JP5476095B2 - 生体通信用認証装置及び生体通信用認証システム - Google Patents

生体通信用認証装置及び生体通信用認証システム Download PDF

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この発明は、生体通信を利用して、権限認証を行う技術に関する。
生体通信を利用した認証システムとして、特許文献1に開示のものがある。特許文献1に開示の認証システムでは、キャビネットの扉に設けられた取っ手部等を認証用の電極として用いている。この認証システムでは、利用者が当該認証用の電極に触れることで認証を行えるため、利用者の利便性に優れる。
特開2008−283480号公報
しかしながら、認証システムとして生体通信を利用する場合でも、電極からの電波の漏れ等が原因で、利用者が認証用の電極に触れない状態で意図せず認証を行ってしまう可能性がある。このような現象は、例えば、権限ある利用者が認証装置の前を通った場合、或は、権限ある利用者を含む多数人が認証装置の前に密集したような場合に生じ得る。
そこで、本発明は、生体通信を利用して権限認証を行う場合に、利用者等の生体が認証用の電極に触れない状態で意図せず認証が行われてしまうことを抑制することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様に係る生体通信用認証装置は、生体に装着される生体通信用端末装置との間で生体を経由して通信を行って認証を行う生体通信用認証装置であって、生体に近接可能に配設された通信用電極と、前記通信用電極を介して認証開始信号を送信する送信回路部と、前記通信用電極を介して認証用データが含まれる受信信号を受信可能で、かつ、前記送信回路部から前記認証開始信号が送信される際に前記認証開始信号が流れ込むと共に、その流れ込んだ認証開始信号による受信レベルが前記通信用電極への生体の近接状態に応じて変動する受信回路部と、断続的に送信された認証開始信号の送信タイミングにおいて、前記受信回路部における受信レベルに基づいて前記通信用電極に対する生体の近接の有無を判定する近接状態判定部と、前記認証開始信号による応答タイミングにおいて前記通信用電極を介して受信された受信信号に含まれる前記認証用データに基づいて照合を行う照合部とを有する認証制御部と、を備え、前記認証制御部は、生体の近接有りと判定されかつ照合結果が適合であるときに、認証を許可し、前記近接状態判定部は、前記認証開始信号が送信されたタイミングにおける、前記受信回路部における受信レベルと設定基準値とを比較することで、生体の近接有無を判定し、さらに、前記認証開始信号が送信されたタイミングにおける、前記受信回路部における受信レベルの過去複数回の履歴中の最小レベル値に基づいて、前記設定基準値を設定する。
第2の態様に係る生体通信用認証装置は、第1の態様に係る生体通信用認証装置であって、前記認証制御部は、前記認証用データを含む受信信号が入力される認証用データ処理部をさらに含み、認証用データ処理部は、生体の近接有りと判定された場合に、前記認証用データを前記照合部に向けて出力し、前記照合部は、前記認証用データ処理部から前記認証用データが入力されたときに、その認証用データに基づいて照合を行い、照合結果が適合である場合に認証を許可する。
第3の態様に係る生体通信用認証装置は、第1又は第2の態様に係る生体通信用認証装置であって、前記近接状態判定部は、前記認証開始信号送信後において、その認証開始信号に応じて前記生体通信用端末装置から送信される認証用データ受信中における前記受信信号のレベルに基づいて、前記通信用電極に対する生体の正常近接の有無を判定し、前記認証制御部は、さらに生体が正常近接であると判定されたときに、認証を許可する。
第4の態様に係る生体通信用認証装置は、第1〜第3のいずれか一つの態様に係る生体通信用認証装置であって、ロック対象物をロック状態又はアンロック状態に切替可能で、前記認証制御部において認証が許可されたときにロック状態とアンロック状態との間で切替えられるロック部をさらに備える。
第5の態様に係る生体通信用認証システムは、生体を経由して通信を行って認証を行う生体通信用認証システムであって、生体に装着され、認証開始信号の受信に応じて認証用データを含む信号を送信する生体通信用端末装置と、生体通信用認証装置と、を備え、前記生体通信用認証装置は、生体に近接可能に配設された通信用電極と、前記通信用電極を介して前記認証開始信号を送信する送信回路部と、前記通信用電極を介して前記認証用データが含まれる受信信号を受信可能で、かつ、前記送信回路部から前記認証開始信号が送信される際に前記認証開始信号が流れ込むと共に、その流れ込んだ認証開始信号による受信レベルが前記通信用電極への生体の近接状態に応じて変動する受信回路部と、断続的に送信される前記認証開始信号の送信タイミングにおいて、前記受信回路部における受信レベルに基づいて前記通信用電極に対する生体の近接の有無を判定する近接状態判定部と、前記認証開始信号による応答タイミングにおいて前記通信用電極を介して受信された受信信号に含まれる前記認証用データに基づいて照合を行う照合部とを有する認証制御部と、を備え、前記認証制御部は、生体の近接有りと判定されかつ照合結果が適合であるときに、認証を許可し、前記近接状態判定部は、前記認証開始信号が送信されたタイミングにおける、前記受信回路部における受信レベルと設定基準値とを比較することで、生体の近接有無を判定し、さらに、前記認証開始信号が送信されたタイミングにおける、前記受信回路部における受信レベルの過去複数回の履歴中の最小レベル値に基づいて、前記設定基準値を設定するものである。
第1の態様に係る生体通信用認証装置によると、前記認証開始信号が送信されたタイミングにおける受信信号のレベルは、通信用電極に対する生体の近接の有無によって異なる。そこで、認証開始信号が送信されたタイミングにおける前記受信信号のレベルに基づいて前記通信用電極に対する生体の近接の有無を判定し、生体の近接有りと判定されかつ認証用データに基づく照合結果が適合であるときに、認証を許可することにより、利用者等の生体が認証用の電極に触れない状態で意図せず認証が行われてしまうことを抑制することができる。
