JP2013501534A - 少なくとも一つの電磁量を決定するための装置及び方法 - Google Patents

少なくとも一つの電磁量を決定するための装置及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、磁性粒子を含む対象物、特に人体の電磁特性を特徴づける少なくとも一つの電磁量を決定するための装置100に関する。磁性粒子撮像法(MPI)の既知の原理を適用する装置100は、フィールドフリーポイント(FFP)を示す既知の磁場パターンを持つ選択磁場50を生成するための選択手段と、駆動磁場によってFFPの空間内の位置を変えるための駆動手段と、撮像領域28内の磁性粒子の磁化に依存して検出信号を得るための受信手段と、検出信号に依存して粒子分布量を再構成するための再構成ユニット152とを有する。装置100は、更に、第1の駆動磁場周波数に対応する検出信号の第1のセットと、第1の駆動磁場周波数とは異なる第2の駆動磁場周波数に対応する検出信号の第2のセットとを得るため受信手段を制御する制御ユニット150を有する。制御ユニット15は、更に、検出信号の第1のセットに依存する第1の粒子分布量と、検出信号の第2のセットに依存する第2の粒子分布量とを再構成するための再構成ユニット152を制御する。装置100は、更に、第1及び第2の粒子分布量に依存する電磁量を決定するための決定ユニット160を有する。本発明は、更に、対応する方法及びコンピュータプログラムにも関する。

Description

本発明は、少なくとも一つの電磁量を決定するための装置及び対応する方法に関する。更に、本発明は、コンピュータ上で前記方法を実行し、斯様な装置を制御するためのコンピュータプログラムに関する。
医学画像において、生物組織特性は、画像コントラストを作るために利用される。例えば、電気的伝導率は、異なるタイプの組織に対して異なる。従って、少なくとも人体の一部を通じて伝導率分布を特徴づけている伝導率量は、人体の異なる組織を区別するために重要である。例えば、前記伝導率量は、腫瘍と健康な組織との間、又は心筋梗塞の後の壊死組織と生きている組織との間を区別するために使用される。前記伝導率量は、ストローク又は脳溢血に関連して脳組織の特徴を支援するためにも使用できる。
電磁量を決定する多くの方法が既知である。例えば、「電気インピーダンストモグラフィ」(EIT)と呼ばれている方法が、伝導率測定を実行するため、よって伝導率量を決定するため使用される。この方法で、多くの導電電極が検査されるべき人の皮膚に取付けられ、電流が電極間に付与される。この方法の大きな不利な点は、電極を取付けるために必要な莫大な時間量である。空間解像度があまり高くないという事実もある。
国際特許公開公報WO2007/017779A2では、MRIシステム又はMRIスキャナを用いた「Electric Impedance Tomography」(EPT)と呼ばれている方法が説明されている。この方法では、患者のボディを通じた電気的伝導率分布及び/又は電気的誘電率分布が決定できる。この方法では、励起電磁場が、対象物のスピンを励起するために付与される。励起された対象物から磁気共鳴信号が得られる。誘導磁場強度分布は、獲得した磁気共鳴信号から取り出される。更にまた、励起電磁場に関連した電界強度分布は、磁場及びマクスウェルの方程式を使用して計算される。電気的誘電率分布及び/又は電気的伝導率分布は、電界強度分布及び誘導磁場強度分布から計算される。測定が実行される前の準備をするために必要な時間が比較的小さいにもかかわらず、この方法の使用は、以下の不利な点のため、制限されている。第1に、励起電磁場の周波数は、関係するMRシステムのいわゆるラーモア周波数に固定され、この周波数は対応する検査の大多数に対して必要とされる周波数より著しく高い。第2に、MRシステムで励起電磁場を回転させることが不可能なので、電気伝導度の異方性は手、足及び頭のような極めて少ない、部分的に「回転可能な」ボディの一部に対してだけ調査できる。第3に、特にEPTのためにMRスキャナが磁場を生成して測定するために「ちょっと」用いられるので、MRスキャナはどちらかと言うと高価な撮像モダリティである。
「Magnetic Particle Imaging(磁性粒子撮像法)」(MPI)は、新進の医学画像モダリティである。MPIの第1のバージョンは二次元画像を作るという点で二次元であった。将来のバージョンは、三次元(3D)となろう。対象物が単一の3D画像のデータ収集の間、著しく変化しないとすると、非静止の対象物の時間依存、すなわち4D画像が3D画像の時間的シーケンスを動画に結合することにより作られる。
MPIは、コンピュータ断層撮影(CT)又は磁気共鳴撮像法(MRI)のような再構成撮像方法である。従って、関心がある対象物のボリュームのMP画像は、2つのステップで生成される。データ収集と呼ばれる第1のステップは、MPIスキャナを使用して実施される。MPIスキャナは、スキャナのアイソセンターで単一のフィールドフリーポイント(FFP)を持つ、「選択磁場」と呼ばれる傾斜静磁場を生成する手段を持つ。加えて、スキャナは、時間依存の空間的にはほとんど均一な磁場を生成する手段を持つ。実際、この磁場は、「駆動磁場」と呼ばれる小さな振幅で急速に変化する磁場と、「焦点磁場」と呼ばれる大きな振幅でゆっくり変化する磁場とを重畳することにより得られる。時間依存の駆動及び焦点磁場を静的選択磁場に加えることにより、FFPは、アイソセンターを囲んでいるスキャンボリュームにわたって、既定のFFP軌跡に沿って移動する。スキャナは、また、一つ以上、例えば3つの受信コイルの装置を持ち、これらのコイルで誘導される電圧を記録できる。データ収集のために、撮像されるべき対象物は、関心がある対象物のボリュームが、スキャンのボリュームの副セットであるスキャナの撮像領域(Field of View、FOV)により囲まれるように、スキャナ内に置かれる。
対象物は、磁性ナノ粒子を含まなければならず、対象物が動物又は患者である場合、斯様な粒子を含む造影剤が、スキャンの前に動物又は患者に投与される。データ収集の間、MPIスキャナは、スキャンのボリューム又は少なくとも撮像領域の跡をたどる慎重に選ばれた軌跡に沿って、FFPを進める。対象物中の磁性ナノ粒子は、変化する磁場を経験して、磁化が変化することにより反応する。ナノ粒子の変化磁化は、受信コイルの各々で時間依存の電圧を誘導する。この電圧は、受信コイルと関連する受信器においてサンプリングされる。受信器により出力されるサンプルは、記録され、収集されたデータを構成する。データ収集の細部を制御するパラメータは、走査プロトコルを形成する。
画像再構成と呼ばれる画像生成の第2のステップでは、第1のステップで得られるデータから、画像が計算される、すなわち再構成される。画像は、撮像領域内の磁性ナノ粒子の位置依存的な濃度のサンプリングされた近似を表すデータの離散的3Dアレイである。再構成は、適切なコンピュータプログラムを実行するコンピュータにより一般に実施される。コンピュータ及びコンピュータプログラムは、再構成アルゴリズムを実現する。再構成アルゴリズムは、データ収集の数学モデルに基づく。全ての再構成撮像方法と同様に、このモデルは、収集したデータに従って作用する統合されたオペレータであり、再構成アルゴリズムは、可能な限り、モデルの動きをキャンセルしようとする。
斯様なMPI装置及び方法は、これらが任意の検査対象物―例えば人体―を非破壊態様で損傷させずに、高い空間解像度で、検査対象物の表面に接近して、また離れて調べるために使用できるという利点を持つ。斯様な装置及び方法は、広く知られていて、ドイツ特許出願公開公報DE10151778A1、及びGleich、B.及びWeizenecker、J.(2005)、「Tomographic imaging using the nonlinear response of magnetic particles(磁性粒子の非線形反応を使用した断層撮影撮像)」、nature第435巻、pp.1214―1217に先ず記載されている。その刊行物に説明されている磁性粒子撮像(MPI)のためのシステム及び方法は、小さな磁性粒子の非線形磁化曲線を利用する。しかし、まだ、MPI装置及び方法は、電磁量を決定するためには適合されていない。
対象物、特に人体の電磁的特性を特徴づけている少なくとも一つの電磁量を決定するための代替装置及び対応する方法並びにコンピュータプログラムを提供することが本発明の目的であり、これらにより測定が任意の周波数特に低周波数で実行でき、磁場の方向が回転できる。
