JP2013518658A - 磁性粒子を検出するための装置と方法 - Google Patents

磁性粒子を検出するための装置と方法 Download PDF

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Abstract

本発明は視野28内の磁性粒子を検出するための装置と方法に関する。より具体的には、本発明は磁性粒子イメージング(MPI)の分野に関する。本発明にかかる方法と装置はMPI装置において磁気トレーサー材料のアコースティックエミッションを検出する音響MPI検出技術を使用する。従って本発明にかかる装置は音響検出信号を収集するための音響信号受信器160を有し、該検出信号は視野28内の磁化に依存し、該磁化は第1及び第2のサブゾーン52,54の空間内位置の変化によって影響される。

Description

本発明は視野内の磁性粒子を検出するための装置と方法に関する。さらに、本発明はかかる方法をコンピュータ上で実施するための、及びかかる装置を制御するためのコンピュータプログラムに関する。本発明は特に磁性粒子イメージングの分野に関する。
磁性粒子イメージング(MPI)は新たな医用画像診断法である。MPIの最初のバージョンは二次元であり、そこで二次元画像を生じた。将来のバージョンは三次元(3D)になる。時間依存性、すなわち4Dの非静止対象の画像は、単一3D画像のデータ収集中に対象が大きく変化しないという条件で、3D画像の時系列を結合して動画にすることによって作られる。
MPIはコンピュータ断層撮影(CT)若しくは磁気共鳴イメージング(MRI)のような再構成的画像法である。従って、対象の関心ボリュームのMP画像は2ステップで生成される。第1のステップはデータ収集と呼ばれ、MPIスキャナを用いて実行される。MPIスキャナは、スキャナのアイソセンタにおいて単一無磁場点(field free point:FFP)を持つ、"選択磁場"と呼ばれる静的傾斜磁場を生成する手段を持つ。加えて、スキャナは時間依存性の空間的にほぼ一様な磁場を生成する手段を持つ。実際、この磁場は"駆動磁場"と呼ばれる小さな振幅で急速に変化する磁場と、"集束磁場"と呼ばれる大きな振幅でゆっくりと変化する磁場を重ねることによって得られる。時間依存性の駆動磁場と集束磁場を静的選択磁場に加えることによって、FFPはアイソセンタ周囲のスキャンボリューム全体にわたって所定FFP軌道に沿って動かされ得る。スキャナはまた1つ以上の、例えば3つの受信コイルの配列も持ち、これらのコイルに誘導される電圧を記録することができる。データ収集のために、撮像対象は、対象の関心ボリュームがスキャンボリュームのサブセットであるスキャナの視野によって囲まれるように、スキャナの中に配置される。
対象は磁性ナノ粒子を含まなければならない。対象が動物若しくは患者である場合、こうした粒子を含む造影剤がスキャン前に動物若しくは患者に投与される。データ収集中、MPIスキャナは、スキャンボリューム若しくは少なくとも視野を描く、意図的に選ばれた軌道に沿ってFFPを操縦する。対象内の磁性ナノ粒子は変化する磁場を経験し、その磁化を変化させることによって反応する。ナノ粒子の変化する磁化は受信コイルの各々において時間依存電圧を誘導する。この電圧は受信コイルに付随する受信器においてサンプリングされる。受信器によって出力されるサンプルは記録されて収集データを構成する。データ収集の詳細を制御するパラメータはスキャンプロトコルを構成する。
画像再構成と呼ばれる画像生成の第2のステップにおいて、第1のステップにおいて収集されたデータから画像が計算される、すなわち再構成される。画像は視野内の磁性ナノ粒子の位置依存濃度へのサンプリングした近似をあらわすデータの離散3Dアレイである。再構成は一般に適切なコンピュータプログラムを実行するコンピュータによって実行される。コンピュータとコンピュータプログラムは再構成アルゴリズムを実現する。再構成アルゴリズムはデータ収集の数学的モデルに基づく。あらゆる再構成画像法と同様に、このモデルは収集データに作用する積分作用素であり、再構成アルゴリズムは可能な限りモデルの動作を取り消そうとする。
かかるMPI装置と方法は、任意の検査対象、例えば人体を非破壊的に、いかなる損傷も与えることなく、高空間分解能で、検査対象の表面の近くでも遠くでも検査するために使用されることができるという利点を持つ。かかる装置と方法はDE 101 51 778 A1及びGleich,B.and Weizenecker,J.(2005),"Tomographic imaging using the nonlinear response of magnetic particles"in nature,vol.435,pp.1214‐1217に最初に記載され、一般に知られている。その文献に記載の磁性粒子イメージング(MPI)のための装置と方法は小磁性粒子の非線形磁化曲線を利用する。
上記で紹介したMPI技術は今のところ例えば直径数十ナノメートルの酸化鉄粒子を撮像する能力をもたらしている。これはMPIを用いる医用画像の分野における多大な労力であったが、まだより高い分解能が必要とされる。特に軟組織特性の検出は非常に高い分解能を要する。しかしながら、現在のMPI技術の分解能は今までのところ組織の特性を、特に磁性粒子が埋め込まれた軟組織の場合、検出するのに十分ではない。
従って、既知のMPI技術と比較して、より高い分解能を実現し、より信頼できるより効率的な検出を可能にする、MPIを用いて視野内の磁性粒子を検出するための改良された装置と方法を提供することが本発明の目的である。
本発明の第1の態様において、以下を有する視野内の磁性粒子を検出するための装置が提案される:
‐低磁場強度を持つ第1のサブゾーンと高磁場強度を持つ第2のサブゾーンが視野内に形成されるようなその磁場強度の空間内パターンを持つ選択磁場を発生させるための選択磁場信号発生器ユニットと選択磁場素子を有する選択手段、
