JP5475175B1 - 遮水層の位置判定方法 - Google Patents

遮水層の位置判定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5475175B1
JP5475175B1 JP2013160910A JP2013160910A JP5475175B1 JP 5475175 B1 JP5475175 B1 JP 5475175B1 JP 2013160910 A JP2013160910 A JP 2013160910A JP 2013160910 A JP2013160910 A JP 2013160910A JP 5475175 B1 JP5475175 B1 JP 5475175B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
drilling
value
water shielding
determining
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013160910A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015031042A (ja
Inventor
晃央 市川
啓介 大村
寿一 荻野
長由 大谷
正明 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Civil Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Takenaka Civil Engineering and Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takenaka Civil Engineering and Construction Co Ltd filed Critical Takenaka Civil Engineering and Construction Co Ltd
Priority to JP2013160910A priority Critical patent/JP5475175B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5475175B1 publication Critical patent/JP5475175B1/ja
Publication of JP2015031042A publication Critical patent/JP2015031042A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Earth Drilling (AREA)

Abstract

【課題】遮水層の位置を、削孔機による削孔中にリアルタイムで精度よく判定できる、遮水層の位置判定方法を提供する。
【解決手段】遮水壁の構築に先行して遮水層の位置を判定する遮水層の位置判定方法において、地盤1を先行削孔する削孔機10の貫入深度における削孔軸の吊荷重値と減速機の負荷電流値とを設定時間経過毎に計測する段階と、前記設定時間経過毎の計測値を移動平均処理した後の前記削孔軸の吊荷重値と減速機の負荷電流値との関係をプロットする段階と、前記プロットした点を、複数層をなす各地層の種類に応じて経時的に異なる挙動を示す領域毎に大別し、各領域の境界に位置するプロット点における、経時的に最も遅い領域へ遷移するプロット点に対応する削孔機10の貫入深度を遮水層Sの位置と判定する段階とからなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、地盤改良処理機による遮水壁の構築に先行して遮水層の位置を判定する方法の技術分野に属し、さらに云えば、アースオーガー等の削孔機による削孔データを解析して遮水層の位置をリアルタイムに判定(特定)する、遮水層の位置判定方法に関する。
地下ダム遮水壁(止水壁)の構築において、遮水性の確保のため、粘土層等の遮水層(不透水層)への根入れを確実に行うことは、重要な課題の一つである。
そこで、従来は、アースオーガー等の削孔機による削孔完了後にオーガーを引き抜き、オーガーの刃先に付着した土塊を目視確認するという漠然とした経験と勘に頼った方法により遮水層の位置を管理していた。
しかし、この手法によると、削孔機による削孔施工中にオーガーが遮水層へ到達したか否かを判断できず、これに伴い根入れ長の管理も正確に行えないという問題があった。
ところで、特許文献1には、地中連続壁工事における削孔機の電流値及び吊荷重を解析して、前記電流値が既定値以上で、かつ前記吊荷重が既定値以下を判定基準として基盤面位置を判定する、地中削孔データ解析による基盤判定方法に関する発明が開示されている(請求項1等参照)。