本発明の第1の態様において、磁性粒子を含む対象物、特に人体の電磁特性を特徴付ける少なくとも一つの電磁量を決定するための装置であって、当該装置は、選択手段と駆動手段と受信手段と再構成ユニットと制御ユニットとを有し、前記選択手段は、低い磁場強度を持つ第1の副ゾーン及び高い磁場強度を持つ第2の副ゾーンが撮像領域内に形成されるように、磁場強度の空間にパターンを持つ選択磁場を生成するための選択磁場素子と選択磁場信号生成ユニットとを有し、前記駆動手段は、対象物に含まれる磁性粒子の磁化が局地的に変化するように、駆動磁場により撮像領域内のこれら2つの副ゾーンの空間の位置を変化させるための駆動磁場コイルと駆動磁場信号生成ユニットとを有し、前記受信手段は、検出信号を収集するための少なくとも一つの受信コイルと少なくとも一つの信号受信ユニットとを有し、前記検出信号は第1の副ゾーン及び第2の副ゾーンの空間の位置の変化により影響される撮像領域内の磁化に依存し、前記再構成ユニットは、前記検出信号に依存する対象物の少なくとも一部内の磁性粒子の空間的分布を特徴付ける粒子分布量を再構成し、前記制御ユニットは、第1の駆動磁場周波数に対応する検出信号の第1のセットを収集し、第1の駆動磁場周波数とは異なる第2の駆動磁場周波数に対応する検出信号の第2のセットを収集するため前記信号受信ユニットを制御し、前記制御ユニットは、検出信号の第1のセットに依存する第1の粒子分布量を再構成し、検出信号の第2のセットに依存する第2の粒子分布量を再構成するため前記再構成ユニットを制御し、前記再構成ユニットは、第1及び第2の粒子分布量に依存する電磁量を決定するための決定ユニットを含む、装置が提示される。
他の本発明の態様において、磁性粒子を含む対象物、特に人体の電磁特性を特徴づける少なくとも一つの電磁量を決定するための方法であって、低い磁場強度を持つ第1の副ゾーン及び高い磁場強度を持つ第2の副ゾーンが撮像領域内に形成されるように、その磁場強度の空間内にパターンを持つ選択磁場を生成するステップと、対象物に含まれる磁性粒子の磁化が局所的に変化するように、駆動磁場によって前記撮像領域内の2つの副ゾーンの空間の位置を変えるステップと、第1及び第2の副ゾーンの空間の位置の変化により影響される前記撮像領域内の磁化に依存して検出信号を収集するステップと、前記検出信号に依存して対象物の少なくとも部分内の磁性粒子の空間分布を特徴づける粒子分布量を再構成するステップと、第1の駆動磁場周波数に対応する検出信号の第1のセットの収集と、第1の駆動磁場周波数とは異なる第2の駆動磁場周波数に対応する検出信号の第2のセットの収集とを制御するステップと、検出信号の第1のセットに依存して第1の粒子分布量の再構成及び検出信号の第2のセットに依存して第2の粒子分布量の再構成を制御するステップと、第1及び第2の粒子分布量に依存して電磁量を決定するステップとを有する、方法が提示される。
本発明の更に他の態様において、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実施されるとき、前記方法のステップを実施するために前記装置をコンピュータに制御させるためのプログラムコード手段を有するコンピュータプログラムが提示される。
本発明の好ましい実施例は、従属請求項で定められている。請求されている方法及び請求されているコンピュータプログラムは、請求されている装置及び従属請求項で規定されたのと同様及び/又は同一の好ましい実施例を持つと理解されるべきである。
本発明は、関心のボリューム内部、特に人体すなわち患者の少なくとも一部の内部で磁場を生成し決定するため磁性粒子撮像(MPI)システム、従って、MPIスキャナを使用するというアイデアに主に基づく。MPIシステムを使用する測定を実行するために、検査されるべき対象物は、磁性粒子を含まなければならない。得られた空間的に分解された磁場は、(例えばマクスウェルの方程式を使用して)少なくとも一つの電磁量を決定するために使われ、当該電磁量は対象物の電磁特性を特徴づける。よって、患者の電気的な特性を再構成し、次に人体の異なる組織間を区別することが可能である。MPIスキャナを使用することは、少なくともMRIと比較して非常に広い周波数範囲を示す磁場を生成可能にする。特に、MRIで通常適用される周波数、通常は40MHzより高い(f>40MHz)周波数より明らかに低い低周波数を示す磁場を生成することが可能である。よって、例えば、電磁量の周波数スペクトルを調査することが可能である。更にまた、MPIスキャナで生成される磁場の方向は、容易に回転できる。これは、例えば電磁量の異方性の調査を可能にする。大事なことを言い忘れていたが、収集コストに関して、MPIスキャナは、MRIスキャナより著しく安価である。
MPIシステム又はMPIスキャナを用いた具体的なアプローチは、以下の通りである。第1の駆動磁場周波数に対応する検出信号の第1のセットを収集し、第1の駆動磁場周波数とは異なる第2の駆動磁場周波数に対応する検出信号の第2のセットを収集する。検出信号の第1のセットに依存して、第1の粒子分布量が再構成され、検出信号の第2のセットに依存して、第2の粒子分布量が再構成される。最後に、電磁量は、第1及び第2の粒子分布量に依存して決定される。
以下の理由のために、異なる駆動磁場周波数に対応する検出信号の2つのセットが決定される。MPIシステムのコイルにより生成される磁場すなわちRF磁場と検査される又は撮像されるべき対象物との間の相互作用は、駆動磁場周波数を増大させるにつれてより顕著になる。前記相互作用は、電磁量を決定するため、又は電磁特性トモグラフィを行うための前提条件である。前記相互作用は、誘発電流、損失、及び減衰を有しているので、これらはMPIスキャナにより生成される磁場を歪める。この歪みは、検出信号のセットにインパクトを持ち、従って必然的に検出信号のセットに依存して再構成される粒子分布量にインパクトを持つ。よって、粒子分布量は、検査されるべき対象物に含まれる磁性粒子又は造影剤の分布を単に表すだけでなく、前記磁場歪み効果により影響される。
磁場歪み効果を定量化し、従って磁場歪みから生じる検出信号のセットの量を抽出するため、結果的に磁場歪みから生じる粒子分布量の量を抽出するために、異なる駆動磁場周波数を示す2つの異なる駆動磁場を持つ2つのMPI測定が実施される。第1の軌跡、従って主に低周波成分を持つ第1の信号スペクトルを生成するために第1の駆動磁場周波数を選択して、第1の測定が実施される。低い駆動磁場周波数のため、この第1の測定で得られる検出信号の第1のセット、従って第1の粒子分布量は、ほとんどの場合、検査されるべきボディの解剖学的構造、従って前記ボディに含まれる組織の種々異なるタイプにより与えられる磁性粒子の分布を専ら表す。第2の軌跡、従って主に高周波成分を持つ第2の信号スペクトルを生成するために第2の駆動磁場周波数を選択して、第2の測定が実施される。高い駆動磁場周波数のため、この第2の測定で得られる検出信号の第2のセット、従って第2の粒子分布量も、磁性粒子の分布を表すが、上述した磁場歪み効果によりぼやけている。第2の駆動磁場周波数は、磁場歪み効果が明確に発生するように、検査されるべきボディを刺激するために十分高くなければならない。
電磁量を決定することに関して、2つの粒子分布量が使われ、電磁量を決定するために必要な磁場歪み効果を表している第2の粒子分布量の量が、磁性粒子の分布を表している第2の粒子分布量の量を除去することにより取り出せる。従って、検査されるべきボディの具体的な解剖学的構造に関する詳細な情報を持つ必要なく、非常に簡単な態様で電磁量を決定することが可能である。
第1の駆動磁場周波数が100kHz(f<100kHz)の最大周波数より低い第1の周波数範囲内に好適にはあり、第2の駆動磁場周波数が1MHzより高い最小周波数とおよそ10MHzより低い最大周波数とを持つ第2の周波数範囲(1MHz<f<10MHz)内に好適には、あることがわかった。
好ましい実施例によると、制御ユニットは、第1の駆動磁場周波数を示す第1の駆動磁場を生成し、第2の駆動磁場周波数を示す第2の駆動磁場を生成するための駆動磁場信号生成器ユニットを制御するために適している。この手法は、両方の駆動磁場周波数の正確な選択、よって磁場歪み効果を表す第2の粒子分布量の量の最良可能な取り出しを可能にする。従って、電磁量を決定する際の最良の結果が受け取られる。
好適には、駆動磁場振幅が、駆動磁場周波数に加えて選択される。第1の駆動磁場が小さな第1の駆動磁場振幅を持ち、第2の駆動磁場が大きな駆動磁場振幅を持つ場合に、電磁量を決定する際の最良の結果が得られることがわかった。これは、第1の駆動磁場振幅が第2の駆動振幅より小さい(A<A)ことを意味する。
他の実施例によると、制御ユニットは、第1及び第2の駆動磁場が連続して生成されるように、駆動磁場信号生成器ユニットを制御するために適合されている。この手法は、検出信号の両方のセットが別々に得られるという利点を持ち、従って、電磁量を決定するために必要である磁場歪み効果を表している第2の粒子分布量の量が取り出せ、最良の結果として電磁量の非常に正確な決定になる。
他の実施例によると、制御ユニットは、第1及び第2の駆動磁場周波数を同時に示す第3の駆動磁場を生成するための駆動磁場信号生成器ユニットを制御するために適合されている。2つの別個の駆動磁場での2つの別個の測定の代わりに、単一の駆動磁場で単一の測定だけがなされるので、この測定で電磁量を決定するために必要とされる時間が減少される。第1の実施例では、第3の駆動磁場は、第1及び第2の駆動磁場を重畳することから生じる。これは、第1の駆動磁場が専ら生成される場合に駆動磁場コイルに流れる第1の駆動磁場電流と、第2の駆動磁場が専ら生成される場合に駆動磁場コイルに流れる第2の駆動磁場電流との重畳である駆動磁場コイルに流れる駆動磁場電流を生成することにより、達成される。第2の実施例では、基本波及び高調波として第1の駆動磁場周波数を含む駆動磁場電流が使用され、高調波の1つは第2の駆動磁場周波数である。
