JP5472009B2 - 光偏向器、光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

光偏向器、光走査装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、光偏向器、光走査装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、回転する反射面を有する光偏向器、該光偏向器を有する光走査装置及び該光走査装置を備える画像形成装置に関する。
電子写真の画像記録では、レーザを光源に用いた画像形成装置が広く用いられている。この画像形成装置は、光源から射出され、光偏向器で偏向された光束で感光体ドラムの表面を走査し、感光体ドラムの表面に潜像を形成する光走査装置を備えている。
通常、光偏向器は、回転軸まわりに回転されるポリゴンミラーを有している(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。
そして、光走査装置では、ポリゴンミラーの回転に伴う発熱により、光偏向器の周辺を中心に温度が上昇し、光走査装置の筐体である光学ハウジング内に温度差を生じる。この温度上昇及び温度差は、走査レンズ、折り返しミラー等の光学部品の形状あるいは固定位置の変化要因となり、感光体ドラム表面での光スポットの位置ずれを生じ、その結果、出力画像が劣化する。
そこで、ポリゴンミラーの回転に伴う発熱に対し、冷却手段を設けた光偏向器、光走査装置が考案された(例えば、特許文献4参照)。
また、最近の画像形成装置では、消費電力を少なくして環境負荷を低減するため、トナーを低温で定着させるものが多くなっている。そこで、トナー中に分散されているワックス微粒子も低温で溶けるものが採用され、気化したワックスが光学ハウジング内に侵入し、ポリゴンミラーのミラー表面に付着することがある。
従来のポリゴンミラーでは、ミラー表面に保護膜としてSiOあるいはSiO等の無機膜が形成されており、ワックスが付着すると、反射率が低下することがあった。
そこで、ポリゴンミラーのミラー表面への異物の付着を抑制するための種々の提案がなされた(例えば、特許文献5〜特許文献7参照)。
しかしながら、特許文献5に開示されているモータを光偏向器に用いた場合、ポリゴンミラーの上方からの塵埃の侵入を防止できないという不都合があった。
また、特許文献6に開示されている光ビーム走査装置、及び特許文献7に開示されている光偏向器では、カバーとのすきまから光学ハウジング内に流入した微小な粉塵やフィルタで除去できなかったガス状の汚染物質がポリゴンミラー周辺で発生する循環流に乗ってポリゴンミラーに付着するおそれがあった。また、ポリゴンミラーの周辺で循環流が発生し、十分な外気の流入が得られず、光学ハウジング内の圧力が高まらないため、空気の排出とそれに伴う冷却効果が十分に得られなかった。
そこで、ポリゴンミラーの曇り、汚れを低減するため、集塵効率が高いフィルタを使用すると圧力損失が大きくなり、冷却効果が低下するという不都合がある。逆に冷却効果を優先すると、圧力損失の小さいフィルタを使うことになり、集塵効率が低下し、ポリゴンミラーの曇り、汚れが短期間で発生するという不都合がある。このように、外気導入による冷却手段を設けた光偏向器、光走査装置では、冷却効果とポリゴンミラーの曇り、汚れはトレードオフの関係にあった。
ところで、発明者らが詳細な検討を行ったところ、ポリゴンミラーの曇り、汚れは、一例として図27に示されるように、第2面、あるいは第3面が第1面側に回転していくとき、風を切る面(例えば、第1面の左側部分)の裏側になる部分(例えば、第2面の右側部分)を中心に発生することを見出した。
また、発明者らは、曇り、汚れの原因を解明する過程で、一例として図28に示されるように、ポリゴンミラーが回転すると、風を切る面(例えば、第1面の左側部分)で空気が外側に押し出され、その裏側(第2面の右側部分)の圧力が低下し、該圧力低下部に空気がポリゴンミラーの上下から供給されることを、ポリゴンミラー周辺の気流解析シミュレーションで明らかにした。
すなわち、ポリゴンミラーの上下の空気中に含まれる粉塵やガス状の汚染物質がポリゴンミラーの圧力低下部に集まり、反射面に付着、固化(気体から固体への昇華)することが曇り、汚れの主原因と推定できる結果を得た。
また、閉鎖された空間内に塵埃を充満させ、回転軸方向に2段に積み上げられた構成のポリゴンミラーを用いて行った汚れを加速する試験では、下段の反射面に比べ上段の反射面のほうに汚れが顕著に現れる結果を得た。この結果から、ポリゴンミラーの汚れを防止するには、ポリゴンミラーの上方から供給される塵埃を低減することが重要であることを見出した。
本発明は、上述した発明者等の得た新規知見に基づいてなされたものであり、以下の構成を有するものである。
本発明は、第1の観点からすると、複数の反射面が形成され、回転軸まわりに回転する回転部材を有する光偏向器において、前記回転部材は、前記回転軸方向の一側が前記回転軸を介して軸受に支持され、前記回転部材における他側の端面に取り付けられ、前記回転部材が回転しているときに空気中の塵埃を吸着する樹脂フィルムからなる回転シートを有することを特徴とする光偏向器である。
