JP5485096B2 - シガレットホルダー - Google Patents

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Description

本発明は、紙巻たばこ(シガレット)を取り付けるシガレットホルダーに関するものであり、喫煙者の好みに応じて、吸引するたばこの煙の濃度を簡単に変えることができるうえ、たばこの煙に付加される好みの味や香りの濃さも変化できるものである。
たばこ、特に一般に流通されている紙巻たばこ(シガレット)を取り付けるシガレットホルダーについては、その内部にフィルターカートリッジを収容できるもの(例えば特許文献1参照)や、フレーバーチップを収容できるものが知られている。このようなシガレットホルダーにたばこを取り付けることで、煙中の特定成分の除去や煙の濃度の変化によってたばこの味や香りを変えたり、好みの味や香りを付加したりすることが手軽に行えるようになる。
実開昭58−10699号公報
ところで、たばこの煙に好みの味や香りを付加するフレーバーチップは様々な種類のものが上市されており、幅広い選択肢があるものの、1つのフレーバーチップから付加することができる味や香りの濃さは、通常、所定の範囲に限定されており、喫煙者の多様な要望を十分満足しているとはいえなかった。また、煙の濃度を変化させる場合は、シガレットホルダーに収容したフィルターカートリッジの変更による場合が多いが、煙の濃度を変えるには別のフィルターカートリッジに交換しなければならず、面倒な作業を伴ううえ、予め複数種のフィルターカートリッジを準備しておく必要があった。さらに、使用によってシガレットホルダーの内部が汚れることが避けられないことから、簡単に分解し、組み立てできることが必要であり、それ故、構成も簡易であることも求められていた。
本発明の課題は、たばこを取り付けるシガレットホルダーに関し、喫煙者の好みに応じて、たばこの煙に付加される好みの味や香りの濃さを変化させることができるうえ、吸引するたばこの煙の濃度も簡単に変えることができて使い勝手が良く、しかも複雑な構成を伴うことがない新たなシガレットホルダーを提案するところにある。
本発明は、たばこを保持する保持部を有し、該保持部と連結する周壁の内側をたばこの煙導入路とするホルダー本体と、該煙導入路からの煙をその内側に設けた吸引路を通して吸引するマウスピースとを備えるシガレットホルダーにおいて、
前記ホルダー本体と前記マウスピースとの相互間に、前記ホルダー本体を保持する第1コネクターと、該第1コネクターを保持して前記マウスピースと連結する第2コネクターとを配置し、
前記第1コネクターに、前記周壁を取り囲み前記ホルダー本体を回転可能に保持する第1外筒と、前記煙導入路と連結し該ホルダー本体の回転によって外界と該煙導入路とを連通、非連通に切り換える外気導入路を設け、
前記第2コネクターに、前記第1外筒を取り囲み前記第1コネクターを回転可能に保持する第2外筒と、たばこの煙に味や香りを付加するフレーバーチップを収容するとともに前記吸引路と連結するフレーバーチップ収容部と、前記煙導入路及び前記吸引路とを相互に連結する連結路とを設け、
該連結路は、前記外気導入路を経由した煙導入路からの煙を常時吸引路に導入するバイパス経路と、前記第1コネクターの回転によって前記煙導入路と前記フレーバーチップ収容部とを連通、非連通に切り換え可能とするフレーバー経路とからなることを特徴とするシガレットホルダーである。
前記第1コネクターは、前記第2コネクターのフレーバー収納部に向けて延びる棒状部材を有し、前記第2コネクターは、前記棒状部材を取り囲む筒状部材を備え、
前記フレーバー経路を、前記棒状部材の外周面に設けた棒状部材溝部と、前記筒状部材の内周面に設けた筒状部材溝部とで形成することが望ましい。
前記棒状部材溝部は、前記棒状部材の外周面の周りに沿い間隔をおいて設けられた複数本からなり、前記筒状部材溝部は、前記筒状部材の内周面の周りに沿い間隔をおいて設けられ、前記第1コネクターの回転角度に応じて前記棒状部材溝部との連通本数の変更を可能とした溝配列にすることが望ましい。