更に、第3の駆動磁場が第1及び第2の駆動磁場を重畳することから生じる場合、第1の駆動磁場が第1の主要な磁場成分、従って第1の方向の測定が許容される当該第1の方向を持ち、第2の駆動磁場が第2の主要な磁場成分、従って第2の方向の測定が許容される当該第2の方向を持つことが考えられる。
他の実施例によると、決定ユニットは、第1の粒子分布量と第2の粒子分布量とで形成される比率に依存して電磁量を決定するために適合されている。これは、電磁量を決定するために必要である磁場歪み効果を表す第2の粒子分布量の量を確実に取り出すための簡単であまり時間のかからない手法である。
好ましい実施例では、2つの副ゾーンは、第1の駆動磁場周波数に対応する第1の軌跡に沿った空間の第1の位置と、第2の駆動磁場周波数に対応する第2の軌跡に沿った空間の第2の位置とを取り、制御ユニットは、第1の位置及び第2の位置が互いに実質的に一致するように、駆動磁場信号生成器ユニットを制御するために適合されている。この手法の利点は、2つの副ゾーンの空間の異なる位置から生じる影響が排除されるということであり、従って第1及び第2の測定を実行してフィールドフリーポイントがとれる。従って、電磁量の非常に正確な決定が可能である。
他の実施例によると、決定ユニットは、電磁量を決定するため第1及び第2の粒子分布量に依存して実際の磁場強度量を決定するために適合されている。この手法は、速く且つ確実に電磁量を決定するための非常に簡単なアプローチを表す。粒子分布量は、検査されるべき対象物の少なくとも一部内の磁性粒子の空間分布を特徴づける。従って、前記粒子分布量を使用することで、ボディの部分が露出される磁場を表す実際の磁場強度量が、非常に正確に決定できる。前記実際の磁場強度量が、電磁量を容易且つ確実に決定する、又は電磁量を決定するための基になる中間の量を決定するための量として使用でき、斯様な決定に関して、マクスウェルの方程式が適用できる。好適には、実際の磁場強度量は、第2の駆動磁場周波数を示す駆動磁場と選択磁場との重畳の結果である磁場を表す。結果として生じる磁場は、印加磁場とも呼ばれる。存在する場合、焦点磁場から生じる他の磁場成分が存在する。結果として生じる磁場の形状は、標準MPI測定で通常発生している形状に対応する。
他の実施例によると、決定ユニットは、基準磁場強度量に依存して実際の磁場強度量を決定するために適合されている。この手法では、ジオメトリ及び検査されるべき対象物の電気的な特性に関する詳細な情報が必要ではないので、実際の磁場強度が、非常に簡単且つ信頼性が高い態様で決定できる。好適には、基準磁場強度量は、第1の駆動磁場周波数を示す駆動磁場と選択磁場との重畳から生じている磁場を記述する。第1の駆動磁場周波数を示す駆動磁場を考慮すると、基準磁場強度量は、ビオサバールの法則を使用して、選択磁場コイルから、及び駆動磁場コイルのジオメトリから、容易に取り出せる。
他の実施例によると、制御ユニットは、駆動磁場の方向を変化させるため駆動磁場信号生成器ユニットを制御するために適合されている。この手法は、生物組織の異方性反応に関する検査、よって電磁量異方性検査を可能にする。既に述べたように、人体を通じて伝導率分布を特徴づける伝導率量は、医学的撮像の分野と大きく関連する。前記伝導率では、その異方性についての知識さえも関心がある。生物組織の伝導率異方性は、例えば脳の神経線維又は心臓筋線維の構造的損傷を識別するための診断役割を演ずるだろう。電磁量異方性検査を実行するため、第1の駆動磁場周波数を示す第1の駆動磁場の方向と、第2の駆動磁場周波数を示す第2の駆動磁場の方向とは、変化しなければならない。好適には、両方の方向は、基本的に等しい手法で変化される。
他の実施例によると、装置は、更に、装置のシステム機能のシステムデータのセットを格納するための記憶ユニットを有する。現実の測定が例えば電磁量を決定するために実行される前に、システムデータのセットは、適時の較正測定を実行することにより得られる。現実の測定が実行された後、適時の較正測定を実行することも考えられる。前記較正測定で、いわゆるシステム機能が決定される。システム機能は、検査されるべき対象物に含まれる磁性粒子の空間的位置と周波数反応との間の関係、従って受信手段で得られる検出信号を確立する。システム機能は、MPIスキャナの特性、特に、ロードされていないコイルにより生成される特定の磁場の特性、及び使用される造影剤の特性を本質的に説明する。較正測定は、コイル及び造影剤のセットアップに対して一度なされなければならない。
他の実施例によると、決定ユニットは、電界強度量を決定するために適合されている。前記電界量は、実際の磁場強度量により特徴づけられる磁場に関係する電界を特徴づける。この手法は、磁場強度量に依存して直接決定できない電磁量の決定を可能にする。よって、異なる電磁量の総合的な測定が可能である。
他の実施例によると、対象物の部分を通じて伝導率分布を特徴づけている伝導率量、対象物の部分を通じて誘電率分布を特徴づけている誘電率量、及び対象物の部分を通じて局所的特定のエネルギー吸収レートを特徴づけている特定の吸収レート量のうちの少なくとも1つが、電磁量として決定される。全体として、多様な電磁量が利用でき、様々な生物組織の広範囲な識別を可能にする。上記の電磁量の中で、伝導率量は、多くの組織の識別がこの量に基づくので、最も大きな関連があるだろう。電気的伝導度撮像は、多数のアプリケーションを持つ医学的撮像の新規なモダリティに結果としてなるだろう。更に、伝導率量は、他の電磁量、例えば前記特性吸収レート量を決定するために使われる。上記及び下記の説明の状況において、特定の吸収レート(SAR)量は、RFすなわち電磁場にさらされるときのエネルギーが生物組織により吸収されるレートを当該量が特徴づけるので、吸収レート(SAR)量もまた対象物の電磁特性を特徴づける電磁量としてみなされる。
他の実施例によると、再構成ユニットは、モニタ上の対象物の部分を通じて電磁量の空間分布を表示するためのコンピュータに電磁量を送信するために適合されている。電磁量の空間分布をモニタ上に表示することは、生物組織内の検査される対象物異常の部分が存在するかの概要を容易に得るという利点を持つ。加えて、この手法は、第1の測定で得られた結果の即時の評価を可能にし、必要ならば、その後改善された第2の測定を実行可能にする。
既に説明されたように、MPIシステムを用いて検査されるべき対象物は磁性粒子を含まなければならない。対象物が動物又は患者である場合、磁性粒子は、斯様な磁性粒子を含む造影剤を投与することにより対象物、すなわちボディに入る。それゆえ、ボディ内の磁性粒子の分布は、造影剤の分布ともみなされ得る。
上記及び下記の説明で使用される用語「伝導率」及び「誘電率」は、用語「電気的伝導率」及び「電気的誘電率」を表す。
本発明のこれら及び他の態様は、これ以降説明される実施例を参照して明らかに説明されるだろう。
図1は、MPI装置の第1実施例を示す。 図2は、図1に示すような装置により作られる選択磁場パターンの例を示す。 図3は、MPI装置の第2の実施例を示す。 図4は、本発明によるMPI装置のブロック図を示す。 図5は、本発明によるMPI方法のフローチャートを示す。
本発明の詳細が説明される前に、磁性粒子撮像法の基本が、図1乃至図4を参照して詳細に説明されるだろう。特に、医学診断法のためのMPIスキャナの2つの実施例が説明されるだろう。データ収集の略式の説明も与えられる。2つの実施例間の類似点及び相違点が指摘されるだろう。
図1に示されるMPIスキャナの第1実施例10は、同軸平行円形コイルの3つの主要な対12、14、16を持ち、各対は図1に図示されるように配置されている。これらのコイル対12、14、16は、駆動磁場及び焦点磁場だけでなく選択磁場を生成するのに役立つ。3つのコイル対12、14、16の軸18、20、22は、相互に直角で、MPIスキャナ10のアイソセンター24と称される単一ポイントで交差する。加えて、これらの軸18、20、22は、アイソセンター24に取付けられる3Dデカルトのx―y―z座標系の軸として役立つ。垂直軸20はy軸に指名され、x軸及びz軸は水平軸である。コイル対12、14、16は、それらの軸にちなんで名づけられている。例えば、yコイル対14は、スキャナの上部及び底部のコイルにより形成されている。その上、正(負)のy座標を持つコイルはyコイル(yコイル)と呼ばれ、残りのコイルも同様である。
スキャナ10は、これらのコイル12、14、16の各々を通じて何れかの方向に既定の時間に依存する電流を導くようにセットできる。このコイルの軸に沿って見るとき、電流がコイルの周りを時計回りに流れる場合、それは正とみなされ、反時計回りに負とみなされる。静の選択磁場を生成するために、正の定電流Iがzコイルを流れ、電流−Iがzコイルを流れるようになされる。zコイル対16は、このとき逆平行の円形コイル対として作用する。