‐磁性材料の磁化が局所的に変化するように駆動磁場を用いて視野内の2つのサブゾーンの空間内位置を変化させるための駆動磁場信号発生器ユニットと駆動磁場コイルを有する駆動手段、
‐音響検出信号を収集するための音響信号受信器、該検出信号は視野内の磁化に依存し、該磁化は第1及び第2のサブゾーンの空間内位置の変化によって影響される、
‐選択磁場素子と駆動磁場コイルに選択磁場と駆動磁場を発生させるために選択電流と駆動電流を発生させるよう前記信号発生器ユニットを制御するための制御手段。
本発明のさらなる態様において対応する方法が提案される。
本発明のなおさらなる態様において、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに本発明にかかる方法のステップを実行するよう本発明にかかる装置をコンピュータに制御させるためのプログラムコード手段を有するコンピュータプログラムが提案される。
本発明の好適な実施形態は従属請求項に定義される。請求される方法と請求されるコンピュータプログラムは請求される装置及び従属請求項に定義されるものと同様の及び/又は同一の好適な実施形態を持つことが理解されるものとする。
既知のMPI装置においてなされていた通り、誘導信号を測定することによって磁性粒子の磁化の変化を検出する代わりに、各々磁性粒子における磁性材料内の力の変化に起因して生成される局所音波を検出することも可能であることが、発明者らによって認識されている。言い換えれば、MPI信号を磁気的に検出する代わりに、MPI信号を音響的に検出することも可能であることがわかっている。
従って、選択磁場と駆動磁場などの所要磁場を発生させるために既知のMPI装置と方法の部分を使用すること、また、信頼できる音響信号も適合したMPI装置内で検出されることができることが示されているので、磁気検出手段(例えば磁気検出コイル)を、音響検出信号を収集するための音響信号受信器で置き換えることが、本発明の1つのアイデアである。
物理的原理は以下の通りはたらく。選択手段によって生成される傾斜磁場(選択磁場)は、低磁場強度を持つ第1のサブゾーン(FFP)から離れる方へ向かう力を磁性粒子にかける。FFPが駆動磁場のために視野の上で動かされる場合、磁性粒子にかかる力の方向が変化する。この材料内の力の変化は音響信号受信器を用いて検出されるのに十分な大きさの音波を生じることがわかっている。従って、FFPの運動に起因して視野内の磁性粒子にかかる変化する力が生じ、これは音波として測定されることができる。
新たな音響MPI装置の主要な利点の1つは、各々方法が、従来技術の磁気MPI技術と比較して2倍以上になる非常に高い分解能であることである。局所音速は非常に材料特異的であるため、特に軟組織検査の場合、提案される装置で非常によいコントラストがもたらされ得る。
さらなる利点は、電磁波障害に対する検出原理の耐性である。さらに、電磁波障害への耐性のために、提案される装置は非遮蔽環境でも使用されることができ、MPI送信鎖(選択、駆動及び集束手段)は非常に簡略化され得る。
実際にこの新たな音響MPI原理は既知の磁気MPI検出原理と別々に、若しくは組み合わせて使用され得ることが留意されるべきである。例えば、音響及び磁気検出原理を組み合わせるイメージング応用において、MPIイメージングシステムにおける濃度画像に追加コントラストを加えるために追加音情報が使用され得る。
好適な実施形態によれば、音響信号受信器は1つ以上のマイクロホンとスペクトラムアナライザを有する。これらのマイクロホンは、好適には広帯域マイクロホンであるが、検査対象周辺に配置されるか又は検査対象に直接取り付けられる、すなわち患者の身体に取り付けられる。圧力、各々音波の強度はFFPからの距離とともに非常に速く減少するので、マイクロホンは好適には検査中の対象に近接して設置されるか、又はそれに直接取り付けられる。マイクロホンが検査対象周辺に配置される場合、イメージングシステムに対する検査対象の動きを、すなわち従来の超音波システムでなされるようにレーザ干渉法を用いて測定することが好ましい。これは検査対象の動きに起因するエラー修正を可能にする。マイクロホンは勿論それらをその所望位置に動かすためにロボットアーム上に取り付けられてもよい。マイクロホンの電気出力は好適にはスペクトラムアナライザに接続され、これは例えば離散フーリエ変換によって音響情報の分光組成を調べるために使用される。
別の実施形態によれば、制御手段は、選択磁場素子と駆動磁場コイルに、第1のサブゾーンが局所音速よりも速い速度で動かされるような選択磁場と駆動磁場を発生させるために、選択電流と駆動電流を発生させるように前記信号発生器ユニットを制御するのに適している。この実施形態は提案されるMPI装置が組織検査のために使用される場合に特に有利である。こうした場合、圧力がFFPからの距離とともに急速に減少するので、検出信号は比較的低い。これはボックスのないラウドスピーカに相当し、ここでは陽圧と陰圧が破壊的に干渉する。この効果はFFPが局所音速よりも速い速度で動く場合に回避され得ることが分かっている。この効果は媒体中の光よりも速く動く荷電粒子に対するチェレンコフ効果と比較され得る。
さらなる好適な実施形態によれば、選択磁場素子は永久磁石若しくは選択磁場コイルを有する。永久磁石若しくは選択磁場コイルの両方とも随意に使用されることができる。電磁コイルの利点は永久磁石と比較して傾斜磁場強度が検査中の対象の物理的特性に容易に適合されることができることである。
なおさらに、一実施形態において装置は、収集された音響検出信号を処理するため、及び、音響検出信号が収集された領域の画像を、特に軟組織コントラスト画像を再構成するための信号処理手段を有する。この実施形態は主に、MPIにおける濃度画像に追加コントラストを加えるために追加音情報が使用されるイメージング応用に焦点を合わせる。信号処理手段は従って数学的モデルを用いて関心領域の軟組織コントラスト画像を再構成するために前記受信音響信号を処理するのに適している。システム関数成分は磁気検出について見られるようなチェビシェフの多項式というわけではないが、磁気検出について見られるシステム関数と同様にはたらく。
