JP5478953B2 - 燃料電池の水処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、イオン交換樹脂を用いた燃料電池の水処理装置の技術に関する。
燃料電池には、水素が必要であり、都市ガスや天然ガス等から水素を製造するためには、その改質工程において水が必要であり、純水が利用される。また、燃料電池の冷却や、固体高分子型燃料電池の高分子膜の加湿等にも純水が利用されている。
純水は、通常イオン交換樹脂を備える水処理装置を利用して不純物イオンを除去することにより製造される。水道水からの純水製造の他、燃料電池の発電反応により生じる凝縮水等を処理し、該処理水(純水)を燃料電池に循環する技術が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、耐熱性の高いイオン交換樹脂を用いることにより、排熱回収量を高めた水処理装置が提案されている。
また、例えば、特許文献2には、燃料電池に供給する冷却水中の炭酸イオン及び炭酸水素イオン(以下、炭酸イオン等または単に炭酸という)を処理する水処理装置において、陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂の使用比率を適切にすることで、陽イオン交換樹脂量を減らし、装置を小型化する技術が開示されている。
特開平11−204123号公報 特開平8−17457号公報
しかし、特許文献1では、耐熱性の高いイオン交換樹脂として、複数個の炭化水素基を有する陰イオン交換樹脂が一例として提示されているが、そのような陰イオン交換樹脂は流通量が少なく、一般的に高価である。
また、特許文献2では、陽イオン交換樹脂の量を最適化することで、装置の小型化が試みられているが、陰イオン交換樹脂についての検討はなされていない。
本発明の目的は、耐熱性を有し、且つ安価で小型化が可能な燃料電池用の水処理装置を提供することにある。
本発明は、イオン交換樹脂を用いた燃料電池の水処理装置であって、前記イオン交換樹脂は陰イオン交換樹脂を含み、初期状態の前記陰イオン交換樹脂は、炭酸塩を通液することで炭酸型に変換したものである。
また、前記燃料電池の水処理装置において、前記初期状態の陰イオン交換樹脂の全交換容量のうち、70〜100%が炭酸型であることが好ましい。
また、前記燃料電池の水処理装置において、前記陰イオン交換樹脂は強塩基性陰イオン交換樹脂であることが好ましい。
また、前記燃料電池の水処理装置において、前記陰イオン交換樹脂へ通水する被処理水には、燃料電池の発電反応により生じる凝縮水が含まれ、前記被処理水は前記陰イオン交換樹脂により処理された後、前記燃料電池に再利用されることが好ましい。
本発明によれば、耐熱性を有し、且つ安価で小型化が可能な燃料電池用の水処理装置を提供することができる。
本実施形態に係る燃料電池の水処理装置の構成の一例を示す模式図である。 被処理水中の種々のCO濃度におけるRClとCClとの関係を示す図である。 被処理水中の種々のCO濃度におけるRClとCClとの関係を示す図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る燃料電池の水処理装置の構成の一例を示す模式図である。図1に示す燃料電池の水処理装置10には、イオン交換樹脂が充填されたカートリッジが備えられている。カートリッジは1つ又は複数であってもよい。カートリッジに充填されるイオン交換樹脂は、陰イオン交換樹脂、又は陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂との混床樹脂等である。なお、燃料電池の水処理装置10は、イオン交換樹脂が充填されたカートリッジに加え、活性炭等を充填したカートリッジを付加しても良い。
本実施形態に係る燃料電池の水処理装置10は、主に、燃料電池12に供給する水中の不純物イオンの除去を行うものである。燃料電池の水処理装置10により処理される水としては、水道水(市水)、純水、燃料電池12の発電反応により生じる凝縮水等が挙げられる。
水道水等の市水は、被処理水ライン14から燃料電池の水処理装置10に供給される。また、燃料電池12から排出される凝縮水は、例えば、一旦凝縮水タンク16に貯留され、ポンプ18により、凝縮水ライン20から燃料電池の水処理装置10に供給される。そして、燃料電池の水処理装置10により、水中の不純物イオンが除去される。
