JP5484036B2 - 粒子線治療装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粒子線を患部に照射することにより、治療を行う粒子線治療装置に関するものである。
粒子線治療は、治療対象となる患部に荷電粒子ビームを照射して、患部組織を殺傷することにより治療を行うものであり、周辺組織にダメージを与えず、患部組織に十分な線量を与えるため、照射線量や照射範囲の制御が重要である。一方、患部によっては、呼吸に伴い位置が変化する場合があり、照射野を固定して照射していると、患部組織への照射線量の減少や周辺組織への不要な照射の増加が生じる。そこで、患者の呼吸に伴う患部の変位を測定する患部変位測定装置を備え、シンクロトロンからの荷電粒子ビームの照射野を患部変位測定装置の出力波形を元に制御することにより、荷電粒子ビームの照射範囲を呼吸に伴う患部の変位に追従させる粒子線治療装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平7−303710号公報(段落0011〜0013、図1〜図4)
しかしながら、荷電粒子ビームの線源であるシンクロトロンのような加速器では、照射に伴い周回軌道内の粒子数が減少するので、それに応じて電磁石励磁量を変化させる必要があり、荷電粒子ビームの取出し角度が変化する。また、電磁石が形成する磁場の再現誤差などもあり、照射中の荷電粒子ビームの出射角度や位置が予期せぬ変動をする場合があり、患部組織の変位に対して照射野を精度よく追従させることが困難であった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、照射中の荷電粒子ビームの出射角度や位置が予期せぬ変動をしても、患部の変位に合わせて精度よく照射野を追従させ、患部組織に正確に粒子線ビームを照射できる粒子線治装置を得ることを目的とする。
本発明の粒子線治療装置は、呼吸に伴う患部の変位を測定する患部変位測定装置と、加速器から供給された荷電粒子ビームの軌道を偏向させるステアリング電磁石と、前記ステアリング電磁石を経由して入射した荷電粒子ビームを所定の照射形状に加工して前記患部に照射する照射装置と、前記ステアリング電磁石と前記照射装置との間に設置され、前記照射装置に入射する荷電粒子ビームのビーム位置を測定するビーム位置モニタと、前記ビーム位置が、前記測定した患部の変位に応じて算出された設定値に一致するように、前記ビーム位置モニタの測定値に基づくフィードバック制御によって前記ステアリング電磁石の励磁量を制御するステアリング電磁石制御部と、前記測定した患部の変位に対応して前記照射装置を移動させる照射装置位置制御部と、前記加速器からの荷電粒子ビーム供給の有無を判定するビーム供給状況判定部と、を備え、前記ステアリング電磁石制御部は、前記ビーム供給状況判定部の判定結果に基づき、ビーム供給有りと判定された場合は、前記フィードバック制御によって前記励磁量の制御を行い、ビーム供給なしと判定された場合は、前記設定値から算出された励磁値によって前記励磁量を制御することを特徴とする。
本発明の粒子線治療装置によれば、加速器から供給された荷電粒子ビームの軌道を実測値に基づくフィードバック制御により、呼吸に伴う変位に対応して偏向するとともに、偏向したビームを受ける照射装置も変位に応じて移動させるようにしたので、荷電粒子ビームの出射位置や角度が予期せぬ変動をしても、患部の変位に合わせて精度よく照射野を追従させ、患部組織に正確に粒子線ビームを照射することができる。
本発明の実施の形態1に係る粒子線治療装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る粒子線治療装置の構成を示す図である。
実施の形態1.
