JP5473543B2 - 画像表示装置 - Google Patents

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本発明は、投射型の画像表示装置に関し、画像表示素子で表示された画像を投射レンズによってスクリーン上に拡大投射するプロジェクタに好適なものである。
投射型の画像表示装置としてのプロジェクタでは、例えばライトバルブ(画像表示素子)上に表示されたパソコン・ビデオなどの画像を投射レンズによってスクリーン上に大画面で拡大投射する。近年、パソコンやTVの高解像化に伴い、プロジェクタの高解像化及び高画質化が要望されている。プロジェクタの設置時に投射レンズの光軸がスクリーンと交わる角度を正確に垂直に調整しないと、投射時に歪がなく高解像な投影像を得ることができなくなる。
またプロジェクタにおいて、電気的なキーストン補正(台形歪の補正)では信号の解像度変換を行うため、部分的に1本の線が2重になったりして解像度が低下してくる。このため高解像でかつ歪のない高画質の投射像(スクリーン像)を得るためには、投射レンズの光軸とスクリーンの法線を正確に平行に調整し、電気的なキーストン(台形歪み)補正を行わないで投影を行うことが必要となってくる。従来より、投射レンズの光軸とスクリーンが垂直となるようにした、調整手段を有するプロジェクタが知られている(特許文献1〜3)。
特許文献1のプロジェクタでは、縦に並んだ複数の点までの距離を検出する測距装置と、横に並んだ複数の点までの距離を検出し、その検出結果から得られた距離情報に基づいて投射レンズとスクリーンの傾きを自動的に検出している。特許文献2のプロジェクタの光軸調整装置では、スクリーンの拡散特性から、プロジェクタからスクリーンに垂直に入射したときのスクリーンからの戻り光が最大になる特性を利用して、スクリーンとプロジェクタの光軸の調整を行っている。特許文献3のプロジェクタ装置では、プロジェクタの壁に対する傾き角度を検出するために2つの測距センサを同一方向に向けて配置し、それらの測距センサの距離情報の差から傾き角度を算出している。
特開2004−191221号公報 特開2001−125192号公報 特開2007−101836号公報
特許文献1のプロジェクタにおける測距装置は、一対の正レンズと、1次元ラインセンサを使用し、複数の距離情報からスクリーンの傾きを検出している。このときのスクリーンの傾きを求める演算が複雑になる傾向があった。特許文献2では、拡散特性が強く、完全拡散に近いスクリーンを使用した場合、調整精度が極端に低くなってしまい正確な調整が困難になる傾向があった。特許文献3では、2つの測距センサが同一方向を向いているため傾きに対する2つの測距センサの距離情報の差が小さくなり、僅かな傾きしか検出できなくなる傾向があった。
本発明は、簡単な構成で、投射レンズの光軸と、スクリーンの法線との傾きを精度よく検出し、調整者にわかりやすく傾き情報を伝達することができる画像表示装置の提供を目的とする。この他本発明は、投射レンズの光軸とスクリーンの法線との傾き情報を検出し、得られた傾き情報から自動的に傾き調整を行うことができる画像表装置の提供を目的とする。
本発明の画像表示装置は、画像表示素子と、該画像表示素子により表示された画像をスクリーン上に投射する投射レンズと、該スクリーン上あるいは該スクリーンと同一平面上であって、該投射レンズの光軸と直交する第1方向で該投射レンズの光軸を挟んだ2つの測距点と、該投射レンズの光軸と直交し、該第1方向と直交する第2方向において、前記2つの測距点とは位置が異なる1つの測距点を含む少なくとも3つの測距点の距離情報を各々検出する少なくとも3つの距離測定手段とを備えた画像表示装置であって、該3つの距離測定手段の光軸は、該投射レンズの光軸に対して、同じ角度だけ互いに異なる方向に傾けて配置されていることを特徴とする。
また、本発明の異なる画像表示装置は、画像表示素子と、該画像表示素子により表示された画像をスクリーン上に投射する投射レンズと、該スクリーン上あるいは該スクリーンと同一平面上であって、該投射レンズの光軸と直交する第1方向で該投射レンズの光軸を挟んだ2つの測距点と、該投射レンズの光軸と直交し、該第1方向と直交する第2方向において、前記2つの測距点とは位置が異なる1つの測距点を含む少なくとも3つの測距点の距離情報を各々検出する少なくとも3つの距離測定手段と、を備えた画像表示装置であって、該3つの距離測定手段から得られる3点の距離情報から、該投射レンズの光軸と該スクリーンの法線との傾き角度を算出する演算手段とを備え、該3つの距離測定手段の光軸は、各々該投射レンズの光軸に対して、同じ角度だけ互いに異なる方向に傾けて配置されていることを特徴とする。