第2の態様に係る生体通信用認証装置によると、照合部は、生体の近接が有りと判定された場合に、照合を行えばよいことになる。
第1の態様によると、通信用電極に対して生体が近接し、受信信号のレベルと設定基準値とを比較することで、生体の近接有りと判定することができる。
第1の態様によると、生体の近接が無いと想定される受信信号の最小レベル値を基準にして設定基準値を設定することができ、設置箇所等に応じて、生体の近接感度を適切に調整し易い。
第3の態様によると、認証用データ受信中における、前記受信信号のレベルに基づいて、前記通信用電極に対する生体の正常近接の有無を判定するため、近接状態に関する判定結果にも基づいて認証の可否を判定することができ、生体の不正常近接状態下での認証を抑制できる。
第4の態様によると、認証が許可されると、ロック対象物をロック状態又はアンロック状態に切替えることができる。
第5の態様に係る生体通信用認証システムによると、認証開始信号が送信されたタイミングにおける前記受信信号のレベルに基づいて前記通信用電極に対する生体の近接の有無を判定し、生体の近接有りと判定され、かつ、認証用データに基づく照合結果が適合であるときに、認証を許可することにより、利用者等の生体が認証用の電極に触れない状態で意図せず認証が行われてしまうことを抑制することができる。
生体通信用認証システムの全体概略構成を示す説明図である。 生体通信用端末装置を示すブロック図である。 端末側制御部による処理例を示すフローチャートである。 生体通信用端末装置の実装基板を人体に装着する一構成例を示す概略図である。 生体通信用認証装置を示すブロック図である。 照合部の処理例を示すフローチャートである。 スイッチ回路の例を示す図である。 送受信制御部による処理例を示すフローチャートである。 信号の送受信時間と受信信号レベルとの関係を示す図である。
以下、実施形態に係る生体通信用認証装置、生体通信用認証システム及び生体通信用認証方法について説明する。
<全体構成>
まず、生体通信用認証システムの全体構成について説明する。図1は生体通信用認証システムの全体概略構成を示す説明図である。
この生体通信用認証システムは、扉12の施解錠に関する認証を行うシステムであり、生体通信用端末装置20と、生体通信用認証装置30とを備えている。
扉12としては、キャビネット等に取付けられた扉、又は、部屋或は建物の出入口等に取付けられた扉等、種々の空間を外部から隔てる部材が想定される。ここでは、収納装置として扉付キャビネット10を想定した例で説明する。
扉付キャビネット10は、書類等を格納可能な格納空間を有する格納本体部11を備えている。格納本体部11内の格納空間は、当該格納本体部11の一方側(前方側)に開口している。また、扉付キャビネット10の当該開口は、扉12によって開閉可能に覆われている。そして、扉12を閉じた状態では、扉付キャビネット10内の格納物の出し入れが制限され、扉12を開いた状態では、扉付キャビネット10内の格納物の出し入れが可能な状態となる。なお、上記扉12の取っ手部16は、金属等の導電性部材によって形成されており、生体通信用の電極として用いられる。
生体通信用端末装置20は、本システムの利用者P(以下、人体Pとも表記)に付与され、生体通信用認証装置30は、上記キャビネット10に取付けられている。そして、概略的には、利用者Pが生体通信用端末装置20を装着してキャビネット10の扉12前に立ち扉12の取っ手部16に触れると、生体通信用認証装置30が生体通信用端末装置20との間で利用者P(生体)を媒介とする生体通信を行う。これにより生体通信用認証装置30が利用者Pの認証を行って、認証が許可された場合に扉12を解錠状態に切替える。すると、権限ある利用者Pは当該扉12を開いてキャビネット10を利用できるようになる。
<生体通信用端末装置>
生体通信用端末装置20についてより詳細に説明する。図2は生体通信用端末装置20を示すブロック図である。生体通信用端末装置20は、生体である人体Pに装着され、生体通信用認証装置30からの起動信号の受信に応じて個人識別IDを含む信号を送信可能に構成されている。より具体的には、生体通信用端末装置20は、電極部22と共振回路23と送信回路24と受信回路25と端末側制御部26等を有している。
電極部22は、一定の空隙をあけて対向配置された2枚の平板状の部材(以下、導電板という)を有している。両導電板は、その間の空隙を移動する電荷によって互いに静電容量結合している。この生体通信用端末装置20は、一方の導電板が人体側を向くと共に他方の導電板が外方を向くようにして、人体Pに対して保持される。そして、一方の導電板が人体と浮遊容量を介して静電容量結合し、これにより電極部22と人体とが電気的に接続される。また、他方の導電板は大地アース等と浮遊容量を介して静電容量結合し、これにより電極部22と大地等とが電気的に接続される。これらにより、人体Pと大地とが電気的に接続されることとなり、この特性を利用して生体通信が行われる。
また、電極部22は、共振回路23を介して送信回路24及び受信回路25に接続されている。これらの送信回路24及び受信回路25は、それぞれ端末側制御部26に接続されている。
そして、電極部22で受信された信号が共振回路23に入力されると、その信号から当該共振回路23で生体通信に用いられる搬送波の所定の周波数成分の信号が取出され、受信回路25に入力される。受信回路25は、復調回路、増幅回路等を有しており、上記共振回路23から入力された信号を復調、増幅等して端末側制御部26に与える。
また、送信回路24は、変調回路、増幅回路等を有しており、端末側制御部26より与えられる信号を変調、増幅等し、処理後の信号を、共振回路23を介して電極部22に出力する。