一般に勾配磁場である選択磁場は、磁力線50により図2に表される。選択磁場は、選択磁場を生成するzコイル対16の(例えば水平)z軸22の方向に実質的に一定の勾配を持ち、この軸22上のアイソセンター24で値0に達する。この選択磁場のフィールドフリーポイント(図2に個別には示されていない)から始まって、磁力線50により特徴づけられる選択磁場の磁場強度は、磁場のフィールドフリーポイントから距離が増大するにつれて3つ全ての空間方向に増大する。アイソセンター24周りの点線により示される第1の副ゾーンすなわち領域52において、磁場強度はあまりにも小さいので、その第1の副ゾーン52に存在する粒子の磁化は飽和しないが、第2の副ゾーン54(領域52の外側)に存在する粒子の磁化は飽和状態にある。スキャナの撮像領域28(FOV)の第1の副ゾーン52は、好ましくは空間的にコヒーレントな領域である。同じことが、第1の副ゾーン52に含まれる磁場のフィールドフリーポイントに当てはまる。第1の副ゾーン52は、点状領域、ライン又は平坦な領域でもよい。第2の副ゾーン54(すなわち第1の副ゾーン52外のスキャナの撮像領域28の残りの部分)において、選択磁場の磁場強度は、磁性粒子を飽和状態に保つために十分に強い。
撮像領域28内の2つの副ゾーン52、54の位置を変えることにより、撮像領域28の(全体的な)磁化は変化する。撮像領域28の磁化又は磁化により影響される物理的パラメータを測定することにより、撮像領域28の磁性粒子の空間分布に関する情報が得られる。撮像領域28の2つの副ゾーン52、54の相対的な空間位置を変えるために、他の磁場、すなわち駆動磁場、及び適用できる場合、焦点磁場は、撮像領域28又は少なくとも撮像領域28の一部の磁力線50により特徴づけられる選択磁場に重畳される。
駆動磁場を生成するために、時間依存的な電流I は、xコイル12両方を流れ、時間依存的な電流I はyコイル14両方を流れ、時間依存的な電流I はzコイル16両方を流れるようになされる。よって、3つのコイル対の各々は、平行な円形のコイル対として作用する。同様に、焦点磁場を生成するために、時間依存的な電流I はxコイル12両方を流れ、電流I はyコイル14両方を流れ、電流I はzコイル16両方を流れるようになされる。
zコイル対16が特別である点に留意されたい。zコイル対16は、駆動磁場及び焦点磁場のその役割だけでなく、選択磁場も生成する。z±コイルを流れる電流は、I +I +Iである。残りの2つのコイル対12、14を流れる電流は、I +I であり、k=1、2である。これらのジオメトリ及び左右対称のため、3つのコイル対12、14、16は、よくデカップリングされている。これが所望されている。
逆平行の円形のコイル対により生成されるので、選択磁場はz軸の周りに回転対称であり、そのz成分はzにおいてほとんど線形であり、アイソセンター24周りの大きなボリュームにおいてx及びyから独立している。特に、選択磁場は、アイソセンターで単一のフィールドフリーポイント(FFP)を持つ。対照的に、平行の円形のコイル対により生成される駆動磁場及び焦点磁場への寄与は、アイソセンター24の周りの大きなボリュームにおいて空間的にほとんど均一であり、それぞれのコイル対の軸と平行である。3つ全ての平行した円形のコイル対により共同で生成される駆動磁場及び焦点磁場は、空間的にほとんど均一であって、或る最大まで任意の強度、及び方向を与えられる。駆動磁場及び焦点磁場は、時間依存でもある。焦点磁場と駆動磁場との違いは、焦点磁場が時間的にゆっくり変化して大きな振幅を持つのに対し、駆動磁場が急速に変化して小さな振幅を持つということである。これらの磁場を異なって扱う物理的及び生医学的理由がある。大きな振幅で急速に変化する磁場は、生成するのが難しく、患者に危険であろう。
MPIスキャナ10は、平行の円形コイルの少なくとも一つの他の対を持ち、好ましくはx軸、y軸及びz軸に沿ってまた配置される平行の円形コイルの3つの他の対を持つ。図1に示されていないこれらのコイル対は、受信コイルとして役立つ。駆動磁場及び焦点磁場のためのコイル対12、14、16のように、これら受信コイル対の1つを流れる一定電流により生成される磁場は、それぞれのコイル対の軸に平行であり、撮像領域内で空間的にほとんど均一である。受信コイルは、よくデカップリングされていると想定される。受信コイル内に誘導される時間依存的な電圧は、増幅されて、このコイルに取付けられる受信器によりサンプリングされる。より正確に言うと、この信号の巨大なダイナミックレンジに対処するために、受信器は、受信信号と基準信号との間の差をサンプリングする。受信器の伝達関数は、DCから、予想される信号レベルが雑音レベルより下に低下するポイントまでゼロではない。
図1に示されるMPIスキャナ10は、z軸22に沿って、すなわち選択磁場の軸に沿って円筒形中孔26を持つ。全てのコイルは、この中孔26の外側に配置される。データ収集のために、関心がある患者のボリューム、撮像される(又は処置される)患者(又は対象物)のそのボリューム、スキャナが撮像できるコンテンツを持つスキャナのボリュームが、スキャナの撮像領域28により囲まれるように、中孔26に置かれる。患者(又は対象物)は、例えば、患者テーブル上に配置される。撮像領域28は、立方体、ボール又はシリンダのような中孔26の内部の幾何学的に単純なアイソセントリックのボリュームである。立体的撮像領域28が、図1に図示される。
第1の副ゾーン52のサイズは、一方では選択磁場の勾配の強度に依存し、他方では飽和のために必要とされる磁場の磁場強度に依存している。80A/mの磁場強度での磁性粒子の充分な飽和及び50x10A/mに達する選択磁場の磁場強度の(特定の空間方向における)勾配のために、粒子の磁化が飽和していない第1の副ゾーン52は、(特定の空間方向において)約1mmの寸法を持つ。
関心がある患者のボリュームは、磁性ナノ粒子を含んでいると想定する。特に、例えば、腫瘍の治療及び/又は診断治療の前に、磁性粒子は、例えば患者(対象物)のボディに注入されるか又は、例えば経口的に、患者に投与される磁性粒子を有する液体によって、関心があるボリューム内に位置される。磁性粒子を有する液体は、造影剤と呼ばれている。
磁性粒子の実施例は、例えば、5nmの厚さを持ち、例えば、鉄―ニッケル合金(例えば、パーマロイ)から成る軟磁層を具備する例えばガラスの例えば球面板を有する。この層は、例えば、化学的及び/又は物理的に攻撃的な環境、例えば酸から粒子を保護する被覆層によって覆われている。斯様な粒子の磁化の飽和のために必要とされる選択磁場50の磁場強度は、様々なパラメータ、例えば粒子の直径、被覆層のための使用される磁気材料及び他のパラメータに依存している。
例えば10μmの直径の場合、(1mTの磁束密度にほぼ対応する)ほぼ800A/mの磁場が、このとき必要とされるが、100μmの直径の場合、80A/mの磁場で十分である。低い飽和磁化を持つ物質の被覆が選択されるとき、又は層の厚みが減少するとき、更により小さな値が得られる。一般に使用できる磁性粒子は、商品名Resovistで市場で利用可能である。
一般に使用可能な磁性粒子及び粒子構成の更なる詳細のために、欧州特許EP1304542、国際特許公開公報WO2004/091386、WO2004/091390、WO2004/091394、WO2004/091395、WO2004/091396、WO2004/091397、WO2004/091398の対応する部分がここで参照され、本願に組み込まれる。同様に、これらの文献で広くMPI方法の多くの詳細が見つけられる。
データ収集は、時間tで始まり、時間tで終わる。データ収集の間、x、y及びzコイル対12、14、16は、位置及び時間依存的な磁場、印加磁場を生成する。これは、コイルを流れる適切な電流を導くことにより達成される。実質的に、駆動磁場及び焦点磁場は、撮像領域のスーパーセット(上位集合)をスキャンするボリュームをたどる予め選択されたFFP軌跡に沿ってFFPが移動するよう周辺に選択磁場をプッシュする。印加磁場は、患者内の磁性ナノ粒子を方向づける。印加磁場が変化するにつれて、磁化が非線形ではあるが印加磁場に反応して、結果として生じる磁化もまた変化する。変化する印加磁場と変化する磁化との和は、x軸に沿って受信コイル対の端子間に時間依存的な電圧Vを誘導する。関連する受信器は、この電圧を信号S(t)に変換し、サンプリングして出力する。
駆動磁場変動の周波数バンド以外の(より高い周波数にシフトされた)他の周波数帯域において第1の副ゾーン52に位置される磁性粒子から信号を受信又は検出することが、有利である。これは、磁化特性の非線形性の結果としてスキャナの撮像領域28内の磁性粒子の磁化の変化により、駆動磁場周波数の高調波の周波数成分が発生するので、可能である。
図3は、MPスキャナ30の第2の実施例を示す。図1に図示された第1の実施例のように、MPIスキャナ30の第2の実施例は、3つの円形及び相互に直交するコイル対32、34、36を持つが、これらのコイル対32、34、36は選択磁場及び焦点磁場だけを生成する。再び選択磁場を生成するzコイル36が、強磁性材料37で満たされている。この実施例30のz軸42は垂直に配置される一方で、x軸及びy軸38、40は水平に配置される。スキャナの中孔46は、x軸38と平行であり、よって選択磁場の軸42と直交する。中孔46は撮像領域28を含む。駆動磁場は、x軸38に沿ったソレノイド(図示せず)と、2本の残りの軸40、42に沿ったサドルコイル(図示せず)の対とにより生成される。これらのコイルは、中孔を形成するチューブ周りを巻回する。駆動磁場コイルは受信コイルとしても役立つ。受信コイルにより取り上げられた信号は、印加磁場により生じる寄与を抑制する高域フィルタを通って送られる。