以下、本発明にかかる粒子線治療装置の実施の形態1について説明する。図1は本発明の実施の形態1にかかる粒子線治療装置を説明するためのもので、粒子線治療装置のほかに、線源であるシンクロトロン、シンクロトロンから取り出された荷電粒子ビームを照射室まで導く高エネルギービーム輸送ラインを示している。粒子線治療装置は、荷電粒子ビームの位置を水平方向および垂直方向に変化させるためのステアリング電磁石6(水平方向ステアリング電磁石6Hと垂直方向ステアリング電磁石6V)、荷電粒子ビームの位置を計測するビーム位置モニタ5、患者の呼吸に伴う患部組織の変位を計測する患部変位測定装置9、入射した荷電粒子ビームを治療計画に基づく強度分布、輪郭形状に加工して、患部(アイソセンタ)に向けて照射する照射装置4を備えている。そして、水平方向ステアリング電磁石6Hと垂直方向ステアリング電磁石6Vをそれぞれ励磁駆動するための電力を供給する駆動電源7(水平方向ステアリング電磁石用駆動電源7Hと垂直方向ステアリング電磁石用駆動電源7V)と、ビーム位置モニタ5と患部変位測定装置9からの信号を基に電源7H、7Vの駆動を制御するステアリング電磁石制御部10を備えている。
図において、高エネルギービーム輸送ライン2は、いわゆるダクトであり、内部を真空やヘリウム雰囲気に保つことで、加速器から供給された荷電粒子ビームを拡散させずに輸送することができる。水平方向ステアリング電磁石6Hと垂直方向ステアリング電磁石6Vは、それぞれ高エネルギービーム輸送ライン2を挟むように高エネルギービーム輸送ライン2の外側に配置され、駆動電源7H、7Vから供給された電力により高エネルギービーム輸送ライン2中でそれぞれ磁場を発生させ、発生させた磁場により荷電粒子ビームの水平方向および垂直方向の向きを変化(偏向)させる。ビーム位置モニタ5は、水平方向ステアリング電磁石6H、垂直方向ステアリング電磁石6Vの下流側のビーム輸送ライン2中にセンサー部5aが組み込まれ、荷電粒子ビームの位置(軌道中心)に応じたセンサー部5aからの出力は、ビーム位置信号処理回路5bで、ビーム軌道に垂直な面内におけるビームの水平方向(水平方向ステアリング電磁石6Hにおける軌道偏向方向)の位置を示す水平位置信号SHP、および垂直方向(垂直方向ステアリング電磁石6Vにおける軌道偏向方向)の位置を示す垂直位置信号SVPを出力する。
患部変位測定装置9は、患者の呼吸による患部の変位を読み取り電圧波形として出力するいわゆる呼吸同期装置であり、照射室3内に設置された図示しない患部の位置を測定する測定部と測定部からの出力波形を患者の水平方向および垂直方向の変位信号として出力する変位信号処理回路とを有する。そして変位信号Sはステアリング電磁石制御部10と照射装置位置制御部4に出力される。患部変位測定装置9からステアリング電磁石制御部10に出力された変位信号Sは、リファレンス発生回路10aにおいて、センサー部5aにおける水平および垂直位置の変位に相当するリファレンス値(水平リファレンス値SHRと垂直リファレンス値SVR)に変換される。変換されたリファレンス値と、ビーム位置モニタ5から出力された水平位置信号と垂直位置信号は、補正励磁値生成回路10bに入力され、補正励磁値生成回路10bでは、水平方向位置信号SHPと水平リファレンス値SHR、および垂直方向位置信号SVPと垂直リファレンス値SVRとの差分SΔH、SΔVを演算し、演算した差分値をもとに、ビーム軌道(センサー部5aでのビームの位置)を補正するための励磁電流指示信号SHM、SVMをそれぞれ駆動電源7H、7Vに出力する。なお、この差分SΔH、SΔVは、加速器であるシンクロトロン1内の状態変化、ステアリング電磁石6H、6Vやその他の荷電粒子ビームの輸送系の状態変化等による荷電粒子ビームの出射位置や角度の予期せぬ変動によるビーム軌道のずれと考えることができる。
