JP5470469B2 - 端末数推計装置および端末数推計方法 - Google Patents

端末数推計装置および端末数推計方法 Download PDF

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Description

本発明は、携帯端末(例えば携帯電話)のネットワーク設備から得られる、携帯端末に関する位置情報を用いて、あるエリア内に在圏する端末数を推計する端末数推計装置および端末数推計方法に関する。
携帯電話事業者のネットワーク設備では、携帯電話の利用者に電気通信サービスを提供するために携帯電話の位置データや利用者の属性データ等の運用データが生じる。これらの運用データに対して集計等の統計処理を施すことにより、「人口分布」、「人口変動」、「人口構成」等の人口動態に関する推計値を得ることができる。ここで、「人口分布」は各エリアに分布している人口、「人口変動」はあるエリアにおける時間軸に沿った人口の変動、「人口構成」は例えば性別や年齢層別などに区分した人口分布や人口変動に関する情報である。
上記の位置データとして、例えば位置登録信号がある。これは、携帯電話から在圏基地局に対してほぼ周期的に送信される信号であり、ある基地局が、ある携帯電話の位置登録信号を受信した場合、受信時点において、その携帯電話はその基地局の電波到達範囲である基地局セクタに存在していることが推計できる。
また、位置データの他の例として、GPS情報がある。これは、携帯電話から在圏基地局に対して周期的に、又は端末の操作もしくは携帯電話ネットワークからの要求に応じて送信されるGPS測位結果に関する情報である。これも同様に、GPS情報が受信された時点で、その携帯電話はGPS測位結果が示す位置の周辺に存在していることが推計できる(例えば特許文献1参照)。
上記のような位置データの観測結果から、ある地理エリアに存在する携帯電話の台数(端末数)を推計することができれば、さらに携帯電話の契約率等を加味すること等により、上記の様々な人口動態に関する推計値を得られるものと期待される。
特開2003−44969号公報
ところが、上記のような位置データから端末数を正しく推計することは容易ではない。これは、位置登録信号やGPS情報等の端末の位置データは常時携帯電話ネットワークに送信されるわけではなく、ある程度の時間間隔をおいて送信されること、および送信の時間間隔が一定でないことに起因する。
例えば、位置データとして位置登録信号を用いて端末数を推計することを考える。もし位置登録信号が完全に周期的に送信されると仮定できるのであれば、あるセクタである定められた観測時間内に受信される位置登録信号の数は、セクタ内の端末数に比例する。しかし実際には、位置登録信号は、例えば携帯電話内のタイマによって周期的に送信されることを基本とするものの、ある特定の基地局セクタ間を跨がる契機によってタイマの状態にかかわらず位置登録信号の送信が行われたり、通話や圏外等の影響により送信が遅延されることもある。また、GPS情報についても同様に、圏外や端末の操作等様々な影響により送受信の周期は一定しない。
また、位置データとして位置登録信号とGPS情報とを併用することを考える。この場合、端末数推計に利用できる情報量が増加するため、より精度が高い端末数推計が可能になると期待できる。しかしこの場合、両情報を併せた位置データの送受信頻度はそれぞれ単独に用いる場合に比べてランダムさがさらに増すこととなり、送受信の周期を一定と仮定して端末数を推計してしまうと、逆に推計精度が悪化することが懸念される。
そのため、端末数を精度良く推計するためには、受信信号の数を単に数えるだけでなく、受信信号の受信間隔の変動を考慮する必要がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、位置データを用いて端末数を推計する際に、受信間隔の変動が与える影響を校正しつつ端末数を精度良く推計することを目的とする。
本発明の一側面に係る端末数推計装置は、携帯端末を識別する識別情報と携帯端末の位置に関する位置情報と位置情報が取得された位置取得時刻情報とを含む位置データを取得する位置データ取得手段と、ある第1の位置データについて、当該第1の位置データと同一の識別情報を含む位置データのうち、当該第1の位置データの直前の位置データである第2の位置データの位置取得時刻情報、および当該第1の位置データの直後の位置データである第3の位置データの位置取得時刻情報を取得する前後位置データ取得手段と、第1の位置データの位置取得時刻情報、第2の位置データの位置取得時刻情報および第3の位置データの位置取得時刻情報のうち2つ以上に基づいて、第1の位置データについての特徴量を計算する特徴量計算手段と、観測すべき観測期間に関する観測開始時刻以降であり且つ観測終了時刻以前である位置取得時刻情報を含み、且つ観測すべき観測エリアに関する観測エリア情報に対応づけられる位置情報を含む1乃至複数の位置データを、観測対象位置データとして取得する観測対象取得手段と、観測対象位置データについての特徴量、および観測開始時刻と観測終了時刻との差である観測期間長に基づいて、観測期間中に観測エリアに在圏した端末数を推計する端末数推計手段と、を備えることを特徴とする。なお、「特徴量」とは、携帯端末によって生成された位置データについての推定生成密度に対応する情報であり、ここでの「推定生成密度」とは、当該位置データを生成した携帯端末が、当該位置データの生成時刻(上記の位置取得時刻に相当)周辺で単位時間あたりに生成する位置データの数の推定値を意味する。上記の端末数推計装置では、特徴量計算手段は、第2の位置データの位置取得時刻と第3の位置データの位置取得時刻との差を、第1の位置データについての特徴量として計算し、端末数推計手段は、観測対象位置データについての特徴量の総和を観測期間長の2倍によって除して得られた数値を、端末数として推計してもよい。詳細な原理は後述するが、特徴量計算手段が第2、第3の位置データの位置取得時刻の差を第1の位置データについての特徴量として計算し、端末数推計手段が観測対象位置データについての特徴量の総和を観測期間長の2倍によって除して得られた数値を端末数として推計することで、受信間隔の変動が与える影響を校正しつつ端末数を精度良く推計することができる。
なお、特徴量計算手段は、第1の位置データの位置取得時刻と第2の位置データの位置取得時刻との差が所定値より大きい場合、第1の位置データの位置取得時刻から予め定められた時間だけ過去に遡った時刻を、第2の位置データの位置取得時刻として用いて、第1の位置データについての特徴量を計算してもよい。同様に、特徴量計算手段は、第1の位置データの位置取得時刻と第3の位置データの位置取得時刻との差が所定値より大きい場合、第1の位置データの位置取得時刻から予め定められた時間だけ未来に進めた時刻を、第3の位置データの位置取得時刻として用いて、第1の位置データについての特徴量を計算してもよい。上記のように特徴量計算手段を動作させることにより、携帯端末が圏外に位置していることや携帯端末の電源がオフされていること等に起因して位置データの取得時間間隔が異常に長くなった際に、当該異常に長くなった取得時間間隔による影響が過大に出ることを防ぐことができる。
ところで、特徴量計算手段は、第1の位置データが位置登録エリア境界の跨りに起因して生成された位置登録情報を含むか否か、および第3の位置データが位置登録エリア境界の跨りに起因して生成された位置登録情報を含むか否かを判別し、第1の位置データが位置登録エリア境界の跨りに起因して生成された位置登録情報を含むか否かの判別結果と第3の位置データが位置登録エリア境界の跨りに起因して生成された位置登録情報を含むか否かの判別結果とに応じて、第1の位置データの位置取得時刻情報、第2の位置データの位置取得時刻情報および第3の位置データの位置取得時刻情報のうち2つ以上を用いて、第1の位置データについての特徴量を計算してもよい。この場合、詳細な原理は後述するが、位置登録エリア境界の跨りに起因して生成された位置登録情報に関する生成タイミングの特性を考慮した上で、精度の高い特徴量を得ることができる。なお、「位置登録エリア境界の跨りに起因して生成された位置登録情報」とは、携帯端末が位置登録エリア境界を跨ったことに起因して生成された位置登録情報を意味する。
より具体的には、特徴量計算手段は、第1の位置データが位置登録エリア境界の跨りに起因して生成された位置登録情報を含む場合、第1の位置データの位置取得時刻を第1の変数に設定し、第1の位置データが位置登録エリア境界の跨りに起因して生成された位置登録情報を含まない場合、第1の位置データの位置取得時刻と第2の位置データの位置取得時刻との中点時刻を第1の変数に設定し、第3の位置データが位置登録エリア境界の跨りに起因して生成された位置登録情報を含む場合、第3の位置データの位置取得時刻を第2の変数に設定し、第3の位置データが位置登録エリア境界の跨りに起因して生成された位置登録情報を含まない場合、第1の位置データの位置取得時刻と第3の位置データの位置取得時刻との中点時刻を第2の変数に設定し、設定された第1の変数と第2の変数との差分に基づいて、第1の位置データについての特徴量を計算してもよい。
なお、特徴量計算手段は、第1の位置データの位置取得時刻と第1の変数との差が所定値より大きい場合、第1の位置データの位置取得時刻から予め定められた時間だけ過去に遡った時刻を、第1の変数として用いて、第1の位置データについての特徴量を計算してもよい。同様に、特徴量計算手段は、第1の位置データの位置取得時刻と第2の変数との差が所定値より大きい場合、第1の位置データの位置取得時刻から予め定められた時間だけ未来に進めた時刻を、第2の変数として用いて、第1の位置データについての特徴量を計算してもよい。上記のように特徴量計算手段を動作させることにより、携帯端末が圏外に位置していることや携帯端末の電源がオフされていること等に起因して位置データの取得時間間隔が異常に長くなった際に、当該異常に長くなった取得時間間隔による影響が過大に出ることを防ぐことができる。