これによれば、反射面への異物の付着を防止することができる。
本発明は、第2の観点からすると、光によって被走査面を走査する光走査装置であって、光源と;前記光源からの光を偏向する本発明の光偏向器と;前記光偏向器で偏向された光を前記被走査面上に集光する走査光学系と;を備える光走査装置である。
これによれば、本発明の光偏向器を有しているため、高精度の光走査を行うことができる。
本発明は、第3の観点からすると、少なくとも1つの像担持体と;前記少なくとも1つの像担持体に対して画像情報に応じて変調された光を走査する少なくとも1つの本発明の光走査装置と;を備える画像形成装置である。
これによれば、本発明の光走査装置を備えているため、結果として、高品質の画像を形成することができる。
本発明の一実施形態に係るカラープリンタの概略構成を説明するための図である。 光走査装置の概略構成を説明するための図(その1)である。 光走査装置の概略構成を説明するための図(その2)である。 光走査装置の概略構成を説明するための図(その3)である。 光走査装置の概略構成を説明するための図(その4)である。 光源に含まれる面発光レーザアレイを説明するための図である。 光偏向器の回転部材と樹脂フィルムを説明するための斜視図である。 図7の縦断面図である。 図7の平面図である。 図9において樹脂フィルムを取り除いたときの図である。 軸部材を説明するための図である。 「デュオラ」の物性を説明するための図である。 軸受ハウジングを説明するための図である。 軸受ハウジングに軸部材が挿入された状態を説明するための図である。 モータを説明するための図である。 ロータ磁石の取付状態を説明するための図である。 ステータコアの取付状態を説明するための図である。 軸受ハウジングが回路基板に取り付けられている状態を説明するための図である。 回転部材のセッティングを説明するための図(その1)である。 回転部材のセッティングを説明するための図(その2)である。 光学ハウジングを説明するための図である。 図21の一部を拡大した図である。 樹脂フィルムの裏側の面に吸着した塵埃を説明するための図である。 樹脂フィルムの変形例を説明するための図である。 変形例の樹脂フィルムとポリゴンミラー12aとの関係を説明するための図である。 光偏向器の回転部材の変形例を説明するための斜視図である。 ポリゴンミラーの曇り、汚れを説明するための図(その1)である。 ポリゴンミラーの曇り、汚れを説明するための図(その2)である。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図23に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着ローラ2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信、及び公衆回線を介したデータ通信を制御する。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、プリンタ制御装置2090からのブラック画像情報に基づいて変調された光束を、帯電された感光体ドラム2030aの表面に照射し、シアン画像情報に基づいて変調された光束を、帯電された感光体ドラム2030bの表面に照射する。
また、光走査装置2010は、プリンタ制御装置2090からのマゼンタ画像情報に基づいて変調された光束を、帯電された感光体ドラム2030cの表面に照射し、イエロー画像情報に基づいて変調された光束を、帯電された感光体ドラム2030dの表面に照射する。
これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、光走査装置の構成については後述する。
トナーカートリッジ2034aにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cにはマゼンタトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033dに供給される。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次スタックされる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
光走査装置2010は、一例として図2〜図5に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、光偏向器2104、4つの走査レンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、6枚の折り返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108b、2108c)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング(図示省略)の所定位置に組み付けられている。
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
ここでは、各光源における副走査対応方向は、いずれもZ軸方向と同じ方向である。
