JP5475596B2 - 便座装置 - Google Patents

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本発明は、着座面を暖める暖房機能を備えた便座装置に関する。
従来より、電気ヒータ等により着座面を暖める暖房機能を備えた便座装置が知られている。特に、近年では、非使用時の暖房機能を停止又は最小限に設定しておき、使用に際して着座面を急速に暖める便座装置も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような即熱タイプの便座装置によれば、非使用時の消費電力を効果的に抑制でき高い省エネ効果を実現できる。
一方、洗浄水等が流れ込む便器と組み合わせて使用される便座装置では、電気的な安全性の確保が非常に重要な課題となっている。そこで、規定値を超えるヒータ電流の発生に応じて通電を遮断するヒューズやブレーカ等の安全回路が、多くの便座装置で採用されている。過大なヒータ電流を確実性高く遮断できる安全回路は、感電事故等を回避するために非常に有効である。
しかしながら、前記従来の便座装置では、次のような問題がある。すなわち、暖房機能が停止された状態、すなわち発熱量がゼロの状態で電気的なトラブルが生じた場合、暖房機能の作動に応じて過大なヒータ電流が通電されるまで電気的なトラブルに対処できないおそれがある。
特開2009−76438号公報
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、暖房機能を備えた便座装置で発生するおそれがある電気的なトラブルを、暖房機能の制御状態によらず検知可能にして安全性を高めた便座装置を提供しようとするものである。
本発明は、使用者が腰掛ける便座の着座面を暖める暖房機能を備えた便座装置であって、供給された電力の少なくとも一部を熱に変換する発熱回路、該発熱回路の熱を前記着座面に伝達するための導電性を備えた熱伝導部、及び前記発熱回路と前記熱伝導部とを電気的に絶縁する電気絶縁部を含み、前記便座に設けられる発熱体と、前記発熱回路の電気的な経路の両端をなす一対の入力端に電位差を設けて電流を流入させることにより前記発熱回路に電力を供給する給電部と、前記発熱体の発熱量をゼロを含めた所定範囲内で制御する制御部と、前記熱伝導部に対して基準電圧を印加する印加電源部と、前記発熱回路と前記熱伝導部との間の漏洩電流の検出に応じて両者間の電気的な短絡を検知する短絡検知回路と、前記短絡検知回路が電気的な短絡を検知したときに前記発熱回路への電力供給を遮断する遮断回路と、を備え、
前記印加電源部は、前記一対の入力端のうちの一方から他方に至る前記発熱回路内の各位置の電位が分布する範囲である回路内電圧範囲の最小値に満たない基準電圧、あるいは最大値を超える基準電圧を、前記制御部による前記発熱体の制御状態によらず前記熱伝導部に印加できるように構成されていることを特徴とする便座装置にある(請求項1)。
本発明の便座装置では、発熱量ゼロを含めて前記発熱体の制御状態によらず、前記回路内電圧範囲の最小値未満の基準電圧、あるいは最大値を超える基準電圧、すなわち前記回路内電圧範囲外の基準電圧を前記熱伝導部に印加できる。それ故、前記便座装置では、暖房機能が作動中か否かによらず、前記発熱回路内の全ての位置について、前記熱伝導部との間に電位差を形成できる。このような状態で前記発熱回路の何れかの箇所が前記熱伝導部と電気的に短絡すれば、上記の電位差に応じて必ず前記漏洩電流が発生する。この漏洩電流を検出すれば、発熱量ゼロを含めて前記発熱体の制御状態によらず、前記発熱回路と前記熱伝導部との間の電気的な短絡を検知できる。
本発明の便座装置は、上記のような電気的な短絡が検知されたとき、前記発熱体への電力供給を遮断する前記遮断回路を備えている。例えば、発熱量ゼロに制御された状態で上記のような電気的な短絡が検知された場合には、前記発熱体への電力供給を開始できない状態を設定できる。また、例えば、暖房機能の作動中、すなわち前記発熱体に電力が供給されている状態で上記のような電気的な短絡が検知された場合には、直ちに、前記発熱体への電力供給を遮断できる。