さて、端末数推計装置では、特徴量の計算対象としては、観測対象取得手段により取得された観測対象位置データを対象としてもよいし、位置データ取得手段により取得された全ての位置データを対象としてもよい。このうち、観測対象取得手段により取得された観測対象位置データを対象とする場合、前後位置データ取得手段は、観測対象取得手段により取得された観測対象位置データそれぞれを第1の位置データとして、当該第1の位置データについての第2の位置データの位置取得時刻情報、および当該第1の位置データについての第3の位置データの位置取得時刻情報を取得し、特徴量計算手段は、観測対象位置データそれぞれについての特徴量を計算し、端末数推計手段は、計算で得られた観測対象位置データについての特徴量を用いて端末数を推計する。
一方、位置データ取得手段により取得された全ての位置データを対象とする場合、前後位置データ取得手段は、位置データ取得手段により取得された全ての位置データそれぞれを第1の位置データとして、当該第1の位置データについての第2の位置データの位置取得時刻情報、および当該第1の位置データについての第3の位置データの位置取得時刻情報を取得し、特徴量計算手段は、全ての位置データそれぞれについての特徴量を計算し、端末数推計手段は、計算で得られた全ての位置データそれぞれについての特徴量のうち、観測対象位置データについての特徴量を用いて端末数を推計する。
本発明の一側面に係る端末数推計装置は、携帯端末を識別する識別情報と携帯端末の位置に関する位置情報と位置情報が取得された位置取得時刻情報とを含む位置データを取得する位置データ取得手段と、ある第1の位置データについて、当該第1の位置データと同一の識別情報を含む位置データのうち、当該第1の位置データの直前の位置データである第2の位置データの位置取得時刻情報、および当該第1の位置データの直後の位置データである第3の位置データの位置取得時刻情報を取得する前後位置データ取得手段と、少なくとも第2の位置データの位置取得時刻情報と第3の位置データの位置取得時刻情報とに基づいて、第1の位置データについての特徴量を計算する特徴量計算手段と、観測すべき観測期間に関する観測開始時刻以降であり且つ観測終了時刻以前である位置取得時刻情報を含み、且つ観測すべき観測エリアに関する観測エリア情報に対応づけられる位置情報を含む1乃至複数の位置データを、観測対象位置データとして取得する観測対象取得手段と、観測対象位置データについての特徴量、および観測開始時刻と観測終了時刻との差である観測期間長に基づいて、観測期間中に観測エリアに在圏した端末数を推計する端末数推計手段と、を備える構成としてもよい。
なお、端末数推計装置は、端末数を人口に変換するための拡大係数を記憶した拡大係数記憶手段、をさらに備え、端末数推計手段は、観測対象位置データについての特徴量、観測期間長、および拡大係数に基づいて、観測期間中に観測エリアに在圏した人口、および人口を推計する単位である人口推計単位毎の人口、の少なくとも一方を推計してもよい。上記の「人口推計単位」としては、例えば、属性、場所、時間帯などが挙げられる。また、拡大係数は、拡大係数記憶手段に記憶されたものを用いてもよいし、以下のようにして導出してもよい。拡大係数は、一例として、「在圏率と端末の普及率との積(即ち、人口に対する在圏数の比率)」の逆数を用いることができる。ここで「在圏率」とは、契約台数に対する在圏数の比率を意味し、「普及率」とは人口に対する契約台数の比率を意味する。このような拡大係数は、上記の人口推計単位ごとに導出することが望ましいが、必須ではない。
また、拡大係数は、例えば、以下のように特徴量および観測期間長に基づいて推計された端末数(在圏数)を用いて導出してもよい。即ち、位置データから特徴量を求め、特徴量および観測期間長に基づいて、拡大係数算出単位ごとの端末数を集計することでユーザ数ピラミッドデータを得るとともに、統計データ(例えば住民基本台帳など)として予め求められた同じ拡大係数算出単位における人口ピラミッドデータを取得する。そして、ユーザ数ピラミッドデータ及び人口ピラミッドデータにおいて拡大係数算出単位ごとの位置データの取得率(即ち、在圏数/人口)を算出する。ここで得られた「位置データの取得率(即ち、在圏数/人口)」が、前述した「在圏率と端末の普及率との積」に相当する。このようにして得られた「位置データの取得率」の逆数を拡大係数として導出することができる。なお、拡大係数を算出する拡大係数算出単位としては、一例として、住所の都道府県ごと、5才又は10才刻み年齢層ごと、男女ごと、時間帯として1時間ごとなどを採用してもよいし、これらの2つ以上を組み合わせたものを採用してもよい。例えば、拡大係数算出単位を「東京都在住の20才台の男性」とした場合、日本全国における、東京都在住の(即ち、ユーザ属性における住所情報が東京都である)20才台の男性に該当する位置データを抽出して端末数を集計することでユーザ数ピラミッドデータを得るとともに、統計データから東京都在住の20才台の男性に関する人口ピラミッドデータを取得する。なお、上記ユーザ数ピラミッドデータを得る際に、「東京都在住」という条件については、東京都に在圏するユーザの位置データだけを抽出するのではなく、ユーザ属性における住所情報が東京都である位置データを抽出する。そして、ユーザ数ピラミッドデータ及び人口ピラミッドデータから拡大係数算出単位(ここでは東京都在住の20才台の男性)の位置データの取得率(即ち、在圏数/人口)を算出し、得られた「位置データの取得率」の逆数を拡大係数として導出することができる。なお、本願では、拡大係数算出単位と人口推計単位とが等しいものとして説明しているが、これはあくまでも一例であり、これに限られるものではない。
また、端末数推計装置は、端末数推計手段による推計で得られた観測エリアごとの推計値を、観測エリアとは異なる出力単位ごとの推計値に、出力単位と観測エリアの重なり領域が観測エリアに占める面積比に基づいて変換する変換手段、をさらに備えてもよい。上記の変換手段は、屋内局の通信領域および電波到達範囲が異なる周波数帯を利用する複数の屋外局の通信領域のうち2つ以上が地理的に同じ観測エリアに重複して存在する場合には、重複して存在する通信領域それぞれについて前記面積比に基づく出力単位ごとの推計値への変換、および、通信領域それぞれの変換後の推計値の合算を行うことで、出力単位ごとの推計値を得てもよい。
端末数推計手段は、観測対象位置データについての特徴量、観測期間長、端末数を人口に変換するための拡大係数、および、観測エリアとは異なる出力単位と観測エリアの重なり領域が観測エリアに占める面積比に基づいて、出力単位ごと且つ人口推計単位ごとに分けて人口を推計してもよい。
出力単位ごと且つ人口推計単位ごとに分けて人口を推計する態様としては、端末数推計手段による人口の推計に先立ち、位置データに対し、特徴量と、拡大係数と、面積比および該面積比に係る出力単位IDの組合せとが関連付けられ、端末数推計手段は、同じ出力単位IDが関連付けられた位置データについて(特徴量×面積比×拡大係数)を算出し、得られた出力単位ごとの(特徴量×面積比×拡大係数)を人口推計単位別に集計し、得られた出力単位ごと且つ人口推計単位ごとの集計値および観測期間長に基づいて、出力単位ごと且つ人口推計単位ごとの人口を推計してもよい。
また、端末数推計装置は、観測開始時刻と観測終了時刻との組を含む観測期間情報を取得する観測期間取得手段と、1乃至複数の位置情報と対応づけられる観測エリア情報を取得する観測エリア取得手段と、をさらに備えてもよい。
また、端末数推計装置は、得られた推計値を出力する出力手段をさらに備えてもよい。出力手段による出力形態は、人口分布を示す図、時系列的な人口変動を示す図、および人口構成を示す図の少なくとも1つを採用可能とされ、出力手段による出力単位は、携帯端末のユーザの属性、時間帯、場所の少なくとも1つに応じて設定可能とされている。
また、端末数推計装置は、位置データ取得手段により取得された位置データに含まれる識別情報に対し、一方向性関数による不可逆符号への変換を含む非識別化処理を行う非識別化手段をさらに備え、非識別化手段は、携帯端末のユーザの属性情報を用いた処理が行われる場合、当該処理の前に、属性情報に対し非識別化処理を行ってもよい。
また、端末数推計装置は、得られた推計値が出力される前に、予め定められた基準に基づき推計値に対し秘匿処理を行う秘匿処理手段、をさらに備えてもよい。その場合、秘匿処理手段は、推計の基礎となったエリアごとの位置データが何台の端末から取得されたかを示す取得元端末数が、秘匿処理が必要と判断するための基準値未満か否かを判定し、あるエリアの位置データの取得元端末数が基準値未満の場合、当該エリアに関する推計値を秘匿してもよい。なお、上記の取得元端末数は、同一端末についての重複を除いたユニークな端末数を示す。
ここでの秘匿方法としては、例えば、推計値をゼロとする方法、推計値を所定の文字や記号(例えば「X」など)で表象する方法などを採用することができる。一方、あるエリアの位置データの取得元端末数が基準値未満でない場合、秘匿処理手段は、推計値に対し秘匿処理を行わないこととしてもよいし、以下のような丸めを行ってもよい。即ち、秘匿処理手段は、推計値出力にて用いられる複数の階級のうち当該エリアの推計値が属する階級における上限値、下限値、階級幅、および当該推計値に基づいて、当該エリアの推計値を、上限値との差分および下限値との差分に応じた確率値をそれぞれ伴った上限値および下限値に丸めてもよい。
