JP5470484B2 - 電線に対する端子の圧着構造 - Google Patents
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Description
本発明は、電線に対する端子の圧着構造に係り、特に、アルミニウム電線に対して銅端子を圧着接続する場合に有効な技術に関するものである。
自動車用のワイヤーハーネスに使用されている電線は、従来では一般的に銅電線であったが、最近では、軽量性やリサイクル性の良さからアルミニウム電線に置き換える動きがある。
アルミニウムは、銅に比べて、導電率が60%程度であるが、重さが1/3ですむので、大幅な軽量化が期待できる。また、銅の融点は1083℃であるのに対し、アルミニウムの融点は660℃であるので、金属回収しやすい利点もある。
自動車のワイヤーハーネスの電線をアルミニウム電線にした場合、圧着端子に銅端子を用いると、次の問題がある。アルミニウムは銅より線膨張係数が大きい。アルミニウムの線膨張係数は23.5×10−6/℃、銅の線膨張係数は17.0×10−6/℃であるから、アルミニウムは銅の1.4倍くらい温度変化に応じて伸び縮みしやすい。従って、銅端子をアルミニウム電線に圧着した場合、ヒートサイクルあるいはサーマルショック条件下において、アルミニウム導体と銅端子との間の接触抵抗が安定しなくなるという問題が生じる。
その点について詳しく説明する。
図8は、アルミ電線用圧着端子を電線の導体に圧着した部分の断面図であり、図8(a)は常温で圧着したときの状態を示す図、図8(b)は周囲温度が上昇したときの状態を示す断面図、図8(c)は周囲温度の極度の低下に伴い端子と導体の界面に隙間ができた状態を示す図である。
アルミ電線用圧着端子としての端子1の圧着部2は、圧着する前において、底板5と、該底板5の幅方向両側縁から上に延設された一対の圧着片6、6とを持つU字形状をなしている。端子1を圧着する際には、導体Waを底板5の上に挿入し、両側の圧着片6を加締装置で内側に曲げて、導体Waを包み込むように加締める。それにより、導体Waに端子1を圧着接続することができる。
ところで、圧着端子に銅端子を使用し、電線にアルミニウム電線を使用して、常温(23℃)で圧着を行った場合、圧着部断面は、図8(a)に示すようになる。この状態の断面において、導体Waと端子1の界面には互いの厚みの中心に向かって反力が作用して釣り合っている。しかし、この釣り合いは、導体Waに端子1を圧着した温度における体積比率によるものであり、温度変化があった場合、体積膨張により界面の接触状態が変化する。具体的には、室温23℃で圧着された時の界面は、ワイヤーハーネスの使用が想定される温度域−40℃〜120℃における体積変化の影響を受ける。
例えば、図8(b)に示すように、常温より高温側に周囲温度が上昇した場合は、外側の銅製の端子1よりも内側のアルミニウム製の導体Waの方が体積膨張が大きくなるので、内側のアルミニウム製の導体Waから外側の銅製の端子1に対して矢印のような力が作用することになり、端子1と導体Waの界面に隙間が生じるようなことはない。
一方、図8(c)に示すように、常温より低温側に周囲温度が下降した場合、特に−40℃近辺のきわめて低温に周囲温度が下降したような場合、外側の銅製の端子1よりも内側のアルミニウム製の導体Waの方が体積収縮が大きくなるので、外側の銅製の端子1とアルミニウム製の導体Waの界面の接触圧が低下し、最悪の場合は、図示のように端子1と導体Waの界面に隙間7が生じるおそれがある。隙間7が生じると、接触抵抗が大きくなる。従って、特に低温条件において、電気接続性能が大幅に低下することになる。
そこで、従来では、そのような問題を回避するために、アルミニウム電線を使用する場合は、端子もアルミニウム端子を使用するようにしている(特許文献1、2参照)。あるいは、銅端子とアルミニウム端子を接続する必要がある場合は、超音波を用いた固相接合により、銅(銅合金も含む)とアルミニウム(アルミニウム合金も含む)を金属結合させていた。
ところが、アルミニウム端子を使用する場合は、銅と比較してアルミニウムの方がバネ性に劣るので、端子にバネ部がある場合、その部分がへたりやすいという問題がある。また、銅端子を用いて、超音波により端子と導体を固相接合する場合は、圧着作業が面倒になるという問題がある。