このように、本発明の便座装置によれば、発熱量ゼロを含めて前記発熱体の制御状態によらず、前記発熱回路と前記熱伝導部との間の電気的な短絡を検知でき、安全性を高めることができる。
実施例1における、便座装置を示す上面図。 実施例1における、便座の断面構造を示す断面図(A−A線矢視断面)。 実施例1における、便座の断面構造を示す断面図(B部拡大断面)。 実施例1における、便座装置の電気的な構成を示すシステム図。 実施例1における、短絡検知回路及び遮断回路を示す回路図。 実施例2における、便座装置の電気的な構成を示すシステム図。 実施例2における、短絡検知回路及び遮断回路を示す回路図。 実施例2における、その他の短絡検知回路及び遮断回路を示す回路図。 実施例2における、その他の短絡検知回路及び遮断回路を示す回路図。 実施例2における、その他の短絡検知回路及び遮断回路を示す回路図。
本発明の便座装置における実施の形態について説明する。
本発明の便座装置としては、使用中であるか否かによらず前記着座面を同様に暖める便座装置であっても良いが、非使用中の前記発熱量がゼロである一方、使用に際して前記着座面を急速に暖める即熱タイプの装置であっても良い。非使用中に発熱量ゼロに制御される便座装置であれば、発熱量ゼロを含めて前記発熱体の制御状態によらず、前記発熱回路と前記熱伝導部との間の電気的な短絡を検知でき、電力供給を遮断できるという本発明の作用効果が特に有効となる。
また、前記発熱体の制御状態によらず前記回路内電圧範囲外の前記基準電圧を前記熱伝導部に印加できることの意味は、上記のような基準電圧が前記熱伝導部に印加される場合が全ての制御状態において発生し得るように構成されていることにある。上記のような基準電圧が前記熱伝導部に常に印加されており、一瞬たりとも例外がないという意味に限定して解釈されるべきではない。各制御状態において、上記のような基準電圧が前記熱伝導部に印加される期間が一部でも存在していれば、本発明のごとく電気的な短絡の検知が可能となる。
また、前記発熱部に対する電力供給方法としては、直流電流を通電する方法や、交流電流を通電する方法等がある。さらに、前記発熱部の発熱量を制御する方法としては、交流電流あるいは直流電流の通電/非通電を周期的に切り換えるデューティー制御や、交流電流あるいは直流電流の電圧を変更する電圧制御などによる方法がある。
また、前記発熱回路としては、通電に応じてジュール熱を発生する電気的な経路よりなる回路や、暖房だけでなく冷却も可能な熱電変換素子を含む回路等がある。
また、前記回路内電圧範囲は、ゼロボルトを含む正の電圧範囲、又はゼロボルトを含む負の電圧範囲であり、前記基準電圧とは正負が異なることが好ましい(請求項2)。この場合には、前記発熱回路内の各位置の電位が、前記熱伝導部の電位に対して正負何れか一方の電位差を呈するようになる。そうすると、上記のような電気的な短絡に起因した前記漏洩電流が、前記発熱回路から前記熱伝導部、あるいは前記熱伝導部から前記発熱回路に向かって一定方向に流れるようになる。前記漏洩電流の流れる方向が予め判っていれば、前記短絡検知回路を比較的簡単に構成できる。簡単な回路構成の前記短絡検知回路によれば、製品コストの上昇を抑制でき低価格の魅力ある商品性を実現できる。
また、前記短絡検知回路は、前記熱伝導部と電気的に並列をなすように前記印加電源部に接続され、該印加電源部から供給された電力で動作することが好ましい(請求項3)。この場合には、前記短絡検知回路の動作電源と前記基準電圧の電源とを共用できるようになり、コスト的にも有利である。