前記棒状部材の先端に、前記フレーバーチップの外皮を突き破って前記煙導入路からの煙をフレーバーチップに導通させる穿孔体を設けることが望ましい。
たばこを保持してその内側を煙導入路とするホルダー本体と、煙導入路からの煙をその内側に設けた吸引路を通して吸引可能とするマウスピースとの相互間に、ホルダー本体を回転可能に保持する第1コネクターと、第1コネクターを回転可能に保持してマウスピースと連結する第2コネクターとを配置し、第1コネクターに、煙導入路と連結し該ホルダー本体の回転によって外界と該煙導入路との連通、非連通を切り換える外気導入路を設け、第2コネクターに、フレーバーチップを収容し吸引路と連結するフレーバーチップ収容部と、煙導入路及び吸引路とを相互に連結する連結路とを設け、連結路を、外気導入路を経由した煙導入路からの煙を常時吸引路に導入するバイパス経路と、煙導入路からの煙をフレーバーチップ収容部に導入するフレーバー経路とで形成し、第1コネクターの回転によってフレーバー経路の連通、非連通を切り換えるようにしたので、吸引するたばこの煙の濃度を簡単に変えることができ、また、たばこの煙に付加される好みの味や香りの濃さも変化させることが可能となる。さらに、各部材を軸線方向に順に挿入するだけで組み立てが完了するようにしたので、複雑な構造を伴うことがないうえ、分解、組み立ても容易となる。
第1コネクターに、第2コネクターのフレーバー収納部に向けて延びる棒状部材を形成し、前記第2コネクターに、この棒状部材を取り囲む筒状部材を設け、フレーバー経路を、棒状部材に設けた棒状部材溝部と、筒状部材に設けた筒状部材溝部とで形成する場合は、フレーバー経路の構成を簡略化することができる。
棒状部材溝部を、棒状部材の外周面の周りに沿い間隔をおいて設けられた複数本で構成し、筒状部材溝部を、第1コネクターの回転角度に応じて棒状部材溝部との連通本数の変更を可能とした溝配列にする場合には、第1コネクターの回転角度の違いによってたばこの煙に付加される好みの味や香りの濃さを多段階に変化させることが可能となる。
棒状部材の先端に、フレーバーチップの外皮を突き破って煙導入路からの煙をフレーバーチップに導通させる穿孔体を設ける場合は、フレーバーチップを密閉する外皮を残したままシガレットホルダーに取り付けることができるので、使い勝手が向上する。
本発明に従うシガレットホルダーの実施の形態を示す断面図である。 図1に示すシガレットホルダーの外筒溝部と周壁溝部の関係を示す図であり、(a)は、外筒溝部と周壁溝部がずれた状態を示すA−A断面図であり、(b)は、ホルダー本体の軸線に沿って外筒溝部と周壁溝部を平面展開で示した図である。 図2の状態からホルダー本体を回転させて外筒溝部と周壁溝部が合わさった状態を示す図であり、(a)は、外筒溝部と周壁溝部が合わさった状態を示すA−A断面図であり、(b)は、ホルダー本体の軸線に沿って外筒溝部と周壁溝部を平面展開で示した図である。 図2に示す外筒溝部と周壁溝部の変形例であり、外筒溝部と周壁溝部が6箇所で連通する状態を示すA−A断面図である。 図4の状態からホルダー本体を回転させて外筒溝部と周壁溝部が3箇所で連通する状態を示すA−A断面図である。 図5の状態からホルダー本体を回転させて、外筒溝部と周壁溝部が不一致となる状態を示すA−A断面図である。 図1に示すシガレットホルダーの棒状部材溝部と筒状部材溝部の関係を示す図であり、(a)は、棒状部材溝部と筒状部材溝部がずれた状態を示すB−B断面図であり、(b)は、棒状部材溝部と筒状部材溝部が合わさった状態を示すB−B断面図である。 図7に示す棒状部材溝部と筒状部材溝部の変形例であり、(a)は、棒状部材溝部と筒状部材溝部が6箇所で連通する状態を示すB−B断面図であり、(b)は、(a)の状態から第1コネクターを回転させて棒状部材溝部と筒状部材溝部が3箇所で連通する状態を示すB−B断面図であり、(c)は、(b)の状態から第1コネクターを回転させて棒状部材溝部と筒状部材溝部が不一致となる状態を示すB−B断面図である。 