JP5482879B1 - 加工性に優れた鍛接鋼管の製造方法および鍛接鋼管 - Google Patents

加工性に優れた鍛接鋼管の製造方法および鍛接鋼管 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の技術により製造された鍛接鋼管では、フレア加工時の継手平面状態や割れ防止効果が未だ不十分であり、その改善方法を提供する。
【解決手段】スリットした鋼帯を加熱炉で加熱し、その後、誘導加熱装置で加熱し、更に鋼帯幅端部を圧接して鍛接する直前に、酸素と空気を混合してなる鋼帯端部近傍での酸素濃度22〜30%の混合気体を鋼帯端部に吹き付けて、その後、鋼帯幅端部を突き合わせて接合部肉厚方向長さ12が管肉厚13以上となる鍛接を施す。
【選択図】図3

Description

本発明は、フレア加工等の強加工を行っても接合部の溝状深さが著しく浅いか平坦であり、然も接合部から割れ難い加工性に優れた鍛接鋼管の製造方法および鍛接鋼管に関する。
近年、配管は、その継手部分を兼ね備えるものとして、管端部を押し拡げてつば出しした所謂フレア加工したものが増えている。従来は、この強加工で割れ難い性能を有するものとして電縫鋼管が使用されているが、電縫鋼管は高価なため、廉価な鍛接鋼管の適用が図られつつある。
鍛接鋼管の製造工程は、スリットした熱延鋼帯を加熱炉にて加熱し、成形鍛接機にて筒状に成形して、鋼帯端部にノズルから酸素ガス又は空気に酸素を混合させたガスを吹き付けて鋼帯端部をその酸化熱により融点未満の温度まで昇温させ、圧接して拡散接合(鍛接)し、場合によっては絞り圧延を行って、鋼管に仕上げている。
一方、フレア加工後の鋼管は、鋼管端部が拡管されてフレア部分を形成し、拡げられた鋼管の内面が継手同士の接触箇所となる。従って、この継手接触箇所の平面状態が損われ、或いは、接合部に割れが発生すると、これらの隙間から鋼管内の流体が漏れ易くなって問題であり、継手接触箇所では、隙間がないように平面度合いが良好で割れがない事が重視される。
従来の鍛接鋼管の場合、鋼管製造時に接合部に深い溝が存在する為、フレア加工すると、その溝が拡大して深さ及び幅ともに増加して隙間を形成し、継手接触箇所の平面度合いが保持できなくなって問題視されていた。又、従来の鍛接鋼管は、接合部の強度が低くて、強加工すると接合部を起点として割れが発生し易い為、フレア加工に適用するには不十分と言われてきた。
そこで、従来は、接合部の割れにのみ着目して、圧接直前に吹き付けるガスの流量を制御する事で接合部の強度向上が図られていた(特許文献1)。又、圧接直前に吹き付けるガスとして例えば空気のみ、酸素のみ、窒素のみとノズルごとに単一のガスを使う事(特許文献2)、或いは、空気と酸素の混合比率を定め、ビード高さを管理する事(特許文献3)により接合部の強度向上が図られていた。
特開昭51−057667号公報 特開平04−123817号公報 特開2010−179338号公報
然しながら、従来の技術により製造された鍛接鋼管では、フレア加工時の継手箇所の平面状態や割れ防止効果が未だ不十分であるという課題があった。
本発明は、前記課題を解決し、フレア加工を行っても、鋼管接合部の溝深さが著しく浅いか、或いは平坦であり、接合部から割れる事がない鍛接鋼管の製造方法および鍛接鋼管を提供するものであって、その要旨は以下の通りである。
(I)鍛接鋼管の製造方法であって、スリットした鋼帯を加熱炉で加熱し、その後、誘導加熱装置で鋼帯幅端部両側とも、該誘導加熱装置による誘導加熱装置高温加熱幅が、両幅端部それぞれにおいて、10mm以上50mm以下の長さとなるようにして、鋼帯幅端部を1360℃以上1450℃以下に加熱し、更に鋼帯幅端部を圧接して鍛接する直前に、酸素と空気を混合してなる鋼帯端部近傍での酸素濃度が22〜30%の混合気体を鋼帯端部に吹き付けて、その後、鋼帯幅端部を突き合わせて接合部肉厚方向長さが管肉厚以上となる鍛接を施すことを特徴とする、フレア加工後の接合部の周辺の溝深さが0.1mm以下である加工性に優れた鍛接鋼管の製造方法。
