JP5483299B2 - 測定装置及び測定方法 - Google Patents
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Description
特許文献2には、クランク軸の歪みを測定し、クランクにかかるトルクを検知する技術が開示されている。
特許文献2の方法では、ボトムブラケット部分に設置する必要があるのでボトムブラケットとにはフレーム加工及びクランク軸にはナーリング加工が必要になってしまうという問題があった。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る自転車1の全体を示す説明図である。
フレーム3は、2つのトラス構造から構成されている。
またフロントフォーク13の前方方向には、フロントフォーク13が回転自在に接続されている。
フロントフォーク13は、ハンドル9と接続されている。
フロントフォーク13の下方向の先端位置において、フロントフォーク13とフロント車輪5とは回転自在に接続されている。
フロント車輪5は、ハブ部、スポーク部及びタイヤ部を有している。ハブ部はフロントフォーク13と回転自在に接続されている。そして、このハブ部とタイヤ部はスポーク部によって接続されている。
フレーム3は、後方の先端部分において、リア車輪7と回転自在に接続されている。
リア車輪7は、ハブ部、スポーク部及びタイヤ部を有している。ハブ部はフレーム3と回転自在に接続されている。そして、このハブ部とタイヤ部はスポーク部によって接続されている。
リア車輪7のハブ部はリアギア113と接続されている。
駆動機構101は、ペダル103、クランク機構104、フロントギア109、チェーン111、リアギア113を有している。
ペダル103は、ユーザが踏み込むための足と接する部分である。
具体的には、クランク軸107はフレーム3を左右方向に貫通している。
クランク105は、このクランク軸107と直角に形成されている。
クランク軸107は、クランク105の端部において、クランク105と接続されている。
ペダルクランク軸115は、このクランク105と直角に形成されている。ペダルクランク軸115の軸方向は、クランク軸107と同一方向となっている。
ペダルクランク軸115は、クランク105のクランク軸107が形成されている側の端部とは反対側の端部において、クランク105と接続されている。
ペダルクランク軸115とペダル103とは、ペダル103が回転自在となるように接続されている。
クランク軸107は、フレーム3によって回転自在に支持されている。
クランク機構104は、このような構造を、自転車1の側面の反対側にも有している。
つまり、クランク機構104は、2個のクランク105及び2個のペダルクランク軸115を有し、そして、2個のペダル103を有している。
これらが自転車1の右側にあるか左側にあるかを区別する場合には、それぞれ右側クランク105a、左側クランク105b、右側ペダルクランク軸115a、左側ペダルクランク軸115b、右側ペダル103a及び左側ペダル103bと記載する。
また、右側クランク105aと左側クランク105bは、クランク軸107を中心として反対方向に伸びるように形成されている。
右側ペダルクランク軸115a、クランク軸107及び左側ペダルクランク軸115bは、同一の平面に形成されている。
右側ペダルクランク軸115a、クランク軸107及び左側ペダルクランク軸115bの軸は、平行に形成されている。
右側クランク105a及び左側クランク105bは、同一の平面上に形成されている。右側クランク105a及び左側クランク105bの軸は、平行に形成されている。
右側ペダルクランク軸115a、クランク軸107及び左側ペダルクランク軸115bが形成される平面と、右側クランク105a及び左側クランク105bが形成される平面も同一である。
フロントギア109には、チェーン111が係合されている。
チェーン111は、リアギア113に係合している。
リアギア113は、可変ギアによって形成することが好適である。
リアギア113は、リア車輪7と接続されている。
また、フレーム3には、サイクルコンピュータケイデンス無線受信部207及びサイクルコンピュータ無線受信部209が配置されている。
さらに、ハンドル9には、サイクルコンピュータ201が配置されている。
一方、損失量とは、クランク105の回転方向とは別の方向に加わる力である。この回転方向とは別の方向に加わる力は、何ら自転車1の駆動に寄与しない無駄な力である。
したがって、ユーザは、平均パワーPをできるだけ増加させ、損失量をできるだけ減少させることによって、より効率的に自転車1を駆動させることが可能となる。
サイクルコンピュータケイデンス無線受信部207及びサイクルコンピュータ無線受信部209は、配線を介してサイクルコンピュータ201の本体部分と接続されている。
なお、サイクルコンピュータケイデンス無線受信部207及びサイクルコンピュータ無線受信部209は、受信のみの機能を有する必要はない。例えば、送信部としての機能を有していても良い。以下、送信部又は受信部と記載した装置も、受信機能及び送信機能の両方を有していて良い。
つまり、リードスイッチ505がONになるということは、リードスイッチ505が存在する位置にクランク105も存在することを検出することである。
このケイデンスセンサ501から、サイクルコンピュータ201は、ケイデンス[rpm]を得ることができる。
このクランク105の位置(角度)情報から、クランク105の回転角度を推測する。つまり、リードスイッチ505がONになる時間間隔は、クランク105が360°回転する時間間隔と一致する。
したがって、クランク105の現在位置の推測は、直近のリードスイッチ505がONになった瞬間からの経過時間から推測することができる。
具体的には、(経過時間)/(リードスイッチ505がONになる間隔)×360°が、リードスイッチ505の位置を初期回転角度としたときのクランク105の回転角度となる。
もっとも、クランク105の角度ごとのデータを取る必要がない場合には、例えば360°を12分割して、その範囲で値を求めればよい。
この発展的な実施形態においては、ユーザに提示したいのは、ある一定範囲の回転区間の回転力である平均パワーPであることから、360°を12分割している。
そして、サイクルコンピュータ201は、ケイデンスセンサ501からのクランク105の位置情報によって、各クランク回転角度(30°毎に区分された期間)について、平均パワーPを算出している。
このケイデンスセンサ無線送信部507は、サイクルコンピュータケイデンス無線受信部207に対して、ケイデンス情報を送信する。
なお、発展的な実施形態においては、磁石503とリードスイッチ505によって、クランク105の位置情報を検出・推測しているが、クランク105の位置を角度センサ(例えば、ロータリーエンコーダ等)によって検出することも可能である。