端末側制御部26は、マイクロコンピュータと、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、書換え可能な不揮発性メモリ(フラッシュメモリ等)等の少なくとも一つで構成される記憶部26aとを備えて構成されており、予め格納されたソフトウェアプログラムによって演算動作を行い後述する処理を実行する。記憶部26aは、マイクロコンピュータに内蔵されるものであっても外部接続されるものであってもよい。この記憶部26aに認証用データとして個人識別ID等が予め記憶されている。
この端末側制御部26は、電極部22を介して生体通信を行って所定の処理を実行する。図3は本端末側制御部26による処理例を示すフローチャートである。なお、端末側制御部26の機能の一部又は全部がハードウエアによって実現されてもよい。
すなわち、本端末側制御部26は、生体通信用認証装置30からの起動信号が入力されることで起動し、次の処理を実行する。まず、起動後のステップS1では、生体通信用認証装置30からの起動信号に、個人識別IDの読出要求が含まれるか否かを判定する。ここで、読出要求が含まれないと判断された場合には、ステップS1の処理を繰返す。なお、外部機器から読出要求ではない他の指令が与えられた場合には、当該指令に応じた処理を行ってもよい。また、ステップS1の処理を所定回数繰返した後、或は、起動信号受信後から所定時間経過後に、より消費電力が少ないスリープモードに移行するようにしてもよい。
ステップS1で読出要求が含まれると判断されると、ステップS2に進む。ステップS2では、記憶部26aから自己の個人識別IDを読出し、送信回路24等を通じて、個人識別IDを含む信号を送信する。その後、処理を終了し、より消費電力が少ないスリープモードに移行する。これにより、生体通信用認証装置30は、生体通信を行った生体通信用端末装置20の個人識別IDを取得することができる。
なお、端末側制御部は、生体通信用認証装置からの起動信号が入力されることで、即、個人識別IDを含む信号を送信してもよい。また、端末側制御部は常時通常起動しており、生体通信用認証装置から読出要求を含む信号が入力されることで、個人識別IDを含む信号を送信してもよい。すなわち、端末側制御部は、生体通信用認証装置から認証開始を示す何らかの信号が入力されることで、個人識別IDを含む信号を送信する構成であればよい。
なお、上記共振回路23と送信回路24と受信回路25と端末側制御部26とは、基板に実装されている。図4は当該実装基板27を人体Pに装着する一構成例を示す概略図である。ここでは、実装基板27は、樹脂等で形成されたホルダ28内に収容されている。ホルダ28には、紐部材29を通すことが可能な挿通孔28hが2つ形成されている。そして、紐部材29がホルダ28に形成された各挿通孔28hに通された状態で環状をなすように連結されている。この環状の紐部材29には、ホルダ28とは反対側の位置で、ネームプレート等のぶら下げ部材29Aが支持されている。そして、ぶら下げ部材29Aを首からぶら下げるようにして、紐部材29を人体Pの首回りに配設することで、生体通信用端末装置20が人体Pの首回り後部位置に配設されるようになる。
もっとも、生体通信用端末装置20を人体Pに装着する構成は、上記例に限られず、紐部材によって首回りからぶら下げるようにして装着支持する構成、腕輪等で装着する構成、クリップ等で衣服に装着する構成等であっても構わない。
<生体通信用認証装置>
生体通信用認証装置30についてより詳細に説明する。図5は生体通信用認証装置30を示すブロック図である。
生体通信用認証装置30は、電源・入出力ユニット32と照合・錠制御ユニット40と送受信ユニット50と通信用電極36とを備えている。電源・入出力ユニット32と照合・錠制御ユニット40と送受信ユニット50とは、通常、キャビネット10内の適宜部位或は外部に組込まれ、また、通信用電極36は上記取っ手部16に組込まれている。本生体通信用認証装置30では、概略的には、照合・錠制御ユニット40が、送受信ユニット50及び通信用電極36を介して生体通信用端末装置20との間で生体を媒介とした通信を行い、生体通信用端末装置20から送信された個人識別IDに基づいて照合を行う。そして、照合結果が適合であると、照合・錠制御ユニット40が電源・入出力ユニット32を介して電気錠38を解錠状態に切替制御してキャビネット10を利用できるようにする。
各部について説明すると、電源・入出力ユニット32は、電源回路とインターフェース回路とを有している。電源回路は、照合・錠制御ユニット40及び送受信ユニット50等に対して電源供給を行う。また、インターフェース回路は照合・錠制御ユニット40及び外部機器に対して信号を送受するための回路である。ここでは、外部機器としてロック部としての電気錠38が本インターフェース回路に接続されている。
ここで、電気錠38は、扉12に一体的に組込まれており、モータ或は電磁プランシャ等によって構成されるアクチュエータ及びこのアクチュエータの動作を受けて扉12を施錠状態(ロック状態)又は解錠状態(アンロック状態)に切替可能なロック機構等を有している。このようなロック機構は、種々の電子式の錠装置に適用されている周知技術を含む種々の構成によって実現可能であるので、その詳細な説明については省略する。
この電気錠38は、上記電源・入出力ユニット32を介して照合・錠制御ユニット40に接続され、照合・錠制御ユニット40の制御によって施錠状態と解錠状態との間で切替可能とされている。
照合・錠制御ユニット40は、個人識別IDの照合及び上記電気錠38の切替制御を行う照合部42としての機能を有している。
すなわち、照合部42は、送受信ユニット50から個人識別IDを含む信号が入力されたときに、その個人識別IDに基づいて照合を行い、照合結果が適合である場合に認証を許可して、電気錠38に解錠状態に切替える指令を与える。
もっとも、照合部42は、照合結果が適合である場合に、電気錠38を施錠状態に切替える指令を与えるようにしてもよい。
図6は、照合部42の処理例を示すフローチャートである。
