JP5483524B2 - 駆動ユニット及び駆動ユニットの製造方法 - Google Patents
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Description
そして、SIDMの圧電素子22に接続されたFPCが外れてしまわないように、そのSIDMを撮像ユニットのフレーム50の所定位置に好適に組み付けるために、例えば、図12に示すように、断面視略コ字形状の取付板60にSIDMの固定部21を接着剤などで接着し、その取付板60をフレーム50の位置決め部51に係合させるように取り付けることで、SIDMを撮像ユニットに組み付ける技術が知られている。
但し、このSIDMの固定部は金属製であるため、その固定部にFPCが接触しているとショートなどの不具合が生じてしまうので、圧電素子にFPCをはんだ付け等する作業には注意を要しなければならなかった。
大澤聡,他3名,「携帯電話向け超小型ズームユニットの開発」,コニカミノルタテクノロジーレポート,第4巻,(2007),コニカミノルタ株式会社,p.81
また、取付板を用いた場合でも、圧電素子に接続されたFPCは、撮像ユニットの外側に延在しているため、撮像ユニットの組み付け工程などで、FPCの一端が周囲のものと接触してしまい、FPC剥がれのトラブルが生じてしまうことがあった。
また、近時、一層小型化された撮像ユニットにおいて、SIDMを所定の位置に良好に組み付けるためには、その組み付け箇所への位置合わせを容易且つ正確に行わなければならなかった。
固定部材と、
前記固定部材に配設された電気機械変換素子と、
前記電気機械変換素子に配設され、その電気機械変換素子の変位に基づき、被駆動部材に対して所定の駆動を行わせる駆動部材と、
前記固定部材が配設される筐体と、を有する駆動ユニットであって、
前記筐体に、前記電気機械変換素子を所定の位置に配置する位置規制部と電気切片とを備える電気機械変換素子装着部を設け、
前記電気機械変換素子装着部に取り付けられて前記位置規制部に位置合わせされた前記電気機械変換素子と前記電気切片との間に、導電性を有する板ばねまたはコイルばねからなる弾性部材が備えられ、
前記電気機械変換素子装着部内において前記弾性部材の全体に、導電性を有する接着剤を設けて前記電気機械変換素子と前記弾性部材と前記電気切片とを接着することで、前記電気機械変換素子と前記弾性部材と前記電気切片との電気的接続が行われ、
前記弾性部材および前記接着剤を介して前記電気機械変換素子と前記電気切片とが電気的に接続されることを特徴とする。
前記弾性部材は、金属板が折曲されてなる板ばねであり、その板ばねの両端側がそれぞれ前記電気機械変換素子と前記電気切片とに圧接していることを特徴とする。
前記弾性部材には、前記電気機械変換素子と前記電気切片との間を連通させる切欠部が形成されており、
前記接着剤が前記切欠部を通じて、前記電気機械変換素子と前記弾性部材と前記電気切片とを接着していることを特徴とする。
前記弾性部材は、金属線が球面に沿うように巻回されてなるコイルばねであり、そのコイルばねの少なくとも一部が前記電気機械変換素子と前記電気切片とに圧接していることを特徴とする。
前記弾性部材は、前記電気機械変換素子を挟んで略対称に2つ配置されていることを特徴とする。
前記電気機械変換素子装着部には、前記電気機械変換素子を所定の位置に配置する位置規制部が設けられていることを特徴とする。
前記電気機械変換素子を前記電気機械変換素子装着部に取り付ける際に、前記筐体内で移動が規制されている前記被駆動部材に対し、前記駆動部材を係合させる第一工程と、
前記電気機械変換素子と前記電気切片との間に前記弾性部材を挿入し、その弾性部材を介して前記電気機械変換素子と前記電気切片とを電気的に接続させる第二工程と、
前記電気機械変換素子装着部内において前記弾性部材の全体に、導電性を有する接着剤を設けて前記電気機械変換素子と前記弾性部材と前記電気切片とを接着することで、前記電気機械変換素子と前記弾性部材と前記電気切片との電気的接続を行う第三工程と、
を備えることを特徴とする。