上述した端末数推計装置に係る発明は、端末数推計装置により実行される端末数推計方法に係る発明として捉えることができ、同様の作用・効果を奏する。具体的には、観測対象位置データを対象として特徴量を計算するか、取得された全ての位置データを対象として特徴量を計算するかに応じて、以下のように記述することができる。
本発明の一側面に係る端末数推計方法は、端末数推計装置により実行される端末数推計方法であって、携帯端末を識別する識別情報と携帯端末の位置に関する位置情報と位置情報が取得された位置取得時刻情報とを含む位置データを取得する位置データ取得ステップと、観測すべき観測期間に関する観測開始時刻以降であり且つ観測終了時刻以前である位置取得時刻情報を含み、且つ観測すべき観測エリアに関する観測エリア情報に対応づけられる位置情報を含む1乃至複数の位置データを観測対象位置データとして取得する観測対象取得ステップと、取得された観測対象位置データそれぞれを第1の位置データとして、各第1の位置データについて、当該第1の位置データと同一の識別情報を含む位置データのうち、当該第1の位置データの直前の位置データである第2の位置データの位置取得時刻情報、および当該第1の位置データの直後の位置データである第3の位置データの位置取得時刻情報を取得する前後位置データ取得ステップと、観測対象位置データそれぞれについての特徴量を、第1の位置データの位置取得時刻情報、第2の位置データの位置取得時刻情報および第3の位置データの位置取得時刻情報のうち2つ以上に基づいて計算する特徴量計算ステップと、計算で得られた観測対象位置データについての特徴量、および観測開始時刻と観測終了時刻との差である観測期間長に基づいて、観測期間中に観測エリアに在圏した端末数を推計する端末数推計ステップと、を備えることを特徴とする。
本発明の一側面に係る端末数推計方法は、端末数推計装置により実行される端末数推計方法であって、携帯端末を識別する識別情報と携帯端末の位置に関する位置情報と位置情報が取得された位置取得時刻情報とを含む位置データを取得する位置データ取得ステップと、取得された全ての位置データそれぞれを第1の位置データとして、各第1の位置データについて、当該第1の位置データと同一の識別情報を含む位置データのうち、当該第1の位置データの直前の位置データである第2の位置データの位置取得時刻情報、および当該第1の位置データの直後の位置データである第3の位置データの位置取得時刻情報を取得する前後位置データ取得ステップと、全ての位置データそれぞれについての特徴量を、第1の位置データの位置取得時刻情報、第2の位置データの位置取得時刻情報および第3の位置データの位置取得時刻情報のうち2つ以上に基づいて計算する特徴量計算ステップと、観測すべき観測期間に関する観測開始時刻以降であり且つ観測終了時刻以前である位置取得時刻情報を含み、且つ観測すべき観測エリアに関する観測エリア情報に対応づけられる位置情報を含む1乃至複数の位置データを観測対象位置データとして取得する観測対象取得ステップと、計算で得られた全ての位置データそれぞれについての特徴量のうち観測対象位置データについての特徴量、および観測開始時刻と観測終了時刻との差である観測期間長に基づいて、観測期間中に観測エリアに在圏した端末数を推計する端末数推計ステップと、を備えることを特徴とする。
また、本発明の一側面に係る端末数推計方法は、端末数推計装置により実行される端末数推計方法であって、携帯端末を識別する識別情報と携帯端末の位置に関する位置情報と位置情報が取得された位置取得時刻情報とを含む位置データを取得する位置データ取得ステップと、観測すべき観測期間に関する観測開始時刻以降であり且つ観測終了時刻以前である位置取得時刻情報を含み、且つ観測すべき観測エリアに関する観測エリア情報に対応づけられる位置情報を含む1乃至複数の位置データを観測対象位置データとして取得する観測対象取得ステップと、取得された観測対象位置データそれぞれを第1の位置データとして、各第1の位置データについて、当該第1の位置データと同一の識別情報を含む位置データのうち、当該第1の位置データの直前の位置データである第2の位置データの位置取得時刻情報、および当該第1の位置データの直後の位置データである第3の位置データの位置取得時刻情報を取得する前後位置データ取得ステップと、観測対象位置データそれぞれについての特徴量を、少なくとも前記第2の位置データの位置取得時刻情報と前記第3の位置データの位置取得時刻情報とに基づいて計算する特徴量計算ステップと、計算で得られた観測対象位置データについての特徴量、および観測開始時刻と観測終了時刻との差である観測期間長に基づいて、観測期間中に観測エリアに在圏した端末数を推計する端末数推計ステップと、を備えてもよい。
また、本発明の一側面に係る端末数推計方法は、端末数推計装置により実行される端末数推計方法であって、携帯端末を識別する識別情報と携帯端末の位置に関する位置情報と位置情報が取得された位置取得時刻情報とを含む位置データを取得する位置データ取得ステップと、取得された全ての位置データそれぞれを第1の位置データとして、各第1の位置データについて、当該第1の位置データと同一の識別情報を含む位置データのうち、当該第1の位置データの直前の位置データである第2の位置データの位置取得時刻情報、および当該第1の位置データの直後の位置データである第3の位置データの位置取得時刻情報を取得する前後位置データ取得ステップと、全ての位置データそれぞれについての特徴量を、少なくとも第2の位置データの位置取得時刻情報と第3の位置データの位置取得時刻情報とに基づいて計算する特徴量計算ステップと、観測すべき観測期間に関する観測開始時刻以降であり且つ観測終了時刻以前である位置取得時刻情報を含み、且つ観測すべき観測エリアに関する観測エリア情報に対応づけられる位置情報を含む1乃至複数の位置データを観測対象位置データとして取得する観測対象取得ステップと、計算で得られた全ての位置データそれぞれについての特徴量のうち観測対象位置データについての特徴量、および観測開始時刻と観測終了時刻との差である観測期間長に基づいて、観測期間中に観測エリアに在圏した端末数を推計する端末数推計ステップと、を備えてもよい。
本発明によれば、受信間隔の変動が与える影響を校正しつつ端末数を精度良く推計することができる。
第1〜第6実施形態の通信システムのシステム構成を示す図である。 第1実施形態の端末数推計装置の構成を示す図である。 端末数推計の第1の考え方を説明するための図である。 端末数推計に係る第1の計算方法を説明するための図である。 第1実施形態の端末数推計処理を示すフローチャートである。 第1、第2実施形態の特徴量の計算処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の端末数推計装置の構成を示す図である。 第2実施形態の端末数推計処理を示すフローチャートである。 端末数推計の第2の考え方を説明するための図である。 第3実施形態の特徴量の計算処理を示すフローチャートである。 変数s、eの適正化処理を示すフローチャートである。 第4実施形態の端末数推計装置の構成を示す図である。 第4実施形態の人口推計処理を示すフローチャートである。 第5実施形態の端末数推計装置の構成を示す図である。 第5実施形態の人口推計処理を示すフローチャートである。 人口推計処理における出力例を示す図である。 第6実施形態の端末数推計装置の構成を示す図である。 メッシュとエリア図の合成を説明するための図である。 各分割エリアの面積および面積比の算出を説明するための図である。 あるメッシュ内の分割エリアの人口の総和算出を説明するための図である。 第7実施形態における推計値の変換処理を説明するための図である。 対象とする出力単位の推計人口への変換を行うための行列式を示す図である。 第8実施形態の端末数推計装置の構成を示す図である。 非識別化処理の一例を説明するための図である。 第9実施形態の端末数推計装置の構成を示す図である。 秘匿処理の一例を示すフローチャートである。 出力形態の例として、人口分布、人口変動および人口構成を示す図である。 端末数推計の第2の考え方を説明するための図である。
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
[通信システムの構成]
図1は、本実施形態の通信システム1のシステム構成図である。図1に示すように、この通信システム1は、携帯端末100、BTS(基地局)200、RNC(無線制御装置)300、交換機400、各種処理ノード700、および管理センタ500を含んで構成されている。また、この管理センタ500は、社会センサユニット501、ペタマイニングユニット502、モバイルデモグラフィユニット503、および可視化ソリューションユニット504から構成されている。
交換機400は、BTS200、RNC300を介して、携帯端末100についての後述する位置情報を収集する。RNC300は、携帯端末100との間で通信接続が行われる際に、RRCコネクション要求信号における遅延値を用いて携帯端末100の位置を測定することができる。交換機400は、このように測定された携帯端末100の位置情報を、携帯端末100が通信接続を実行する際に受け取ることができる。交換機400は受け取った位置情報を記憶しておき、所定のタイミング又は管理センタ500からの要求に応じて、収集された位置情報を管理センタ500に出力する。
各種処理ノード700は、RNC300および交換機400を通じて携帯端末100の位置情報を取得し、場合によっては位置の再計算等を行い、所定のタイミングで又は管理センタ500からの要求に応じて、収集された位置情報を管理センタ500に出力する。
