以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。先ず、図1を参照して本実施形態に係るパチンコ島台1の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係るパチンコ島台1の内部を示す部分側面図である。
図1において、遊技島台としてのパチンコ島台1は、周知のように、直方体状に枠組み構成され、その長手方向両面に複数のパチンコ機(図示しない)を背向列設するようになっている。また、パチンコ島台1には、各パチンコ機に挟持されるように台間玉貸機(図示しない)が設けられており、この台間玉貸機はパチンコ機と1対1対応するように設けられていると共に、硬貨または紙幣、あるいはプリペイドカードまたは貯玉カードにより遊技媒体としてのパチンコ玉を貸し出すようになっている。
また、パチンコ島台1のほぼ中央には、揚送装置3が立設されている。本実施形態に係る揚送装置3は、帯状の搬送ベルトによってパチンコ玉を揚送するものであり、その帯状の搬送ベルトがパチンコ島台1の長手方向と直交するように配置されて下部の導入樋4aから導入したパチンコ玉を上部に研磨しながら揚送して上部の排出樋4bから上部タンク5に排出するものである。
揚送装置3の上部には、揚送されたパチンコ玉を一時的に貯留する上部タンク5が設けられ、該上部タンク5からは、各パチンコ機にパチンコ玉を供給するための補給樋6が、パチンコ島台1の長手方向端部に向かって傾斜状に設けられている。また、上部タンク5の側方には、交流樋(図示しない)が隣り合うパチンコ島台1と連結して設置されている。交流樋は、隣り合うパチンコ島台1とパチンコ玉の受け渡しを行うためのものであり、内部にシャッタが設置され、このシャッタが開くことによりパチンコ玉の受け渡しが行われ、シャッタを閉じることによりパチンコ玉の受け渡しが停止される。
しかして、揚送装置3により揚送されたパチンコ玉は、先ず上部タンク5につながる補給樋6に最優先で送られる。補給樋6及び上部タンク5にパチンコ玉が充満し、上部タンク5でオーバーフローしたパチンコ玉は、分岐箱7に送られる。分岐箱7は、送られてきたパチンコ玉を揚送装置3の側方に位置するオーバーフローダクト8a,8bに分岐して誘導するものであり、先ずオーバーフローダクト8a側に優先してパチンコ玉が誘導される。オーバーフローダクト8aに誘導されたパチンコ玉は、オーバーフローダクト8a内を落下し、パチンコ島台1の下部に位置する優先タンク9に誘導され、貯留される。優先タンク9に貯留されたパチンコ玉は、ミニコンベア18を介して貯留タンクとしての非優先タンク10に移送されるが、非優先タンク10に移送されるパチンコ玉量よりも優先タンク9に誘導されるパチンコ玉量が多い場合には、優先タンク9のパチンコ玉量が次第に増加していく。貯留されるパチンコ玉量が増加し、優先タンク9及びオーバーフローダクト8aにパチンコ玉が充満すると、次に分岐箱7でオーバーフローダクト8b側にパチンコ玉が誘導される。オーバーフローダクト8bに誘導されたパチンコ玉は、オーバーフローダクト8b内を落下し、揚送装置3を挟んで優先タンク9の反対側に位置する非優先タンク10に誘導され、貯留される。非優先タンク10に貯留されたパチンコ玉は、非優先タンク10と揚送装置3との間に設けられた入込シャッタ装置19を介して導入樋4aから揚送装置3へ導入される。
一方、補給樋6には、各パチンコ機にパチンコ玉を誘導する分配シュート11が各パチンコ機に対応して設けられている。分配シュート11により取り込まれたパチンコ玉は、分配シュート11の下方に位置する計数装置(図示しない)により玉数が計数された後、補給装置12を介してパチンコ機の背面上部に設けられた賞球タンク(図示しない)に供給され、景品玉や遊技玉として使用される。また、補給樋6の下流端には、玉抜き用分離器13が設けられており、補給樋6の下流端まで流下してきたパチンコ玉は、玉抜き用分離器13から蛇腹14を介してアウト玉回収樋15へ導出されることにより、パチンコ玉がパチンコ島台1内を循環するようになっている。この循環は、補給樋6の玉流れを良好にするために使用されるもので、主にパチンコホールの開店前にのみパチンコ玉が流されて使用される。