ここで、誘導加熱装置高温加熱幅とは、鋼帯幅端部から、鋼帯幅中央の表面温度よりも50℃以上高い表面温度になっている部分の長さのことを表す。
(II)前記(I)に記載の製造方法により製造された、フレア加工後の接合部の周辺の溝深さが0.1mm以下である加工性に優れた鍛接鋼管。
尚、以下の(1)〜(5)は参考発明である。
(1)鍛接鋼管の製造方法であって、スリットした鋼帯を加熱炉で加熱し、その後、誘導加熱装置で鋼帯幅端部両側ともに加熱し、更に鋼帯幅端部を圧接して鍛接する直前に、酸素と空気を混合してなる鋼帯端部近傍での酸素濃度が22〜30%の混合気体を鋼帯端部に吹き付けて、その後、鋼帯幅端部を突き合わせて接合部肉厚方向長さが管肉厚以上となる鍛接を施すことを特徴とする加工性に優れた鍛接鋼管の製造方法。
(2)前記誘導加熱装置による加熱幅を、鋼帯片側当たりの幅端部から鋼帯幅の1/4以下にかけての範囲とすることを特徴とする(1)に記載の加工性に優れた鍛接鋼管の製造方法。
(3)前記誘導加熱装置による誘導加熱装置加熱幅が、両幅端部それぞれにおいて、鋼帯幅の1/10以上1/4以下の長さとすることを特徴とする(2)に記載の加工性に優れた鍛接鋼管の製造方法。
ここで、誘導加熱装置加熱幅とは、鋼帯幅端部から、鋼帯幅中央の表面温度よりも12℃以上高い表面温度になっている部分の長さのことを表す。
(4)前記誘導加熱装置による誘導加熱装置加熱幅が、両幅端部それぞれにおいて、鋼帯厚さの11倍以上28倍以下の長さとすることを特徴とする(1)に記載の加工性に優れた鍛接鋼管の製造方法。
ここで、誘導加熱装置加熱幅とは、鋼帯幅端部から、鋼帯幅中央の表面温度よりも12℃以上高い表面温度になっている部分の長さのことを表す。
(5)前記(1)ないし(4)のうちいずれかに記載の製造方法により製造された加工性に優れた鍛接鋼管。
本発明によれば、フレア加工に供されても、鋼管接合部の溝深さが著しく浅いか、或いは平坦で、加工後の面が良好であり、鋼管接合部に割れが発生しない鍛接鋼管が得られる。得られた鍛接鋼管は、フレア加工時に破損し難く、能率及び歩留り良く加工でき、又、フレア加工後の鋼管同士を継いだ場合、継手部分から内部の流体が漏れ難くて、配管施工の能率や信頼性の向上に大いに役立つものである。
また、従来は接合する鋼帯端部のみに混合気体を吹き付ける加熱プロセスであったため、圧接する局部しか加熱できず、管肉厚方向長さが管肉厚以上になる円周方向領域が狭く、安定した接合が得にくい場合があった。そこで、本発明により、鋼帯幅方向の十分な加熱が可能になり、圧接後の管肉厚方向長さが管肉厚以上になる円周方向領域が広くなって安定した接合が可能となった。
本発明の鍛接鋼管の製造工程の一例を示す概略図である。 従来の鍛接鋼管接合部近傍を示す断面図である。 本発明による鍛接鋼管接合部近傍を示す断面図である。
従来の鍛接鋼管をフレア加工した場合、フレア加工を受けた鋼管の端部では、管円周方向に過大な張力が作用して、鋼管内面側接合部の筋が拡大して溝となり、継手接触箇所の平面度合いが損われていた。この鋼管内面側接合部の溝は、成形後の鋼帯幅端部の接合時に鋼帯幅端部が盛り上がってビード部を形成し、この谷間が溝になったものである。
そこで、本発明者らはこの内面側の溝を低減する検討を行った。図2に示すとおり、従来は鍛接鋼管9の内面に生じる溝10が深くて、接合部11の肉厚方向長さ12が管肉厚13に対して短い。一方、フレア加工において、フレア部分には円周方向に過大な張力が加わる。この張力は鋼管の肉厚が薄い部分に集中し易い為、従来の鍛接鋼管では、肉厚方向長さ12の短い接合部に張力が集中して、その結果として、接合部の溝(内面側に生じる溝)10及び溝(外面側に生じる溝)14が幅及び深さとも拡大して深い溝となり、継手接触部分の平面度合いを阻害していたわけである。又、過大な張力が接合部に集中しすぎると、接合部11が割れ易くなるわけである。フレア加工による接続は、鋼管端部が鍔状に拡管され形成されたフレア部分で接続されるため、拡げられた鋼管の内面同士がパッキン等を介して接触する構造となる。その結果、そこの気密性が必要になる。この接触部分の平面状態が損われたり、割れたりすると配管後にここを通してガスなどが漏れるので好ましくない。
