭化に十分な温度で、前記固体粒子を第2の温度に加熱する工程を含む方法。
  7. 請求項に記載の方法であって、さらに、前記固体を前記液体から分離する工程c)の後及び前記固体粒子を前記カーボン-残留物-形成物質によりコーティングする工程の前に、前記リチウムバナジウムリン酸中で前記固体粒子のサイズ及び形状をさらに安定化するために、前記粒子状の粉末を中間温度に加熱する工程を含む方法。
  8. 工程c)において前記固体から除去された前記液体は、工程a)に再循環されて前駆物質を分散及び溶解する、請求項1に記載の方法。
  9. 前駆物質を分散及び溶解する工程a)に向けられる、前記有機溶媒からの水及び軽い副産物を分離するために、前記液体の再循環において分離工程をさらに含む、請求項に記載の方法。
  10. 前記固体粒子を前記液体から分離する工程c)が、ろ過、遠心分離又は重力分離のような機械的分離によって達成される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記固体を前記液体から分離する工程c)が、前記液体を前記固体から蒸発させることによって達成される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記固体を前記液体から分離する工程c)が、ろ過、遠心分離、又は重力分離のような機械的液体抽出の第1工程、及び、前記固体粒子を前記液体から蒸発によって分離する第2工程によって達成される、請求項1に記載の方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、前記固体粒子が、工程a)におけるNMPの酸化によって作製されたカーボン-残留物-形成物質でコーティングされ、該コーティングが前記固体粒子の1〜10重量パーセントであり、及び、前記リチウムバナジウムリン酸固体粒子の結晶化及び前記固体粒子上にコーティングされたカーボン-残留物-形成物質の炭化に十分な温度で、不活性環境中で行われる第2の加熱工程をさらに含む方法。
  14. 前記コーティングが、固体粒子の1〜3重量パーセントを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 微細なリチウムカソード電池粉末を製造する方法であって、以下の工程を含む方法:
    a.リチウム塩リン酸(H 3 PO 4 )及びリン酸アンモニウムの少なくとも一つ、還元剤及び五酸化バナジウム(V2O5)を含む前駆物質を、溶媒に分散及び溶解させて懸濁液-溶液を形成する;
    b.前記懸濁液-溶液を第1の上昇温度に加熱して、前記還元剤に、五酸化バナジウムを5+ 価状態から3+ 価状態に還元させ、同時に、リチウムバナジウムリン酸固体粒子を形成させること;
    c.前記固体粒子を前記液体から分離すること;及び
    d.前記固体粒子を前記第1の上昇温度よりも高い第2の上昇温度に加熱して、前記リチウムバナジウムリン酸固体粒子内の高度な結晶構造の形成を推進すること。
  16. 何れの加熱工程も不活性雰囲気中で行われる、請求項15に記載の方法。
  17. 微細なリチウムカソード電池粉末を製造する方法であって、以下の工程を含む方法:
    a.リチウム塩リン酸(H 3 PO 4 )及びリン酸アンモニウムの少なくとも一つ、及び五酸化バナジウム(V2O5)を含む前駆物質を、有機溶媒に分散及び溶解させて懸濁液-溶液を形成すること、ここで前記有機溶媒は還元剤である
    b.前記懸濁液-溶液を第1の上昇温度に加熱して、前記有機溶媒に、五酸化バナジウムを5+ 価状態から3+ 価状態に還元させ、同時に、リチウムバナジウムリン酸固体粒子を形成させること;
    c.前記固体粒子を前記液体から分離すること;及び
    d.前記固体粒子を前記第1の上昇温度よりも高い第2の上昇温度に加熱して、前記カーボンを含有するリチウムバナジウムリン酸固体粒子内の高度な結晶構造の形成を推進すること。
  18. 請求項17に記載の方法であって、前記固体を前記液体から分離する工程c)が、ろ過、遠心分離、又は重力分離のような機械的液体抽出の第1工程、及び、前記固体粒子を前記第2の温度に加熱する前に、前記固体粒子を前記液体から蒸発によって分離する第2工程によって達成される方法。
  19. 請求項18に記載の方法であって、前記固体粒子が工程b)におけるNMPの酸化によって作製されたカーボン-残留物-形成-物質でコーティングされ、該コーティングが前記固体粒子の1〜10重量パーセントであり、及び、前記第2の加熱工程が、前記固体粒子上にコーティングされたカーボン-残留物-形成物質の炭化に十分な温度で、不活性環境中で行われる方法。
  20. 前記コーティングが、前記固体粒子の1〜3重量パーセントを含む、請求項19に記載の方法。
JP2010511320A 2007-06-08 2008-06-05 電池用リチウムバナジウムポリアニオン粉末の製造のための方法 Expired - Fee Related JP5485145B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US93386607P 2007-06-08 2007-06-08
US60/933,866 2007-06-08
US12/024,038 2008-01-31
US12/024,038 US20080305256A1 (en) 2007-06-08 2008-01-31 Method for producing lithium vanadium polyanion powders for batteries
PCT/US2008/065896 WO2008154282A1 (en) 2007-06-08 2008-06-05 Method for producing lithium vanadium polyanion powders for batteries