本発明にかかる音響信号検出に基づくこのイメージング技術を用いて、信号処理手段が機械的組織特性、特に音速と減衰の画像を再構成するのに適していることが特に好ましい。かかる応用において、発生する音波は、放出され組織を通って検出器に行くが、その組織中の伝播中に減衰し、散乱し、遅延する。提案される信号処理手段を用いて、音速及び減衰などの局所機械的組織特性を画像化することが可能である。圧縮率と密度もまた画像再構成内の追加モデルパラメータとして使用され得る。追加的に若しくは別々に使用されることができる別のモデルパラメータは熱膨張であり、これは磁性材料が磁化の変化中に加熱されるためであり(すなわち駆動磁場の方向の変化に起因)、それによって生成された各々検出された音信号(音波)にも寄与する。従来技術のMPIイメージング技術と比較して、組織パラメータへの追加信号(音信号)と補足情報を生成する、提案されるイメージング技術により、医学組織検査に対して非常によい結果が示されている。
組織の音速と減衰は超音波イメージングによって直接取得することすらできない。従って、本発明にかかる装置/方法で測定される組織特性は、超音波イメージングとの組み合わせにおいても有用である。従ってさらなる実施形態において、装置が取得した音響検出信号を、集束超音波ビームをガイドするために使用するために処理するための信号処理手段を有することが好ましい。提案される音響MPIイメージング技術を超音波イメージングと組み合わせる主要な利点は、例えば超音波イメージングでしばしば発生する多重散乱アーチファクトが照射されることができるので、画質が著しく向上されることができることである。信号対ノイズ比も増加されることができる。従って提案される音響MPI検出及びイメージング技術は特に軟組織検査の分野において効率的な医学的検査法であることがわかっている。
本発明のこれらの及び他の態様は以下に記載の実施形態から明らかとなり、それらを参照して解明される。
MPI装置の第1の実施形態を示す。 図1に示す装置によって生成される選択磁場パターンの一実施例を示す。 MPI装置の第2の実施形態を示す。 既知のMPI装置例のブロック図を示す。 本発明にかかるMPI装置の第1の実施形態のブロック図を示す。 本発明にかかるMPI装置の第2の実施形態のブロック図を示す。 本発明にかかるMPI装置の試験測定装置例を概略的に示す。 本発明にかかるMPI技術の物理的原理を説明する図を示す。 磁気及び提案される音響MPIの分解能決定項を比較する図を示す。 周波数空間における本発明にかかる音響MPIシステム関数のシミュレーションを示す。
本発明の詳細を説明する前に、磁性粒子イメージングの基礎が図1乃至4を参照して詳細に説明される。特に、医療診断用MPIスキャナの2つの実施形態が記載される。データ収集の略式の記述も与えられる。2つの実施形態の類似点と相違点が指摘される。
図1に示すMPIスキャナの第1の実施形態10は同軸平行円形コイルの3つの目立つペア12,14,16を持ち、各ペアは図1に図示の通り配置されている。これらのコイルペア12,14,16は選択磁場だけでなく駆動磁場と集束磁場を発生させるはたらきをする。3つのコイルペア12,14,16の軸18,20,22は相互に直交し、MPIスキャナ10のアイソセンタ24と指定される単一点で交わる。加えて、これらの軸18,20,22はアイソセンタ24に付随する3D直交x‐y‐z座標系の軸ともなる。x軸とz軸が水平になるように垂直軸20がy軸に指定される。コイルペア12,14,16はそれらの軸の名前がつけられる。例えば、yコイルペア14はスキャナの上部と底部にあるコイルによって形成される。さらに、正(負)のy座標を持つコイルはyコイル(yコイル)と呼ばれ、残りのコイルについても同様である。より好都合なときは、座標軸とコイルはx,y,zでなくx,x,xと標識されるものとする。
スキャナ10はこれらのコイル12,14,16の各々を通る所定の時間依存電流を両方向性で向けるように設定されることができる。電流がこのコイル軸に沿って見た時にコイルの周りを時計回りに流れる場合は正とみなされ、その逆は負とみなされる。静的選択磁場を発生させるために、一定正電流Iがzコイルを通って流され、電流−Iがzコイルを通って流される。zコイルペア16は逆平行円形コイルペアとしてはたらく。
一般に傾斜磁場である選択磁場が図2に力線50であらわされる。これは選択磁場を発生させるzコイルペア16の(例えば水平)z軸22の方向にほぼ一定の傾斜を持ち、この軸22上のアイソセンタ24でゼロ値に達する。この無磁場点(図2には個別に示していない)から出発して、選択磁場50の磁場強度は無磁場点からの距離が増加するにつれて全3空間方向に増加する。アイソセンタ24周辺の破線で示される第1のサブゾーンすなわち領域52において、磁場強度は小さいのでその第1のサブゾーン52に存在する粒子の磁化は飽和せず、第2のサブゾーン54(領域52の外側)に存在する粒子の磁化は飽和状態にある。第2のサブゾーン54(すなわち第1のサブゾーン52の外側のスキャナの視野28の残りの部分)において選択磁場の磁場強度は磁性粒子を飽和状態に維持するのに十分なほど強い。
視野28内の2つのサブゾーン52,54の位置を変えることによって、視野28内の(全体の)磁化が変化する。視野28内の磁化若しくは磁化によって影響される物理的パラメータを決定することによって、視野28内の磁性粒子の空間分布についての情報が得られる。視野28内の2つのサブゾーン52,54の相対空間位置を変化させるために、さらなる磁場、すなわち駆動磁場と、該当する場合は集束磁場が選択磁場50に重ねられる。