本発明に従うシガレットホルダーの他の実施の形態を示す断面図である。 図9に示す、穿孔体の斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明に従うシガレットホルダーの実施の形態を示す断面図である。図2は、図1に示すシガレットホルダーの外筒溝部と周壁溝部の関係を示す図であって、(a)は、外筒溝部と周壁溝部がずれた状態を示すA−A断面図であり、(b)は、ホルダー本体の軸線に沿って外筒溝部と周壁溝部を平面展開で示した図である。図3は、図2の状態からホルダー本体を回転(ホルダー本体からマウスピースに向かって見た場合に、ホルダー本体を反時計回りに回転)させて外筒溝部と周壁溝部が合わさった状態を示す図であり、(a)は、外筒溝部と周壁溝部が合わさった状態を示すA−A断面図であり、(b)は、ホルダー本体の軸線に沿って外筒溝部と周壁溝部を平面展開で示した図である。
図1において、1はホルダー本体である。ホルダー本体1は、円筒状の保持部1aを備えており、保持部1aは一端側の穴からたばこ(シガレット)Cを挿入させてこれを保持することができる。また保持部1aの他端側には有底筒状の周壁1bが連結しており、その底部には、表裏を貫通する孔1cが開孔している。さらに周壁1bの底部には、保持部1aとは反対側に突出するとともに周方向に分断された形状となるスリット付きの筒体1dが設けられている。このとき、周壁1bの内側の空間から孔1cを経てスリット付きの筒体1dに至るまでの経路は、たばこの煙が通る煙導入路となっている。そして周壁1bの外周面には、少なくとも1つの周壁溝部1eが設けられており(図2(b)参照)、この周壁溝部1eは、周壁1bの底部からホルダー本体1の軸線Mに沿って延び、その終端1eは周壁1bの中間部に至っている(図1の拡大図参照)。
2は、ホルダー本体1と連結する第1コネクターである。第1コネクター2は、周壁1bを取り囲む有底筒状の第1外筒2aを備えており、ホルダー本体1を、軸線Mを中心として回転可能に保持している。このとき図1の拡大図に示すように、周壁1bの外周面及び第1外筒2aの内周面の少なくとも一方に、各周面に沿う凸部tを設ける場合には、周壁1bと第1外筒2aの相互間を気密に保持することができるとともに、ホルダー本体1を回転させる際の抵抗を抑えることが可能となる。第1外筒2aの内周面には、少なくとも1つの外筒溝部2bが設けられていて(図2(b)参照)、この外筒溝部2bは、第1外筒2aの口部から軸線Mに沿って延びており、その終端2bは、周壁溝部1eの終端1eを越えて第1外筒2aの中間部に達している(図1の拡大図参照)。また第1外筒2aの底部には、軸線Mを中心としてホルダー本体1とは反対側に延びる円柱状の棒状部材2cと、この棒状部材2cを取り囲む環状筒体2dが設けられており、さらに棒状部材2cと環状筒体2dの相互間に位置する部位には、この底壁を表裏に貫通する孔2eが開孔し、環状筒体2dの半径方向外側に位置する部位には、この底壁を表裏に貫通する孔2fが開孔している。そして棒状部材2cの外周面には、少なくとも1つの棒状部材溝部2cが設けられており、この棒状部材溝部2cは、棒状部材2cの先端から軸線Mに沿って延び、その終端2cは棒状部材2cの中間部に至っている。
