JP5482358B2 - スイッチング電源回路の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明はスイッチング電源回路の制御方法に関し、特に力率改善回路に関する。
従来から、入力側の力率を改善する力率改善回路として、リアクトルとダイオードとスイッチング素子とからなる回路(いわゆる昇圧回路)が提案されている。より詳細に説明する。当該回路は直流電圧が印加される2つの入力端と、2つの出力端とを有している。リアクトルとダイオードとは、2つの入力端のうち高電位側の一方と2つの出力端の一方との間で、相互に直列に接続される。ダイオードは、リアクトルに対して出力端側で、そのアノードをリアクトルに向けて設けられる。スイッチング素子は、リアクトルとダイオードとの接続点と、入力端の他方及び出力端の他方とを接続するラインとの間に設けられる。
かかる回路において、スイッチング素子が導通しているときにはリアクトルとスイッチング素子とを介して入力端に電流が流れ、スイッチング素子が非導通であるときにはリアクトルとダイオードと出力端とを介して入力端に電流が流れる。これによって、入力電流の導通角度を広げ、以って入力側の力率を改善している。
また複数の当該回路を設けて、これらに属するスイッチング素子の導通タイミングを互いに異ならせる、いわゆるインターリーブ型の力率改善回路も提案されている。
なお本発明に関連する技術として特許文献1が開示されている。
特開平10−111028号公報
しかしながら、かかるインターリーブ型の力率改善回路は、テレビ受像機など小電力(600W程度)の電源回路に設けられている。一方、本願では、かかる力率改善回路を、例えば機械的な駆動力を発揮するための大電力(例えば2kW〜3kW程度)の電源回路に設けることを試みる。このような大電力の電源回路に力率改善回路を設けた場合、当該力率改善回路に流れる電流が大きい領域で効率が低下することが判明した。換言すれば、大電力の電源回路に力率改善回路を設けるからこそ、たとえインターリーブ型であっても電流の大きい領域で効率の低下を生じていた。
そこで、本発明は、電流が大きい領域でも効率を向上できるスイッチング電源回路の制御方法を提供することを目的とする。
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御方法の第1の態様は、第1及び第2の入力端(P1,P2)と、第1及び第2の出力端(P3,P4)と、前記第1の入力端と前記第1の出力端との間を結ぶ第1の経路(LH1)と、前記第1の経路上に設けられた第1のリアクトル(L1)と、前記第1の経路上で、前記第1のリアクトルに対して前記第1の出力端側で直列に接続されて、そのアノードを前記第1のリアクトル側に向けて設けられる第1のダイオード(D1)と、前記第2の入力端と前記第2の出力端との間を結ぶ第3の経路(LL)と、前記第1のリアクトルと前記第1のダイオードとの間の点と、前記第3の経路との間に設けられた第1のスイッチング素子(S1)と、前記第1の入力端と前記第1の出力端との間を結び前記第1の経路とは異なる第2の経路(LH2)と、前記第2の経路上に設けられた第2のリアクトル(L2)と、前記第2の経路上で、前記第2のリアクトルに対して前記第1の出力端側で直列に接続されて、そのアノードを前記第2のリアクトル側に向けて設けられる第2のダイオード(D2)と、前記第2のリアクトルと前記第2のダイオードとの間の点と、前記第3の経路(LL)との間に設けられた第2のスイッチング素子(S2)とを備える、スイッチング電源回路の制御方法であって、第2のスイッチング素子を非導通に維持し、前記第1及び前記第2の出力端の間の電圧についての第1の直流電圧指令値に基づいて第1のスイッチング素子の導通/非導通を繰り返し切り替える第1工程と、前記第1及び前記第2の入力端(P1,P2)を流れる電流が所定値を超えたときに、前記第1の直流電圧指令値よりも大きい第2の直流電圧指令値に基づいて前記第1及び前記第2のスイッチング素子の導通/非導通を繰り返し切り替える第2工程とが実行される。