この発明によれば、削孔データとして削孔機の電流値及び吊荷重の解析値から直ちに基盤面を判定することができる旨の記載が認められる(同文献1の段落[0013]等参照)。
特開2012−149463
しかしながら、前記特許文献1にかかる発明は、削孔機の電流値が既定値以上で、かつ前記吊荷重が既定値以下を判定基準としている点からも明らかなとおり、硬質層(基盤層)の位置の判定しかできない(同文献1の段落[0039]等参照)。
一方、遮水層(不透水層)とは、粘土層など、透水性が低い層であればよく、地層(地盤)の硬軟とは無関係である。
よって、特許文献1にかかる発明では、遮水層の位置を判定できなかった。
したがって、本発明の目的は、遮水層の位置を、削孔機による削孔中にリアルタイムで精度よく判定できる、遮水層の位置判定方法を提供することにある。
上記背景技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る遮水層の位置判定方法は、遮水壁の構築に先行して遮水層の位置を判定する遮水層の位置判定方法において、
上層が未固結状の石灰岩で、下層が遮水層の上下二層構造からなる地盤を先行削孔する削孔機の貫入深度における削孔軸の吊荷重値と減速機の負荷電流値とを設定時間経過毎に計測する段階と、
前記設定時間経過毎の計測値を移動平均処理した後の前記削孔軸の吊荷重値と減速機の負荷電流値との関係をプロットする段階と、
前記プロットした点を、前記上層の未固結状の石灰岩にかかるプロットした点は、領域内全体で、おおよそ負の相関関係を形成するような挙動を示すことをもとに、経時的に異なる挙動を示す領域毎に大別し、各領域の境界に位置するプロット点における、経時的に最も遅い領域へ遷移するプロット点に対応する削孔機の貫入深度を遮水層の位置と判定する段階と、からなることを特徴とする。
請求項2に記載した発明に係る遮水層の位置判定方法は、遮水壁の構築に先行して遮水層の位置を判定する遮水層の位置判定方法において、
上層が未固結状の石灰岩で、中層が固結状の石灰岩で、下層が遮水層の上下三層構造からなる地盤を先行削孔する削孔機の貫入深度における削孔軸の吊荷重値と減速機の負荷電流値とを設定時間経過毎に計測する段階と、
前記設定時間経過毎の計測値を移動平均処理した後の前記削孔軸の吊荷重値と減速機の負荷電流値との関係をプロットする段階と、
前記プロットした点を、前記上層の未固結状の石灰岩にかかる前記プロットした点は、領域内全体で、おおよそ負の相関関係を形成するような挙動を示すことをもとに、経時的に異なる挙動を示す領域毎に大別し、各領域の境界に位置するプロット点における、経時的に最も遅い領域へ遷移するプロット点に対応する削孔機の貫入深度を遮水層の位置と判定する段階と、からなることを特徴とする。
請求項に記載した発明は、請求項1又は2に記載した遮水層の位置判定方法において、前記設定時間経過毎の計測値について、前記移動平均処理を行う前に、一時的な削孔軸の引き上げに伴う計測値を取り除き、削孔軸の削孔時のみの計測値を抽出するトリミング処理を行うことを特徴とする。
請求項に記載した発明は、請求項1〜のいずれか一に記載した遮水層の位置判定方法において、前記地盤は空洞部を含み、該空洞部にかかる前記プロットした点は、領域内全体で、前記削孔軸の吊荷重値が、減速機の負荷電流値の大きさに拘わらずほぼ一定の挙動を示すことを特徴とする。
本発明にかかる遮水層の位置判定方法によれば、削孔機の貫入深度における削孔軸の吊荷重値と減速機の負荷電流値とを設定時間経過毎に計測したデータの処理に工夫を施すことにより、遮水層の位置(上面位置)を、削孔機による削孔中にリアルタイムで精度よく判定できる。
よって、その後に行う遮水壁の構築にあたり、地盤改良処理機の攪拌掘削軸の先端が遮水層へ有効に到達しているか否かを確認するいわゆる着底管理に有効利用することができる。
また、本発明によれば、遮水層に限らず、中間層に位置する固結状の石灰岩等の位置や空洞部の位置も判定することができる。
本発明の実施概要を示す立面図である。 本発明の実施概要を示す立面図である。 A〜Cは、削孔機の貫入深度における削孔軸の吊荷重値と減速機の負荷電流値とを設定時間経過毎に計測したデータを示すグラフである。 A〜Cは、前記設定時間経過毎に計測したデータをトリミング処理したデータを示すグラフである。 Aは、図4Bのデータを移動平均処理したグラフであり、Bは、図4Cのデータを移動平均処理したグラフであり、Cは、図5A、Bを合成したグラフである。 Aは、図3B、Cのデータをプロットしたグラフであり、Bは、図4B、Cのデータをプロットしたグラフであり、Cは、図5A、B(又は図5C)のデータをプロットしたグラフである。 図6Cのデータを基に作成した説明図である。 実施例1の解析結果とボーリングデータとを対比した表である。 A、Bは、他の削孔地点の削孔データをプロットしたグラフである。 実施例2にかかる3つの削孔地点の削孔データをプロットしたグラフである。 実施例2の解析結果とボーリングデータとを対比した表である。 空洞部を含む地盤を削孔した場合の削孔データをプロットしたグラフである。