また、本発明の異なる画像表示装置は、画像表示素子と、該画像表示素子により表示された画像をスクリーン上に投射する投射レンズと、該スクリーン上あるいは該スクリーンと同一平面上であって、該投射レンズの光軸と直交する第1方向で該投射レンズの光軸を挟んだ2つの測距点と、該投射レンズの光軸と直交し、該第1方向と直交する第2方向において、前記2つの測距点とは位置が異なる1つの測距点を含む3つの測距点の距離情報を各々検出する3つの距離測定手段と、を備えた画像表示装置であって、前記3つの測距点のうち1つの測距点は残りの2つの測距点を結ぶ直線とは異なる位置となるように、前記3つの距離測定手段の光軸夫々が前記投射レンズの光軸に対して互いに異なる方向に傾けられており、前記3つの距離測定手段の光軸を前記投射レンズの光軸に対して平行にした場合の3つの測距点間の距離に比べて、前記3つの測距点間の距離が長くなるように、前記距離測定手段が配置されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、投射レンズの光軸と、スクリーンの法線との傾きを精度よく検出し、調整者にわかりやすく傾き情報を伝達することができる画像表示装置が得られる。
本発明の実施例1のスクリーンと投影パターンと測距点の斜視図 本発明の実施例1の上面図 本発明の実施例1の側面図 本発明の実施例1の正面図 本発明の実施例1の測距装置の構成図 本発明の実施例1の測距装置の他の構成図 本発明の実施例1の上面図(回路ブロック図) 本発明の実施例1の上面図(回路ブロック図) 本発明の実施例2の正面図 本発明の実施例3の正面図 本発明の実施例2、3の上面図(回路ブロック図) 本発明に係るシフト機構の説明図
本発明の投射型の画像表示装置は、液晶パネル等の画像表示素子に表示された画像を投射レンズでスクリーン上に投射する。このときスクリーン上あるいはスクリーンと同一平面上であって、投射レンズの光軸と直交する第1方向(水平方向、左右方向)で投射レンズの光軸を挟んだ2点を測距点とする。更に、投射レンズの光軸と直交し、第1方向と直交する第2方向(垂直方向、上下方向)の1点の少なくとも3点を測距点とする。そして各測距装置からこの測距点までの距離情報を少なくとも3つの測距装置(距離測定手段、測距手段)で測定する。尚、3つの測距点のうち1つの測距点は、残りの2つの測距点を結ぶ直線とは異なる位置に存在する。
このとき各測距装置の光軸は、各々投射レンズの光軸に対して、同じ角度だけ異なる方向に傾けて配置されている。そして各測距装置で得られる距離情報を表示手段(表示部)に表示する。表示される情報は距離に限られず、各測距装置から得られる距離情報から、投射レンズの光軸とスクリーンの法線との傾き角度(角度情報)を演算手段(角度検出手段)で算出する。そして演算手段から出力された傾き角度を表示手段に表示しても良い。尚、第1方向を垂直方向、第2方向を水平方向として扱っても良い。
[実施例1]
図1は、投射型の画像表示装置において、スクリーンSC上の異なる3点から測距装置までの距離を3つの受動型の測距装置で測定する場合のスクリーンSC上の投影パターンIMWと、スクリーンSC上の3つの測距点を示した説明図である。まず、受動型の測距装置による測距を行うために、スクリーンSC上には、投射レンズにより、3つの測距点を検出するための投影パターンが投射される。本実施例では、図1に示した白色の投影パターンIMWと黒色の投影パターンIMBが投射される。黒色の投影パターンIMBは、投射レンズの光軸CLとスクリーンSCの交点DからスクリーンSCの上方向(第2方向)に引いた線分CLVの第1方向であって、紙面上右側に形成されている。投影パターンの投影時には、スクリーンSC上のズーミングによる不動点を投射レンズの光軸CLとスクリーンSC上の交点に一致させて投影を行う。スクリーン上の異なる3点の測距位置は、投射レンズの光軸CLとスクリーンSC上の交点Dから等距離な、上方向、右方向、左方向に設定されている。図1においてはA、B、Cが測距点となる。尚、実施例1においては、図1に示したような測距点検出パターン(エッジ検出パターン)としたが、これに限られず、第1方向、第2方向において3点が検出可能なパターンであれば良い。