また、パチンコ機から排出される使用済みのパチンコ玉は、アウト玉回収ボックス16で回収された後、下方に排出される。アウト玉回収ボックス16から排出されたパチンコ玉は、パチンコ島台1の両端部からそのほぼ中央に立設される揚送装置3の下部に向けて下り傾斜状に設けられる前記アウト玉回収樋15上に落下せしめられる。
また、パチンコ機の下部には、パチンコ島台1に対してほぼ直交するように外側に向かってカウンター台(図示しない)が突設されている。該カウンター台には、玉箱(図示しない)が載置されるものであり、また、カウンター台の下方には、パチンコ島台1の下部外観を構成する腰板(図示しない)がパチンコ島台1に対して着脱自在に設置されている。この腰板に対応する位置のパチンコ島台1内部には、アウト玉回収樋15が位置しているため、腰板を取り外すことにより、アウト玉回収樋15のメンテナンスや玉詰まり等のトラブルに対する処置を容易に行うことができる。
なお、アウト玉回収樋15は、アウト玉回収ボックス16から排出されたパチンコ玉,玉抜き用分離器13から蛇腹14を介して導出されたパチンコ玉及びパチンコ島台1の島端に設置された玉計数器17から返却されるパチンコ玉をまとめて回収するものであり、簀の子状の誘導レールがパチンコ島台1の中央に長手方向に沿って敷設することにより構成されている。このアウト玉回収樋15は、簀の子状の誘導レールに限らず、ベルトコンベア等により構成されるものであってもよい。
パチンコ島台1の長手方向端部の上方には、揚送装置3等のパチンコ島台1内に設置される複数の装置の状態を表示する島端表示パネル30が設置されており、上部タンク5の表面上方には、パチンコ島台1内のパチンコ玉がオーバーフロー状態であるとき等に点灯する循環異常報知手段としてのフラッシュランプ31が設置されている。また、パチンコ島台1の内部であって、揚送装置3の右側方に設置されるパチンコ機の上方には、揚送装置3を稼動するための電源ユニット32が、揚送装置3の左側方に設置されるパチンコ機の上方には、パチンコ島台1毎に設けられる揚送装置3等の各種装置を制御するための揚送装置制御基板33(島台装置制御手段、揚送装置制御手段、揚送装置監視手段、流通状態監視手段、報知制御手段、判定手段)が設置されている。また、左側方に設置されるパチンコ機の側方には、揚送装置3等のパチンコ島台1内に設置される複数の装置を制御するためのスイッチパネル35が設置されている。
以上、パチンコ島台1の概略構成について説明してきたが、次に、図2を参照して、上記した一括操作パネル40及び揚送装置制御基板33について説明する。図2は、一括操作パネル40及び揚送装置制御基板33を示すブロック図である。
図2において、一括信号出力手段としての一括操作パネル40には、分岐端子板34を介して各パチンコ島台1(同図中には、4台の遊技島A〜Dと記載)毎の揚送装置制御基板33が接続されている。一括操作パネル40は、パチンコホール内の事務所等に1つ設置されるものであり、パチンコホールの全てのパチンコ島台1内に設置される揚送装置3等(具体的には、揚送装置制御基板33に接続される揚送装置3、入込シャッタ装置19、自動巻取装置20、フラッシュランプ31、ヒータ装置21、玉抜き用分離器13、島端表示パネル30、及びスイッチパネル35)に対して一括して稼動又は停止を指示する信号(揚送機稼動・停止信号、玉抜き稼動・停止信号、ヒータ稼動・停止信号、布ベルト稼動・停止信号)を出力するものである。また、一括操作パネル40から分岐端子板34を介して各パチンコ島台1の揚送装置制御基板33に出力される信号としては、後で詳述する確認信号がある(確認信号出力手段)。また、一括操作パネル40には、パチンコ島台1毎に設けられる揚送装置3等の各種装置の稼動及び停止を一括して制御するためのON/OFFスイッチである一括操作スイッチ(図示しない)が設けられ、該一括操作スイッチが本発明に係る一括操作手段を構成している。