具体的には、クランク105の回転力である平均トルクを測定モジュール301は算出する。
図3下方の図のように、ケイデンスセンサ501は、リードスイッチ505、ケイデンスセンサ無線送信部507、ケイデンスセンサ制御部551、ケイデンスセンサ記憶部553、ケイデンスセンサタイマ561を有している。
そして、リードスイッチ505がONとなると、リードスイッチ505はその旨の情報信号をケイデンスセンサ制御部551に出力する。
ケイデンスセンサタイマ561は、ケイデンスセンサ制御部551の値出力命令を受けると、タイマ値情報をケイデンスセンサ制御部551に出力する。
また、ケイデンスセンサタイマ561は、ケイデンスセンサ制御部551のリセット命令を受けると、タイマカウンタの値を初期値にリセットする。
さらに、ケイデンスセンサタイマ561は、ケイデンスセンサ無線送信部507に、送信のタイミングを命令する役割をも有している。具体的には、例えば、1秒ごとに、ケイデンスセンサ無線送信部507に送信タイミングを指令している。
このケイデンスセンサ無線送信部507による送信は、ケイデンスセンサタイマ561によって命令されることによって1秒ごとに行われている。または、ケイデンスセンサタイマ561の値に基づいた判断がケイデンスセンサ制御部551によって行われ、その判断に基づいて、このケイデンスセンサ無線送信部507による送信がケイデンスセンサ制御部551の命令によって行われても良い。
各種情報とは、例えば、ケイデンスセンサ制御部551の制御プログラム、ケイデンスセンサ制御部551が制御する際に必要とされる一時的な情報である。特に本実施形態では、リードスイッチ505がONとなる間隔であるケイデンスセンサタイマ561のタイマ値を記憶している。
なお、ケイデンスセンサ記憶部553は、ケイデンスセンサRAM555及びケイデンスセンサROM557から構成されている。ケイデンスセンサRAM555にはタイマ値等が記憶され、ケイデンスセンサROM557には制御プログラム等が記憶される。
具体的には、ケイデンスセンサ制御部551は、リードスイッチ505がONとなった旨の情報信号の出力を受けると、以下の動作を行う。
ケイデンスセンサ制御部551は、ケイデンスセンサタイマ561にタイマ値情報の出力を命令する。
そして、ケイデンスセンサ制御部551は、ケイデンスセンサタイマ561からタイマ値情報を受けると、そのタイマ値情報からケイデンスを算出する。
具体的には、タイマ値情報のカウント数(C)と1度のカウント間隔(T)をかけあわせることによって、リードスイッチ505がONとなる時間(周期)[s]を算出する。そして、60をこの周期で割ることによって、ケイデンス[rpm]を算出する。
さらに、ケイデンスセンサ制御部551は、このケイデンス情報をケイデンスセンサ記憶部553のケイデンスセンサRAM555に記憶させる。
また、ケイデンスセンサ制御部551は、ケイデンスセンサタイマ561にカウンタ値のリセット命令を出力する。
ケイデンスセンサ制御部551は、1秒間の間隔で、ケイデンスセンサ無線送信部507にケイデンスセンサ記憶部553に記憶されているケイデンス情報を送信させても良い。
図3中央の図のように、測定モジュール301は、測定モジュール無線送信部309、測定モジュールタイマ361、測定モジュール制御部351、測定モジュール記憶部353、測定モジュールA/D363、測定モジュール歪検出回路365及び歪センサ366を有している。
ここで、上下面歪ゲージセット369等の総称を歪センサ366と呼んでいる。
上下面歪ゲージセット369は、上下面第1歪ゲージ369a及び上下面第2歪ゲージ369bを有している。
そして、上下面第1歪ゲージ369a及び上下面第2歪ゲージ369bは、互いに直交している。つまり、上下面第1歪ゲージ369aの歪検出方向と上下面第2歪ゲージ369bの歪検出方向とは互いに直交している(図4、図8、図13も参照のこと)。
上下面第1歪ゲージ369a及び上下面第2歪ゲージ369bのそれぞれの端子は、測定モジュール歪検出回路365に接続されている(具体的な、測定モジュール歪検出回路365の構成については図4を参照のこと)。
測定モジュール歪検出回路365は、上下面第1歪ゲージ369aの出力及び上下面第2歪ゲージ369bの出力を増幅及び調整する。
測定モジュール歪検出回路365によって増幅等された上下面第1歪ゲージ369aの出力及び上下面第2歪ゲージ369bの出力は、測定モジュールA/D363によって、アナログ情報からデジタル情報である歪情報に変換される。
そして、歪情報信号は測定モジュール記憶部353に出力される。測定モジュール記憶部353に入力された歪情報信号は、測定モジュールRAM355に歪情報として記憶される。
さらに、測定モジュールタイマ361は、測定モジュール無線送信部309に、送信のタイミングを命令する役割をも有している。具体的には、例えば、1秒ごとに、測定モジュール無線送信部309に送信タイミングを指令している。
この測定モジュール無線送信部309による平均トルクの送信は、測定モジュールタイマ361によって命令されることによって1秒ごとに行われている。または、測定モジュールタイマ361の値に基づいて測定モジュール制御部351が命令を出力することによって、測定モジュール無線送信部309は平均トルク情報を送信しても良い。
各種情報とは、例えば、測定モジュール制御部351の制御プログラム、及び、測定モジュール制御部351が制御を行う際に必要とされる一時的な情報である。特に本発明の実施形態では、歪情報を記憶している。
なお、測定モジュール記憶部353は、測定モジュールRAM355及び測定モジュールROM357から構成されている。測定モジュールRAM355には歪情報等が記憶される。測定モジュールROM357には制御プログラム、及び、歪情報から平均トルクを算出するための各種のパラメータ、定数、等が記憶される。
後述する第2の実施形態においては、測定モジュール記憶部353は、式(3)〜式(13)で必要とされる各種のパラメータ等も記憶している。
具体的には、測定モジュール制御部351は、歪情報から平均トルクを算出する。
その方法は、トルクTrは、
トルクTr[Nm]=mgL(X−Xz)/(Xc−Xz)で計算される
(以下、この式を式(1)という。)。
ここで、Xが測定された歪量、クランク105が水平状態でペダル103に垂直にm[kg]を載せた場合の歪量がXcであり、それぞれの無負荷状態の場合における歪量がXzであり、クランク軸107からペダル103までの距離がLである。また、gは重力加速度である。
つまり、この式のXに歪情報を代入することによって、トルクを算出することが可能となる。
このトルクを複数時点毎に算出して、その平均をとったものが平均トルクとなる。