処理開始後、ステップS11において、個人識別IDの入力が有るか否かを判定する。ここで、個人識別IDの入力無しと判定されると処理を終了する。一方、送受信ユニット50から個人識別IDの入力有りと判定されると、ステップS12に進む。
ステップS12では、記憶部44から照合用データ(各個人識別IDと利用権限の有無とを対応づけたデータ等、個人識別IDの権限の有無を判別するためのデータ)を読出し、個人識別IDと当該照合用データとを照合することで、照合結果が適合するか否かを判定する。ここで、照合結果がNO(不適合)であると判定されると、処理を終了する。一方、照合結果がYES(適合)であると判定されると、ステップS13に進む。
ステップS13では、認証を許可し、電源・入出力ユニット32を介して電気錠38に解錠状態に切替える旨の指令を与える。これにより、電気錠38が解錠状態に切替えられ、利用者は扉12を開いて利用できるようになる。
上記のような照合部42は、マイクロコンピュータと、ROM、RAM、書き換え可能な不揮発性メモリ(フラッシュメモリ等)等の少なくとも一つで構成される記憶部44を備えて構成されている。記憶部44は、マイクロコンピュータに内蔵されるものであっても、外部接続されるものであってもよい。記憶部44は、上記照合用データを含む各種データ、及び、マイクロコンピュータが実行するプログラム等を格納している。そして、マイクロコンピュータが当該記憶部44に格納されたプログラムに記述された各ステップを実行することで、個人識別IDの照合及び電気錠38の切替制御処理を実行する。なお、照合部42の処理の一部又は全部がハードウェアで実現されてもよい。
なお、照合・錠制御ユニット40は、照合結果、電気錠38の制御内容等を、履歴として記憶部44等に格納保存するようにしてもよい。
図5に戻って、送受信ユニット50は、照合・錠制御ユニット40と通信用電極36との間に設けられている。ここで、通信用電極36は、間隔を有して対向配置された一対の電極を有しており、一対の電極によって一種のキャパシタが形成されている。一対の電極のうちの一方は、取っ手部16と電気的に一体化されており、これにより、通信用電極36は生体である人体Pに近接可能に配設されている。なお、通信用電極36が人体Pに近接可能に配設されている場合には、通信用電極36が人体Pに直接接触可能に配設されている場合の他、通信用電極36が樹脂等により覆われている場合若しくは人体Pの手が手袋等で覆われており、通信用電極36と人体Pとが薄い絶縁部材を介して接触する場合等により、両者が必ずしも直接接触しない場合をも含む。
送受信ユニット50は、生体通信を行うための送受信処理及び受信された信号に対する諸処理を行うものであり、ここでは、ローカル通信インターフェース52と、送受信制御部60と、送信回路53と、スイッチ回路54と、受信回路55と、波形整形回路56等を備えている。
ローカル通信インターフェース52は、送受信ユニット50が電源・入出力ユニット32との間で通信を行うためのインターフェース回路であり、送受信制御部60は当該ローカル通信インターフェース52を介して照合部42に対して個人識別IDを送信する。
送受信制御部60は、送信制御部62、近接状態判定部64、ID処理部66としての各機能及び記憶部68等を有している。
送信制御部62は、認証開始信号である起動信号を、送信回路53及び通信用電極36を介して断続的に送信すると共に、その送信タイミングにあわせてスイッチ回路54を切替制御する。より具体的には、起動信号の送信タイミング中には、通信用電極36が送信回路53に接続されかつ受信回路55には非接続となり、起動信号の非送信タイミング中には、通信用電極36が送信回路53に非接続となりかつ受信回路55には接続された状態となるように、スイッチ回路54を切替制御する。
近接状態判定部64は、通信用電極36を通じて受信された受信信号の信号レベルに基づいて通信用電極である取っ手部16に対する人体Pの近接の有無及び正常近接の有無を判定する。つまり、近接状態判定部64は、起動信号の送信タイミングにおける受信信号の信号レベルに基づいて取っ手部16に対する人体Pの近接の有無を判定する。また、近接状態判定部64は、起動信号送信後において、当該起動信号に応じて生体通信用端末装置20から送信される個人識別ID受信中における受信信号の信号レベルに基づいて、取っ手部16に対する生体の正常近接の有無を判定する。これらのより具体的な判定処理については後述する。
なお、受信信号レベルは、グランドレベル等を基準とする絶対的な値であってもよいし、或は、ノイズフロア等を基準とする相対的な値であってもよい。
ID処理部66は、認証用データ処理部として機能するものであり、個人識別IDを含む受信信号が入力されると、当該データが正常か否かを判別し、データとして正常でありかつ近接状態判定部64における判定結果が人体Pの近接の有及び正常近接有であるときに、個人識別IDを照合部42に向けて出力するように構成されている。
つまり、本送受信制御部60と照合部42との組合わせによって、人体の近接有りでかつ正常な人体の近接有りと判定され、さらに照合結果が適合であるときに認証を許可する認証制御部70としての機能が実現されるようになっている。
なお、この送信制御部62も、マイクロコンピュータと、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、書き換え可能な不揮発性メモリ(フラッシュメモリ等)等の少なくとも一つで構成される記憶部68とを備えて構成されている。記憶部68は、マイクロコンピュータに内蔵されるものであっても、外部接続されるものであってもよい。記憶部68は、上記判定処理に用いられる基準値を含む各種データ、及び、マイクロコンピュータが実行するプログラム等を格納している。そして、マイクロコンピュータが当該記憶部68に格納されたプログラムに記述された各ステップを実行することで、上記送信制御部62、近接状態判定部64、ID処理部66としての各機能が実現される。もっとも、送信制御部62の処理の一部又は全部がハードウェアで実現されてもよい。