光源2200bと光源2200cは、X軸方向に関して離れた位置に配置されている。そして、光源2200aは光源2200bの−Z側に配置されている。また、光源2200dは光源2200cの−Z側に配置されている。
各光源は、いずれも、一例として図6に示されるように、2次元的に配列された40個の発光部(ch1〜ch40)が1つの基板上に形成されている面発光レーザアレイ100を有している。
40個の発光部は、すべての発光部を副走査対応方向に伸びる仮想線上に正射影したときに、発光部間隔が等間隔dとなるように配置されている。なお、本明細書では、「発光部間隔」とは2つの発光部の中心間距離をいう。また、各発光部の発振波長は、780nm帯である。
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
開口板2202aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201aを介した光束を整形する。
開口板2202bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201bを介した光束を整形する。
開口板2202cは、開口部を有し、カップリングレンズ2201cを介した光束を整形する。
開口板2202dは、開口部を有し、カップリングレンズ2201dを介した光束を整形する。
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2202aの開口部を通過した光束を、光偏向器2104の反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2202bの開口部を通過した光束を、光偏向器2104の反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204cは、開口板2202cの開口部を通過した光束を、光偏向器2104の反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204dは、開口板2202dの開口部を通過した光束を、光偏向器2104の反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
光偏向器2104は、2段構造の4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ反射面となる。そして、1段目(下段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。この光偏向器2104の詳細については後述する。
ここでは、シリンドリカルレンズ2204a及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束は光偏向器2104の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ2204c及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束は光偏向器2104の+X側に偏向される。
走査レンズ2105a及び走査レンズ2105bは、光偏向器2104の−X側に配置され、走査レンズ2105c及び走査レンズ2105dは、光偏向器2104の+X側に配置されている。
そして、走査レンズ2105aと走査レンズ2105bはZ軸方向に積層され、走査レンズ2105aは1段目の4面鏡に対向し、走査レンズ2105bは2段目の4面鏡に対向している。また、走査レンズ2105cと走査レンズ2105dはZ軸方向に積層され、走査レンズ2105cは2段目の4面鏡に対向し、走査レンズ2105dは1段目の4面鏡に対向している。
そこで、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、走査レンズ2105a、及び折り返しミラー2106aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、光偏向器2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030a上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030aでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030aの回転方向が、感光体ドラム2030aでの「副走査方向」である。
また、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、走査レンズ2105b、及び2枚の折り返しミラー(2106b、2108b)を介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、光偏向器2104の回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030b上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030bでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030bの回転方向が、感光体ドラム2030bでの「副走査方向」である。