そして3つの測距装置の光軸は投射レンズの光軸CLに対して、それぞれ同じ角度だけ異なる方向に傾けて配置されている。具体的に、スクリーンSCに向かって、上方向、右方向、左方向にある3つの測距装置をそれぞれDSU、DSR、DSLとする。3つの測距装置の光軸をDSRCL、DSLCL、DSUCLとすると、それぞれの光軸は、投射レンズの光軸CL上の1点Fから、スクリーンSC上の3点、A、B、Cに向かうよう配置されている。即ち、3つの測距装置の光軸は投射レンズの光軸上の一点で交差する。各測距装置の光軸上の一点で交わるように測距装置を配置することで、スクリーンSCと投射レンズの光軸CLが垂直な場合、3つの測距装置DSR、DSL、DSUの基準位置(測距装置の第1レンズ面)から各測距点までの距離を同一値になる。3つの測距装置の光軸は投射レンズの光軸CLに対して7度以上傾いている
ここで、3つの測距装置DSR、DSL、DSUの光軸DSRCL、DSLCL、DSUCLが交差する点Fを投射レンズの射出瞳の位置EよりもスクリーンSCから遠い位置になるよう、各測距装置を配置している。これは、画像表示装置の最短投影距離において、点(測距点)A、B、Cが投射範囲の内側に位置するようにするためである。こうすることで測距点は必ず投射画面の内側に位置することになり、投影距離が変化しても測距が可能である。
以上のように配置された3つの測距装置DSR、DSL、DSUからの距離情報を表示手段に直接表示するだけで、画像表示装置の傾き調整を容易に行うことが可能となる。つまり、表示部に表示された3つの距離情報それぞれを一致させるよう上下方向および左右回転方向の傾きを調整手段で調整するだけで良い。よって、3つの距離情報から複雑な演算を行わなくとも、投射レンズの光軸CLと、スクリーンSCの法線を平行に調整できるため演算回路が簡素化できる。
本発明のその他の効果として、図1のように測距装置の光軸を投射レンズの光軸CLに対してそれぞれ別方向に傾けて配置している。そして、測距装置の光軸を傾けずに配置する場合に比べ、スクリーンSC上の光軸CLから、より離れた3点A、B、Cの距離情報を測定している。これにより、スクリーンSCの法線と投射レンズの光軸CLとの傾きを高精度に検出することができる。
本発明のその他の効果として、受動型の測距装置を使用する場合、図1のようなエッジが検出可能な投影パターンIMW、IMBを投影することで、簡単なパターンでありながらズーミングによる測距誤差の発生が少ない精度の高い測距が可能となる。なぜなら、ズーミングにより投影像は、投射レンズの光軸CLを中心として大きさが変化するが、測距装置のレンズ(L1、L2、L3、L4)が配列されている方向と垂直な方向の白黒エッジパターンのエッジ位置は変化しないからである。
図2は、本発明の投射型の画像表示装置の実施例1の上面図(水平断面図)である。画像表示素子としての液晶パネルIMPにより表示された画像を投射レンズ投射PJLを介してスクリーンSC上に投影している状態を示している。投射レンズPJLの射出瞳位置Eから、スクリーンSC上で左右方向の点Jから点Hの範囲(投射範囲の第1方向)に図1の投影パターンが投影されている。投影像の右側(片側)下端の測距点Cに向けて、測距装置DSRの光軸DSRCLは投射レンズPJLの光軸CLに対して角度QR(10°)だけ傾けて配置されている。
投影像の左側(片側)下端の測距点Bに向けて、測距装置DSLの光軸DSLCLは投射レンズPJLの光軸CLに対して角度QL(10°)だけ傾けて配置されている。光軸DSRCLと光軸DSLCLは投射レンズPJLの光軸CL上の1点(光軸上の1点)である点Fで交差している。画像表示装置の筐体PJBの下部は、該筐体PJBを水平方向に回動可能な支持足LEGRを有する。更に該筐体PJBを水平方向に回動可能でかつ上下方向にも移動可能な支持足(移動手段)LEGL、該筐体PJBを水平方向には固定し、上下方向(第2方向)に移動可能な支持足(調整手段)LEGCを有する。支持足LEGCの長さを調整手段により変化させることにより、上下方向の傾きを変化させることができる。支持足LEGCを中心として、紙面と水平方向に筐体PJBを回転することにより左右方向の傾きを調整できる。
図3は、本発明の画像表示装置の実施例1の側面図(垂直断面図)である。液晶パネルIMPにより表示された画像を投射レンズPJLを介してスクリーンSC上に投影している状態を示している。投射レンズPJLの射出瞳位置Eから、スクリーンSC上の点Dから点Gの範囲に図1に示す投影パターンIMW、IMBが投影されている。投射レンズPJLの上方に配置される測距装置DSUの光軸DSUCLは、スクリーンSC上の点Aに向けて投射レンズPJLの光軸CLに対して角度QC(10°)だけ傾けて配置されている。光軸DSUCLは投射レンズPJLの光軸CL上の点Fで投射レンズの光軸CLと交差している。投射レンズPJLの光軸CL上の点Fから同じ角度だけ、上方向、右方向、左方向に測距装置DSR、DSL、DSUを、その光軸DSRCL、DSLCL、DSUCLが傾くように配置している。これにより、投射レンズPJLからスクリーンSCまでの距離が変化しても誤差の小さい距離情報が得られる。
