JP5479770B2 - 農業経営支援プログラムおよび農業経営支援システム - Google Patents

農業経営支援プログラムおよび農業経営支援システム Download PDF

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Description

本発明は、農家の農業経営を支援する農業経営支援プログラムおよび農業経営支援システムに関する。
農業は、同じ品種の同じ作型の作物であっても、農家ごとに長年の経験により蓄積した農業知識・農業技術があり、その農業知識・農業技術に基づいて、農業資材の購入、農作業機器の購入、種苗の発注、土壌改良などの農業経営投資を行うことが多い。このように同じ品種の同じ作型の作物のみの農業経営ならば長年の勘と経験に頼る手法でも農業経営実態を比較的たやすく把握することができると思われる。
しかし、同じ品種の同じ作型の作物のみの農業経営ならば、農業経営に伴う労力、経費、売上等の内容や発生時期が偏るために季節変動が大きくなってしまうという問題が発生する。また、連続して同じ品種の同じ作型の作物の作付を行うと収量が落ちてくるという問題もある。そこで、複数の品種の作物や複数の作型を組み合わせて農業経営することにより、農業経営に伴う労力、経費、売上等の内容や発生時期を平坦化し、季節変動を小さくするという工夫が求められる。なお、同じ品種の作物であっても栽培体系の異なる作型であれば、発生する労力、経費、売上等の内容や時期が異なるため、季節変動を小さくする効果が得られる。
しかし、このように複数の品種・作型の作物を組み合わせ、経営年度により適宜作付する品種や作型を変えながら農業経営する場合、発生する労力、経費、売上等の内容や時期が複雑になってしまい、各農家の経験や農業知識のみでは正確に農業経営を把握することは難しい。この事情は、新規就農者でもベテラン農家でも同じであり、どのような品種のどのような作型をどの程度の作付面積で作付すればどのような農業経営となるかを事前に把握するのは難しい。
従来からコンピュータを用いて農業を支援するシステムが提案されている。たとえば、その一例として、下記特許文献1,特許文献2に開示のシステムが挙げられる。下記特許文献1には、土壌の改良を支援するシステムが開示されており、特許文献2には、施肥や農薬散布を支援するシステムが開示されている。また、特許文献3には、農作物の注文情報と農業生産ノウハウを蓄積したデータベースを用いて新規就農者でも市場で適切に要求された農作物を供給できるベテランと同じような農業知識をもって農業経営を行えるよう支援するシステムが開示されている。
特開2002−345331号公報 特開平11−313594号公報 特開2007−072787号公報
しかし、従来の農業を支援するシステムは、土壌改良に関する支援(例えば特許文献1)や施肥・農薬散布に関する支援(例えば特許文献2)が得られるものの、それは農業経営の一部であり、農業経営全体を支援するには十分ではない。また、特許文献3の技術は、新規就農者に対する支援となるであろうが、固定的な作物の作付の農業経営を前提としている。もし、複数の品種・作型の作物を対象とし、適宜作付する品種・作型を変えながら農業経営する場合、新規就農者に限らずベテランの農家でもどのような品種・作型の農作物をどの程度の作付面積で作付すればどのような農業経営となるかを事前に把握するのは難しいという問題点がある。つまり、ベテラン農家でも複数の品種・作型の作物を扱うと労力の繁閑の調整に苦労したり、資金繰りに苦労したりすることはよくあることである。
上記問題点に鑑み、本発明は、複数の品種・作型の作物も対象とし、作付作物の品種・作型の作付面積を選択すれば、農業経営に伴う労力の繁閑や資金繰りなどがどのようになるかを事前にシミュレーションできる農業経営支援プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の農業経営支援プログラムは、農家が実際に運用する農地における作付作物の品種や作型の選択、作付面積の増減などをシミュレーションして前記農家の農業経営を支援する農業経営支援プログラムであって、
前記農家自身が前記農地において日々投入した作業内容・作業量・作業発生日時を含む農作業日誌データを入力する農作業日誌データ入力ステップと、
前記農作業日誌データと、前記農家が実際に運用する前記農地に対して投入した経費・経費発生日時を含む農業経費データと、前記農家が実際に運用する前記農地から回収した売上・売上発生日時を含む農業売上データを含む農業経営データの入力を受け付ける農業経営データ入力処理ステップと、
入力された前記農業経営データをデータベース化して農業経営データベースを構築する農業経営データベース構築処理ステップと、
前記農業経営データベースを参照し、前記農作物別に発生した作業労力を作業発生日時とともに算出する労力算出処理ステップと、
前記農業経営データベースを参照し、前記農作物別に発生した経費を経費発生日時とともに算出する経費算出処理ステップと、
前記農業経営データベースを参照し、前記農作物別に回収した売上を売上発生日時とともに算出する売上算出処理ステップとを備えた農業経営支援プログラムである。
上記構成により、農家自身が実際に運用する農地における過去の実際の農作業日誌データ、農業経費データと農業売上データの農業経営データを基に、農作物別に作業労力、作業発生日時、経費、経費発生日時、売上、売上発生日時を管理し、農家が実際に運用する農地における作付作物の品種や作型の選択、作付面積の増減などをシミュレーションして農家の農業経営を支援することができる。
次に、農作物別に前記農家が実際に運用する前記農地の所定面積に対して、投入が見込まれる作業内容・作業量・作業発生予定日時を含む農作業をモデル化した農作業モデルと、投入が見込まれる経費・経費発生予定日時を含む農業経費をモデル化した農業経費モデルと、回収が見込まれる農作物売上・売上発生予定日時を含む農業売上をモデル化した農業売上モデルとを含む農業経営モデルをデータベース化した農業経営モデルデータベースを備え、農業経営データ入力処理ステップを介して、前記農業経営モデルデータベースより、利用したい農業経営モデルデータを取得し、前記農業経営データベースに入力することが好ましい。
上記構成により、農家個人の農業経営の結果としての農業経営データの蓄積が十分でない場合や、参考にしたい他の農業経営モデルデータがあれば、該当する農業経営モデルを取得することができ、精度良い農業経営の支援を行うことができる。
次に、上記構成において、前記農家が実際に運用する前記農地について予定する農作物の品種・作型と、前記品種・作型ごとの作付面積との計画データを入力する農作物・作付面積計画データ入力処理ステップと、前記農業経営データベースを参照し、前記農作物の品種・作型別に前記予定作付面積にて、見込まれる作業労力を作業発生予定日時とともに算出する見込み作業労力算出処理ステップと、見込まれる経費を経費発生予定日時とともに算出する見込み経費算出処理ステップと、見込まれる売上を売上発生予定日時とともに算出する見込み売上算出処理ステップとを備え、農業経営シミュレーションを可能としたことを特徴とする。
上記構成により、様々な角度から農業経営をシミュレーションすることができ、作付作物の品種・作型の選定、作付面積の増減など、多面的な農業経営を可視化して検討することができる。
次に、上記農業経営支援プログラムにおいて、集計にかかる期間単位を任意に指定する集計期間単位入力処理ステップを備え、前記労力算出処理ステップにおいて、前記指定にかかる期間単位にて前記作業労力を集計し、期間単位ごとに必要な作業労力量の小計をまとめた労力計画表を作成することが好ましい。
上記構成により、農業経営における作業労力の繁閑を可視化することができる。例えば、月別や週別や3日単位など指定した期間ごとに作業労力計画を可視化することができる。
また、農業経営支援プログラムにおいて、集計にかかる期間単位を任意に指定する集計期間単位入力処理ステップを備え、前記経費算出処理ステップにおいて、前記指定にかかる期間単位にて前記経費を集計し、前記売上算出処理ステップにおいて、前記指定にかかる期間単位にて前記売上を集計し、前記期間単位ごとに必要な経費と回収できる売上の小計をまとめた資金繰り表を作成できることが好ましい。