駆動磁場を発生させるために、時間依存電流I が両xコイル12を、時間依存電流I が両yコイル14を、時間依存電流I が両zコイル16を通って流される。従って、3つのコイルペアの各々は平行円形コイルペアとしてはたらく。同様に、集束磁場を発生させるために、時間依存電流I が両xコイル12を、電流I が両yコイル14を、電流I が両zコイル16を通って流される。
zコイルペア16は特殊であることが留意されるべきである。これはその相応の駆動磁場と集束磁場だけでなく、選択磁場も発生させる。z±コイルを通って流れる電流はI +I ±Iである。残り2つのコイルペア12,14を通って流れる電流はI +I ,k=1,2である。その形状と対称性のために、3つのコイルペア12,14,16はよく分離される。これは望ましい。
逆平行円形コイルペアによって生成されるので、選択磁場はz軸に対して回転対称であり、そのz成分はアイソセンタ24周辺のかなりのボリュームにおいてzにおいてほぼ線形であり、x及びyから独立している。特に、選択磁場は単一無磁場点(FFP)をアイソセンタにおいて持つ。対照的に、平行円形コイルペアによって生成される駆動磁場と集束磁場への寄与はアイソセンタ24周辺のかなりのボリュームにおいて空間的にほぼ均一であり、各コイルペアの軸に平行である。全部で3つの平行円形コイルペアによって一緒に生成される駆動磁場と集束磁場は空間的にほぼ均一であり、ある最大強度まで任意の方向と強度を与えられることができる。駆動磁場と集束磁場は時間依存性でもある。集束磁場と駆動磁場の違いは、集束磁場がゆっくりと時間変動し大きな振幅を持つ一方、駆動磁場は速く変動し小さな振幅を持つことである。これらの磁場を別に扱う物理学的及び生物医学的理由がある。大きな振幅を持つ高速変動磁場は発生させるのが難しく、患者にとって有害であり得る。
MPIスキャナの実施形態10は、先と同様x,y,z軸に沿って配向した平行円形コイルの少なくとも1つの追加ペア、好適には3つの追加ペアを持つ。これらのコイルペアは図1に示されていないが、受信コイルとしてはたらく。駆動磁場と集束磁場のためのコイルペア12,14,16と同様、これら受信コイルペアの1つを通って流れる一定電流によって生成される磁場は視野内で空間的にほぼ均一であり、各コイルペアの軸に平行である。受信コイルはよく分離されると考えられる。受信コイルに誘導される時間依存電圧はこのコイルに付随する受信器によって増幅されサンプリングされる。より正確には、この信号の広大なダイナミックレンジに対処するために、受信器は受信信号と基準信号の差をサンプリングする。受信器の伝達関数はDCから予想信号レベルがノイズレベルを下回る点に至るまで非ゼロである。
図1に示すMPIスキャナの実施形態10はz軸22に沿って、すなわち選択磁場の軸に沿って円筒穴26を持つ。全コイルはこの穴26の外側に置かれる。データ収集のために、撮像される患者(若しくは対象)は、患者の関心ボリューム‐撮像される患者(若しくは対象)のボリューム‐が、スキャナの視野28‐その内容をスキャナが撮像することができるスキャナのボリューム‐によって囲まれるように、穴26の中に置かれる。患者(若しくは対象)は、例えば患者台の上に置かれる。視野28は、立方体、球、若しくは円筒など、穴26の内部の幾何学的に単純なアイソセントリックボリュームである。立方体視野28が図1に図示される。
第1のサブゾーン52のサイズは一方では選択磁場の傾斜の強度に、他方では飽和のために必要な磁場の磁場強度に依存する。80A/mの磁場強度と、50x10A/mに達する選択磁場の磁場強度の(所与の空間方向における)傾斜における典型的な磁性粒子の十分な飽和のために、粒子の磁化が飽和していない第1のサブゾーン52は(所与の空間方向において)約1mmの寸法を持つ。
患者の関心ボリュームは磁性ナノ粒子を含むと考えられる。特に例えば腫瘍の治療及び/又は診断処置の前に、例えば患者(対象)の身体に注射される、若しくは他の方法で、例えば経口で患者に投与される磁性粒子を有する液体を用いて、磁性粒子が関心ボリューム内に置かれる。
磁性粒子の一実施形態は、例えば5nmの厚みを持ち例えば鉄‐ニッケル合金(例えばパーマロイ)からなる軟磁性層を備える、例えばガラスの球面基板などを有する。この層は例えば、化学的に及び/又は物理的に侵食的な環境、例えば酸などに対して粒子を保護するコーティング層を用いて被覆され得る。かかる粒子の磁化の飽和のために必要な選択磁場50の磁場強度は、例えば粒子の直径、磁性層のための使用磁性材料、及び他のパラメータなど、様々なパラメータに依存する。
例えば10μmの直径の場合、おおよそ800A/mの磁場(おおよそ1mTの磁束密度に対応)が必要とされ、一方100μmの直径の場合、80A/mの磁場で十分である。より低い飽和磁化を持つ材料のコーティングが選ばれるとき、又は層の厚みが削減されるときはさらに小さな値が得られる。一般に使用されることができる磁性粒子は商標名Resovistで市場に出ている。
一般に使用可能な粒子と粒子成分のさらなる詳細については、EP1304542,WO2004/091386,WO2004/091390,WO2004/091394,WO2004/091395,WO2004/091396,WO2004/091397,WO2004/091398,WO2004/091408の対応部分が本明細書で参照され、これらは引用により本明細書に組み込まれる。これらの文献において一般にMPI法のさらなる詳細も見られる。
データ収集は時間tで開始し時間tで終了する。データ収集中、x,y,zコイルペア12,14,16は位置依存及び時間依存磁場、印加磁場を発生させる。これは適切な電流をコイルに通過させることによって得られる。実際には、駆動磁場と集束磁場が選択磁場を押しやって、FFPがスキャンボリューム‐視野の上位集合をたどる予め選択されたFFP軌道に沿って動くようになっている。印加磁場は患者内の磁性ナノ粒子を配向させる。印加磁場が変化すると、得られる磁化も変化するが、これは印加磁場に非線形に反応する。変化する印加磁場と変化する磁化の和がx軸に沿って受信コイルペアの端子にかかる時間依存電圧Vを誘導する。付随受信器がこの電圧を信号Sに変換し、これをサンプリングして出力する。