一方、揚送装置制御基板33には、電源ユニット32を介して揚送装置3が接続されると共に、入込シャッタ装置19、自動巻取装置20、フラッシュランプ31、ヒータ装置21、玉抜き用分離器13(同図中には、玉抜き装置と記載)、島端表示パネル30、及びスイッチパネル35が接続され、さらには、揚送装置3に設けられる各種センサ(ガイド開放センサ22、玉通過センサ23、揚送モータ回転センサ24、揚送ベルト回転センサ25、上部プーリ回転センサ26、Vベルト回転センサ27、逆流防止センサ28)が接続されている。なお、図示しないが、揚送装置制御基板33は、各種の制御処理を行うCPU、該CPUで実行される各種制御プログラムやデータ等を記憶するROM、CPUの動作に必要な一定周期のパルス信号を出力するクロック、及び各種信号の入出力を行う入出力ポートを備えている。
次に、上記した揚送装置制御基板33による揚送装置制御処理について図3乃至図10を参照して説明する。図3は、揚送装置制御基板33による揚送装置制御処理を示すフローチャートである。図4は、揚送装置制御処理のオーバーロード処理を示すフローチャートである。図5は、揚送装置制御処理のオーバフロー処理を示すフローチャートである。図6は、揚送装置制御処理の断線処理を示すフローチャートである。図7は、揚送装置制御処理の入込シャッタ状態確認処理を示すフローチャートである。図8は、揚送装置制御処理の手動制御処理を示すフローチャートである。図9は、揚送装置制御処理の自動制御処理を示すフローチャートである。図10は、揚送装置制御処理の監視処理を示すフローチャートである。
図3に示す揚送装置制御処理において、揚送装置制御基板33は、オーバーロード処理(ステップS1)、オーバーフロー処理(ステップS2)、断線処理(ステップS3)、入込シャッタ状態確認処理(ステップS4)、手動制御処理(ステップS5)、自動制御処理(ステップS6)、及び監視処理(ステップS7)を順次行う。ステップS1のオーバーロード処理では、図4に示すように、先ず、過負荷信号の有無を判別する(ステップS11)。過負荷信号とは、揚送装置3の図示しないブレーカがオーバーロードした際に発生する信号である。ステップS11で過負荷信号がないときは、そのままオーバーロード処理を終了する一方、過負荷信号があるときは、フラッシュランプ31を点灯する出力信号をONにすると共に(ステップS12)、オーバーロードの(過負荷による異常が発生した旨を示す)出力信号をONにする(ステップS13)。次いで、揚送装置3が稼動中である旨を示す出力信号をOFFにすると共に(ステップS14)、揚送装置3を稼動する出力信号をOFFにして揚送装置3を停止する(ステップS15)。そして、入込シャッタ装置19を閉鎖することで、揚送装置3へのパチンコ玉の導入を停止した後に(ステップS16)、揚送装置3の稼動フラグを停止状態にセットして(ステップS17)、オーバーロード処理を終了する。
ステップS2のオーバーフロー処理では、図5に示すように、先ず、逆流防止センサ28がONしているか否かを判別する(ステップS21)。逆流防止センサ28は、揚送装置3へのパチンコ玉の逆流の有無を検出するためのセンサである。ステップS21で逆流防止センサ28がOFFのときは、そのままオーバーフロー処理を終了する一方、逆流防止センサ28がONのときは、その逆流防止センサ28のON信号の入力が2秒以上あるか否かを判別する(ステップS22)。ステップS22で逆流防止センサ28のON信号の入力が2秒未満のときは、前記ステップS21へ戻る一方、逆流防止センサ28のON信号の入力が2秒以上あるときは、フラッシュランプ31を点灯する出力信号をONにすると共に(ステップS23)、オーバーフローの(逆流による異常が発生した旨を示す)出力信号をONにする(ステップS24)。次いで、揚送装置3が稼動中である旨を示す出力信号をOFFにすると共に(ステップS25)、入込シャッタ装置19を閉鎖することで、揚送装置3へのパチンコ玉の導入を停止する(ステップS26)。そして、10秒間の待機状態を設けた後に(ステップS27)、揚送装置3を稼動する出力信号をOFFにして揚送装置3を停止すると共に(ステップS28)、揚送装置3の稼動フラグを停止状態にセットして(ステップS29)、オーバーフロー処理を終了する。