上記構成により、農業経営における資金繰りの緩急を可視化することができる。例えば、月別や週別や3日単位など指定した期間ごとに資金繰り計画を可視化することができる。つまり、マクロな農業経営の収益のみならず、月々などの細かい単位で農業経営の経営を分析することができる。
また、前記農家が予定する農作物の品種・作型と、前記品種・作型ごとの予定作付面積の計画データを入力する農作物・作付面積計画データ入力処理ステップと、前記農業経営データベースを参照し、前記農作物別に前記予定作付面積にて、前記期間単位ごとに見込まれる作業労力を算出する期間単位別見込み作業労力算出処理ステップと、前記期間単位ごとに見込まれる経費を算出する期間単位別見込み経費算出処理ステップと、前記期間単位ごとに見込まれる売上を算出する期間単位別見込み売上算出処理ステップとを備え、前記労力計画表、前記資金繰り表を介し、前記期間単位別に農業経営がシミュレーションできるようにした農業経営シミュレーションができるようにすることが好ましい。
上記構成により、多面的な農業経営のシミュレーションを行い、農業経営を可視化できる。例えば作付作物の種別を変更したり、その作付面積を増減したりした場合に想定される作業労力を月別や週別や3日単位など指定した期間ごとに作業労力計画の形で可視化することができる。例えば、作付作物の種類と作付面積の兼ね合いから8月に農作業が集中し、8月が過負荷になるなどを事前にシミュレーションすることができる。また同様に、農業経営における資金繰りの緩急も可視化することができる。例えば、想定される経費を月別や週別や3日単位など指定した期間ごとに資金繰り表の形で可視化することができる。作付作物の種類と作付面積の兼ね合いから売上金が入らない8月に資金がひっ迫するなどを事前にシミュレーションすることができる。
次に、上記農業経営支援プログラムにおいて、補助金が提供される農作物の品種・作型、補助金額、補助金受取日時、補助条件に関する補助金データを入力する補助金データ入力処理ステップを備え、前記売上算出処理ステップにおいて、前記補助金額と前記補助金受取日時を前記売上と前記発生日時に反映し、前記農業経営シミュレーションにおいて、前記補助金を加味した農業シミュレーションを可能とするものである。
上記構成により、補助金を加味した農業シミュレーションも可能である。農業には多様な目的で行政上の補助が施行されており、農作業に対する補助金や、農作物の作付に関する補助金などがあり、農業シミュレーションを行う上で補助金を加味することは農業経営の実態を考える上で重要である。
次に、上記農業経営支援プログラムにおいて、外部から新品種・新作型について提供される、投入が見込まれる作業内容・作業量・作業発生日時を含む農作業モデルデータと、投入が見込まれる経費・経費発生日時を含む農業経費モデルデータと、回収が見込まれる売上・売上発生日時を含む農業売上モデルデータを入力する新品種農業経営モデルデータ入力処理ステップを備え、前記見込み作業労力算出処理ステップにおいて見込まれる作業労力と作業発生予定日時に反映し、前記見込み経費算出処理ステップにおいて見込まれる経費と経費発生予定日時に反映し、前記見込み売上算出処理ステップにおいて見込まれる売上と売上発生予定日時に反映し、前記農業経営シミュレーションにおいて、前記新品種・新作型の作付を加味した農業シミュレーションを可能とすることが好ましい。
上記構成により、収穫高の高い新品種や、作物価値が高い新品種、病気等に強い新品種など年々開発される新しい新品種を適宜取り入れた農業計画を立てることができ、農業シミュレーションを行う上で新品種の投入を加味することは農業経営の実態を考える上で重要である。
なお、新品種の農作業モデルデータ、農業経費モデルデータ、農業売上モデルデータは、例えば、当該新品種を開発した農業試験場や研究機関などにより提供することでも良く、ベテラン農家が今までの経験のもと推測して暫定的に決めるなど柔軟な対応が可能である。
次に、上記農業経営支援プログラムにおいて、果樹作物の取り扱いが可能であることが好ましい。しかし、果樹栽培は単年で収穫可能な農作物とは異なり、苗木の植樹から成長し、実際に果樹が収穫できるまで複数年必要となることが基本である。また、果樹が収穫できるまでに育った木も収穫できる年限が存在する。老木となると実がつきにくかったり、実がなっても市場での商品価値が低かったりするからである。
そこで、上記農業経営支援プログラムにおいて、果樹作物に関し、農業経営データ入力処理ステップにおいて、前記農業経営データを年次ごとに前記農業経営データベースに記憶させ、前記農業経営シミュレーションにおいて、前記見込み作業労力算出処理ステップにおいて前記果樹作物に見込まれる作業労力を作業発生予定日時とともに年次ごとに反映し、前記見込み経費算出処理ステップにおいて前記果樹作物に見込まれる経費を経費発生予定日時とともに年次ごとに反映し、前記見込み売上算出処理ステップにおいて前記果樹作物に見込まれる売上を売上発生予定日時とともに年次ごとに反映し、前記農業経営シミュレーションにおいて、年次により労力、経費、収入が変動する前記果樹作物の作付を加味することが好ましい。
上記構成により、農業経営シミュレーションにおいて年次により労力、経費、収入が変動する果樹作物の取り扱いが可能となり、農業経営のより多面的な支援を行うことができる。
次に、上記農業経営支援プログラムにおいて、資金繰りの調整まで加味した農業経営シミュレーションを可能とすることが好ましい。実際の農業経営では資金繰りの問題は重要で足かせになることも多いからである。そこで、上記農業経営支援プログラムにおいて、前記期間単位別見込み経費算出処理ステップが、前記資金繰り表の中に赤字となる期間単位を検出した場合に、当該赤字が解消できるように金融主体に対する融資の設定と、前記融資に対する元本と利子の返済のシミュレーションを連動させることを可能とする。
上記構成により、資金繰りの厳しい期間を事前に発見でき、当該期間において融資設定処理、融資に対する元本と利子の返済のシミュレーションを連動させることができ、金融も加味した農業シミュレーションを行うことができる。
次に、上記農業経営支援プログラムにおいて、繁忙期などにおける短期雇用までも加味した農業経営シミュレーションを行うことが好ましい。そこで、前記期間単位別見込み作業労力算出処理ステップが前記労力計画表の中にあらかじめ定めた労力量を超える過負荷となる期間単位を検出した場合に、当該過負荷が解消できるように短期雇用を加味した農業経営シミュレーションと、前記期間単位別見込み経費算出処理ステップが前記短期雇用の賃金の増加を加味した農業経営シミュレーションを連動させることを可能とする。
また、前記短期雇用が必要となる前記期間単位に関する情報と、前記短期雇用に対して設定される前記賃金に関する情報とを、行政が提供する雇用調整システムと連動させることも好ましい。
上記構成により、繁忙期で労力の確保が厳しい期間を事前に発見でき、当該期間において短期雇用の必要性、短期雇用に対する賃金支払による経費増大を加味した農業シミュレーションを行うことができる。この雇用調整は地域の行政システムと連動することも可能となれば、農家側の確実な雇用の確保と、行政側の雇用促進策が適切にマッチングされる。
上記した農業経営支援プログラムは、利用者となる農家単独ではなく、地域に存在する複数の農家に関する農業経営シミュレーションを集約することも好ましい。例えば、前記期間単位別見込み作業労力算出処理ステップが前記労力計画で必要となる農作業機器の台数を集約し、前記地域として保有する前記農作業機器の貸借計画を立てる農作業機器貸借計画処理ステップを備えた構成とすることが可能であり、地域一体として経費削減や雇用確保などを行うことにより効率化を図ることが期待できるからである。
また、本発明の農業経営支援システムは、上記の農業経営支援プログラムの処理手順を記憶装置に組み込んだシステムである。例えば、上記の農業経営支援プログラムをメモリなどの記憶装置にインストールしたパーソナルコンピュータをベースとした装置として構成する。
本発明の農業経営支援プログラムおよび農業経営支援システムによれば、農業経営データを基に、農作物別に作業労力、作業発生日時、経費、経費発生日時、売上、売上発生日時を管理することができ、精度良い農業経営の支援を行うことができる。
本発明の農業経営支援プログラムおよび農業経営支援システムによれば、様々な角度から農業経営をシミュレーションすることができ、作付作物の品種・作型の選定、作付面積の増減など、多面的な農業経営を可視化して検討することができる。