本発明は、上記事情を考慮し、バネ性に富む銅端子を使用しながら、ヒートサイクルやサーマルショック条件のもとであっても、圧着部の接触抵抗の安定化を図り得る、単純作業化の可能な圧着端子、および、電線に対する端子の圧着構造を提供することを目的とする。
請求項1の発明の電線に対する端子の圧着構造は、第1の金属材料よりなる圧着端子の圧着部を、前記第1の金属材料よりも線膨張係数の大きい第2の金属材料よりなる電線の導体に対して、外側から包み込むように圧着した電線に対する端子の圧着構造において、前記圧着端子の前記導体の全周に圧着された圧着部の外周を、前記第2の金属材料と同等かそれ以上の線膨張係数を有する第3の金属材料よりなる拘束材を多角形状に加締めることで包囲して、前記導体に対して前記圧着端子を圧着した部分を外側から拘束したことを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1に記載の電線に対する端子の圧着構造であって、前記拘束材としての帯板を四角筒状に加締め、この加締められた帯板の両端を突き合わせて閉じた形状に構成したことを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1に記載の電線に対する端子の圧着構造であって、前記拘束材としての帯板を四角筒状に加締め、この加締められた帯板の両端を重ねることで閉じた形状に構成したことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、周囲温度の低下によって、外側の端子より内側の導体が大きく収縮した際にも、導体に対する圧着部の外側を囲む拘束材が導体と同等かそれ以上に収縮することにより、端子を外側から締め付けるので、端子と導体の界面に隙間があくのを、外側からの締付力によって防止することができ、それにより、導体と端子の接触抵抗の安定化を図ることができる。つまり、予想されるヒートサイクルあるいはサーマルショック条件下においても、安定した圧着性能を発揮することができる。また、超音波設備等が不要であるから、作業の単純化が可能である。
請求項2の発明によれば、拘束材としての帯板を四角筒状に加締め、この加締められた帯板の両端を突き合わせて閉じた形状に構成したことにより、端子と導体の界面に隙間があくのを、外側からの締付力によって簡単且つ確実に防止することができて、導体と端子の接触抵抗の安定化を図ることができる。
請求項3の発明によれば、拘束材としての帯板を四角筒状に加締め、この加締められた帯板の両端を重ねることで閉じた形状に構成したことにより、端子と導体の界面に隙間があくのを、外側からの締付力によって簡単且つ確実に防止することができて、導体と端子の接触抵抗の安定化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は実施形態の圧着構造の断面図で、図1(a)は常温時の状態を示す図、図1(b)は120℃程度の高温時の状態を示す図、図1(c)は−40℃程度の低温時の状態を示す図、図2は実施形態の圧着構造の外観斜視図、図3は図2と同様部分を側方から見た側面図である。
本実施形態の圧着構造は、自動車に使用するワイヤーハーネス用のアルミニウム電線Wに対して銅製の圧着端子を接続した部分の構造である。自動車のワイヤーハーネスの使用想定温度域は−40℃〜120℃の範囲である。アルミニウム電線Wの導体Waの材料(第2の金属材料)はアルミニウムまたはアルミニウム合金であり、アルミ電線用圧着端子としての端子1の材料(第1の金属材料)は銅または銅合金である。従って、導体Waの線膨張係数は、端子1の線膨張係数よりも大きい。
実施形態の圧着端子1は、相手側端子に差し込み接続される電気接続部(図示略)を前端に有すると共に、長手方向中間部に電線Wの導体Waに圧着するための圧着部2を有し、更にその後側に被覆加締部3を有している。電線Wは、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりなる導体Waの周囲を絶縁被覆Wbで覆ったもので、電線Wの端末の皮剥きして露出させられた導体Waが、圧着部2に圧着固定されている。
圧着部2は、導体Waを上面に載せる底板5と、該底板5の幅方向両側縁から上に延びる一対の圧着片6、6とで略U字状に構成されており、常温環境下で、底板5上に載せた導体Waを包み込むように一対の圧着片6、6を内側に曲げて導体Waの全周に加締めることにより、電線Wの導体Waに圧着接続されている。