本実施形態における携帯端末100の位置情報としては、位置登録信号により求められた在圏セクタを示すセクタ番号、GPS測位システムやPRACH PDによる位置情報取得システムで得られた位置測位データ等を採用することができる。携帯端末100の位置データは、上記のような位置情報とともに、当該携帯端末を識別する識別情報(例えば回線番号等の携帯端末と対応付けられる情報)、および位置情報が取得された位置取得時刻情報を含む。なお、識別情報として回線番号を用いる場合は、回線番号をそのまま用いるのではなく、回線番号と対応付けられる値(例えば回線番号のハッシュ値等)を用いる(即ち、回線番号を非識別化する)ことが好適である。このように回線番号と対応付けられる値(例えば回線番号のハッシュ値等)を用いてユーザの属性ごとの処理を行う場合には、属性情報に含まれるユーザ特定可能な情報についても、当該ユーザ特定可能な情報と対応付けられる値を用いる(即ち、当該ユーザ特定可能な情報を非識別化する)必要がある。このような非識別化については、第8実施形態で詳細に説明する。
管理センタ500は、上述したとおり、社会センサユニット501、ペタマイニングユニット502、モバイルデモグラフィユニット503、および可視化ソリューションユニット504を含んで構成されており、各ユニットでは、携帯端末100の位置情報に用いた統計処理を行う。なお、後述する端末数推計装置10(図2)は、例えば管理センタ500により構成することができる。
社会センサユニット501は、各交換機400および各種処理ノード700から、又は、オフラインで、携帯端末100の位置情報等を含んだデータを収集するサーバ装置である。この社会センサユニット501は、交換機400および各種処理ノード700から定期的に出力されたデータを受信したり、又は社会センサユニット501において予め定められたタイミングに従って交換機400および各種処理ノード700からデータを取得したりできるように構成されている。
ペタマイニングユニット502は、社会センサユニット501から受信したデータを所定のデータ形式に変換するサーバ装置である。例えば、ペタマイニングユニット502は、ユーザIDをキーにソーティング処理を行ったり、エリアごとにソーティング処理を行ったりする。
モバイルデモグラフィユニット503は、ペタマイニングユニット502において処理されたデータに対する集計処理、すなわち各項目のカウンティング処理を行うサーバ装置である。例えば、モバイルデモグラフィユニット503は、あるエリアに在圏するユーザ数をカウントしたり、また在圏分布を集計したりすることができる。
可視化ソリューションユニット504は、モバイルデモグラフィユニット503において集計処理されたデータを可視可能に処理するサーバ装置である。例えば、可視化ソリューションユニット504は、集計されたデータを地図上にマッピング処理することができる。この可視化ソリューションユニット504にて処理されたデータは、企業、官公庁又は個人等に提供され、店舗開発、道路交通調査、災害対策、環境対策等に利用される。なお、このように統計処理された情報は、当然にプライバシーを侵害しないように個人等は特定されないように加工されている。
なお、社会センサユニット501、ペタマイニングユニット502、モバイルデモグラフィユニット503および可視化ソリューションユニット504はいずれも、前述したようにサーバ装置により構成され、図示は省略するが、通常の情報処理装置の基本構成(即ち、CPU、RAM、ROM、キーボードやマウス等の入力デバイス、外部との通信を行う通信デバイス、情報を記憶する記憶デバイス、および、ディスプレイやプリンタ等の出力デバイス)を備えることは言うまでもない。
[端末数推計装置の構成]
次に、本実施形態に係る端末数推計装置について説明する。図2には端末数推計装置10の機能ブロック構成を示す。この図2に示すように、端末数推計装置10は、位置データ取得部11(位置データ取得手段)、蓄積部12、観測期間取得部13(観測期間取得手段)、観測エリア取得部14(観測エリア取得手段)、観測対象取得部15(観測対象取得手段)、前後位置データ取得部16(前後位置データ取得手段)、特徴量計算部17(特徴量計算手段)、端末数推計部18(端末数推計手段)、および端末数出力部19(出力手段)を備えている。
以下、図2の端末数推計装置10の各部の機能を説明する。位置データ取得部11は、上述した位置データを外部から取得し蓄積部12に保存する。蓄積部12は、多数のユーザ(携帯端末)についての複数の時刻にわたる位置データを保存している。観測期間取得部13は、観測開始時刻と観測終了時刻との組を含む観測期間情報を取得する。観測エリア取得部14は、1乃至複数の位置情報と対応づけられる観測エリア情報を取得する。ここでの観測エリア情報は、例えばセクタ番号、緯度経度、地理的な範囲(例えば市区町村)等として与えられ、観測エリア取得部14は、取得される観測エリア情報の表現形式と位置情報の表現形式とを対応づける情報(例えばセクタ番号と緯度経度との対応関係情報等)を管理するデータベースを備えることが望ましい。
観測対象取得部15は、蓄積部12から、観測すべき観測期間に関する観測開始時刻以降であり且つ観測終了時刻以前である位置取得時刻情報を含み、且つ観測すべき観測エリアに関する観測エリア情報に対応づけられる位置情報を含む1乃至複数の位置データを、観測対象位置データとして取得する。なお、観測対象位置データは、別途与えられた条件(例えば携帯端末のユーザの年齢層等)によって、さらに絞り込みをかけてもよい。
前後位置データ取得部16は、特徴量を求める対象の位置データ(以下「第1の位置データ」という)について、当該第1の位置データと同一の識別情報を含む位置データのうち、当該第1の位置データの直前の位置データ(以下「第2の位置データ」という)の位置取得時刻情報、および当該第1の位置データの直後の位置データ(以下「第3の位置データ」という)の位置取得時刻情報を取得する。なお、前後位置データ取得部16は、第2又は第3の位置データの全体を取得することは必須ではなく、少なくとも、位置データに含まれる位置取得時刻情報を取得すればよい。
第1実施形態では、前後位置データ取得部16は、観測対象取得部15により取得された観測対象位置データを第1の位置データとして、当該第1の位置データに関する第2、第3の位置データの位置取得時刻情報を取得し、後述の特徴量計算部17は観測対象位置データについての特徴量を計算する。即ち、第1実施形態は、特徴量を計算する対象の位置データを観測対象位置データに絞る実施形態である。これに対し、後述の第2実施形態では、取得された全ての位置データを対象として特徴量を計算する例を説明する。
特徴量計算部17は、第1の位置データ(第1実施形態では観測対象位置データ)それぞれについての特徴量を計算する。例えば、特徴量計算部17は、第2の位置データの位置取得時刻と第3の位置データの位置取得時刻との差を、当該第1の位置データについての特徴量として計算する。また、特徴量計算部17は、第2の位置データの位置取得時刻が異常値である場合、ここでは一例として第1の位置データの位置取得時刻と第2の位置データの位置取得時刻との差が所定の基準値(例えば1時間)より大きい場合に、第1の位置データの位置取得時刻から予め定められた時間(例えば1時間)だけ過去に遡った時刻を第2の位置データの位置取得時刻として用いて、第1の位置データについての特徴量を計算する。同様に、特徴量計算部17は、第3の位置データの位置取得時刻が異常値である場合、ここでは一例として第1の位置データの位置取得時刻と第3の位置データの位置取得時刻との差が所定の基準値(例えば1時間)より大きい場合に、第1の位置データの位置取得時刻から予め定められた時間(例えば1時間)だけ未来に進めた時刻を第3の位置データの位置取得時刻として用いて、第1の位置データについての特徴量を計算する。このような第2、第3の位置データの位置取得時刻が異常値である場合の処理は、必須の処理ではないが、上記処理を行うことで、携帯端末100が圏外に位置していることや携帯端末100の電源がオフされていること等に起因して位置データの取得時間間隔が異常に長くなった際に、当該異常に長くなった取得時間間隔による影響が過大に出ることを防ぐことができる。
端末数推計部18は、観測対象位置データについての特徴量および観測開始時刻と観測終了時刻との差である観測期間長に基づいて、観測期間中に観測エリアに在圏した端末数を推計する。詳細は後述するが、端末数推計部18は、観測対象位置データについての特徴量の総和を観測期間長の2倍によって除して得られた数値を端末数として推計する。
端末数出力部19は、推計により得られた端末数を出力する。ここでの出力には、表示出力、音声出力、印刷出力等さまざまな出力態様が含まれる。
[端末数推計の考え方および計算方法]
次に、端末数推計の考え方および計算方法を説明する。図3に示すモデルのように、ある観測期間(長さT)の間に、n個の端末a,a,…,aがセクタSを通過し、各端末aの観測期間内のセクタSの滞在時間がt(0<t≦T)であったとする。このとき、セクタSに存在する端末数m(実際にはセクタSに存在する端末数mの観測期間内における平均値)は、以下の式(1)で表わされる。
Figure 0005470469
即ち、各端末aの観測期間内のセクタSの滞在時間tの総和を観測期間の長さTで除した結果を、端末数mとして推計する。ただし、端末aの観測期間内のセクタSの滞在時間tの真の値は観測不能であるが、各端末aは信号(例えば位置登録信号)を発信し、それらの信号は観測可能である。
端末aが観測期間内にセクタSで発信した信号を、時刻順に