また、前記発熱体は、シート状をなす電気絶縁部の一方の表面に前記発熱回路を設け、他方の表面に前記熱伝導部を設けた面状発熱体であり、前記便座において前記着座面側に配設されていることが好ましい(請求項4)。前記着座面側に前記発熱体を配設すれば、使用に際して前記着座面を急速に暖めることが可能になる。一方、前記着座面が故意に傷つけられたり、たばこの火が押し付けられたりした場合には、その影響が前記発熱体に及ぶおそれが高くなる。そのため、前記発熱体の制御状態によらず、前記発熱部と前記熱伝導部との間の電気的な短絡を検知できるという本発明の作用効果が一層有効となる。
本発明の便座装置の実施例について、以下、図面を参照しながら説明する。
(実施例1)
本例は、着座面100を暖める機能を備えた便座装置1に関する例である。この内容について、図1〜図5を用いて説明する。
本例の便座装置1は、図1に示すごとく、図示しない洋式の便器本体と組み合わせて使用される装置である。便座装置1は、使用者が腰掛ける際の着座面100を含む便座10と、男子小用に際して跳ね上げ可能なように便座10を回動支持する基部20と、を含めて構成されている。便座装置1は、基部20の裏面の取付け部(図示略)を介して便器本体に固定されている。
便座10は、便器本体の開口形状に対応する開口部101を設けた略オーバル形状の部材であり、基部20側に突出する一対のヒンジ部102が設けられている。一対のヒンジ部102には、それぞれ、貫通孔(図示略)が穿孔されている。便座10は、この貫通孔に挿通された軸部材(図示略)を介して基部20に支持されている。円筒状の軸部材には、発熱体11の電力線31等のほか、着座面100の温度を計測する温度センサ103の信号線32等が挿通配置されている。
便座10は、図2のA−A線矢視断面図、及び図3のB部拡大図のごとく、樹脂製平板状の座裏部材15の表面に、断面湾曲凸状の座表部材16を接合してなる。座表部材16は、樹脂製の枠体161の表面に、シート状の断熱材162、発熱体11、着座面100をなす化粧板165等を積層した断面構造を有している。
断熱材162は、図1〜図3に示すごとく、フエルトよりなる所定厚さのシート状部材であり、枠体161の表面に一体成形されている。
発熱体11は、電気絶縁部をなすPET(ポリエチレンテレフタレート)製の薄膜シート110の表裏両面に銅箔パターン12、13を設けた面状発熱体である。馬蹄形の発熱体11は、電気的絶縁性を備えた樹脂製の基材シートの両面に接着層を設けた両面テープ163を介して枠体161側に接着接合されている。枠体161側の銅箔パターン12は、発熱回路をなす発熱パターン12であり、反対側の銅箔パターン13は、発熱パターン12の熱をムラ少なく着座面100に伝達するための熱伝導部をなす熱伝導パターン13である。発熱パターン12は、ほぼ一定幅の線状パターンが一筆に、交差することなく引き回しされた電気経路であり、その両端には、一対の入力端121、122が形成されている。熱伝導パターン13は、発熱パターン12の形成領域を包含できるよう、薄膜シート110のほぼ全面に渡って形成された面状パターンである。
化粧板165は、PP(ポリプロピレン)よりなる樹脂成形品である。この化粧板165は、シート状の発熱体11が接合された枠体161の表面に、前記両面テープ163と同じ仕様の両面テープ164を介して接着接合されている。
基部20は、図1に示すごとく、制御ユニット(制御部)21を内蔵しているほか、便座10側の前面に配設された着座センサ202、側面に配設された制御パネル201を備えている。着座センサ202は、着座した使用者を検知する人感センサである。制御パネル201には、主電源をオンオフするためのメインスイッチのほか、着座面100の目標温度を設定するための温度設定スイッチ等が配置されている。
制御ユニット21は、図4に示すごとく、発熱体11に電力を供給する給電部23と、給電部23を制御する制御基板22と、商用電源に対応する電源回路211、212と、を備えている。給電部23は、電源回路212が出力する直流を交流に変換するインバータ231と、交流を20ボルトの直流に変換する整流平滑回路233と、両者間に介設された絶縁式のトランス232と、により構成されている。