そして、計算された平均トルクは、測定モジュール無線送信部309を介して1秒おきに、サイクルコンピュータ201に送信される。
また、一回転を12分割してサイクルコンピュータ表示部203に表示する発展的な実施形態の場合には、30°の範囲内の各時点におけるトルクを上記の式から計算し、その範囲に含まれる複数のトルクを平均して平均トルクを算出する。
図3上方の図のように、サイクルコンピュータ201は、サイクルコンピュータ表示部203、サイクルコンピュータ操作部205、サイクルコンピュータケイデンス無線受信部207、サイクルコンピュータ無線受信部209、サイクルコンピュータタイマ261、サイクルコンピュータ記憶部253及びサイクルコンピュータ制御部251を有している。
例えば、サイクルコンピュータ操作部205は、ユーザから、サイクルコンピュータ表示部203に表示内容の指示を受ける。
本実施形態においては、平均パワーPを視覚化して表示する。
発展的な実施形態においては、クランク105の各角度(30°毎の)平均トルクを視覚化して表示する。なお、視覚化の方法はどのような方法であっても良い。
ここでの、視覚化の方法は、例えば、ベクトル表示、グラフ表示、色分け表示、記号の表示、3次元表示等がありえ、どのような方法であってもよい。また、それらの組み合わせ等であってよい。
サイクルコンピュータタイマ261によって生成されるこのタイマ値情報はサイクルコンピュータ制御部251等が様々に利用している。
各種情報とは、例えば、サイクルコンピュータ制御部251の制御プログラム、及び、サイクルコンピュータ制御部251が制御を行う際に必要とされる一時的な情報である。
なお、サイクルコンピュータ記憶部253は、サイクルコンピュータRAM255及びサイクルコンピュータROM257から構成されている。サイクルコンピュータROM257には制御プログラム、及び、平均トルク情報から平均パワーPを算出するための各種のパラメータ、定数、等が記憶されている。
また、サイクルコンピュータ制御部251は、平均パワーPを算出する。
具体的には、サイクルコンピュータ制御部251は、平均トルク情報及びケイデンス情報から一定期間の平均パワーPを算出する。
その方法は、
平均パワーP[W]=(2PI/60)Tra×Rで計算される
(以下、この式を式(2)という。)。
ここで、Traが平均トルク[Nm]であり、Rがケイデンス量[rpm]である。なお、PIは円周率である。
つまり、この式の平均トルクTra及びRに平均トルク情報及びケイデンス情報を代入することによって、平均パワーPを算出することが可能となる。
また、発展的な実施形態のように一回転を12分割してサイクルコンピュータ表示部203に表示する場合には、30°の範囲内の平均パワーPを算出する。
上下面第1歪ゲージ369aの抵抗値は、この上下面第1歪ゲージ369aが圧縮又は伸長していない場合には、約R0である。
上下面第2歪ゲージ369bの抵抗値は、この上下面第2歪ゲージ369bが圧縮又は伸長していない場合には、約R0である。
上下面第1歪ゲージ369a及び上下面第2歪ゲージ369bは、図4(b)のように、圧縮されている場合には抵抗値が下がり、伸長されている場合には抵抗値が上がる。
この抵抗値の変化は、変化量がわずかな場合には比例している。
具体的には、Δl伸縮されている場合の抵抗値はR0+ΔR0となる。Δl圧縮されている場合の抵抗値はR0−ΔR0となる。
また、上下面第1歪ゲージ369aの検出方向は、配線が伸びている方向であり、図4(a)中では右肩上がり方向が検出方向となる。
また、上下面第2歪ゲージ369bの検出方向は、配線が伸びている方向であり、図4(a)中では右肩下がり方向が検出方向となる。
つまり、この検出方向において圧縮又は伸長が生じた場合に、上下面第1歪ゲージ369a及び上下面第2歪ゲージ369bに抵抗値の変化が生じる。
この検出方向以外において圧縮又は伸長が生じた場合には、上下面第1歪ゲージ369a及び上下面第2歪ゲージ369bに抵抗値の変化は生じない。
上下面第1歪ゲージ369aと上下面第2歪ゲージ369bは、上下面ブリッジ回路373Aの対角位置に配置される。
具体的には、第1系統側では、電源Vccから順に、上下面第1歪ゲージ369a、上下面第1接続点373A−1、抵抗Rの順に接続されている。
第2系統側では、電源Vccから順に、抵抗R、上下面第2接続点373A−2、上下面第2歪ゲージ369bの順に接続されている。
ここで、第1系統の抵抗Rと第2系統の抵抗Rとは同一の抵抗値を有している。また、第1系統の抵抗Rと第2系統の抵抗Rとは、上下面第1歪ゲージ369a及び上下面第2歪ゲージ369bの圧縮又は伸長が生ずる前の抵抗値であるR0と同一の抵抗値を有する。
その結果、上下面第1接続点373A−1と上下面第2接続点373A−2との間に生ずる電位差はほぼゼロとなる。
その場合には、第1系統の上下面第1接続点373A−1の電位は小さくなり、他方、第2系統の上下面第2接続点373A−2の電位は大きくなる。
その結果、測定モジュール歪検出回路365からは出力が検出される。
上下面第1歪ゲージ369aと上下面第2歪ゲージ369bとの両者が同じ量、圧縮された場合も同様である。
その場合には、第1系統の上下面第1接続点373A−1の電位は大きくなるが、他方、第2系統の電圧降下も大きくなる。なお、ここでは、ΔR0がR及びR0に比して十分に小さい場合を想定している。
その結果、測定モジュール歪検出回路365からは出力が検出されない。
上下面第1歪ゲージ369aが伸長され、かつ、上下面第2歪ゲージ369bが圧縮されている場合も同様である。
上下面第2歪ゲージ369b単体の内部で、圧縮と伸長が同時に起こった場合も同様である。
上下面増幅回路375Aは、上下面第1接続点373A−1と上下面第2接続点373A−2の間の電位差を増幅する回路である。
上下面基準電圧回路377Aは、上下面増幅回路375Aからの出力が電源Vccの1/2を中心に増減するようにするための回路である。
上下面基準電圧回路377Aが必要な理由を説明する。上下面増幅回路375Aから出力された電圧は測定モジュールA/D363によってアナログ値からデジタル値へ変換される。
この時に、アナログデジタル変換器はプラスマイナスの両方を測定可能なものよりも、プラス側のみを測定可能なものの方が回路構成を簡略化することができ、安価に構成できる。他方、上下面第1接続点373A−1と上下面第2接続点373A−2の間の電位差はプラス側及びマイナス側の両方に変化しうる。
そのため、上下面第1接続点373A−1と上下面第2接続点373A−2の間の電位差をプラス側でのみの変化に変更するために、上下面基準電圧回路377Aが設けられている。