3は、第1コネクター2と連結する第2コネクターである。第2コネクター3は、第1外筒2aを取り囲む有底筒状の第2外筒3aを備えており、第1コネクター2を、軸線Mを中心として回転可能に保持している。ここで図1の拡大図に示すように、第1外筒2aの外周面及び第2外筒3aの内周面の少なくとも一方に、各周面に沿う凸部tを設ける場合には、第1外筒2aと第2外筒3aの相互間を気密に保持することができるとともに、第1外筒2aを回転させる際の抵抗を抑えることが可能となる。また第2外筒3aの底部には、軸線Mを中心とする開口3bが形成されており、開口3bの縁部には第1コネクター2とは反対側に延びる環状体3cが設けられている。環状体3cは第2外筒3aよりも径が若干小さくなっていて、第2外筒3aの外表面との間で段差を形成している。さらに環状体3cの内側には、第1コネクター2側が小径で第1コネクター2と反対側が大径となる段付の筒状部材3dが備えられており、環状体3cと筒状部材3dは、環状体3cの周方向に沿って間隔をおいて配置されるリブ3eによって連結していて、リブ3eの相互間には隙間が形成されている。そして、筒状部材3dの第1コネクター2側の小径筒体3dは、その内側に棒状部材2cを挿入するととともに、その外側が環状筒体2dによって取り囲まれている。この時、孔2fから環状筒体2dと環状体3cとの相互間に形成される空間を経て、リブ3eの隙間に至るまでの経路(バイパス経路)は、常時開放された状態となっている。一方、第1コネクター2と反対側の大径筒体3dは、その内側の内部空間がフレーバーチップFを収容するフレーバーチップ収容部3fとなっている。また、筒状部材3dの小径筒体3dの内周面には、少なくとも1つの筒状部材溝部3dが設けられていて、この筒状部材溝部3dは、小径筒体3dの第1コネクター2側の口部から軸線Mに沿って延びており、その終端3dは、棒状部材溝部2cの終端2cを超えて小径筒体3dの中間部に達している。
4は、第2コネクター3と連結するマウスピースである。マウスピース4は、両端が開口する筒体(短尺大径筒と長尺小径筒を直列に一体連結したもの)であり、一端側の開口は環状体3cが挿入されて第2コネクター3と気密につながっていて、他端側の開口はたばこの煙の吸引口4aとなっている。また、マウスピース4の内壁には、フレーバーチップFの押えとなるリブ4bがマウスピース4の内壁に沿って間隔をおいて設けられており、リブ4bの相互間は隙間が形成されている。これによりたばこの煙は、煙導入路を通り、バイパス経路を経て、リブ4bの隙間を通してマウスピース4の内側の吸引路に導入され、吸引口4aを通して吸引される。
上記の構造となるシガレットホルダーは、ホルダー本体1を第1コネクター2に対して回転させて(第1コネクター2が回転しないように保持した状態で、ホルダー本体1を回転させる)、周壁溝部1eと外筒溝部2bが合わさると、外界と煙導入路とをつなぐ外気導入路が連通する。ホルダー本体1の回転角度が図2(a)、(b)に示す状態では、周壁溝部1eと外筒溝部2bがずれていて外気導入路は連通していないので、吸引口4aにはたばこの煙が直接流れることになる。一方、ホルダー本体1を図3(a)に示す矢印の方向に回転させると、図3(a)、(b)に示すように周壁溝部1eと外筒溝部2bが合わさって外気導入路が連通し、外界からの空気を煙導入路に流れ込ませることが可能となる。これにより、たばこの煙を外気導入路からの空気とともに吸引することができるので、煙の濃度を低くすることができる。図3(a)、(b)の例では、周壁溝部1eと外筒溝部2bが完全に合わさった状態を示したが、ホルダー本体1の回転角度を変えて一部が重なるようにしてもよく、この場合は外気導入路の一部がふさがった状態となるので、図3(a)、(b)に示した場合の煙の濃度よりも高い濃度にすることができ、ホルダー本体1の回転角度の違いによりたばこの煙の濃度を変化させることが可能となる。
また、周壁溝部1eが、周壁1bの外周面の周りに沿い間隔をおいて設けられた複数本からなり、外筒溝部2bが、外筒2aの内周面の周りに沿い間隔をおいて設けられ、ホルダー本体1の回転角度に応じて周壁溝部1eとの連通本数の変更を可能とした溝配列となる場合には、ホルダー本体1の回転角度の違いによってたばこの煙の濃度を多段階に変化させることが可能となる。具体的には、図4に示すように、周壁溝部1eを、周壁1bの外周面に沿って間隔をおいて複数配置し、外筒溝部2bを、周壁溝部1eと異なる間隔で配置する。