JP5470843B2 - 照明装置 - Google Patents

Description

本発明は、照度センサの検出照度が目標照度になるように光源の調光度をフィードバック制御する制御装置を具備した照明装置に関する。

従来、この種の照明装置の一例としては、その設計時等の初期時に一旦設定した目標照度を、使用中に自動的に更新するものが知られている（例えば、特許文献１参照）。

この従来の照明装置は、照度センサの出力値（検出照度）と照明器具の光出力（調光度）を常時モニタリングし、照度センサの出力値を光出力値で除算することにより、光出力１００％点灯時の照度センサの出力を演算し、その照度センサの出力が最低値をとるときを夜間と判断して、次回点灯時の目標照度とする制御装置を具備している。

図３は、この従来の制御装置による目標照度設定方法の原理を示し、図中、Ａは調光度を、Ｂは検出照度（照度センサの出力）をそれぞれ示す。

この従来の制御装置は、照度センサのセンサ出力値（検出照度）と照明器具の光出力値（調光度）を規定時間毎に常時監視し、光出力が最大になるときのセンサ出力値のうち最も低い値を目標照度として設定し更新していた。
特開２００６−４０７３１号公報

しかしながら、上記従来の目標照度の自動更新方法では、その方法により自動的に更新された目標照度が、照明設計時等の初期時に設定された目標照度よりも低く設定されてしまうという課題がある。そもそも目標照度は、照明設計時等の初期時において、夜間で最大調光度で制御したときのセンサ出力値により設定されている。このために上記従来方法では、器具の照射面上に載置された机等の物体のレイアウト変更や机上の書類等により、照射面の反射率が高く変化したために検出照度が高くなった場合、夜間に調光度が最大値まで達せず、照射面が暗くなってしまうという課題がある。すなわち、目標照度は演算値であって、実際に要求される照度とは異なる。

本発明の目的は、簡単な方法により自動的に設定更新される目標照度の精度を向上させることができる照明装置を提供することにある。

請求項１に係る照明装置は、光源およびこの光源を調光可能に点灯し、または消灯する点灯回路を有する照明器具と；この照明器具の照射面の照度を検出する照度センサと；照度センサの検出照度が予め設定された目標照度になるように光源の調光度を制御する調光度制御部および調光度が所定値以上で最大調光度に達しない場合に調光度が所定値で所定時間継続したときに、光源を最大調光度で強制的に所定時間制御し、そのときの照度センサの検出照度を、再点灯後の目標照度として更新する目標照度更新部を有する制御装置と；を具備していることを特徴とする。

本請求項１以下において、目標照度とは、照明器具の照射面が設計照射通りに照射されたときの照度センサの出力値（検出照度）をいい、照明器具の設計時等初期時に外光の無い夜間に最大調光度で制御したときの照度センサの出力値により設定される。また、「調光度が所定値以上」の所定値は最大調光度付近の所定値であることが望ましく、この場合、その所定値が所定時間継続したときは、そのときが夜間であると判断することができる。すなわち、調光制御部は、夜間で最大調光度に制御するように構成されているので、最大調光度またはその付近の調光度が所定時間継続した場合には、夜間であると判断することができる。また、この夜間に目標照度が設定更新されるので、その再点灯後は、例えば翌日となる。したがって、目標照度は前日の夜間に設定更新されることになる。また、最大調光時に照度センサにより検出された検出照度を目標照度とするので、この目標照度の設定のつど、照度センサの検出照度を較正することができる。

請求項２に係る照明装置は、目標照度更新部は、その目標照度を更新させる制御を繰り返すように構成されていることを特徴とする。

目標照度更新手段による目標照度更新制御は、例えば所定の休止期間を置いて、または連続的に繰り返してもよい。したがって、夜間に設定された目標照度は翌日の調光制御で使用される目標照度となる。

請求項１記載の照明装置によれば、目標照度更新部は、調光度が所定値以上で所定時間継続したときに、夜間と判断し、最大調光度に強制的に制御し、そのときの検出照度を目標照度として自動的に設定し更新する。このために、その更新後には、夜間に最大調光度に制御することができる。このために、夜間でも最大調光度に至らずに暗くなるという従来技術の課題を解決することができる。

請求項２記載の照明装置によれば、目標照度更新部による目標照度更新制御を繰り返すので、最終的には夜間の最大調光度により目標照度を設定更新することができる。すなわち、目標照度の精度を向上させることができる。

以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。これら添付図面中、同一相当部分には同一符号を付している。