本発明にかかるスイッチング電源回路の前記第1工程及び前記第2工程に先立って、前記第2のスイッチング素子(S2)を非導通に維持し、前記第1の直流電圧指令値に基づいて第1のスイッチング素子(S1)の導通/非導通を繰り返し切り替え、前記電流と前記スイッチング電源回路の効率との間の第1の関係を求める第3工程と、前記第2の直流電圧指令値に基づいて第1及び第2のスイッチング素子の導通/非導通を繰り返し切り替え、前記電流と前記スイッチング電源回路の効率との間の第2の関係を求める第4工程とが更に実行され、前記所定値として、前記第1関係と前記第2関係のいずれにおいても同じ前記効率を与える前記電流が採用される。
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御方法の第1の態様によれば、第1工程及び第2工程における直流電圧指令値を互いに同一の値とする制御方法に比して、第2工程における効率のピークをより大電流側に設定することができる。
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御方法の第2の態様は、第1の態様にかかるスイッチング電源回路の制御方法であって、最も効率が高くなるように、第1工程および第2工程を選択できる。
スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。 各スイッチング素子の導通/非導通と、各リアクトルを流れる電流と、各リアクトルを流れる電流の和の一例を示す模式的な図である。 本スイッチング電源回路の制御方法の一例を示すフローチャートである。 電流に対する効率の関係の一例を示す模式的な図である。 電流に対する効率の関係の一例を示す模式的な図である。
<スイッチング電源回路>
図1に例示するように、スイッチング電源回路は入力端P1,P2と出力端P3,P4と複数のリアクトルL1,L2と複数のダイオードD1,D2と複数のスイッチング素子S1,S2とを備えている。
入力端P1,P2の間には直流電圧が印加される。例えば入力端P1,P2には不図示のダイオード整流回路が接続される。ダイオード整流回路は不図示の交流電源からの交流電圧を整流し、整流後の直流電圧を入力端P1,P2の間に印加する。ここでは入力端P2に印加される電位は入力端P1に印加される電位よりも低い。なお、入力端P1,P2にダイオード整流回路が接続されることは必須要件ではない。入力端P1,P2の間に直流電圧を印加する任意の構成が入力端P1,P2に接続されていればよい。
リアクトルL1は入力端P1と出力端P3とを結ぶ経路LH1上に設けられている。リアクトルL2は入力端P1と出力端P3とを結ぶ経路LH2上に設けられている。
ダイオードD1は経路LH1上において出力端P3側でリアクトルL1と直列に接続されている。ダイオードD1はそのアノードをリアクトルL1に向けて設けられる。ダイオードD2は経路LH2上において出力端P3側でリアクトルL2と直列に接続されている。ダイオードD2はそのアノードをリアクトルL2に向けて設けられる。
スイッチング素子S1は、リアクトルL1とダイオードD1との間の点と、入力端P2および出力端P4を結ぶ経路LLとの間に設けられる。スイッチング素子S2は、リアクトルL2とダイオードD2との間の点と、経路LLとの間に設けられる。なお図1の例示では、スイッチング素子S1,S2がMOS(Metal Oxide Semiconductor)電界効果トランジスタとして示されているが、これに限らない。スイッチング素子S1,S2は例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ又はバイポーラトランジスタ等であってよい。
出力端P3,P4の間には平滑コンデンサC1が設けられている。平滑コンデンサC1は入力端P1,P2からリアクトルL1,L2、ダイオードD1,D2及びスイッチング素子S1,S2を介して印加される直流電圧を平滑する。