ステップS3の断線処理では、図6に示すように、先ず、逆流防止センサ28が断線しているか否かを判別する(ステップS31)。ステップS31で逆流防止センサ28が断線していないときは、そのまま断線処理を終了する一方、逆流防止センサ28が断線しているときは、断線の(断線による異常が発生した旨を示す)出力信号をONにして(ステップS32)、断線処理を終了する。
ステップS4の入込シャッタ状態確認処理では、図7に示すように、先ず、揚送装置3の稼動フラグに稼動状態がセットされているか否かを判別する(ステップS41)。ステップS41で稼動フラグに稼動状態がセットされているときは、入込シャッタ装置19の開放状態を示す入力信号がONであるか否かを判別する(ステップS42)。ステップS42で入込シャッタ装置19の開放状態を示す入力信号がONのときは、入込シャッタ装置19の開閉異常を示す出力信号をOFFにして(ステップS43)、入込シャッタ状態確認処理を終了する。一方、ステップS42で入込シャッタ装置19の開放状態を示す入力信号がOFFのとき、即ち、揚送装置3が稼動中であるにも拘らず、入込シャッタ装置19が閉鎖しているときは、入込シャッタ装置19の開閉異常を示す出力信号をONにして(ステップS44)、入込シャッタ状態確認処理を終了する。一方、前記ステップS41で稼動フラグに稼動状態がセットされていないとき、即ち、稼動フラグに停止状態がセットされているときは、入込シャッタ装置19の閉鎖状態を示す入力信号がOFFであるか否かを判別する(ステップS45)。ステップS45で入込シャッタ装置19の閉鎖状態を示す入力信号がOFFのときは、前記ステップS44へ移行して入込シャッタ装置19の開閉異常を示す出力信号をONにして、入込シャッタ状態確認処理を終了する。一方、ステップS45で入込シャッタ装置19の閉鎖状態を示す入力信号がONのとき、即ち、揚送装置3が停止中であり且つ入込シャッタ装置19が閉鎖しているときは、入込シャッタ装置19の開閉異常を示す出力信号をOFFにして(ステップS46)、入込シャッタ状態確認処理を終了する。
ステップS5の手動制御処理では、図8に示すように、先ず、入込シャッタ装置19の開閉操作が手動操作に切り換えられているか否かを判別する(ステップS51)。入込シャッタ装置19の開閉操作は、揚送装置制御基板33に設けられる切換スイッチ33a(図1参照)によって自動操作と手動操作とに切り換えが可能となっている。ステップS51で入込シャッタ装置19の開閉操作が手動操作ではなく自動操作になっているときは、そのまま手動制御処理を終了する一方、入込シャッタ装置19の開閉操作が手動操作のときは、揚送装置制御基板33に設けられる入込開放スイッチ33b(図1参照)がONしているか否かを判別する(ステップS52)。ステップS52で入込開放スイッチ33bがONのときは、入込シャッタ装置19を開放して揚送装置3へパチンコ玉を導入した後に(ステップS53)、ステップS55へ移行する。一方、入込開放スイッチ33bがOFFのときは、入込シャッタ装置19を閉鎖して揚送装置3へのパチンコ玉の導入を停止した後に(ステップS54)、ステップS55へ移行する。
ステップS55では、揚送装置制御基板33に設けられる揚送稼動スイッチ33c(図1参照)がONしているか否かを判別する。ステップS55で揚送稼動スイッチ33cがONのときは、揚送装置3を稼動する(ステップS56)。そして、揚送装置3の稼動フラグを稼動状態にセットすると共に(ステップS57)、揚送装置3が稼動中である旨を示す出力信号をONにして(ステップS58)、手動制御処理を終了する。一方、ステップS55で揚送稼動スイッチ33cがOFFのときは、揚送装置制御基板33に設けられる揚送停止スイッチ33d(図1参照)がONしているか否かを判別する(ステップS59)。ステップS59で揚送停止スイッチ33dがOFFのときは、そのまま手動制御処理を終了する一方、揚送停止スイッチ33dがONのときは、揚送装置3を停止する(ステップS60)。そして、揚送装置3の稼動フラグを停止状態にセットすると共に(ステップS61)、揚送装置3が稼動中である旨を示す出力信号をOFFにして(ステップS62)、手動制御処理を終了する。