そして、右側ペダル103aにはユーザにより加えられる人力FLが加えられる。人力FLは、クランク105の回転方向の力Fθとクランク105の法線方向の力Frから構成されている。ここで、回転方向及び法線方向に垂直な方向を内外方向と定義する。
以下、クランク105の回転方向に生ずるクランク105の歪を回転方向歪という。同様に、内外方向に生ずるクランク105の歪を内外方向歪という。さらに、クランク105に生ずるねじり力による歪をねじり方向歪という。
右側クランク105aの上面側(又は下面側)の中心部分を上下面部分117とする。右側クランク105aの側面の中心部分を側面部分119とする。
以下、上下面部分117および側面部分119に加わる力等(モーメント、トルク、せん断力、圧縮、引張力等)を説明する。
図6(a)は、法線方向の力Frによって、上下面部分117に加わる力の説明図である。
図6(b)は、回転方向の力Fθによって、上下面部分117に加わる力の説明図である。
もっとも、引張張力FrAによる歪量はモーメントMrAによる歪量よりもかなり小さいので、モーメントMrAのみを考慮すれば足りる。
図6(b)のように、回転方向の力Fθによって上下面部分117には、せん断力FθA、モーメントMθA及びトルクTθAが発生している。
もっとも、せん断力FθAによる歪量はモーメントMθAによる歪量及びトルクTθAによる歪量よりもかなり小さいので、モーメントMθA及びトルクTθAのみを考慮すれば足りる。
以上より、上下面部分117に歪センサ366を設けた場合に、歪センサ366が検出する歪は、法線方向の力FrによるモーメントMrAによって内外方向に生ずる内外方向歪、回転方向の力FθによるモーメントMθAによって回転方向に生ずる回転方向歪及びトルクTθAによって生ずるねじり方向歪のみである。
図7(a)は、法線方向の力Frによって、側面部分119に加わる力の説明図である。
図7(b)は、回転方向の力Fθによって、側面部分119に加わる力の説明図である。
図7(a)のように、法線方向の力Frによって側面部分119には、引張張力FrB及びモーメントMrBが発生している。
もっとも、引張張力FrBによる歪量はモーメントMrBによる歪量よりもかなり小さいので、モーメントMrBのみを考慮すれば足りる。
図7(b)のように、回転方向の力Fθによって側面部分119には、せん断力FθB、モーメントMθA及びトルクTθBが発生している。
もっとも、せん断力FθBによる歪量はモーメントMθBによる歪量及びトルクTθBによる歪量よりもかなり小さいので、モーメントMθB及びトルクTθBのみを考慮すれば足りる。
以上より、側面部分119に歪センサ366を設けた場合に、歪センサ366が検出する歪は、法線方向の力FrによるモーメントMrBによって内外方向に生ずる内外方向歪、回転方向の力FθによるモーメントMθBによって回転方向に生ずる回転方向歪及びトルクTθBによって生ずるねじり方向歪のみである。
図8(a)のように、上下面部分117に上下面歪ゲージセット369が配置される。ここで、上下面部分117は、クランク105の上面又は下面の中央部分に配置される。
クランク105の形状が直方体でない場合には、上下面歪ゲージセット369はモーメントMrAによる歪の中心部分に配置される。より具体的には、図8(b)のようにモーメントMrAによる歪の中心が、上下面歪ゲージセット369の中心に来るように配置される。
上下面歪ゲージセット369は、図8(a)で示す位置のより右側又は図8(a)のより左側に位置していても良い。
つまり、モーメントMrAによる歪の中心が上下面歪ゲージセット369の中心に来るのであれば、上下面歪ゲージセット369は、右側ペダル103a側又はクランク軸107側であっても良い。
上下面歪ゲージセット369は、上下面第1歪ゲージ369a及び上下面第2歪ゲージ369bによって構成されている。
そして、上下面第1歪ゲージ369aと上下面第2歪ゲージ369bとは直交・重層して配置されている。
さらに、上下面第1歪ゲージ369aの検出方向と上下面第2歪ゲージ369bの検出方向との間の中間方向が、クランク105の長手方向になるように配置されている。つまり、上下面第1歪ゲージ369aの検出方向とクランク105の軸の方向とは45度の角度を有する。
上下面第2歪ゲージ369bの検出方向とクランク105の軸の方向とは45度の角度を有する(検出方向については、図4(a)も参照のこと)。
なお、図8(a)では、上下面歪ゲージセット369はクランク105の上面側に設けたが、上下面歪ゲージセット369はクランク105の下面側に設けても良い。
また、上下面歪ゲージセット369は、クランク105の内部に設けても良い。具体的には、上下面歪ゲージセット369は、クランク105を中空にしてその中空内面に接着されていても良い。また、上下面歪ゲージセット369は、クランク105内部に埋め込まれていても良い。
モーメントMrAによる歪の中心が、上下面歪ゲージセット369の中心に来るように配置されていると、上下面歪ゲージセット369は図8(b)のように歪を生ずる(なお、図8(b)は、強調及び単純化して表示している。)。
そうすると、図8(b)のように、上下面第1歪ゲージ369aの下側部分は伸長され、上下面第1歪ゲージ369aの上側部分は圧縮される。
その結果、上下面第1歪ゲージ369a内部で、伸長及び圧縮の両方が生じ上下面第1歪ゲージ369aの抵抗値は変化しない。つまり、測定モジュール歪検出回路365からの出力は変化しない(図4(a)の説明部分も参照のこと)。
よって、内外力向の力FrによるモーメントMrAをキャンセルすることができる。
なお、上下面第2歪ゲージ369bも、同様である。
トルクTθAが加わると、上下面歪ゲージセット369は図8(c)のように歪を生ずる(なお、図8(c)は、強調及び単純化して表示している。)。
そうすると、図8(c)のように、上下面第1歪ゲージ369aは伸長され、上下面第2歪ゲージ369bは圧縮される。
上下面第1歪ゲージ369aが伸長され、かつ、上下面第2歪ゲージ369bが圧縮されている場合には、上下面第1歪ゲージ369aの抵抗値はR0+ΔR0となり、かつ、上下面第2歪ゲージ369bの抵抗値はR0−ΔR0となる。
その場合には、第1系統の上下面第1接続点373A−1の電位が小さくなるが、他方、第2系統の電位も小さくなる。なお、ここでは、ΔR0がR及びR0に比して十分に小さい場合を想定している。
その結果、測定モジュール歪検出回路365からは出力が検出されない(図4(a)の説明部分も参照のこと)。
よって、回転方向の力FθによるトルクTθAをキャンセルすることができる。
また、上下面歪ゲージセット369の取り付け角が多少傾いていても、図8(c)のような回転力FθによるトルクTθAによる歪の場合には、上下面第1歪ゲージ369aの変化と上下面第2歪ゲージ369bの変化とは、互いに正負反対値に変化し、かつ、その変化量は同一となる。