駆動磁場変動の周波数帯とは別の周波数帯(高周波数へシフトされる)において第1のサブゾーン52に位置する磁性粒子からの信号を受信若しくは検出することが有利である。これは、磁化特性の非線形性の結果としてスキャナの視野28内の磁性粒子の磁化における変化に起因して駆動磁場周波数の高次高調波の周波数成分が発生するため、可能である。
図1に示す第1の実施形態10のように、図3に示すMPIスキャナの第2の実施形態30は3つの円形で相互に直交するコイルペア32,34,36を持つが、これらのコイルペア32,34,36は選択磁場と集束磁場のみを発生させる。先と同様に選択磁場を発生させるzコイル36は強磁性材料37で充填される。この実施形態30のz軸42は垂直配向であるが、x軸とy軸38,40は水平配向である。スキャナの穴46はx軸38に平行であり、従って選択磁場の軸42に垂直である。駆動磁場はx軸38に沿ったソレノイド(不図示)と2つの残りの軸40,42に沿ったサドルコイルのペア(不図示)によって生成される。これらのコイルは穴を形成する管の周りに巻きつけられる。駆動磁場コイルは受信コイルとしてもはたらく。受信コイルによって受信される信号は印加磁場によって生じる寄与を抑制する高域フィルタを通して送信される。
かかる一実施形態の典型的なパラメータをいくつか与えるには:選択磁場のz傾斜GはG/μ=2.5T/mの強度を持ち、μは真空透磁率である。生成される選択磁場は経時的に全く変化しないか、又は変動が同等にゆっくりであり、好適にはおおよそ1Hz乃至おおよそ100Hzである。駆動磁場の時間周波数スペクトルは約25kHzの狭帯域(おおよそ100kHzまで)に集中する。受信信号の有効周波数スペクトルは50kHz乃至1MHz(最終的におおよそ10MHzまで)にある。穴は120mmの直径を持つ。穴46に収まる最大立方体28は120mm/√2≒84mmのエッジ長を持つ。
上記実施形態に示す通り、様々な磁場が同じコイルペアのコイルによって、及び適切に生成された電流をこれらのコイルに与えることによって、生成されることができる。しかしながら、特に高い信号対ノイズ比を持つ信号解釈の目的のためには、時間的に一定の(若しくは準一定の)選択磁場と時間的に変動する駆動磁場及び集束磁場が個別コイルペアによって生成されるときが有利であり得る。一般に、ヘルムホルツ型のコイルペアがこうしたコイルのために使用されることができ、これは例えば、高周波(RF)コイルペアが関心領域の上下に位置し、前記RFコイルペアが時間的に変動する磁場を生成することができる、オープンマグネットを持つ磁気共鳴装置(オープンMRI)の分野から一般に知られている。従って、かかるコイルの構成は本明細書でさらに詳述される必要がない。
選択磁場の生成についての代替的な実施形態において、永久磁石(不図示)が使用されることができる。かかる(対向する)永久磁石(不図示)の2極間の空間において、図2に示したものと同様の、つまり反対極が同じ極性を持つときに、磁場が形成される。別の代替的な実施形態において、選択磁場は少なくとも1つの永久磁石と少なくとも1つのコイルの混合によって生成されることができる。
図4は従来技術のMPI装置例100の略ブロック図を示す。他に特に規定しない限り上記の磁性粒子イメージング及び磁気共鳴イメージングの一般的原理がこの実施形態にも同様に有効であり、当てはまる。
図4に示す装置100の実施形態は所望の磁場を発生させるための様々なコイルのセットを有する。まず、コイルとMPIモードにおけるその機能が説明される。
上記の(傾斜)選択磁場を発生させるために、好適にはコイル素子の少なくとも1つのペアを有する、選択磁場(SF)コイルのセット116を有する選択手段が設けられる。選択手段はさらに選択磁場信号発生器ユニット110を有する。好適には、個別の発生器サブユニットが選択磁場コイルのセット116の各コイル素子(若しくはコイル素子の各ペア)に対して設けられる。前記選択磁場信号発生器ユニット110は制御可能選択磁場電流源112(一般に増幅器を含む)とフィルタユニット114を有し、これらは所望方向に選択磁場の傾斜強度を個別に設定するために選択磁場電流を各選択磁場コイル素子に供給する。好適にはDC電流が供給される。選択磁場コイル素子が対向コイルとして、例えば視野の反対側に配置される場合、対向コイルの選択磁場電流は好適には反対向きである。
選択磁場信号発生器ユニット110は制御ユニット150によって制御され、これは好適には選択磁場の全空間部分の磁場強度の和と傾斜強度の和が所定レベルに維持されるように選択磁場電流発生器110を制御する。
集束磁場の発生のために、装置100は集束磁場(FF)コイルのセットを有する、好適には反対方向に配置される集束磁場コイル素子の3つのペア126a,126b,126cを有する集束手段をさらに有する。前記集束磁場は一般に作動領域の空間内位置を変化させるために使用される。集束磁場コイルは、好適には前記集束磁場コイルのセットの各コイル素子(若しくはコイル素子の少なくとも各ペア)に対し個別の集束磁場信号発生サブユニットを有する、集束磁場信号発生器ユニット120によって制御される。前記集束磁場信号発生器ユニット120は、集束磁場を発生させるために使用される、前記コイルのサブセット126a,126b,126cの各コイルへ集束磁場電流を供給するための集束磁場電流源122(好適には電流増幅器を有する)とフィルタユニット124を有する。集束磁場電流ユニット120も制御ユニット150によって制御される。
駆動磁場の発生のために、装置100は駆動磁場(DF)コイルのサブセットを有する、好適には反対方向に配置される駆動磁場コイル素子の3つのペア136a,136b,136cを有する駆動手段をさらに有する。駆動磁場コイルは、好適には前記駆動磁場コイルのセットの各コイル素子(若しくはコイル素子の少なくとも各ペア)に対して個別の駆動磁場信号発生サブユニットを有する、駆動磁場信号発生器ユニット130によって制御される。前記駆動磁場信号発生器ユニット130は各駆動磁場コイルに駆動磁場電流を供給するための駆動磁場電流源132(好適には電流増幅器を含む)とフィルタユニット134を有する。駆動磁場電流源132はAC電流を発生させるのに適し、また制御ユニット150によって制御される。