特に、この駆動ユニットの組み付けには、従来技術において用いていた取付板は不要になるので、部品点数を削減した好適な組み付けが可能になっている。また、この駆動ユニットにおいて、筐体の電気機械変換素子装着部に設けられた電気切片と電気機械変換素子に弾性部材が圧接することで、容易に電気的接続がなされるため、従来技術のようにFPCを圧電素子(電気機械変換素子)に接続することが不要になるので、FPCに関する部品点数の削減とともに、FPC剥がれのトラブルを解消することができる。
従って、この駆動ユニットは、従来の駆動ユニットに比べて、より容易に好適な組み付けを行うことができるので、組み付けが容易な駆動ユニットであるといえ、より容易に組み付けを行うことができる駆動ユニットの製造方法に関する技術であるといえる。
図1は本実施形態に係る駆動ユニットとしての撮像ユニット1を機器本体に備えた電子機器として例示する携帯電話機110を示す斜視図である。
携帯電話機110は、図1に示すように、機器本体であるフレーム111の内部に、撮像素子を具備する撮像ユニット1を備え、さらに撮像ユニット1により撮像した画像を表示する表示部112、各種操作を行う操作部113などを備えている。
具体的に、本実施形態に係る撮像ユニット1は、ユーザの手振れによる当該撮像ユニット1の上下方向及び左右方向に対する振れをキャンセル(補正)する手振れ補正機能を備えており、光軸Xに対して直交し、且つ、互いが直交するように配設された二つの超小型リニアアクチュエータによって上下左右方向に移動できるようになっている。本実施形態では、上記リニアアクチュエータとして、例えば、二つのSIDM101,102が設けられている。SIDM101,102は、それぞれ固定部、圧電素子及び駆動軸の3部品をこの記載順に接合してなる本体部と、駆動軸に摩擦係合された移動体とを備えて構成されており、圧電素子の急峻な体積変化と移動体の慣性と摩擦力とを利用した公知の直進型アクチュエータである。
なお、二つのSIDMを用いた手振れ補正機構に関する構成や動作は従来公知のものと同様であるので、ここでは詳述しない。
圧電素子22は、電圧が印加されることに応じて伸縮し、駆動軸23を軸方向に移動させる。
駆動軸23は、圧電素子22の変位に基づきその軸方向に移動し、被駆動部材である移動部材25に対して所定の駆動を行わせる。この移動部材25の略中央には円形のレンズ3が嵌めこまれて保持されている。
なお、移動部材25は、圧縮ばね26によって付勢された抑え部材27との間に駆動軸23を挟み込むように、駆動軸23と摩擦係合している。
具体的に、筐体10は、図3、図5、図6に示すように、光軸X方向から見て略矩形の枠体をなし、その矩形の一隅にレンズ駆動装置20の本体部24を取り付ける圧電素子装着部11が設けられている。また、筐体10の内側にはレンズ3を保持する移動部材25が収容されている。そして、圧電素子装着部11に取り付けられた本体部24の駆動軸23と移動部材25とが摩擦係合することで、レンズ3が光軸X方向に対して移動可能とされている。
圧電素子装着部11には、図3、図4に示すように、光軸Xと平行に駆動軸23が挿入される孔部13が形成されており、孔部13の近傍には圧電素子22を保持する保持部14が設けられている。この圧電素子装着部11における保持部14には、圧電素子22を所定の位置に配置する位置規制部16が形成されている。
また、圧電素子装着部11には、孔部13を挟むように対向する位置に正負一対の電気切片12が備えられている。
そして、駆動軸23を孔部13に挿入し、圧電素子22を位置規制部16に配し、固定部材21を保持部14の上面側に当接させ固定することで、レンズ駆動装置20の本体部24が圧電素子装着部11に装着されて、その本体部24を筐体10に取り付けるようになっている。
一対の電気切片12は、圧電素子装着部11の内側に配設されており、孔部13を挟む配置で各々の面を互いに対向させるように配されている。
板ばね30は、圧電素子22を挟んでほぼ対称に2つ配置されている。具体的には、板ばね30は、正(+)側の電気切片12と圧電素子22の間と、負(−)側の電気切片12と圧電素子22の間にそれぞれ備えられており、その板ばね30を介して圧電素子22と電気切片12とが電気的に接続されている。なお、圧電素子22を挟む両側に2つの板ばね30を配置するので、板ばね30の弾性力によって圧電素子22の配置や向きが偏らないようになっている。