ここで異なる間隔とは、双方の溝部の間隔が、一部で共通するところがあっても周方向全体で見た場合に異なっていることをいう。図4に示す例では、外筒溝部2bを、隣り合う外筒溝部2bの角度が60度となる間隔で6個配置し、周壁溝部1eを、外筒溝部2bと同様の配置となる6個の溝に加え、このうちの1つの溝から20度ずらした溝を基準として、隣り合う溝の角度が120度となる溝を3個追加して合計9個配置した場合を示している。すなわち、図4の状態では、外気導入路が6箇所で連通しているため、吸引する際の煙の濃度は薄くなるが、図5に示すように、ホルダー本体1を矢印の方向(ホルダー本体1からマウスピース4に向かって見た場合に時計回りとなる方向)に20度回転させると、外気導入路が3箇所で連通することになり、図4の状態よりも煙の濃度を濃くすることができる。さらに図6に示すように、図5の状態からホルダー本体1をさらに回転させて(図示の例では時計回りにさらに20度回転させる)、周壁溝部1eと外筒溝部2bが不一致となる場合は、外気導入路が非連通となるので、たばこの煙が外気導入路からの空気で薄まることがなく、煙の濃度を最も濃くした状態で吸引することができる。
さらに本発明に従うシガレットホルダーは、第1コネクター2を第2コネクター3に対して回転させて(第2コネクター3が回転しないように保持した状態で、第1コネクター2を回転させる)、棒状部材2cの棒状部材溝部2cと、筒状部材3dの小径筒体3dの筒状部材溝部3dとが合わさると、孔2eから小径筒体3d、棒状部材溝部2cを経てフレーバーチップ収容部3fに至るフレーバー経路が連通する。第1コネクター2の回転角度が図7(a)に示す状態では、棒状部材溝部2cと筒状部材溝部3dがずれていてフレーバー経路は連通していないので、煙導入路を通ったたばこの煙は、バイパス経路のみを通って吸引路にながれることになる。一方、ホルダー本体1を図7(a)に示す矢印の方向に回転させると、図7(b)に示すように棒状部材溝部2cと筒状部材溝部3dが合わさってフレーバー経路が連通し、たばこの煙を、バイパス経路だけでなく、フレーバーチップFを備えるフレーバーチップ収容部3fにも導入させることが可能となる。ここで、フレーバーチップFの軸線M方向両端には、空気を透過するフィルムfが設けられているので、フレーバーチップFは、内容物をその内側に留めたまま、空気だけを通過させることができる。なお、フレーバーチップFは、図示は省略するが、使用前はフィルムfが保護カバーや隔壁等の外皮により覆われているので、保管中に味や香りを付加する機能が失われることはない。これにより、フレーバーチップ収容部3f内のフレーバーチップFを経由してたばこの煙を吸引することができるので、好みの味や香りを付加することが可能となる。図7(b)の例では、棒状部材溝部2cと筒状部材溝部3dが完全に合わさった状態を示したが、第1コネクター2の回転角度を変えて一部が重なるようにしてもよく、この場合はフレーバー経路の一部がふさがった状態となるので、図7(b)に示した場合よりも付加される味や香りの濃さを薄くすることができ、第1コネクター2の回転角度の違いによりたばこの煙の濃度を変化させることが可能となる。
そして、棒状部材溝部2cが、棒状部材2cの外周面の周りに沿い間隔をおいて設けられた複数本からなり、筒状部材溝部3dが、筒状部材3dの内周面の周りに沿い間隔をおいて設けられ、第1コネクター2の回転角度に応じて棒状部材溝部2cとの連通本数の変更を可能とした溝配列となる場合には、第1コネクター2の回転角度の違いによってたばこの煙に付加される好みの味や香りの濃さを多段階に変化させることが可能となる。具体的には、図8に示すように、棒状部材溝部2cを、棒状部材2cの外周面に沿って間隔をおいて複数配置し、筒状部材溝部3dを、棒状部材溝部2cと異なる間隔で配置する。ここで異なる間隔とは、双方の溝部の間隔が、一部で共通するところがあっても周方向全体で見た場合に異なっていることをいう。