このようなスイッチング電源回路において、いずれも経路LH1に接続されるリアクトルL1、ダイオードD1及びスイッチング素子S1は回路1を構成し、いずれも経路LH2に接続されるリアクトルL2、ダイオードD2及びスイッチング素子S2は回路2を構成する。回路1,2は後述するように昇圧回路として機能するとともに入力側の力率を改善する力率改善回路として機能する。
スイッチング素子S1,S2の導通/非導通はそれぞれ制御部6によって制御される。なお、以下で説明するスイッチング素子S1,S2の制御について、特別な記載が無い限りその主体は制御部6である。
またここでは、制御部6はマイクロコンピュータと記憶装置を含んで構成される。マイクロコンピュータは、プログラムに記述された各処理ステップ(換言すれば手順)を実行する。上記記憶装置は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、書き換え可能な不揮発性メモリ(EPROM(Erasable Programmable ROM)等)、ハードディスク装置などの各種記憶装置の1つ又は複数で構成可能である。当該記憶装置は、各種の情報やデータ等を格納し、またマイクロコンピュータが実行するプログラムを格納し、また、プログラムを実行するための作業領域を提供する。なお、マイクロコンピュータは、プログラムに記述された各処理ステップに対応する各種手段として機能するとも把握でき、あるいは、各処理ステップに対応する各種機能を実現するとも把握できる。また、制御部6はこれに限らず、制御部6によって実行される各種手順、あるいは実現される各種手段又は各種機能の一部又は全部をハードウェアで実現しても構わない。
出力端P3,P4には例えばインバータ3が接続される。インバータ3はその出力側で例えばモータ4と接続される。インバータ3は出力端P3,P4を介して入力される直流電圧を交流電圧に変換して、これをモータ4へと与える。これにより、モータ4が駆動される。モータ4は例えば空気調和機に設けられる圧縮機またはファン等の機械的装置を駆動する。かかる機械的装置へと電源を与える本スイッチング電源回路は大電力(例えば2kW〜3kW)の用途で用いられる。
<回路1の単独運転>
本スイッチング電源回路においてスイッチング素子S2を非導通とし、回路1を単独で動作させることができる。
回路1においてスイッチング素子S1が導通していれば、入力端P1から入力端P2へとリアクトルL1及びスイッチング素子S1を経由して電流が流れる。かかる電流はリアクトルL1のインダクタンスと入力端P1,P2の間の直流電圧とによって定まる傾斜に応じて増大する(図2において電流IL1を参照)。かかる電流によってリアクトルL1には電磁エネルギーが蓄積される。
そしてスイッチング素子S1が導通から非導通へと切り替わると、入力端P1から入力端P2へとリアクトルL1、ダイオードD1及び平滑コンデンサC1を経由して電流が流れる(図1参照)。このとき、リアクトルL1に蓄積された電磁エネルギーによる電圧(誘導起電圧)が入力端P1,P2の間の直流電圧に加算されて、その合計が平滑コンデンサC1に印加される。よって、入力端P1,P2の間の直流電圧を昇圧して平滑コンデンサC1に印加できる。
かかる電流はリアクトルL1のインダクタンス及び平滑コンデンサC1の静電容量等に基づく傾斜で低減する(図2において電流IL1を参照)。そして、かかる電流、即ち電流IL1が零になったときに、再びスイッチング素子S1を導通させる。その後は上述した動作を繰り返す。かかる動作により電流IL1は鋸歯状の形状に沿って変化する。このようにリアクトルL1に流れる電流IL1が零に至った以後にスイッチング素子S1を導通させるモードは、いわゆる臨界電流モードと呼ばれる。
以上のように回路1は、入力端P1,P2の間の電圧を昇圧して出力端P3,P4の間に印加するスイッチング電源回路として機能することができる。また平滑コンデンサC1へと電流が流れない期間(スイッチング素子S1が導通する期間)であっても、スイッチング素子S1を介して入力端P1,P2には電流が流れる。よって、入力端P1,P2を流れる電流の導通角度を広げることができる。換言すれば回路1は力率改善回路として機能することができる。