また、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、走査レンズ2105c、及び2枚の折り返しミラー(2106c、2108c)を介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、光偏向器2104の回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030c上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030cの回転方向が、感光体ドラム2030cでの「副走査方向」である。
また、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、走査レンズ2105d、及び折り返しミラー2106dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、光偏向器2104の回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030d上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030dでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030dの回転方向が、感光体ドラム2030dでの「副走査方向」である。
光偏向器2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、走査レンズ2105aと折り返しミラー2106aとからKステーションの走査光学系が構成されている。また、走査レンズ2105bと2枚の折り返しミラー(2106b、2108b)とからCステーションの走査光学系が構成されている。
そして、走査レンズ2105cと2枚の折り返しミラー(2106c、2108c)とからMステーションの走査光学系が構成されている。また、走査レンズ2105dと折り返しミラー2106dとからYステーションの走査光学系が構成されている。
ここで、前記光偏向器2104について説明する。この光偏向器2104は、前記2段構造の4面鏡を有する回転部材(回転部材10という)、該回転部材10の回転軸となる軸部材(軸部材15という)、該軸部材15を回転可能に保持する保持系(保持系20という)、回転部材10を回転させるモータ(モータ30という)、モータ30を駆動する駆動系(駆動系40という)、回転部材10に固定されている樹脂フィルム(樹脂フィルム60という)などを備えている。
回転部材10は、一例として図7及び図8に示されるように、−Z側端部がフランジ部13となっている。そして、フランジ部13の+Z側に、連結部を介して1段目(下段)の4面鏡としてのポリゴンミラー12bが設けられ、該ポリゴンミラー12bの+Z側に、連結部を介して2段目(上段)の4面鏡としてのポリゴンミラー12aが設けられている。また、回転部材10は、中心に、Z軸方向に延びる貫通孔を有している。なお、図8は、図7における回転部材10の中心を通る縦断面図である。
回転部材10は、アルミニウム合金の切削加工品である。特に、各ポリゴンミラーの反射面は、超精密切削加工によって形成され、透明な膜(例えば、SiOあるいはSiO等の無機膜)によって保護されている。このように、回転部材10の主要部は金属からなる導電性部材でできている。ここでは、各ポリゴンミラーの外接円の直径は、約20mmである。
回転部材10は、25000rpm(25krpm)以上の高速で回転するため、回転時の振動を小さくするために適切なバランスを高精度に維持しなければならない。そこで、回転部材10には、バランスを修正(以下では、「不釣合い修正」ともいう)するための修正部が2ヶ所(第1の修正部、第2の修正部)に設けられている。第1の修正部は、回転部材10の+Z側の面に形成されている第1凹部であり、第2の修正部は、フランジ部13に形成されている第2凹部である。第1凹部及び第2凹部の少なくとも一方に接着剤を塗布することにより不釣合い修正が行われる。なお、第1凹部への接着剤の塗布は、樹脂フィルム60が取り付けられる前に行われる。
不釣合い修正での修正量は、10mg・mm以下であることが好ましい。例えば、回転中心からの距離が10mmの位置に接着剤を塗布する場合は、接着剤の塗布量は1mg以下が好ましい。なお、接着剤の塗布による不釣合い修正が困難な場合、あるいは接着剤の塗布量が少なくて、回転時に接着剤が剥離及び飛散するおそれがある場合には、回転部材10の一部を削除する方法(例えば、ドリルによる切削、レーザ加工など)を用いても良い。
ポリゴンミラー12aとポリゴンミラー12bは、一例として図9及び図10に示されるように、Z軸方向からみたときに、頂点が重ならないように形成されている。具体的には、ポリゴンミラー12aとポリゴンミラー12bは、Z軸方向からみたときに、45°ずれている。なお、図10は、樹脂フィルム60を取り外したときの平面図である。
軸部材15は、一例として図11に示されるように、回転部材10の貫通孔に焼きばめされている。