なお、送受信制御部60における一連の処理についてはさらに後に説明する。
送信回路53は、変調回路、増幅回路等を有しており、送受信制御部60より与えられる信号(例えば、読出要求等を含む信号)を変調、増幅等し、処理後の所定周波数(例えば、3.2MHz)の信号を、スイッチ回路54を介して通信用電極36に出力する。これにより、送信回路53は、通信用電極36を介して起動信号を出力することになる。
スイッチ回路54は、送信制御部62からの制御信号に基づいて、送信回路53と受信回路55とを選択的に取っ手部16に接続する。
受信回路55は、通信用電極36を通じて受信された信号から、生体通信に用いられる搬送波の所定の周波数成分の信号成分を取出し、増幅処理等して、波形整形回路56に出力する。これにより、受信回路55は、通信用電極36を介して個人識別IDが含まれる受信信号を受信する。
波形整形回路56は、受信回路55から入力される信号を、送受信制御部60における入力ポートに適した波形(パルス波形等)に整形処理する。そして、波形整形回路56における波形整形処理後の信号が送受信制御部60の入力ポートに入力されることにより、受信信号中の個人識別IDが送受信制御部60においてデジタルデータとして認識される。
また、上記受信回路55と波形整形回路56との間において受信信号の伝送経路が分岐され、その分岐ライン58が送受信制御部60のアナログデジタル変換入力ポートに接続されている。そして、受信信号に応じたレベルを有する信号がアナログデジタル変換入力ポートに入力されることにより、当該受信信号レベルに応じた離散値が送受信制御部60においてデジタルデータとして認識される。なお、受信信号の伝送経路から分岐ライン58を分岐する箇所は上記例に限られない。受信回路55の途中等で分岐されていてもよい。すなわち、波形整形前或はアナログデジタル変換処理前等、受信信号の伝送経路のうち実際の受信信号レベルの変動に応じて変動する信号が伝送する経路であれば、どの部分で伝送してもよい。もっとも、本実施形態のように、上記受信回路55における増幅後において分岐ライン58を分岐することで、回路の簡易化が図られる。
図7はスイッチ回路54の例を示す図である。
同図に示すように、通信用電極36の一方の電極は、スイッチ回路54を介して、送信回路53と、受信回路55及び波形整形回路56に接続されている。
スイッチ回路54は、通信用電極36の一方の電極と送信回路53との間に介挿されたFET(Field effect transistor)等のスイッチング素子Q1と、通信用電極36の一方の電極と受信回路55との間に介挿されたFET等のスイッチング素子Q2とを有している。送受信制御部60の送受信切替用の出力端子は、プルダウン抵抗R2に接続され、2つのインバータU1、U2及び抵抗R3を介してスイッチング素子Q1の制御端子に接続されると共に、一つのインバータU3及び抵抗R4を介してスイッチング素子Q2の制御端子に接続されている。そして、送受信制御部60の送受信切替用の出力端子の出力がロー状態及びハイ状態との間で切替ることによって、スイッチング素子Q1、Q2が選択的にオンされ、通信用電極36が送信回路53と受信回路55とに選択的に接続されるようになっている。
上記スイッチ回路54と受信回路55と波形整形回路56とでは、送信回路53からの起動信号送信中、スイッチング素子Q1はオン状態となり、スイッチング素子Q2はオフ状態となるため、通信用電極36と受信回路55とはスイッチング素子Q2によって一応は遮断された状態となる。ところが、スイッチング素子として用いられるFET等の半導体部品では、端子間容量が存在するため、この端子間容量によって、起動信号はスイッチング素子Q2を通って受信回路55にも流れる。このため、当該起動信号は、受信回路55から分岐ライン58を介して送受信制御部60のアナログデジタル変換入力ポートにも流れる。また、起動信号送信中に通信用電極36に人体Pが触れると、人体Pのインピーダンスが原因で、起動信号は、触れる前とは異なったレベルとなる。このため、受信回路55側で受信される信号レベルは、通信用電極36に人体Pが触れていない場合の受信信号レベルよりも大きくなることがある。本実施形態では、かかる受信信号レベルの相違に基づいて、人体Pの近接の有無を判定する。
なお、起動信号送信中、スイッチング素子Q2をオフにしているのは、起動信号を最大限通信用電極36に供給するためである。これにより、起動信号を最大限通信用電極36に供給しつつ、スイッチング素子Q2及び受信回路55を介して起動信号の変化を監視して人体Pの近接を検出することができるようになる。
上記を前提にして、送受信制御部60による処理内容を示す。図8は送受信制御部60による処理例を示すフローチャートである。
すなわち、ステップS21において、送受信制御部60は、送信回路53を介して起動信号の送信を開始し、その後、ステップS22に進む。なお、この起動信号は、予め設定された所定の間隔時間毎に、所定の継続時間送信される。
ステップS22では、送受信制御部60は、受信回路55から分岐ライン58を介して入力される信号に基づいて、起動信号送信タイミングにおける受信信号レベルLpを取得し、当該信号レベルLpを記憶部68の作業領域等に一時的に格納し、次ステップS23に進む。
ステップS23では起動信号の送信を終了し、その後、ステップS24に進む。
次ステップS24では、送受信制御部60は、起動信号送信終了後におけるタイミング、即ち、起動信号の送信に応じて生体通信用端末装置20から個人識別IDを含む応答信号が送信される応答タイミングにおいて、受信回路55から分岐ライン58を介して入力される信号に基づいて、受信信号レベルLqを取得し、当該信号レベルLqを記憶部68の作業領域等に一時的に格納し、次ステップS25に進む。
次ステップS25では、送受信制御部60は、受信回路55及び波形整形回路56を介して入力される信号に基づいて、応答タイミングにおける個人識別IDデータを抽出し、抽出された個人識別IDデータを記憶部68の作業領域等に一時的に格納し、次ステップS26に進む。