かかる回路1についてのスイッチングを実現すべく、例えば図1において、不図示の検知回路によってリアクトルL1を流れる電流IL1が検知されて、検知された電流IL1が制御部6に入力される。制御部6は例えば電流IL1のゼロクロスを検知し、当該ゼロクロスを検知した時点からスイッチング素子S1へとスイッチ信号を出力する。そして、制御部6は任意の直流電圧指令値(出力端P3,P4の間の電圧についての指令値)に基づいて決定される期間が経過したことを以って当該スイッチ信号の出力を停止する。なお、かかる期間を決定すべく、出力端P3,P4の間の直流電圧を検出し、検出された検出された直流電圧が制御部6に入力されてもよい。制御部6はかかる直流電圧と直流電圧指令値との偏差に基づいて、スイッチ信号を出力する期間を決定する。
なお、回路2の単独運転についても同様であるが、ここでは回路1の単独運転を例に挙げて説明する。
<回路1,2の協働運転>
本スイッチング電源回路においては回路1,2を協働して運転させることができる。かかる運転はインターリーブとも呼ばれる。
回路1における動作は上述した動作と同一であるので、詳細な説明は省略する。
図2にはスイッチング素子S2の導通/非導通の状態、及びリアクトルL2を流れる電流IL2も示されている。スイッチング素子S2は、スイッチング素子S1が導通した時点から所定期間経過したときに導通する。かかる所定期間は、スイッチング素子S1が導通してから再び導通するまでの期間(以下、周期とも呼ぶ)Tより短い期間である。図2の例示では、所定期間として期間Tの半分を採用しており、以下では所定期間として期間Tの半分を採用した場合について説明する。
スイッチング素子S2がスイッチング素子S1から半周期遅れて動作することにより、回路2においては回路1に対して半周期遅れて動作が行われる。よって、リアクトルL2を流れる電流IL2はリアクトルL1に流れる電流IL1に対して半周期遅れる(図2の電流IL2を参照)。
例えば回路1のみを単独で動作させる場合には、入力端P1,P2を流れる電流IはリアクトルL1を流れる電流IL1と等しい。一方、回路1,2を協働して動作させる場合には、電流Iは電流IL1,IL2の和と等しい。かかる和によって、電流IL1の値が低い部分(いわゆる谷)は電流IL2の値が高い部分(いわゆる山)によって埋められる。同様に、電流IL2の谷は電流IL1の山によって埋められる。よって、電流Iの変動成分(いわゆる高調波成分)を低くすることができる(図2の電流Iを参照)。なお、電流IL1,IL2の周期のずれは半周期に限らないが、半周期であれば最も高調波成分を低減できる。また電流IL1の谷を電流IL2の山が埋めるので、電流IL1の平均値を高めることもできる。換言すれば、回路1を単独で動作させる場合と同じ平均値を達成するために、電流Iの最大値を低減することができる。
かかる回路1,2についてのスイッチングを実現すべく、制御部6は例えば電流IL1のゼロクロスを検知し、当該ゼロクロスを検知した時点からスイッチング素子S1へとスイッチ信号を出力する。そして、制御部6は任意の直流電圧指令値に基づいて決定される期間が経過したことを以って当該スイッチ信号の出力を停止する。またこれと並行して、制御部6は電流IL1のゼロクロスを検知した時点から所定期間(例えば半周期)経過した時点からスイッチング素子S2へとスイッチ信号を出力し、任意の直流電圧指令値に基づいて決定される期間が経過したことを以って当該スイッチ信号の出力を停止する。なお、スイッチング素子S1,S2へとスイッチ信号を出力する期間は、制御部6によって、直流電圧指令値と検出された出力端P3,P4の間の直流電圧との偏差に基づいて決定されればよい。
以上のように、本スイッチング電源回路によれば、回路1を単独で動作させることができ、また回路1,2を協働して動作させることができる。なお、制御部6は回路1の単独運転と回路1,2の協働運転とを切り替える機能も有する。
