JP5479118B2 - ハニカム構造体の製造方法 - Google Patents
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まず、セラミック原料、水及び「0.8MPaで加圧したときの離水率が1.5%(質量%)以下である吸水性樹脂」(以下、「特定吸水性樹脂」と称することがある。)を含有する成形原料を混練して坏土を得る(坏土調製工程)。成形原料に含有されるセラミック原料としては、コーディエライト化原料、炭化珪素、サイアロン、ムライト、窒化珪素、リン酸ジルコニウム、ジルコニア、チタニア、アルミナ、シリカ等を用いることができる。コーディエライト化原料とは、焼成によりコーディエライトとなる原料を意味し、シリカが42〜56質量%、アルミナが30〜45質量%、マグネシアが12〜16質量%の範囲に入る化学組成となるように配合されたセラミックス原料である。具体的にはタルク、カオリン、仮焼カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウム、及びシリカの中から選ばれた複数の無機原料を上記化学組成となるような割合で含むものが挙げられる。成形原料中のセラミック原料の含有率は、60〜80質量%が好ましい。
次に、得られた坏土をハニカム形状に押出成形してハニカム成形体を得る(成形工程)。坏土を押出成形する方法としては、特に限定されないが、所望のセル形状、隔壁厚さ、セル密度のハニカム成形体を形成する口金を装着した公知の押出成形機を用いて、押出成形する方法を挙げることができる。得られるハニカム成形体は、図1に示すように、流体の流路となる複数のセル1を区画形成する隔壁2を備えるものであり、隔壁の外周に外周壁3が配設されたものであってもよい。図1は、本発明のハニカム構造体の製造方法の一の実施形態の、成形工程において形成されるハニカム成形体100を模式的に示す斜視図である。
次に、得られたハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を得る(焼成工程)。焼成により、ハニカム成形体のセラミック原料を焼結させて緻密化し、所定の強度を確保することができる。焼成条件(温度・時間)は、セラミック原料の種類により異なるため、その種類に応じて適当な条件を選択すればよい。
セラミック原料としてコーディエライト化原料を用い、コーディエライト化原料として、シリカ、タルク、及びアルミナを使用した。コーディエライト化原料100質量部に、分散媒である水38質量部、吸水性樹脂1.5質量部、有機バインダ4質量部を添加し、混合、混練して坏土を調製した。吸水性樹脂は、粒子状のポリアクリル系アンモニウム塩であり、吸水倍率が20倍で、吸水後の粒子径が20μmであった。吸水性樹脂は、0.8MPaで加圧したときの離水率が0.05%であった。吸水性樹脂の離水率は、以下の方法で測定した。有機バインダとしてはメチルセルロースを使用した。混合装置としては、レーディゲミキサーを使用し、混練装置としてはニーダー及び真空土練機を使用した。「吸水後の粒子径」は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製LA−920)を用いて湿式測定したメディアン径を指す。
図2に示すように、吸水性樹脂(吸水前)100質量部に対して、水1000質量部を吸水させた、吸水後の吸水性樹脂21をシリンジ11内に充填する。そして、シリンジ11の先端を、疎水性ろ紙12の一方の面に密着させ、疎水性ろ紙12の他方の面に親水性ろ紙13を配置させる。そして、シリンジ11のピストンに0.8MPaの圧力を1秒間かけて、吸水性樹脂21から離水した水を、疎水性ろ紙12を通過させて親水性ろ紙13に吸収させる。その後、親水性ろ紙13に吸収された水の量を測定し、離水率を算出した。シリンジ11は、テルモ社製の2.5cm3のテルモシリンジを用いた。シリンジの先端は、切断し、円柱状になるように加工した。疎水性ろ紙としては、東京ダイレック社製の、エミッション用フッ素処理ガラス繊維フィルター(TX−40HI20−WW)を用いた。親水性ろ紙としては、TOYOろ紙社製の、フィルターQualitative2を用いた。尚、図2は、吸水性樹脂の離水率を測定する装置の断面を示す模式図である。図2において、加圧方向Pは、シリンジに圧力をかける方向を示す。
吸水性樹脂の離水率、吸水後の粒子径及び添加量、並びに、水の添加量を表1に示すように変化させ、更に押出成形圧力を表1に示すように変化させた以外は、実施例1の場合と同様に、口金の摩耗量(押出ダイス摩耗量)を測定した。尚、比較例1は吸水性樹脂を使用しなかった。結果を表1に示す。尚、吸水性樹脂の離水率は、吸水後の粒子径を変化させることにより変化させた。
吸水性樹脂の添加量、メチルセルロース及び水の添加量を表1に示すように変化させた以外は、実施例1の場合と同様に、口金の摩耗量(押出ダイス摩耗量)を測定した。また、「乾燥クラック」の有無を確認した。結果を表1に示す。尚、吸水性樹脂の離水率は、吸水後の粒子径を変化させることにより変化させた。
ハニカム構造体の製造過程において、マイクロ波乾燥させたハニカム成形体について、隔壁の切れの有無を確認する。
Claims (3)
- セラミック原料及び水を含有する成形原料を混練して坏土を得る坏土調製工程と、
得られた前記坏土をハニカム形状に押出成形してハニカム成形体を得る成形工程と、
得られた前記ハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を得る焼成工程とを有し、
前記成形原料が、0.8MPaで加圧したときの離水率が1.5%以下である吸水性樹脂を含有しているハニカム構造体の製造方法。 - 前記成形原料が、前記吸水性樹脂を、セラミック原料100質量部に対して0.1〜5.0質量部含有している請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
- 前記吸水性樹脂が、吸水後の粒子径が50μm以下である請求項1又は2に記載のハニカム構造体の製造方法。
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