一方、照射装置位置制御部4は、患部変位測定装置9から出力された変位信号Sをもとに、照射装置4内を通過する荷電粒子ビームの軌道(ビーム入口での水平、垂直位置、およびベクトル)を算出する。そして、ステアリング電磁石6H,6Vを介して入射する荷電粒子ビームのビーム軌道と照射装置4内のビーム軸とが一致するように照射装置4を移動制御するための信号を照射装置位置制御部4に出力する。なお、照射装置4の移動は、図の矢印では単純な平行移動のように見えるが、厳密には、平行移動に伴って、照射装置4を傾かせ、照射装置4内のビーム軸がステアリング電磁石6H、6Vの出口に向かった状態を維持するようにしている。あるいは、ステアリング電磁石6H、6Vの出口を中心とする回転移動を行う。
次に動作について説明する。シンクロトロン1から出射された荷電粒子ビームは、高エネルギービーム輸送ライン2にて、照射室3内の照射装置4にまで導かれ、患者(厳密にはアイソセンタ)に照射される。患部が呼吸により動く場合、患部変位測定装置9は患者の呼吸による患部組織(照射ターゲットとなる組織)の変位を検出し、呼吸に伴う患部の変位に比例した変位信号Sを出力する。患部変位測定装置9から出力された変位信号Sをもとに、リファレンス発生回路10aが内部テーブルにしたがって、患部の位置に対応するビーム位置モニタ5の測定部5aにおける照射ビーム位置を算出し、水平リファレンス値SHR、および垂直リファレンス値SVRを出力する。
一方で、ビーム位置モニタ5では、実際に測定部5aを通過する荷電粒子ビームの位置(ビーム中心位置)を監視し、その出力信号から、ビーム位置信号処理回路5bにてビームの水平位置信号SHPおよび垂直位置信号SVPを出力する。補正励磁値生成回路10bは、ビーム位置信号処理回路5bが出力した水平位置信号SHP、垂直位置信号SVPと、リファレンス発生回路10aが出力した水平リファレンス値SHR、垂直リファレンス値SVRとの差分SΔH、SΔVを演算し、演算した差分値が0(SHP=SHR、SVP=SVR)になるように、つまり、水平方向ステアリング電磁石電源7Hならびに垂直方向ステアリング電磁石電源7Vに、実測値に基づいた補正量を含む励磁電流指示値SHM、SVMを出力する。これにより、測定部5aにおける荷電粒子ビームのビーム中心は、患部変位測定装置9で測定された患者の呼吸による治療対象部位の変位に応じて追従することができる。つまり、加速器、ステアリング電磁石6H、6Vやその他の荷電粒子ビームの輸送系の状態変化等による荷電粒子ビームの出射位置や角度の予期せぬ変動分を補償し、ビームのずれを解消する。したがって、ステアリング電磁石6H、6V、駆動電源7、ステアリング電磁石制御部10が連係して、シンクロトロン1から供給された荷電粒子ビームのビーム軌道を患部の変位に合わせて変化させるビーム軌道修正部として機能する。
また、照射装置4も患部変位測定装置9から出力された変位信号Sに基づいて、照射装置位置制御部4により、ビーム入口の中心が治療部位の変位に追従して移動したビーム軌道の中心に一致するように移動する。つまり、呼吸に伴う患部の変位に追随して入射する荷電粒子ビームの軌道が変化しても、ビーム入口の中心とビーム軌道の中心が一致するので、例えば照射装置4内のリーフ装置やスキャニング電磁石等の中心をビームが通ることになる。そのため、想定したとおりにビームを加工することができるので、入射したビームを治療計画に基づいた強度と輪郭形状に正確に加工することができる。
つまり、ビーム位置モニタによるビーム位置フィードバックを行うので、シンクロトロン1内の電磁石磁場のドリフト、再現誤差の影響によるビーム位置変動が発生した場合にも、精度よく患者の呼吸変位に合わせてビームを照射することができる粒子線治療装置を得ることができる。