ここで、本発明者らは、一般的に鍛接鋼管の材料として用いられる、JIS G3452(2010年):配管用炭素鋼鋼管、JIS G3444(2010年):一般構造用炭素鋼鋼管に規定されている鋼を用い、フレア加工のような強加工を実施しても、接合部11が拡大して溝になり難くて、接合部11の割れも発生し難くする為、鍛接鋼管製造時の鍛接方法に着目した。即ち、接合部11に張力が集中するのを防止するには、図3に示す通り、接合部11の肉厚方向長さ12を管肉厚13と同等又は厚くすればよいわけである。
そこで、この課題を解決する手段として特許文献3に拠れば酸素を混合させた空気(混合気体)を接合時に吹き付ける事により溝深さの低減を図っているが、その方法では以下の問題がある。
(a)管の捩れ等が発生した場合、混合気体の吹き付け位置と方向が鋼帯幅端部の位置変化に追従できない場合に接合部管周方向左右の管厚が異なる。これを解決する為に幅広く吹き付ける方法が考えられるが、吹き付け量が多くなり効率が悪い。また、過加熱となって鋼帯端部が溶け落ちて、鍛接(融点未満の圧接)ではなくなり、溶ビードが発生して製品とならない。
(b)また、混合気体の吹き付け位置と方向が鋼帯幅端部の位置変化に追従できない場合に、混合気体が吹き付けられた部分のみが増肉し、吹き付けられる部分と吹き付けられない部分の増肉量の差が顕著になる。その増肉部分がフレア加工した際に加工面に残って平滑度(平面度合い)を阻害する。
これらの問題を解決する為に本発明者らは誘導加熱装置を用いる事を検討した。誘導加熱装置を用いて加熱炉加熱後の鋼帯幅端部を加熱する事により、接合時の肉厚方向長さを安定させて厚くする事が可能となり、管の捩れがあっても接合部管周方向左右の肉厚を均等にさせ、混合気体が吹き付けられた部分のみが局部加熱される事を防ぐ事が可能になる。
また、誘導加熱装置で予め鋼帯幅端部を1300℃から1450℃の範囲に加熱し、接合する際に前記混合気体を鋼帯端部近傍での酸素濃度を22〜30%として鋼帯端部に吹き付ける事によりフレア加工に適した鍛接鋼管を安定して得る事が可能になる。予め行う誘導加熱装置での鋼帯幅端部の加熱温度が上記範囲未満であると接合部が加工により割れやすくなり、上記範囲を超えると加工後の平坦度が悪化する。酸素濃度が22%未満では接合部が加工により割れやすくなり、30%を超えると加工後の平坦度が悪化するためである。また、ここで酸素濃度は体積%である。
このようにして、一般的に鍛接鋼管の材料として用いられる、JIS G3452(2010年):配管用炭素鋼鋼管、JIS G3444(2010年):一般構造用炭素鋼鋼管に規定されている鋼を用い、接合部の肉厚方向長さを管肉厚以上の厚さになるように鋼帯端部を接合せしめれば、フレア加工などに対する加工性の良好な鍛接管を得ることができる。ここで、管肉厚としては、製造した鍛接管の肉厚であり、円周方向の肉厚の平均値を用いてもよく、接合部反対側の肉厚、接合部肉厚方向長さ相当の距離分だけ接合部から離れた位置の肉厚、接合部を挟む管円周方向1/4を外した円周上の肉厚の平均値、接合部を挟む管円周方向1/3を外した円周上の肉厚の平均値を用いても良く、通常、接合部の両側10mm離れた位置2箇所の肉厚の平均値を用いることができる。