ステップS6の自動制御処理では、図9に示すように、先ず、入込シャッタ装置19の開閉操作が自動操作に切り換えられているか否かを判別する(ステップS71)。ステップS71で入込シャッタ装置19の開閉操作が自動操作ではなく手動操作になっているときは、そのまま自動制御処理を終了する一方、入込シャッタ装置19の開閉操作が自動操作のときは、一括操作パネル40からの揚送稼動信号の入力があるか否かを判別する(ステップS72)。ステップS72で揚送稼動信号の入力があるときは、揚送装置3を稼動する(ステップS73:揚送装置制御手段)。次いで、揚送装置3の稼動フラグを稼動状態にセットすると共に(ステップS74)、揚送装置3が稼動中である旨を示す出力信号をONにする(ステップS75)。そして、10秒間の待機状態を設けた後に(ステップS76)、入込シャッタ装置19を開放して揚送装置3へパチンコ玉を導入して(ステップS77)、自動制御処理を終了する。一方、ステップS72で揚送稼動信号の入力がないときは、一括操作パネル40からの揚送停止信号の入力があるか否かを判別する(ステップS78)。ステップS78で揚送停止信号の入力がないときは、そのまま自動制御処理を終了する一方、揚送停止信号の入力があるときは、入込シャッタ装置19を閉鎖して揚送装置3へのパチンコ玉の導入を停止する(ステップS79)。次いで、10秒間の待機状態を設けた後に(ステップS80)、揚送装置3を停止する(ステップS81:揚送装置制御手段)。そして、揚送装置3の稼動フラグを停止状態にセットすると共に(ステップS82)、揚送装置3が稼動中である旨を示す出力信号をOFFにして(ステップS83)、自動制御処理を終了する。
ステップS7の監視処理(報知制御手段、判定手段)では、図10に示すように、先ず、一括操作パネル40からの確認信号の入力があるか否かを判別する(ステップS91)。確認信号は、適度なON/OFF状態(具体的には、200msのONと100msのOFF)となる信号波形を有して、一括操作パネル40から各種パチンコ島台1(揚送装置制御基板33)へ出力されるパチンコ島台1監視用の信号であり、一括操作パネル40側の判定に基づいて前述した一括操作スイッチがONされていることを判断すると、各種パチンコ島台1の揚送装置制御基板33に向けて確認信号が出力されるようになっている。これにより、冬場等で一括操作パネル40と各種パチンコ島台1(揚送装置制御基板33)とを接続する通信線にノイズが乗るような場合でも、揚送装置制御基板33は、一括操作パネル40側から送られる確認信号を複数回検出したときに1つの信号として認識できるようになっている。なお、通信線にノイズが乗る要因としては、パチンコ島台1の内部の狭小空間で、遊技機用配線や各種装置用配線等、複数の異なる様々な配線が入り乱れて狭い配線設置領域に配置されることで、動力配線からのノイズが通信線に乗りやすくなること等が挙げられる。
ステップS91で確認信号の入力がないときは、そのまま監視処理を終了する一方、監視信号の入力があるときは、次に、入込シャッタ装置19の開閉操作が自動操作に切り換えられているか否かを判別する(ステップS92)。ステップS92で入込シャッタ装置19の開閉操作が自動操作ではなく手動操作のときは、フラッシュランプ31を消灯した後に(ステップS93)、パチンコ島台1内のパチンコ玉の循環が正常であることを示すように島台玉循環フラグをONにして(ステップS94)、監視処理を終了する。一方、ステップS92で入込シャッタ装置19の開閉操作が自動操作のときは、オーバーロード(OL)又はオーバーフロー(OF)を解除してから40秒が経過したか否かを判別する(ステップS95)。ステップS95で40秒が経過していないときは、そのまま監視処理を終了する一方、40秒が経過しているときは、揚送装置稼動フラグが停止状態であるか否かを判別する(ステップS96:揚送装置監視手段)。