ステップS26では、送受信制御部60は、ステップS25で抽出されたデータが正常な個人識別IDとして正常なものか否かを判定する。ここでの判定処理としては、データに付加されたパリティビットに基づく判定等、種々のエラーチェック手法を採用することができる。本ステップS26において、データが正常でないと判定されると処理を終了し、データが正常と判定されると、次ステップS27に進む。
ステップS27では、送受信制御部60は、ステップS22で取得された信号レベルLpが設定基準を満たすか否か、より具体的には、設定基準値Laを超えるか否かを判定する。この設定基準値Laは、起動信号送信タイミングにおいて、通信用電極36に人体Pが近接していない場合における受信信号レベルと、通信用電極36に人体Pが近接している場合の受信信号レベルとの間の値として設定された値であり、通信用電極36に人体Pが近接しているか否かを判定するための基準値として用いられる。かかる設定基準値Laは、予め実験的・経験的に求められた一定値として記憶部68に設定記憶されていてもよいし、或は、起動信号送信タイミングにおける過去の受信信号レベルの履歴等から逐次算出されて更新設定される値であってもよい。後者の一例については後で説明する。ステップS27において、Lp>Laでないと判定されると、人体Pの近接無しとして処理を終了し、Lp>Laと判定されると、人体Pの近接有りとしてステップS28に進む。なお、Lp=Laの場合にはいずれの処理に進んでもよい。
もっとも、人体Pのインピーダンスを加味した伝送回路の構成によっては、人体Pの近接によって、受信信号レベルが大きくなる場合と小さくなる場合とがあり得る。ここでは、人体Pの近接によって受信信号レベルが大きくなる場合を想定しているが、人体Pの近接によって受信信号レベルが小さくなる場合には、受信信号レベルが設定基準値よりも小さくなった場合に、人体Pの近接有りと判定するようにしてもよい。受信信号レベルが設定基準値と同じである場合に、人体Pの近接有り及び無しのいずれと判定してもよい点については上記の場合と同様である。
ステップS28では、送受信制御部60は、ステップS24で取得された信号レベルLqが正常範囲内であるか否かを判定する。正常範囲内であるか否かの基準は、例えば、次のようにして設定される。すなわち、人体Pに対する生体通信用端末装置20の所持態様が一定の態様に定っている場合、当該生体通信用端末装置20を正常状態で所持した人体Pが通信用電極36に触れた場合の受信信号レベルLは所定の範囲内になる。これに対して、人体Pが生体通信用端末装置20を不正常状態で用いようとした場合、例えば、首掛けした状態で使用すべき生体通信用端末装置20を直接手に所持した状態で、人体Pが通信用電極36に触れると、その場合の受信信号レベルLは所定の範囲を超えて大きくなる。また、例えば、正当な人体Pが所持する生体通信用端末装置20に、他の人体Pが手等で触れた状態で通信用電極36にも触れたような場合にも、受信信号レベルLは所定の範囲を超えて大きくなる。そこで、例えば、応答タイミングにおける正常範囲内として、上限の設定基準値Lbを設定しておくことで、生体通信用端末装置20が正常状態で使用されているか否かを判定することができる。なお、正常範囲内であるか否かの基準としては、上限値だけ、或は、下限値だけが設定されていてもよく、或は、上限値及び下限値の双方が設定されていてもよい。また、その上限値或は下限値は、予め実験的・経験的に求められた一定値として記憶部68に設定記憶されていてもよいし、或は、応答タイミングにおける過去の受信信号レベルの履歴等から逐次算出されて更新設定される値であってもよい。また、信号レベルLqが上限値或は下限値と同じである場合、いずれの処理を行ってもよい。そして、ステップS28において、受信信号レベルLqが正常範囲内でないと判定されると処理を終了し、受信信号レベルLqが正常範囲内であると判定されると、ステップS29へ進む。
ステップS29では、送受信制御部60は、個人識別IDを照合・錠制御ユニット40に向けて出力し、当該起動信号送信に合わせた処理を終了する。これにより、上記したように、照合・錠制御ユニット40において、個人識別IDの照合が行われ、照合結果が適合であると、電気錠38が解錠状態に切替えられる。
図9を参照しつつ生体通信用認証システムにおける生体通信用認証装置30の動作について説明する。図9は信号の送受信時間と受信信号レベルとの関係を模式的に示す図であり、横軸は時間tの経過を示しており、縦軸は受信信号レベルLを示している。それぞれの単位はいわゆる任意である。
すなわち、期間t1、t2、t3における各起動信号送信時には、人体Pが通信用電極36に非近接状態であり、また、近傍には生体通信用端末装置20は存在していないとする。この場合、起動信号送信に応じた各応答タイミングにおいて個人識別IDを含む受信信号が受信されず、或は、応答タイミングにおいて何らかの信号が受信されてデータとして抽出されたとしても、個人識別IDデータとしては不正常であると判定される(ステップS26参照)。このため、照合処理自体が行われない。
また、期間t4における起動信号送信時において、生体通信用端末装置20を正常に所持した人体Pが通信用電極36に近接していたとする。この場合、期間t4に応じた起動信号送信タイミング経過後の期間t5の応答タイミングにおいては、生体通信用端末装置20からの個人識別IDを含む受信信号が、通信用電極36、受信回路55及び波形整形回路56を介して送受信制御部60に入力され、送受信制御部60において個人識別IDが抽出される。このため、通常は、個人識別IDデータは正常であると判定される(ステップS26参照)。また、期間t4の起動信号送信タイミングにおいては、受信信号レベルLpは、設定基準値Laを超えて信号レベルL4となる。このため、人体Pの近接有りと判定される(ステップS27参照)。また、上記条件では、上記応答タイミングにおける受信信号レベルLqは、上限の設定基準値Lbよりも小さい受信信号レベルL5となる。このため、当該受信信号レベルLqも正常範囲内と判定される(ステップS28参照)。従って、送受信制御部60から照合・錠制御ユニット40に向けて個人識別IDが出力され(ステップS29参照)、照合結果が適合であると、電気錠38が解錠状態に切替えられる。これにより、その利用者Pはキャビネット10の扉12を開いて利用できるようになる。