また、鋼帯片側当たりの幅端部から鋼帯幅の1/4以下にかけての範囲(好ましくは鋼帯片側当たりの幅端部から、少なくとも鋼帯幅の1/10以上で、かつ1/4以下の範囲)を鋼帯幅端部両側とも誘導加熱装置で加熱する事により、接合部肉厚方向長さが管肉厚以上となる円周方向領域が広く確保できて、これにより、鍛接後のフレア加工において平坦度(継手接触部分の平面度合い)を向上できて、かつ、割れ難くする事が可能になる。以下、さらに説明すると、誘導加熱装置で鋼帯幅端部を加熱する場合は、鋼帯端部に近いほど温度が高くなり、鋼帯中央部に近づくにつれ温度が低くなる。そこで、本発明においては、鋼帯幅端部から、鋼帯幅中央の表面温度よりも12℃以上高い表面温度になっている部分の長さのことを「誘導加熱装置による加熱幅」(「誘導加熱装置加熱幅」とも表す)として表し、この誘導加熱装置による加熱幅が、両幅端部それぞれにおいて、鋼帯幅の1/10以上1/4以下の長さになったときに、鍛接後のフレア加工において平坦度が向上して、さらにフレア加工性の向上した鍛接鋼管を製造できることを見出した。また、鋼帯端部の温度が鋼帯幅中央の表面温度より誘導加熱装置の加熱により12℃以上高くなっていない場合は実質上誘導加熱装置による効果はないとして誘導加熱装置による加熱とは考えない。
また、誘導加熱装置による加熱幅を鋼帯厚さに対する比でみると、誘導加熱装置による加熱幅が、両幅端部それぞれにおいて、鋼帯厚さの11倍以上28倍以下の長さとなった場合に、さらに良好なフレア加工性を示すことが分かった。
上述したように、鍛接後のフレア加工において平坦度(継手接触部分の平面度合い)を向上するため、接合部肉厚方向長さが管肉厚以上となる円周方向領域を広い範囲にわたって形成するために誘導加熱による加熱幅を制御することが重要であるが、上記のように、鋼帯中央に対して若干温度の高い領域を幅広く形成する方法に対して、接合部(鋼帯幅端部)近傍に範囲は狭くとも、より変形しやすい高い温度の領域を形成して鍛接することでも同様の効果が期待できるとして、さらに、検討を行った。その結果、誘導加熱装置によって、より高温に加熱する部分を制御することでさらに良好なフレア加工性を得られることがわかった。つまり、鋼帯幅端部から、鋼帯幅中央の表面温度よりも50℃以上高い表面温度になっている部分の長さを「誘導加熱装置による高温加熱幅」(「誘導加熱装置高温加熱幅」とも表す)としたとき、両幅端部それぞれにおいて、誘導加熱装置による高温加熱幅が10mm以上50mm以下になるようにすることで、フレア加工性がさらに良好な鍛接鋼管を製造できることが分かった。
実施例1はJIS G3452(2010年):配管用炭素鋼鋼管に規定される鋼を用いて実施した。板厚2.7mm〜4.4mm、鋼帯幅68mm〜460mmの鋼帯を用いて、図1に一例を示す本発明の製造工程で、鍛接鋼管を製造した。即ち、鋼帯2をエッジ成形機4で成形して、加熱炉5で鋼帯全体の加熱を行い、誘導加熱装置6で鋼帯幅端部両側の加熱を行う。成形鍛接機7でロール成形しつつ、鋼帯幅端部にノズル8で前記混合気体或いは空気単体を吹き付けて鍛接し、鍛接鋼管を製造した。なお、鍛接後の鋼管は、場合により、引続き絞り圧延を行って径を調整した。
上記製造工程で鍛接管を製造したときの、加熱炉5の加熱温度、誘導加熱装置6で加熱後の鋼帯幅端部温度、用いた混合気体或いは酸素単体をノズル8から供給する際の鋼帯端部近傍での酸素濃度などの製造条件、並びに、製造された鍛接鋼管の接合部の肉厚方向長さ12と管肉厚13との比、内面側に生じる溝の深さ10(鍛接後の管内面の接合部の溝深さ)、及び、フレア加工した後の接合部の平坦度(拡大してなる溝の深さである接合部周辺溝深さで評価し「フレア加工後の接合部の周辺の溝深さ」とした)、及び割れ発生の有無について、表1に示した。「フレア加工後の接合部の周辺の溝深さ」としては、鍔状に拡げられた部分の、鍔の長さの半分の場所にある接合部での溝の深さを代表値として用いた。この値はゼロに近いほどよいが、0.4mmを超えると、漏れなどの問題が発生しやすくなり、0.1mm以下であれば漏れなどの問題は皆無になるため、0.4mm以下を「合格」、0.1mm以下を「優良」とした。