ステップS96で揚送装置稼動フラグが停止状態のときは、フラッシュランプ31を点灯する(ステップS97)。次いで、パチンコ島台1内のパチンコ玉の循環が異常であることを示すように島台玉循環フラグをOFFにして(ステップS98)、揚送装置3が稼動中である旨を示す出力信号をOFFにする(ステップS99)。そして、入込シャッタ装置19の開閉異常を示す出力信号をOFFにした後に(ステップS100)、オーバーフロー(逆流防止センサ28)の断線を示す出力信号をOFFにして(ステップS101)、監視処理を終了する。一方、ステップS96で揚送装置稼動フラグが停止状態ではなく稼動状態のときは、入込シャッタ装置19が閉鎖しているか否かを判別する(ステップS102:流通状態監視手段)。ステップS102で入込シャッタ装置19が閉鎖しているときは、そのまま前記ステップS97へ移行する一方、入込シャッタ装置19が開放しているときは、フラッシュランプ31を消灯した後に(ステップS103)、パチンコ島台1内のパチンコ玉の循環が正常であることを示すように島台玉循環フラグをONにして(ステップS104)、監視処理を終了する。
次に、上記した監視処理に基づくフラッシュランプ31の点灯・消灯態様について、図11を参照して説明する。図11は、一括操作パネル40の操作状態、揚送装置3の稼動状態、及び入込シャッタ装置19の開閉状態に応じたフラッシュランプ31の点灯・消灯態様を示す一覧表図である。
図11において、一括操作パネル40(一括操作スイッチ)の操作状態がONとなる場合(一括操作パネル40が一括操作スイッチのON状態を判断して揚送装置制御基板33に確認信号を出力した場合)、フラッシュランプ31の点灯・消灯態様はパターン1〜4の4種類となり、一括操作パネル40(一括操作スイッチ)の操作状態がOFFとなる場合(一括操作パネル40が一括操作スイッチのOFF状態を判断して揚送装置制御基板33に確認信号を出力しない場合)では、フラッシュランプ31の点灯・消灯態様はパターン5〜8の4種類となる。パターン1は、揚送装置稼動フラグ(揚送装置3)が稼動状態となり、且つ、入込シャッタ装置19が開放状態となるパターンであり、前記ステップS96で「NO」を判定した後に前記ステップS102で「NO」を判定して、前記ステップS103へ移行することで、パチンコ玉の循環が正常であると判断してフラッシュランプ31を消灯(OFF)する態様である。パターン2は、揚送装置稼動フラグ(揚送装置3)が稼動状態となり、且つ、入込シャッタ装置19が閉鎖状態となるパターンであり、前記ステップS96で「NO」を判定した後に前記ステップS102で「YES」を判定して、前記ステップS97へ移行することで、パチンコ玉の循環が異常であると判断してフラッシュランプ31を点灯(ON)する態様である。
パターン3は、揚送装置稼動フラグ(揚送装置3)が停止状態となり、且つ、入込シャッタ装置19が開放状態となるパターンであり、また、パターン4は、揚送装置稼動フラグ(揚送装置3)が停止状態となり、且つ、入込シャッタ装置19が閉鎖状態となるパターンであり、それぞれ前記ステップS96で「YES」を判定して、前記ステップS97へ移行することで、パチンコ玉の循環が異常であると判断してフラッシュランプ31を点灯(ON)する態様である。一方、パターン5〜8は、それぞれ一括操作パネル40が一括操作スイッチのOFF状態を判断して揚送装置制御基板33に確認信号が出力されないため、前記ステップS91で「NO」を判定してそのまま監視処理を終了することで、とりわけフラッシュランプ31の点灯・消灯制御を行うことなくフラッシュランプ31の消灯(OFF)状態を維持する態様である。即ち、パターン5〜8は、一括操作スイッチがONされない通常営業以外の状態であり、メンテナンス等により個々のパチンコ島台1毎で揚送装置3や入込シャッタ装置19が駆動される際のパターンである。なお、この場合は、緊急性を要する報知が不要であり、フラッシュランプ31の報知に換えてスイッチパネル35や島端表示パネル30の点灯・消灯態様で異常・正常の報知が行われる。