また、副次的には以下の効果が期待できる。
まず、新規就農者に対する効果として、資金繰り表を活用し新規参入に対するリスクを回避できる。また、自家労力を中心とする者にとって、作物の組み合わせを試行することにより無理のない労力計画が可能となる。
また、ベテラン農家に対する効果として、毎年の自分の農業経営における活動を視覚化できるので農業経営上の問題点を把握することができる。また、今までに経験の少ない作物の導入に対しても積極的に検討でき、失敗を少なくすることができる。また、資金繰り表を活用し、規模拡大時の借入金の評価をすることができる。
また、農業に関する研究機関や行政機関に対する効果として、地域農業の課題を把握しやすく、将来を見据えた経営指導および地域指導が可能となり、より適切な行政施策の立案が可能となる。また、地域の実情に応じた所得補償型施策を行うことができる。また、資金繰り表をもとに、貸付金指導および回収計画指導が的確となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1にかかる農業経営支援プログラム例を図面を参照しつつ説明する。
実施例1の農業経営支援プログラムの例は、基本的な農業経営データ入力ツール、農業経営データベース、農業経営シミュレーションツールの構成を備えたものとなっている。シミュレーション例も基本的な作業労力シミュレーション、資金繰りシミュレーションを示す。なお、この例では、月次別など期間単位を指定することが可能なものとし、シミュレーションにおいて月次別などの指定期間で集計した結果を可視化して表示できる例とする。
図1は、本発明の農業経営支援プログラムの構成を模式的に示す図である。
図2は、本発明の農業経営支援プログラムにおける農業経営データ入力から農業経営データベース20の構築までの処理手順を示すフローチャートである。
図3は、本発明の農業経営支援プログラムにおける農作業労力シミュレーションおよび資金繰りシミュレーションに関する処理手順を示すフローチャートである。
図1に示すように、実施例1の農業経営支援プログラム100は、農業経営データ入力ツール10、農業経営データベース20、農業経営シミュレーションツール30を備えている。なお、パーソナルコンピュータで稼働するためにアプリケーションプログラムが一般に備える他のプログラムツールや、オペレーティングシステムの図示は省略している。
農業経営データ入力ツール10は、農業経営データの入力を行うツールであり、農家が特別なデータの作成などを意識せずに、これまで行ってきたいわゆる農作業日誌を書いてゆく要領や、農業の経理簿を書いてゆく要領や、農業での売上帳簿を書いてゆく要領で、農業経営を把握するために必要なデータ入力が可能となるユーザーインターフェイスを提供する部分である。
図4は、農業経営データ入力ツール10により提供される、作物の品種・作型ごとの入力ユーザーインターフェイス11の例を示す図である。作物は「A」となっているが、作付する作物の品種・作型ごとに入力ユーザーインターフェイス11を呼び出して順次入力していく。図4の入力ユーザーインターフェイス11は、2つのユーザーインターフェイス部分が組み合わされたものとなっている。
第1のユーザーインターフェイスは、農作業日誌を書いてゆく要領で、農作物別に投入した作業内容・作業量・作業発生日時を含む農作業日誌データを入力する農作業日誌データ入力ユーザーインターフェイス部分である。
図4に示す入力ユーザーインターフェイス11は左から年月日を入力するカラム群、次に農作業・技術内容を入力するカラム群があり、農作業日誌と同様の並びとなっている。この例では表計算ソフトのローとカラムの升目で見やすく整理されたものとなっている。紙ベースで記録している農作業日誌とほぼ似通った表現となっている。
ここで農作業日誌とは、農作物別に投入した作業内容・作業量・作業発生日時を含む日々の農作業に関する基礎データである。農家は行った農作業の内容を日誌の形で記録に残しているか記録には残していないかの違いはあるが、各農家は自分が行っている農作業を何らかの方法で管理している。農業経営支援プログラムではコンピュータに関する特別な知識がなくとも農作業に関する諸データを簡単に入力できる入力インターフェイスを提供する。
次に、第2の入力インターフェイスは、農業の経理簿、売上簿を書いてゆく要領で、農業経営に投入した経費・経費発生日時を含む農業経費データや農業経営で回収した売上・売上発生日時を含む農業売上データを入力する農業経理データ入力ユーザーインターフェイス部分である。
図4に示す入力ユーザーインターフェイス11では、農作業・技術内容を入力するカラム群の右側に経費や売上などの経理データを入力するカラム群があり、経理簿と同様の並びとなっている。この例では表計算ソフトのローとカラムの升目で見やすく整理されたものとなっている。紙ベースで記録している経理簿とほぼ似通った表現となっている。
ここで農業経費とは、農業経営において投入した直接経費、間接経費、それら経費の発生日時を含むデータである。各農家は自分が行っている農業経営に要した経費を何らかの方法で管理している。農業経営支援プログラムではコンピュータに関する特別な知識がなくとも農業経営に関する諸経費を簡単に入力できる入力インターフェイスとなっている。
また、農業売上とは、農業経営において回収した売上と売上発生日時を含むデータである。各農家は自分が行っている農業経営で回収できた売上を何らかの方法で管理している。農業経営支援プログラムではコンピュータに関する特別な知識がなくとも農業経営に関する売上を簡単に入力できる入力インターフェイスとなっている。なお、農業経営の回収として、行政が政策的に提供する補助金を加味することもできる。補助対象となる作物の品種や作型の有無や農業経営の状態などの諸条件が満たされれば補助金収入があるからである。
上記のように、利用者は、農業経営データ入力ツール10により提供される作物単品ごとの入力ユーザーインターフェイス11を介して各種の農業経営データを入力してゆくことができる。
農業経営データベース20は、農業経営データ入力ツール10を介して入力された農業経営データを管理するデータベースである。
ここで、農作業や農業技術などは農家により異なるので、作付作物の品種・作型ごとの利用者自身の農業経営データを入力してゆくこととなるが、新しく作付しようとする品種・作型や、過去に作付したがその細かいデータが残っていない品種・作型に関しては、利用者がすべての農業経営データについて入力することが難しいため、あらかじめ標準的な農業経営データを農業経営データベースに保持しておき、それら作物に関して農業経営データベース内の農業モデルデータを利用する構成も可能である。農業経営モデルデータは必須の構成ではなく、図1の構成例では図示を省略している。農業経営モデルデータとは、農作物の品種・作型ごとに所定面積に対して、投入が見込まれる作業内容・作業量・作業発生予定日時を含む農作業をモデル化した農作業モデルと、投入が見込まれる経費・経費発生予定日時を含む農業経費をモデル化した農業経費モデルと、回収が見込まれる農作物売上・売上発生予定日時を含む農業売上をモデル化した農業売上モデルとを含むものである。
次に、農業経営シミュレーションツール30の働きについて述べる。
農業経営シミュレーションツール30は、後述する各種の農業経営のシミュレーションを計算し、利用者に提示するツールである。農業経営シミュレーションツール30は様々なシミュレーションが可能であるが、ここでは2つのシミュレーション例を挙げる。第1は農作業労力シミュレーションである。第2は資金繰りシミュレーションである。また、農業経営シミュレーションツール30は複数の作付作物の品種・作型と作付面積を指定することで組み合わせた農業経営シミュレーションを実行する能力を備えている。
まず、農業経営シミュレーションの前提となる作付作物の品種・作型とその作付面積を入力する必要がある(ステップS31)。品種・作型単品の単位面積に関するシミュレーションを行いたいときは、1種類の作付作物の品種・作型と単位面積(例えば10アール)を指定すれば良い。
農業経営シミュレーションツール30は、農作業労力シミュレーションとして、農業経営データベース20を参照し、農作物別に発生した作業労力を作業発生日時とともに算出する労力算出処理ステップ(ステップS32)を備えている。