Figure 0005470469
(xは、端末aが観測期間内にセクタSで発信した信号の総数)とすると、端末数の推計とは、観測された信号qij(jは1以上x以下の整数)からmの値を推計することに他ならない。
さて、図4に基づき端末数推計の計算方法を説明する。端末aから信号qijが送信される密度(即ち、単位時間あたりの信号数)をpとする。このとき、信号が送信される確率がセクタに対して独立であれば、端末aが観測期間内にセクタSで発信した信号の総数xの期待値E(x)は、E(x)=t×pであるため、端末aの観測期間内のセクタSの滞在時間tの期待値E(t)について以下の式(2)が成立する。
E(t)=x/p (2)
ここで、信号qijの送信時刻をuijとしたとき、信号qijの密度pijは、以下の式(3)で与えられる。
ij=2/(ui(j+1)−ui(j−1)) (3)
ここで、信号qijを第1の位置データに係る信号とすると、信号qi(j-1)は第2の位置データに係る信号、信号qi(j+1)は第3の位置データに係る信号に相当する。本実施形態では、第2の位置データに係る信号qi(j-1)の送信時刻ui(j−1)と第3の位置データに係る信号qi(j+1)の送信時刻ui(j+1)の差、即ち、上記式(3)の(ui(j+1)−ui(j−1))を、第1の位置データについての特徴量wijとする。そのため、上記式(3)は、以下となる。即ち、特徴量wijは、密度pijの逆数に対応づけて算出することができる。
ij=2/(ui(j+1)−ui(j−1))=2/wij (4)
このとき密度pは、
Figure 0005470469
で与えられるため、端末数mの推計値E(m)は以下の式(6)で計算することができる。
Figure 0005470469
図4の例に示すように、観測期間内であり且つ端末aがセクタSに滞在していた期間内に、端末aは信号qi1、qi2、qi3を送信し、信号qi1の直前に信号qi0を、信号qi3の直後に信号qi4を送信したものとし、信号qi0、qi1、qi2、qi3、qi4の送信時刻をそれぞれui0、ui1、ui2、ui3、ui4とすると、上記の考え方は、端末aの観測期間内のセクタSの滞在時間tを、(ui0とui1の中点)から(ui3とui4の中点)までの期間と推計することに相当する。なお、端末aは、観測期間内ではないものの、セクタSへの滞在中に信号qi4を送信している。但し、滞在時間tの推計量の不偏性を維持するために、ここでは一例として、滞在時間tの終了時刻を観測期間Tの終了時刻と同じとして推計することは行わない処理を説明する。
[端末数推計処理]
以下、本発明の端末数推計方法に係る端末数推計処理を説明する。ここでは、携帯端末の位置データに含まれる位置情報には、一例として、当該携帯端末が在圏するセクタのセクタ番号が与えられているものとする。
図5に示すように、まず、位置データ取得部11が位置データを外部から取得し蓄積部12に保存する(図5のステップS1)。これにより、蓄積部12は、多数のユーザ(携帯端末)についての複数の時刻にわたる位置データを保存することとなる。なお、ステップS1の処理実行後、ステップS2以降の処理は、時間をおいて実行してもよい。即ち、ステップS2以降の処理の事前準備として、ステップS1を実行してもよい。
次に、観測期間取得部13が、観測開始時刻と観測終了時刻との組を含む観測期間情報を取得するとともに、観測エリア取得部14が、1乃至複数の位置情報と対応づけられる観測エリア情報を取得する(ステップS2)。ここでは、観測期間情報として、観測開始時刻T1と観測終了時刻T2の組が取得され、観測エリア情報として、セクタ番号Sが取得されたとする。
次に、観測対象取得部15が、蓄積部12から、観測開始時刻T1以降であり且つ観測終了時刻T2以前である位置取得時刻情報を含み且つ観測エリア情報であるセクタ番号Sに対応づけられる位置情報を含む(例えば位置情報がセクタ番号Sである)1乃至複数の位置データを、観測対象位置データとして取得する(ステップS3)。つまり、観測対象取得部15は、以下の条件に合致する位置データを観測対象位置データとして取得する。
条件1:位置取得時刻が、観測開始時刻T1以降であり且つ観測終了時刻T2以前である。即ち、観測期間内に含まれる。
条件2:位置情報がセクタSである。
次に、取得された観測対象位置データのそれぞれについて、以下のステップS4、S5の処理が実行される。ステップS4では、前後位置データ取得部16が、観測対象位置データのうち、特徴量を求める対象とする位置データ(第1の位置データ)について、当該第1の位置データと同一の識別情報を含む位置データのうち、位置取得時刻から見て、当該第1の位置データの直前の位置データ(第2の位置データ)の位置取得時刻情報、および当該第1の位置データの直後の位置データ(第3の位置データ)の位置取得時刻情報を取得する。なお、前後位置データ取得部16は、第2、第3の位置データの全体を取得することは必須ではなく、第2、第3の位置データに含まれる位置取得時刻情報を取得すればよい。
そして、ステップS5では、特徴量計算部17が、第1の位置データについての特徴量を計算する。その処理内容について、図6を用いて説明する。ここでは、第1、第2、第3の位置データの位置取得時刻を、それぞれt1、t2、t3とする。また、第2の位置データの位置取得時刻t2が異常値であると判断するための基準となる所定の基準値(第1、第2の位置データの位置取得時刻の差に関する基準値)を基準値A(例えば1時間)とし、第3の位置データの位置取得時刻t3が異常値であると判断するための基準となる所定の基準値(第1、第3の位置データの位置取得時刻の差に関する基準値)を基準値B(例えば1時間)とする。
特徴量計算部17は、第1、第2の位置データの位置取得時刻の差(即ち、時刻t1とt2の差)Da、および第1、第3の位置データの位置取得時刻の差(即ち、時刻t1とt3の差)Dbを算出する(図6のステップS11)。そして、特徴量計算部17は、第1、第2の位置データの位置取得時刻の差Daが所定の基準値A(例えば1時間)より大きいか否かを判断し(ステップS12)、もし、差Daが基準値Aより大きければ、第1の位置データの位置取得時刻t1から予め定められた時間(例えば1時間)だけ過去に遡った時刻を、第2の位置データの位置取得時刻t2とする(ステップS13)。次に、特徴量計算部17は、第1、第3の位置データの位置取得時刻の差Dbが所定の基準値B(例えば1時間)より大きいか否かを判断し(ステップS14)、もし、差Dbが基準値Bより大きければ、第1の位置データの位置取得時刻t1から予め定められた時間(例えば1時間)だけ未来に進めた時刻を、第3の位置データの位置取得時刻t3とする(ステップS15)。そして、特徴量計算部17は、第2の位置データの位置取得時刻t2と第3の位置データの位置取得時刻t3との差を、第1の位置データについての特徴量として計算する(ステップS16)。以上により、ある1つの観測対象位置データ(第1の位置データ)についてのステップS4、S5の処理が完了する。
以後、上述したステップS4、S5の処理が、観測対象位置データのそれぞれについて実行され、全ての観測対象位置データについて実行が完了すると(ステップS6で肯定判断)、ステップS7へ進む。
ステップS7では、端末数推計部18が、前述した式(6)に示すように、観測対象位置データについての特徴量wijの総和を観測期間長Tの2倍によって除して得られた数値を、端末数として推計する。なお、式(6)より明らかなように、端末数推計部18は、観測対象位置データについての特徴量wijそれぞれを2で除して、(特徴量wij/2)の総和を求め、求めた総和を観測期間長Tによって除して得られた数値を、端末数として推計してもよい。ただし、本実施形態のように観測対象位置データについての特徴量wijの総和を観測期間長Tの2倍によって除算する計算方法の方が、除算の回数が圧倒的に少なくて済むため、処理負荷を軽減できるという利点がある。
さらに、端末数出力部19が、推計により得られた端末数を出力する(ステップS8)。
以上の第1実施形態によれば、位置データを用いて端末数を推計する際に、前後の位置データの取得時刻情報を用いた補正を実施することにより、受信間隔の変動が与える影響を校正しつつ端末数を精度良く推計することができる。
また、特徴量の計算処理の中で、前述した第2、第3の位置データの位置取得時刻が異常値である場合の処理を行うことで、携帯端末100が圏外に位置していることや携帯端末100の電源がオフされていること等に起因して位置データの取得時間間隔が異常に長くなった際に、当該異常に長くなった取得時間間隔による影響が過大に出ることを防ぐことができる。
[第2実施形態]
上述した第1実施形態では、特徴量を計算する対象の位置データを観測対象位置データに絞る例を説明したが、以下の第2実施形態では、取得された全ての位置データを対象として特徴量を計算する例、即ち、端末数推計を実施する前に予め全ての位置データについての特徴量を計算しておき、そのうち観測対象位置データについての特徴量を用いて端末数を推計する例を説明する。なお、第2実施形態の通信システムのシステム構成は、図1の第1実施形態におけるシステム構成と同様であるため、同システム構成の説明を省略する。
図7に示すように第2実施形態に係る端末数推計装置10は、第1実施形態に係る端末数推計装置(図2)と同様の構成要素を備え、各構成要素の機能はほぼ同様であるため、ここでは、第1実施形態に係る端末数推計装置との相違点を中心に説明する。
第2実施形態の観測対象取得部15は、観測すべき観測期間に関する観測開始時刻以降であり且つ観測終了時刻以前である位置取得時刻情報を含み且つ観測すべき観測エリアに関する観測エリア情報に対応づけられる位置情報を含む1乃至複数の位置データを、観測対象位置データとして取得し、その後、観測対象位置データを端末数推計部18へ出力する。