軸部材15の素材としては、焼入れが可能で表面硬度を高くでき、耐磨耗性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼(例えば、SUS420J2)が好適である。
軸部材15の外周には、高速回転での安定性を確保するため、不図示の動圧発生溝が設けられている。
回転部材10を60krpmを超える回転速度で安定して回転させるためには、軸受損失を小さくする必要がある。そこで、軸部材15の直径は、2〜3mm程度が適切である。ここでは、軸部材15の直径を2mmとしている。
樹脂フィルム60は、ポリゴンミラー12aの+Z側の端面に取り付けられている。この樹脂フィルム60の直径は、一例として図9に示されるように、ポリゴンミラー12a及びポリゴンミラー12bに外接する円の直径より大きい。そこで、樹脂フィルム60の+Z側から回転部材10を見たときには、樹脂フィルム60でポリゴンミラーの全体が隠れることとなる。なお、樹脂フィルム60の直径は、ポリゴンミラーの外接円の直径よりも2〜4mm程度大きいことが好ましい。
樹脂フィルム60の樹脂材料としては、帯電を維持する上で、電気抵抗率が1×1012Ωm以上のものが好適である。このような樹脂材料には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリプロピレン、ポリアミド等がある。
樹脂フィルム60は、上記樹脂材料が延伸加工された樹脂フィルムである。延伸加工された樹脂フィルムは機械的な強度が大きいため、樹脂フィルム60の厚さを薄くすることができる。
ここでは、樹脂フィルム60の樹脂材料として、積水化学工業(株)社製のPET延伸シート「デュオラ」(商標出願中)を用いている。該「デュオラ」の物性値が、比較例とともに図12に示されている。「デュオラ」は、金属材料と比較しても引張強度や引張弾性率が高く、高速で回転する部品に用いる材料として好適である。また、「デュオラ」は、ガラス転移温度も、延伸加工されていないものに比べて高く、モータの発熱による温度上昇時でも変形が抑えられる。
樹脂フィルム60は、外形の直径が30mm、厚さが0.2mm、密度が1.39g/cmである。また、中心穴の直径は、軸部材15との嵌合隙間が約0.02mmとなるように設定されている。この場合、樹脂フィルム60の質量は約0.15gである。
そこで、仮に、樹脂フィルム60の中心が回転部材10の回転中心に対して0.01mmずれたとしても、不釣合い量としては1.5mg・mmである。すなわち、回転中心からの距離が10mmの位置での不釣合い質量は0.15mgである。従って、上記不釣合い修正を完了した後に、樹脂フィルム60を回転部材10に固定しても、不釣合い量として10mg・mm以下を十分確保することができる。
このように、樹脂材料は、金属材料に比べて密度(比重)が小さいため、樹脂フィルム60を取り付けても、大きな不釣合いを発生することはない。
なお、樹脂フィルム60を取り付けた後に、回転部材10の不釣合い修正を行うために、樹脂フィルム60に接着剤を塗布しても、樹脂フィルム60と接着剤との接着強度が低いため、回転による遠心力や熱応力で接着剤が剥がれる恐れがある。
樹脂フィルム60は、熱硬化型の接着剤で回転部材10に固定されている。
延伸加工された樹脂フィルムは加熱により収縮する性質がある。例えば、上記「デュオラ」の線膨張係数は−0.5×10−5[/℃]である。一方、軸部材15は加熱により外径が拡大する。例えば、上記マルテンサイト系ステンレス鋼であるSUS420J2の線膨張係数は1.0×10−5 [/℃]である。
そこで、回転部材10の外周部近傍に熱硬化型の接着剤を塗布し、その上に樹脂フィルム60をその中心穴が軸部材15に嵌合するように載置し、回転部材10と樹脂フィルム60の両方を加熱すると、軸部材15は外径が拡大し、樹脂フィルム60は中心穴が収縮する。この場合は、回転部材10の回転中心と樹脂フィルム60の中心との位置合わせと、樹脂フィルム60の固定とを同時に行うことができる。そこで、回転部材10に対する樹脂フィルム60の位置ずれを小さく抑えることができる。
ところで、回転部材10は、軸部材15と一体化された状態でポリゴンミラーの鏡面加工が行われる(例えば、特開2008−070658号公報参照)。このとき、回転部材10に樹脂フィルム60がすでに取り付けられていると、切削工具と干渉することになる。そこで、樹脂フィルム60は、ポリゴンミラーの鏡面加工後に取り付けられることになる。この場合、前述したように、樹脂フィルム60を取り付けたことによる不釣合いの発生を小さく抑えることができるので、樹脂フィルム60の取り付け後の不釣合い修正は不要である。さらに、回転中の発熱による温度上昇に対しても、不釣合いの変化、及び不釣合いによる振動を小さく抑えることができる。
なお、その他の延伸加工された樹脂フィルム(シート)の例としては、二軸延伸ポリエステル「ルミラー」(登録商標)、二軸延伸PPS「トレリナ」(登録商標)、二軸延伸ポリプロピレン「トレファン」(登録商標)(いずれも東レ(株)社製)等がある。
保持系20は、一例として図13に示されるように、軸受ハウジング21、スラスト軸受部材22、軸受部材23、シール部材24を有している。