斯様な実施例の2、3の典型的パラメータを与える:選択磁場Gのz勾配はG/μ=2.5T/mの強度を持ち、ここで、μは真空誘電率である。生成された選択磁場は、時間にわたって全く変化しないか、又は好ましくはほぼ1Hzとほぼ100Hzとの間で比較的ゆっくり変化する。駆動磁場の時間的周波数スペクトルは、25kHz周辺(最高ほぼ100kHz)で狭い帯域に集中する。受信信号の有効な周波数スペクトルは、50kHzと1MHz(最終的には、ほぼ10MHzまで)との間にある。中孔は、120mmの直径を持つ。中孔46に嵌まる最大の立方体は、120mm/√2≒84mmのエッジ長さを持つ。
上記実施例に示されるように、様々な磁場は、同じコイル対のコイルにより、及びこれらのコイルに適切に生成された電流を供給することにより生成できる。しかしながら、特に高いSN比を持つ信号補間の目的で、時間的に一定(又は準一定)の選択磁場及び時間的に可変の駆動磁場及び焦点磁場が別々のコイル対により生成されるとき、有利である。一般に、ヘルムホルツタイプのコイル対は、例えば、無線周波数(RF)コイル対が関心の領域の上下に位置され、前記RFコイル対が時間的に可変の磁場を生成できるオープン磁石(オープンMRI)を具備する磁気共鳴装置の分野から一般に知られているこれらのコイルに対して使用できる。従って、斯様なコイルの構成は、本願明細書で更に詳述される必要はない。
選択磁場の生成のための代わりの実施例では、永久磁石(図示せず)が使用できる。斯様な(対向する)永久磁石(図示せず)の2つの極の間の空隙に、図2に示されている、すなわち、対向する極が同じ極性を持つときのと同様の磁場が形成される。他の代わりの実施例では、選択磁場は、少なくとも一つの永久磁石及び少なくとも一つのコイルの混合により生成できる。
図4は、本発明によるMPI装置100の通常のブロック線図である。装置100では、少なくとも一つの電磁量が決定できる。前記電磁量は、磁性粒子を含む対象物の電磁特性を特徴づける。対象物は、人間又は動物のボディでもよい。ボディの場合、電磁量は、前記ボディに含まれる生物組織の電磁特性を特徴づける。磁性粒子撮像及び上述された磁気共鳴撮像法の一般的原理は、特に明記しない限り、有効であり、この実施例にも適用できる。
図4に示される装置100の実施例は、所望の磁場を生成するための様々なコイルのセットを有する。最初に、コイル及びMPIモードでのコイルの機能が説明されるだろう。
上述の(勾配)選択磁場を生成するため、好ましくはコイル素子の少なくとも一つの対を有する選択磁場(SF)コイル116のセットを有する選択手段が供給される。選択手段は、更に、選択磁場信号生成器ユニット110を有する。好ましくは、別々の生成器サブユニットが、選択磁場コイルのセット116の各コイル素子(又はコイル素子の各対)に対して供給される。前記選択磁場信号生成器ユニット110は、制御可能な選択磁場電流源112(一般にアンプを含む)と、所望の方向に選択磁場の勾配強さを個別に設定するために、それぞれの区域フィールドコイル素子に選択磁場電流を供給するフィルタユニット114とを有する。好ましくは、DC電流が供給される。選択磁場コイル素子が対向コイルとして(例えば撮像領域の対向側に)配置される場合、対向コイルの選択磁場電流は、好ましくは反対方向に向けられる。前記選択手段で、図2に示されるように、低い磁場強度を持つ第1の副ゾーン52及び高い磁場強度を持つ第2の副ゾーン54が撮像領域28内に形成されるように、選択磁場は、その磁場強度の空間内にパターンを持つ。
選択磁場信号生成器ユニット110は、制御ユニット150により制御される。制御ユニット150は、選択磁場の全ての空間断片の勾配強度の和及び磁場強度の和が事前に決められたレベルに維持されるように、好ましくは選択磁場電流生成器ユニット110を制御する。
焦点磁場の生成のために、装置100は、更に、対向して配置された焦点磁場コイル素子の3つの対126a、126b、126cを好ましくは有する焦点磁場(FF)コイルのセットを有する、焦点手段を有する。前記焦点磁場は、動作の領域の空間内の位置を変えるために、一般に使われる。焦点磁場コイルは、好ましくは焦点磁場コイルの前記セットの各コイル素子(又はコイル素子の少なくとも各対)に対して別々の焦点磁場信号生成サブユニットを有する、焦点磁場信号生成器ユニット120により制御される。前記焦点磁場信号生成器ユニット120は、焦点磁場電流源122(好ましくは電流アンプを有する)と、焦点磁場を生成するために用いられるコイル126a、126b、126cの前記サブセットのそれぞれのコイルへ焦点磁場電流を供給するためのフィルタユニット124とを有する。焦点磁場電流ユニット120は、また、制御ユニット150により制御される。
駆動磁場の生成のために、装置100は、更に、好ましくは対向して配置された駆動磁場コイル素子の3つの対136a、136b、136cを有する駆動磁場(DF)コイルのサブセットを有する駆動手段を有する。駆動磁場コイルは、好ましくは駆動磁場コイルの前記セットの各コイル素子(又はコイル素子の少なくとも各対)に対する別々の駆動磁場信号生成サブユニットを有する駆動磁場信号生成器ユニット130により制御される。前記駆動磁場信号生成器ユニット130は、駆動磁場電流源132(好ましくは電流アンプを含む)とそれぞれの駆動磁場コイルへ駆動磁場電流を供給するためのフィルタユニット134とを有する。駆動磁場電流源132は、AC電流を生成するために適合され、また、制御ユニット150により制御される。前記駆動手段で、撮像領域28の2つの副ゾーン52、54の空間の位置は、駆動磁場によって変えられるので、対象物に含まれる磁性粒子の磁化が局所的に変化する。
信号検出のために、装置100は、更に、受信コイル148と、受信コイル148により検出される信号を受信する信号受信ユニット140とを有する受信手段を有する。信号受信ユニット140は、受信した検出信号をフィルタリングするためのフィルタユニット142を有する。このフィルタリングの目的は、他の干渉信号から2つの部分領域52、54の位置の変化により影響される検査領域内の磁化により生じる測定された値を分けることにある。この目的のため、フィルタユニット142は、例えば、受信コイル148が動作される時間的周波数より小さいか、又はこれらの時間的周波数の2倍より小さい時間的周波数を持つ信号が、フィルタユニット142を通らないように設計される。その後、信号は、アンプユニット144を介してADコンバータ146(ADC)へ送信される。ADコンバータ146により生じるデジタル信号は、再構成ユニット152(画像処理ユニットとも呼ばれる)へ供給される。このように、受信手段で、検出信号が得られる。前記検出信号は、撮像領域28内の磁化に依存し、当該磁化は、第1及び第2の副ゾーン52、54の空間内の位置の変化により影響され、前記検出信号は、前記再構成ユニットへデジタル形式で転送される。
前記再構成ユニットは、処理されるべき検出信号が受信手段で得られるときの第1の部分領域52が検査領域内でとるそれぞれの位置からの検出信号であって、受信ユニットから受信される検出信号から、磁性粒子の空間分布を再構成する。再構成ユニット152は、制御ユニット150から位置を得る。最後に、磁性粒子の再構成された空間分布は、制御ユニット150を介して、モニタ156に空間分布を表示するコンピュータ154へ送信される。このように、検査領域の撮像領域内の磁性粒子の分布を示す画像が表示できる。よって、再構成ユニット152で、検査されるべき対象物の少なくとも一部内の磁性粒子の空間分布を特徴づける粒子分布量は、検出信号に依存して決定される。粒子分布量は、制御ユニット150を介してコンピュータ154へ転送される。
更に、入力装置158、例えばキーボードが具備されている。従って、ユーザは、所望の方向の最高解像度を設定可能であり、次にモニタ156上で、動作領域のそれぞれの画像を受信する。最高解像度が必要である重要な方向がユーザにより最初に設定される方向から逸脱する場合、ユーザは、改良された撮像解像度を持つ他の画像を作るために手動で方向を依然変えることができる。この解像度改良プロセスは、制御ユニット150及びコンピュータ154により自動的に動作できる。この実施例の制御ユニット150は、ユーザによりスタート値として自動的に推定されるか又は設定される第1の方向に勾配フィールドを設定する。コンピュータ154により比較される受信画像の解像度が最大で、それぞれもはや改善されなくなるまで、勾配フィールドの方向がステップ毎に変化する。従って、最も重要な方向は、可能な最大解像度を受信するためにそれぞれ自動的に適合されて見つけられる。
以下では、本発明によるMPI装置100の態様及び部品が説明される。
装置は、更に、装置のシステム機能のシステムデータのセットを格納するための記憶ユニット162を有する。実際の測定が電磁量を決定するために実行される前に、システムデータのセットは、較正測定を実行することにより適時得られる。再構成ユニット152は、電磁量を決定するための決定ユニット160を含む。