図8(a)に示す例では、筒状部材溝部3dを、隣り合う筒状部材溝部3dの角度が60度となる間隔で6個配置し、棒状部材溝部2cを、筒状部材溝部3dと同様の配置となる6個の溝に加え、このうちの1つの溝から20度ずらした溝を基準として、隣り合う溝の角度が120度となる溝を3個追加して合計9個配置した場合を示している。すなわち、図8(a)の状態では、フレーバー経路が6箇所で連通しているため、フレーバー経路を通過する煙の量が増えて付加される味や香りの濃さが濃くなるが、図8(b)に示すように、第1コネクター2を矢印の方向(ホルダー本体1からマウスピース4に向かって見た場合に時計回りとなる方向)に20度回転させると、フレーバー経路が3箇所で連通することになり、図8(a)の状態よりも付加される味や香りの濃さを薄くすることができる。さらに図8(c)に示すように、図8(b)の状態から第1コネクター2をさらに回転させて(図示の例では時計回りにさらに20度回転させる)、棒状部材溝部2cと筒状部材溝部3dが不一致となる場合は、フレーバー経路が非連通となるので、たばこの煙はバイパス経路のみを通って吸引路に流れ、フレーバーチップの味や香りを付加せずにたばこの煙を吸引することができる。
棒状部材2cの先端に、穿孔体2gを設ける場合には、フレーバーチップFの外皮を突き破って煙導入路からの煙をフレーバーチップに導通させることができるので、フレーバーチップを外皮で覆ったままシガレットホルダーに取り付けることが可能となる。図9の例では、有底筒体の隔壁で覆うとともに底部と反対側の面は空気を透過するフィルムfで覆われたフレーバーチップF´を、底部側をホルダー本体1に向けた姿勢で収容した例を示している。穿孔体2gは、例えば図10に示すように、軸線Mに沿う断面形状が三角状となるリブ2gを、軸線Mを中心に放射状に設けたものであり、その先端でフレーバーチップF´の外皮を突き破ることができ、またリブ2gの相互間に形成される隙間に煙導入路からの煙を通すことができる。
また、ホルダー本体1の保持部1a、第1コネクター2の第1外筒2a及び第2コネクター3の第2外筒3aには、図示のように軸線Mに沿う溝1a、2a、3aを設けておくことが好ましい。これにより、ホルダー本体1、第1コネクター2、第2コネクター3の指掛かりが良くなり、操作性が向上する。
さらに、ホルダー本体1の保持部1a、第1コネクター2の第1外筒2a及び第2コネクター3の第2外筒3aの外表面に、ホルダー本体1及び第1コネクター2の回転方向を示す回転方向表示部を設ける場合には、何れの方向に回転させればよいか簡単に認識できるので、使い勝手を向上させることができる。この場合、矢印の示す向きが、煙の濃度や付加する味や香りの濃度が濃くなる向きか薄くなる向きかも併せて示すことが好ましい。
加えて、ホルダー本体1の保持部1a、第1コネクター2の第1外筒2a及び第2コネクター3の第2外筒3aの外表面に、外気導入路又はフレーバー導入路の連通状態を示す回転位置表示部を設ける場合には、現在の外気導入路又はフレーバー導入路が、完全に連通しているか、一部が連通しているか、又は非連通であるかが簡単に認識できるので、煙の濃度や付加する味や香りの濃度の調節が容易となる。例えば付加する味や香りの濃度の調節であれば、第2コネクター3に基準印を設けておき、この基準印と第2コネクター3に設けた複数の印がそれぞれ合致するところで、フレーバー導入路が連通、一部連通、非連通に切り替わるようにしておけばよい。このとき、切り換え場所に応じてクリック感を持たせられるように、第1コネクター2に凸部又は凹部を設けておき、これに対応する凹部又は凸部を第2コネクター3に設けてもよい。そして、煙の濃度の調節の場合は、ホルダー本体1と第1コネクター2とを、上記の味や香りを付加する濃度の場合と同様の関係にすればよい。
図1、図9に示すように、ホルダー本体1が備える筒体1dのスリットに向けて第1コネクター2から壁部2hを設けた場合は、ホルダー本体1の回転角度を規制することができる。これにより、ホルダー本体1を必要な範囲だけで回転させることができるので、構造を複雑化させること無く操作性を向上させることが可能となる。