次に、揚送装置制御基板を専用の制御基板(揚送装置3、入込シャッタ装置19、及びフラッシュランプ31のみを専用に制御する基板)とした構成を他の実施形態として、図12を参照して説明する。図12は、他の実施形態における一括操作パネル40及び揚送装置制御基板51を示すブロック図である。なお、以下の説明では、前述した実施形態と同様の機能を有する構成については便宜的に同一の符号を付すと共にその詳細な説明を省略する。
図12において、一括操作パネル40には、分岐端子板34を介して各パチンコ島台1(遊技島A〜D)毎の各島制御基板50が接続されている。そして、一括操作パネル40は、パチンコ島台1内に設置される揚送装置3等の各種装置に対して一括して稼動又は停止を指示する信号(揚送機稼動・停止信号、玉抜き稼動・停止信号、ヒータ稼動・停止信号、布ベルト稼動・停止信号)を分岐端子板34を介して各パチンコ島台1の各島制御基板50に出力する。なお、各島制御基板50は、一括操作パネル40から各種の稼動・停止信号を入力すると、これに基づいたコマンド信号を後述する揚送装置制御基板51、自動巻取制御基板52、ヒータ制御基板53、玉抜き制御基板54、島端表示パネル30、及びスイッチパネル35に出力する。また、一括操作パネル40から分岐端子板34を介して各パチンコ島台1の各島制御基板50に出力される信号としては確認信号がある。
各島制御基板50には、揚送装置制御基板51、自動巻取制御基板52、ヒータ制御基板53、及び玉抜き制御基板54が接続されると共に、島端表示パネル30とスイッチパネル35とが接続されている。揚送装置制御基板51には、電源ユニット32を介して揚送装置3が接続されると共に、入込シャッタ装置19(同図中には、導入樋開閉装置と記載)、逆流防止センサ28とフラッシュランプ31とが接続されている。また、自動巻取制御基板52には、自動巻取装置20が接続されており、ヒータ制御基板53には、ヒータ装置21が接続されており、玉抜き制御基板54には、玉抜き用分離器13(同図中には、玉抜き装置と記載)が接続されている。そして、揚送装置制御基板51は、逆流防止センサ28からの検出信号を入力する一方、各島制御基板50から前述したコマンド信号を入力することで、揚送装置3、入込シャッタ装置19、及びフラッシュランプ31へ制御信号を出力して、揚送装置3の稼動・停止、入込シャッタ装置19の開放・閉鎖、フラッシュランプ31の点灯・消灯を制御する。また、自動巻取制御基板52は、各島制御基板50からコマンド信号を入力することで、自動巻取装置20へ制御信号を出力して自動巻取装置20の駆動を制御する。ヒータ制御基板53は、各島制御基板50からコマンド信号を入力することで、ヒータ装置21へ制御信号を出力してヒータ装置21の駆動を制御する。玉抜き制御基板54は、各島制御基板50からコマンド信号を入力することで、玉抜き用分離器13へ制御信号を出力して玉抜き用分離器13の駆動を制御する。このように他の実施形態の構成によれば、揚送装置制御基板51は、揚送装置3、入込シャッタ装置19、及びフラッシュランプ31を制御する専用の制御基板として構成されている。
以上のように、本実施形態の構成によれば、一括操作パネル40は、揚送稼動信号を出力した後に一括操作スイッチの操作状態が揚送装置3の稼動状態となる場合、複数のパチンコ島台1の揚送装置制御基板33にそれぞれ定期的に確認信号を出力する。そして、揚送装置制御基板33は、一括操作パネル40からの確認信号が入力されると、揚送装置3の実稼動状態とパチンコ玉の流通状態(入込シャッタ装置19の開閉状態)とに基づいて、フラッシュランプ31による報知動作を行うか否かを判定し、その判定結果に基づいてフラッシュランプ31の報知動作を制御する。これにより、通信線にノイズが乗ることに起因してパチンコ島台1を構成する各種装置が誤動作した場合、例えば、揚送装置制御基板33が通信線のノイズを一括操作パネル40からの停止信号と誤認識してしまい、パチンコ島台1の各種装置が停止する誤動作を起こした場合でも、揚送装置制御基板33は、一括操作パネル40から定期的に送り込まれる確認信号に基づいて、揚送装置3の実稼動状態とパチンコ玉の流通状態とを定期的に監視することで、ノイズに起因する各種装置の誤動作(停止)を即座に判断して、その旨をフラッシュランプ31で報知するので、このような誤動作に伴う異常発生を即座に報知することができる。また、このように誤動作に伴う異常発生を即座に報知することで、パチンコ島台1のパチンコ玉の循環が停止して補給樋から完全にパチンコ玉が無くなった状態を検出した時点で始めて異常を報知するようなことを回避できるので、パチンコ島台1に関わる遊技を完全に停止させるような不具合を確実に回避することができる。
