JP5472999B2 - ラジアントチューブバーナ - Google Patents
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Description
このラジアントチューブバーナは、チューブ内でガスを燃焼させ、チューブ外表面からの輻射熱で、被処理物の加熱を行うものである。
そのため、U字型やW字型の鋼製のチューブを有するラジアントチューブバーナは、実用化されているものの、U字型やW字型のセラミックス製のチューブを有するラジアントチューブバーナは、殆ど実用化されていない。
このラジアントチューブバーナ100は、一端側を開口端としたラジアントチュ−ブ101を有し、このラジアントチュ−ブ101の開口端に、第1、第2の蓄熱体102a、102bを装着すると共に、第1、第2蓄熱体102a、102b間に、ラジアントチュ−ブ101内にノズルを臨ませて燃料を噴射する燃料供給パイプ103が配置されている。
前記ラジアントチュ−ブ101は、断面が図中、断面長手側寸法Hを短手側寸法Sに比較して大とした扁平な楕円形状に形成され、セラミックスにより構成されている。
このように切換弁を切り換えて、交互に燃焼用空気を第1、第2蓄熱体102a、102bを介して供給することで、燃焼が実行される。尚、図14に示すように、特許文献1では、燃焼ガスと排気ガスの一様な流れを形成するため、ラジアントチューブの中央に仕切り板104を設置したものが提案されている。
しかも、前記内管を、外管の横断面における前記扁平楕円形状の長径方向に相対向し、かつ前記長径方向に対して垂直方向に軸線が位置するように配置すると共に、前記内管の側壁(管壁)を貫通し、燃焼ガスを流出させる複数の流通穴が設けられているため、外管を均一に加熱することができ、温度の均一性を図ることができる。
その結果、外管曲面側から流出した燃焼ガスは外管の内部曲面に当たり、外管内部の雰囲気を撹拌し、外管内部の温度をより均一になすことができる。
前記外管4は、前記バーナボディ部2から下方に突出し、先端(一端)が閉塞し、他端側を開口端とされている。図1に示す縦断面図に示すように、外管4の側壁4aは直線状に形成され、先端部4bは所定の曲率半径を有する曲面形状を有している。
更に、前記外管4の開口端部にはフランジ部4dが形成され、前記フランジ部4dによって加熱炉50の外面51に取り付けられるように構成されている。
またこの内管5の側壁には、図2、図3に概略図で示されているが、内管の側壁(周壁)を貫通し、この内管5内の燃焼ガスを流出させる複数の流通穴5aが形成されている。
この複数の流通穴5aは、図2、図3に示すように、内管5の周方向に所定の間隔、例えば、45度間隔で設けられ、かつ隣接する上下の流通穴5aが軸線方向(Z方向)において重なり合わないように、所定角度(22.5度)間隔でずれながら、内管5の軸線方向(Z方向)に所定の間隔をもって設けられている。
このように、内管5の下端部側の流通穴5aの数が多く、あるいは流通穴5aの径を大きく形成した場合には、下端部側の流通穴5aからより多くの燃焼ガスが流出(噴出)するため、外管5内部の雰囲気ガスをより撹拌することができ、外管4の温度をより均一にすることができる。
これにより、外管4の鉛直方向(Z方向)において、温度のばらつきが生じることを抑制することができる。
燃焼排ガスGbは、蓄熱部8によって排熱が回収された後、外部へ排気される。このように、燃焼排ガスGbの排熱を回収することができ、エネルギー効率を向上させることができる。
また、前記バーナボディ部2には排気流路が形成され、この排気流路は、内管5と外管4との間の空間d、外管4の開口端部の近傍に設けられた蓄熱部8を介して、排気口2bに連通形成されている。
そして、ガスノズル6bから噴出された燃料ガスFは、内管5内を通過する燃焼用空気Aと混合されて燃焼し、燃焼ガスGa及び燃焼火炎を形成する。
この蓄熱部8に蓄熱された熱は、バーナボディ部2の壁面及び内管の壁面(側面)を伝熱面として、燃焼用空気Aを予熱(加温)するために用いられる。また、この蓄熱体8は2つの内管の周囲を覆っているため、30秒ごとに交互に燃焼が切り替えられた際、他方の内管5内に供給される燃焼用空気Aを予熱(加温)するために用いられる。
また、横断面形状が扁平楕円形状のセラミックスからなる外管4内に2本の内管5を設置すると共に、この内管5内部にバーナ部6を配置し、局所的な加熱を抑制しているため、外管4及び内管5の割れを抑制でき、耐久性を向上せることがきる。
しかも、前記内管5を、外管4の横断面における前記扁平楕円形状の長径方向に相対向して配置し、かつ前記長径方向に対して垂直方向に内管5の軸線を配置している。更に、前記内管5の側壁(側面)を貫通した、燃焼ガスを流出させる複数の流通穴5aが設けられているため、外管4を均一に加熱することができ、温度の均一性を図ることができる。
この第1の変形例は、前記内管5に形成された流通穴5aが、横断面形状が扁平楕円形状の外管4の短径方向Yを境にして、外管側部4cに対向した側に形成され、他方の内管5に対向した側には形成されていない。また、外管側部4c(曲面側)に対向した側に形成された複数の流通穴5aは、図6に示すように、内管5の軸線方向に所定の間隔をもって設けられている。