本発明例であるNo.1〜6、23は、鍛接後の接合部周辺の溝深さは僅かであり、割れは発生せず、フレア加工後の接合部周辺の溝深さも0.20mm以下と良好であった。これに対して、本発明例であるNo.7〜9では、誘導加熱装置で加熱を行っても加熱幅の鋼帯全幅に対する比は0.28以上であり、これらは、鍛接後の接合部肉厚方向長さと管肉厚との比は1.00以上であって、フレア加工後の割れは発生しなかったが、フレア加工後の接合部の平坦度が0.3mm以上と品質は低下していた。又、従来例であるNo.10〜13は誘導加熱装置が無く、これらは、鍛接後の接合部肉厚方向長さと管肉厚との比が0.96未満であり、フレア加工後に割れが発生する場合があり、品質は低下していた。尚、No.13は鋼帯端部近傍の酸素濃度が30%を超えた為、鍛接時に鋼帯幅端部の温度は融点を超え、溶鋼が発生して溶鋼ビードが盛り上がって、鍛接鋼管の製造ラインではその溶鋼ビードの除去ができず、多大な労力も掛けられない事から、それら鋼管は廃棄せざるを得なかった。No.14〜15は鍛接後の接合部肉厚方向長さと管肉厚との比が1.0を超えているが、誘導加熱装置を使用していないため、フレア加工後に割れが発生した。これは誘導加熱による入熱がなく、鍛接時の熱量が不足し、さらに、鍛接後の管内面の接合部の溝深さが大きくなったために割れが発生したものである。No.16は誘導加熱装置を使用しないで酸素濃度を高くして製造をおこなった。その結果、鍛接後の接合部肉厚方向長さと管肉厚との比が1.15となり、フレア加工後にも割れの発生はなかったが、フレア加工後の接合部の周辺の溝深さが0.45mmとなった。これはフレア加工後の接合部の平坦度が低いことを示しており、許容できる品質でなかった。これは接合部肉厚方向長さと管肉厚との比が1.15と大きかったために割れに至ることはなかったが、鍛接後の管内面の接合部の溝深さが大きく、フレア加工後も溝が残ってしまったことによる。No.17は鍛接後の管内面溝深さが0.40mmと深いが、誘導加熱装置による加熱幅の鋼帯全幅に対する比が0.16、酸素濃度が26.5%であるためにフレア加工後の割れの発生はなく、溝深さも0.06mmと品質も良好であった。また、No.18〜22、No.24〜28は、鋼帯端部加熱温度、酸素濃度、接合部の肉厚方法長さの管肉厚に対する比のいずれかが、本発明範囲を外れており、フレア加工後も、接合部で割れが発生したり、フレア加工後の接合部の周辺の溝深さが許容できないほど大きくなったりと、不適なものであった。
Figure 0005482879
使用する鋼として、JIS G3452(2010年):配管用炭素鋼鋼管に規定されるものを用いて実施した。板厚2.7mm〜4.4mm、鋼帯幅68mm〜460mmの鋼帯を用いて、実施例1と同様に鍛接鋼管を製造した。実施例1と同様に製造条件、並びに、製造された鍛接鋼管の接合部の肉厚方向長さと管肉厚との比、内面側に生じる溝の深さ(鍛接後の管内面の接合部の溝深さ)、フレア加工した後の接合部の平坦度(拡大してなる溝の深さである接合部周辺溝深さで評価し「フレア加工後の接合部の周辺の溝深さ」とした)、及び割れ発生の有無について表2に示した。特に「誘導加熱装置加熱幅の比」として、鋼帯厚みに対する加熱幅の割合を記載した。つまり、鋼帯の片側に関して、鋼帯幅中央の表面温度よりも誘導加熱により表面温度が12℃以上高くなった部分の鋼帯端部からの長さを鋼帯厚さで除した値を求めた。誘導加熱は鋼帯の両側を同じ条件で行っているため、本実施例においては「誘導加熱装置加熱幅」は、鋼帯進行方向右側についてのみ求めた。また、「フレア加工後の接合部の周辺の溝深さ」としては、鍔状に拡げられた部分の、鍔の長さの半分の場所にある接合部での溝の深さを代表値として用いた。この値はゼロに近いほどよいが、0.4mmを超えると、漏れなどの問題が発生しやすくなり、0.1mm以下であれば漏れなどの問題は皆無になるため、0.4mm以下を「合格」、0.1mm以下を「優良」とした。