信号検出のために、受信手段148、特に受信コイル、及び前記受信手段148によって検出される信号を受信する信号受信ユニット140が設けられる。前記信号受信ユニット140は受信した検出信号をフィルタリングするためのフィルタユニット142を有する。このフィルタリングの目的は、2つの部分領域(52,54)の位置における変化によって影響される検査領域内の磁化によって生じる測定値を他の干渉信号から分離することである。この目的のため、フィルタユニット142は例えば、受信コイル148が操作される時間周波数よりも小さい、又はこれらの時間周波数の2倍よりも小さい時間周波数を持つ信号がフィルタユニット142を通過しないように設計され得る。そして信号は増幅器ユニット144を介してアナログ/デジタル変換器146(ADC)へ送信される。アナログ/デジタル変換器146によって生成されるデジタル化信号は画像処理ユニット(再構成手段とも呼ばれる)152へ与えられ、これはこれらの信号と、各信号の受信中に検査領域内の第1の磁場の第1の部分領域52がとった、画像処理ユニット152が制御ユニット150から得る各位置から、磁性粒子の空間分布を再構成する。再構成された磁性粒子の空間分布は最終的に制御手段150を介してコンピュータ154へ送信され、これをモニタ156上に表示する。従って、検査領域の視野内の磁性粒子の分布を示す画像が表示されることができる。
さらに、例えばキーボードなどの入力ユニット158が設けられ得る。従ってユーザは最高分解能の所望方向を設定することができ、そしてモニタ156上の作動領域の各画像を受信する。最高分解能が必要な重要方向が、ユーザによって最初に設定された方向からずれる場合、ユーザは向上したイメージング分解能でさらなる画像を生成するために手動で方向を変えることができる。この分解能向上プロセスは制御ユニット150及びコンピュータ154によって自動的に操作されることもできる。この実施形態における制御ユニット150は、自動的に推定されるか又はユーザによって開始値として設定される、第1の方向における傾斜磁場を設定する。そして傾斜磁場の方向は、コンピュータ154によって比較される、それによって受信される画像の分解能が最大になり、各々それ以上向上しなくなるまで、段階的に変化される。従って最重要方向は最高可能分解能を受けるために各々自動的に適合されて見つけられる。
ここで本発明にかかるMPI装置を参照し、この新たな装置200の第1の実施形態の略ブロック図が図5に示される。音響信号検出に基づくこの新たなMPI装置200は既知の上記MPI装置(磁気信号検出に基づく)と同様の構造を持つ。選択磁場発生器ユニット110だけでなく選択磁場コイルのセット116も有する上記選択手段も含む。駆動磁場の発生のために、駆動磁場信号発生器ユニット130と駆動磁場コイル素子136a,136b,136cを含む駆動磁場手段も本発明にかかるMPI装置において必要である。集束磁場発生手段(図5に図示していない)は必ずしも本発明にかかるMPI装置に含まれなくてもよい。しかしながら、特定用途の場合、集束磁場発生手段も本発明にかかる装置に含まれることができることが留意されるべきである。
既知の従来技術のMPI装置と比較して、本発明にかかるMPI装置は信号検出の物理的原理において主に異なり、これは音響信号検出技術に基づく。選択手段110によって生成される傾斜磁場(選択磁場)は低磁場強度を持つ第1のサブゾーン52(FFP)から離れる方へ向けられる力を磁性粒子にかける。FFPが駆動磁場のために視野28の上で動かされる場合、磁性粒子にかかる力の方向が変化する。材料におけるこの力の変化は音響信号受信器を用いて検出されるために十分な大きさの音波を発生させる。言い換えれば、これはFFPの運動のために磁性粒子にかかる変化する力が視野28内で発生し、これが音波として測定されることができることを意味する。
従って、装置200は音響検出信号を収集するための音響信号受信器160を有する、検出信号は視野28内の磁化に依存し、該磁化は第1及び第2のサブゾーン52,54の空間内位置の変化によって影響される。音響信号受信器160はスペクトラムアナライザ164に接続される1つ以上のマイクロホン162をさらに有する。これらのマイクロホン162は好適には検査中の領域に近接して検査対象周辺に配置される。かなり大きな音響信号のスペクトルを受信するために、好適には広帯域マイクロホンが使用される。
1つ以上のマイクロホン162によって検出される音響信号はスペクトラムアナライザ164へ伝送され、そしてこれは例えば離散フーリエ変換によって検出音響信号の分光組成を調べる。
画像再構成の場合、これらのデータはそれから信号処理手段152へ伝送され、これは収集した音響検出信号を処理するのに、及び音響検出信号が収集された領域の画像を、特に軟組織コントラスト画像を再構成するのに適している。磁気検出に音づく従来技術のMPI装置の場合と同様に、再構成画像情報は最終的に制御手段150を介してコンピュータ154へ伝送され、それをモニタ156上に表示する。
画像再構成は全ての用途において必要ではないことが留意されるべきである。特定用途の場合、信号処理手段152は省略されることができる。この場合、スペクトラムアナライザ164は制御手段150に直接接続される。磁気検出の場合と同様に、音響信号受信器160はフィルタユニット、増幅器ユニット、及びアナログ/デジタル変換器も有し得る。
上記で紹介した音響検出技術と信号処理は個別の検出及びイメージング技術として使用されることができ(図5参照)、又は本発明の第2の実施形態によれば磁気検出信号に基づく既知のMPI検出と組み合され得る。この第2の実施形態は図6に示される。ここで、磁気及び音響検出信号は並列に検出され、信号処理手段152へ与えられる。そして画像応用においてMPIにおける濃度画像に追加コントラストを加えるために追加音情報が使用される。