電源回路211は、制御基板22の電源回路であり、商用電源とは電気的に絶縁された5ボルトの直流を出力する。本例の制御ユニット21では、電源回路211の低電位側の出力端と、給電部23の高電位側の出力端と、がコモン線35を介して電気的に接続され、共通電位に設定されている。したがって、本例の便座装置1では、給電部23により発熱体11に印加されるヒータ電圧が−20ボルトとなる。さらに、印加電源部213としての機能を兼ねる電源回路211の高電位側の出力端が、印加線33を介して熱伝導パターン13に接続されている。これにより、熱伝導パターン13には、主電源が投入されている間、常時、5ボルトの基準電圧が印加される。
制御基板22は、図4に示すごとく、ROM・RAMなどのメモリや外部信号の入出力用のI/Oなどを集積したマイコン220のほか、発熱パターン12と熱伝導パターン13との間の電気的な短絡(以下、発熱体11の短絡という。)を検知する短絡検知回路221、発熱体11への電力供給を遮断する遮断回路222等を含んでいる。制御基板22には、温度センサ103、着座センサ202、制御パネル201等が接続されている。
マイコン220は、着座面100の目標温度と温度センサ103の計測温度との比較に基づいて、給電部23に対する制御値を決定する。本例の制御値は、インバータ231を周期的にオンオフ制御するためのデューティー値(周期に対するオン期間の割合)である。例えば、デューティー値が1であると、インバータ231が発振状態に保持され、給電部23が発熱体11に印加するヒータ電圧が−20ボルト一定となる。デューティー値がゼロであると、インバータ231の発振が停止されヒータ電圧がゼロボルトとなる。また、デューティー値が0.5等の中間値のときは、1周期のうちの一部の期間でインバータ231が発振し、残りの期間でインバータ231が発振停止する。そうすると、発熱体11に対して、−20ボルトとゼロボルトのヒータ電圧が周期的に繰り返し印加される状態となる。
ヒータ電圧が−20ボルトのときは、発熱パターン12内の各位置の電位の分布範囲である回路内電圧範囲が−20〜ゼロボルトの電圧範囲となる。ヒータ電圧がゼロボルトのときは、発熱パターン12内の各位置の電位が全てゼロボルトとなり、回路内電圧範囲がゼロボルトの1点となる。一方、本例の便座装置1では、熱伝導パターン13に常時、5ボルトの基準電圧が印加されている。そのため、発熱量ゼロを含めて発熱体11の制御状態によらず、熱伝導パターン13の電位が、発熱パターン12内の何れの位置の電位よりも高くなり、正の電位差を呈することになる。それ故、発熱体11の短絡が発生した場合には、短絡箇所によらず、発熱体11の制御状態によらず、熱伝導パターン13から発熱パターン12に向けて流れる漏洩電流が発生する。
短絡検知回路221及び遮断回路222は、図5のごとく、一体的に構成されている。短絡検知回路221は、漏洩電流の検出抵抗411と、漏洩電流に応じてクローズ状態に切り替わるトランジスタ421及びサイリスタ431と、を含む回路である。遮断回路222は、マイコン220がインバータ231を制御するための制御線34に挿入されたフォトカプラ441を含む回路である。
発熱体11の短絡がない正常な状態であれば、検出抵抗411の両端に電位差が生じず、トランジスタ421は、エミッタ−コレクタ間が電気的に絶縁されたオープン状態に保持される。抵抗412にも電流が流れないので、サイリスタ431は、ベース電位が低電位のままとなり、アノード−カソード間が電気的に遮断されたオープン状態に保持される。この状態では、フォトカプラ441がクローズ状態に制御され、制御線34を介してインバータ231を制御可能な状態、すなわち発熱体11に電力供給できる状態となる。