図１は本発明の一実施形態に係る照明装置１の構成を示すブロック図、図２はこの照明装置による目標照度設定方法の原理を示すタイミングチャートである。

図１に示すように照明装置１は、例えば天井等に配設される照明器具２、この照明器具２の照射面である床面等からの反射光を受光して、その照度を検出する照度センサ３および制御装置４を具備している。照度センサ３と制御装置４の少なくとも一方は、照明器具２の器具本体２ａ内に配設されてもよい。

照明器具２は、その器具本体２ａに、光源の一例である蛍光ランプ２ｂと、この蛍光ランプ２ｂを調光可能に点灯し、または消灯する点灯回路２ｃとを配設している。

点灯回路２ｃと制御装置４は、図１中太線で示す各電力線５，５により商用電源６に電気的に接続され、制御装置４には、各信号線７，７により点灯回路２ｃと照度センサ３が接続されている。

制御装置４は、例えばマイクロプロセッサ等により構成され、調光制御部および目標照度更新部を具備している。

調光制御部は、予め目標照度Ｖｎをメモリに記録してあり、照度センサ３により検出された照度（検出照度）がこの目標照度でほぼ一定になるように、蛍光ランプ２ｂの調光度を、その上限と下限が予め設定されている調光範囲内でフィードバック制御する。最大調光度は、照明器具２の照明設計時の初期照度補正により設定されている。すなわち、照明器具２は経年劣化により光出力（照度）が漸次低下していくので、その出力低下を初期時に予め織り込んでおき、初期から寿命末期まで光出力がほぼ一定するように、その間の最大調光度自体を予め変化させている。この最大調光度の変化は予めプログラムされており、シーケンス制御される。

目標照度更新部は、照射面の反射率が高くなって照度センサ３の光出力が最大調光度に達しない場合、例えば最大調光度付近等所定調光度で所定（規定）時間（例えば１５分）継続して制御されたか否か検出し、Ｙｅｓの場合夜間であると判断し、その際の調光度を、強制的に最大調光度へ移行させる制御を所定時間（例えば１０分間）行う。

そして、この最大調光度のときの照度センサ３の出力値、すなわち検出照度を、翌日等の次回点灯時の目標照度に設定し、これまでの目標照度を更新する。

したがって、例えば、ある日の夜間に最大調光度（７０［％］とする）で制御され、そのときの目標照度が８００［ｌｘ］だったとき、次の日の夜間に白い書類が机上に置かれるなどして反射率が高くなると、目標照度が８００［ｌｘ］に合わせた制御を行ったときに、調光度が５５［％］程度にしか制御されなくなる。このとき、調光度５５［％］を夜間判定規定時間（例えば１５分）継続した場合は夜間であると判断し、強制的に最大調光度７０［％］で目標値設定規定時間（例えば１０分）制御する。このときの照度センサ３の出力値は、夜間に最大調光度で制御されたときのセンサ出力であるので、原理上正確な目標照度であると言える。そして、この目標照度をメモリに記録し、次回点灯時の目標照度として更新する。

したがって、この目標照度更新方法によれば、初期設定時と同様に、外光の無い夜間に最大調光で制御されたときの照度センサ３の出力値、すなわち検出照度を目標照度として自動的に設定するので、目標照度の精度を向上させることができる。

本発明の一実施形態に係る照明装置の構成を示すブロック図。 図１で示す制御装置の目標照度更新手段による目標照度更新方法を示すタイミングチャート。 従来の目標照度更新方法を示すタイミングチャート。

符号の説明

１…照明装置、２…照明器具、２ｂ…蛍光ランプ（光源）、２ｃ…点灯回路、３…照度センサ、４…制御装置（調光制御部、目標照度更新部）。

Claims (2)

1. 光源およびこの光源を調光可能に点灯し、または消灯する点灯回路を有する照明器具と；
   この照明器具の照射面の照度を検出する照度センサと；
   照度センサの検出照度が予め設定された目標照度になるように光源の調光度を制御する調光度制御部および調光度が所定値以上で最大調光度に達しない場合に調光度が所定値で所定時間継続したときに、光源を最大調光度で強制的に所定時間制御し、そのときの照度センサの検出照度を、再点灯後の目標照度として更新する目標照度更新部を有する制御装置と；
   を具備していることを特徴とする照明装置。
2. 目標照度更新部は、その目標照度を更新させる制御を繰り返すように構成されていることを特徴とする請求項１記載の照明装置。

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