また、電気切片12と圧電素子22に板ばね30が当接するように取り付けられた状態で、その板ばね30が配設された圧電素子装着部11部分に導電性を有する接着剤33が設けられている(図8(d)参照)。そして、圧電素子22と板ばね30と電気切片12とが接着剤33によって接着されて、圧電素子22の電極面と板ばね30と電気切片12とが電気的に接続されている。
そして、圧電素子22と電気切片12との間に配設された板ばね30は、その板ばね30の両端側がそれぞれ圧電素子22と電気切片12とに圧接するように備えられている。
また、板ばね30に形成された切欠部30aは、その板ばね30が圧電素子22と電気切片12との間に配された際に、圧電素子22と電気切片12との間を連通させる開口となる。
この筐体10の圧電素子装着部11に、固定部材21と圧電素子22と駆動軸23とからなる本体部24を取り付ける際、保持部14の位置規制部16に圧電素子22を位置合わせするように、その本体部24を圧電素子装着部11に挿入する。
さらに、固定部材21を筐体10の上面に当接させることで、駆動軸23が筐体10の所定位置に配置され、圧電素子22の電極面が圧電素子装着部11内で電気切片12と対向する位置に配置されるように、本体部24が筐体10の圧電素子装着部11に取り付けられる。
なお、圧電素子22は、位置規制部16に位置合わせされて、その移動が規制されているので、一方の板ばね30が圧電素子22と電気切片12との間に挿入されて、その板ばね30の両端が圧電素子22と電気切片12とを離間させる方向に圧接しても、圧電素子22の位置がずれることはなく、後から挿入する他方の板ばね30を圧電素子22と電気切片12との間に容易に挿入することが可能になっている。
なお、板ばね30に形成された切欠部30aは、圧電素子22と電気切片12との間を連通させる開口となっているので、接着剤33は切欠部30aを通じて、圧電素子22と板ばね30と電気切片12とを接着している。
そして、駆動軸23を所定位置に配置することで、駆動軸23を移動部材25と係合させることができ、また、圧電素子22と電気切片12との間に板ばね30を挿入することで、容易に圧電素子22と電気切片12とを電気的に接続することができる。
また、その板ばね30に対して注入された導電性の接着剤33によって、圧電素子22と板ばね30と電気切片12とを接着することで、それらの電気的接続をより一層確実なものとすることができる。
また、この撮像ユニット1において、筐体10の圧電素子装着部11に設けられた電気切片12に板ばね30が圧着することで、容易に電気的接続がなされるため、従来技術のようにFPCを圧電素子22に接続することが不要になるので、FPCに関する部品点数の削減とともに、FPC剥がれのトラブルを解消することができる。
次に、本発明に係る撮像ユニットの実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
コイルばね35は、図9に示すように、金属線が球面に沿うように巻回されてなる弾性部材である。具体的に、コイルばね35は、金属線の一端から中間程度まで同心円の径が大きくなるように巻回され、その中間部から金属線の他端に向けて同心円の径が小さくなるように巻回されており、その一端と他端が接離する方向に弾性変形可能に形成されている。
更に、図10(c)に示すように、そのコイルばね35が配設された圧電素子装着部11部分に導電性を有する接着剤33が設けられて、圧電素子22とコイルばね35と電気切片12とが接着剤33によって接着されて、圧電素子22の電極面とコイルばね35と電気切片12とが電気的に接続される。
特に、コイルばね35はその内側に略球形状の空隙を有しており、その空隙に接着剤33が入り込むことによって、接着剤33が空隙を通じて圧電素子22と電気切片12とを接着する。この接着によって圧電素子22とコイルばね35と電気切片12との接続がより強固になるので、圧電素子22と電気切片12の導通がより良好になる。
こうして圧電素子22と電気切片12との間に球形状を崩すように嵌め込まれたコイルばね35は、図11に示すように、コイルばね35の端面の複数個所を、圧電素子22と電気切片12にそれぞれ圧接するようになるので、その電気的な接続がより確実に行われるようになる。