図7は本発明にかかる装置の例示的な実験試験装置300を概略的に示す。ここで選択磁場は2つの対向永久磁石302によって生成される。単一のトーラス形永久磁石302が代わりに使用されることができる。FeNdBが磁性材料として例示的に使用されることができる。駆動磁場は駆動磁場コイル304によって生成され、これは例えば音響増幅器(ここには示していない)に接続され共鳴的に適合される単層ソレノイドとして実現されることができる。サンプル306(検査対象)はこの簡略化した実験装置においては柔軟なクリングフィルム膜308に接着され、これはさらに管310に取り付けられる。管310の端に1つ以上のマイクロホン312が取り付けられる。マイクロホン312の電気出力はスペクトラムアナライザ(ここには示していない)へ接続される。検査中サンプルを垂直方向に動かすことができるようにするために、管310は試験サンプル306及び1つ以上のマイクロホン312とともにロボットアーム(矢印314で示される)にも取り付けられ得る。
例示的な測定手順において、サンプル306は基本周波数における記録信号が最大化されるように配置され得る。そしてこれは上下に段階的に動かされ得る。各ステップにおいて、振幅、例えば最初の3高調波がスペクトラムアナライザを用いて記録され得る。
図7に示す実験装置は簡略化した試験装置に過ぎないことが指摘される。実際の医学的応用において、装置200は修正される必要がある。試験サンプル306の代わりに、関心のある組織若しくは対象がin vivoで検査され得る。
さらに、音響検出技術の物理的背景をさらに深めるために、図8は本発明にかかるMPI技術の物理的原理を説明する図を示す。図はFFPの位置に依存する視野内の磁化を示す。磁気的に及び音響的に検出されるMPI信号形成は類似することが見てとれる。時間tにおいて、駆動磁場はゼロであり、従って全磁場Htotは選択磁場Hである。ステップ応答を持つ磁性材料の場合、磁化MはFFPから左右に異なる方向を指す。tにおいて、駆動磁場H(t)はFFPを動かしており、従って磁化Mを変化させている。この磁化の変化は誘導信号を測定することによって前のMPI実験で検出された。
しかしながら、選択磁場が磁性粒子に力をかけるので、磁化の変化は力Fの変化も伴う。磁性粒子の磁化が磁場方向を指すので、力はFFPから離れる方へ向けられる。FFPが磁性粒子の左である場合、粒子は右へ追いやられる。後の時点(t)においてFFPが右側へ移動する場合、力Fは左を指す。この材料内の力Fの変化は音波を生じ、これは上記の通り(例えば広帯域マイクロホンを用いて)検出されることができる。
磁性ナノ粒子に対するランジュバン挙動を仮定すると、磁性材料にかかる力は次式となる。
Figure 2013518658
ここでMは磁性粒子が分散した材料の飽和磁化であり、Lはランジュバン関数であり、μは粒子の磁気モーメントであり、kTは熱エネルギーである。粒子が飽和している場合、これはFFPが十分に離れている場合に満たされるが、上記式は
Figure 2013518658
に簡略化されることができる。すると力は大きさの最大変化の方向を指す。一次元信号生成の場合、式(1)は次式に簡略化される。
Figure 2013518658
ここでαはμ/kTの省略形であり、Bはx方向のみを指す磁場の大きさである。GはdB/dx、すなわちB成分の傾斜であり、これは調査領域に対して一定であると見なされる。式(2)から磁気的に及び音響的に検出されるMPIは分解能の点で異なることが推定されることができる。磁気的に検出されるMPIにおいて受信コイルを通る磁束は磁化、すなわちL(αB)に比例する。しかしながら力検出の場合、対応する項は
Figure 2013518658
である。
この和はL(αB)単独の2倍の初期傾斜を持つ。大きなBについて、和の限界はL(αB)の限界、すなわち1であり、和の形状はL(αB)と同様であるが、初期傾斜は図9に見られる通り倍増し、これは磁気MPI技術と本発明にかかる音響MPIの分解能決定項を比較する図を示す。従って所与の粒子特性αに対し、音響的に検出されるMPIにおいて得られる分解能は磁気的に検出される場合に得る分解能の2倍である。
本発明に従って提案される音響の場合において、磁気的に検出されるMPIと同様にシステム関数を定義することが可能である。この関数は測定装置内の小サンプルの位置の関数として測定信号を記述する。未知の対象の信号はシステム関数の重ね合わせに分解されることができる。重み係数は対象の画像をあらわす。
数学的に、システム関数は式2におけるBをGx+Asin(ωt)で置き換えることによって得られる。振幅Aと周波数ωは駆動磁場を定義するパラメータである。
図10は周波数空間における本発明にかかる音響MPIシステム関数のシミュレーションを示す。図10において、フーリエ変換したシステム関数の最初の3高調波の大きさがプロットされる。システム関数成分は磁気検出の場合に見られるシステム関数と同様にふるまうが、厳密には磁気MPI検出の場合に見られるチェビシェフの多項式ではないことが見てとれる。
感度を理論的に調べるために、生成された圧力がノイズ圧力と比較される必要がある。最低可能ノイズ圧力は熱変動によって生成されるものである。これは次式であらわされることができる。
Figure 2013518658
Aは検出器面積であり、Δfは帯域幅である。
Figure 2013518658
は音響インピーダンスの実部であり、これは減衰が無視できる限り密度と音速の積のよい近似である。