ここで、互いに正負反対値に変化とは、上下面第1歪ゲージ369aが正側に変化した場合には上下面第2歪ゲージ369bは負側に変化し、逆に、上下面第1歪ゲージ369aが負側に変化した場合には上下面第2歪ゲージ369bは正側に変化することをいう。
つまり、上下面歪ゲージセット369の取り付けが傾いて配置されていても、回転方向の力FθによるトルクTθAをキャンセルすることができる。
したがって、上下面歪ゲージセット369に生ずる歪みを検出すれば、回転方向の力Fθ及びこの回転方向の力Fθによるトルクを検出することができる。
具体的には、上下面ブリッジ回路373Aを介して上下面歪ゲージセット369から出力される歪情報を、式(1)に代入する事によってトルクを算出することができる。なお、単にトルクという場合には、回転方向に生ずるトルクをいう。
これによって、ユーザが出力している人力のうちのクランク105を回転させる成分のみ、つまり自転車1の推進力を算出することが可能となる。
そして、サイクルコンピュータ201は、この算出したトルクに各種の処理をして、サイクルコンピュータ表示部203に表示する。
具体的には、平均パワーPを算出してサイクルコンピュータ表示部203に表示する。
図10は、測定モジュール301及びサイクルコンピュータ201の処理のフローチャートである。
図10(a)及び図10(b)は測定モジュール301の処理を説明しており、図10(c)はサイクルコンピュータ201の処理を説明している。
ステップST51において、ケイデンスセンサ501のケイデンスセンサ制御部551は、リードスイッチ505の磁気の変化を検出する。
そして、ケイデンスセンサ制御部551は、リードスイッチ505を検出すると以下のステップST02及びステップST03の処理を開始する。
つまり、ケイデンスセンサ制御部551は、リードスイッチ505から出力を検出すると処理の割り込みを行い、ステップST02以下の処理を開始する。以下、割り込みとは、それまでの処理を中断して、指定された処理を実行することをいう。
ケイデンスセンサ制御部551は、タイマ値情報のカウント数(C)と1度のカウント間隔(T)をかけあわせることによって、リードスイッチ505がONとなる時間(周期)[s]を算出する。
そして、ケイデンスセンサ制御部551は、60をこの時間(周期)で割ることによって、ケイデンス[rpm]を算出する。
さらに、ケイデンスセンサ制御部551は、このケイデンス情報をケイデンスセンサ記憶部553のケイデンスセンサRAM555に記憶させる。
これで、ケイデンスセンサ制御部551の制御のメインフローは終了する。そして、次にリードスイッチ505が磁気変化を検出すると割り込みを再び行い、ステップST51から処理を再開する。
なお、ケイデンスセンサ制御部551を介さずに、ケイデンスセンサ無線送信部507のみによって送信を行っても良い。
ステップST11において、測定モジュールA/D363は、測定モジュール歪検出回路365からの出力を、アナログ値からデジタル値にA/D変換する。つまり、モーメントMθAによって生ずる歪量をデジタル値として検出する。
なお、ユーザが出力している人力の回転方向の力FθによってモーメントMθAは生じている。
ここで、Nの値は、一秒間に測定するデータポイントの数である。つまり、Nの値が大きいほど、歪データの数が多く、秒単位の分解能が高いことを意味する。
出来ればN値は大きいほどよいが、N値をあまり多くとると測定モジュールRAM355が大きな容量のものでなければならず、コストの増加になる。
したがって、N値をどの程度とするかは、コスト、必要とされる時間分解能及び測定モジュールA/D363がA/D変換するのに必要とされる時間等によって決定され得る。
ステップST15の処理が終了すると、ステップST11の処理に再び戻る。
つまり、1秒間にN回のステップST11〜ステップST15の処理を繰り返し行う。
ステップST31において、測定モジュール制御部351は、歪情報のデータ退避を行う。
その理由を説明する。まず、測定モジュール記憶部353の測定モジュールRAM355の容量には限りがある。ここで、測定モジュールRAM355の容量を大きくすれば歪情報のデータ退避は必要なくなるが、あまり余裕を持たせて設計するとコストの増加をもたらし適切ではない。また、歪情報は連続的に次々書き込まれるため、データ退避を行わないと、後述するステップST33での処理によってトルクTrを計算する前に、新たな情報が上書きされてしまうおそれがあるからである。
具体的には、測定モジュール制御部351は、図3のところで説明した式(1)に歪情報を入力しトルクTrを算出する。さらに、測定モジュール制御部351は、このトルクTrをN個算出しその平均を算出する。つまり、測定モジュール制御部351は、1秒間のトルクTrの平均(平均トルク情報)を算出する。
送信された平均トルク情報は、サイクルコンピュータ201のサイクルコンピュータ無線受信部209によって受信される。
ステップST37の処理が終了すると、ステップST31の処理に再び戻る。
つまり、1秒間に1回のステップST31〜ステップST35の処理を繰り返し行う。
ステップST71において、サイクルコンピュータ制御部251は、平均トルク情報及びケイデンス情報を受信すると割り込みが行われる。
つまり、サイクルコンピュータ無線受信部209が平均トルク情報及びケイデンス情報を受信したことをサイクルコンピュータ制御部251が検出した時には、サイクルコンピュータ制御部251は、処理を中断(割り込み)し、ステップST73以下の処理を開始する。
具体的には、サイクルコンピュータ制御部251は、平均トルク情報及びケイデンス情報から一定期間の平均パワーPを算出する。
その方法は、平均パワーP[W]=(2PI/60)Tra×Rで計算される。ここで、Traが平均トルク[Nm]であり、Rがケイデンス歪量[rpm]である。
つまり、この式のTra及びRに平均トルク情報及びケイデンス情報を代入することによって、平均パワーPを算出することが可能となる。
サイクルコンピュータ表示部203は、平均パワーPを数値として表示、又は、その他の視覚化・聴覚化・触覚化した方法によってユーザに平均パワーPの情報を伝達する。
その後、サイクルコンピュータ制御部251は、再びステップST51の割り込みが行われるまで他の処理を行う。
つまり、このような構成としたことによって、回転方向の力Fθによる回転方向の歪のみを検出することが可能となる。
その理由は、図8(c)のところで説明している。
つまり、上下面歪ゲージセット369の取り付け角が多少傾いていても、上下面第1歪ゲージ369aの変化と上下面第2歪ゲージ369bの変化とは互いに正負反対値に変化し、かつ、その変化量は同一となり、その結果、測定モジュール歪検出回路365によってキャンセルされてしまうからである。