また、農業経営シミュレーションツール30は、資金繰りシミュレーションとして、農業経営データベース20を参照し、農作物別に発生した経費を経費発生日時とともに算出する経費算出処理ステップ(ステップS33)と、農作物別に回収した売上を売上発生日時とともに算出する売上算出処理ステップ(ステップS34)と、必要な経費と回収できる売上をまとめた損益計算書を作成する損益計算書作成処理ステップ(ステップS35)と、資金繰り表を作成する資金繰り表作成処理ステップ(ステップS36)を備えている。
この例では、集計にかかる期間単位を任意に指定する集計期間単位入力処理ステップも備え、指定にかかる期間単位にて作業労力を集計し、期間単位ごとに必要な作業労力量の小計をまとめた労力計画表を作成できるものとなっている。例えば月次別に集計して表示できるものとなっている。後述する資金繰りシミュレーションにおいても指定にかかる期間単位にて期間単位ごとに資金繰り表を作成できるものとなっている。例えば月次別に集計して表示できるものとなっている。
農業経営シミュレーションツール30は、利用者の表示要求に応じて、作業労力計画表、作業労力を分かりやすく可視化した作業労力グラフ、損益計画書、資金繰り表、資金繰りを分かりやすく可視化した資金繰りグラフなどの表示を行う(ステップS37)。
図5は、ある品種・ある作型の作物Aについて月次別に集計した労力計画表のシミュレーション例を示す図である。月次別に作業量が作業時間数として表示されており、投入すべき作業量の過多が分かりやすいように表現されている。
図6は、月次別に集計した労力計画表をより分かりやすいようにグラフにより可視化したシミュレーション例を示す図である。この例では投入すべき労力が5月に多いことが一目で把握することができる。つまり、利用者は5月に労力を確保するために必要な人員を調達しなければならないことが把握できる。
図7は、損益計算書の例を示す図である。資金繰り表を作成するための基礎的な数字を集計したものとなる。月次別に必要となる経費と回収が見込める売上が表示されており、資金繰りの緩急が分かりやすいように表現されている。
図8は、月次別に集計した資金繰り表のシミュレーション例を示す図である。月次別にその月に必要となる資金繰りを示している。この例では12月と5月に資金繰りがタイトになるためにあらかじめ手元に資金を確保しておく必要があることが把握できる。
以上が単品の作物に関する基本的な農業経営データの入力手順と各種分析結果のシミュレーション手順である。
次に、実際に農家が、本発明の農業経営支援プログラムを用いて、運用する農地にいろいろな品種・作型の作物の作付を行い、その作付面積の増減などを試行してその結果を分析し、農業経営を様々にシミュレーションしてゆく例を示す。
図9は、利用者が、農業経営データ入力ツール10により提供された入力ユーザーインターフェイスを介して、次年度の作付作物の品種・作型の選定とそれらの作付面積を入力した例を示す図である。
図9の入力インターフェイス12は、図2に示した単品の品種・作型の作物の農業経営データを入力する入力ユーザーインターフェイス11とは異なる入力ユーザーインターフェイスとなっている。次年度に予定する複数の品種・作型の作物と予定の作付面積とを指定入力できるものとなっている。この例では、次年度の作付作物として、「たまねぎ(短期貯蔵)」、「ホウレンソウ(10月播種)」、「ホウレンソウ(5月播種)」、「太ネギ」の4つの作物を選定し、それぞれの作付面積を順に20アール、30アール、15アール、3アールとして入力した。
この指定入力に基づき、数々のシミュレーションを行うことができる。まず、図10の表は、複数の品種・作型の作物を組み合わせた場合の農作業労力シミュレーションとして作成された農作業労力計画表の例である。つまり、「たまねぎ(短期貯蔵)」、「ホウレンソウ(10月播種)」、「ホウレンソウ(5月播種)」、「太ネギ」の4つの作物をそれぞれ20アール、30アール、15アール、3アールの作付面積で作付した場合に想定される農作業労力計画である。月次別に投入すべき作業量の過多が分かりやすいように表現されている。
また、図11の表は図10の農作業労力計画表をより分かりやすいようにグラフにより可視化した例である。この例では投入すべき労力が1月と6月に多いことが一目で把握することができる。つまり、利用者は1月と6月に労力を確保するために必要な人員を調達しなければならないことが把握できる。
次に、資金繰りシミュレーションも行ってみた。
図12は、図9に示した品種・作型の作付作物と作付面積とした場合の資金繰りシミュレーションとして作成された損益計算書の例を示す図である。つまり、「たまねぎ(短期貯蔵)」、「ホウレンソウ(10月播種)」、「ホウレンソウ(5月播種)」、「太ネギ」の4つの作物をそれぞれ20アール、30アール、15アール、3アールの作付面積で作付した場合に想定される損益計算書である。
次に、この損益計算書をもとに作成した資金繰りシミュレーションを表示する。図13の表は、図12に示した損益計算書をもとに月次別に集計した資金繰り表のシミュレーション例である。月次別にその月に必要となる資金繰りを示している。また、図14の表は、図13の資金繰り表をもとに資金繰りの緩急を分かりやすいようにグラフで可視化したものである。この例では1月と6月と7月に資金繰りがタイトになることが一目で分かる。そのために1月と6月と7月にはあらかじめ手元に資金を確保しておく必要があることが把握できる。
このように、利用者は作付作物の品種や作型を変えたりその作付面積を変えたりして労力計画シミュレーションと資金繰りシミュレーションを繰り返すことができ、次年度の計画を立てることができる。
次に、上記の農業経営シミュレーションにおいて、果樹作物を加えた農業経営シミュレーション処理について述べる。
果樹作物は、単年で収穫できる単年性作物とは異なり、初年次からの育成期間には植栽などの労力や経費が集中し、その後、収穫量が増えて収入が経費を上回って成園期間となる。つまり果樹作物では年次により労力、経費、収入が変動するという特徴がある。そのため、農業経営シミュレーションはシミュレーションを行う年次において、その果樹作物にとって育成期間にあたるか、成園期間にあたるかによって異なるため、果樹作物の状態を織り込んだ農業経営シミュレーションとする必要がある。
そこで、果樹作物を加味した農業経営シミュレーションを行うために各処理ステップにおいて以下の処理を行う。
まず、農業経営データ入力ツール10を介した農業経営データ入力処理ステップにおいて、各年次の農業経営データを年次ごとに入力し、農業経営データベース20に記憶させておく。
図15は、単品の果樹作物に関して複数年の農業経営データを入力する入力インターフェイス13を示している。この例では育成開始年である1年目と次年度の2年目の一部しか示されていない。3年目以降の育成期間と成園期間のデータも入力してゆく。
次に、果樹栽培を加味した農業経営シミュレーションについて述べる。
農業経営シミュレーションツール30は、見込み作業労力算出処理ステップにおいて、単年性作物に関しては上記のとおり見込まれる作業労力を作業発生予定日時とともに反映する一方、果樹作物に関しては、育成期間と成園期間の年次ごとに、見込まれる作業労力を作業発生予定日時とともに反映する。果樹作物は、育成期間には育成に必要となる労力が発生し、成園期間となり収穫できるようになってからも果樹を維持するために労力が必要となる。
図16は各年度別に労力を集計した労力計画表の表示例である。この例では第1年目から第9年目までの合計を月次別に集計した結果が表示されている。なお、上段に対象年度を指定するカラムがあり、年度を指定すれば指定年度を取り出した労力計画表が表示される。図17は一例として第5年目を指定し、第5年目のみの労力計画表を表示させた図である。図18は、図16に示した果樹作物Aに関する労力計画表を分かりやすく可視化したグラフである。果樹作物Aに対して投入すべき労力を一目で把握することができる。
次に、果樹栽培を加味した資金繰りシミュレーションを説明する。
農業経営シミュレーションツール30は、見込み経費算出処理ステップにおいて、単年性作物に関しては上記のとおり見込まれる経費を経費発生予定日時とともに反映する一方、果樹作物に関しては育成期間と成園期間ごとに年次ごとに見込まれる経費を経費発生予定日時とともに反映する。つまり、育成期間は育成に必要となる経費が発生し、成園期間となり収穫できるようになってからも果樹を維持するために経費が必要となる。