本発明は、三軸(多軸)地盤改良機等の地盤改良処理機による遮水壁の構築に先行して、図1と図2に示したように、アースオーガー等の削孔機10により遮水層Sの位置(到達深度)を判定する遮水層Sの位置判定方法に関する。
要するに、この発明は、遮水壁の構築にあたり、改良処理する対象地盤(岩盤)1が硬質のため、地盤改良処理機では直接地盤改良できない又はラップ精度を保てない場合に、先ず、削孔機10でフレッシュな硬質地盤を砕く必要がある施工に好適に実施される。
具体的に、本発明は、アースオーガー等の削孔機10による削孔データを解析して遮水層Sの位置をリアルタイムに判定する。当該解析する削孔データは、削孔機10の貫入深度における削孔軸の吊荷重値と減速機(回転モータ)の負荷電流値とする。
前記削孔データは、削孔機10に搭載した各種計測器を介して計測室のコンピュータに画面表示される。前記貫入深度とは、GL(地盤高)を指す場合とEL(標高)を指す場合とがある。
前記削孔機を用いた一連の削孔工程の手順はほぼ従来通りである。すなわち、一例として、先ず図1に示したように、オーガー11を取り囲むケーシング12を備えた削孔機10により所定(明らかに遮水層Sに到達しない程度)の深度までオーガー11とケーシング12とで削孔する。次に図2に示したように、ケーシング12の連結状態を解除し、該ケーシング12を原位置に残したままオーガー軸を継ぎ足し、オーガー11のみでさらに削孔を進める。本発明にかかる前記削孔データは、このオーガー11のみの削孔時に計測する。原位置に残したケーシング12は適宜撤去される。
前記所定の深度(ケーシング12の長さ寸法)、およびオーガー11の継ぎ足し寸法は、予め発注者から提供された地質調査(ボーリングデータ)等に基づいて設定する。ちなみに本実施例1、2では一例として、前記地質調査に基づき、遮水層Sの位置が深度20〜35mの範囲内にあると予測し、前記ケーシング12の長さ寸法を20mとし、前記オーガー11の継ぎ足し寸法を15mとした。削孔機10の貫入速度は約0.3m/毎分とした。
前記削孔データをもとに判定した対象地盤1の遮水層Sの位置は、その後に行う遮水壁の構築にあたり、地盤改良処理機の攪拌掘削軸の先端が遮水層Sへ有効に到達しているか否かを確認するいわゆる着底管理に有効利用される。
以下、本発明にかかる遮水層の位置判定方法の実施例について詳しく説明する。
実施例1にかかる削孔機10で削孔する地盤1は、上層が未固結状の石灰岩で、下層が遮水層(粘土層)Sの上下二層構造である(図1、図2参照)。より詳しくは、上層が未固結で砂礫状の琉球石灰岩であり、下層が島尻泥岩である。
前記遮水層Sの位置を判定する方法は、先ず、前記段落[0016]で説明した手順にしたがい、地盤1を先行削孔する削孔機10の貫入深度における削孔軸の吊荷重値と減速機の負荷電流値とを設定時間(本実施例では1秒)経過毎に計測する。
前記計測した削孔データ(生データ)を図3に示す。
図3Aは、時間(時刻)の経過(横軸)とオーガー11の削孔深度(縦軸)との関係を示したグラフである。
図3Bは、オーガー11の削孔深度(横軸)と削孔軸の吊荷重値(縦軸)との関係を示したグラフである。
図3Cは、オーガー11の削孔深度(横軸)と減速機の負荷電流値(縦軸)との関係を示したグラフである。
参考のため、図6Aは、この生データの段階で、削孔機10の貫入深度における削孔軸の吊荷重値(縦軸)と減速機の負荷電流値(横軸)との関係をプロットしたグラフである。
次に、前記設定時間経過毎の計測値について、一時的な削孔軸の引き上げに伴う計測値を取り除き、削孔軸の削孔時のみの計測値を抽出するトリミング処理を行う。
前記トリミング処理した後の削孔データを図4に示す。この図4A〜Cはそれぞれ、前記図3A〜Cに対応している。
参考のため、図6Bは、このトリミング処理した段階で、削孔機10の貫入深度における削孔軸の吊荷重値(縦軸)と減速機の負荷電流値(横軸)との関係をプロットしたグラフである。
次に、前記図4B、Cにかかるトリミング処理した削孔データを移動平均処理する。本実施例では、該移動平均処理時間を30秒(30測点)に設定した。
前記移動平均処理した削孔データを図5に示す。