燃料電池の水処理装置には、耐熱性、小型化の要求がある。例えば、特開平11−204123号公報には、耐熱性を向上させるために、複数個の炭化水素基を有する陰イオン交換樹脂を用いる例が開示されており、また、例えば、特開平8−17457号公報には、装置を小型化するために、混床カートリッジに充填される陽イオン交換樹脂の量を最適化する例が開示されている。
そこで、本実施形態では、重炭酸アンモニウム等の炭酸塩を陰イオン交換樹脂に通液し、炭酸型に変換したものを初期状態の陰イオン交換樹脂として用いることにより、耐熱性の向上、小型化を可能としている。炭酸型の陰イオン交換樹脂は、OH型等の陰イオン交換樹脂と比較して、同じ交換容量でも樹脂体積が小さい。すなわち、OH型の陰イオン交換樹脂を炭酸型に置換することで樹脂体積が小さくなる。このため、装置の小型化が可能となる。また、炭酸型の陰イオン交換樹脂は、OH型等の陰イオン交換樹脂と比較して、耐熱性も高い。そのため、燃料電池等の凝縮水等、比較的温度の高い被処理水(例えば、40〜80℃)を処理しても、熱によるイオン交換樹脂の分解が抑制され、処理水中にTOCが溶出することを抑制することができる。
本実施形態の炭酸型陰イオン交換樹脂は、初期状態の陰イオン交換樹脂の全交換容量に占める炭酸イオンの割合が70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、さらに100%であることがより好ましい。ここで言う炭酸型とは、炭酸型、重炭酸型の両者を含む。炭酸型とする場合には、炭酸塩ではなく、重炭酸塩(炭酸水素塩)により置換することが好適である。これは、燃料電池の条件において、炭酸水素イオンが炭酸イオンより安定状態なためである。また、炭酸型の陰イオン交換樹脂は、不純物イオンの除去性能の点で、弱塩基性陰イオン交換樹脂より、強塩基性陰イオン交換樹脂であることが好ましい。
なお、本実施形態の炭酸型の陰イオン交換樹脂だけでは、炭酸を除去することができないため、炭酸の除去が必要な場合には、後段で脱炭酸(脱気膜や空気接触による脱炭酸塔等)を行うことが望ましい。
本実施形態において、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂との混床樹脂が用いられる場合、陽イオン交換樹脂の平均粒径は、0.2mm以上、且つ陰イオン交換樹脂の平均粒径の80%以下であることが好ましい。上記でも説明したように、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂とは比重が違うため(一般的に、陽イオン交換樹脂の方が陰イオン交換樹脂より比重が大きい)、上記範囲外の粒径の陽イオン交換樹脂を用いると、水処理装置の搬送、設置、運転等に伴う振動によって、両イオン交換樹脂が分離してしまい、燃料電池に供給する水中の不純物イオンを十分に除去できない。また、陽イオン交換樹脂の平均粒径が0.2mm未満では、カートリッジの圧力損失が増加するため処理コストが増大し、陰イオン交換樹脂の平均粒径の80%超であると、通水時における終末速度の差が大きくなり陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂とが分離し易くなる。
本実施形態のように陽イオン交換樹脂の粒径を制御した混床樹脂を用いることにより初めて、振動による両イオン交換樹脂の分離を抑制し、安定した不純物イオンの除去が可能となる。
一方、陰イオン交換樹脂の粒径は、特に制限されるものではないが、本実施形態の混床樹脂における陰イオン交換樹脂の容積は、陽イオン交換樹脂の容積の1.5〜5倍であることが好ましい。なお、上記容積比を交換容量に換算すると、陰イオン交換樹脂の全交換容量が、陽イオン交換樹脂の全交換容量の0.85〜3倍の範囲となる。ここで、陰イオン交換樹脂の容積が、陽イオン交換樹脂の容積の1.5倍未満であると、無駄な陽イオン交換樹脂の割合が増え、水中の陰イオンを十分に除去することができない場合があり、陰イオン交換樹脂の容積が、陽イオン交換樹脂の容積の5倍超であると、陰イオン交換樹脂由来のTOC成分が溶出し、処理水中のTOCが増大する場合がある。