以上のように、本発明の実施の形態1にかかる粒子線治療装置によれば、呼吸に伴う患部の変位を測定する患部変位測定装置9と、シンクロトロンのような線源である加速器1から供給された荷電粒子ビームの軌道を偏向させるステアリング電磁石6(6H,6V)と、ステアリング電磁石6を経由して入射した荷電粒子ビームを所定の照射形状に加工して治療対象部位である患部(アイソセンタ)に照射する照射装置4と、ステアリング電磁石6と照射装置4との間に設置され、照射装置4に入射する荷電粒子ビームのビーム位置を測定するビーム位置モニタ5と、ビーム位置モニタ5の測定値に基づくフィードバック制御機能を有し、患部変位測定装置9が測定した患部の変位に対応して荷電粒子ビームの軌道を偏向するように、ステアリング電磁石6の励磁量を制御するステアリング電磁石制御部10と、測定した患部の変位に対応して照射装置4を移動させる照射装置位置制御部4と、を備えるようにしたので、供給された荷電粒子ビームの出射位置や角度が予期せぬ変動をしても、患部の移動に合わせて精度よく照射野を追従させ、患部組織に正確に粒子線ビームを照射することができる。
とくに、照射装置位置制御部4は、呼吸に伴う患部の変位に追随して偏向された荷電粒子ビームの軌道と照射装置4内のビーム軸とが一致するように照射装置4を移動制御するように構成したので、照射装置4には、ビーム軸に沿った荷電粒子ビームが入射することになり、治療計画にのっとった正確な照射形状、強度分布に加工した荷電粒子ビームを患部に対して照射することができる。また、呼吸による大きな変位に対しては、ステアリング電磁石6により荷電粒子ビームの軌道を偏向しているので、照射装置4自身のビーム軸を患部の変位に合わせて変化させる必要がなく、輪郭や強度のみを変化させればよいので、高精度なビーム加工ができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2にかかる粒子線治療装置について説明する。本実施の形態2に係る粒子線治療装置は、実施の形態1で説明した粒子線治療装置に、線源から荷電粒子ビームが供給されているか否か(ONかOFFか)を判定するビーム供給状況判定部を備え、荷電粒子ビームのON/OFFにより、ステアリング電磁石を制御する信号を切替える機能を追加し、間欠照射に好適な構成としたものである。
具体的な構成について図2を用いて説明する。図2は本発明の実施の形態2にかかる粒子線治療装置を説明するためのもので、図中、実施の形態1と同じ符号のものは同様の構成であるので説明を省略する。本実施の形態2にかかる粒子線治療装置では、患者の呼吸周期の間の治療対象部位の変位が急となる位相部分を照射不可な位相と認識して、患部への照射を停止する。つまり、呼吸位相のうち、所定の位相範囲のみで荷電粒子ビームを照射する間欠照射制御を行うものである。そのため、患者の呼吸位相については、事前に測定した対象臓器の変位のトレンドをもとに、照射可能な位相と照射不可な位相が定められており、患部変位測定装置209は、測定した対象臓器の変位に基づいて呼吸位相を判断し、照射可能な位相の場合はシンクロトロン1から荷電粒子ビームを取り出し、照射不可な位相の場合はシンクロトロン1からの荷電粒子ビームの取り出しを行わないように図示しないビーム取出制御部に制御信号を出力する。さらに、位置モニタ5の下流に線量モニタ8aを設け、線量モニタ8aは、線量モニタ8aを通過するビーム電流に応じた出力信号を出力する。線量モニタ8aからの出力信号は、ビーム供給状況判定部8で増幅され、増幅された出力信号が一定値以上の場合には、シンクロトロン1からビーム供給がある(ビームON)と判定し、出力信号が一定値未満の場合には、シンクロトロン1からビーム供給がない(ビームOFF)と判定し、判定した結果を判定信号Jとして出力する。
一方、ステアリング電磁石制御部210は、基準励磁値生成回路210cと制御値切替回路210dを備え、基準励磁値生成回路210cでは、リファレンス発生回路210aから出力されたリファレンス値SVR、SHRに基づいて、荷電粒子ビームの軌道を患部組織に向かわせるために計算上ステアリング電磁石6H、6Vを励磁させるために必要な基準励磁値である励磁電流指示値SHB、SVBを生成する。