図2、図3において、投射レンズPJLの光軸CLと測距装置DSR、DSL、DSUの光軸DSRCL、DSLCL、DSUCLは互いに異なる方向で同じ角度だけ傾けてあるので、
QR=QL=QC
となる。また投射レンズPJLの光軸CLと、スクリーンSCの法線の左右方向の傾きを求める場合には以下の式で求められる。スクリーンSCの右側の点Cの距離情報をDR、スクリーンSCの左側の点Bの距離情報をDL、測距装置の光軸と投射レンズPJLの光軸CLの傾き角度をQ(QR、QL)、右側と左側の測距装置の間隔をLAとする。このとき、図2に示した投射レンズPJLの光軸CLとスクリーンSCの左右方向の傾き角度QSRLは、以下の式で求められる。
QSRL=tan−1((DR−DL)・cosQ)/(LA+(DL+DR)・sinQ))
また投射レンズPJLの光軸CLと、スクリーンSCの法線の上下方向の傾きを求める場合には以下の式で求められる。スクリーンSC上側の点Aの距離情報をDU、スクリーンSCの右側の点Cの距離情報をDR、スクリーンSCの左側の点Bの距離情報をDLとする。測距装置の光軸と投射レンズPJLの光軸CLの傾き角度をQ(QC)、上側の測距装置DSUと投射レンズPJLの光軸CLとの間隔をLBとする。このとき、図3に示した、投射レンズPJLの光軸CLとスクリーンSCの上下方向の傾き角度QSUDは以下の式で求められる。
QSUD=tan−1((DU−(DR+DL)/2)・cosQ/(LB+DU・sinQ))
図4は本発明の画像表示装置の実施例1の正面図である。投射レンズPJLは図面上構成を省略しているが、液晶パネルIMPに対して投射レンズPJLの光軸に垂直な方向における紙面上において上下左右方向に移動可能とするシフト機構を有している。このシフト機構については後述する。画像表示装置の筐体PJB内における投射レンズPJLの上側には測距装置DSUが、紙面右側には測距装置DSLが、紙面左側には測距装置DSRが配置されている。画像表示装置の筐体PJBの下部には設置面(下面)FLに対して、上下方向傾き、左右方向傾き、左右回転方向の回転が可能なように調整手段と移動手段が構成されている。上下方向の長さが可変である支持足(調整手段)LEGC、上下方向の長さが可変でかつ設置面FLに対して水平方向に移動可能な車輪(移動手段)TYRを備えた支持足LEGRを有する。
更に設置面FLに対して水平方向に移動可能な車輪(移動手段)TYLを備えた支持足(調整手段)LEGLを有する。支持足LEGRの車輪TYRおよび支持足LEGLの車輪TYLを同時に動かすことで、支持足(調整手段)LEGCを中心として左右回転方向に回転することが可能となる。支持足LEGCの長さを変化させることにより上下方向の傾きを変化させることが可能となる。支持足LEGLの長さを変化させることにより左右方向の傾きを変化させることが可能となる。尚、図2において、調整手段TYL、TYRは画像表示装置の正面側に、LEGCは画像表示装置の後ろ側に取り付けられているが、これに限られず、調整手段LEGCを正面側に備え、TYL、TYRを後ろ側に配置しても良い。
測距装置DSU、測距装置DSL、測距装置DSRにより得られた距離情報から、スクリーンSCの法線に対する投射レンズPJLの光軸CLの傾き情報を傾き演算回路(角度演算手段)で算出する。そしてその傾き情報から、手動制御によりスクリーンSCの法線と投射レンズPJLの光軸CLが平行となるよう調整を行う。あるいは得られた傾き情報から不図示のモーターなどにより、支持足LEGC、LEGR、LEGLおよび車輪TYR、TYLを制御し、自動的にスクリーンSCの法線と投射レンズPJLの光軸CLを合わせ込んでもよい。
図5は本発明の実施例1の画像表示装置に使用される受動型の測距装置の構成を説明した要部断面図である。2つの正レンズL1、L2が基線長LH1隔てて配置されている。正レンズL1、L2の焦点面に配置された1次元ラインセンサLS1上に結像される2つの物体像の間隔BH1を検出する。そして1次元ラインセンサLS1上に結像される2つの物体像の間の距離BH1と、2つの正レンズの間隔(基線長)LH1の差から、距離情報(測距装置から測距点DSP1までの距離)を算出する。この測距装置の場合、2つの正レンズの光軸L1CL、L2CLに平行で、かつ2つの正レンズL1、L2の中間に位置する線分DSUCLを測距装置(測距測定手段)の光軸と定義する。