また、農業経営シミュレーションツール30は、見込み売上算出処理ステップにおいて単年性作物に関しては上記のとおり見込まれる売上を売上発生予定日時とともに反映する一方、果樹作物に関しては育成期間に相当する年度であれば見込まれる売上が少なく、成園期間に相当する年度であれば見込まれる売上が増加し、年次ごとの売り上げを売上発生予定日時とともに反映する。
図19は、損益計算書の例である。月次別に必要となる経費と回収が見込める売上が表示されており、資金繰りの緩急が分かりやすいように表現されている。図20は、資金繰り表のシミュレーション例である。月次別にその月に必要となる資金繰りを示している。これらの処理ステップを通して果樹作物の作付を加味した農業シミュレーションを行う。このように、利用者は果樹作物を加味した労力計画シミュレーションや資金繰りシミュレーションを行うことができる。
以上が、利用者が実際に作付作物とその作付面積を指定した場合に行われる農作業労力計画シミュレーションと資金繰りシミュレーションの例である。
次に、応用発展の利用方法として、農業経営シミュレーション30を駆使して農業経営シミュレーションを試行し、農業経営の問題点を改善できることを説明する。一例として、当初に予定していた品種・作型の作付作物と作付面積にて農業経営シミュレーションを行ったところ、ある時期に負荷が集中する繁忙期が生じることが分かり、そこで作付面積を変更した別の農業経営シミュレーションを試行したところ、繁忙期の負荷が改善されることが分かったが、繁忙期の負荷は改善されたものの利益額が大きく低下したため、利益額が大きくなるように農業経営シミュレーションを繰り返すという例を挙げる。
いま、作付予定の品種・作型の作物と作付予定面積として、AA作物を34アール、BB作物を21アール、CC作物を17アール、DD作物を4アールで予定していたとする。
上記の作付予定の品種・作型の作物と作付予定面積では、農業経営シミュレーションの結果、農業経営データベース20を参照して図21に示されるような損益計算書が作成されたものとする。この図21に示した例では最下欄にあるように、農業経営シミュレーションの結果、農業経営の利益額は2,893,799円が予想されることが分かる。
ここで、農作業労力シミュレーションの結果、農作業の労力計画表およびそのグラフを作成してみると図22および図23に示すようなものであることが分かった。図22および図23を見れば分かるように、6月に労力負荷が集中していることが分かる。
上記の農作業労力シミュレーションの結果、6月に労力負荷が集中するという問題が発生することが把握できたが、当該労力負荷に対応するためには様々な方策が考えられる。例えば、労力負荷の偏りを招く品種・作型の作物の作付面積を少なくしたり、作付する品種・作型を変更したり、労力負荷が集中する期間に短期雇用を確保したり、農作業機器を導入して作業の機械化を図ったりする方策が考えられる。
ここでは、まず、労力負荷の偏りを招く品種・作型の作物の作付面積を変えることにより労力負荷の集中を緩和することができるかどうかを試行してみることとする。
いま、図22および図23を見ると、6月にAA作物の負荷が大きいことが分かる。そこで、図24に示すように、AA作物の作付面積を3アールに減らし、CC作物の作付面積も8アールに減らして再度農業経営シミュレーションを試行してみた。上記のようにAA作物の作付面積を3アール、CC作物の作付面積を8アールに変更した場合、農作業労力シミュレーションの結果、農作業の労力計画表は図25および図26に示すようになった。図25および図26を見れば分かるように、作付面積の変更前では6月に集中していた労力負荷が作付面積の変更後には緩和され、特別に労力負荷が集中している月はなくなることが分かる。つまり、作付面積の変更前は図22および図23に示すように6月の労力負荷が700時間を超えていたが、作付面積の変更後は図25および図26に示すように6月の労力負荷は160時間超程度に抑えられている。
このように、農作業労力シミュレーションの結果、AA作物の作付面積を3アールにし、CC作物の作付面積を8アールに変更すれば、6月に集中していた労力負荷が緩和されることが分かったが、図24の最下欄にあるように、農業経営の利益額は1,341,947円が予想されることが分かる。つまり、農業経営の利益額は2,893,799円から1,341,947円に低下してしまうことが分かる。つまり、このAA作物の作付面積を3アールにし、CC作物の作付面積を8アールに減らす方策では、農作業の労力負荷集中という問題は改善されたが、農業経営の利益額が大きく低下するため、最適な方策とは言えないことが分かった。
次に、上記の作付面積の変更による方策に加え、他の方策、例えば、作物の品種・作型の変更や多様化という方策を試行したとする。
いま、図27に示すように、AA作物、BB作物、CC作物、DD作物のうち、CC作物の作付けをやめてしまい、代わりに、EE作物を20アール、FF作物を4アール、GG作物を4アール作付けることとしてみた。また、追加の作物として新たにHH作物40アール、JJ作物5アール、KK作物3アールも作付けしてみることとした。
この場合、図27の最下欄にあるように、農業経営の利益額は3,777,999円が予想されることが分かる。つまり、農業経営の利益額は1,341,947円から3,777,999円に改善されることが分かる。
図27のように作付する作物の品種・作型と作付面積を変えた場合に生じる農作業労力の負荷を再度確認しておくと、農作業労力計画表は図28および図29に示すようになった。図28および図29を見れば分かるように、8月と12月を除けば、ほぼ月次200時間内に抑えられることが分かる。図22および図23では6月の労力負荷が700時間を超えていたが、図25および図26のケースでも、図28および図29のケースでも6月の労力負荷は160時間超程度に抑えられている。図25および図26のケースでは利益額が大きく減ったが、図28および図29のケースでは利益額はほとんど減少していないので、図28および図29のケースが一番良い農業経営となることが分かる。
なお、図28および図29のケースにおいて12月は農作業労力が250時間程度あるが、短期雇用の人員は比較的容易に確保することができ、人件費の増加もそれほど大きくないことが予想できる。
このように試行錯誤的に農業経営条件を変えてシミュレーションを繰り返すことができ、労力計画、資金繰り計画、利益額として適切なものとなるように試行することができる。
以上、本発明の農業経営支援プログラムによれば、今まで勘と経験に頼ってきた農業経営に代え、様々な角度から農業経営をシミュレーションすることができ、作付作物の選定、作付面積の増減など、多面的な農業経営を可視化して検討することができる。
実施例2にかかる農業経営支援プログラム例を図面を参照しつつ説明する。
実施例2の農業経営支援プログラムの例は、実施例1に示した基本的な構成に加え、この例では農業経営データとして、行政が政策的に農業経営に対して提供する補助金の収入も加味できるような処理が行える構成となっている。
実施例1の例では、農業経営データ入力ツール10を介して農業売上データの入力として補助金収入も入力することができた。しかし、補助金は年次ごとに内容や条件が異なり、特に、新しい品種・作型の作物を検討したり、作付面積の増減を検討したりする場合にはどのような補助金がどのような条件で受けられるかを把握することは容易ではない。
実施例2の構成では、農業経営に対する行政の補助金情報を保持・蓄積した補助金情報データベースを備えた構成となっている。
図30は、実施例2の農業経営支援プログラムの構成を模式的に示す図である。図1に示した構成と同様、農業経営データ入力ツール10、農業経営データベース20、農業経営シミュレーションツール30を備え、ネットワーク300を介して外部の行政サーバー200の補助金情報データベース21と連動している。なお、パーソナルコンピュータで稼働するためにアプリケーションプログラムが一般に備える他のプログラムツールや、オペレーティングシステムの図示は省略している。
補助金情報データベース21は、補助金が提供される作物種別、補助金額、補助金受取日時、補助条件に関する補助金データを格納したものであり、この例ではネットワークを介して接続されている。例えば、補助金を提供する主体が運用するサーバー、市町村の行政が運用するサーバー、農業技術センターが運用するサーバーなどにおいて提供される。
