JP5472414B2 - 新規カルボン酸化合物、その用途及びその製造方法 - Google Patents
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規カルボン酸又はその塩、その製造方法、及び1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトシキ
プロパンの製造方法に関する。
ンは、麻酔薬セボフルランの原料として有用な物質である(下記特許文献1、2等参照)。セボフルランを安価に製造することは重要な課題であり、これまでに種々の方法が検討されている。
フルオロ-2-プロピルクロロメチルエーテルとした後、フッ化水素およびアミンと反応さ
せる方法が開示されている。
ンをフッ化水素でフッ素化する方法(特許文献10)等が知られている。しかしながら、前者の製法は、原料のヘキサフルオロプロピレンオキサイドが高価であるという問題がある。また、後者の方法は、生成したヘキサフルオロアセトンと塩酸との分離や、副生成物であるクロロフルオロアセトンの分離等の精製方法が複雑であり、コストが高いという問題がある。
H−オクタフルオロイソブチルメチルエーテル、以下OIMEと略称する)や、OIMEを脱HFして得られる(CF3)2C=CFOCH3(ヘプタフルオロイソブテニルメチルエーテル、以下HIMEと略記する)を原料とする方法が注目される。
炭酸する方法は副原料が安価でかつ収率が高いものの、工程数が長いという欠点を有している。
プロトン性溶媒存在下に脱炭酸させてHFIPを得る方法が開示されている。しかしながら、本発明者らが追試した結果、この方法では脱炭酸の際にCF3(HCF2)C=O(ペンタフルオロアセトン)が副生し、収率が低いことが判明した。
の製造に有用な新規化合物を提供することである。
トシキプロパンを、比較的簡単な方法によって収率良く製造することが可能となることを見出した。更に、上記脱炭酸反応の副生成物であるオレフィンについても、特定のフッ素化剤と反応させることによって目的とする1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトシキプロ
パンとすることができることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
1. 化学式(1):(CF3)2C(OCH3)COOHで表される2-メトキシ-2-トリフルオロメチル-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸又はその塩。
2. 化学式(1):(CF3)2C(OCH3)COOHで表される2-メトキシ-2-トリフルオロメチル-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸又はその塩を脱炭酸することを特徴とする、化学式(2):(CF3)2CH(OCH3)で表される1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパンの製造方法。
3. 有機溶媒の存在下に脱炭酸反応を行う上記項2に記載の1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパンの製造方法。
4. 化学式(1):(CF3)2C(OCH3)COOHで表される2-メトキシ-2-トリフルオロメチル-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸又はその塩に対して等モル以上の水と有機溶媒の存在下に脱炭酸反応を行う上記項2に記載の1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパンの製造方法。
5. 有機溶媒が、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒、ケトン系溶媒、スルホン系溶媒及びスルホキシド系溶媒からなる群から選ばれた少なくとも一種である上記項3又は4に記載の1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパンの製造方法。
6. 更に、化学式:MF・(HF)n(式中、Mは、H,Na,K又はCsであり、nは0〜2の整数である。)で表される一種又は二種以上のフッ素化剤の存在下に脱炭酸反応を行う上記項2〜5のいずれか1項に記載の1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパンの製造方法。
7. 化学式(4):CF2=C(CF3)(OCH3)で表される1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-メトキシプロペンを、化学式:MF・(HF)n(式中、Mは、H,Na,K又はCsであり、nは0〜2の整数である。)で表される一種又は二種以上のフッ素化剤と反応させることを特徴とする化学式(2):(CF3)2CH(OCH3)で表される1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパンの製造方法。