さらに、そのコイルばね35部分の圧電素子装着部11に、導電性を有する接着剤33が注入されることで、電気的接続がより一層確実なものになる。
そして、コイルばね35の端面の複数個所が、圧電素子22と電気切片12にそれぞれ圧接することで、より確実な電気的接続が行われる。
また、弾性部材として略球面形状に巻回されたコイルばね35を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、金属線は螺旋状に巻回されていなくてもよく、例えば、コイルばねが外観視球体状となるようにすれば、金属線がランダムに巻回されていてもよい。
3 レンズ
10 筐体
11 圧電素子装着部(電気機械変換素子装着部)
12 電気切片
13 孔部
14 保持部
15 溝部
16 位置規制部
20 レンズ駆動装置
21 固定部材
22 圧電素子(電気機械変換素子)
23 駆動軸(駆動部材)
24 本体部
25 移動部材(被駆動部材)
30 板ばね(弾性部材)
30a 切欠部
33 接着剤
35 コイルばね(弾性部材)
100 ケース体
101、102 SIDM
110 携帯電話機(電子機器)
X 光軸
Claims (6)
- 固定部材と、
前記固定部材に配設された電気機械変換素子と、
前記電気機械変換素子に配設され、その電気機械変換素子の変位に基づき、被駆動部材に対して所定の駆動を行わせる駆動部材と、
前記固定部材が配設される筐体と、を有する駆動ユニットであって、
前記筐体に、前記電気機械変換素子を所定の位置に配置する位置規制部と電気切片とを備える電気機械変換素子装着部を設け、
前記電気機械変換素子装着部に取り付けられて前記位置規制部に位置合わせされた前記電気機械変換素子と前記電気切片との間に、導電性を有する板ばねまたはコイルばねからなる弾性部材が備えられ、
前記電気機械変換素子装着部内において前記弾性部材の全体に、導電性を有する接着剤を設けて前記電気機械変換素子と前記弾性部材と前記電気切片とを接着することで、前記電気機械変換素子と前記弾性部材と前記電気切片との電気的接続が行われ、
前記弾性部材および前記接着剤を介して前記電気機械変換素子と前記電気切片とが電気的に接続されることを特徴とする駆動ユニット。 - 前記弾性部材は、金属板が折曲されてなる板ばねであり、その板ばねの両端側がそれぞれ前記電気機械変換素子と前記電気切片とに圧接していることを特徴とする請求項1に記載の駆動ユニット。
- 前記弾性部材には、前記電気機械変換素子と前記電気切片との間を連通させる切欠部が形成されており、
前記接着剤が前記切欠部を通じて、前記電気機械変換素子と前記弾性部材と前記電気切片とを接着していることを特徴とする請求項2に記載の駆動ユニット。 - 前記弾性部材は、金属線が球面に沿うように巻回されてなるコイルばねであり、そのコイルばねの少なくとも一部が前記電気機械変換素子と前記電気切片とに圧接していることを特徴とする請求項1に記載の駆動ユニット。
- 前記弾性部材は、前記電気機械変換素子を挟んで略対称に2つ配置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の駆動ユニット。
- 請求項1〜5の何れかに記載の駆動ユニットを製造する駆動ユニットの製造方法であって、
前記電気機械変換素子を前記電気機械変換素子装着部に取り付ける際に、前記筐体内で移動が規制されている前記被駆動部材に対し、前記駆動部材を係合させる第一工程と、
前記電気機械変換素子と前記電気切片との間に前記弾性部材を挿入し、その弾性部材を介して前記電気機械変換素子と前記電気切片とを電気的に接続させる第二工程と、
前記電気機械変換素子装着部内において前記弾性部材の全体に、導電性を有する接着剤を設けて前記電気機械変換素子と前記弾性部材と前記電気切片とを接着することで、前記電気機械変換素子と前記弾性部材と前記電気切片との電気的接続を行う第三工程と、
を備えることを特徴とする駆動ユニットの製造方法。
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