このように、内管5の下端部側の流通穴5aの数が多く、あるいは流通穴5aの径を大きく形成した場合には、下端部側の流通穴5aからより多くの燃焼ガスが流出(噴出)するため、外管5内部の雰囲気ガスをより撹拌することができ、外管4の温度を均一にすることができる。
この第2の変形例は、前記内管5に形成された流通穴5aが扁平楕円形状の外管4の短径方向Yを境にして、外管側部4c(曲面側)に対向した側に径方向に45度間隔で形成され、他方の内管5に対向した側には形成されていない。外管側部4c(曲面側)に対向した側に形成された複数の流通穴5aは、図9に示すように、内管5の軸線方向に所定の間隔をもって設けられている。
前記内管5に形成された流通穴5aから流出した燃焼ガスは、外管側部4c(曲面側)に当たり、外管内部の雰囲気を撹拌し、外管内部の温度を均一になすことができる。
この場合においても、前記した第1の変形例と同様に、内管5の下端部側の流通穴5aの数が多く、あるいは流通穴5aの径を大きく形成した場合には、下端部側の流通穴5aからより多くの燃焼ガスが流出(噴出)するため、外管5内部の雰囲気ガスをより撹拌することができ、外管4の温度をより均一にすることができる。
この第3の変形例は、前記内管に形成された流通穴5aは、扁平楕円形状の外管5の短径方向Yを境にして、外管側部4c(曲面側)側に対向した側の流通穴5aの総開口面積が、他方の内管5に対向した側の流通穴5aの総開口面積側より大きくなるように形成されている。
前記流通穴5aは同一の径によって形成されおり、その結果、外管側部4c(曲面側)側に対向した側の流通穴5aの総開口面積が、他方の内管5に対向した側の流通穴5aの総開口面積の3倍に形成されている。
実施例1として、図1に示す構造のラジアントチューブバーナにおいて、断面形状(長軸長さ400mm、短軸長さ130mm)、肉厚15mm、長さ2000mmの炭化珪素焼結体製の楕円形ラジアントチューブの外管4を炉内にセットし、更に図11、図12に示すような断面形状が円(外径100mm、内径80mm)、長さ1000mmの炭化珪素焼結体製の内管5を、2本セットとし、内管内に燃焼用のバーナ部6をセットした。このとき、図1に示すL1とL2との差は、150mmとした。
その結果、その表面温度差は、107℃であり、表面温度から熱応力解析で求めた熱応力は20MPaであった。
そして、同様にして、燃料供給パイプ103を点火し、燃焼量を20000kwで昇温をおこない、定常状態になったときのラジアントチュ−ブの側部(曲面部)の下端部の表面温度を測定した。
その結果、その表面温度差は、239℃であり、表面温度から熱応力解析で求めた熱応力は57MPaであった。
外管の長さ寸法L1と内管の長さ寸法L2との差については、実施例1の150mm差の場合、表面温度差が107℃であり、熱応力は20Paであった。
また、実施例1において、外管の長さ寸法L1と内管の長さ寸法L2との差を50mmの場合を比較例2とした。この比較例2の50mm差の場合、表面温度差は、232℃であり、熱応力は44Paであった。
更に、実施例1において、外管の長さ寸法L1と内管の長さ寸法L2との差を300mmの場合を実施例2とした。この実施例2の300mm差の場合、表面温度差は、150℃であり、熱応力は30MPaであった。
このように、外管の長さ寸法L1と内管の長さ寸法L2との差が50mm以下の場合、内管の先端部が外管底部に近接し、表面温度差及び熱応力が大きくなり好ましくないことが確認された。
2 バーナボディ部
2a 吸気口
2b 排気口
3 燃焼筒部
4 外管
5 内管
5a 流通穴
6 バーナ部
8 蓄熱部
Claims (3)
- 先端が閉塞し他端側を開口端とした、横断面形状が扁平楕円形状のセラミックスからなる外管と、
前記外管内に、外管の横断面における前記扁平楕円形状の長径方向に相対向し、かつ前記長径方向に対して垂直方向に軸線が位置するように配置された円筒形状のセラミックスからなる2本の内管と、
前記内管の側壁を貫通し、燃焼ガスを流出させる複数の流通穴と、
前記複数の内管内部に夫々配設されたバーナ部と、
前記内管外側であって前記外管の開口端近傍に設けられた蓄熱部と、
前記内管内部に燃焼用空気を供給する吸気口と、
前記蓄熱部を介して外管内の燃焼排ガスを排出する排気口と、を備え、
前記内管に形成された流通穴は、横断面形状が扁平楕円形状の外管の短径方向を境にして、外管曲面側に対向した側の流通穴の総開口面積が、他の内管に対向した側の流通穴の総開口面積より大きくなるように形成され、
かつ、相対向して配置された内管内のバーナ部が交互に燃焼を行うことを特徴とするラジアントチューブバーナ。 - 前記内管の先端が外管の底部から50mm以上離れていることを特徴とする請求項1に記載されたラジアントチューブバーナ。
- 前記外管及び内管が炭化珪素焼結体であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたラジアントチューブバーナ。
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