本発明によると、制御ユニット150は、第1の駆動磁場周波数に対応する検出信号の第1のセットを得るため、及び第1の駆動磁場周波数とは異なる第2の駆動磁場周波数に対応する検出信号の第2のセットを得るための受信ユニットを制御するために適合されている。受信ユニット140を制御することは、例えば、フィルタユニット142の周波数特性、アンプユニット144の増幅特性、及び/又はADコンバータ146のサンプリング特性を検出モードに調整することを意味する。
更に、制御ユニット150は、検出信号の第1のセットに依存して第1の粒子分布量を再構成し、検出信号の第2のセットに依存して第2の粒子分布量を再構成するための再構成ユニット152を制御するために適合されている。両方の粒子分布量は、再構成ユニットに含まれる決定ユニット160へ転送される。決定ユニット160は、第1及び第2の粒子分布量に依存して電磁量を決定する。次に、再構成ユニット152は、モニタ156上に検査された対象物の部分を通じて電磁量の空間分布を表示するためのコンピュータ154へ、制御ユニット150を介して電磁量を送信するために適合されている。
コンピュータ154上で、コンピュータプログラムは実行され、前記コンピュータプログラムは、本発明による方法のステップを実施するため装置100をコンピュータ154により制御させるためのプログラムコード手段を有する。
図5は、本発明による方法の実施例のフローチャートである。以下の説明では、駆動磁場はx方向に向けて主要な成分を持つと仮定される。これは、本発明に対するインパクトを全く制限するものではない。もちろん、駆動磁場は、y方向又はz方向に向けて主要な成分を持ってもよい。
ステップ180では、較正測定が実行される。前記較正測定で、いわゆるシステム機能が決定される。システムデータの対応するセットは、記憶ユニット162に保存される。電磁量を決定するための実際の測定が実行される前に、較正測定が適宜実行される。実際の測定で、MPIシーケンスが、関心の対象物を撮像するために使われる。関心の対象物は、例えばヒト又は動物のボディの少なくとも一部、特に斯様なボディに含まれる組織である。システム機能は、測定されたデータから画像を再構成し、画像は生命組織内の造影剤の分布を示す。
実際の測定の手順は、ステップ182から始まる。ステップ182では、第1の駆動磁場周波数に対応する検出信号の第1のセット、及び第2の駆動磁場周波数に対応する検出信号の第2のセットが得られる。両方の駆動磁場周波数は互いに異なる。この目的のために、制御ユニット150は、第1の駆動磁場周波数を示す第1の駆動磁場を生成し、第2の駆動磁場周波数を示す第2の駆動磁場を生成するための駆動磁場信号生成器ユニット130を制御する。この際、幾つかのアプローチが考えられる。第1のアプローチでは、制御ユニット150は、第1及び第2の駆動磁場が連続して生成されるように、駆動磁場信号生成器ユニット130を制御する。第2のアプローチでは、制御ユニット150は、第1及び第2の駆動磁場周波数を同時に示す第3の駆動磁場を生成するための駆動磁場信号生成器ユニット130を制御する。
前述のように、FFPは、撮像領域上の特定の軌跡に沿って移動する。この目的のため、一連の変化する電流が、駆動磁場コイル136a、136b、136cに流れなければならない。好適には、特定のクラスの軌跡、リサジュー軌跡が選ばれる。例えば、35対34の周波数比率を持つリサジュー軌跡が使われる。もちろん、他の任意の好ましい周波数比率も選択できる。第1の駆動磁場の場合、駆動磁場コイル136a、136b、136cを流れる電流は、例えば以下の周波数を持つ:xコイル対に対してf=f、及びyコイル対に対してf=(35/34)f。これは、結果的にxy平面における2D周期的リサジュー図形となる。もちろん、他の任意の平面内に適当な2Dリサジュー図形が、駆動磁場コイルを流れる適当な電流により生成されてもよい。好適には、xy平面内に存在する2Dリサジュー図形は、適当な焦点磁場を作成することによりz方向に移動され、結果的に3D軌跡となる。
第2の駆動磁場の場合、駆動磁場コイル136a、136b、136cを流れる電流は、例えば以下の周波数を持つ:xコイル対に対してf=f及びyコイル対に対してf=(35/34)f。これは、結果的にxy平面における2D周期的リサジュー図形となる。第1の駆動磁場に関する他の上述した説明は、第2の駆動磁場に対してもしかるべくあてはまる。
第1及び第2の駆動磁場周波数f及びfは、周波数条件f<100kHz及び1MHz<f<10MHzに従って選択される。両方の駆動磁場に対して同じ周波数比率が選択されるという事実は、本発明のインパクトを制限するものではない。もちろん、第1の駆動磁場及び第2の駆動磁場に対する異なる周波数比率が選択されてもよい。同じ周波数比率を使用することは、2つの副ゾーン52、54、従ってFFPが、第1の駆動磁場周波数に対応する第1の軌跡と、第2の駆動磁場周波数に対応する第2の軌跡とに沿って空間の同じ位置をとるという利点を持つ。この目的のため、xy平面内に存在している2Dリサジュー図形は、好適には両方の駆動磁場に対してz方向に同じように移動される。
ステップ184では、検出信号の第1のセットに依存して第1の粒子分布量C)と、検出信号の第2のセットに依存して第2の粒子分布量C)とが、再構成される。第1の粒子分布量C)は、低周波である第1の駆動磁場周波数に対応し、その周波数では、対象物特性のため磁場歪み効果は無視できる。従って、第1の粒子分布量C)は、専ら磁性粒子の分布を表す。第2の粒子分布量C)は、高周波である第2の駆動磁場周波数fに対応し、その周波数では、磁場歪み効果が発生する。従って、第2の粒子分布量C)は、磁場歪み効果によりぼやける磁性粒子の分布を表す。
2つの異なる駆動磁場周波数f及びfで実行される2つの測定間の差、従って2つの粒子分布量C)とC)との差が、それ自体コントラストとして利用され得る。しかしながら、これは、患者の電気的な特性を直接反映しない。その代わりに、このコントラストは、異なる周波数での測定の実施を介して、ボディ、特に患者を通る空間磁場分布を推論するために使用できる。
ステップ186では、実際の磁場強度量が決定される。この目的のために、以下のアプローチが選択される:第1の駆動磁場周波数fで測定され、磁場歪み効果を示さない第1の粒子分布量C)と、第2の駆動磁場周波数fで測定され、伝導率及び/又は誘電率の影響のため、磁場歪み効果を示す第2の粒子分布量C)とは、異なる周波数でのコイル感度S)とS)との比率を計算するために使用でき、これら両方の感度は、主に受信コイルの感度を表わし、加えてある程度まで、駆動磁場コイルの感度を表す:
Figure 2013501534
(1)
以下の式によると、感度S)及びS)は、定数の正規ファクタ“α”を使用して、磁場Hから計算できる:
S()=αH (2)
これは、再構成された粒子分布量と磁場との間の直接的な関係を与える:
Figure 2013501534
(3)
式(3)は、コイル、特に選択されたコイル方向に依存して、Hの全ての座標成分に対して満たされる。
式(3)に基づいて、以下の式が導き出せる:
Figure 2013501534
(4)
)は、第1の駆動磁場周波数f、従って、低周波数での磁場を表す。よって、H)は、ビオサバールの法則を使用してコイルジオメトリから容易に導き出せる。検査されるべきボディ、特に患者の電気的な特性及びジオメトリは、この計算のために必要とされない。H)は、電気特性計算のために使われる結果的マップである。式(4)によると、実際の磁場強度量H)は、第1及び第2の粒子分布量C)、C)、及び基準磁場強度量H)に依存して決定される。このアプローチは、造影剤の分布、従って検査されるべき対象物内に存在する磁性粒子の分布が、異なる周波数での2つの測定に対して不変であるという事実に基づく。換言すれば:前記分布は駆動磁場周波数で変化せず、磁性粒子は静止している。好適には、基準磁場強度量H)は、MPI装置の製造業者により決められていて、記憶ユニット162に保存されている。
ステップ190では、電磁量が決定される。
x2)成分が支配的であるので、他の2つの座標成分Hy2)及びHz2)は無視できる。Hx2)は、駆動磁場の主なx方向成分のため、支配的である。式(4)を用いて決定される実際の磁場強度量Hx2)に基づいて、検査されるべき対象物の部分を通じた伝導率分布を特徴づけている伝導率量ε()、及び/又は検査されるべき対象物の部分を通じた誘電率分布を特徴づけている誘電率量σ()は、例えば、駆動磁場に対応する以下の式を介して、電磁特性トモグラフィに従って決定できる:
Figure 2013501534
(5)
式(5)に含まれる量は、以下の意味を持つ:
yz:Hx2に対して垂直な極小の統合領域。
dl:曲線に沿ってライン積分が評価される当該曲線の極小の区域。
μ:検査された対象物の誘電率。
ω:角周波数、ω=2πf
κ():複素誘電率。
ε():スカラー誘電率、複素誘電率の実数部分である。
σ():スカラー電気的伝導率、複素誘電率の虚数部分に比例している。
