JP5481651B2 - 電子スピン共鳴装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子スピン共鳴装置に関する。
電子スピン共鳴(ESR)を利用して、例えば動物の皮膚のような試料の測定や分析を行う際には、通常、静磁場中に配置された空洞共振器に試料を挿入し、空洞共振器内にマイクロ波を照射する。このとき、静磁場中でゼーマン分裂したエネルギー準位間のエネルギー差に相当する電磁波(マイクロ波)を試料が吸収することによって電子スピン共鳴が生じ、得られたESRスペクトルから試料の測定・分析が行われている。
例えば、非特許文献1には、周波数2.2 GHzのマイクロ波によるESRを用いて皮膚を画像化する方法が開示されている。この方法では、皮膚を特殊なリング状の器具に押し当て、その部位をESRで測定する。
また、ESRによる測定では、空洞共振器内に挿入する試料の大きさには限界があり、例えば試料のサイズを数ミリメートル程度にする必要がある。そこで、特許文献1には、大きな試料を破壊せずにESR測定可能とする電子スピン共鳴装置が開示されている。この装置では、空洞共振器の外周壁に内部のマイクロ波を外部へ漏洩させるための穴を設け、空洞共振器の外部からこの穴に試料を接近させて配置し、測定を行うようにしている。
特公昭60−051659号公報
Journal of Magnetic Resonance 151(2001) 124-128
しかしながら、非特許文献1に開示されている方法では、特殊な器具を用意することが必要であるために実用的でなく、測定対象も限られるという問題がある。
また、特許文献1に開示された装置では、空洞共振器の上下方向に延びた外周壁の穴に試料を接近させて配置するため、試料を上下方向に移動しないように且つ穴の位置から外れないように保持する器具や特別な手段が必要である。すなわち、非特許文献1と同様に特別な器具あるいは手段を備えなければならず、手間もかかるという問題がある。
本発明は、ESRによる試料測定に際し、特別な器具あるいは手段を用意することなく、例えば動物の皮膚や毛髪、爪の表面とその下層あるいは局所面など、試料の微細な部位を、高い解析度で簡便かつ迅速に測定できる電子スピン共鳴装置を提供することを目的とする。
本発明は、円筒形の空洞を有する空洞共振器に静磁場を印加すると共に、該空洞共振器内に高周波のマイクロ波を加えるように構成した電子スピン共鳴装置において、前記空洞共振器は、その内部空洞の円形断面が内接する平面を備え、該平面上の前記円形断面が接する位置に前記マイクロ波を前記空洞共振器の外に放出させるための孔を有し、前記空洞が水平方向に延びると共に前記平面が上面又は下面になるように配置されていることを特徴とする。
本発明の装置で用いられるマイクロ波の周波数は、例えば9GHzであり、その場合に空洞共振器の平面に設けられる孔は1〜3ミリメートルの径を有するものとする。
本発明のESR装置によれば、測定は、空洞共振器に試料を挿入して行うのではなく、空洞共振器に設けた孔から放出されるマイクロ波を用いて試料を検出する。その際、空洞共振器の孔は平面に設けられているので、試料は平面上に置くだけで孔に近接することとなり、従来のように保持のために特別な器具や手段を要しない。特に、平面が上面である場合には、試料を載せればよく、平面が下面の場合は、支持台の上に試料を置いてその上に空洞共振器の下面が接するように配置する。
また、前記孔は空洞共振器の内部空洞の円形断面が内接する平面上の位置に設けられているので、孔から放出されるマイクロ波は、空洞内の強度に対し一定の割合で試料に吸収される。その結果得られた信号からESRスペクトルを抽出して、詳細な局所環境の運動性や構造性を解析する。
従って、本発明によれば、皮膜のような試料を破壊することなく、空洞共振器の孔から放出されるマイクロ波を効率よく試料に当てて局所磁場を発生させることができ、皮膜のような試料の状態を高精度のESR画像として生成することができる。
更に、本発明によれば、マイクロ波の周波数が10GHz近傍(例えば、9GHz)又はそれ以上のESR装置を構成することにより、マイクロモル濃度もしくはそれより低い濃度の検出濃度を実現できる。より高い周波数では、より低濃度の検出が可能になる。
また、マイクロ波周波数9GHzのESR装置に磁場勾配コイルを装着した装置に改良することで、磁場勾配コイルを印加して局所磁界を発生させ、上下方向にある試料を分離することが可能になる。得られたESR信号を画像処理することで試料状態の画像分離ができる。
上記のように、本発明では、空洞共振器に試料を挿入することなく、しかも特殊な器具を用いることなく試料を測定することができる。このため、試料のサイズや部位にとらわれることなく迅速な測定を可能にする。すなわち、非侵襲で、培養皮膚や皮膚表面と内部・皮膜表面と内部・髪の毛表面と内部・爪の表面と内部、内層の流動性や構造性を画像評価することが可能になる。
また、生体の皮膚の構造状態をESR画像生成で画像判定が可能になるので、皮膚科学関連の領域や分野の飛躍的進展に寄与することが期待される。
農業・食品分野で期待できる例として、果実・野菜・食品・魚貝類等に含まれる脂質、アミノ酸、セラミドなどの肌への効果検証が挙げられる。
また、皮膚科学関連分野とその化学系製造業での皮膚計測が可能な例として、以下のものが挙げられる。