また、例えば、生体通信用端末装置20を正規に所持する人体Pが生体通信用認証装置30を通過しただけである場合、或は、そのような人体Pを含む多数人体が生体通信用認証装置30の前に密集したような状況下等を想定する。このような状況において人体Pが通信用電極36に触れない状態でも、生体通信用端末装置20からの電波の漏れ等が原因で、個人識別IDを含む信号が生体通信用認証装置30側で受信されてしまう事態が生じ得る。すなわち、この場合、期間t7後の応答タイミングにおいて、所定の受信信号レベルL7を有する信号が受信され、個人識別IDが正常なデータとして受信されてしまう。ところが、期間t6の起動信号送信タイミングにおいては、通信用電極36に対して人体Pが非近接状態であるため、受信信号レベルLpは、設定基準値Laよりも小さい。このため、送受信制御部60において、人体Pは非近接状態であると判定される(ステップS27参照)。このため、送受信制御部60から照合・錠制御ユニット40に向けた個人識別IDの出力はなされず、電気錠38は解錠状態に切替えられない。従って、キャビネット10の扉12を開くことはできない状態が維持される。
また、例えば、人体Pが生体通信用端末装置20を不正常状態で用いようとした場合、例えば、首掛けした状態で使用すべき生体通信用端末装置20を直接手に所持した状態で、人体Pが通信用電極36に触れた場合を想定する。この場合、個人識別IDデータが正常であるか否かの判定(ステップS26参照)及び期間t8の起動信号送信タイミングにおける受信信号レベルLpが設定基準値Laを超えているか否かの判定については、YESと判定されることになる。ところが、上記したような不正常な所持形態では、期間t9の応答タイミングにおける受信信号レベルLqは、上限値である設定基準値Lbを超えてしまう。このため、受信信号レベルLqが正常範囲内でないと判定され(ステップS28参照)、送受信制御部60から照合・錠制御ユニット40に向けた個人識別IDの出力はなされず、電気錠38は解錠状態に切替えらない状態が維持される。
以上のように構成された生体通信用認証装置30、生体通信用認証システム及び生体通信用認証方法によると、起動信号の送信タイミングにおける受信信号レベルLpに基づいて、通信用電極36に対する人体Pの近接の有無を判定している。より具体的には、受信信号レベルLpが設定基準値Laを超えるときに、通信用電極36に対する人体Pの近接の有りと判定する。そして、人体Pの近接有りと判定され、かつ、個人識別IDに基づく照合結果が適合で有る場合に、認証を許可して電気錠38を解錠状態にしてキャビネット10を利用可能な状態にする。このため、利用者等の人体Pが認証のための通信用電極36に触れない状態で意図せず認証が行われてしまうことを抑制することができる。
しかも、人体Pの近接を、静電センサ等の新たな接触センサ及び近接センサ等を設けることなく行っているため、低コストで人体Pの近接検知を行うことができる。
また、応答タイミングにおける受信信号レベルLqに応じて、通信用電極36に対する人体Pの正常近接の有無をも判定しているため、生体通信用端末装置20の不正常な使用による認証をも抑制できる。
また、照合・錠制御ユニット40は、送受信制御部60から個人識別IDが入力されたときに照合を行えばよいため、照合・錠制御ユニット40における処理負荷が軽減される。
<変形例>
上記実施形態を前提にして各種応用例について説明する。
まず、上記設定基準値Laを、起動信号送信タイミングにおける過去の受信信号レベルの履歴等から逐次算出する例について説明する。すなわち、記憶部68には、過去の複数回(例えば、過去N回分)の起動信号送信タイミングにおける受信信号レベルL(1)、L(2)、・・・、L(N)が順次更新されつつ格納されているとする。そして、各起動信号送信タイミングにおいて、過去N回分の受信信号レベルL(1)、L(2)、・・・、L(N)のデータ中の最小レベル値L(min)が探索される。受信信号レベルL(1)、L(2)、・・・、L(N)は、通常、人体Pが通信用電極36に近接していない状態での値であるため、探索された最小値L(min)は、人体Pが通信用電極36に近接していない状態での受信信号レベルLpの最小値に近い値を示していることになる。そこで、当該最小値L(min)に補正値αを付加した値(L(min)+α)を設定基準値Laとして設定することで、人体Pの近接有無を判定する感度を調整できる。
すなわち、補正値αを小さな値に設定すれば、受信信号レベルLpが最小値L(min)から少しでも大きくなれば、人体Pの近接有りと判定することができ、人体Pの近接感度を向上させることができる。一方、補正値αを大きな値に設定すれば、受信信号レベルLpが最小値L(min)からある程度大きくなった場合に、人体Pの近接有りと判定することができる。これにより、人体Pの近接感度を低くすることができ、人体Pが確実に近接したときに人体Pの近接有りと判定することができる。つまり、上記のように設定基準値Laを設定すれば、設置条件等に応じて設定基準値Laを逐次更新設定することができる上、補正値αを調整することで、人体Pの近接感度を容易に調整することができる。なお、補正値αは、送受信制御部60を構成するマイコンに対して、専用の入力スイッチ等を介して設定する構成であっても、専用のライタ等を用いて書込み設定する構成であってもよい。なお、人体Pの近接が判定された場合(ステップS27においてYESと判定された場合)等には、その分の受信信号レベルLpを過去の履歴から省くとよい。