制御値切替回路210dは、ビーム供給状況判定部8から出力される判定信号Jに基づいて、判定信号JがビームONを示す場合、補正励磁値生成回路210bが生成した励磁電流指示値SHM、SVMを駆動電源7、7に出力し、判定信号JがビームOFFを示す場合、基準励磁値生成回路210cが生成した励磁電流指示値SHB、SVBを駆動電源7、7に出力する。
つぎに、動作について説明する。
間欠照射制御を行う間でも、患部変位測定装置209からは、ビームのON/OFFに関係なく、変位信号Sがリファレンス発生回路210aと照射装置位置制御部4に出力されている。そして、実施の形態1と同様に、リファレンス発生回路210aは変位信号Sに応じたリファレンス値SHR、SVRを発生させ、照射装置位置制御部4も変位信号Sに応じて照射装置4の位置を制御する。そして、リファレンス発生回路210aで発生したリファレンス値SHR、SVRは、補正励磁値生成回路210bと基準励磁値生成回路210cに出力される。補正励磁値生成回路210bでは、リファレンス値SHR、SVRとビーム位置信号処理回路5bからの水平位置信号SHP、垂直位置信号SVPに基づいて、実測値に基づいた補正量を含む励磁電流指示値SHM、SVMを実施の形態1と同様に生成するが、生成した励磁電流指示値SHM、SVMは制御値切替回路210dに出力される。一方、基準励磁値生成回路210cでは、リファレンス値SHR、SVRから算出した、基準励磁値である励磁電流指示値SHB、SVBを生成し、制御値切替回路210dに出力する。
間欠照射制御のうち、荷電粒子ビームを照射する呼吸位相の範囲では、線量モニタ8aが照射装置4に入射する荷電粒子ビームのビーム電流を検知し、ビーム供給状況判定部8がビームONを示す判定信号Jを出力する。そのため、制御値切替回路210dでは、補正励磁値生成回路210bが生成した実測値に基づいた補正量を含む励磁電流指示値SHM、SVMが駆動電源7H、7Vに出力される。つまり、呼吸位相が荷電粒子ビームを照射する範囲の間での動作は、実施の形態1にかかる粒子線治療装置での動作と同様のフィードバック制御となる。
一方、荷電粒子ビームを照射しない呼吸位相の範囲では、荷電粒子ビームが線量モニタ8aを通過しないので、ビーム電流が検出されず、ビーム供給状況判定部8がビームOFFを示す判定信号Jを出力する。そのため、制御値切替回路210dでは、基準励磁値生成回路210cが生成した計算上の励磁電流指示値SHB、SVBが駆動電源7H、7Vに出力される。つまり、モニタ部5aにおける実際のビーム位置とは関係なく、呼吸位相で想定された位置に荷電粒子ビームの軌道を偏向させるのに必要な設計上の励磁量でステアリング電磁石6H、6Vが駆動制御される。
この荷電粒子ビームを照射しない位相でのステアリング電磁石6H、6Vの駆動制御は、偏向対象である荷電粒子ビームが存在しない状態での励磁なので、一見無駄な動作である。しかし、ビームOFFの間にステアリング電磁石6H、6Vの駆動を停止していると、ビームがONに切り替わった瞬間にステアリング電磁石6H、6Vに流れる電流が大きく変化するので、磁場が安定せず、照射直後に正確にビーム軌道を制御することができない。これは、ビームOFFの間も励磁電流指示値SHM、SVMによりフィードバック制御を続けた場合でも同様である。それは、ビーム電流が0あるいは小さい時は、ビーム位置モニタ5において相対的にノイズが大きくなり、ビーム位置の測定結果が不安定で不正確なものとなり、ビームがONに切り替わった瞬間に励磁電流が大きく変化してしまう可能性があるからである。
しかし、本実施の形態2のように、ビームOFFの間はフィードバックではなく、計算上の基準値に基づく制御に切り替えていれば、間欠照射制御の場合でも、ビームOFFの状態からビームONに切り替わる直前において、ステアリング電磁石6H、6V内の磁場が、患部の変位に対応した軌道に修正するための計算上の磁場となっているので、荷電粒子ビームが照射された瞬間から正確な位置にビーム軌道を照射することができる。つまり、ビームが照射されない期間でも、患者の呼吸に追従したビーム補正のための制御を行うため、照射OFFから照射ONに切り替わった直後から患者の呼吸変位に合わせた正確な照射を可能にすることができ、間欠照射の間に正確な照射ができる。