水中に含まれる不純物イオンとしては、例えば、炭酸イオン、炭酸水素イオン、塩化物イオン、硫酸イオン等が挙げられる。燃料電池の凝縮水には、多くの炭酸が含まれており、多量の炭酸を含む凝縮水から微量の陰イオン(塩化物イオン、硫酸イオン等)を除去することは、通常の陰イオン交換樹脂では比較的難しい。特に、塩化物イオンは、1価の陰イオンであり、硫酸イオン等の多価の陰イオンと比べ、陰イオン交換樹脂による吸着効率が悪いため、水中の塩化物イオンを低減することは難しい。
本実施形態では、初期状態の陰イオン交換樹脂の全交換容量に占める塩化物イオンの割合は好ましくは10%以下、より好ましくは1%以下である陰イオン交換樹脂を用いる。これにより、炭酸を多量に含む水中の塩化物イオンを効果的に低減させることが可能となる。初期状態の陰イオン交換樹脂の全交換容量に占める塩化物イオンの割合が10%を超えると、陰イオン交換樹脂は、水中に含まれる炭酸イオン等の不純物イオンを吸着する代わりに、塩化物イオンを処理水側に放出し易くなり、処理水中の塩化物イオンを効果的に低減させることが困難となる。
また、陰イオン交換樹脂がトリメチルアンモニウム基を交換基とする強塩基性陰イオン交換樹脂を含む場合、初期状態の陰イオン交換樹脂の全交換容量に占める塩化物イオンの割合が、下式(1)により求められる値以下であることが好ましい。これにより、多量の炭酸を含む処理水中において塩化物イオンを処理水側に放出する割合が低下し、処理水中の塩化物イオンをより効果的に低減させることができる。
Cl=4×CCl/CO 0.53 ・・・(1)
Cl:陰イオン交換樹脂の全交換容量(eq/L−R)に占める塩化物イオン(eq/L−R)の割合(%)
Cl:処理水中の所望塩化物イオン濃度(ppb)
CO:被処理水中に溶解している炭酸イオン、炭酸水素イオンをCOに換算したCO濃度(ppm)
また、陰イオン交換樹脂がジメチルエタノールアンモニウム基を交換基とする強塩基性陰イオン交換樹脂を含む場合、初期状態の前記陰イオン交換樹脂の全交換容量に占める塩化物イオンの割合が、下式(2)により求められる値以下であることが好ましい。これにより、塩化物イオンを処理水側に放出する割合が低下し、処理水中の塩化物イオンをより効果的に低減させることができる。
Cl=1.3×CCl/CO 0.45 ・・・(2)
Cl:陰イオン交換樹脂の全交換容量(eq/L−R)に占める塩化物イオン(eq/L−R)の割合(%)
Cl:処理水中の所望塩化物イオン濃度(ppb)
CO:被処理水中に溶解している炭酸をCOに換算したCO濃度(ppm)
上式(1)は、被処理水中の種々のCO濃度におけるRClとCClとの関係を示す図2から算出したものである。上式(2)は、被処理水中の種々のCO濃度におけるRClとCClとの関係を示す図3から算出したものである。上式から判るように、処理水中の所望塩化物イオン濃度が小さい場合又は被処理水中に溶解しているCO濃度が大きい場合には、初期状態の前記陰イオン交換樹脂の全交換容量に占める塩化物イオンの割合を小さくする必要がある。
本実施形態の燃料電池の水処理装置10では、上記説明した陰イオン交換樹脂への被処理水(例えば、水道水、凝縮水等)の通水を下向流で行うことが好ましい。被処理水の下向流により、カートリッジ内に充填された陰イオン交換樹脂は圧密される。その結果、被処理水は樹脂内を均一に流れ、処理性能を向上させることができる。
以上のように、本実施形態の燃料電池の水処理装置10によって、不純物イオン、特に塩化物イオン濃度が低減された処理水(純水)は、処理水ライン22から燃料電池12に供給される。ここで、この燃料電池12は、固体酸化物型燃料電池であり、この例においては、供給される水は都市ガスなどを一酸化炭素(CO)と水素ガス(H)に改質するために利用される。
本実施形態の燃料電池の水処理装置10では、固体酸化物型燃料電池から排出される凝縮水のような、多量の炭酸を含有する水であっても、該水中に存在する少量の塩化物イオンを効果的に除去することができる。したがって、固体酸化物型燃料電池の発電反応により生じる凝縮水を、本実施形態の燃料電池の水処理装置10により処理し、該処理水を固体酸化物型燃料電池に供給して再利用しても、長期的に安定した燃料電池の運転が可能である。また、凝縮水を循環利用する場合には、水道水、若しくは純水は燃料電池の運転初期の段階に供給されればよい。なお、凝縮水を循環利用する場合には、凝縮水中に含まれるガスを大気に放出した後、水処理装置10により処理して、燃料電池に供給することが好ましい。