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010529622A JP2010529622A (ja) 2010-08-26
JP5485145B2 true JP5485145B2 (ja) 2014-05-07

Family

ID=40096127

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010511320A Expired - Fee Related JP5485145B2 (ja) 2007-06-08 2008-06-05 電池用リチウムバナジウムポリアニオン粉末の製造のための方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20080305256A1 (ja)
EP (1) EP2156490A4 (ja)
JP (1) JP5485145B2 (ja)
KR (1) KR20100031729A (ja)
CN (1) CN101720517B (ja)
CA (1) CA2689096A1 (ja)
TW (1) TW200903888A (ja)
WO (1) WO2008154282A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080303004A1 (en) * 2007-06-08 2008-12-11 Conocophillips Company Method for producing lithium transition metal polyanion powders for batteries
US20100154206A1 (en) * 2008-12-19 2010-06-24 Conocophillips Company Process for making composite lithium powders for batteries
SG171958A1 (en) * 2008-12-19 2011-07-28 Conocophillips Co Process for making fluorinated lithium vanadium polyanion powders for batteries
US8372540B2 (en) * 2009-04-16 2013-02-12 Valence Technology, Inc. Electrode active material for secondary electrochemical cell
TW201107242A (en) * 2009-05-27 2011-03-01 Conocophillips Co Methods of making lithium vanadium oxide powders and uses of the powders
JP5309264B2 (ja) * 2010-09-27 2013-10-09 日本化学工業株式会社 リン酸バナジウムリチウム炭素複合体の製造方法
JP5255143B2 (ja) * 2011-09-30 2013-08-07 富士重工業株式会社 正極材料、これを用いたリチウムイオン二次電池、及び正極材料の製造方法
WO2013056175A1 (en) * 2011-10-14 2013-04-18 Deeya Energy, Inc. Vanadium flow cell
RU2542721C1 (ru) * 2013-09-27 2015-02-27 Общество с ограниченной ответственностью "Научный центр "Автономные источники тока" (ООО "Научный центр "АИТ") Композитный катодный материал литий-ионного аккумулятора на основе li3v2(po4)3со структурой насикон и способ его получения
US9314800B2 (en) 2013-10-11 2016-04-19 Hestia Systems, Llc Apparatus and process for high throughput powder production
WO2016209626A1 (en) 2015-06-26 2016-12-29 A123 Systems, LLC Nanoscale pore structure cathode for high power applications and material synthesis methods
KR101736069B1 (ko) * 2015-09-21 2017-05-16 한국생산기술연구원 카본 코팅된 양극소재 복합체의 제조방법, 및 그를 포함하는 리튬이차전지의 제조방법
JP7358752B2 (ja) * 2019-03-12 2023-10-11 株式会社リコー 複合材料の製造方法
US11532811B2 (en) * 2019-03-12 2022-12-20 Ricoh Company, Ltd. Composite material, electrode, electrode device, power storage device and method of manufacturing composite material
CN111883766B (zh) * 2020-07-30 2023-05-23 西南大学 一种聚阴离子电极材料及其制备方法和应用
CN116177513A (zh) * 2022-12-08 2023-05-30 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 两段式焙烧制备磷酸钒锂锂电正极材料的方法