8. 一般式(3):
(CF3)2C(OH)COOR
(式中、Rは炭化水素基であり、該炭化水素基は、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれた少なくとも一種の原子を有しても良い。)で表されるヒドロキシカルボン酸エステルを、メチル化剤と反応させた後、加水分解することを特徴とする、化学式(1):(CF3)2C(OCH3)COOHで表される2-メトキシ-2-トリフルオロメチル-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸又はその塩の製造方法。
9. メチル化剤が、ジメチル硫酸、クロロメタン、ブロモメタン及びヨードメタンからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物である上記項8に記載の方法。
10. 一般式(3):
(CF3)2C(OH)COOR
(式中、Rは炭化水素基であり、該炭化水素基は、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれた少なくとも一種の原子を有しても良い。)で表されるヒドロキシカルボン酸エステルを加水分解して、化学式:(CF3)2C(OH)CO2Hで表される1,1,1−トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸又はその塩とした後、メチル化剤と反応させることを特徴とする、化学式(1):(CF3)2C(OCH3)COOHで表される2-メトキシ-2-トリフルオロメチル-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸又はその塩の製造方法。
11. メチル化剤が、ジメチル硫酸、クロロメタン、ブロモメタン及びヨードメタンからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物である上記項10に記載の方法。
な新規カルボン酸化合物及びその製造方法について記載し、次いで、該カルボン酸化合物から1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトシキプロパンを製造する方法について記載する
。
1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトシキプロパンの中間体として有用な新規カルボン
酸又はその塩は、一般式(3):(CF3)2C(OH)COOR(式中、Rは炭化水素基であり、該炭化水
素基は、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれた少なくとも一種の原子を有しても良い。)で表されるヒドロキシカルボン酸エステルを原料として製造することができる。一般式(3)で表される化合物は公知物質であり、例えば、特開2002-234860号公報等に記載されている。
キル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、ヘキシル基が好ましい。アリール基としてはフェ
ニル基、ナフチル基、ピリジル基、クロロフェニル基等が好ましい。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が好ましい。これらの内で、製造コストが安価であることからメチル基が特に好ましい。
ン(CH3Br)、ヨードメタン(CH3I)等のハロゲン化メタンの他、ジメチル硫酸やジメチル
カーボネート等を挙げることができる。
当量に対して、0.2当量〜10当量程度、好ましくは1〜2当量程度、より好ましくは1当量〜1.5当量程度とすればよい。
カリ土類金属(Mg,Ca,Ba等)の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、酸化物等が好適に使用できる。アルカリ性化合物の使用量は、一般式(3)で表されるヒドロキシカルボン酸エステル1当量に対して、0.2当量〜10当量程度、好ましくは1当量〜2当量程度、さらに好ましくは1当量〜1.5当量程度とすればよい。
(Mg,Ca,Ba等)の水酸化物、酸化物、炭酸塩等を好適に使用できる。酸触媒としては硫酸、塩酸、硝酸、燐酸等が好適に使用できる。アルカリ性化合物の使用量は、上記メチル化されたエステル化物1当量に対して0.2当量〜10当量程度、好ましくは1当量〜2当
量程度、より好ましくは1当量〜1.5当量程度とすればよく、酸触媒の使用量は、上記メチル化されたエステル化物1当量に対して、0.01当量〜10当量程度、好ましくは0.1当量〜1当量程度とすればよい。