なお、汎用材料の一つであるSUS304は、ppmレベルの塩化物イオンでも条件により応力腐食割れを起こすことが知られているため、燃料電池を長期的に安定して運転するためには、処理水中の塩化物イオンを100ppb以下、好ましくは50ppb以下、より好ましくは10ppb以下にまで低減する必要がある。
固体酸化物型燃料電池では、燃料ガス(例えば都市ガス)及び空気(酸素を含んでいる)が、それぞれ燃料供給ライン24、空気供給ライン26から(固体酸化物型)燃料電池12に供給され、燃料の改質反応によって得られる水素ガスや一酸化炭素と酸素とが反応し、発電が行われる。このような固体酸化物形燃料電池では、600〜1000℃の高温で、発電が行われるため、例えば、熱交換器28による排熱と、水道水とを熱交換して温水を供給することが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1,2)
図1に示す装置を用いて、固体酸化物型燃料電池から排出される凝縮水の水処理を行った。カートリッジに充填するイオン交換樹脂は、交換容量として0.13eqに相当するトリメチルアンモニウム基を交換基とする強塩基性陰イオン交換樹脂を使用した。実施例1,2の陰イオン交換樹脂は、OH型の強塩基性陰イオン交換樹脂(ロームアンドハース社製、アンバージェット4002OH)に重炭酸アンモニウム(炭酸水素アンモニウム(NH)HCO)(1規定)を4L通液し、陰イオン交換樹脂の全交換容量に占める塩化物イオンの割合(RCl)を1%以下、炭酸イオンの割合(以下、単にR−炭酸と呼ぶ場合がある)を90%以上、70%としたものである。
実施例1,2の水処理装置に、1kWの発電量を有する固体酸化物型燃料電池において生成する凝縮水(約60℃)を供給し、24時間運転を行った。イオン交換樹脂への被処理水の通水は下向流で行った。表1に、実施例1,2のイオン交換樹脂の体積及び処理水中のTOC濃度を測定した結果をまとめた。
(比較例1)
比較例1は、使用する陰イオン交換樹脂のR−炭酸が1%未満であること以外は、実施例1と同様とした。
Figure 0005478953
表1から判るように、実施例1,2のようにイオン交換樹脂を炭酸型にすることで、比較例1のOH型イオン交換樹脂より、イオン交換容量を損なうことなく樹脂体積を低減させることができた。特に、R−炭酸が90%以上の実施例1は、比較例1と比較して、樹脂体積が20%も低減した。また、実施例1,2の炭酸型イオン交換樹脂に、60℃の凝縮水を通水させて、処理を行っても、処理水中のTOCは0.1ppm以下であり、熱による樹脂の分解が抑制されていることがわかった。これに対し、比較例1のOH型イオン交換樹脂に、60℃の凝縮水を通水させて、処理を行うと、処理水中に0.5ppmのTOCが検出され、熱による樹脂が分解されたものと考えられる。
このように、初期状態の陰イオン交換樹脂を予め炭酸型にすることで、装置の設置スペースが低減できると共に、熱による樹脂の分解を抑制し、TOCの溶出を低減させることができる。
(実施例3)
平均粒径0.7mmの陰イオン交換樹脂(真密度1080kg/m)と平均粒径0.5mmの陽イオン交換樹脂(真密度1140kg/m)とを体積比3:1(=陰イオン交換樹脂:陽イオン交換樹脂)の割合で充填した混床樹脂のカートリッジ(径:40mm×高さ200mm)を作製した。これを24時間振とうした。振とう後のカートリッジに純水を10mL/minで通液し、処理水のTOCを測定した。表2に振とう後のイオン交換樹脂の分離の有無及びTOC濃度をまとめた。
(比較例2)
比較例2では、平均粒径0.7mmの陰イオン交換樹脂(真密度1080kg/m)と平均粒径0.7mmの陽イオン交換樹脂(真密度1140kg/m)とを用いたこと以外は、実施例3と同様の条件で試験を行った。表2に振とう後のイオン交換樹脂の分離の有無及びTOC濃度をまとめた。
Figure 0005478953