農業経営データ入力ツール10は、ネットワークを介して、補助金情報データベース21とやり取りし、補助金が提供される作物種別、補助金額、補助金受取日時、補助条件に関する補助金データを入力する補助金データ入力処理ステップを備えている。
農業経営データ入力ツール10は、実施例1に示したように利用者から作付予定の作物の品種・作型・作付面積のデータが入力された場合、この実施例2ではネットワーク300を介して補助金情報データベース21にアクセスし、作付作物に関する補助金データを検索し、補助金データが存在すれば、補助金データをダウンロードして、農業経営データベース20に記憶する。
なお、農業経営データ入力ツール10による補助金データの入力は、利用者自身がマウスやキーボードなどの入力デバイスを用いて操作してネットワークを介して補助金情報データベース21にアクセスして所望のデータを指定して取得するものでも良いし、システム稼働中において農業経営データ入力ツール10がネットワークを介して補助金情報データベース21とやり取りして自動的に補助金データを取得するものでも良い。
農業経営シミュレーションツール30は、売上算出処理ステップにおいて、補助金データに指定されている補助条件をチェックし、補助条件が満たされている場合は、売上算出処理ステップ(ステップS34)において、補助金額と補助金受取日時を反映し、資金繰りシミュレーションにおいて、補助金を加味した資金繰りシミュレーションを可能とする(ステップS35、S36)。
補助条件が満たされているか否かを判断する情報が不足している場合、利用者に対して該当する情報の入力を促す構成も好ましい。例えば、就農3年以内の者のみが補助対象となる条件が付さている場合、“就農3年以内ですか。YESなら1を、NOなら2を入力してください”など、質問形式でコード入力させて情報の入力を促すことなどが想定できる。
実施例3にかかる農業経営支援プログラム例を図面を参照しつつ説明する。
実施例3の農業経営支援プログラムの例は、実施例1に示した基本的な構成に加え、この例では農業経営データとして、農業試験場や農業技術センターなどが新品種の作物について提供する新品種農業経営モデルデータを外部から取り込んで、当該新品種の作付を加味した農業経営シミュレーションが行える構成となっている。
実施例1の例では、農業経営データ入力ツール10を介して作付する品種・作型の作物に関する種々の農業経営データを入力する構成であった。しかし、農業試験場や農業技術センターなどが開発した新品種の作物に関しては、各農家は十分な農業経営データや知識を持っていないため、このままでは本発明の農業経営支援プログラムの利用が制限されてしまう。そこで、農業試験場や農業技術センターなどが新品種の作物について提供する新品種農業経営モデルデータを外部から取り込んで、当該新品種の作付を加味した農業経営シミュレーションができる構成となっている。
図31は、実施例3の農業経営支援プログラムの構成を模式的に示す図である。図1に示した構成と同様、農業経営データ入力ツール10、農業経営データベース20、農業経営シミュレーションツール30を備え、ネットワーク300を介して外部の農業技術センターサーバー210の新品種農業経営モデルデータベース22と連動している。なお、パーソナルコンピュータで稼働するためにアプリケーションプログラムが一般に備える他のプログラムツールや、オペレーティングシステムの図示は省略している。
新品種農業経営モデルデータベース22は、新品種の作物について、投入が見込まれる作業内容・作業量・作業発生日時を含む農作業モデルデータと、投入が見込まれる経費・経費発生日時を含む農業経費モデルデータと、回収が見込まれる売上・売上発生日時を含む農業売上モデルデータを格納したものであり、この例ではネットワークを介して接続されている。例えば、農業試験場や農業技術センターが運用するサーバーなどにおいて提供される。
農業経営データ入力ツール10は、ネットワーク300を介して、農業技術センターサーバー210の農業経営モデルデータベース22にアクセスし、新品種の作物に関する新品種農業経営モデルデータを入力する新品種農業経営モデルデータ入力処理ステップを備えている。
農業経営データ入力ツール10を介して、実施例1に示したように利用者から新品種の作付が入力された場合、この構成例ではネットワーク300を介して新品種農業経営モデルデータベース22にアクセスし、該当する新品種に関する新品種農業経営モデルデータをダウンロードして、農業経営データベース20に記憶する。
なお、農業経営データ入力ツール10を介した新品種農業経営モデルデータの入力は、利用者自身がマウスやキーボードなどの入力デバイスを用いて操作してネットワークを介して新品種農業経営モデルデータベース22にアクセスして所望のデータを指定して取得するものでも良いし、システム稼働中において農業経営データ入力ツール10がネットワークを介して新品種農業経営モデルデータベース22とやり取りして自動的に新品種農業経営モデルデータを取得するものでも良い。
農業経営シミュレーションツール30は、見込み作業労力算出処理ステップにおいて見込まれる作業労力と作業発生予定日時に反映し、見込み経費算出処理ステップにおいて見込まれる経費と経費発生予定日時に反映し、見込み売上算出処理ステップにおいて見込まれる売上と売上発生予定日時に反映し、農業経営シミュレーションにおいて、新品種の作付を加味した農業シミュレーションを可能とする。作業労力の緩急が大きく作付作物を変更して平坦化を図る上で、利用者の既知の作物ではうまく平坦化できない場合、作業労力の緩急を平坦化しやすい新品種を探す場合などに外部の新品種農業経営モデルデータベース22にアクセスすることは有効である。
実施例4にかかる農業経営支援プログラム例を図面を参照しつつ説明する。
実施例4の農業経営支援プログラムの例は、実施例1に示した基本的な構成に加え、この例ではネットワークを介して行政が運用する雇用システムを連動し、農業経営での繁忙期の人員確保と、行政の短期雇用調整を加味した農業経営シミュレーションが行える構成となっている。
実施例1の例では、農業経営シミュレーション30による農作業労力シミュレーションにおいて繁忙期の分析と不足する労力量がどの程度であるかを把握することはできた。しかし、実際に短期雇用として人員を確保する算段をとる必要がある。一方、行政は雇用調整・雇用促進を業務としており、行政地域内での雇用需要を把握したいというニーズがある。そこで、各農家が利用する農業経営支援プログラムと、行政が運用する雇用調整システムとを連動させれば、両者ともに有益な情報を交換することができる。
図32は、実施例4の農業経営支援プログラムの構成を模式的に示す図である。図1に示した構成と同様、農業経営データ入力ツール10、農業経営データベース20、農業経営シミュレーションツール30を備え、ネットワーク300を介して外部の行政サーバー200の雇用調整システム23と連動している。なお、パーソナルコンピュータで稼働するためにアプリケーションプログラムが一般に備える他のプログラムツールや、オペレーティングシステムの図示は省略している。
雇用調整システム23は、例えば、いわゆるハローワークなどで運用されているシステムなどが想定され、農業経営支援プログラム100との間で、短期雇用が必要となる期間単位に関する情報(繁忙期が何月から何月までなのか)と、短期雇用に対して設定される賃金に関する情報(日給幾らなのか)などを交換する。
なお、雇用調整システム23とやり取りして短期雇用に関するデータを交換する操作は、利用者自身がマウスやキーボードなどの入力デバイスを用いて操作してネットワークを介して雇用調整システム23にアクセスして所望のデータをやり取りするものでも良いし、システム稼働中において農業経営データ入力ツール10がネットワークを介して雇用調整システム23と自動的に短期雇用に関するデータをやり取りするものでも良い。
行政側は、ハローワークなどで運用されている雇用調整システム23において、求職者に的確に雇用情報を提供することができる。また、農家側は繁忙期に確実に短期雇用を確保することができる。
実施例5にかかる農業経営支援プログラムの例を図面を参照しつつ説明する。