アルカリ性化合物の存在下に加水分解を行うことによって得ることができる。Mがその他の金属原子である塩、アンモニウム塩等は、加水分解によって得られた一般式(1)で表される酸又は塩から、塩交換反応又は塩形成反応によって得ることができる。
(ii)本発明では、第二の方法として、上記一般式(3)で表されるヒドロキシカルボン酸エステルを加水分解して、化学式:(CF3)2C(OH)CO2Hで表される1,1,1−トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸又はその塩とした後、これをメチル化剤と反応させることによっても、一般式(1):(CF3)2C(OCH3)COOHで表されるカルボン酸
又はその塩を得ることができる。
の存在下に加水分解を行うことによって得ることができる。Mがその他の金属原子である塩、アンモニウム塩等は、加水分解によって得られた化学式:(CF3)2C(OH)CO2Hで表され
る1,1,1−トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸又はその塩か
ら、塩交換反応又は塩形成反応によって得ることができる。
その塩をメチル化剤と反応させることによって、一般式(1):(CF3)2C(OCH3)COOHで表
されるカルボン酸又はその塩を得ることができる。
(i)脱炭酸反応:
本発明では、上記第一方法又は第二方法で得られた化学式(1):(CF3)2C(OCH3)COOHで
表される2-メトキシ-2-トリフルオロメチル-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸又はその塩を加熱脱炭酸することによって、化学式(2):(CF3)2CH(OCH3)で表される1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトシキプロパンを得ることができる。
、水溶液の状態で加熱してもよい。水溶液として脱炭酸反応を行う場合、化学式(1)で表されるカルボン酸又はその塩の濃度は特に限定的ではないが、通常、0.1〜60mass%程度とすることができ、飽和濃度を超える量のカルボン酸又はその塩を含んでいても良い。特に、高度度とすることによって、効率良く反応を行うことができる。
化学式(5):CF3CH(OCH3)(COONa)で表される加水分解物などの生成を抑制して、目的
物である一般式(2):(CF3)2CH(OCH3)で表される1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メト
シキプロパンの収率を向上させることができる。
の濃度は、特に限定的ではないが、通常、0.01〜1mol/L程度とすればよい。
溶媒中で行う場合には、上記した通り、該塩に対して等モル以上の水を添加することが必要である。水を添加しない場合には、オレフィン化合物の選択率が高くなり、目的物の選択率が低下する。特に、上記カルボン酸塩1モルに対して1〜30モル程度の水を添加することが好ましく、5〜15モル程度の水を添加することがより好ましい。
アルコールと、目的物である化学式(2)で表される1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メ
トシキプロパンとの混合物が生成する。ROHで表されるアルコールは水洗することによっ
て目的物であるフルオロアルキルエーテルと分離することが出来るが、アルコールを含む排水が発生してコストが高くなる。このため、化学式(1)で表されるカルボン酸又はその
塩とROHで表されるアルコールとを蒸留によって分離した後に、加熱脱炭酸反応を行うこ
とが好ましい。
すぎると望ましくない副生成物の量が多くなるので好ましくない。
る群から選ばれた少なくとも一種の成分の添加が効果がある。好ましい添加剤としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、これらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル等のモノアルキルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のジアルキルエーテル等が挙げられる。
(ポリ)エチレングリコール及びそのアルキルエーテルの添加量としては、化学式(1)で
表されるカルボン酸又はその塩 1重量部に対して0〜100重量部程度、好ましくは0.001
〜10重量部程度である。上記添加剤を使用しない場合、反応時間が長くなるが反応は問題なく進行する。
時間程度あれば十分である。
キプロパンの収率をより向上させることができる。
リウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、酸性フッ化カリウム(KHF2)、酸性フッ化ナトリウム(NaHF2)等を挙げることができる。これらのフッ素化剤は、一種単独又は二種