E():電界強度。
r:空間のベクトル、空間のポイントのx座標、y座標及びz座標を表す。
i:虚数単位。
スカラー電気的伝導率σ()は、本発明による装置及び対応する方法で決定される伝導率量である。スカラー誘電率ε()は、本発明による装置及び対応する方法で決定される誘電率量である。両方の量は、複素数の実部分及び虚数部分を取り出すための良く知られた手法を使用して、複素誘電率κ()から導出できる。複素誘電率κ()は、斯様な式を解くための良く知られた手法を使用して、式(5)を解いた結果である。
式(5)は、
Figure 2013501534
(6)
により与えられる積分形式のファラデーの法則と、以下のように書ける微分形式のアンペールの法則
Figure 2013501534
(7)
とから導出され、これら両方の式はマクスウェルの方程式に属する。両方の式において、量H()、E()及びε()は、複素量である。式(5)は、δAに沿って式(7)を積分し、積分された式(7)を式(6)により割ることにより得られる。
ステップ192では、ステップ190で決定された電磁量がモニタ156に表示される。他の実際の測定が行われる場合、ステップ182はステップ192まで引き続き再び実行される。このオプションは、破線の矢印により示される。
更に、ステップ190で、特定の吸収レート量SARを決定することが可能である。前記特定の吸収レート量SARは、対象物の部分を通じて、局所的な特定のエネルギー吸収レートを特徴づける。この場合、ステップ188は、電界強度量E()を決定するために実行される。前記電界強度量E()は、例えば式(5)により式(7)を割ることから得られる。
特定の吸収レート量SARは、以下の式から得られる:
Figure 2013501534
(8)
σ()は、ステップ188で決定されるE()及び式(5)から得られる。特定の吸収レート量SARが決定される場合、電界強度量E()だけが決定される必要があるので、ステップ188は、点線を使用して、図5のオプションとして提示された。
好適には、制御ユニット150は、駆動磁場の方向を変化させるため駆動磁場信号生成器ユニット130を制御するために適合されている。従って、Hの方向は、検査されるべき対象物に関して容易に変更できる。これは、複素誘電率κ()のテンソル構造に関する情報を得る可能性を提供する。式(5)の電界E(r)のキャンセルは、κ()が等方性である場合にだけ、成し遂げられる。κ()が異方性の場合、式(5)の結果はHの方向に依存する。よって、Hの方向の変動は、κ()の異方性の推定を可能にする。
本発明による方法は、標準MPI装置又は標準MPIスキャナで実行される。当該方法は、標準MPIコントラストメカニズムから独立して機能し、診断及び監視治療法のために付加的な情報を追加する。
第1の副ゾーン52内のMPI装置又はMPIスキャナでは、磁性粒子の磁化は飽和しない。第2の副ゾーン54では、磁性粒子の磁化は飽和する。
第1のステップ182で検出信号の両方のセットが得られ、第2のステップ184で両方の粒子分布量が再構成されている図5で選択された表現は、本発明のインパクトを制限するものではない。もちろん、第1ステップで、検出信号の第1のセットを得て、第1の粒子分布信号を再構成し、後続の第2のステップで、検出信号の第2のセットを得て、第2の粒子分布信号を再構成することは可能である。
上述の電磁量を決定するための装置及び対応する方法の実施例によると、電磁量の決定は、異なる駆動磁場周波数を示す2つの駆動磁場の生成に基づく。これは、本発明に対するインパクトを制限するものではない。もちろん、電磁量の決定は、2つの重畳された磁場の生成に基づくこともできる。第1の重畳された磁場は、第1の駆動磁場と、第1の焦点磁場とから成り、両方とも第1の周波数を示す。第2の重畳された磁場は、第2の駆動磁場と、第2の焦点磁場とから成り、両方とも第2の周波数を示す。第1の駆動磁場が主要な駆動磁場成分、従って第1の方向の測定を可能にする当該第1の方向を持ち、第1の焦点磁場が主要な焦点磁場成分、従って第2の方向の測定を可能にする当該第2の方向を持つことが考えられる。同じことが、第2の駆動磁場及び第2の焦点磁場に適用できる。
決定された磁場から誘電率量を再構成する複数のやり方がある。よって、式(5)は、磁場の関数として、誘電率量に対する式を得るためにマクスウェルの方程式を再編成するやり方の一つの例として与えられる。
この点で、MPI装置又はスキャナを使用して電磁量を決定するためのアプローチは、要約して説明されるだろう。
電磁量を決定するために、電磁量が決定される対象物内の磁性粒子の実際の空間分布は、既知でなければならない。更に、対象物内の磁性粒子の乱された空間分布も、既知でなければならない。両方の空間分布の差に基づいて、対象物の電磁特性に関する情報が収集できる。実際の空間分布は、対象物の特性による磁場歪み効果が存在しない、又は少なくともこれらの効果が無視できる空間分布である。対照的に、乱された空間分布は、前記磁場歪み効果により影響を受けている空間分布である。
乱された空間分布だけでなく実際の空間分布は、MPI装置又はMPIスキャナを使用して得られる。実際の空間分布は、低い駆動磁場周波数で得られなければならない。乱された空間分布は、高い駆動磁場周波数で得られなければならない。代わりに、乱された空間分布は、シミュレーションにより達成されてもよい。
両方の空間分布がMPI装置で得られるので、MPI装置を動作させるための特定のシーケンスが必要であり、当該シーケンスは、選択磁場コイル、駆動磁場コイル及び/又は焦点磁場コイルを流れる電流を定める。当該シーケンスは、二回以上関心のフィールドをコード化する必要がある。更に、当該シーケンスは、関心の対象物が要求された解像度でスキャンされなければならない当該要求された解像度から生じる特定の要件を満たす必要がある。
考えられる幾つかの適切なシーケンスがある。第1のシーケンスでは、第1の駆動磁場周波数を示す第1の駆動磁場及び第2の駆動磁場周波数を示す第2の駆動磁場は連続して生成され、両方の駆動磁場周波数が互いに異なる。特に、第1の駆動磁場周波数は低周波であり、第2の駆動磁場周波数は高周波である。第1のシーケンスは周波数が異なる2つの副シーケンスから成るが、それは別として、両方の副シーケンスは基本的に同一である。
第2のシーケンスでは、第3の駆動磁場が生成され、第3の駆動磁場は、第1の駆動磁場周波数(低周波)及び第2の駆動磁場周波数(高周波)を同時に示す。
第3のシーケンスでは、FFPは一次元の軌跡に沿って一方向へ移動し、一次元の軌跡は正弦波駆動磁場により生成される。FFPの動きを記述する振動の振幅は、関心のフィールドに含まれる単一のボクセルより大きいだろう。関心のフィールドは複数のボクセルに分割され、関心の磁場内の磁性粒子の空間分布を得るために必要なデータは、各単一のボクセルをスキャンし、単一のボクセルごとに得られたデータを組み立てることにより得られる。関心の磁場の中央に配置されているボクセルに関して、FFPは、このボクセルを最大速度で交差させる。結果として、高周波が起こる。これに対して、関心の磁場の端に配置されているボクセルに対して、FFPは、比較的遅い速度で当該ボクセルを交差させる。結果として、低周波が起こる。従って、一つの駆動磁場周波数単独を示す駆動磁場を生成して、異なる周波数でのボクセルの再構成は可能である。異なる周波数でボクセルをコード化する要件を満たすために、一次元の軌跡は移動する必要があるので、例えば、関心の磁場の中央に配置されているボクセルは、ある時に最大速度で他の時に比較的低速度でFFPにより交差される。一次元の軌跡を移動することは、適当な焦点磁場を生成することにより達成される。
上述したシーケンスの1つを適用することにより、実際の空間分布及び乱された空間分布を決定するために必要なデータが得られる。実際の空間分布を決定するために、獲得したデータの第1の部分が使われ、当該第1部分は低い駆動磁場周波数に対応するデータを有する。従って、実際の空間分布は低周波成分から成る。乱された空間分布を決定するために、獲得したデータの第2の部分が使われ、第2部分は高い駆動磁場周波数に対応するデータを有する。従って、乱された空間分布は高周波成分から成る。要約すると、実際の空間分布を得て、乱された空間分布を得るために、獲得されたデータの概略半分が各場合に使われる。
電磁量異方性の検査を実行するために、シーケンスは、関心の対象物に含まれる磁性粒子の磁化が異なる方向を指して変えられるように設計されなければならない。好適には、乱された空間分布のために獲得されたデータのセットだけでなく、実際の空間分布のために得られたデータのセットは、関心の磁場内に含まれる大多数のボクセルに対して、少なくとも2つの異なる方向を指すデータを含むだろう。理想的には、データの両方のセットは、3つ全ての方向を指すデータを含む。
磁性粒子の磁化の変化により生じる駆動磁場における影響を付加的にモデル化することにより、結果は改善できる。
実際の空間分布及び乱された空間分布、従って電磁量は、ノルムを意味する以下の式を解くことにより再構成される。
Figure 2013501534
(9)