煙中の特定成分を除去したい場合は、ホルダー本体1の内側(図1、図9の例では空間S)に、フィルターカートリッジを収容することもできる。フィルターカートリッジを収容するに際しては、その位置決め、固定を確実にするため、周壁1bの底壁に棒状部材を設けておき、該棒状部材の先端をフィルターカートリッジ端面に当接させて保持したたばこCとの間で挟持させておくのがよい。
本発明に従うシガレットホルダーは、ホルダー本体1、第1コネクター2、第2コネクター3、マウスピース4を軸線Mに沿って順に挿入するだけで組み立てが完了するようにしたので、複雑な構造を伴うことがないうえ、分解、組み立ても容易となる。
本発明によれば、好みに応じて、たばこの煙に付加される好みの味や香りの濃さを変化させることができるうえ、吸引するたばこの煙の濃度も簡単に変えることができて使い勝手が良く、しかも複雑な構成を伴うことがない新たなシガレットホルダーを提供できる。
1 ホルダー本体
1a 保持部
1b 周壁
1c 孔
1d スリット付きの筒体
1e 周壁溝部
2 第1コネクター
2a 第1外筒
2b 外筒溝部
2c 棒状部材
2c 棒状部材溝部
2d 環状筒体
2e 孔
2f 孔
2g 穿孔体
2h 壁部
3 第2コネクター
3a 第2外筒
3b 開口
3c 環状体
3d 筒状部材
3d 小径筒体
3d 大径筒体
3d 筒状部材溝部
3e リブ
4 マウスピース
4a 吸引口
4b リブ
C たばこ(シガレット)
F フレーバーチップ
f フィルム

Claims (4)

  1. たばこを保持する保持部を有し、該保持部と連結する周壁の内側をたばこの煙導入路とするホルダー本体と、該煙導入路からの煙をその内側に設けた吸引路を通して吸引するマウスピースとを備えるシガレットホルダーにおいて、
    前記ホルダー本体と前記マウスピースとの相互間に、前記ホルダー本体を保持する第1コネクターと、該第1コネクターを保持して前記マウスピースと連結する第2コネクターとを配置し、
    前記第1コネクターに、前記周壁を取り囲み前記ホルダー本体を回転可能に保持する第1外筒と、前記煙導入路と連結し該ホルダー本体の回転によって外界と該煙導入路とを連通、非連通に切り換える外気導入路を設け、
    前記第2コネクターに、前記第1外筒を取り囲み前記第1コネクターを回転可能に保持する第2外筒と、たばこの煙に味や香りを付加するフレーバーチップを収容するとともに前記吸引路と連結するフレーバーチップ収容部と、前記煙導入路及び前記吸引路とを相互に連結する連結路とを設け、
    該連結路は、前記外気導入路を経由した煙導入路からの煙を常時吸引路に導入するバイパス経路と、前記第1コネクターの回転によって前記煙導入路と前記フレーバーチップ収容部とを連通、非連通に切り換え可能とするフレーバー経路とからなることを特徴とするシガレットホルダー。
  2. 前記第1コネクターは、前記第2コネクターのフレーバー収納部に向けて延びる棒状部材を有し、前記第2コネクターは、前記棒状部材を取り囲む筒状部材を備え、
    前記フレーバー経路を、前記棒状部材の外周面に設けた棒状部材溝部と、前記筒状部材の内周面に設けた筒状部材溝部とで形成した請求項1記載のシガレットホルダー。
  3. 前記棒状部材溝部は、前記棒状部材の外周面の周りに沿い間隔をおいて設けられた複数本からなり、前記筒状部材溝部は、前記筒状部材の内周面の周りに沿い間隔をおいて設けられ、前記第1コネクターの回転角度に応じて前記棒状部材溝部との連通本数の変更を可能とした溝配列になる、請求項2記載のシガレットホルダー。
  4. 前記棒状部材の先端に、前記フレーバーチップの外皮を突き破って前記煙導入路からの煙をフレーバーチップに導通させる穿孔体を設けた請求項2又は3記載のシガレットホルダー。
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