図6は本発明の実施例1の投射型の画像表示装置に使用可能な他の形態(能動型)の測距装置の構成を説明した断面図である。光源LEDから発せられた赤外光は正レンズL4により集光され、スクリーンSC上のある点DSP2に結像、点DSP2上に結像された光源像が正レンズL3により光位置検出素子PS1上に結像される。光源LEDから光位置検出素子PS1上の結像位置までの距離BH2と2つのレンズL3、L4の間隔LH2との差からスクリーンSC上の点DSP2までの距離を算出する。この測距装置の場合、測距装置の光軸DS1CLは光源側のレンズL4の光軸L4CLと一致している。
図7は、本発明の投射型の画像表示装置において距離情報のみを用いる場合の上面図(回路ブロック図)である。筐体PJBの上面に3つの測距装置DSR、DSL、DSUからの信号が距離演算回路1、2、3で演算され、その距離情報がそれぞれ表示される表示部(表示手段)DSPを有する。3つの測距装置DSR、DSL、DSUに基づいて距離演算回路1、2、3から出力される距離情報を距離表示部DSPに表示する。そして距離表示部DSPで見ながら3つの距離情報が一致するよう、支持足LEGL、LEGRの長さを調整するとともに支持足LEGL、LEGRの車輪を回転させて筐体PJBの上下傾きおよび左右回転傾き調整を行う。
図8は、本発明の投射型の画像表示装置において傾きを算出する場合の上面図(回路ブロック図)である。図8は図7に対して、傾き演算回路4と演算制御回路5を加えた点が異なっている。距離演算回路1、2、3から出力された距離情報から傾き演算回路4は前述した方法でスクリーンの傾き情報を算出している。演算制御回路5は、傾き演算回路4により得られた情報から、支持足LEGC、LEGR、LEGLの調整量および車輪の回転量、投射レンズPJLのシフト量を演算し制御信号を出力する。これらの傾き演算回路4および演算制御回路5により算出された各情報は表示部DSP3に表示される。
以上のように本実施例によれば、3つの測距装置から得られる3点の距離情報から、投射レンズの光軸とスクリーンの法線とを容易に一致させることができる。その他の効果として、測距装置の光軸をレンズ光軸に対して傾けることにより測距装置の光軸が投射レンズの光軸と平行な場合に比べ、より離れた測距点までの距離を測定が可能なので、より精度の高い傾き検出が可能となる。その他の効果として、3つの測距装置の光軸は、各々投射レンズの光軸に対して同じ角度だけ異なる方向に傾けて投射レンズの光軸に対して対称に配置されている。このため投射距離が変化しても3つの測距装置の測距誤差が原理的に発生しなくすることができる。本実施例においては、測距装置は3つ以上あっても良い。そして表示手段に3つ以上の測距情報を表示しても良い。
[実施例2]
図9は、本発明の投射型の画像表示装置の実施例2の正面図である。実施例1と同じ部分についての説明は割愛し、異なる部分についてのみ説明する。投射レンズPJLはシフト機構により、液晶パネルIMPに対して投射レンズPJLの光軸に垂直な方向における紙面上において上下左右方向に移動可能となっている。画像表示装置の筐体PJB内における投射レンズPJLの上側には測距装置DSUが、紙面右側には測距装置DSLが、紙面左側には測距装置DSRが配置されている。
画像表示装置の筐体PJBの下部には、設置面(下面)FLに対して、上下方向傾き、左右方向傾き、左右回転方向の回転が可能なよう構成の調整機構が設けられている。上下方向の長さが可変でかつ設置面FLに対して水平方向に移動可能な車輪(移動手段)TYCを備えた支持足LEGC2を備える。上下方向の長さが可変でかつ設置面FLに対して水平方向に移動可能な車輪(移動手段)TYRを備えた支持足LEGR、を備える。上下方向の長さが可変でかつ設置面FLに対して水平方向に移動可能な車輪TYLを備えた支持足LEGLを備える。これらの車輪TYC、TYR、TYLは移動手段の一要素を構成している。
支持足LEGRの車輪TYRおよび支持足LEGLの車輪TYLを同時に動かすことで、支持足LEGC2を中心として、左右回転方向に回転することが可能となる。支持足LEGC2の長さを変化させることにより上下方向の傾きを変化させることが可能となる。支持足LEGLの長さを変化させることにより左右方向の傾きを変化させることが可能となる。支持足LEGR、LEGL、LEGC2等は調整手段の一要素を構成している。また3つの支持足LEGC、LEGR、LEGLの車輪TYC、TYR、TYLを同時に動かすことにより画像表示装置の筐体PJBを水平方向に移動することができる。