また、送受信制御部60における受信信号レベルLqが正常範囲内であるか否かの判定処理(ステップS28参照)等は省略されてもよい。この場合、本送信制御部60と照合部42との組合わせによって、人体Pの近接有りでかつ照合結果が適合であるときに認証を許可することになる。
また、上記実施形態において、送受信制御部60と照合・錠制御ユニット40とが行う各機能は、単一の制御ユニットにより行われても、或は、より多数の制御ユニット等に分散して処理されてもよい。例えば、単一の制御ユニットによって人体Pの近接有りと判定された場合に、当該制御ユニットによって個人識別IDの照合を行ってもよい。つまり、全体として、人体Pの近接有りとの判定と個人識別IDに基づく照合とを条件として、認証の有無(解錠状態への切替等)が判断される構成であればよい。
20 生体通信用端末装置
30 生体通信用認証装置
36 通信用電極
38 電気錠
40 照合・錠制御ユニット
42 照合部
44 記憶部
50 送受信ユニット
53 送信回路
55 受信回路
56 波形整形回路
58 分岐ライン
60 送受信制御部
68 記憶部
70 認証制御部
La 設定基準値
Lb 設定基準値
Lp 受信信号レベル
Lq 受信信号レベル
P 人体

Claims (5)

  1. 生体に装着される生体通信用端末装置との間で生体を経由して通信を行って認証を行う生体通信用認証装置であって、
    生体に近接可能に配設された通信用電極と、
    前記通信用電極を介して認証開始信号を送信する送信回路部と、
    前記通信用電極を介して認証用データが含まれる受信信号を受信可能で、かつ、前記送信回路部から前記認証開始信号が送信される際に前記認証開始信号が流れ込むと共に、その流れ込んだ認証開始信号による受信レベルが前記通信用電極への生体の近接状態に応じて変動する受信回路部と、
    続的に送信された認証開始信号の送信タイミングにおいて、前記受信回路部における受信レベルに基づいて前記通信用電極に対する生体の近接の有無を判定する近接状態判定部と、前記認証開始信号による応答タイミングにおいて前記通信用電極を介して受信された受信信号に含まれる前記認証用データに基づいて照合を行う照合部とを有する認証制御部と、
    を備え、
    前記認証制御部は、生体の近接有りと判定されかつ照合結果が適合であるときに、認証を許可し、
    前記近接状態判定部は、前記認証開始信号が送信されたタイミングにおける、前記受信回路部における受信レベルと設定基準値とを比較することで、生体の近接有無を判定し、さらに、前記認証開始信号が送信されたタイミングにおける、前記受信回路部における受信レベルの過去複数回の履歴中の最小レベル値に基づいて、前記設定基準値を設定する、生体通信用認証装置。
  2. 請求項1に記載された生体通信用認証装置であって、
    前記認証制御部は、前記認証用データを含む受信信号が入力される認証用データ処理部をさらに含み、
    認証用データ処理部は、生体の近接有りと判定された場合に、前記認証用データを前記照合部に向けて出力し、
    前記照合部は、前記認証用データ処理部から前記認証用データが入力されたときに、その認証用データに基づいて照合を行い、照合結果が適合である場合に認証を許可する、生体通信用認証装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の生体通信用認証装置であって、
    前記近接状態判定部は、前記認証開始信号送信後において、その認証開始信号に応じて前記生体通信用端末装置から送信される認証用データ受信中における、前記受信信号のレベルに基づいて、前記通信用電極に対する生体の正常近接の有無を判定し、
    前記認証制御部は、さらに生体が正常近接であると判定されたときに、認証を許可する、生体通信用認証装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の生体通信用認証装置であって、
    ロック対象物をロック状態又はアンロック状態に切替可能で、前記認証制御部において認証が許可されたときにロック状態とアンロック状態との間で切替えられるロック部をさらに備える、生体通信用認証装置。
  5. 生体を経由して通信を行って認証を行う生体通信用認証システムであって、
    生体に装着され、認証開始信号の受信に応じて認証用データを含む信号を送信する生体通信用端末装置と、
    生体通信用認証装置と、
    を備え、
    前記生体通信用認証装置は、
    生体に近接可能に配設された通信用電極と、
    前記通信用電極を介して前記認証開始信号を送信する送信回路部と、
    前記通信用電極を介して前記認証用データが含まれる受信信号を受信可能で、かつ、前記送信回路部から前記認証開始信号が送信される際に前記認証開始信号が流れ込むと共に、その流れ込んだ認証開始信号による受信レベルが前記通信用電極への生体の近接状態に応じて変動する受信回路部と、
    断続的に送信される前記認証開始信号の送信タイミングにおいて、前記受信回路部における受信レベルに基づいて前記通信用電極に対する生体の近接の有無を判定する近接状態判定部と、前記認証開始信号による応答タイミングにおいて前記通信用電極を介して受信された受信信号に含まれる前記認証用データに基づいて照合を行う照合部とを有する認証制御部と、
    を備え、
    前記認証制御部は、生体の近接有りと判定されかつ照合結果が適合であるときに、認証を許可し、
    前記近接状態判定部は、前記認証開始信号が送信されたタイミングにおける、前記受信回路部における受信レベルと設定基準値とを比較することで、生体の近接有無を判定し、さらに、前記認証開始信号が送信されたタイミングにおける、前記受信回路部における受信レベルの過去複数回の履歴中の最小レベル値に基づいて、前記設定基準値を設定する、生体通信用認証システム。
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