なお、ここで正確な位置とは、図8(b)のようにモーメントMrAによる歪の中心が、上下面歪ゲージセット369の中心に来るような位置をいう。正確な方向とは、上下面第1歪ゲージ369aの検出方向と上下面第2歪ゲージ369bの検出方向との間の中間方向が、クランク105の長手方向になるような方向をいう。
つまり、回転方向の歪のみを検出することが可能となり、回転方向の力Fθを算出することができる。
その理由は、図8(b)のところで説明している。
つまり、上下面第1歪ゲージ369a内部で、伸長及び圧縮の両方が生じ上下面第1歪ゲージ369aの抵抗値は変化しない。つまり、測定モジュール歪検出回路365からの出力は変化しないからである。
つまり、ユーザ等は上下面歪ゲージセット369を適切な位置に接着し測定モジュール301を配置することによって、ユーザ等は平均パワーPを測定する機能を後付で設けることが可能となる。
第1の実施形態では、上下面歪ゲージセット369は、モーメントMrAによる歪の中心が、上下面歪ゲージセット369の中心に来るような位置に配置していた。
しかし、現実に上下面歪ゲージセット369を、正確にモーメントMrAによる歪の中心に配置することは困難である。なぜなら、クランク105の形状は単純な直方体とは限らず、様々な形状を有しているからである。
この位置のずれは、モーメントMrAを上下面歪ゲージセット369が検出してしまい、回転方向の力Fθによって生ずるモーメントMθAによる歪のみを検出することができないことを意味する。
そこで、第2の実施形態では、上下面歪ゲージセット369を正確にモーメントMrAによる歪の中心に配置できない場合の解決方法についての実施形態を記載する。
また、上下面歪ゲージセット369では回転方向の力Fθによる平均トルクのみが検出可能であり、法線方向の力Frによる平均損失量は算出できない。
平均損失量は、ユーザが自転車1の駆動力にならないにもかかわらず出力している力である。そして、この力をできるだけ減らすことが、効率よく自転車1を駆動することに繋がる。
したがって、この平均損失量をユーザに提供することは重要である。
図3と基本的な構成は同一であり、変わらない部分は説明を省略する。
この側面歪ゲージセット371は、側面第1歪ゲージ371a及び側面第2歪ゲージ371bを有している。
図12のように、測定モジュール歪検出回路365は、上下面歪ゲージセット369用の上下面ブリッジ回路373A及び上下面増幅回路375Aに加えて、側面歪ゲージセット371用の側面ブリッジ回路373B及び側面増幅回路375Bを有している。
側面ブリッジ回路373Bの内部構成は上下面ブリッジ回路373Aと同一である。また、側面増幅回路375Bの内部構成も上下面増幅回路375Aと同一である。
側面ブリッジ回路373Bは、上下面ブリッジ回路373Aと同様に、第1の系統側に側面第1接続点373B−1及び第2の系統側に側面第2接続点373B−2とを有している。
図13(a)のように、側面部分119に側面歪ゲージセット371が配置される。ここで、側面部分119は、クランク105の側面(クランク軸107側及びその反対側)の中央部分に配置される。
クランク105の形状が直方体でない場合には、側面歪ゲージセット371はモーメントMθBによる歪の中心部分に配置されるのが適切である。より具体的には、図13(b)のようにモーメントMθBによる歪の中心が、側面歪ゲージセット371の中心に来るように配置される。
側面歪ゲージセット371は、図13(a)で示す位置のより右側又は図13(a)のより左側に位置していても良い。
つまり、モーメントMθBによる歪の中心が側面歪ゲージセット371の中心に来るのであれば、側面歪ゲージセット371は、右側ペダル103a側又はクランク軸107側であっても良い。
側面歪ゲージセット371は、側面第1歪ゲージ371a及び側面第2歪ゲージ371bによって構成されている。
そして、側面第1歪ゲージ371aと側面第2歪ゲージ371bとは直交・重層して配置されている。
さらに、側面第1歪ゲージ371aの検出方向と側面第2歪ゲージ371bの検出方向との間の中間方向が、クランク105の長手方向になるように配置されている。つまり、側面第1歪ゲージ371aの検出方向とクランク105の軸の方向とは45度の角度を有する。
側面第2歪ゲージ371bの検出方向とクランク105の軸の方向とは45度の角度を有する(検出方向については、図4(a)も参照のこと)。
なお、図13(a)では、側面歪ゲージセット371はクランク105のクランク軸107側とは反対側に設けたが、側面歪ゲージセット371はクランク軸107側に設けても良い(つまり、クランク105の反対側に設けてよい)。
また、側面歪ゲージセット371は、クランク105の内部に設けても良い。具体的には、側面歪ゲージセット371は、クランク105を中空にしてその中空内面に接着されていても良い。また、側面歪ゲージセット371は、クランク105内部に埋め込まれていても良い。
なお、後述するが現実には、モーメントMθBによる歪の中心が側面歪ゲージセット371の中心することは困難であり、そのために、補正を行う。
モーメントMθBによる歪の中心が、側面歪ゲージセット371の中心に来るように配置されていると、側面歪ゲージセット371は図13(b)のように歪を生ずる(なお、図13(b)は、強調及び単純化して表示している。)。
そうすると、図13(b)のように、側面第1歪ゲージ371aの下側部分は伸長され、側面第1歪ゲージ371aの上側部分は圧縮される。
その結果、側面第1歪ゲージ371a内部で、伸長及び圧縮の両方が生じ側面第1歪ゲージ371aの抵抗値は変化しない。つまり、測定モジュール歪検出回路365(側面増幅回路375B)からの出力は変化しない。
よって、回転方向の力FθによるモーメントMθBをキャンセルすることができる。
なお、側面第2歪ゲージ371bも、同様である。
トルクTθBが加わると、側面歪ゲージセット371は図13(c)のように歪を生ずる(なお、図13(c)は、強調及び単純化して表示している。)。
そうすると、図13(c)のように、側面第1歪ゲージ371aは伸長され、側面第2歪ゲージ371bは圧縮される。
側面第1歪ゲージ371aが伸長され、かつ、側面第2歪ゲージ371bが圧縮されている場合には、側面第1歪ゲージ371aの抵抗値はR0+ΔR0となり、かつ、側面第2歪ゲージ371bの抵抗値はR0−ΔR0となる。
その場合には、第1系統の側面第1接続点373B−1の電圧降下が大きくなるが、他方、第2系統の電圧降下も大きくなる。なお、ここでは、ΔR0がR0に比して十分に小さい場合を想定している。
その結果、測定モジュール歪検出回路365からは出力が検出されない。
よって、回転方向の力FθによるトルクTθBをキャンセルすることができる。