前後位置データ取得部16は、位置データ取得部11により取得された全ての位置データそれぞれを第1の位置データとして、当該第1の位置データに関する第2の位置データ(直前の位置データ)および第3の位置データ(直後の位置データ)それぞれの位置取得時刻情報を取得する。なお、上記の位置データ取得部11により取得された位置データは、位置データ取得部11により取得されたのち蓄積部12に蓄積されているものであってもよいし、蓄積部12に蓄積されることなく位置データ取得部11から前後位置データ取得部16へ送られたものであってもよい。
特徴量計算部17は、位置データ取得部11により取得された全ての位置データそれぞれを第1の位置データとして、当該第1の位置データについての特徴量を計算する。この計算結果は膨大な量となるため、図7に示すように特徴量計算部17は、計算結果の特徴量を保管するための特徴量保管部17Aを備え、特徴量保管部17Aによって計算結果の特徴量を保管することが望ましい。なお、特徴量計算部17が第2、第3の位置データの位置取得時刻の差を第1の位置データについての特徴量として計算する点、および図6に示す第2又は第3の位置データの位置取得時刻が異常値である場合の処理を行う点は、第1実施形態と同様である。
端末数推計部18は、予め計算され特徴量保管部17Aに保管された全ての位置データについての特徴量のうち、観測対象取得部15から受信した観測対象位置データについての特徴量を抽出し、当該観測対象位置データについての特徴量および観測開始時刻と観測終了時刻との差(観測期間長)に基づいて、観測期間中に観測エリアに在圏した端末数を推計する。具体的には、第1実施形態と同様に、端末数推計部18は、観測対象位置データについての特徴量の総和を観測期間長の2倍によって除して得られた数値を端末数として推計する。
以下、第2実施形態における端末数推計処理を説明する。ここでは、携帯端末の位置データに含まれる位置情報として、当該携帯端末が在圏するセクタのセクタ番号が与えられているものとする。
図8に示すように、まず、位置データ取得部11が位置データを外部から取得し蓄積部12に保存する(図8のステップS21)。ただし、蓄積部12への位置データの保存は必須ではなく、位置データを位置データ取得部11から前後位置データ取得部16へ直接転送し、後述のステップS22を実行してもよい。また、ステップS22以降の処理は、ステップS21の処理の実行後、時間間隔をあけて実行してもよい。
次に、取得された全ての位置データそれぞれについて、以下のステップS22〜S24の処理が実行される。ステップS22では、前後位置データ取得部16が、特徴量を求める対象とする1つの位置データ(第1の位置データ)について、当該第1の位置データと同一の識別情報を含む位置データのうち、位置取得時刻から見て、当該第1の位置データの直前の位置データ(第2の位置データ)の位置取得時刻情報、および当該第1の位置データの直後の位置データ(第3の位置データ)の位置取得時刻情報を取得する。なお、前後位置データ取得部16は、第2、第3の位置データの全体を取得することは必須ではなく、第2、第3の位置データに含まれる位置取得時刻情報を取得すればよい。そして、ステップS23では、特徴量計算部17が、第1実施形態と同様の図6に示す手順で、第1の位置データについての特徴量を計算する。ステップS23の処理は、前述した第1実施形態のステップS5の処理と同様なので、説明を省略する。その後、ステップS23で得られた特徴量は、特徴量保管部17Aに保管される(ステップS24)。
以上により、ある1つの観測対象位置データ(第1の位置データ)についてのステップS22〜S24の処理が完了する。
以後、ステップS22〜S24の処理が、全ての位置データそれぞれについて実行される。そして、全ての位置データについてステップS22〜S24の処理が完了すると(ステップS25で肯定判断)、全ての位置データについての特徴量が計算され特徴量保管部17Aに保管されることとなる。このようにして、端末数推計を実施する前に予め全ての位置データについての特徴量を計算し保管しておくことができる。
次のステップS26では、観測期間取得部13が、観測開始時刻と観測終了時刻との組を含む観測期間情報を取得するとともに、観測エリア取得部14が、1乃至複数の位置情報と対応づけられる観測エリア情報を取得する。ここでは、観測期間情報として、観測開始時刻T1と観測終了時刻T2の組が取得され、観測エリア情報として、セクタ番号Sが取得されたとする。
次に、観測対象取得部15が、蓄積部12から、観測開始時刻T1以降であり且つ観測終了時刻T2以前である位置取得時刻情報を含み且つ観測エリア情報であるセクタ番号Sに対応づけられる位置情報を含む(例えば位置情報がセクタ番号Sである)1乃至複数の位置データを、観測対象位置データとして取得する(ステップS27)。つまり、観測対象取得部15は、以下の条件に合致する位置データを観測対象位置データとして取得する。
条件1:位置取得時刻が、観測開始時刻T1以降であり且つ観測終了時刻T2以前である。即ち、観測期間内に含まれる。
条件2:位置情報がセクタSである。
なお、観測対象位置データの取得は、以下のように行ってもよい。即ち、特徴量計算部17が、計算で得られた特徴量を計算対象の位置データ(上記第1の位置データ)に関連付けて、関連付け後の特徴量付き位置データを特徴量保管部17Aに保管しておく。そして、端末数推計部18が、観測対象取得部15経由で観測期間情報および観測エリア情報を取得し、観測期間および観測エリアの条件に合致する特徴量付き位置データを、特徴量保管部17から読み出して観測対象位置データとして取得してもよい。
図8へ戻り、次のステップS28では、端末数推計部18が、前述した式(6)に示すように、観測対象位置データについての特徴量wijの総和を観測期間長Tの2倍によって除して得られた数値を、端末数として推計する。なお、式(6)より明らかなように、端末数推計部18は、観測対象位置データについての特徴量wijそれぞれを2で除して、(特徴量wij/2)の総和を求め、求めた総和を観測期間長Tによって除して得られた数値を、端末数として推計してもよい。ただし、本実施形態のように観測対象位置データについての特徴量wijの総和を観測期間長Tの2倍によって除算する計算方法の方が、除算の回数が圧倒的に少なくて済むため、処理負荷を軽減できるという利点がある。
さらに、端末数出力部19が、推計により得られた端末数を出力する(ステップS29)。
以上の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、位置データを用いて端末数を推計する際に、前後の位置データの取得時刻情報を用いた補正を実施することにより、受信間隔の変動が与える影響を校正しつつ端末数を精度良く推計することができる。
特に、第2実施形態では、端末数推計を実施する前に予め全ての位置データについての特徴量を計算し保管しておくため、端末数推計装置は、観測期間情報および観測エリア情報を取得し端末数の推計処理を開始してから、推計結果の端末数を得るまでの時間を短縮することができる、という利点がある。
なお、図8の処理において、ステップS26〜S27の処理を、ステップS25の後に実行することは必須ではなく、ステップS22〜S25の処理とステップS26〜S27の処理とを同時並行で実行してもよい。
[第3実施形態]
第3実施形態では、端末数推計に関する第2の手法および同手法に基づく特徴量の計算処理について説明する。第3実施形態における通信システムおよび端末数推計装置の構成は、第1、第2実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図9には、端末数推計の第2の考え方に関する図を示す。この図9において、qijは端末aにて生成された位置データを示し、このうちqi1、qi2、qi3は観測期間内にセクタSに在圏中に端末aにて生成された位置データを示す。ここで、qi1は、端末aが位置登録エリア(Location Area)境界を跨ったことに起因して生成された位置登録情報(以下「LA跨り位置登録情報」という)を含むと想定し、以下「LA跨り位置登録情報qi1」という。この場合、LA跨り位置登録情報qi1が生成されたタイミングで端末aはセクタSに進入したと判断できるため、LA跨り位置登録情報qi1についての特徴量wi1を、前述した第1、第2実施形態のように直前の位置データqi0の生成時刻と直後の位置データqi2の生成時刻との差分ではなく、LA跨り位置登録情報qi1の生成時刻と直後の位置データqi2の生成時刻との差分とする考え方も成立する。
かかる考え方に基づけば、端末aが観測期間内にセクタSに在圏していた在圏期間tは、図9にて太線で示す期間となり、第1、第2実施形態の在圏期間(図9にて破線で示す期間)よりも、(LA跨り位置登録情報qi1の生成時刻と直前の位置データqi0の生成時刻との差分/2)だけ短くなる。
また、図28に示すように、位置データqi4がLA跨り位置登録情報を含むと想定し、以下「LA跨り位置登録情報qi4」という。この場合、LA跨り位置登録情報qi4が生成されたタイミングで端末aはセクタSから退出したと判断できる。そのため、LA跨り位置登録情報qi4の直前の位置データqi3についての特徴量wi3を計算する場合、位置データqi3についての特徴量wi3は、(位置データqi3の生成時刻と直後のLA跨り位置登録情報qi4の生成時刻との差分/2)だけ長くなる。即ち、端末aが観測期間内にセクタSに在圏していた在圏期間tは、図28にて太線で示す期間となり、第1、第2実施形態の在圏期間(図28にて破線で示す期間)よりも、(位置データqi3の生成時刻と直後のLA跨り位置登録情報qi4の生成時刻との差分/2)だけ長くなる。