そして、本実施形態の特徴的な点は、図1(a)に示すように、圧着端子1の圧着部2の外周を、同じく常温環境下で、導体Waと同等かそれ以上の線膨張係数を有する金属材料(例えば、アルミニウムあるいはアルミニウム合金またはマグネシウム合金)よりなる拘束材10で取り囲んでおり、それにより、導体Waに対して圧着端子1を圧着した部分を、外側から拘束材10により拘束していることである。拘束材10は、導体Waに端子1を圧着した部分に対して外側から熱収縮時に締付力を及ぼせる構成のものであればどのような形態で設けてもよい。
例えば、図4に示す拘束材10Aは、帯板11を四角筒状に加締め、この加締められた帯板11の両端11a、11bを突き合わせて閉じた形状に構成している。また、図5に示す拘束材10Bは、帯板11を四角筒状に加締め、この加締められた帯板11の両端11a、11bを重ねることで閉じた形状に構成している。また、図6に示す拘束材10Cは、圧着部2を構成する底板5および一対の圧着片6、6の外側に帯板11を重ね合わせ、圧着片6と一緒に帯板11の両端11a、11bを内側に丸めて、閉じるように構成している。また、図7に示す拘束材10Dは、予め圧着端子1の圧着部2の底板5や圧着片6の外面に沿って帯板11を配置し、帯板11の両端を圧着片6の先端に加締めており、圧着片6を電線の導体に加締めることで、一緒に圧着部2の外側に追従するように構成している。
また、図3に示すように、圧着部2の導体Waの軸線方向における両端にはそれぞれベルマウス8が形成されており、それらベルマウス8間の間隔Lに拘束材10の幅寸法を合わせておくことにより、拘束材10が導体Waの軸線方向に位置決めされている。
このように、常温環境下で拘束材10(10A〜10D)によって圧着部2を包囲したことにより、次の効果を奏することができる。即ち、図1(c)に示すように、周囲温度の低下によって、外側の端子1より内側の導体Waが大きく収縮した際にも、導体Waに対する圧着部2の外側を囲む拘束材10が、導体Waと同等かそれ以上に収縮することにより、端子1を外側から強く締め付けるので、それにより、端子1と導体Waの界面に隙間があくのを、外側からの締付力によって防止することができ、従って、導体Waと端子1の接触抵抗の安定化を図ることができる。
また、図1(b)に示すように、周囲温度が高温になったときには、拘束材10の方が端子1よりも大きく膨張するので、拘束材10と端子1の間に隙間ができ、拘束材10が端子に対して動いてしまう可能性があるが、ベルマウス8によって拘束材10を導体の軸線方向に位置決めしているので、拘束材10が定位置からずれてしまうのを防ぐことができる。従って、低温時には、常に拘束材10の締め付け効果を、必要な位置に適正に及ぼすことができる。
以上のように、予想されるヒートサイクルあるいはサーマルショック条件下においても、安定した圧着性能を発揮することができる。また、超音波設備等が不要であるから、作業の単純化にも貢献できる。
1 圧着端子
2 圧着部
10,10A,10B 拘束材
11 帯板
11a,11b 両端
W 電線
Wa 導体
2 圧着部
10,10A,10B 拘束材
11 帯板
11a,11b 両端
W 電線
Wa 導体
Claims (3)
- 第1の金属材料よりなる圧着端子の圧着部を、前記第1の金属材料よりも線膨張係数の大きい第2の金属材料よりなる電線の導体に対して、外側から包み込むように圧着した電線に対する端子の圧着構造において、
前記圧着端子の前記導体の全周に圧着された圧着部の外周を、前記第2の金属材料と同等かそれ以上の線膨張係数を有する第3の金属材料よりなる拘束材を多角形状に加締めることで包囲して、前記導体に対して前記圧着端子を圧着した部分を外側から拘束したことを特徴とする電線に対する端子の圧着構造。 - 請求項1に記載の電線に対する端子の圧着構造であって、
前記拘束材としての帯板を四角筒状に加締め、この加締められた帯板の両端を突き合わせて閉じた形状に構成したことを特徴とする電線に対する端子の圧着構造。 - 請求項1に記載の電線に対する端子の圧着構造であって、
前記拘束材としての帯板を四角筒状に加締め、この加締められた帯板の両端を重ねることで閉じた形状に構成したことを特徴とする電線に対する端子の圧着構造。
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