<スイッチング電源回路の制御方法>
本スイッチング電源回路では、負荷の変動に応じて回路1の単独運転と回路1,2の協働運転を切り替える。具体的には、電流Iが予め定められた所定値よりも小さいときには回路1を単独運転させ、電流I(或いは電流Iの平均)が所定値よりも大きいときには回路1,2を協働運転させる。なお電流Iは例えば次のように検知される。すなわち、例えば図1において、不図示の検知回路によって電流IL2が検知され、検知された電流IL2が制御部6に入力される。制御部6は検知された電流IL1,IL2を加算して電流Iを算出する。なお、これに限らず入力端P1,P2を流れる電流Iを不図示の検知回路で検知してもよく、また負荷の状態、又は出力端P3,P4を流れる電流及び出力端P3,P4の間の電圧に基づいて入力端P1,P2を流れる電流Iを推定してもよい。
かかる制御方法の一例が図3に例示されている。なお、図3のフローチャートは所定の期間ごとに繰り返し実行される。ステップST1にて、制御部6は電流I(或いは電流Iの平均)が所定値を超えているかどうかを判断する。ステップST1にて否定的な判断がなされたときには、ステップST2にて、制御部6は直流電圧指令値Aを採用して回路1を単独で動作させる。ステップST1にて肯定的な判断がなされたときには、ステップST3にて、制御部6は直流電圧指令値Bを採用して回路1,2を協働で動作させる。本実施の形態では、回路1,2の協働運転において採用される直流電圧指令値Bは、回路1の単独運転において採用する直流電圧指令値Aよりも大きい。
かかる制御により、以下で説明する効果を招来する。
図4に例示するように、直流電圧指令値A(例えば330V(例えば定格値))に基づく回路1の単独運転において、電流Iを変化させた場合、電流Iに対する本スイッチング電源回路の効率の関係は上に凸のグラフで表される(図4中の実線を参照)。なお、図4においては、回路1の単独運転を「1相」として表し、回路1,2の協働運転を「2相」として表している。これは後述する図5でも同様である。
なお上述した関係を示すグラフは、スイッチング素子S2を非導通に維持し、直流電圧指令値Aに基づいてスイッチング素子S1の導通/非導通を繰り返し切り替え、負荷の出力(例えばモータ4へと与える電圧及びその周波数)を変更することで、予め実験により求められる。
電流Iに対する効率の関係が上に凸のグラフで表されるので、効率が最大値を採るときの電流I(図4の所定値I1)が1つ存在する。なお図4の例示では、所定値I1は電流Iの比較的小さい範囲に属している。
また図4に例示するように、直流電圧指令値B(例えば380V)に基づく回路1,2の協働運転において、電流Iを変化させた場合、電流Iに対する本スイッチング電源回路の効率の関係も上に凸のグラフで表される(図4中の鎖線を参照)。なおこの関係は、直流電圧指令値Bに基づいてスイッチング素子S1,S2の導通/非導通を繰り返し切り替え、負荷の出力(例えばモータ4へと与える電圧及びその周波数)を変更することで、予め実験により求められる。
電流Iに対する効率の関係が上に凸のグラフで表されるので、効率が最大値を採るときの電流I(図4の所定値I2)が1つ存在する。また図4の例示では所定値I2は電流Iの比較的大きい範囲に属する。
さて、所定値I1,I2は直流電圧指令値によっても変動する。以下に詳述する。
回路1の単独運転において、直流電圧指令値Aを小さくすれば所定値I1はより小さい値を採る。換言すれば、効率の最大値が電流Iの小さい側に移動する。同様に直流電圧指令値Aを大きくすれば所定値I1はより大きい値を採る。換言すれば、効率の最大値が電流Iの大きい側に移動する。なお、直流電圧指令値Aにおける効率の最大値が、他の直流電圧指令値における効率の最大値よりも大きければ、直流電圧指令値Aの値を変更することによって、効率の最大値は低下する。