次に、発熱体11の短絡が発生した場合について説明する。上記のごとく、発熱パターン12への通電状態によらず、熱伝導パターン13の電位は、発熱パターン12内の何れの位置の電位よりも高電位となっている。そのため、発熱体11の短絡が発生した場合には、その短絡箇所を介して熱伝導パターン13から発熱パターン12へ流れ込む漏洩電流が発生する。この漏洩電流は、検出抵抗411に接続された印加線33を経由して発熱パターン12側へ流れ込む。
検出抵抗411の両端に電位差が生じると、ベース電流の発生に応じてトランジスタ421がクローズ状態に切り替わる。トランジスタ421のコレクタ電流が抵抗412に流入すると、サイリスタ431のベース電位が高電位となり、サイリスタ431がクローズ状態に切り替わる。並列に接続されたフォトカプラ441の動作電流が低下し、オープン状態に切り替わって制御線34が遮断される。制御線34が遮断されるとインバータ231が発振できない状態となり、発熱体11への電力供給が遮断された状態となる。なお、ここで、サイリスタ431のベース電位をマイコン220に入力しておくことも良い。マイコン220側で発熱体11の短絡を検知でき、アラームランプ等による報知が可能になる。
以上のように構成された便座装置1では、主電源が投入されている限り、発熱体11が発熱状態で制御されているか(ヒータ電圧が−20ボルト又はゼロボルト)、発熱量ゼロで制御されているか(ヒータ電圧がゼロボルト一定)によらず、発熱体11の短絡を検知可能である。このように、発熱量ゼロを含めて発熱体11の制御状態によらず発熱体11の短絡を検知できる本例の便座装置1によれば、ヒューズやブレーカ等の他の安全回路が作動するよりも前に発熱体11の短絡を検知でき、検知に応じて、直ちに、発熱体11へ電力が供給されない安全な状態を設定できる。
さらに、本例の便座装置1では、発熱体11の短絡が生じた場合の漏洩電流の流れが一定方向に定まっている。また、この便座装置1では、発熱体11の発熱量がゼロであるか発熱状態にあるかに応じて検知方法を切り換えることなく、同じ回路で発熱体11の短絡を検知可能である。本例では、これらを活用して、電気的に簡単に構成された短絡検知回路221による検知を実現している。簡単に構成された短絡検知回路221であれば、コスト的に有利であり、製品コストの上昇を抑制できる。
また、本例の便座装置1では、発熱体11を発熱させるためのヒータ電流が短絡検知回路221に流入しないように回路構成されている。それ故、漏洩電流を検出するための検出抵抗411の抵抗値を大きく設定しても、発熱体11の発熱効率に悪影響が及ぶことがない。検出抵抗411の抵抗値を大きく設定できれば、例えば、ライターやたばこ等によって着座面100が焦がされて炭化して生じた100オーム程度の抵抗値を呈する発熱体11の短絡にも対応可能である。
以上のように、本例の便座装置1によれば、発熱量ゼロを含めて発熱体11の制御状態によらず、発熱体11の短絡を検知できる。さらに、この便座装置1によれば、簡単な構成の短絡検知回路221による検知が実現されているので、製品コストの上昇を抑制しながら安全性を高めた魅力ある商品性を実現できる。
なお、本例の便座装置1においては、主電源が投入された際、発熱体11への電力供給を開始する前に短絡検知回路221のみを動作させることも良い。このように制御すれば、発熱体11への電力供給を開始する前に発熱体11の短絡を検知でき、トラブルを生じた発熱体11への電力供給を未然に回避できる。
また、本例は、薄膜シート110の表面に形成された銅箔パターン12よりなる発熱回路を採用した例である。発熱回路としては、薄膜シート110の表面に沿って配線された電熱線等による回路であっても良い。さらには、熱伝導部として薄いシート状の銅板を採用すると共に、その表面に沿って絶縁被覆された電熱線等を配線して発熱体11を構成することもできる。さらに、金属製の化粧板を採用すると共に、その裏面に発熱パターン12を設けた薄膜シート110を貼り合わせても良い。
(実施例2)
実施例1の便座装置を元にして、発熱体11の動作電圧、及び熱伝導パターン13の基準電圧の設定を変更した例である。この内容について、図6〜図10を参照して説明する。