軸受ハウジング21は、外形がZ軸方向を高さ方向とする略円柱状の部材であり、+Z側の面の中央に−Z方向に延びる穴が形成されている。そして、該穴の底面にスラスト軸受部材22が配置され、該穴の壁面に軸受部材23が配置されている。また、該穴の開口位置近傍に、シール部材24が配置されている。
軸部材15が保持系20に保持されている状態が図14に示されている。
軸受部材23は含油動圧軸受であり、軸受隙間は直径で10μm以下に設定されている。なお、前記動圧発生溝は、焼結材料からなり加工性が良好な軸受部材23の内周面に設けられている。
軸部材15のスラスト方向の軸受は、いわゆるピボット軸受であり、軸部材15の−Z側端部に形成された凸曲面とスラスト軸受部材22とが接触している。
スラスト軸受部材22には、マルテンサイト系ステンレス鋼、セラミックス、表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)処理等の硬化処理を施した金属部材及び樹脂材料等が用いられ、良好な潤滑性を有し、磨耗粉の発生を抑えている。
シール部材24は、油の流出を防止している。
モータ30は、一例として図15に示されるように、ロータ磁石31a、ステータコア31b、巻き線コイル31cを有している。
このモータ30は、ステータコア31bの外周部近傍にロータ磁石31aが配置されているアウターロータ型の直流ブラシレスモータである。ロータ磁石31aは、ステータコア31bの外周部とで回転トルクを発生し回転する。
ロータ磁石31aは、樹脂をバインダーに使用したボンド磁石であり、径方向に着磁されている。
ロータ磁石31aは、一例として図16に示されるように、フランジ部13の内面に取り付けられている。この場合は、回転部材10が高速回転しても、ロータ磁石31aが遠心力によって破壊されるのを防止できる。
ステータコア31bは、一例として図17に示されるように、軸受ハウジング21に取り付けられている。
駆動系40は、一例として図18に示されるように、回路基板41、ホール素子42、駆動IC43、コネクタ44を有している。ホール素子42、駆動IC43、コネクタ44は、回路基板41上に実装されている。
そして、回路基板41には、巻き線コイル31cと駆動IC43とを電気的に接続する配線パターン、ホール素子42と駆動IC43とを電気的に接続する配線パターン、コネクタ44と駆動IC43とを電気的に接続する配線パターンなどが形成されている。
また、回路基板41には、軸受ハウジング21が取り付けられている。
ロータ磁石31aは、Z軸方向は磁路を開放している。ホール素子42は、該開放磁路内に配置されている。
駆動IC43は、ホール素子42の出力信号を回転部材10の位置信号として参照し、巻き線コイル31cの励磁切り替えを行う。これにより、回転部材10の回転が継続される。
コネクタ44には不図示のハーネスが接続され、走査制御装置からの電力供給、モータの起動・停止、回転数等の制御信号の入出力が行われる。
回転部材10は、一例として図19及び図20に示されるように、フランジ部13の内部に保持系20及びモータ30が収容されるようになっている。
回路基板41は、例えば、金属ベースの片面プリント基板が用いられる。軸受ハウジング21が固定される穴は、金型による打ち抜き加工等により形成される。
ところで、光学ハウジングは、一例として図21に示されるように、コア筐体2300a、サブ筐体2300b、及びカバー2300cなどから構成されている。コア筐体2300a及びサブ筐体2300bは、+Z側が開放されている容器部材である。
コア筐体2300aには、光偏向器2104が収容されている。なお、コア筐体2300aの一部は、光が通過できるように透明部材でできている。サブ筐体2300bには、各光源、各偏光器前光学系、各走査光学系、及びコア筐体2300aが収容されている。サブ筐体2300bには、各感光体ドラムに向かう光束の出射窓が設けられている。カバー2300cは、サブ筐体2300bの+Z側に載置され、サブ筐体2300bの開放部を覆っている。
カバー2300cにおける光偏向器2104に対向する部分には、開口部が形成されている。そして、この開口部と光偏向器2104との間に、開口部を介して流入する外気の流れを整流する整流部材65が設けられている。
この整流部材65は、+Z側の端面がカバー2300cに固定され、−Z側の端面が光偏向器2104の樹脂フィルム60に近接して配置されている円筒状部材である。整流部材65には、外気の流路として、+Z側から−Z側に向かって略円錐状に拡がる貫通孔を有している。該貫通孔の+Z側端部には、フィルタ66が取り付けられている。整流部材65における樹脂フィルム60と対向する面は、略リング状の平面である。図22に示されるように、整流部材65の外径D3は、樹脂フィルム60の直径よりも大きい。
ここでは、フィルタ66は、シート状の静電フィルタと活性炭フィルタとを有している。
回転部材10が回転すると、各ポリゴンミラーにおける角部の風を切る面で空気が外側に押し出され、その裏側に圧力低下部(負圧部)が形成される。そして、押し出された空気を補うように、カバー2300cの開口部から外気が流れ込み、ポリゴンミラーの周辺から該圧力低下部に向かう気流が発生する。このとき、ポリゴンミラーの外接円の直径より大きな直径の樹脂フィルム60により、ポリゴンミラーの上側から圧力低下部に向かう気流は屈曲され、ポリゴンミラーの上側から圧力低下部へ流れ込む経路が長くなる。