同様に、回路1,2の協働運転において、直流電圧指令値Bを小さくすれば所定値I2はより小さい値を採り、直流電圧指令値Bを小さくすれば所定値I2はより大きい値を採る。また、直流電圧指令値Bにおける効率の最大値が、他の直流電圧指令値における効率の最大値よりも大きければ、直流電圧指令値Bの値を変更することによって、効率の最大値は低下する。
上述した内容に鑑みて、本願との比較のために、次の2通りの制御について考慮する。第1の制御においては、直流電圧指令値C(例えば350V)に基づいて回路1のみを単独で動作させる。第2の制御においては、直流電圧指令値Aよりも大きく、直流電圧指令値Bよりも小さい直流電圧指令値Dに基づいて、回路1の単独運転及び回路1,2の協働運転を実行する。
まず第1の制御において、高い効率を実現する電流Iの範囲について考慮する。効率の最大値を採る電流Iの値を所定値I1,I2の略中央となるように、直流電圧指令値Cを設定することで、高い効率を実現する電流Iの範囲を増大させることを試みる。しかしながら、直流電圧指令値Aを直流電圧指令値Cにすることで効率の最大値を所定値I1,I2の間に位置させることができたとしても、その両側の効率は大きく低下する。よって、高い効率を実現する電流Iの範囲を広げることは難しい(図4中の破線の参照)。
次に第2の制御においては、図5に例示するように、直流電圧指令値Dに基づく回路1の単独運転において、効率の最大値を採る電流Iの値たる所定値I1’は所定値I1よりも大きい。これは直流電圧指令値Dが直流電圧指令値Aよりも大きいからである。また図5の例示では、所定値I1’における効率の最大値は図4に例示する所定値I1における効率の最大値よりも低い。
一方、直流電圧指令値Dに基づく回路1,2の協働運転において、効率の最大値を採る電流Iの値たる所定値I2’は所定値I2よりも小さい。これは直流電圧指令値Dが直流電圧指令値Bよりも小さいからである。また図5の例示では所定値I2’における効率の最大値は図4に例示する所定値I2における効率の最大値よりも低い。
したがって、たとえ電流I(或いはその平均)が比較的小さい範囲で回路1を単独で動作させ、電流I(或いはその平均)が比較的大きい範囲で回路1,2を協働して動作させたとしても、それぞれ直流電圧指令値A,Bに基づいて回路1の単独運転及び回路1,2の協働運転を実行する場合と比して、高い効率を実現できる電流Iの範囲が小さい。これは、図4の例示において効率E1以上である電流Iの最小値Iminと最大値Imaxとの間の範囲と、図5の例示において効率E1以上である電流Iの最小値Imin’と最大値Imax’との間の範囲とにおいて表現されている。
ここで、回路1の単独運転と、回路1,2の協働運転において共通の直流電圧指令値を採用しつつも、かかる直流電圧指令値を変更することで高い効率を実現できる電流Iの範囲を広げることを試みる。例えば回路1の単独運転において、効率の最大値を最も高くすべく、直流電圧指令値Aを採用した場合、直流電圧指令値Aに基づく回路1,2の協働運転において、効率の最大値を採る電流Iの値たる所定値I2’はさらに小さい値を採る。よって、高い効率を実現できる電流Iの範囲を広げることは難しい。また例えば回路1,2の協働運転において、効率の最大値を最も高くすべく、直流電圧指令値Bを採用した場合、直流電圧指令値Bに基づく回路1の単独運転において、効率の最大値を採る電流Iの値たる所定値I1’はさらに大きい値を採る。よって、高い効率を実現できる電流Iの範囲を広げることは難しい。
一方、本実施の形態によれば、回路1の単独運転における直流電圧指令値Aと、回路1,2の協働運転における直流電圧指令値Bとをそれぞれ異なる値に設定している。よって、回路1の単独運転における効率と、回路1,2の協働運転における効率とを、それぞれ異なる直流電圧指令値に基づいて調整することができる。さらには、直流電圧指令値Bとして直流電圧指令値Aよりも大きい値を採用することで、例えば第1の制御および第2の制御に比して、高い効率を実現できる電流Iの範囲を広げることができる。これにより、運転範囲を広げることができる(最大能力を向上することができる)。また効率を向上できるので、換言すれば、消費電力を低減することができる。