さらに、スクリーンSC方向の投影像およびスクリーンSCおよびスクリーンSCの周辺部まで撮像可能な撮像装置(撮像手段、撮像カメラ)CAにより、スクリーンと投影像の相対的位置関係を撮像している。また、傾き演算回路は、測距装置DSU、測距装置DSL、測距装置DSRにより得られた距離情報から、スクリーンSCの法線に対する投射レンズPJLの光軸CLの傾き情報を算出している。その傾き情報と撮像装置CAからの映像情報から、前記支持足および車輪および不図示のシフト機構を制御し、スクリーン枠に対して一定の余裕幅を保った投影像を、傾きや歪みを発生させることなく投影することができるようにしている。
このように本実施例では、画像表示装置を自走させることができる。このため画像表示装置自体が最適な投射位置を探し、スクリーンSCに対して投射レンズPJLの光軸CLを垂直に調整し、スクリーン枠に合わせて最適な位置に投影像を投影することができる。尚、机など高いところに画像表示装置を設置する場合には、机からの落下防止のためセンサを設け、机の端まできた場合は停止する機能を設けてもよい。
[実施例3]
図10は、本発明の投射型の画像表示装置の実施例3の正面図である。実施例1と同じ部分についての説明は割愛し、異なる部分についてのみ説明する。投射レンズPJLはシフト機構により液晶パネルIMPに対して投射レンズPJLの光軸に垂直な方向における紙面上において上下左右方向に移動可能となっている。画像表示装置の筐体PJB内の投射レンズPJLの上側には測距装置DSUが、紙面右側には測距装置DSLが、紙面左側には測距装置DSRが配置されている。3本の支持足LEGRR、LEGCC、LEGLLは支持台D1のくぼみに設置され、支持足LEGCCおよびLEGLLは長さが可変となっており、筐体PJBを上下傾き方向および左右傾き方向に調整可能な構成の調整手段を構成している。
また、さらに伸縮可能な支柱PL1とそれを支える保持部(移動手段)PL2により、画像表示装置の筐体PJBを上下方向に移動可能としている。そして高い位置に設置されているスクリーンに対しても、キーストン補正を行わないで歪みのない投影像を投影可能としている。また支持台D2の下部に取り付けられた3本の支持足LEGR、LEGC2、LEGLの車輪(移動手段)TYR、TYC、TYLを回転させることにより、設置面FLに対して水平方向に移動可能としている。またひとつの支持足の車輪を固定とし、他の1つの車輪を回転させることにより筐体PJBを左右方向に回転するこができる。また、撮像装置CAからの情報によりスクリーンSCと投影像の位置関係を把握し、スクリーンSCに対して投影像が上下左右ほぼ一定の間隔をもって投影されるよう筐体PJBを移動させてもよい。また、投射レンズPJLを液晶パネルIMPに対して上下方向および左右方向に移動して、投影像のスクリーンに対する投影位置を移動可能とすることでスクリーン内に投影像が上下左右ほぼ一定の間隔をもって投影されるよう調節を行ってもよい。
上記構成をとることで、3つの測距装置DSU、DSR、DSLの距離情報から上記支持足の長さを調節し、スクリーンの法線と投射レンズPJLの光軸SCを平行に調整できる。さらに撮像装置CAからの情報により、スクリーンと投影像を左右上下ほぼ一定の間隔をあけた状態になるよう筐体PJBを平行移動してもよい。このように本実施例では、画像表示装置を自走させることができるので、画像表示装置自体が最適な投射位置を探し、スクリーンSCに対して投射レンズPJLの光軸CLを垂直に調整し、スクリーン枠に合わせて最適な位置に投影像を投影可能としている。画像表示装置自体が自走可能なので、他の物体に接近したときには停止するためのセンサを設けても良い。
図11は、本発明の投射型の画像表示装置の実施例2、3の上面図(回路ブロック図)である。実施例2、3は実施例1に対して、投射レンズによる投射像およびその周辺を撮像する撮像手段を有する撮像装置(カメラ)CAと演算制御回路5を加えた点が異なっている。本実施例では撮像装置CAと、傾き演算回路(演算手段)4から出力されたスクリーンの法線と投射レンズの傾き情報を用いている。これより支持足LEGC、LEGR、LEGLの調整量および、投射レンズPJLのシフト量を演算し制御信号を出力する演算制御回路5を設けている。