本発明の範囲にあるものは、フレア加工による割れも発生せず、フレア加工後の接合部周辺の溝深さも0.4mm以下と合格であり、さらに、鋼帯厚さに対する誘導加熱装置加熱幅の比が11以上28以下の場合には、フレア加工後の接合部周辺の溝深さが0.1mm以下と優良であった。
これに対して、本発明の範囲外のものは、フレア加工による割れが発生したり、フレア加工後の接合部周辺の溝深さが0.4mmを超える等して不合格であった。
Figure 0005482879
使用する鋼として、JIS G3452(2010年):配管用炭素鋼鋼管に規定されるものを用いて実施した。板厚2.7mm〜4.4mm、鋼帯幅68mm〜460mmの鋼帯を用いて、実施例1と同様に鍛接鋼管を製造した。実施例1と同様に製造条件、並びに、製造された鍛接鋼管の接合部の肉厚方向長さと管肉厚との比、内面側に生じる溝の深さ(鍛接後の管内面の接合部の溝深さ)、フレア加工した後の接合部の平坦度(拡大してなる溝の深さである接合部周辺溝深さで評価し「フレア加工後の接合部の周辺の溝深さ」とした)、及び割れ発生の有無について表3に示した。特に「誘導加熱装置高温加熱幅」として、鋼帯幅中央の表面温度よりも誘導加熱により表面温度が50℃以上高くなった部分の鋼帯端部からの長さを、鋼帯の片側に関して求めた。誘導加熱は鋼帯の両側を同じ条件で行っているため、本実施例においては「誘導加熱装置高温加熱幅」は、鋼帯進行方向右側についてのみ求めた。また、「フレア加工後の接合部の周辺の溝深さ」としては、鍔状に拡げられた部分の、鍔の長さの半分の場所にある接合部での溝の深さを代表値として用いた。この値はゼロに近いほどよいが、0.4mmを超えると、漏れなどの問題が発生しやすくなり、0.1mm以下であれば漏れなどの問題は皆無になるため、0.4mm以下を「合格」、0.1mm以下を「優良」とした。
本発明の範囲にあるものは、フレア加工による割れも発生せず、フレア加工後の接合部周辺の溝深さも0.4mm以下と合格であり、さらに、誘導加熱装置高温加熱幅が10mm以上50mm以下の場合には、フレア加工後の接合部周辺の溝深さが0.1mm以下と優良であった。
これに対して、本発明の範囲外のものは、フレア加工による割れが発生したり、フレア加工後の接合部周辺の溝深さが0.4mmを超えるなどして不合格であった。
Figure 0005482879
1 コイラー
2 鋼帯
3 ルーパー
4 エッジ成形機
5 加熱炉
6 誘導加熱装置
7 成形鍛接機
8 ノズル
9 鍛接鋼管
10 内面側に生じる溝の深さ
11 接合部
12 接合部の肉厚方向長さ
13 管肉厚
14 外面側に生じる溝の深さ
15 ビード部最大肉厚

Claims (2)

  1. 鍛接鋼管の製造方法であって、スリットした鋼帯を加熱炉で加熱し、その後、誘導加熱装置で鋼帯幅端部両側とも、該誘導加熱装置による誘導加熱装置高温加熱幅が、両幅端部それぞれにおいて、10mm以上50mm以下の長さとなるようにして、鋼帯幅端部を1360℃以上1450℃以下に加熱し、更に鋼帯幅端部を圧接して鍛接する直前に、酸素と空気を混合してなる鋼帯端部近傍での酸素濃度が22〜30%の混合気体を鋼帯端部に吹き付けて、その後、鋼帯幅端部を突き合わせて接合部肉厚方向長さが管肉厚以上となる鍛接を施すことを特徴とする、フレア加工後の接合部の周辺の溝深さが0.1mm以下である加工性に優れた鍛接鋼管の製造方法。
    ここで、誘導加熱装置高温加熱幅とは、鋼帯幅端部から、鋼帯幅中央の表面温度よりも50℃以上高い表面温度になっている部分の長さのことを表す。
  2. 請求項1に記載の製造方法により製造された、フレア加工後の接合部の周辺の溝深さが0.1mm以下である加工性に優れた鍛接鋼管。
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