表2から判るように、実施例3では24時間振とう後、目視により確認しても、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂の分離は確認されず、純水通液後の処理水のTOCも0.1ppm以下であった。これに対し、比較例2では24時間振とうしたところ、約80%の陽イオン交換樹脂がカートリッジの底部に集まり、分離していることが確認された。また、この状態では、純水通液後の処理水中のTOCは0.5ppmとなった。
(実施例4)
図1に示す装置を用いて、固体酸化物型燃料電池から排出される凝縮水の水処理を行った。凝縮水中に溶解しているCO濃度は約250ppmであった。水処理装置としては、陰イオン交換樹脂30mL、陽イオン交換樹脂10mLを混床充填した混床樹脂のカートリッジ(径:40mm×高さ200mm)を用いた。そして、表3に24時間運転後の処理水のTOC濃度をまとめた。
(比較例3,4)
比較例3としては、陰イオン交換樹脂40mLのみを充填したカートリッジを用い、比較例4としては、陰イオン交換樹脂36mL、陽イオン交換樹脂4mLを混床充填した混床樹脂のカートリッジ(径:40mm×高さ200mm)を用いたこと以外は、実施例4と同様の条件で試験を行った。そして、表3に24時間運転後の処理水のTOC濃度をまとめた。
Figure 0005478953
表3から判るように、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂との比率が適正である実施例4は、陽イオン交換樹脂が充填されていない比較例3、陽イオン交換樹脂の充填率が小さい比較例4と比較して、TOCをより低く抑えることができるとわかった。
(実施例5,6)
図1に示す装置を用いて、固体酸化物型燃料電池から排出される凝縮水の水処理を行った。凝縮水中に溶解しているCO濃度は約250ppmであり、塩化物イオン濃度は約150ppbであった。カートリッジに充填するイオン交換樹脂は、トリメチルアンモニウム基を交換基とする強塩基性陰イオン交換樹脂30mL及び強酸性陽イオン交換樹脂10mLの混床樹脂を使用した。実施例5の陰イオン交換樹脂は、塩素型の強塩基性陰イオン交換樹脂(ロームアンドハース社製、アンバージェット4002C1)に7%のNaOH水溶液を1500mL通液し、OH型に変換し、陰イオン交換樹脂の全交換容量に占める塩化物イオンの割合(以下、単にRClと呼ぶ場合がある)を1%以下としたものである。実施例6の陰イオン交換樹脂は、実施例5の陰イオン交換樹脂とOH型に変換していない陰イオン交換樹脂とを混合し、RClを10%としたものである。実施例5,6の陽イオン交換樹脂は、水素型であるアンバージェット1024H(ロームアンドハース社製)である。
実施例5,6共にイオン交換樹脂への被処理水の通水は下向流で行った。そして、24時間運転後、イオン交換樹脂により処理された処理水をサンプリングし塩化物イオン濃度を測定した。その結果を表4にまとめた。
(比較例5)
比較例5は、使用する陰イオン交換樹脂のRClが20%であること以外は、実施例5と同様とした。
Figure 0005478953
表4から判るように、RClが10%の陰イオン交換樹脂を用いた実施例6では塩化物イオン濃度を50ppb以下に低減させることができた。また、RClが1%以下の陰イオン交換樹脂を用いた実施例5では塩化物イオン濃度を10ppb未満に低減させることができ、実施例6より高い塩化物イオン除去性能を示した。一方、RClが20%の陰イオン交換樹脂を用いた比較例5では、塩化物イオン濃度は110ppbであり、塩化物イオンを十分に除去することが出来なかった。
Cl=4×CCl/CO 0.53の式に、被処理水のCO濃度250ppm、処理水中の塩化物イオン濃度50ppbを当てはめると、RClが10.7%となる。すなわち、CO濃度が250ppmである被処理水を処理して、処理水中の塩化物イオン濃度を50ppb以下とするには、陰イオン交換樹脂の全交換容量に占める塩化物イオンの割合を10.7%以下とする必要がある。そして、上記実施例5,6は上記の式から算出される値以下であることを満足している。処理水中の塩化物イオン濃度を50ppb以下とすることができれば、長期間に亘って安定した燃料電池の運転が可能となる。
(実施例7,8)