傾き演算回路4と撮像装置CAから得られた情報からスクリーン上に歪がなく、かつスクリーンの上下左右方向に一定の余裕幅を設けて投影像を投影するようにしている。このために、支持足LEGC2、LEGR、LEGLの長さの調整量と車輪の回転量を演算制御回路5より出力している。あるいは、傾き演算回路4と撮像装置CAから得られた情報からスクリーン上に歪がなく、かつスクリーンの上下左右方向に一定の余裕幅を設けて投影像を投影するようにしている。このために支持足LEGC2、LEGR、LEGLの長さの調整量と投射レンズPJLのシフト量を演算制御回路5より出力している。これらの各情報は表示部DSP3に表示される。このように、画像表示装置自体が最適な設置場所まで移動して、自動的に設置を行うようにすれば、画像表示装置の設置者が複雑な調整を行うことなしに歪みのない高解像の投影像を得ることができる。
図12(A)、(B)、(C)は各実施例で用いる投射レンズをシフトさせるためのシフト機構の正面図、側面図、底面図である。投射レンズPJLは支持部材6に固定され、支持部材7は支持部材6とテーパー形状で勘合されている。投射レンズPJLは支持部材6のメスねじが形成されている部分6Aでねじ部材8と勘合され、ハンドル8Aの回転により紙面左右方向に移動可能な構成となっている。7Aは支持部材7の突起部であり、中央の穴には紙面表から裏に向かって6Aのメスねじが形成されている。
ねじ部材8にはダブルナットなどで形成される固定部8B、8C、8D、8Eがあり、ねじ部材8のねじ形状の部分に対して固定されている。同様に支持部材9は、支持部材10とテーパー形状で勘合され、支持部材9のメスねじが形成されている部分9Aでねじ部材11と勘合され、ハンドル11Aの回転により紙面上下方向に移動可能な構成となっている。9Bは支持部材9の突起部であり、中央の穴には紙面表から裏に向かって9Aのメスねじが形成されている。10A、10Bは支持部材10の突起部であり、中央にはねじ部材11を通すための穴が形成されている。ねじ部材11にはダブルナットなどで形成される固定部11B、11C、11D、11Eがあり、ねじ部材11のねじ形状形成部分に対して固定されている。支持部材7と支持部材9は接着剤などで固定されている。支持部材10は不図示の投射型の画像表示装置本体に接着剤などで固定され、投射レンズPJLを投射型の画像表示装置本体に対して上下左右方向に微動調整可能な構成となっている。
本発明の画像表示装置は、1台で使用する場合にはスクリーンの法線に対して投射レンズの光軸を簡単に平行に調整可能となるため、歪みのない高解像の投影像が得られる。
また、その他の効果として本発明の画像表示装置は、スクリーンに歪みのない投影像を簡単に得ることができるので、2台以上の複数の画像表示装置を使用して、投影像をほぼ完全に重ね合わせるスタック投影の設置を容易なものとすることができる。この場合、歪曲収差の少ない投射レンズを使用すれば、レンズシフト調整と、左右方向の傾き調整と、ズーム調整により、簡単にスタック調整が可能となる。また複数の画像表示装置を使用し、複数の投影像を横並びに投影し、複数の投影像の境目を目立たなくさせる場合にも調整が容易となる。歪曲収差の少ない投射レンズを使用すれば、レンズシフト調整と、左右傾き調整と、ズーム調整により、複数の投影像の境目が目立たない調整が容易に行える。
PJBは筐体 PJLは投射レンズ DSR、DSL、DSUは測距装置 LEGR、LEGL、LEGCは支持足 TYR、TYL、TYCは車輪 IMPは元画像 1、2、3は距離演算回路 4は傾き演算回路 5は演算制御回路 DSPは距離表示部 DSP3は傾き表示部

Claims (14)

  1. 画像表示素子と、
    該画像表示素子により表示された画像をスクリーン上に投射する投射レンズと、
    該スクリーン上あるいは該スクリーンと同一平面上であって、該投射レンズの光軸と直交する第1方向で該投射レンズの光軸を挟んだ2つの測距点と、該投射レンズの光軸と直交し、該第1方向と直交する第2方向において、前記2つの測距点とは位置が異なる1つの測距点を含む少なくとも3つの測距点の距離情報を各々検出する少なくとも3つの距離測定手段とを備えた画像表示装置であって、
    該3つの距離測定手段の光軸は、該投射レンズの光軸に対して、同じ角度だけ互いに異なる方向に傾けて配置されていることを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記3つの距離測定手段で得られる距離情報を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 画像表示素子と、
    該画像表示素子により表示された画像をスクリーン上に投射する投射レンズと、
    該スクリーン上あるいは該スクリーンと同一平面上であって、該投射レンズの光軸と直交する第1方向で該投射レンズの光軸を挟んだ2つの測距点と、該投射レンズの光軸と直交し、該第1方向と直交する第2方向において、前記2つの測距点とは位置が異なる1つの測距点を含む少なくとも3つの測距点の距離情報を各々検出する少なくとも3つの距離測定手段と、を備えた画像表示装置であって、
    該3つの距離測定手段から得られる3点の距離情報から、該投射レンズの光軸と該スクリーンの法線との傾き角度を算出する演算手段とを備え、該3つの距離測定手段の光軸は、各々該投射レンズの光軸に対して、同じ角度だけ互いに異なる方向に傾けて配置されていることを特徴とする画像表示装置。
  4. 前記演算手段から出力された前記傾き角度情報を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
  5. 前記3つの距離測定手段の光軸は、前記投射レンズの光軸に対して7度以上傾いていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  6. 前記3つの距離測定手段は、該3つの距離測定手段の光軸が、前記投射レンズの光軸上の1点で交差するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  7. 前記3つの距離測定手段は、各々基線長を隔てて配置される2つのレンズと、1次元ラインセンサを有し、該2つのレンズにより結像される2つの物体像の間隔を検出することにより、前記測距点までの距離を検出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  8. 前記第2方向の測距点を測距する距離測定手段は前記第1方向に2つのレンズを備え、前記第1方向の測距点を測距する距離測定手段は第2方向に2つのレンズを備え、前記画像表示素子は、前記第1方向および前記第2方向にエッジを有するパターンを表示することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  9. 前記画像表示装置の傾きが調整可能な調整手段を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  10. 前記画像表示装置の筐体を設置する下面に対して、平行な方向に移動可能な移動手段を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  11. 前記画像表示装置の筐体を設置する下面に対して、前記第2方向の高さが調整可能な調整手段を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  12. 前記投射レンズの光軸を前記画像表示素子に対して垂直な状態で前記第1方向と前記第2方向に移動させるシフト機構を備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  13. 画像表示素子と、
    該画像表示素子により表示された画像をスクリーン上に投射する投射レンズと、
    該スクリーン上あるいは該スクリーンと同一平面上であって、該投射レンズの光軸と直交する第1方向で該投射レンズの光軸を挟んだ2つの測距点と、該投射レンズの光軸と直交し、該第1方向と直交する第2方向において、前記2つの測距点とは位置が異なる1つの測距点を含む3つの測距点の距離情報を各々検出する3つの距離測定手段と、を備えた画像表示装置であって、
    前記3つの測距点のうち1つの測距点は残りの2つの測距点を結ぶ直線とは異なる位置となるように、前記3つの距離測定手段の光軸夫々が前記投射レンズの光軸に対して互いに異なる方向に傾けられており、前記3つの距離測定手段の光軸を前記投射レンズの光軸に対して平行にした場合の3つの測距点間の距離に比べて、前記3つの測距点間の距離が長くなるように、前記距離測定手段が配置されている、ことを特徴とする画像表示装置。
  14. 前記3つの距離測定手段の光軸は、前記投射レンズの光軸に対して7度以上傾いていることを特徴とする請求項13に記載の画像表示装置。
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