また、揚送装置制御基板33は、一括操作パネル40から定期的に送り込まれる確認信号に基づいた監視において、パチンコ玉の流通状態に関わらず、揚送装置3が停止状態であると監視すると、フラッシュランプ31を制御して循環異常状態を報知するので、通信線にノイズが乗ることに起因して揚送装置3が停止する誤動作が行った場合には、このような誤動作に伴う異常発生を即座に報知することができる。
また、揚送装置制御基板33は、一括操作パネル40から定期的に送り込まれる確認信号に基づいた監視において、揚送装置3が稼動状態であり、且つ、パチンコ玉の流通が停止した状態であると監視すると、フラッシュランプ31を制御して循環異常状態を報知するので、通信線にノイズが乗ることに起因してパチンコ玉を揚送装置3へと導く回収経路でパチンコ玉の送り込みに異常が生じた場合(実施形態中では、パチンコ玉を揚送装置3へ送り込む入込シャッタ装置19が誤動作してパチンコ玉の送り込みが停止した場合)には、このような誤動作に伴う異常発生を即座に報知することができる。
なお、本実施形態の構成によれば、一括操作パネル40は、一括操作スイッチがONされた後に定期的に確認信号を出力するように構成しているが、この構成に限定するものではなく、揚送装置制御基板33が一括操作スイッチのON信号を入力すると、その後、揚送装置制御基板33が定期的に一括操作パネル40に対して一括操作スイッチのON状態を確認するようにしてもよい。
また、循環異常状態を報知するフラッシュランプ31の発光態様は、確認信号の入力に基づいたパチンコ島台1の各種装置の監視によって判定した循環異常状態と、それ以外の循環異常状態(揚送装置3のオーバーロード及びオーバーフロー)とで、とりわけ異なった発光態様とするものではないが、それぞれの循環異常状態毎でフラッシュランプ31の発光態様を異ならせるようにすることで、一目で循環異常状態の種類が認識できるようにしてもよい。
また、揚送装置3の実稼動状態を監視する構成としては、揚送装置3の稼動フラグがONしているか否かの判定、Vベルト回転センサ27によるVベルトの回転検出、揚送モータ回転センサ24による揚送モータの回転検出、揚送ベルト回転センサ25による揚送ベルトの回転検出、上部プーリ回転センサ26による上部プーリの回転検出、を見ることで監視することができる。
また、揚送装置3へと導かれるパチンコ玉の流通状態を監視する構成としては、導入樋4a(入込シャッタ装置19)が開放しているか否かの判定、ガイド開放センサ22によるガイドレールの開閉検出、玉通過センサ23による玉量検出等の揚送装置3の中又は前後でのパチンコ玉の通過状況の検出、を見ることで監視することができる。
なお、本実施形態では、パチンコ玉を遊技媒体として遊技を行うパチンコ機を遊技機とし、これを複数列設したパチンコ島台を本発明に係る遊技島台としているが、これに限定するものではなく、例えば、コインを遊技媒体として遊技を行うスロットマシンを遊技機とし、これを複数列設したスロット島台を本発明に係る遊技島台としてもよい。また、本実施形態の構成によれば、図11に示すようにパターン2の状態が検出されると、判定手段はフラッシュランプを点灯させるように構成したが、例えば、揚送装置制御基板(島台装置制御手段)が入込シャッタ状態を正常に復帰させる動作(リトライ)を複数回実行した後、それでも異常状態が回復しないときにフラッシュランプを点灯させるように構成しているとよい。このように構成すれば、自動的に異常状態を復帰させることができ、しかも復帰できない場合に限ってフラッシュランプを点灯させて遊技場の店員に報知を行うことができる。