図5Aは、オーガー11の削孔深度(横軸)と削孔軸の吊荷重値(縦軸)との関係を示したグラフである。
図5Bは、オーガー11の削孔深度(横軸)と減速機の負荷電流値(縦軸)との関係を示したグラフである。
図5Cは、図5Aと図5Bとを合成したグラフである。
次に、前記設定時間経過毎の計測値を移動平均処理した後(図5A〜C参照)の前記削孔軸の吊荷重値と減速機の負荷電流値との関係をプロットする。図6Cは、30秒単位で移動平均処理した当該削孔軸の吊荷重値(縦軸)と減速機の負荷電流値(横軸)との関係をプロットしたグラフである。
前記図6Cにかかるプロットした点の集合体(プロット群)は、前記図6A(生データ段階)や図6B(トリミング処理段階)にかかるプロット群と比し、明らかに、経時的に異なる挙動を示す2つの領域が現れていることがわかる。
図7は、図6Cを拡大して、各領域のおおよその傾向を示す直線を加筆した解析用(説明用)のグラフである。
前記2つの領域は、経時的に、おおよそ負の相関関係を形成するような挙動を示す領域Xと、おおよそ正の相関関係を形成するような挙動を示す領域Yとに大別される。
そこで本出願人は、前記領域Xが未固結状の石灰岩(未固結で砂礫状の琉球石灰岩)であり、領域Yが遮水層(島尻泥岩)Sであり、該2つの領域X、Yの境界に位置するプロット点Pが両者の境界点、すなわち遮水層Sの上面位置(位置)の可能性が高いと推定した。
その主な根拠として、遮水層(島尻泥岩)Sは、いわゆる粘土層であるため、前記未固結状の石灰岩と比し、オーガー12の刃先が滑り(踊り)やすくて噛み込みが安定しない場合が比較的多く、余分な負荷電流値がかかるので、これが両者の挙動が異なる要因の1つと考えられるからである。
図8は、事前に入手したボーリングデータと本実施例1にかかる先行削孔計測データとを対比した表である。
図8のボーリングデータ中、実測値は3列目の24.121m(EL)である。他の列のデータは該実測値からの距離等を考慮した補整値である。
本実施例1は、前記実側値24.121m(EL)に対応する地盤について行った。その結果、図7のプロット点Pに対応する削孔機10の貫入深度は、24.06m(EL)であり、前記ボーリングデータとの誤差は6cm程度に過ぎない。
即ち、この図8の3列目にかかるデータ(結果)は、本出願人の上述した推定(段落[0022]参照)を裏付けていると云える。
そこで、本出願人は、前記移動時間処理した後の前記吊荷重値と負荷電流値との関係をプロットした点(図7参照)を、複数層をなす各地層の種類(層数)に応じて経時的に異なる挙動を示す領域毎(本実施例1ではX、Y)に大別し、各領域(X、Y)の境界に位置するプロット点(本実施例1ではP)における、経時的に最も遅い領域(Y)へ遷移するプロット点(P)に対応する削孔機10の貫入深度を遮水層Sの位置として判定してよいと確信した。
より具体的には、前記プロットした点を、経時的に、おおよそ負の相関関係を形成するような挙動を示す第1領域(X)のプロット群と、他の第2領域(Y)のプロット群とに大別し、前記第1領域(X)のプロット群から第2領域(Y)のプロット群へ遷移する点(P)に対応する削孔機10の貫入深度を遮水層Sの位置として判定してよいと確信した。
このプロット点Pは、実際には、計測室のコンピュータに画面表示されるプロット群に基づき作業員が目視判定することになるが、経時的に画面表示されるプロット点の挙動を作業員がリアルタイムにチェックしつつ目視判定することが好ましい。
念のため、本出願人は、前記対象地盤1の他の2地点についても上述した手法で前記プロット点Pを特定した。
すなわち、実施例1にかかる図3〜図5に対応するグラフは省略するが、図9A、Bはそれぞれ、前記対象地盤1の異なる地点で、地盤1を先行削孔する削孔機10の貫入深度における削孔軸の吊荷重値と減速機の負荷電流値とを設定時間(1秒)経過毎に計測し、次にトリミング処理し、次に移動平均処理(30秒毎)した前記削孔軸の吊荷重値と減速機の負荷電流値との関係をプロットしたものである。
ちなみに、図9Aは、図8中の1列目のデータに対応し、図9Bは、同5列目のデータに対応する。
図9AのP1、図9BのP2はそれぞれ、おおよそ負の相関関係を形成するような挙動を示す第1領域のプロット群から他の第2領域のプロット群へ遷移する基点となるプロット点を示す。このプロット点P1、P2に対応する削孔機10の貫入深度はそれぞれ、24.23m(EL)、24.08m(EL)であり、これを図8中に記す。この値(EL値)と図8中のボーリングデータとを対比検討すると、その誤差は、図9Aについては20.2cm、また、図9Bについては1.7cmに過ぎず、非常に精度の高い結果を得ることができた。