以上のような端末数推計の第2の考え方に基づく特徴量の計算処理について、図10を用いて説明する。以下では、特徴量を計算する対象の位置データを「計算対象位置データ」という。
図10に示すように、特徴量計算部17は、まず、計算対象位置データがLA跨り位置登録情報を含むか否かを、例えば計算対象位置データに含まれる呼種情報により判別する(ステップS31)。ここで、計算対象位置データがLA跨り位置登録情報を含む場合、特徴量計算のための第1の変数s(以下「変数s」という)に計算対象位置データの位置取得時刻をセットし(ステップS32)、計算対象位置データがLA跨り位置登録情報を含まない場合、変数sに計算対象位置データの位置取得時刻と直前の位置データの位置取得時刻との中点時刻をセットする(ステップS33)。
次に、特徴量計算部17は、直後の位置データがLA跨り位置登録情報を含むか否かを、例えば直後の位置データに含まれる呼種情報により判別する(ステップS34)。ここで、直後の位置データがLA跨り位置登録情報を含む場合、特徴量計算のための第2の変数e(以下「変数e」という)に直後の位置データの位置取得時刻をセットし(ステップS35)、直後の位置データがLA跨り位置登録情報を含まない場合、変数eに計算対象位置データの位置取得時刻と直後の位置データの位置取得時刻との中点時刻をセットする(ステップS36)。なお、上記のステップS31、S34の判別処理を呼種情報に基づいて行うことは必須ではなく、他の情報に基づいて行ってもよい。例えば、位置登録エリアの範囲を示すエリア情報を予め保持し、計算対象位置データ及び直後の位置データの位置情報とエリア情報とを基に、判別処理を行うことも可能である。
次に、特徴量計算部17は、図11に示す変数s、eの適正化処理を行う(ステップS37)。ここでは、計算対象位置データの位置取得時刻をt1とし、変数sが異常値であると判断するための基準となる所定の基準値を基準値C(例えば0.5時間)とし、変数eが異常値であると判断するための基準となる所定の基準値を基準値D(例えば0.5時間)とする。
特徴量計算部17は、変数sと時刻t1の差Dc、および、変数eと時刻t1の差Ddを算出する(図11のステップS41)。そして、特徴量計算部17は、変数sと時刻t1の差Dcが所定の基準値C(例えば0.5時間)より大きいか否かを判断し(ステップS42)、もし、差Dcが基準値Cより大きければ、時刻t1から予め定められた時間(例えば0.5時間)だけ過去に遡った時刻を変数sにセットする(ステップS43)。次に、特徴量計算部17は、変数eと時刻t1の差Ddが所定の基準値D(例えば0.5時間)より大きいか否かを判断し(ステップS44)、もし、差Ddが基準値Dより大きければ、時刻t1から予め定められた時間(例えば0.5時間)だけ未来に進めた時刻を変数eにセットする(ステップS45)。このような変数s、eの適正化処理を行うことで、携帯端末100が圏外に位置していることや携帯端末100の電源がオフされていること等に起因して位置データの取得時間間隔が異常に長くなった際に、当該異常に長くなった取得時間間隔による影響が過大に出ることを防ぐことができる。
次に図10へ戻り、特徴量計算部17は、(変数e−変数s)を2倍した値を、計算対象位置データについての特徴量として計算する(ステップS38)。以上により、計算対象位置データについての特徴量が得られる。
以上の第3実施形態によれば、計算対象位置データおよびその直後の位置データのうち少なくとも一方がLA跨り位置登録情報であった場合に、当該LA跨り位置登録情報が生成されたタイミングでセクタSへの流入又はセクタSからの流出が発生したという点を考慮した上で、精度の高い特徴量を得ることができる。
なお、第3実施形態で説明した特徴量の計算手法は、第1実施形態のように観測対象位置データに絞って特徴量を計算して端末数を推計するケースでも、第2実施形態のように予め全ての位置データについての特徴量を計算しておき、そのうち観測対象位置データについての特徴量を用いて端末数を推計するケースでも適用することができる。
[第4実施形態]
以下の第4、第5実施形態では、推計で得られた端末数を人口に変換するための係数(以下「拡大係数」という)を用いて人口を推計する例について説明する。このうち第4実施形態では、特徴量に拡大係数を乗算し当該乗算結果の集計値を用いて人口を求める実施形態を説明し、第5実施形態では、人口推計単位ごと(例えば属性や時間帯ごと)に特徴量を集計し、人口推計単位に応じた拡大係数を当該集計値に乗算し、当該乗算結果を用いて人口を求める実施形態を説明する。
第4実施形態以降の実施形態では、予め全ての位置データについての特徴量を計算し、そのうち観測対象位置データについての特徴量を用いて人口又は端末数を推計する処理をベースにして説明する。ただし、観測対象位置データに絞って特徴量を計算して人口又は端末数を推計する処理についても適用することができる。
図12に示すように、第4実施形態における端末数推計装置10の機能ブロック構成は、第2実施形態における端末数推計装置の機能ブロック構成(図7)に対し以下の点が異なるため、かかる相違点について説明する。端末数推計装置10は、端末数推計部18に代わり、特徴量に基づき人口を推計する人口推計部21を備え、端末数出力部19に代わり、人口推計部21による推計値を出力する人口出力部22を備える。ただし、特許請求の範囲における「端末数推計手段」は端末数推計部18および人口推計部21に対応し、「出力手段」は端末数出力部19および人口出力部22に対応する。
また、端末数推計装置10は、携帯端末ユーザごとの属性情報および予め求められた属性ごとの拡大係数を記憶した属性・拡大係数記憶部23(拡大係数記憶手段)を備える。特徴量計算部17は、位置データのユーザ識別情報(例えばハッシュ済み電話番号)をキーにして、ユーザの属性情報および該属性情報に関する拡大係数を属性・拡大係数記憶部23から読み出し、位置データに対し、算出された特徴量と読み出した属性情報および拡大係数とを関連付けて、関連付け後の位置データを特徴量保管部17Aに保管する。
次に、第4実施形態の端末数推計装置10による処理について図13を用いて説明する。図13に示す第4実施形態の処理は、第2実施形態の処理(図8)に対し、以下の点が異なるため、かかる相違点について説明する。
図13に示すように、ステップS23で特徴量の計算処理を行った後、ステップS24Aでは、特徴量計算部17は、位置データのユーザ識別情報(例えばハッシュ済み電話番号)をキーにして、ユーザの属性情報および該属性情報に関する拡大係数を属性・拡大係数記憶部23から読み出し、位置データに対し、算出された特徴量と読み出した属性情報および拡大係数とを関連付けて、関連付け後の位置データを特徴量保管部17Aに保管する。図13のステップS22〜S24Aの処理が全ての位置データについて順に実行されることで、それぞれの特徴量、属性情報および拡大係数が関連付けられた位置データが特徴量保管部17Aに保管される。
その後、ステップS26で、観測期間情報および観測エリア情報が取得された後、ステップS27にて人口推計部21は、観測対象取得部15経由で観測期間情報および観測エリア情報を受け取り、観測期間情報および観測エリア情報の条件に合致する位置データ(即ち、観測対象位置データ)を特徴量保管部17Aから取得する。そして、ステップS28Aにて人口推計部21は、各観測対象位置データについて特徴量と拡大係数とを乗算し、得られた乗算結果の総和を(観測長×2)で除した値を、観測期間に観測エリア内に在圏した人口として推計する。また、人口推計部21は、各観測対象位置データに関連付けられた属性情報や各観測対象位置データに含まれた取得時刻情報に基づいて、各観測対象位置データについての上記乗算結果を属性ごとに集計し、その集計値を(観測長×2)で除した値を属性ごとの人口として推計する。なお、ここでは属性ごとに人口を推計する例を述べたが、人口を推計する単位は、属性に限定されるものではなく、場所や時間帯などを採用してもよい。以下、これらの推計単位(属性、場所、時間帯など)を「人口推計単位」と称する。
さらに、次のステップS29で人口出力部22は、ステップS28Aの推計で得られた、観測期間に観測エリア内に在圏した人口および人口推計単位ごとの人口を出力する。ここでは、例えば図16に示すように、観測エリアについて推定された人口(図16では「推定人口」と表記)や、性別・年齢層・住所といった属性ごとの人口を出力することができる。また、複数の属性を組み合わせた条件(例えば性別と住所を組み合わせた「東京都在住の女性」といった条件)を採用してもよい。なお、ここでの出力には、表示出力、音声出力、印刷出力等さまざまな出力態様が含まれる。
以上のような第4実施形態により、観測期間に観測エリア内に在圏した人口および人口推計単位(例えば属性や時間帯)ごとの人口を得ることができる。
なお、上記のステップS28A、S29では、観測期間中の観測エリア内の人口と、人口推計単位ごとの人口の両方を推計して出力する例を述べたが、これら両方を推計して出力することは必須ではなく、一方を推計して出力してもよい。