図33に示す実施例5の農業経営支援プログラムの例は、実施例1に示した基本的な構成を持つ農業経営支援プログラム100同士が、ネットワーク300を介して連携し合う構成例である。この例では一つの農業経営支援プログラム100aがサーバープログラムを兼ねている例である。このように、地域に存在する複数の農家が情報を交換し合うことにより、地域一体となった農業経営シミュレーションが可能となる。
例えば、農作業機器の共同利用が考えられる。耕運機や田植え機などの農作業機器を各農家が個人で調達する場合は経費が大きくなるが、地域で共同購入し、共同利用すれば農作業機器に対する各農家の経費が小さくて済む。
そこで、各農業経営支援プログラム100の農業経営シミュレーションツール30の見込み作業労力算出処理ステップにおいて、見込まれる作業労力の情報をサーバーとなっている農業経営支援プログラム100に対してネットワーク300を介して送信する。サーバーとなっている農業経営支援プログラム100aは他の各農業経営支援プログラム100b、c、dから収集した作業労力の情報を集計し、必要となる農作業機器の台数を集約し、地域として保有する農作業機器の貸借計画を立てる農作業機器貸借計画処理ステップを備えている。このように農作業機器の貸与計画に従って農作業機器を共同利用すれば各農家が農作業機器に要する経費が共同利用経費分のみで済む。経費算出処理ステップにおいて見込まれる経費をこの共同利用経費とすれば良い。
以上、本発明にかかる農業経営支援プログラムについて説明してきたが、上記した実施例1乃至実施例5のいずれかに示した本発明にかかる農業経営支援プログラムの処理手順をコンピュータシステムに実行させるコンピュータプログラムとして記述されたものとして、コンピュータ読み込み可能な記憶媒体に担持させた形やコンピュータネットワークを介したダウンロードの形にて提供することができる。
実施例1乃至実施例5では本発明にかかる農業経営支援プログラムについて説明してきたが、上記した実施例1乃至実施例5のいずれかに示した本発明にかかる農業経営支援プログラムの処理手順をコンピュータシステムにインストールして農業経営支援システム101として構築することができる。
図34は実施例6の農業経営支援システムの構成例を示す図である。
農業経営支援システム101は、農業経営データ入力処理部110と農業経営データベース120と農業経営シミュレーション部130と農業経営データ出力処理部140を備えている。
農業経営データ入力処理部110は、農作物別に投入した作業内容・作業量・作業発生日時を含む農作業日誌データと、投入した経費・経費発生日時を含む農業経費データと、回収した売上・売上発生日時を含む農業売上データとを含む農業経営データの入力を受け付ける。この構成例ではキーボード111とマウス112を備えた構成となっている。
農業経営データベース120は、農業経営データ入力処理部により入力された農業経営データをデータベース化したものである。
農業経営シミュレーション部130は、農業経営データベース120を参照し、農作物別に発生した作業労力を作業発生日時とともに算出する労力算出処理と、農作物別に発生した経費を経費発生日時とともに算出する経費算出処理と、農作物別に回収した売上を売上発生日時とともに算出する売上算出処理を行ない、農業経営データ出力処理部140のモニタ141などを介して労力計算表や損益計算表や資金繰りシミュレーションなどの各種シミュレーション結果を可視化することができるものとなっている。
農業経営データ出力処理部140は労力計算表や損益計算表や資金繰りシミュレーションなどの各種シミュレーション結果を出力する部分であり、この構成例ではモニタ141とプリンタ142を備えた構成となっている。
図34の構成例は一例であり、他のコンピュータ周辺機器を搭載することは可能である。また、ネットワークに接続してネットワーク上のコンピュータリソースを利用することも可能である。
以上、本発明の農業経営支援プログラムおよび農業経営システムの構成例における好ましい実施形態を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
本発明の農業経営支援プログラムおよび農業経営支援システムは、農業経営を支援する用途に広く適用することができる。
本発明の農業経営支援プログラムの構成を模式的に示す図 本発明の農業経営支援プログラムにおける農業経営データ入力から農業経営データベース20の構築までの処理手順を示すフローチャート 本発明の農業経営支援プログラムにおける農作業労力シミュレーション及び資金繰りシミュレーションに関する処理手順を示すフローチャート 農業経営データ入力ツール10により提供される、単品作物の品種・作型ごとの入力ユーザーインターフェイス11の例を示す図 作物Aについて月次別に集計した労力計画表のシミュレーション例を示す図 月次別に集計した労力計画表をより分かりやすいようにグラフにより可視化したシミュレーション例を示す図 損益計算書の例を示す図 月次別に集計した資金繰り表のシミュレーション例を示す図 次年度の作付作物とそれらの作付面積を入力した例を示す図 複数の品種・作型の作物を組み合わせた場合の農作業労力シミュレーションとして作成された農作業労力計画表の例を示す図 図10の農作業労力計画表をより分かりやすいようにグラフにより可視化した例を示す図 図9に示した品種・作型の作付作物と作付面積とした場合の資金繰りシミュレーションとして作成された損益計算書の例を示す図 図12に示した損益計算書をもとに月次別に集計した資金繰り表の例を示す図 図13の資金繰り表をもとに資金繰りの緩急を分かりやすいように可視化したグラフを示す図 果樹作物に関して複数年の農業経営データを入力する入力インターフェイス13を示す図 各年度別に労力を集計した労力計画表の表示例を示す図 第5年目を指定し、第5年目のみの労力計画表を表示させた図 図16に示した果樹作物Aに関する労力計画表を分かりやすく可視化したグラフ 果樹作物Aに関する損益計算書の例を示す図 果樹作物Aに関する資金繰り表の例を示す図 作付作物の品種・作型と作付面積を変更した場合(その1)の損益計算書の例を示す図 作付作物の品種・作型と作付面積を変更した場合(その1)の労力計画表を示す図 作付作物の品種・作型と作付面積を変更した場合(その1)の労力計画グラフを示す図 作付作物の品種・作型と作付面積を変更した場合(その2)の損益計算書の例を示す図 作付作物の品種・作型と作付面積を変更した場合(その2)の労力計画表を示す図 作付作物の品種・作型と作付面積を変更した場合(その2)の労力計画グラフを示す図 作付作物の品種・作型と作付面積を変更した場合(その3)の損益計算書の例を示す図 作付作物の品種・作型と作付面積を変更した場合(その3)の労力計画表を示す図 作付作物の品種・作型と作付面積を変更した場合(その3)の労力計画グラフを示す図 実施例2の農業経営支援プログラムの構成を模式的に示す図 実施例3の農業経営支援プログラムの構成を模式的に示す図 実施例4の農業経営支援プログラムの構成を模式的に示す図 実施例5の農業経営支援プログラムの構成を模式的に示す図 実施例6の農業経営支援システムの構成例を示す図
10 農業経営データ入力ツール
20 農業経営データベース
30 農業経営シミュレーションツール
100 農業経営支援プログラム
101 農業経営支援システム
110 農業経営データ入力処理部
111 キーボード
112 マウス
120 農業経営データベース
130 農業経営シミュレーション部
140 農業経営データ出力処理部
141 モニタ
142 プリンタ
200 行政サーバー
210 農業技術センターサーバー
300 ネットワーク

Claims (14)

  1. 農家が実際に運用する農地における作付作物の品種や作型の選択、作付面積の増減などをシミュレーションして前記農家の農業経営を支援する農業経営支援プログラムであって、
    前記農家自身が前記農地において日々投入した作業内容・作業量・作業発生日時を含む農作業日誌データを入力する農作業日誌データ入力ステップと、
    前記農作業日誌データと、前記農家が実際に運用する前記農地に対して投入した経費・経費発生日時を含む農業経費データと、前記農家が実際に運用する前記農地から回収した売上・売上発生日時を含む農業売上データを含む農業経営データの入力を受け付ける農業経営データ入力処理ステップと、
    入力された前記農業経営データをデータベース化して農業経営データベースを構築する農業経営データベース構築処理ステップと、