例えばユークリッドノルムが最小化される必要がある。Mmeasuredは、受信手段で得られる検出信号に含まれる測定されたデータを表す。Mexpectedは、計算されたデータを表し、計算されたデータは、理論的な反射に基づいて期待されるこれら測定されるデータを表す。用語vec{}はベクトルを表す。乱された空間分布だけでなく実際の空間分布のために、式(9)は解く必要がある。
expectedは、
Figure 2013501534
(10)
に基づいて計算でき、これは、マクスウェル解法及びvec{G}に基づくフォワードパスを使用して解くことができる。
vec{G}は、システム機能とも呼ばれる印加磁場に依存する磁性粒子の磁気反応のモデルである。駆動磁場の歪みが考慮される場合、vec{G}は、例えば適切な補間を適用することにより歪められた駆動磁場のセットに対して決定される必要がある。
vec{A}は、MPIスキャナ及び関心の対象物を特徴づけるモデルである。従って、vec{A}は、MPIスキャナパラメータのセット及び対象物パラメータのセットを含む。MPIスキャナパラメータは、例えば、コイルの位置、コイル又は巻線の数、磁気材料の特性又は挙動を特徴づける量等である。対象物パラメータは、例えば、磁性粒子の空間分布vec{C}、異方性の挙動を示すσ(r)とも呼ばれる電気的伝導率vec{σ}、及び最終的にパラメータ形式の電気的伝導率の周波数依存性である。
vec{H}は、実際、空間(x、y、z)の3つの方向に関して、任意の時間ステップに対して、関心の対象物内の任意の位置に対しての関心の対象物内の結果として生じる磁場を表す。vec{H}は、以下の式vec{H}を使用して決定できる。
Figure 2013501534
(11)
Vec{S}は、選択磁場コイル、駆動磁場コイル、及び/又は焦点磁場コイルを流れる電流の遷移であるシーケンスを表す。
transmitは、関心の対象物内の磁場上のシーケンスvec{S}をマッピングする関数である。従って、Ftransmitは、マクスウェル解法である。Ftransmitは、入力変数として関心の対象物の伝導率及びMPIスキャナのジオメトリを受信する。
式(9)は、関心の対象物の伝導率及び磁性粒子の空間分布を変化させることを意味する、vec{A}変化させることにより解かれる。これは、一般的な反復的アルゴリズム又は方法、例えば複合勾配、ART又はシミュレーテッドアニーリング等の1つを適用することによりなされる。MPIスキャナパラメータは、較正測定を実行することにより前もって決定されるので、変化しないか又はわずかだけ変化する。
上述の装置及び対応する方法だけでなく、関係するコンピュータプログラムは、医学領域に適用されるだけではない。これらは、テストされる物質がMPIに適している限り、非医学的な領域、例えば非接触物質テストに適用されてもよい。
本発明は、図面及び前述の説明において例示され詳述されてきたが、斯様な図例及び説明は、図示的又は例示的であって、限定的ではないと考慮されるべきであり、本発明は、開示された実施例に限定されない。開示された実施例に対する他のバリエーションは、図面、開示内容及び添付の特許請求の範囲の検討から、請求された本発明を実施する際の当業者により、理解でき遂行できる。
請求項において、「を有する」という語は、他の要素又はステップを除外しないし、不定冠詞「a」、又は「an」は複数を除外しない。単一の要素又は他のユニットは、請求項において引用される幾つかのアイテムの機能を成し遂げてもよい。特定の手法が相互に異なる従属請求項において引用されているという単なる事実は、これらの手法の組合せを有利に使用できないことを示すものではない。
請求項内の何れの参照符号も、範囲を制限するものとして解釈されてはならない。

Claims (15)

  1. 磁性粒子を含む対象物、特に人体の電磁特性を特徴付ける少なくとも一つの電磁量を決定するための装置であって、当該装置は、選択手段と駆動手段と受信手段と再構成ユニットと制御ユニットとを有し、前記選択手段は、低い磁場強度を持つ第1の副ゾーン及び高い磁場強度を持つ第2の副ゾーンが撮像領域内に形成されるように、磁場強度の空間にパターンを持つ選択磁場を生成するための選択磁場素子と選択磁場信号生成ユニットとを有し、前記駆動手段は、対象物に含まれる磁性粒子の磁化が局地的に変化するように、駆動磁場により撮像領域内のこれら2つの副ゾーンの空間の位置を変化させるための駆動磁場コイルと駆動磁場信号生成ユニットとを有し、前記受信手段は、検出信号を収集するための少なくとも一つの受信コイルと少なくとも一つの信号受信ユニットとを有し、前記検出信号は第1の副ゾーン及び第2の副ゾーンの空間の位置の変化により影響される撮像領域内の磁化に依存し、前記再構成ユニットは、前記検出信号に依存する対象物の少なくとも一部内の磁性粒子の空間的分布を特徴付ける粒子分布量を再構成し、前記制御ユニットは、第1の駆動磁場周波数に対応する検出信号の第1のセットを収集し、第1の駆動磁場周波数とは異なる第2の駆動磁場周波数に対応する検出信号の第2のセットを収集するため前記信号受信ユニットを制御し、前記制御ユニットは、検出信号の第1のセットに依存する第1の粒子分布量を再構成し、検出信号の第2のセットに依存する第2の粒子分布量を再構成するため前記再構成ユニットを制御し、前記再構成ユニットは、第1及び第2の粒子分布量に依存する電磁量を決定するための決定ユニットを含む、装置。
  2. 前記制御ユニットは、第1の駆動磁場周波数を示す第1の駆動磁場を生成し、第2の駆動磁場周波数を示す第2の駆動磁場を生成するため駆動磁場信号生成器ユニットを制御する、請求項1に記載の装置。
  3. 前記制御ユニットは、第1及び第2の駆動磁場が連続して生成されるように、前記駆動磁場信号生成器ユニットを制御する、請求項2に記載の装置。
  4. 前記制御ユニットは、第1及び第2の駆動磁場周波数を同時に示す第3の駆動磁場を生成するため前記駆動磁場信号生成器ユニットを制御する、請求項1に記載の装置。
  5. 前記決定ユニットは、第1の粒子分布量と第2の粒子分布量とで形成される比率に依存して電磁量を決定する、請求項1に記載の装置。
  6. 2つの副ゾーンは、第1の駆動磁場周波数に対応する第1の軌跡に沿った空間の第1の位置と、第2の駆動磁場周波数に対応する第2の軌跡に沿った空間の第2の位置とを取り、前記制御ユニットは、第1の位置及び第2の位置が互いに実質的に一致するように、前記駆動磁場信号生成器ユニットを制御する、請求項2に記載の装置。
  7. 前記決定ユニットは、電磁量を決定するため第1及び第2の粒子分布量に依存して実際の磁場強度量を決定する、請求項1に記載の装置。
  8. 前記決定ユニットは、基準磁場強度量に依存して実際の磁場強度量を決定する、請求項7に記載の装置。
  9. 前記制御ユニットは、駆動磁場の方向を変化させるため前記駆動磁場信号生成器ユニットを制御する、請求項1に記載の装置。
  10. 更に、前記装置のシステム機能のシステムデータのセットを格納するための記憶ユニットを有する、請求項1に記載の装置。
  11. 前記決定ユニットは、電界強度量を決定する、請求項1に記載の装置。
  12. 対象物の部分を通じて伝導率分布を特徴づけている伝導率量、対象物の部分を通じて誘電率分布を特徴づけている誘電率量、及び対象物の部分を通じて局所的特定のエネルギー吸収レートを特徴づけている特定の吸収レート量のうちの少なくとも1つが、電磁量として決定される、請求項1に記載の装置。
  13. 前記再構成ユニットは、モニタ上の対象物の部分を通じて電磁量の空間分布を表示するためコンピュータに電磁量を送信する、請求項1に記載の装置。
  14. 磁性粒子を含む対象物、特に人体の電磁特性を特徴づける少なくとも一つの電磁量を決定するための方法であって、低い磁場強度を持つ第1の副ゾーン及び高い磁場強度を持つ第2の副ゾーンが撮像領域内に形成されるように、その磁場強度の空間内にパターンを持つ選択磁場を生成するステップと、対象物に含まれる磁性粒子の磁化が局所的に変化するように、駆動磁場によって前記撮像領域内の2つの副ゾーンの空間の位置を変えるステップと、第1及び第2の副ゾーンの空間の位置の変化により影響される前記撮像領域内の磁化に依存して検出信号を収集するステップと、前記検出信号に依存して対象物の少なくとも部分内の磁性粒子の空間分布を特徴づける粒子分布量を再構成するステップと、第1の駆動磁場周波数に対応する検出信号の第1のセットの収集と、第1の駆動磁場周波数とは異なる第2の駆動磁場周波数に対応する検出信号の第2のセットの収集とを制御するステップと、検出信号の第1のセットに依存して第1の粒子分布量の再構成及び検出信号の第2のセットに依存して第2の粒子分布量の再構成を制御するステップと、第1及び第2の粒子分布量に依存して電磁量を決定するステップとを有する、方法。
  15. コンピュータプログラムがコンピュータ上で実施されるとき、請求項14に記載の方法のステップを実施するために請求項1に記載の装置をコンピュータに制御させるためのプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム。
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