ところで、ポリゴンミラー周辺の塵埃は、攪拌される空気や回転部材10等との摩擦により帯電する。また、樹脂フィルム60も空気や塵埃との摩擦により帯電する。そこで、気流中に含まれる塵埃は樹脂フィルム60の表面に吸着されて取り除かれる(図23参照)。その結果、ポリゴンミラーの反射面に到達する塵埃が大幅に低減される。なお、図23には、樹脂フィルム60の裏側の面(−Z側の面)に吸着された塵埃の一例が示されている。
すなわち、外気はフィルタ66及び樹脂フィルム60近傍を通ることで、塵、ガス状の汚染物質が除去され、各ポリゴンミラーの周辺には清浄化された空気が供給される。これにより、ポリゴンミラーの汚れ、部分的な反射率低下が抑制され、長寿命化を図ることができる。
サブ筐体2300bには、特別に排気口は設けられていないが、完全にシールされているものではないため、サブ筐体2300bの内側の圧力が高まると、サブ筐体2300bとカバー2300cの合わせ目のすきまから空気が外部に流出する。このとき、各ポリゴンミラーの回転に伴うモータ部及び軸受部の発熱、並びに各ポリゴンミラー自身の空気との摩擦熱により加熱された空気が外部に押し出され、相対的に温度が低い外気が各ポリゴンミラー周辺に導入される。
その結果、発熱源である光偏向器2104の冷却効果が高まるとともに、光学ハウジング内に配置された走査レンズなどの光学部品への熱の伝達量が小さくなり、光学ハウジング内における温度のばらつき及び光学部品間の温度差が小さくなる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光走査装置2010では、光偏向器2104によって本発明の光偏向器が構成されている。
以上説明したように、本実施形態に係る光偏向器2104によると、回転部材10、軸部材15、保持系20、モータ30、駆動系40、及び樹脂フィルム60などを備えている。
回転部材10が回転すると、ポリゴンミラーの角部の風を切る面で空気が外側に押し出され、その裏側に圧力低下部(負圧部)が形成され、カバー2300cの開口部から圧力低下部(負圧部)に向かって外気の流れが発生する(図21及び図28参照)。ここでは、ポリゴンミラーの外接円の直径より大きい直径の樹脂フィルム60が、カバー2300cの開口部とポリゴンミラーとの間に配置されているため、カバー2300cの開口部から流入した外気は、樹脂フィルム60の表面でその流れが屈曲され、樹脂フィルム60の表面に沿って圧力低下部(負圧部)に向かう。このとき、外気に含まれる塵埃は、樹脂フィルム60の表面に吸着される。その結果、各ポリゴンミラー周辺の空気が清浄化され、各ポリゴンミラーの反射面の汚れ、及び部分的な反射率低下を防止し、長寿命化を図ることができる。
外気に含まれる塵埃が樹脂フィルム60の表面に吸着される要因の一つとして、静電気による吸着が考えられる。ここでは、回転部材10が回転すると、ポリゴンミラー周辺の塵埃は、攪拌される空気や回転部材10等との摩擦により帯電する。そして、樹脂フィルム60も空気や塵埃との摩擦により帯電する。このとき、塵埃及び樹脂フィルム60の表面は互いに逆の極性で帯電されており、外気に含まれる塵埃は、静電気力によって樹脂フィルム60の表面に吸着される。
そこで、フィルタ66として圧力損失の小さいフィルタを使用したときに、該フィルタで補足されなかった塵埃は、樹脂フィルム60で補足することができる。
また、樹脂フィルム60は、延伸加工された樹脂フィルムで構成されており、密度(比重)が小さく薄いため、質量を小さく抑えることができる。そこで、樹脂フィルム60を取り付けても、大きな不釣合いを発生することはない。
また、樹脂フィルム60は、熱硬化型の接着剤で固定されるため、回転部材10の回転中心と樹脂フィルム60の中心との位置合わせを同時に、容易に行うことができる。
従って、光偏向器の温度上昇を抑制するとともに、反射面への異物の付着を防止することができる。
そして、本実施形態に係る光走査装置2010によると、光偏向器2104を有しているため、高精度の光走査を行うことができる。
また、本実施形態に係るカラープリンタ2000によると、光走査装置2010を備えているため、光偏向器2104を中心とする温度上昇が抑制され、光学ハウジング内の温度のばらつきが低減され、各感光体ドラム表面での光スポットの位置ずれ、色ずれを低減することができる。また、清浄化された空気流によるエアーカーテンが形成されることによって、光偏向器2104における反射面の曇り、汚染を防止できる。また、フィルタで取りきれなかった汚染物質があったとしても、回転部材10に取り付けられた樹脂フィルム60に吸着されるため、反射面が汚れたり曇ることはない。そこで、反射面の反射率の低下及びばらつきがなく、高品質の画像を形成することができる。
すなわち、走査位置のずれを低減するために冷却効率を優先し、外気中の塵埃がフィルタにより十分に除去できない場合でも、反射面の曇り、汚れを防止することができる。
また、上記実施形態において、前記樹脂フィルム60に代えて、一例として図24及び図25に示されるような樹脂フィルム61を用いても良い。