したがって、本出願人は、前記プロット点P1、P2が、遮水層Sの位置(上面位置)と判定してよいと確信した。
実施例2は、上記実施例1と比し、削孔機10で削孔する対象地盤1が三層構造であることが主に相違し、前記削孔軸の吊荷重値および減速機の負荷電流値等の削孔データの取り扱い(計測手段、処理手段)は同様である。
すなわち、実施例2にかかる削孔機10で削孔する地盤1は、上層が未固結状の石灰岩で、中層が固結状の石灰岩で、下層が遮水層Sの上下三層構造である。より詳しくは、上層が未固結で砂礫状の琉球石灰岩であり、中層が固結した塊状の琉球石灰岩であり、下層が島尻泥岩である。
前記遮水層Sの位置を判定する方法は、上記実施例1と同様の手法で行う。
すなわち、地盤1を先行削孔する削孔機10の貫入深度における削孔軸の吊荷重値と減速機の負荷電流値とを設定時間(1秒)経過毎に計測し、次にトリミング処理し、次に移動平均処理(30秒毎)した前記削孔軸の吊荷重値と減速機の負荷電流値との関係をプロットする。本実施例2では、図10A〜Cに示すように、3つの削孔地点にかかる削孔データを取得した。
図10Aについて、前記プロットした点を、地層の種類に応じて経時的に異なる挙動を示す領域毎に大別する(符号L、M、N参照)。
前記Lの領域は、経時的に、おおよそ負の相関関係を形成するような挙動を示す特徴がある。前記Nの領域は、経時的に、おおよそ正(又は負)の相関関係を形成するような挙動を示す特徴がある。その間の前記Mの領域は、他層に比して層厚が薄いこともあり、経時的に短時間で、おおよそ弧状(カーブ)を形成するような挙動を示す特徴がある。
前記特徴点を踏まえ、作業員が目視判定する際には、通常、おおよそ負の相関関係を形成するような挙動を示す領域Lと、該領域Lから時間をあけて(タイムラグ)、おおよそ正(又は負)の相関関係を形成するような挙動を示す領域Nとを把握し、該領域Lと領域Nとの間の短時間で形成される領域Mを把握する。
なお、前記領域Lと領域Nには、前記図7、図9と同様に便宜上、おおよその傾向を示す直線をグラフに加筆している。
かくして、本出願人は、前記領域Lが未固結状の石灰岩(未固結で砂礫状の琉球石灰岩)であり、領域Mが固結状の石灰岩(固結した塊状の琉球石灰岩)であり、領域Nが遮水層(島尻泥岩)Sと推定した。また、該3つの領域L、M、Nの各境界に位置するプロット点S1、Q1が境界点、すなわちS1が固結状の石灰岩の上面位置で、Q1が遮水層の上面位置と推定した。
図10B、Cについてもそれぞれ、図10Aと同様の手法で(前記段落[0029]参照)、プロット点S2、S3が固結状の石灰岩の上面位置で、Q2、Q3が遮水層Sの上面位置と推定した。
図11は、事前に入手したボーリングデータと本実施例2にかかる先行削孔計測データとを対比した表である。図11中の杭番号と、前記図10A、Bの各グラフの上に付したS−32等の番号は対応している。
図11のボーリングデータ中、実測値は3列目の23.233m(EL)であり、他の列のデータは該実測値からの距離等を考慮した補整値である。
以下、前記図10A〜Cのプロット点Q1〜Q3(遮水層S)に対応する削孔機10の貫入深度と前記ボーリングデータ(図11中の設計値)とを対比検討する。
図10Aのプロット点Q1に対応する削孔機10の貫入深度は、23.16m(EL)であり、前記ボーリングデータ(23.296m)との誤差は13.6cm程度に過ぎない。
図10Bのプロット点Q2に対応する削孔機10の貫入深度は、23.63m(EL)であり、前記ボーリングデータ(23.373m)との誤差は25.7cm程度に過ぎない。
図10Cのプロット点Q3に対応する削孔機10の貫入深度は、23.43m(EL)であり、前記ボーリングデータ(23.420m)との誤差は1.0cm程度に過ぎない。
即ち、この実施例2にかかるデータ(結果)も精度が高く、本出願人の上述した推定(段落[0030]、[0031]参照)を裏付けていると云える。
そこで、本出願人は、前記移動時間処理した後の前記吊荷重値と負荷電流値との関係をプロットした点(図10A〜C参照)を、複数層をなす各地層の種類(層数)に応じて経時的に異なる挙動を示す領域毎(図10AについてL、M、N)に大別し、各領域(L、M、N)の境界に位置するプロット点(図10AについてS1、Q1)における、経時的に最も遅い領域(N)へ遷移するプロット点(Q1)に対応する削孔機10の貫入深度を遮水層Sの(上面)位置として判定してよいと確信した。
このプロット点Q1(〜Q3)は、実際には、計測室のコンピュータに画面表示されるプロット群に基づき作業員が目視判定することになるが、経時的に画面表示されるプロット点の挙動を作業員がリアルタイムにチェックしつつ目視判定することが好ましい。