また、側面歪ゲージセット371の取り付け角が多少傾いていても、図13(c)のような回転力FθによるトルクTθBによる歪の場合には、側面第1歪ゲージ371aの変化と側面第2歪ゲージ371bの変化とは、互いに正負反対値に変化し、かつ、その変化量は同一となる。ここで、互いに正負反対値に変化とは、側面第1歪ゲージ371aが正側に変化した場合には側面第2歪ゲージ371bは負側に変化し、逆に、側面第1歪ゲージ371aが負側に変化した場合には側面第2歪ゲージ371bは正側に変化することをいう。
つまり、側面歪ゲージセット371の取り付けが傾いて配置されていても、回転方向の力FθによるトルクTθBをキャンセルすることができる。
したがって、側面歪ゲージセット371に生ずる歪みを検出すれば、法線方向の力Fr及びこの法線方向の力Frによる損失量を検出することができる。
その方法は、損失量は、
損失量[N]=mg(Y−Yz)/(Yu−Yz)で計算される
(以下、この式を式(3)という。)。
ここで、Yが出力された歪量、クランク105が下死点においてでペダル103に垂直にm[kg]を載せた場合の歪量がYuであり、それぞれの無負荷状態の場合における歪量がYzである。また、gは重力加速度である。
Yは、側面ブリッジ回路373Bを介して側面歪ゲージセット371から出力される歪情報である。
これによって、ユーザが出力している人力の法線方向の損失量を算出することが可能となる。
そして、サイクルコンピュータ201は、この算出した損失量に各種の処理をして、サイクルコンピュータ表示部203に表示する。
具体的には、複数点の損失量を平均することによって平均損失量を算出してサイクルコンピュータ表示部203に表示する。
なお、具体的な処理については、代入される式が式(1)から式(3)に変更される点を除いて、第1の実施形態と同一である(図9及び図10等も参照のこと)。
したがって、上下面歪ゲージセット369には、法線方向の力FrのモーメントMrAの影響が生ずる。同様に、側面歪ゲージセット371には、回転方向の力FθのモーメントMθAの影響が生ずる。
そこで、第2の実施形態では、以下の方法によって、その影響を除去している。
なお、前述したが、回転方向の力FθによるトルクTθA及びトルクTθBは取り付け位置が正確でなくても、取り付け方向が正確でなくてもキャンセルすることができる。
上下面歪ゲージセット369の歪値 X=r+kn (以下、この式を式(4)という。)
また、側面歪ゲージセット371にも、取り付け位置のずれ(モーメントMθBの歪の中心からのずれ)は、側面歪ゲージセット371に以下のような影響を与える。
側面歪ゲージセット371の歪値 Y=n+lr (以下、この式を式(5)という)
ここで、rは回転方向歪であり、nは法線方向歪であり、kは法線方向歪が回転方向歪に影響を与える影響係数であり、lは回転方向歪が法線方向歪に影響を与える影響係数である。
この式(4)及び式(5)から、法線方向歪nの影響を除去すると以下のような式が導き出せる。
r=(X−kY)/(1−kl)=A(X−kY) (以下、この式を式(6)という)
ここで、Aは1/(1−kl)であり比例定数である。
トルクTr[Nm]=mgL(Xh−Xz)/(Xc−Xz)で計算される (以下、この式を式(7)という。)。
ここで、クランク105が水平状態でペダル103に垂直にm[kg]を載せた場合の歪量がXcであり、それぞれの無負荷状態の場合における歪量がXzであり、クランク軸107からはペダル103までの距離がLである。gは重力加速度である。
ここで、補正回転出力Xhは、以下のように求めることができる。
補正回転出力Xh=X−p(Y−Yz) (以下、この式を式(8)という。)
さらに、ここで、p値は以下のような式で求めることができる。
(Xu−Xz)=p(Yu−Yz) (以下、この式を式(9)という。)
クランク105が下死点における、XをXuとし、YをYuとしている。
さらに、上下面歪ゲージセット369からの歪値X及び側面歪ゲージセット371からの歪値Yを式(8)に代入することによって、補正回転出力Xhを算出する。なお。ここでのYzは既に測定済みである。
さらに、Xhを式(7)に代入する事によって、トルクTrを算出可能である。なお、Xz及びXcも測定済みである。
以上によって、トルクTrを算出することが可能であるから、これを、用いて、平均パワーPを算出して、その後式(2)を用いることによって、平均パワーPを算出することができる(図10の説明部分を参照されたい)。
具体的には、式(4)及び式(5)は同様であるから、式(4)及び式(5)から、回転方向の力Frの影響を除去すると以下のような式が導き出せる。
n=(Y−lX)/(1−kl)=A(Y−lX) (以下、この式を式(10)という)
ここで、Aは1/(1−kl)であり比例定数である。
損失量=mg(Yh−Yz)/(Yu−Yz)で計算される (以下、この式を式(11)という。)。
ここで、クランク105が下死点においてペダル103に垂直にm[kg]を載せた場合の歪量がYuであり、それぞれの無負荷状態の場合における歪量がYzである。gは重力加速度である。
ここで、補正損失出力Yhは、以下のように求めることができる。
補正損失出力Yh=Y−q(X−Xz) (以下、この式を式(12)という。)
さらに、ここで、q値は以下のような式で求めることができる。
(Yu−Yz)=q(Xu−Xz) (以下、この式を式(13)という。)
クランク105が下死点における、XをXuとしている。
さらに、上下面歪ゲージセット369からの歪値のX及び側面歪ゲージセット371からの歪値のYを式(12)に代入することによって、補正損失出力Yhを算出する。なお。ここでのXzは既に測定済みである。
さらに、Yhを式(11)に代入する事によって、損失量を算出可能である。なお、Xzも測定済みである。
つまり、このような構成としたことによって、回転方向の力Fθによる歪のみを検出することが可能となる。
その理由は、図8(c)のところで説明している。
つまり、上下面歪ゲージセット369の取り付け角が多少傾いていても、側面第1歪ゲージ371aの変化と側面第2歪ゲージ371bの変化とは互いに正負反対値に変化し、かつ、その変化量は同一となり、その結果、測定モジュール歪検出回路365によってキャンセルされてしまうからである。
つまり、ユーザ等は上下面歪ゲージセット369及び側面歪ゲージセット371を適切な位置に接着し、測定モジュール301を配置することによって、ユーザ等は平均パワーP及び損失量を測定する機能を、自転車1の一部を変更することなく後付で設けることが可能となる。
第2の実施形態では、法線方向の歪によって補正を行ったが、クランク105の角度によって、法線方向の歪を予測することで簡易に補正を行うことも可能である。
これによって、第2の実施形態の側面歪ゲージセット371が不要になるという効果がある。この構成とすると、コストの削減、計算量の減少という効果がある。