図1に示す装置を用いて、固体酸化物型燃料電池から排出される凝縮水の水処理を行った。凝縮水中に溶解しているCO濃度は約250ppmであり、塩化物イオン濃度は約150ppbであった。カートリッジに充填するイオン交換樹脂は、ジメチルエタノールアンモニウム基を交換基とする強塩基性陰イオン交換樹脂30mL及び強酸性陽イオン交換樹脂10mLの混床樹脂を使用した。実施例7の陰イオン交換樹脂は、塩素型の強塩基性陰イオン交換樹脂(ロームアンドハース社製、アンバーライトIRA410Cl)に7%のNaOH水溶液を1500mL通液し、OH型に変換し、RClを1%以下としたものである。実施例8の陰イオン交換樹脂は、実施例7の陰イオン交換樹脂とOH型に変換していない陰イオン交換樹脂とを混合し、RClを5%としたものである。実施例7,8の陽イオン交換樹脂は、H型であるアンバージェット1024H(ロームアンドハース社製)である。
実施例7,8共にイオン交換樹脂への被処理水の通水は下向流で行った。そして、24時間運転後、イオン交換樹脂により処理された処理水をサンプリングし塩化物イオン濃度を測定した。その結果を表5にまとめた。
(比較例6)
比較例6は、使用する陰イオン交換樹脂のRClが20%であること以外は、実施例7と同様とした。
Figure 0005478953
表5から判るように、RClが5%の陰イオン交換樹脂を用いた実施例8では塩化物イオン濃度を50ppb以下に低減させることができた。また、RClが1%以下の陰イオン交換樹脂を用いた実施例7では塩化物イオン濃度を10ppb未満に低減させることができ、実施例8より高い塩化物イオン除去性能を示した。一方、RClが20%の陰イオン交換樹脂を用いた比較例6では、塩化物イオン濃度は210ppbであり、塩化物イオンをほとんど除去することが出来なかった。
Cl=1.3×CCl/CO 0.45の式に、被処理水のCO濃度250ppm、処理水中の塩化物イオン濃度50ppbを当てはめると、RClが5.4%となる。すなわち、CO濃度が250ppmである被処理水を処理して、処理水中の塩化物イオン濃度を50ppb以下とするには、陰イオン交換樹脂の全交換容量に占める塩化物イオンの割合を5.4%以下とする必要がある。そして、上記実施例7,8は上記の式から算出される値以下であることを満足している。
(実施例9)
実施例9は、イオン交換樹脂への被処理水の通水方向を上向流としたこと以外は、実施例5と同様とした。そして、イオン交換樹脂により処理された処理水をサンプリングし塩化物イオン濃度を測定した。その結果を表6にまとめた(なお、比較のため実施例5の結果も表6に記載した。)
Figure 0005478953
被処理水の通水方向が上向流である実施例9では、樹脂が圧密されず、わずかな流動が観察された。そのため、実施例9では短絡流が発生し、処理水中の塩化物イオン濃度は下向流である実施例5と比べてわずかに上昇した。よって、実施例5のように、下向流で水処理を行うことが好ましい。
10 水処理装置、12 燃料電池、14 被処理水ライン、16 凝縮水タンク、18 ポンプ、20 凝縮水ライン、22 処理水ライン、24 燃料供給ライン、26 空気供給ライン、28 熱交換器。

Claims (4)

  1. イオン交換樹脂を用いた燃料電池の水処理装置であって、前記イオン交換樹脂は陰イオン交換樹脂を含み、
    初期状態の前記陰イオン交換樹脂は、炭酸塩を通液することで炭酸型に変換したものであることを特徴とする燃料電池の水処理装置。
  2. 請求項1記載の燃料電池の水処理装置であって、前記初期状態の陰イオン交換樹脂の全交換容量のうち、70〜100%が炭酸型であることを特徴とする燃料電池の水処理装置。
  3. 請求項1又は2記載の燃料電池の水処理装置であって、前記陰イオン交換樹脂は強塩基性陰イオン交換樹脂であることを特徴とする燃料電池の水処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池の水処理装置であって、前記陰イオン交換樹脂へ通水する被処理水には、燃料電池の発電反応により生じる凝縮水が含まれ、前記被処理水は前記陰イオン交換樹脂により処理された後、前記燃料電池に再利用されることを特徴とする燃料電池の水処理装置。
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