本例の制御ユニット21では、図6に示すごとく、電源回路211の低電位側の出力端と、給電部23の低電位側の出力端と、が電気的に接続されるようにコモン線35の配線が変更されている。したがって、本例の便座装置1では、発熱パターン12に印加されるヒータ電圧が20ボルトとなる。さらに、本例の制御ユニット21では、−5ボルトを生成する電源回路213(印加電源部)が追加され、この電源回路213が出力する−5ボルトが印加線33を介して熱伝導パターン13に印加されている。
ヒータ電圧が20ボルトの場合、発熱パターン12内の各位置の電位の分布範囲である回路内電圧範囲がゼロ〜20ボルトとなり、ヒータ電圧がゼロボルトの場合、回路内電圧範囲がゼロボルトの1点となる。一方、熱伝導パターン13には−5ボルトの基準電圧が印加されている。そのため、熱伝導パターン13の電位が、発熱パターン12内の何れの位置よりも低くなり、負の電位差を呈するようになる。発熱体11の短絡が生じた場合には、短絡した箇所によらず、また、発熱体11の制御状態によらず、発熱パターン12から熱伝導パターン13に向かって流れる漏洩電流が発生する。
本例の短絡検知回路221及び遮断回路222は、図7のごとく、漏洩電流の検出抵抗411、及び正常状態においてオープン状態に保持されるトランジスタ421、422のほか、実施例1と同様のサイリスタ431、フォトカプラ441を含む回路である。発熱体11の短絡による漏洩電流が検出抵抗411に流れると、トランジスタ421がクローズ状態となり、そのコレクタ電流による抵抗412の電位差に応じてトランジスタ422もクローズ状態となる。これにより、サイリスタ431がクローズ状態に切り替わって、実施例1と同様、制御線34が遮断され、発熱体11への電力供給が遮断される。
なお、本例に代えて、図8に示すごとく、−5ボルトで動作する短絡検知回路221及び遮断回路222を採用することもできる。同図の回路では、漏洩電流の発生に応じて、トランジスタ421、422がクローズ状態に切り替わる。これにより、サイリスタ431がクローズ状態に切り替わり、発熱体11への電力供給が遮断される。
さらに、図6中の整流平滑回路233を省略し、トランス232が出力する交流10ボルト(瞬時値:−14〜14ボルト)により発熱体11を発熱させても良い。この場合には、図9のごとく、熱伝導パターン13に−18ボルトを印加するのが良い。発熱パターン12に印加されるヒータ電圧は、ゼロボルトに維持される発熱量ゼロの制御状態を含め、−14〜14ボルトの何れかの電圧値となる。ヒータ電圧が−14〜14ボルトの何れかの電圧値の場合、発熱パターン12の回路内電圧範囲は−14〜14ボルトとなる。一方、上記のごとく、熱伝導パターン13には−18ボルトの基準電圧が印加されているので、発熱体11の短絡が生じた場合には、短絡した箇所によらず、発熱体11の制御状態によらず、発熱パターン12から熱伝導パターン13に向かって流れ込む漏洩電流が発生する。この漏洩電流が発生すると、図8の場合と同様に、発熱体11への電力供給が遮断される。
さらに、図10に示すごとく、18ボルトの交流を出力するトランス232に中間タップを設けると共に、高電位側の10ボルトの交流出力(瞬時値:−14〜14ボルト)をヒータ電圧として利用し、低電位側の正負反転した交流8ボルト(瞬時値:−11〜11ボルト)を全波整流回路223を介して熱伝導パターン13側に印加することも良い。例えば、ヒータ電圧が14ボルトとなった瞬間では、前記回路内電圧範囲が0〜14ボルトとなる一方、熱伝導パターン13側の基準電圧が−11ボルトとなる。また、例えば、ヒータ電圧が−14ボルトとなった瞬間では、回路内電圧範囲が−14〜ゼロボルトとなる一方、熱伝導パターン13側の基準電圧が11ボルトとなる。同図の場合では、ヒータ電圧、基準電圧が共にゼロボルトとなる交流のゼロクロスの瞬間を除き、回路内電圧範囲に対して正負が逆転した基準電圧が熱伝導パターン13側に印加されることになる。これにより、前記ゼロクロスの瞬間を除いて、熱伝導パターン13側の電位が、発熱パターン12内の各位置の電位に対して正負何れかの電位差を呈する。