以上混合して用いることができる。
ン酸又はその塩1当量に対して、0.01〜3当量程度とすることが好ましく、0.5〜1.2当量程度とすることがより好ましい。
される化合物を脱炭酸してHFIPを製造する方法が開示されているが、この方法では、酸性条件で脱炭酸を行ってもHCF2COCF3で表されるペンタフルオロアセトンが大量に副生して
収率が低下する。一方、本発明方法では、反応液のpHは目的物の収率に影響することがなく、酸の添加の有無にかかわらず、このようなCF3基がCF2H基となった副生成物を生じる
ことなく、高収率で脱炭酸を行うことが可能である。
一般式(2)で表される1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトシキプロパンは、化学式(4):CF2=C(CF3)(OCH3)で表される1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-メトキシプロペン(以下、「オレフィン化合物」という)を、上記した化学式:MF・(HF)n(式中、Mは、H,N a,K又はCsであり、nは0〜2の整数である。)で表される一種又は二種以上のフッ素化剤と反応させる方法によっても製造することができる。
脱炭酸反応によって一般式(2)で表される1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトシキプ
ロパンを製造する際に、副生成物として化学式(4):CF2=C(CF3)(OCH3)のオレフィン化
合物が生成する。このオレフィン化合物を化学式:MF・(HF)n(式中、Mは、H,Na,K又はCsであり、nは0〜2の整数である。)で表される一種又は二種以上のフッ素化剤と反応
させる場合には、化学式(1)で表されるカルボン酸又はその塩を原料として、トータルでの一般式(2)で表される1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトシキプロパンの収率を大
きく向上させることができる。
、有機溶媒として、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルスルホキシド等にスルホキシド系溶媒、スルホラン等のスルホン系溶媒などを用いる場合には、目的とする一般式(2)で表される1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピルエーテル化合物を高収率で得ることができる。
留、抽出などの方法で精製することができる。
として有用な、新規物質である化学式(1)で表されるカルボン酸又はその塩を高収率で得ることができる。
(i) 滴下ロート、温度計および撹拌子を有する1 L四ツ口フラスコ中に(CF3)2C(OH)CO2CH3 300 g(1.33 mol)とアセトン 300gを仕込み、氷浴下で撹拌しながらK2CO3183 g(1.33 mol)を加えた。氷浴から水浴に換え、(CH3O)2SO2 176 g(1.39 mol)を内温が30 ℃
以下となるように滴下した。1時間撹拌後、滴下ロートを冷却管に換え、還流温度まで昇
温して3時間反応させた。ガスクロマトグラフィーで分析し、(CF3)2C(OH)CO2CH3が完全に消費されていることを確認した。H2Oを加え、分液漏斗により下層の有機層を分取した後
、H2Oで2回洗浄した。得られた有機層を減圧蒸留(150 mmHg、86-88 ℃)することで、(CF3)2C(O CH3)CO2 CH3を247 g(1.03 mol)、単離収率78%で得た。
(ii) 次いで、滴下ロート、冷却管、温度計および撹拌子を有する100 mL四ツ口フラス
コ中に、(CF3)2C(O CH3)CO2 CH3 10 g(41.7 mmol)を仕込み、60 ℃で撹拌しながら、20wt% NaOH 水溶液8.34 g(41.7 mol)を滴下した。滴下終了後、60 ℃で3時間反応させた
。19F NMRで分析し、(CF3)2C(OCH3)CO2CH3が完全に消費されていることを確認した。得られた反応溶液をエバポレーションし、白色固体である(CF3)2C(O CH3)CO2Naを10.3 g得た
。得られた化合物のスペクトルデータは次の通りである。19F-NMR:-70.98ppm(CF3)
実施例2
滴下ロート、温度計および撹拌子を有する100 mL四ツ口フラスコ中に、実施例1の(i)工程で得た(CF3)2C(OCH3)CO2CH3 10 g(41.7 mmol)を仕込み、水浴下で撹拌しながら、20wt% KOH 11.7 g(41.7 mmol)を滴下した。滴下終了後、水浴下で18時間反応させた。19F NMRで分析し、(CF3)2C(O CH3)CO2CH3が完全に消費されていることを確認した。得られ
た反応溶液をエバポレーションし、白色固体である(CF3)2C(OCH3)CO2Kを11.0 g得た。得