上記の各実施形態では、右側クランク105aに歪センサ366を設けていたが、左側クランク105bにも設けることが可能である。
これによって、ユーザは、左右のペダリングバランスを知ることが可能となる。
クランク105の製造過程において歪センサ366を、クランク105の内部に埋め込んでも良い。
また、クランク105が中空構造の場合には、歪センサ366を中空の内面に接着しても良い。
これらの方法によると、クランク105の外観を害せずに歪センサ366を配置することができる。また、外部に露出しないことから、歪センサ366の耐久性を向上させることが可能となる。
上下面歪ゲージセット369及び側面歪ゲージセット371を積層している直交型ではなく、非積層の矢羽型を用いることも可能である。
矢羽型とすると、積層構造でないことからより安価に構成することが可能となる。
このような構成を有することから、上下面歪ゲージセット369を、正確な位置かつ正確な方向に配置することによって、回転方向の力によるトルクのみを検出することが可能となる。
このような方法を用いることから、回転方向の力によるトルクのみを検出することが可能となる。
本発明における測定装置とは、サイクルコンピュータ201の一部であってもよいし、他の独立した装置であっても良い。さらに、物理的に別れた複数の装置の集合体であっても良い。場合によっては、歪センサ366以外は通信を介することとし全く別の場所にある装置であってもよい。つまり、測定モジュール301は、本発明における測定装置の一例である。
また、本発明における接合とは、接着等による一体化をいう。つまり、本発明における接合とは、一体化することができるものであればどの様なものであっても良い。
回転方向歪とは、例えば、回転方向の力FθによるモーメントMθAによって生ずる歪、及び、回転方向の力FθによるモーメントMθBによって生ずる歪である。つまり、回転方向歪は、クランク105に生ずる回転方向への歪である。
ねじり方向歪とは、例えば、回転方向の力FθによるトルクTθAによって生ずる歪、及び、回転方向の力FθによるトルクTθBによって生ずる歪である。つまり、ねじり方向歪は、クランク105に生ずるねじり方向への歪である。
歪ゲージセットとは、上下面歪ゲージセット369及び/又は側面歪ゲージセット371をいう。
第1歪ゲージとは、上下面第1歪ゲージ369a及び/又は側面第1歪ゲージ371aをいう。
第2歪ゲージとは、上下面第2歪ゲージ369b及び/又は側面第1歪ゲージ371bをいう。
201…サイクルコンピュータ、203…サイクルコンピュータ表示部、205…サイクルコンピュータ操作部、207…サイクルコンピュータケイデンス無線受信部、209…サイクルコンピュータ無線受信部、251…サイクルコンピュータ制御部、253…サイクルコンピュータ記憶部、261…サイクルコンピュータタイマ、
301…測定モジュール(測定装置)、309…測定モジュール無線送信部、351…測定モジュール制御部、353…測定モジュール記憶部、361…測定モジュールタイマ、363…測定モジュールA/D、365…測定モジュール歪検出回路、366…歪センサ、369…上下面歪ゲージセット、369a…上下面第1歪ゲージ、369b…上下面第2歪ゲージ、371…側面歪ゲージセット、371a…側面第1歪ゲージ、371b…側面第2歪ゲージ、373A…上下面ブリッジ回路、373A−1…上下面第1接続点、373A−2…上下面第2接続点、373B…側面ブリッジ回路、373B−1…側面第1接続点、373B−2…側面第2接続点、375A…上下面増幅回路、375B…側面増幅回路、377A…上下面基準電圧回路、377B…側面基準電圧回路、
501…ケイデンスセンサ、503…磁石、505…リードスイッチ、507…ケイデンスセンサ無線送信部、551…ケイデンスセンサ制御部、553…ケイデンスセンサ記憶部、561…ケイデンスセンサタイマ
Claims (7)
- 人力機械のクランクの上面側又は下面側に接合可能な上下面歪ゲージセットと、
前記上下面歪ゲージセットからの出力が入力される上下面ブリッジ回路と、を有し、
前記上下面歪ゲージセット及び前記上下面ブリッジ回路は、前記クランクに加わっているねじり方向歪及び内外方向歪の少なくとも一部をキャンセルして、回転方向歪を検出可能であり、
前記上下面歪ゲージセットは、第1歪ゲージと第2歪ゲージを有し、
前記第1歪ゲージの検出方向と、前記第2歪ゲージの検出方向は直交に形成されており、
前記歪ゲージセットは、前記第1歪ゲージの検出方向と前記第2歪ゲージの検出方向との中間方向が前記クランクの長手方向になるように、前記クランクに接合され、
前記第1歪ゲージと前記第2歪ゲージは前記ブリッジ回路の対角位置にそれぞれ接続され、もう一方の対角位置には、抵抗値が変化しない抵抗がそれぞれ接続されている
人力機械に加わっている力の測定装置。 - 人力機械のクランクの側面側に接合可能な側面歪ゲージセットと、
前記側面歪ゲージセットからの出力が入力される側面ブリッジ回路と、を有し、
前記側面ブリッジ回路からの出力によって、前記上下面歪ゲージセットの出力に含まれる内外方向歪の影響を除去する
請求項1に記載の測定装置。 - 前記回転方向歪から前記クランクに生ずる回転方向のトルクを算出する
請求項1又は2に記載の測定装置。 - 前記上下面歪ゲージセット又は前記側面歪ゲージセットは、前記クランクの内部に形成されている
請求項1〜3いずれか1項に記載の測定装置。 - 前記上下面歪ゲージセット又は前記側面歪ゲージセットは、それぞれの歪ゲージを直交に配置している直交型歪ゲージセットによって形成されている
請求項1〜4いずれか1項に記載の測定装置。 - 前記上下面歪ゲージセット又は前記側面歪ゲージセットは、矢羽型歪ゲージセットによって形成されている
請求項1〜5いずれか1項に記載の測定装置。 - 人力機械のクランクの上面側又は下面側に接合可能な上下面歪ゲージセット、及び、前記上下面歪ゲージセットからの出力が入力される上下面ブリッジ回路によって、前記クランクに加わっているねじり方向歪及び内外方向歪の少なくとも一部をキャンセルして、回転方向歪を検出可能であり、
前記上下面歪ゲージセットは、第1歪ゲージと第2歪ゲージを有し、
前記第1歪ゲージの検出方向と、前記第2歪ゲージの検出方向は直交に形成されており、
前記歪ゲージセットは、前記第1歪ゲージの検出方向と前記第2歪ゲージの検出方向との中間方向が前記クランクの長手方向になるように、前記クランクに接合され、
前記第1歪ゲージと前記第2歪ゲージは前記ブリッジ回路の対角位置にそれぞれ接続され、もう一方の対角位置には、抵抗値が変化しない抵抗がそれぞれ接続されている
人力機械に加わっている力の測定方法。
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