以上に本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。当業者が必要に応じて通常行う設計変更や、変形応用等の範囲内で様々に実施することが可能であることを申し添える。
例えば、本実施例1、2では、前記削孔データを計測する設定時間を1秒で実施しているが、2秒以上でもよく、地盤性状等に応じて適宜設計変更可能である。
また、移動平均処理時間を30秒に設定して実施しているが地盤性状等に応じて適宜設計変更可能である。即ち、削孔データをプロットした点の挙動が領域毎に大別できる程度に現れるのであれば、適宜、移動平均処理間隔を設定できる。
さらに、トリミング処理は、削孔データが重複しない場合や、前記プロット点の挙動が判定可能に表れる場合は省略することもできる。
その他、前記ケーシング12の長さ寸法や前記オーガー11の継ぎ足し寸法は、事前に入手したボーリングデータに応じて適宜設計変更可能である。削孔機10の貫入速度も約0.3m/毎分に限定されるものではなく、地盤性状に応じて適宜設計変更可能である。
なお、削孔する対象地盤1によっては、地中に空洞部が部分的に存在する場合がある。その場合は、該空洞部の特性から、図12に示すように、前記削孔軸の吊荷重値が、減速機の負荷電流値の大きさに拘わらずほぼ一定の挙動を示すので、容易に空洞部の位置を判定することができる。
1 対象地盤
S 遮水層
10 削孔機
11 オーガー
12 ケーシング

Claims (4)

  1. 遮水壁の構築に先行して遮水層の位置を判定する遮水層の位置判定方法において、
    上層が未固結状の石灰岩で、下層が遮水層の上下二層構造からなる地盤を先行削孔する削孔機の貫入深度における削孔軸の吊荷重値と減速機の負荷電流値とを設定時間経過毎に計測する段階と、
    前記設定時間経過毎の計測値を移動平均処理した後の前記削孔軸の吊荷重値と減速機の負荷電流値との関係をプロットする段階と、
    前記プロットした点を、前記上層の未固結状の石灰岩にかかるプロットした点は、領域内全体で、おおよそ負の相関関係を形成するような挙動を示すことをもとに、経時的に異なる挙動を示す領域毎に大別し、各領域の境界に位置するプロット点における、経時的に最も遅い領域へ遷移するプロット点に対応する削孔機の貫入深度を遮水層の位置と判定する段階と、からなることを特徴とする、遮水層の位置判定方法。
  2. 遮水壁の構築に先行して遮水層の位置を判定する遮水層の位置判定方法において、
    上層が未固結状の石灰岩で、中層が固結状の石灰岩で、下層が遮水層の上下三層構造からなる地盤を先行削孔する削孔機の貫入深度における削孔軸の吊荷重値と減速機の負荷電流値とを設定時間経過毎に計測する段階と、
    前記設定時間経過毎の計測値を移動平均処理した後の前記削孔軸の吊荷重値と減速機の負荷電流値との関係をプロットする段階と、
    前記プロットした点を、前記上層の未固結状の石灰岩にかかる前記プロットした点は、領域内全体で、おおよそ負の相関関係を形成するような挙動を示すことをもとに、経時的に異なる挙動を示す領域毎に大別し、各領域の境界に位置するプロット点における、経時的に最も遅い領域へ遷移するプロット点に対応する削孔機の貫入深度を遮水層の位置と判定する段階と、からなることを特徴とする、遮水層の位置判定方法。
  3. 前記設定時間経過毎の計測値について、前記移動平均処理を行う前に、一時的な削孔軸の引き上げに伴う計測値を取り除き、削孔軸の削孔時のみの計測値を抽出するトリミング処理を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載した遮水層の位置判定方法。
  4. 前記地盤は空洞部を含み、該空洞部にかかる前記プロットした点は、領域内全体で、前記削孔軸の吊荷重値が、減速機の負荷電流値の大きさに拘わらずほぼ一定の挙動を示すことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一に記載した遮水層の位置判定方法。
JP2013160910A 2013-08-02 2013-08-02 遮水層の位置判定方法 Active JP5475175B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013160910A JP5475175B1 (ja) 2013-08-02 2013-08-02 遮水層の位置判定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013160910A JP5475175B1 (ja) 2013-08-02 2013-08-02 遮水層の位置判定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5475175B1 true JP5475175B1 (ja) 2014-04-16