    前記農業経営データベースを参照し、前記農作物別に発生した作業労力を作業発生日時とともに算出する労力算出処理ステップと、
    前記農業経営データベースを参照し、前記農作物別に発生した経費を経費発生日時とともに算出する経費算出処理ステップと、
    前記農業経営データベースを参照し、前記農作物別に回収した売上を売上発生日時とともに算出する売上算出処理ステップとを備えた農業経営支援プログラム。
  2. 農作物別に前記農家が実際に運用する前記農地の所定面積に対して、投入が見込まれる作業内容・作業量・作業発生予定日時を含む農作業をモデル化した農作業モデルと、投入が見込まれる経費・経費発生予定日時を含む農業経費をモデル化した農業経費モデルと、回収が見込まれる農作物売上・売上発生予定日時を含む農業売上をモデル化した農業売上モデルとを含む農業経営モデルをデータベース化した農業経営モデルデータベースを備え、
    農業経営データ入力処理ステップを介して、前記農業経営モデルデータベースより、利用したい農業経営モデルデータを取得し、前記農業経営データベースに入力する請求項1に記載の農業経営支援プログラム。
  3. 前記農家が実際に運用する前記農地について予定する農作物の品種・作型と、前記品種・作型ごとの作付面積との計画データを入力する農作物・作付面積計画データ入力処理ステップと、
    前記農業経営データベースを参照し、前記農作物の品種・作型別に前記予定作付面積にて、見込まれる作業労力を作業発生予定日時とともに算出する見込み作業労力算出処理ステップと、見込まれる経費を経費発生予定日時とともに算出する見込み経費算出処理ステップと、見込まれる売上を売上発生予定日時とともに算出する見込み売上算出処理ステップとを備え、農業経営シミュレーションを可能とした請求項1または2に記載の農業経営支援プログラム。
  4. 集計にかかる期間単位を任意に指定する集計期間単位入力処理ステップを備え、
    前記労力算出処理ステップにおいて、前記指定にかかる期間単位にて前記作業労力を集計し、期間単位ごとに必要な作業労力量の小計をまとめた労力計画表を作成できることを特徴とする請求項に記載の農業経営支援プログラム。
  5. 集計にかかる期間単位を任意に指定する集計期間単位入力処理ステップを備え、
    前記経費算出処理ステップにおいて、前記指定にかかる期間単位にて前記経費を集計し、
    前記売上算出処理ステップにおいて、前記指定にかかる期間単位にて前記売上を集計し、
    前記期間単位ごとに必要な経費と回収できる売上の小計をまとめた資金繰り表を作成できることを特徴とする請求項に記載の農業経営支援プログラム。
  6. 前記農家が実際に運用する前記農地について予定する農作物の品種・作型と、前記品種・作型ごとの予定作付面積の計画データを入力する農作物・作付面積計画データ入力処理ステップと、
    前記農業経営データベースを参照し、前記農作物別に前記予定作付面積にて、前記期間単位ごとに見込まれる作業労力を算出する期間単位別見込み作業労力算出処理ステップと、前記期間単位ごとに見込まれる経費を算出する期間単位別見込み経費算出処理ステップと、前記期間単位ごとに見込まれる売上を算出する期間単位別見込み売上算出処理ステップと
    集計にかかる期間単位を任意に指定する集計期間単位入力処理ステップを備え、
    前記期間単位ごとに必要な作業労力量の小計をまとめて作成した労力計画表、および、前記期間単位ごとに必要な経費と回収できる売上の小計をまとめて作成した資金繰り表を介し、前記期間単位別に農業経営がシミュレーションできるようにした農業経営シミュレーションを可能とした請求項に記載の農業経営支援プログラム。
  7. 補助金が提供される農作物の品種・作型、補助金額、補助金受取日時、補助条件に関する補助金データを入力する補助金データ入力処理ステップを備え、
    前記売上算出処理ステップにおいて、前記補助金額と前記補助金受取日時を前記売上と前記発生日時に反映し、前記農業経営シミュレーションにおいて、前記補助金を加味した農業シミュレーションを可能とした請求項6に記載の農業経営支援プログラム。
  8. 外部から新品種・新作型について提供される、投入が見込まれる作業内容・作業量・作業発生日時を含む農作業モデルデータと、投入が見込まれる経費・経費発生日時を含む農業経費モデルデータと、回収が見込まれる売上・売上発生日時を含む農業売上モデルデータを入力する新品種農業経営モデルデータ入力処理ステップを備え、
    前記見込み作業労力算出処理ステップにおいて見込まれる作業労力と作業発生予定日時に反映し、前記見込み経費算出処理ステップにおいて見込まれる経費と経費発生予定日時に反映し、前記見込み売上算出処理ステップにおいて見込まれる売上と売上発生予定日時に反映し、前記農業経営シミュレーションにおいて、前記新品種・新作型の作付を加味した農業シミュレーションを可能とした請求項6に記載の農業経営支援プログラム。
  9. 果樹作物に関し、農業経営データ入力処理ステップにおいて、育成開始年以降の前記農業経営データを年次別に前記農業経営データベースに記憶させ、
    前記農業経営シミュレーションにおいて、
    前記見込み作業労力算出処理ステップにおいて前記果樹作物に見込まれる作業労力を作業発生予定日時とともに年次ごとに反映し、前記見込み経費算出処理ステップにおいて前記果樹作物に見込まれる経費を経費発生予定日時とともに年次ごとに反映し、前記見込み売上算出処理ステップにおいて前記果樹作物に見込まれる売上を売上発生予定日時とともに年次ごとに反映し、前記農業経営シミュレーションにおいて、年次により労力、経費、収入が変動する前記果樹作物の作付を加味した農業シミュレーションを可能とした請求項6に記載の農業経営支援プログラム。
  10. 前記期間単位別見込み作業労力算出処理ステップが前記労力計画表の中にあらかじめ定めた労力量を超える過負荷となる期間単位を検出した場合に、当該過負荷が解消できるように短期雇用を加味した農業経営シミュレーションと、前記期間単位別見込み経費算出処理ステップが前記短期雇用の賃金の増加を加味した農業経営シミュレーションを連動させることを可能とした請求項6に記載の農業経営支援プログラム。
  11. 前記短期雇用が必要となる前記期間単位に関する情報と、前記短期雇用に対して設定される前記賃金に関する情報とを、行政が提供する雇用調整システムと連動させることを特徴とする請求項10に記載の農業経営支援プログラム。
  12. 地域に存在する複数の農家に関する前記農業経営シミュレーションを集約したことを特徴とする請求項6から11のいずれか1項に記載の農業経営支援プログラム。
  13. 前記期間単位別見込み作業労力算出処理ステップが前記労力計画で必要となる農作業機器の台数を集約し、前記地域として保有する前記農作業機器の貸借計画を立てる農作業機器貸借計画処理ステップを備えたことを特徴とする請求項12に記載の農業経営支援プログラム。
  14. 農作業能力や農業技術など個人差がある農家が実際に運用する農地における作付作物の品種や作型の選択、作付面積の増減などをシミュレーションして前記農家の農業経営を支援する農業経営支援システムであって、
    前記農家自身が過去に農作物別に日々投入した作業内容・作業量・作業発生日時を含む農作業日誌データを入力する農作業日誌データ入力インターフェイスと、
    前記農作業日誌データと、前記農家が実際に運用する前記農地に対して投入した経費・経費発生日時を含む農業経費データと、前記農家が実際に運用する前記農地から回収した売上・売上発生日時を含む農業売上データとを含む農業経営データの入力を受け付ける農業経営データ入力処理部と、
    前記農業経営データ入力処理部により入力された前記農業経営データをデータベース化した農業経営データベースと、
    前記農業経営データベースを参照し、前記農作物別に発生した作業労力を作業発生日時とともに算出する労力算出処理と、前記農作物別に発生した経費を経費発生日時とともに算出する経費算出処理と、前記農作物別に回収した売上を売上発生日時とともに算出する売上算出処理を行う農業経営シミュレーション部とを備えた農業経営支援システム。
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