このとき、補正励磁値生成回路210dにおいて、一定の差分値SΔH、SΔVが得られることが分かっている場合、基準励磁値にその値を反映させるようにしてもよい。これにより、ビームがOFFからONに切り替わった瞬間も励磁量を経時的に連続的な値で制御することができる。
以上のように、本発明の実施の形態2にかかるによれば、加速器であるシンクロトロン1からの荷電粒子ビーム供給の有無を判定するビーム供給状況判定部8を備え、ステアリング電磁石制御部210は、ビーム供給状況判定部8の判定結果Jに基づき、ビーム供給有りと判定された場合はビーム位置モニタ5の測定値に基づくフィードバック制御を行い、ビーム供給なしと判定された場合は、患部の位置に対応する基準制御値SHB、SVBに基づいて制御するようにしたので、照射OFFから照射ONに切り替わった直後から患者の呼吸変位に合わせた正確な照射を可能にすることができ、間欠照射制御を行っても正確な照射ができる。
なお、本実施の形態2においては、ビーム供給状況判定部8aは、実際に照射装置4に入射する荷電粒子ビームの測定値に基づいてビームのON/OFFを判定していたが、これに限られることはない。例えば、患部変位測定装置209からの照射可否の信号、つまり照射するか否かの制御信号に基づいて判定信号を出すようにしてもよい。
1 シンクロトロン、 2 高エネルギービーム輸送ライン、 3 照射室、 4 照射装置(4 照射装置位置制御部)、 5 ビーム位置モニタ(5a 測定部、5b ビーム位置信号処理回路)、 6 ステアリング電磁石(6H 水平方向ステアリング電磁石、6V 垂直方向ステアリング電磁石)、 7 駆動電源、 8 ビーム供給状況判定部(8a 線量モニタ)、 9 患部変位測定装置(呼吸同期装置)、 10 ステアリング電磁石制御部(10a リファレンス発生回路、10b 補正励磁値生成回路、210c 基準励磁値生成回路、210d 制御値切替回路)、 11 線量モニタ
百位の数字は実施形態による変形例を示す。

Claims (2)

  1. 呼吸に伴う患部の変位を測定する患部変位測定装置と、
    加速器から供給された荷電粒子ビームの軌道を偏向させるステアリング電磁石と、
    前記ステアリング電磁石を経由して入射した荷電粒子ビームを所定の照射形状に加工して前記患部に照射する照射装置と、
    前記ステアリング電磁石と前記照射装置との間に設置され、前記照射装置に入射する荷電粒子ビームのビーム位置を測定するビーム位置モニタと、
    前記ビーム位置が、前記測定した患部の変位に応じて算出された設定値に一致するように、前記ビーム位置モニタの測定値に基づくフィードバック制御によって前記ステアリング電磁石の励磁量を制御するステアリング電磁石制御部と、
    前記測定した患部の変位に対応して前記照射装置を移動させる照射装置位置制御部と、
    前記加速器からの荷電粒子ビーム供給の有無を判定するビーム供給状況判定部と、を備え、
    前記ステアリング電磁石制御部は、前記ビーム供給状況判定部の判定結果に基づき、ビーム供給有りと判定された場合は、前記フィードバック制御によって前記励磁量の制御を行い、ビーム供給なしと判定された場合は、前記設定値から算出された励磁値によって前記励磁量を制御することを特徴とする粒子線治療装置。
  2. 前記照射装置位置制御部は、前記ステアリング電磁石により偏向された荷電粒子ビームの軌道と前記照射装置のビーム軸とが一致するように、前記照射装置の移動を制御することを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療装置。
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