発熱体11の短絡が生じた場合には、上記の電位差に応じた交流の漏洩電流が発生し、全波整流回路223により整流されて検出抵抗411に流れ込む。そうすると、フォトカプラ442、トランジスタ421、サイリスタ431がクローズ状態となり、発熱体11への電力供給が遮断される。なお、発熱量ゼロの制御状態においても検知を可能にするためには、発熱パターン12の電力線31にスイッチ回路(図示略)を設けておく必要がある。このスイッチ回路で電力線31を遮断して発熱量ゼロの制御を実現すれば、発熱量ゼロの制御状態においても熱伝導パターン13に8ボルトの交流を印加できる。このように構成すれば、発熱量ゼロを含め発熱体11の制御状態によらず、回路内電圧範囲外の基準電圧を熱伝導パターン13に印加でき、発熱体11の短絡を検知できるようになる。
なお、本例のその他の構成及び作用効果については、実施例1と同様である。
以上、実施例1及び2のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して具体例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
1…便座装置、10…便座、100…着座面、11…発熱体、110…薄膜シート(電気絶縁部)、12…発熱パターン(発熱回路)、121、122…入力端、13…熱伝導パターン(熱伝導部)、161…枠体、20…基部、21…制御ユニット、213…電源回路(印加電源部)、22…制御基板、221…短絡検知回路、222…遮断回路、23…給電部、31…電力線、33…印加線、34…制御線、411…検出抵抗

Claims (4)

  1. 使用者が腰掛ける便座の着座面を暖める暖房機能を備えた便座装置であって、
    供給された電力の少なくとも一部を熱に変換する発熱回路、該発熱回路の熱を前記着座面に伝達するための導電性を備えた熱伝導部、及び前記発熱回路と前記熱伝導部とを電気的に絶縁する電気絶縁部を含み、前記便座に設けられる発熱体と、
    前記発熱回路の電気的な経路の両端をなす一対の入力端に電位差を設けて電流を流入させることにより前記発熱回路に電力を供給する給電部と、
    前記発熱体の発熱量をゼロを含めた所定範囲内で制御する制御部と、
    前記熱伝導部に対して基準電圧を印加する印加電源部と、
    前記発熱回路と前記熱伝導部との間の漏洩電流の検出に応じて両者間の電気的な短絡を検知する短絡検知回路と、
    前記短絡検知回路が電気的な短絡を検知したときに前記発熱回路への電力供給を遮断する遮断回路と、を備え、
    前記印加電源部は、前記一対の入力端のうちの一方から他方に至る前記発熱回路内の各位置の電位が分布する範囲である回路内電圧範囲の最小値に満たない基準電圧、あるいは最大値を超える基準電圧を、前記制御部による前記発熱体の制御状態によらず前記熱伝導部に印加できるように構成されていることを特徴とする便座装置。
  2. 請求項1において、前記回路内電圧範囲は、ゼロボルトを含む正の電圧範囲、又はゼロボルトを含む負の電圧範囲であり、前記基準電圧とは正負が異なることを特徴とする便座装置。
  3. 請求項1又は2において、前記短絡検知回路は、前記熱伝導部と電気的に並列をなすように前記印加電源部に接続され、該印加電源部から供給された電力で動作することを特徴とする便座装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項において、前記発熱体は、シート状をなす電気絶縁部の一方の表面に前記発熱回路を設け、他方の表面に前記熱伝導部を設けた面状発熱体であり、前記便座において前記着座面側に配設されていることを特徴とする便座装置。
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