例示的な試験装置において、以下の仕様が選ばれた。平方ミリメートル検出器及び310Kにおける水の材料特性に対して、ノイズ圧力は160μPa/√Hzである。信号部に対して、磁鉄鉱として0.5mol(Fe)/lで充填された1mmの立方体が仮定された。この希釈において飽和磁化は約4.4mTμ −1になった。5Tμ −1/mの傾斜磁場においてこれは18μNの力若しくは18Paの圧力となる。従って1秒の測定時間において1.1×10の信号対ノイズ比が予測された。他方で4.4μmol(Fe)/lの濃度が1秒以内に検出可能であるはずである。比較のため、MRIにおける典型的な線量は約50μmol(Fe)/lの検出可能な局所濃度で8乃至40μmol(Fe)/lである。
要約すると、MPIにおいて音響検出技術を用いる新たな方法と装置が本明細書で提供される。発明者らはMPI装置において磁気トレーサー材料のアコースティックエミッションを検出する技術を発見した。理論的モデルは信号の空間分布を予測する。イメージング応用においてMPIにおける濃度画像に追加コントラストを加えるために追加音情報が使用され得る。提案される装置/方法の分解能は既知のMPIシステムの分解能の2倍よりも高くすらなることがわかった。従って提案される方法は軟組織検査の分野における応用において特に有利である。
提案される方法により、音速及び減衰のような局所機械的組織特性を画像化することが可能である。これらの数量は超音波イメージングによって直接取得することができないので、測定される組織特性は、例えば多重散乱アーチファクトを除去することによって画質を向上させるために超音波イメージングと組み合わせて使用されることができる。従って、本発明にかかる装置と方法は治療応用において集束超音波ビームをガイドするために使用されることができる。電磁波障害に対する検出原理の耐性のために、提案される装置は非遮蔽環境においても使用されることができ、MPI送信鎖も大いに簡略化されることができる。
本発明は図面と前記説明に詳細に図示され記載されているが、かかる図示と記載は例示若しくは説明であって限定ではないとみなされるものであり、本発明は開示の実施形態に限定されない。開示された実施形態への他の変更は、図面、開示、及び添付の請求項の考察から請求された発明を実施する上で当業者によって理解されもたらされることができる。
請求項において、"有する"という語は他の要素若しくはステップを除外せず、不定冠詞"a"若しくは"an"は複数を除外しない。単一の要素若しくは他のユニットが請求項に列挙された複数の項目の機能を満たしてもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの組み合わせが有利に使用されることができないことを示さない。
請求項における任意の参照符号は範囲を限定するものと解釈されてはならない。

Claims (9)

  1. 視野内の磁性粒子を検出するための装置であって、
    ‐低磁場強度を持つ第1のサブゾーンと高磁場強度を持つ第2のサブゾーンが前記視野内に形成されるようなその磁場強度の空間内パターンを持つ選択磁場を発生させるための選択磁場信号発生器ユニットと選択磁場素子とを有する選択手段と、
    ‐磁性材料の磁化が局所的に変化するように駆動磁場を用いて前記視野内の前記2つのサブゾーンの空間内位置を変化させるための駆動磁場信号発生器ユニットと駆動磁場コイルとを有する駆動手段と、
    ‐音響検出信号を収集するための音響信号受信器であって、該検出信号は前記視野内の磁化に依存し、該磁化は前記第1及び第2のサブゾーンの空間内位置の変化によって影響される、音響信号受信器と、
    ‐前記選択磁場素子と前記駆動磁場コイルに前記選択磁場と前記駆動磁場を発生させるために選択電流と駆動電流を発生させるよう前記信号発生器ユニットを制御するための制御手段と
    を有する、装置。
  2. 前記音響信号受信器が1つ以上のマイクロホンとスペクトラムアナライザを有する、請求項1に記載の装置。
  3. 前記制御手段が、前記選択磁場素子と前記駆動磁場コイルに、それによって前記第1のサブゾーンが局所音速よりも速い速度で動かされるような選択磁場と駆動磁場を発生させるために、選択電流と駆動電流を発生させるよう前記信号発生器ユニットを制御する、請求項1に記載の装置。
  4. 前記選択磁場素子が永久磁石若しくは選択磁場コイルを有する、請求項1に記載の装置。
  5. 前記収集された音響検出信号を処理するため、及び音響検出信号が収集された領域の画像、特に軟組織画像を再構成するための、信号処理手段をさらに有する、請求項1に記載の装置。
  6. 前記信号処理手段がさらに、音響検出信号が収集された領域の機械的組織特性、特に音速及び減衰の画像を再構成する、請求項5に記載の装置。
  7. 前記収集された音響検出信号を、それらを使用して集束超音波ビームをガイドするために処理するための信号処理手段をさらに有する、請求項1に記載の装置。
  8. 視野内の磁性粒子を検出するための方法であって、
    ‐低磁場強度を持つ第1のサブゾーンと高磁場強度を持つ第2のサブゾーンが前記視野内に形成されるようなその磁場強度の空間内パターンを持つ選択磁場を発生させるステップと、
    ‐磁性材料の磁化が局所的に変化するように駆動磁場を用いて前記視野内の前記2つのサブゾーンの空間内位置を変化させるステップと、
    ‐音響検出信号を収集するステップであって、該検出信号は前記視野内の磁化に依存し、該磁化は前記第1及び第2のサブゾーンの空間内位置の変化によって影響される、ステップと、
    ‐前記選択磁場と前記駆動磁場を発生させるために選択電流と駆動電流を発生させるよう前記信号発生を制御するステップと
    を有する、方法。
  9. コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに請求項7に記載の方法のステップを実行するよう請求項1に記載の装置をコンピュータに制御させるためのプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム。
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