られた化合物のスペクトルデータは次の通りである。19F-NMR:-70.64ppm(CF3)
実施例3
滴下ロート、温度計および撹拌子を有する100 mL四ツ口フラスコ中に(CF3)2C(OH)CO2CH3 51.3g(0.227mol)を仕込み、水50ml及びメタノール50mlを加えた後、40℃の温浴で加熱・撹拌下、25%KOH水溶液51g(0.227mol)をゆっくりと滴下した。水層を分取後、エバポ
レーターで濃縮してメタノール除去し、79gの (CF3)2C(OH)CO2K 水溶液を得た。
実施例4
オートクレーブ中に、予め調製しておいた(CF3)2C(OCH3)CO2K 1.5mmol / g水溶液 2.0 g(3.0 mmol)およびテトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグライム)1.7
gを仕込み、80 ℃で2時間反応させたところ、反応圧力は大気圧から 0.35MPa まで上昇
した。放冷後、残圧を放出し、トリフルオロエタノールを用いた19F NMR内部標準法で分
析したところ、(CF3)2C(OCH3)CO2K転化率は99%以上で、(CF3)2CH(OCH3)が選択率88%で得
られた。
オートクレーブ中に、予め調製しておいた(CF3)2C(OCH3)CO2Na 1.5mmol / g水溶液 2.0
g(3.0 mmol)を仕込み、pH 1となるまで5wt% H2SO4水溶液を加えた。次いで、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグライム) 1.7 gを仕込み、100 ℃で2時間
反応させたところ、反応圧力は大気圧から 0.42MPa まで上昇した。放冷後、残圧を放出
し、トリフルオロエタノールを用いた19F NMR内部標準法で分析したところ、(CF3)2C(OCH3)CO2Na転化率は99%以上で、(CF3)2CH(OCH3)が選択率90%で得られた。
10mLオートクレーブに、(CF3)2C(OCH3)CO2Na:0.79g(3.18mmol)、水0.86ml(原料に
対して15当量)、及び下記表1に示す溶媒4.14mlを加え、150℃で、3時間加熱攪拌した。冷却後、適量のペンゾトリフロリドを添加し19F-NMRにて反応収率を決定した。結果
を下記表1に示す。
で5.5時間脱炭酸反応を行った。
取り付けた。その後、攪拌しながら、オートクレーブ内圧力を大気圧まで開放した。
出した(水の流出が起きるまで)。
成物の分析を行った。結果を下記表2に示す。表2では、生成物を表1と同様の略号で表す。
HFMOP収率 :223.1mmol/292.5mmol×100 =76.3%
留分選択率(HFMOP:オレフィン) =99.8% : 0.2%
HFMOP :(オレフィン+加水分解体) = 88.0% : 12.0%
マテリアルバランス:253.6mmol/292.5mmol×100=86.7%
実施例8
出した(水の流出が起きるまで)。
成物の分析を行った。結果を下記表3に示す。
HFMOP収率 :92.6mmol/100.8mmol×100 =91.9%
留分選択率(HFMOP:オレフィン) =99.9%up : N.D.
HFMOP :(オレフィン+加水分解体) = 99.1% : 0.9%
マテリアルバランス:93.5mmol/100.8mmol×100=92.8%
実施例9
オレフィンのHF付加反応
ウム0.28g(4.77mmol)、及び下記表4に示す溶媒4.14mlを加え、150℃で3時間加熱攪拌し
た。冷却後、適量のペンゾトリフロリドを添加し19F-NMRにて反応収率を決定した。結
果を下記表4に示す。
ルピロリドン)、MeCN(アセトニトリル)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DMAc(N,N-ジメチルアセトアミド)、及びDMF(ジメチルホルムアミド)の各略号を用いる。
加熱攪拌した。冷却後、適量のペンゾトリフロリドを添加し19F-NMRにて反応収率を決
定した。結果を下記表5に示す。
Claims (1)
- 化学式(4):CF2=C(CF3)(OCH3)で表される1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-2-メトキシプロペンを、化学式:MF・(HF)n(式中、Mは、H,Na,K又はCsであり、nは0〜2の整数である。)で表される一種又は二種以上のフッ素化剤と反応させることを特徴とする化学式(2):(CF3)2CH(OCH3)で表される1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-メトキシプロパンの製造方法。
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