この樹脂フィルム61は、Z軸方向からみたとき、ポリゴンミラー12aよりも若干大きく、各辺がポリゴンミラー12aの4つの辺に対して同様に傾斜している正方形と、ポリゴンミラー12aの4つの角を中心とする小さな円とを重ねたような形状をしている。すなわち、樹脂フィルム61は、ポリゴンミラーの外形に相似し、その角部に張り出し部を有する略多角形状のフィルムであり、回転軸方向からみたとき、その各辺が、ポリゴンミラーの対応する辺に対して傾斜している。
そして、樹脂フィルム61の+Z側から回転部材10を見たときには、樹脂フィルム61でポリゴンミラー12aの全体が隠れる。
また、樹脂フィルム61は、Z軸方向からみたとき、ポリゴンミラー近傍の圧力低下部(負圧部)を覆う部分の大きさが大きく、風を切る角部に向かってポリゴンミラーとの大きさの差が小さくなっている。この場合は、圧力低下部(負圧部)近傍での面積が大きいため、前記樹脂フィルム60よりも吸着集塵効果を大きくすることができる。また、前記樹脂フィルム60に対する全体の面積の増加量を少なくすることができる。
なお、この場合に、樹脂フィルム61は、必ずしもポリゴンミラーの外形に略相似でなくても良い。
また、上記実施形態では、各ポリゴンミラーが反射面を4面有している場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図26に示されるように、各ポリゴンミラーが反射面を6面有していても良い。
また、上記実施形態では、ポリゴンミラーが2段構成の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ポリゴンミラーが1段構成であっても良い。
以上説明したように、本発明の光偏向器によれば、反射面への異物の付着を防止するのに適している。また、本発明の光走査装置によれば、高精度の光走査を行うのに適している。また、本発明の画像形成装置によれば、高品質の画像を形成するのに適している。
10…回転部材、12a…ポリゴンミラー、12b…ポリゴンミラー、13…フランジ部、15…軸部材、41…回路基板、60…樹脂フィルム、61…樹脂フィルム、66…フィルタ、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、2104…光偏向器、2105a,2105b,2105c,2105d…走査レンズ(走査光学系)、2200a,2200b,2200c,2200d…光源。
特開平09−127452号公報 特許第4103355号公報 特開2008−139449号公報 特開2008−33135号公報 特開2001−238392号公報 特開平1−196018号公報 特許第3192271号公報

Claims (10)

  1. 複数の反射面が形成され、回転軸まわりに回転する回転部材を有する光偏向器において、
    前記回転部材は、前記回転軸方向の一側が前記回転軸を介して軸受に支持され、
    前記回転部材における他側の端面に取り付けられ、前記回転部材が回転しているときに空気中の塵埃を吸着する樹脂フィルムからなる回転シートを有することを特徴とする光偏向器。
  2. 前記樹脂フィルムは、延伸加工された樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。
  3. 前記樹脂フィルムは、中心穴を有し、該中心穴が前記回転軸に嵌合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光偏向器。
  4. 前記樹脂フィルムは、熱硬化性の接着剤で前記回転部材に接着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光偏向器。
  5. 前記樹脂フィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、及びポリアミドのいずれかのフィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光偏向器。
  6. 光によって被走査面を走査する光走査装置であって、
    光源と;
    前記光源からの光を偏向する請求項1〜5のいずれか一項に記載の光偏向器と;
    前記光偏向器で偏向された光を前記被走査面上に集光する走査光学系と;を備える光走査装置。
  7. 前記光偏向器及び前記走査光学系は、光学ハウジング内に収容され、
    該光学ハウジングは、前記光偏向器の近傍に外気を供給するためのフィルタ付きの空気流入口を有することを特徴とする請求項6に記載の光走査装置。
  8. 少なくとも1つの像担持体と;
    前記少なくとも1つの像担持体に対して画像情報に応じて変調された光を走査する請求項6又は7に記載の光走査装置と;を備える画像形成装置。
  9. 前記少なくとも1つの像担持体に形成された潜像は、ワックス微粒子が分散されたトナーを用いて現像されることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記画像情報は多色のカラー画像情報であることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
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