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6514640B1 (en) * 1996-04-23 2003-02-04 Board Of Regents, The University Of Texas System Cathode materials for secondary (rechargeable) lithium batteries
US5910382A (en) * 1996-04-23 1999-06-08 Board Of Regents, University Of Texas Systems Cathode materials for secondary (rechargeable) lithium batteries
US6447951B1 (en) * 1996-09-23 2002-09-10 Valence Technology, Inc. Lithium based phosphates, method of preparation, and uses thereof
US6203946B1 (en) * 1998-12-03 2001-03-20 Valence Technology, Inc. Lithium-containing phosphates, method of preparation, and uses thereof
US5871866A (en) * 1996-09-23 1999-02-16 Valence Technology, Inc. Lithium-containing phosphates, method of preparation, and use thereof
EP1052713B1 (en) * 1998-12-02 2008-05-28 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Non-aqueous electrolyte secondary cell and its charging method
CA2270771A1 (fr) * 1999-04-30 2000-10-30 Hydro-Quebec Nouveaux materiaux d'electrode presentant une conductivite de surface elevee
US7001690B2 (en) * 2000-01-18 2006-02-21 Valence Technology, Inc. Lithium-based active materials and preparation thereof
US6528033B1 (en) * 2000-01-18 2003-03-04 Valence Technology, Inc. Method of making lithium-containing materials
CA2320661A1 (fr) * 2000-09-26 2002-03-26 Hydro-Quebec Nouveau procede de synthese de materiaux limpo4 a structure olivine
US6645452B1 (en) * 2000-11-28 2003-11-11 Valence Technology, Inc. Methods of making lithium metal cathode active materials
US20030160215A1 (en) * 2002-01-31 2003-08-28 Zhenhua Mao Coated carbonaceous particles particularly useful as electrode materials in electrical storage cells, and methods of making the same
US6913855B2 (en) * 2002-07-22 2005-07-05 Valence Technology, Inc. Method of synthesizing electrochemically active materials from a slurry of precursors
DE10353266B4 (de) * 2003-11-14 2013-02-21 Süd-Chemie Ip Gmbh & Co. Kg Lithiumeisenphosphat, Verfahren zu seiner Herstellung und seine Verwendung als Elektrodenmaterial
JP4651960B2 (ja) * 2004-03-23 2011-03-16 住友大阪セメント株式会社 リチウム電池用正極活物質の製造方法とリチウム電池用正極活物質及びリチウム電池用正極材料並びにリチウム電池
US7338647B2 (en) * 2004-05-20 2008-03-04 Valence Technology, Inc. Synthesis of cathode active materials
FR2876998B1 (fr) * 2004-10-22 2007-01-19 Batscap Sa Procede de preparation de gamma-liv205
KR101264459B1 (ko) * 2005-06-29 2013-05-14 썽뜨르 나쇼날르 드 라 르쉐르쉐 씨엉띠삐끄 결정성 나노메트릭 LiFePO₄
KR20070096063A (ko) * 2005-11-21 2007-10-02 김재국 폴리올 프로세스를 이용한 전극재료 및 그 합성방법
JP5174803B2 (ja) * 2006-04-06 2013-04-03 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー リチウム二次電池用のリチウム金属リン酸塩正極物質のナノ粒子の合成

Also Published As

Publication number Publication date
WO2008154282A1 (en) 2008-12-18
CN101720517A (zh) 2010-06-02
EP2156490A1 (en) 2010-02-24
EP2156490A4 (en) 2011-08-17
US20080305256A1 (en) 2008-12-11
JP2010529622A (ja) 2010-08-26
CN101720517B (zh) 2013-07-17
TW200903888A (en) 2009-01-16
KR20100031729A (ko) 2010-03-24
CA2689096A1 (en) 2008-12-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5485145B2 (ja) 電池用リチウムバナジウムポリアニオン粉末の製造のための方法
EP2435369B1 (en) Methods of making lithium vanadium oxide powders and uses of the powders
JP4829557B2 (ja) リチウム鉄複合酸化物の製造方法
EP1325525B1 (fr) Procede de synthese de materiaux redox enrobes de carbone a taille controlee
CN102257660B (zh) 电池用氟化锂钒聚阴离子粉末的制备方法
KR101331916B1 (ko) 리튬 보레이트계 화합물의 제조 방법, 리튬 이온 2차 전지용 정극 활물질, 리튬 이온 2차 전지용 정극 및 리튬 이온 2차 전지
US20080303004A1 (en) Method for producing lithium transition metal polyanion powders for batteries
US20240300822A1 (en) Method of producing in-situ carbon coated lithium iron phosphate cathode material for lithium-ion batteries and the product thereof
US20100154206A1 (en) Process for making composite lithium powders for batteries
JP2018041683A (ja) オリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法
WO2010018862A1 (ja) リチウム二次電池用正極活物質の製造法、正極活物質及びリチウム二次電池
JP7144785B2 (ja) リン酸バナジウムリチウムの製造方法
KR20170003957A (ko) 탄소-코팅된 리튬 전이 금속 포스페이트의 제조 방법 및 그의 용도

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121127

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130415

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130422

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5485145

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees