JP5473104B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
他方、複数の振動素子での受信信号間の位相差を求める技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、複数の走査面の画像が重ねて表示される結果、本来の走査面に交差する方向についての穿刺針と臓器の位置関係が不明確になる問題点があった。
そこで、本発明の目的は、穿刺針が本来の走査面を外れているか否かを検知できると共に本来の走査面に交差する方向についての穿刺針と臓器の位置関係が不明確になることを防止できる超音波診断装置を提供することにある。
穿刺針によるエコー強度は非常に強いため、受信信号中の穿刺針の位置により受信信号の位相が決まる。そして、穿刺針の進行方向に交差する方向(=本来の走査面に交差する方向である。以下、交差方向と呼ぶ)に並ぶ振動素子での受信信号間の位相は、本来の走査面を外れずに穿刺針が進行した場合、交差方向の振動素子配列の中心に対して対称になる。一方、本来の走査面を外れて穿刺針が進行した場合、交差方向の振動素子配列の中心に対して非対称になる。
そこで、上記第1の観点による超音波診断装置では、交差方向に並ぶ振動素子での受信信号間の位相差を求めることにより、穿刺針が本来の走査面を外れているか否かを検知することが出来る。また、複数の走査面を重ねる必要がないから、本来の走査面に交差する方向についての穿刺針と臓器の位置関係が不明確になることを防止できる。
上記第2の観点による超音波診断装置では、穿刺針の進行方向に交差する方向に並ぶ振動素子間では遅延量に差を付けないで受信信号間の位相差を求めるので、穿刺針の進行方向に交差する方向に並ぶ振動素子での受信信号間では遅延量に左右されずに位相差を求めることが出来る。一方、穿刺針の進行方向に並ぶ振動素子間では遅延量に差を付けてもよいので、本来の走査面内で音線方向を制御可能になる。
上記第3の観点による超音波診断装置では、本来の走査面から外れて曲がった穿刺針を追うように走査面が曲がる。これにより、穿刺針が見えなくなることを防止できる。
上記第4の観点による超音波診断装置では、操作者が穿刺針の曲がりを知ることが出来るので、穿刺状況の適否を判断できる。
上記第7の観点による超音波診断装置では、操作者が穿刺針の曲がり具合を一目で知ることが出来る。
上記第6の観点による超音波診断装置では、位相差を求める深さ範囲を限定するので、演算量を少なくすることが出来る。
穿刺針は、進行するに従って深くなってゆく。そこで、上記第7の観点による超音波診断装置では、受信信号の穿刺針の進行方向に沿った方向の位置に応じて、位相差を求める深さ範囲を、深くする。これにより、深さ範囲を狭くすることが出来る。
上記第8の観点による超音波診断装置では、受信信号間の相関演算により位相差を求めることが出来る。
上記第9の観点による超音波診断装置では、穿刺針が目標を大きく外れるのを防止することが出来る。
この超音波診断装置100は、複数の振動素子が2次元配列された超音波探触子1と、超音波探触子1により走査面10を形成するように走査して音線信号を出力する送受信部2と、音線信号から超音波画像を生成する画像生成部3と、超音波画像などを表示する画像表示部4と、操作者が指示やデータを入力するための操作部5と、全体を制御する制御部6と、超音波探触子1に対する穿刺針Nの位置を規制する穿刺針ガイド7とを具備している。
交差方向Dcは、進行方向Dnに直交する方向である。
本来の走査面10’は、超音波探触子1の真下に形成される走査面10であり、遅延回路21での遅延量が交差方向Dcについて対称であるときに形成される。
穿刺針Nが曲がらずに進行した場合、穿刺針Nは本来の走査面10’内を進む。
行方向iは、音線で走査する方向であり、走査面10の方向になる。
列方向jは、走査面10の厚さと走査面10の傾きを決める方向になる。
音線方向Sk(k=1,2,…)は、走査面10を形成する多数の音線の各方向である。
深さ範囲fk(k=1,2,…)は、音線方向Skと穿刺針Nとが交差する位置を含むように各音線方向Skに設定されている深さ方向の範囲である。穿刺針Nは進行するにしたがって深くなるので、深さ範囲fkも進行方向に沿った方向に応じて深い位置へ変わって行く。
従って、交差方向に並ぶ振動素子の中心について対称な振動素子の一方の受信信号と他方の受信信号の位相差は小さな値になる。つまり、図5の場合、第1の位相差も第2の位相差も0に近い値になる。
図6の(a)の音線方向Sk(1)と穿刺針Nの相対位置および図6の(d)の音線方向Sk(4)と穿刺針Nの相対位置は、非対称になっている。また、図6の(b)の音線方向Sk(2)と穿刺針Nの相対位置と、図6の(c)の音線方向Sk(3)と穿刺針Nの相対位置とは、非対称になっている。
従って、交差方向に並ぶ振動素子の中心について対称な振動素子の一方の受信信号と他方の受信信号の位相差は、穿刺針Nが曲がらないで本来の走査面10’内を進行している場合に比較して大きな値になる。つまり、図6の場合、第1の位相差は、第1列の振動素子Ei1だけにより受信した受信信号が第4列の振動素子Ei4だけにより受信した受信信号より位相が遅れていることを表す比較的大きな値になる。また、第2の位相差は、第2列の振動素子Ei2だけにより受信した受信信号が第3列の振動素子Ei3だけにより受信した受信信号より位相が遅れていることを表す比較的大きな値になる。これにより、図6の場合、検知される穿刺針Nの位置が本来の走査面10’から外れていること、及び、列番号jの大きい側へ外れていることが判る。
本来の走査面10’から外れて曲がった穿刺針Nを追うように音線方向Skが曲がる。Lkは、合成回路22から出力される音線方向Skの音線信号を表している。
音線方向Skが曲がる結果、走査面10も曲がることになるが、これにより穿刺針Nは常に走査面10内に捉えられ、穿刺針Nの曲がりにより穿刺針Nが見えなくなることが防止される。また、走査面10が厚くならないので、走査面10に交差する方向についての穿刺針Nと臓器の位置関係が不明確になることを防止できる。
曲がり報知部64は、位相差取得部61で算出した各音線方向Skにおける位相差または遅延量調整部62で調整した各音線方向Skにおける調整量を基に穿刺針Nの曲がりを取得し、進行方向に投影した形状を表示する。
(1)穿刺針Nが本来の走査面10’を外れているか否かを検知できる。
(2)本来の走査面10’に交差する方向についての穿刺針Nと臓器の位置関係が不明確になることを防止できる。
(3)穿刺針Nの曲がりにより穿刺針Nが見えなくなることを防止できる。
2 送受信部
3 画像生成部
4 画像表示部
5 操作部
6 制御部
7 穿刺針ガイド
10 走査面
10’ 本来の走査面
21 遅延回路
22 合成回路
61 位相差取得部
62 遅延量調整部
63 曲がり報知部
100 超音波診断装置
f1,f2,…… 深さ範囲
Lk 音線
N 穿刺針
Sk 音線方向
Claims (8)
- 複数の振動素子が2次元配列された超音波探触子と、前記各振動素子での受信信号を遅延させる遅延手段と、前記遅延手段で遅延させた前記受信信号を合成する受信信号合成手段と、穿刺針が進行する予定の走査面に直交する方向に並ぶ前記振動素子での前記穿刺針の位置により決まる受信信号間の位相差を求める位相差取得手段と、走査面が穿刺針を捉えるように、前記位相差の大きさに応じた補正量だけ前記遅延手段での遅延量を調整する遅延量調整手段とを具備することを特徴とする超音波診断装置。
- 複数の振動素子が2次元配列された超音波探触子と、前記各振動素子での受信信号を遅延させる遅延手段と、前記遅延手段で遅延させた前記受信信号を合成する受信信号合成手段と、穿刺針が進行する予定の走査面に直交する方向に並ぶ前記振動素子での前記穿刺針の位置により決まる受信信号間の位相差を求める位相差取得手段と、前記位相差から前記穿刺針の曲がりを求め該曲がりを操作者に報知する曲がり報知手段とを具備することを特徴とする超音波診断装置。
- 請求項2に記載の超音波診断装置において、前記曲がり報知手段は、前記穿刺針の進行方向に沿った方向から見た穿刺針の曲がりを表示することを特徴とする超音波診断装置。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の超音波診断装置において、前記位相差取得手段は、前記遅延手段で遅延させる遅延量に前記穿刺針が進行する予定の走査面に直交する方向に並ぶ前記振動素子間では差を付けないで前記受信信号間の位相差を求めることを特徴とする超音波診断装置。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の超音波診断装置において、前記位相差取得手段は、所定の深さ範囲での位相差を求めることを特徴とする超音波診断装置。
- 請求項5に記載の超音波診断装置において、前記位相差取得手段は、前記穿刺針の進行方向に沿った方向に応じて前記深さ範囲を変えることを特徴とする超音波診断装置。
- 請求項1から請求項6のいずれかに記載の超音波診断装置において、前記位相差取得手段は、相関演算により位相差を求めることを特徴とする超音波診断装置。
- 請求項1から請求項7のいずれかに記載の超音波診断装置において、前記超音波探触子に対する前記穿刺針の位置を規制する穿刺針ガイドを具備することを特徴とする超音波診断装置。
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