またリアクトルL1,L2、ダイオードD1,D2及びスイッチング素子S1,S2のデバイス特性を変えることなく効率を調整できるので、効率を最適化するに際して各デバイスを変える必要がない。よってコストを抑制できる。
なお、図5を参照して、電流I(或いはその平均)が所定値Irefを超えたときに、直流電圧指令値を増大させて、回路1の単独運転から回路1,2の協働運転へと切り替えてもよい。所定値Irefは、回路1の単独運転における電流と効率との第1関係と、回路1,2の協働運転における電流と効率との第2関係とのいずれにおいても同じ効率を与える。換言すれば所定値Irefは第1関係及び第2関係の交点における電流値である。
これによって、最も効率が高くなるように、回路1の単独運転と回路1,2の協働運転とを選択することができる。
なお、本実施の形態では、回路1,2について説明したが、これに限らない。同様の構成を有する3つ以上の回路を設け、電流I(或いはその平均)を基準として、直流電圧指令値とともに動作させる回路の数を切り替えてもよい。
D1,D2 ダイオード
L1,L2 リアクトル
LH1,LH2,LL 電源線
S1,S2 スイッチング素子

Claims (2)

  1. 第1及び第2の入力端(P1,P2)と、
    第1及び第2の出力端(P3,P4)と、
    前記第1の入力端と前記第1の出力端との間を結ぶ第1の経路(LH1)と、
    前記第1の経路上に設けられた第1のリアクトル(L1)と、
    前記第1の経路上で、前記第1のリアクトルに対して前記第1の出力端側で直列に接続されて、そのアノードを前記第1のリアクトル側に向けて設けられる第1のダイオード(D1)と、
    前記第2の入力端と前記第2の出力端との間を結ぶ第3の経路(LL)と、
    前記第1のリアクトルと前記第1のダイオードとの間の点と、前記第3の経路との間に設けられた第1のスイッチング素子(S1)と、
    前記第1の入力端と前記第1の出力端との間を結び前記第1の経路とは異なる第2の経路(LH2)と、
    前記第2の経路上に設けられた第2のリアクトル(L2)と、
    前記第2の経路上で、前記第2のリアクトルに対して前記第1の出力端側で直列に接続されて、そのアノードを前記第2のリアクトル側に向けて設けられる第2のダイオード(D2)と、
    前記第2のリアクトルと前記第2のダイオードとの間の点と、前記第3の経路(LL)との間に設けられた第2のスイッチング素子(S2)と
    を備える、スイッチング電源回路の制御方法であって、
    第2のスイッチング素子を非導通に維持し、前記第1及び前記第2の出力端の間の電圧についての第1の直流電圧指令値に基づいて第1のスイッチング素子の導通/非導通を繰り返し切り替える第1工程と、
    前記第1及び前記第2の入力端(P1,P2)を流れる電流が所定値を超えたときに、前記第1の直流電圧指令値よりも大きい第2の直流電圧指令値に基づいて前記第1及び前記第2のスイッチング素子の導通/非導通を繰り返し切り替える第2工程と
    が実行される、スイッチング電源回路の制御方法。
  2. 前記第1工程及び前記第2工程に先立って、
    前記第2のスイッチング素子(S2)を非導通に維持し、前記第1の直流電圧指令値に基づいて第1のスイッチング素子(S1)の導通/非導通を繰り返し切り替え、前記電流と前記スイッチング電源回路の効率との間の第1の関係を求める第3工程と、
    前記第2の直流電圧指令値に基づいて第1及び第2のスイッチング素子の導通/非導通を繰り返し切り替え、前記電流と前記スイッチング電源回路の効率との間の第2の関係を求める第4工程と
    が更に実行され、
    前記所定値として、前記第1関係と前記第2関係のいずれにおいても同じ前記効率を与える前記電流が採用される、請求項1記載のスイッチング電源回路の制御方法。
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