JP2015031042A JP2015031042A (ja) 2015-02-16

Family

ID=50749850

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013160910A Active JP5475175B1 (ja) 2013-08-02 2013-08-02 遮水層の位置判定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5475175B1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006225940A (ja) * 2005-02-17 2006-08-31 Shiraishi Corp 石灰質地盤を支持層とする基礎の施工方法
JP2012149463A (ja) * 2011-01-21 2012-08-09 Nishimatsu Constr Co Ltd 地中削孔データ解析による基盤判定方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006225940A (ja) * 2005-02-17 2006-08-31 Shiraishi Corp 石灰質地盤を支持層とする基礎の施工方法
JP2012149463A (ja) * 2011-01-21 2012-08-09 Nishimatsu Constr Co Ltd 地中削孔データ解析による基盤判定方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN7013003273; 近藤高弘、大塚寿次、平山哲也: '地下ダム施工における基盤評価装置及び基盤評価方法の開発' 大成建設技術センター報 第45号, 2012, 63-1〜63-4, 大成建設株式会社技術センター *

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015031042A (ja) 2015-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108868805B (zh) 基于统计分析与XGboost结合的盾构纠偏方法
CN103184887B (zh) 井下巷道钻孔施工及地质信息反演方法
CN102705010A (zh) 一种工作面突出危险评价指标体系分析方法
WO2016041389A1 (zh) 一种固体充填采煤工作面充填质量评价方法
JP6911356B2 (ja) 支持層到達判定方法及び判定支援システム
CN103088805B (zh) 承压水层水位复合监测井的施工方法
JP6874378B2 (ja) 支持層到達判定方法及び判定支援システム
CN104196012B (zh) 一种基于bim的溶洞处理方法
CN105389451B (zh) 一种用于无人化采掘工作面的适时精准建模方法
NO20171557A1 (en) Draw-down pressure apparatus, systems, and methods
JP5475175B1 (ja) 遮水層の位置判定方法
CN103485716A (zh) 岩溶地质旋挖钻导孔施工方法
JP6799253B2 (ja) 地盤の掘削方法
JP5319618B2 (ja) 地山状況予測方法およびトンネル掘削方法
JP6339425B2 (ja) 削孔状態の判定方法、削孔長の算出方法、および地質の検層方法
CN111485943B (zh) 一种矿井掘进探放水辅助系统和方法
JP5616244B2 (ja) 地中削孔データ解析による基盤判定方法
CN108547574B (zh) 一种自动导向的钻井方法和系统
CN114075972A (zh) 基于随钻资料的钻井过程中动态井身结构优化设计方法
CN107423525B (zh) 一种灌注桩循环钻成孔桩长计算替代判岩方法
CN112394416A (zh) 非均质断裂控制储层预测方法及装置
CN110596760A (zh) 确定油藏开发过程中孔吼半径的方法
JP2015113562A (ja) 削孔工法
JP6868385B2 (ja) 地盤診断方法
CN117927306A (zh) 工作面顶板覆岩破坏规律动态监测方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5475175

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250