紫外線や放射線暴露による皮膚状態の画像化、
化粧品・香粧品、家庭用洗剤・漂白剤、化学薬品等の肌荒れの検証、
肌に良いとされるクリーム等製品の肌への効果検証、
医薬品研究開発で経皮吸収剤の皮膚からの吸収性の検証。具体的には、経皮吸収剤をあらかじめ皮膚に添付し、その後、経皮吸収剤をふき取り、プローブ剤を添付することにより経皮吸収剤の効果を検証することができる。
実施形態のESR装置の概略構成を示す図。 空洞共振器と導波管の配置図。 導波管を接続した空洞共振器の構成を示す斜視図。 図3の空洞共振器の点A、B、Cで示される3つの位置におけるマイクロ波の強度を示すグラフ。 空洞共振器の上面に試料を配置して測定する場合の説明図。 空洞共振器の下面に試料を配置して測定する場合の説明図。
図1は、本発明の実施形態に係るESR装置1の主要な構成を示す。この装置は、
試料Sを配置する場所に静磁場を発生させる左右一対の電磁石2a,2bと、
本装置の電源(図示省略)とは別に設けた電源3から供給される電流によって静磁場中に磁場勾配を生じさせる左右一対の磁場勾配コイル4a,4bと、
本装置の電源から給電されて、後述のように空洞共振器6の外に置いた試料Sから信号を取り出すための磁場を形成する左右一対の磁場変調コイル5a,5bと、
図2に示すように導波管16を通してマイクロ波が供給される空洞共振器6と、
この空洞共振器6の上面に置いた試料Sからの信号を検出し、ESR信号として出力する検出器7と、
その検出信号(ESR信号)を増幅する増幅器8とを備える。
ここで、増幅されたESR信号は、試料分析に必要な画像を生成する装置9に送信されるようになっている。
図3に示すように、空洞共振器6は、外形が略直方体形状で、その内部に水平方向に延びた円筒形の空洞10を備えている。空洞共振器6の上面6aは、空洞10の円形断面11が内接する平面となっており、この平面上の前記円形断面11が接する位置(図示の場合、空洞10の中心軸方向の接線13の中点)に、空洞10内に供給されたマイクロ波を空洞共振器6の外に放出させるための孔12を有する。
この空洞共振器6では、マイクロ波の強度は空洞10内の位置によって異なる。具体的には、空洞10の円形断面11の最も低い位置にある軸方向直線14上で上記孔12の真下の点をA、上面6a上で孔12の中心上の点をB、空洞10の内壁面上で上下方向の中点をCとすれば、3つの点A,B,Cで示される位置におけるマイクロ波の強度は、次のようになることが確認された。
例えば、周波数9.445GHzのマイクロ波の場合、図4に示すように、A点では190nA/m、B点では52nA/m、C点では0に近い値となった。従って、上面6a上の孔12の位置では、空洞10内のマイクロ波の25%近くが出ていることがわかる。
従って、本実施形態の空洞共振器6を用いて測定する際には、図5に示すように、空洞共振器6の孔12を設けた上面6a上に試料Sを置いて、空洞10内にマイクロ波を供給すればよい。
或いは、図6に示すように、空洞共振器6の空洞10を下面6bに円形断面が接するように形成してその接線上に孔12を設けてもよい。この場合、適当な支持台15の上に試料Sを置いて、その上に空洞共振器6の孔12を設けた下面6bが接するように配置することができる。これにより、図5の場合と同様の測定結果が得られる。
本実施形態によれば、空洞共振器6の内部空洞10から平面上の孔12を通じて漏出するマイクロ波による磁界を利用して試料SのESR量を測定する。そのため、磁場勾配コイル4a,4bを用いて局所磁界を発生させ、検出器7で得られたESR信号を増幅機8で増幅して画像生成装置9で画像として生成処理することにより、試料の表面状態を示す画像を分離できる。
測定条件として、例えば、図1のESR装置1における磁場勾配Gの強度を約40mT/cmとし、画像分解能を約0.005ミリメートルとすることができる。
また、マイクロ波の周波数が9GHzの場合、空洞共振器6の平面に設ける孔12の径は1〜3ミリメートルとするとよい。他の周波数の場合には、孔12の径は周波数に反比例する。例えば、12GHzであれば、(1〜3)ミリメートル×9/12=(0.75〜2.25)ミリメートルとする。但し、実用上、孔の径は1ミリメートル以上である。
1…ESR装置、2a,2b…電磁石、3…電源、4a,4b…磁場勾配コイル、5a,5b…磁場変調コイル、6…空洞共振器、7…検出器、8…増幅器、9…画像生成装置、10…空洞、11…円形断面、12…孔、13…接線、14…直線、15…支持台、16…導波管。

Claims (2)

  1. 円筒形の空洞を有する空洞共振器に静磁場を印加すると共に、該空洞共振器内に高周波のマイクロ波を加えるように構成した電子スピン共鳴装置において、
    前記空洞共振器は、その内部空洞の円形断面が内接する平面を備え、該平面上の前記円形断面が接する位置に前記マイクロ波を前記空洞共振器の外に放出させるための孔を有し、前記空洞が水平方向に延びると共に前記平面が上面又は下面になるように配置されていることを特徴とする電子スピン共鳴装置。
  2. 前記マイクロ波の周波数が9GHzの場合に前記孔は1〜3ミリメートルの径を有することを特徴とする請求項1記載の電子スピン共鳴装置。
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