また、第4実施形態では、拡大係数が予め求められている例を説明したが、拡大係数は、以下のようにして取得してもよい。拡大係数は、一例として、在圏率と端末の普及率との積(即ち、人口に対する在圏数の比率)の逆数を用いることができる。ここで「在圏率」とは、契約台数に対する在圏数の比率を意味し、「普及率」とは人口に対する契約台数の比率を意味する。このような拡大係数は、前述した拡大係数算出単位ごとに導出することが望ましいが、必須ではない。また、拡大係数は、例えば以下のように特徴量および観測期間長に基づいて推計された端末数(在圏数)を用いて導出してもよい。第1〜第3実施形態で述べた手法により位置データから特徴量を求め、特徴量および観測期間長に基づいて、拡大係数算出単位ごとの端末数を集計することでユーザ数ピラミッドデータを得るともに、統計データ(例えば住民基本台帳など)として予め求められた同じ拡大係数算出単位における人口ピラミッドデータを取得する。そして、ユーザ数ピラミッドデータ及び人口ピラミッドデータにおいて拡大係数算出単位ごとの位置データの取得率(即ち、在圏数/人口)を算出する。ここで得られた「位置データの取得率(即ち、在圏数/人口)」が、前述した「在圏率と端末の普及率との積」に相当する。このようにして得られた「位置データの取得率」の逆数を拡大係数として導出することができる。なお、拡大係数を算出する拡大係数算出単位としては、一例として、住所の都道府県ごと、5才又は10才刻み年齢層ごと、男女ごと、時間帯として1時間ごとなどを採用してもよいし、これらの2つ以上を組み合わせたものを採用してもよい。例えば、拡大係数算出単位を「東京都在住の20才台の男性」とした場合、日本全国における、東京都在住の(即ち、ユーザ属性における住所情報が東京都である)20才台の男性に該当する位置データを抽出して端末数を集計することでユーザ数ピラミッドデータを得るとともに、統計データから東京都在住の20才台の男性に関する人口ピラミッドデータを取得する。なお、上記ユーザ数ピラミッドデータを得る際に、「東京都在住」という条件については、東京都に在圏するユーザの位置データだけを抽出するのではなく、ユーザ属性における住所情報が東京都である位置データを抽出する。そして、ユーザ数ピラミッドデータ及び人口ピラミッドデータから拡大係数算出単位(ここでは東京都在住の20才台の男性)の位置データの取得率(即ち、在圏数/人口)を算出し、得られた「位置データの取得率」の逆数を拡大係数として導出することができる。なお、本願では、拡大係数算出単位と人口推計単位とが等しいものとして説明しているが、これはあくまでも一例であり、これに限られるものではない。
また、第4実施形態では、第2実施形態をベースにして人口を求める処理を説明したが、第4実施形態は、前述した第1、第3実施形態にも適用可能である。
[第5実施形態]
第5実施形態では、人口推計単位ごと(例えば属性や時間帯ごと)に特徴量を集計し、人口推計単位に応じた拡大係数を当該集計値に乗算することで人口を求める実施形態を説明する。
図14に示すように、第5実施形態の端末数推計装置10の機能ブロック構成は、前述した第4実施形態の端末数推計装置(図12)の機能ブロック構成と似ているが、拡大係数については特徴量計算部17ではなく人口推計部21が属性・拡大係数記憶部23から読み出して、拡大係数を用いた人口の推計を行う点が第4実施形態と異なる。即ち、特徴量計算部17および人口推計部21による処理が第4実施形態と異なるため、この点について図15を用いて説明する。
図15に示すように、ステップS23で特徴量の計算処理を行った後、ステップS24Bでは、特徴量計算部17は、ユーザ識別情報(例えばハッシュ済み電話番号)をキーにして位置データから該位置データのユーザの属性情報を特定し、該属性情報を属性・拡大係数記憶部23から読み出し、位置データに、算出された特徴量と読み出した属性情報を関連付けて、関連付け後の位置データを特徴量保管部17Aに保管する。図15のステップS22〜S24Bの処理が全ての位置データについて順に実行されることで、それぞれの特徴量および属性情報が関連付けられた位置データが、特徴量保管部17Aに保管される。
その後、ステップS26で、観測期間情報および観測エリア情報が取得された後、ステップS27にて人口推計部21は、観測期間情報および観測エリア情報の条件に合致する位置データ(即ち、観測対象位置データ)を特徴量保管部17Aから取得する。そして、ステップS28Bにて人口推計部21は、以下のようにして拡大係数を用いた人口の推計を行う。
まず人口推計部21は、取得された観測対象位置データのうち、ある人口推計単位(属性や時間帯)の条件に合致する観測対象位置データを特定し、特定された観測対象位置データについて特徴量を集計し(ステップS51)、当該人口推計単位に関する拡大係数を属性・拡大係数記憶部23から読み出して、当該拡大係数と特徴量集計値とを乗算し、乗算結果(拡大係数×特徴量集計値)を(観測期間長×2)で除した値を当該人口推計単位の人口として推計する(ステップS52)。そして、上記ステップS51〜S52は、人口推計単位それぞれについて実行され、全ての人口推計単位について実行完了すると、ステップS54へ進む。この時点で、推計結果として、人口推計単位それぞれについての人口が得られる。さらに、人口推計単位それぞれについての人口を総和し、その総和を、観測期間に観測エリア内に在圏した人口として推計する(ステップS54)。
以上のステップS28Bにより、観測期間に観測エリア内に在圏した人口および人口推計単位ごとの人口が得られる。そして、次のステップS29で人口出力部22は、ステップS28Aの推計で得られた、観測期間に観測エリア内に在圏した人口および人口推計単位ごとの人口を出力する。
以上のような第5実施形態により、例えば図16に示すような、観測エリアについて推定された人口(図16では「推定人口」と表記)や、属性や時間帯等の人口推計単位ごとの人口を得ることができる。
なお、第4実施形態と同様に、ステップS28A、S29では、観測期間中の観測エリア内の人口と、人口推計単位ごとの人口の両方を推計して出力する例を述べたが、これら両方を推計して出力することは必須ではなく、一方を推計して出力してもよい。また、第5実施形態では、第2実施形態をベースにして人口を求める処理を説明したが、第5実施形態は、前述した第1、第3実施形態にも適用可能である。
[第6実施形態]
以下の第6、第7実施形態では、集計単位であるエリアごとの推計値(人口又は端末数)を、出力単位(ここでは一例としてメッシュ)ごとの推計値に変換する例について説明する。このうち第6実施形態では、単一の周波数帯を利用する屋外局の通信領域が存在する環境における処理を説明し、第7実施形態では、屋内局の通信領域および電波到達範囲が異なる周波数帯を利用する複数の屋外局の通信領域のうち2つ以上が地理的に重複して存在する環境における処理を説明する。なお、出力単位と集計単位とが同一の場合は、以下の第6、第7実施形態で述べる変換処理は不要である。
第6実施形態では、第4実施形態に係る人口を推計する端末数推計装置に対し、上述したメッシュごとの推計値への変換機能を加えた端末数推計装置およびその処理について説明する。
図17に示すように、第6実施形態における端末数推計装置10の機能ブロック構成は、第4実施形態における端末数推計装置の機能ブロック構成(図12)において、人口推計部21と人口出力部22の間に、変換部24(変換手段)を加えた構成とされている。変換部24は、人口推計部21による推計で得られたエリアごとの人口を、後述の処理によりメッシュごとの人口へ変換する。
以下、変換部24の処理を図18に基づき具体的に説明する。図18(a)はエリアのエリア範囲を示す図、図18(b)はメッシュを示す図、図18(c)はエリアとメッシュとを合成した合成図である。
変換部24は、予め記憶したエリア境界情報に基づいて再現されるエリア図(図18(a)参照)と、所定の区画分け規則に基づき再現される2次元的なメッシュ(図18(b)参照)とを合成し、図18(c)に示すような合成図を得る。次に、変換部24は、上記合成図においてメッシュ境界により各エリアを分割する。例えば、図19に示すように、図18(a)のエリアAは、メッシュ境界により4つの分割エリアA−1、A−2、A−3、A−4に分割される。そして、変換部24は、各分割エリアの面積を算出し、各分割エリアの面積比を算出する。例えば図19に示すように、分割エリアA−1、A−2、A−3、A−4の面積として、それぞれ10m、50m、100m、40mが算出されたとすると、分割エリアA−1、A−2、A−3、A−4の面積比(例えば百分率)として、5%、25%、50%、20%が算出される。
なお、変換部24が各分割エリアの面積比を算出することは必須ではない。例えば、各分割エリアの面積比は予め求められており、変換部24は、各分割エリアの面積比の情報を、端末数推計装置10内の図示しないテーブル又は外部から参照可能とされた構成であってもよい。
次に、変換部24は、各分割エリアの人口を算出する。例えば図18(a)のエリアAの人口が800人であったとすると、図18に示すように分割エリアA−2の人口として、200人(即ち、800人×25%)が算出される。同様に、エリアB、Cの人口がそれぞれ500人、750人であったとすると、エリアBにおける面積比80%の分割エリアB−1の人口として、400人(即ち、500人×80%)が算出され、エリアCにおける面積比80%の分割エリアC−4の人口として、600人(即ち、750人×80%)が算出される。
さらに、変換部24は、1つのメッシュに内包された複数の分割エリアの人口の総和を算出することで、当該メッシュの人口を算出する。図20の例では、1つのメッシュに内包された分割エリアA−2、B−1、C−4の人口の総和1200人(即ち、200人+400人+600人)を算出し、この1200人を当該メッシュの人口とする。
以上のようにして、単一の周波数帯を利用する屋外局の通信領域が存在する環境において、集計単位ごとの人口を出力単位ごとの人口に変換することができる。
なお、第6実施形態では、第4実施形態をベースにして、集計単位ごとの人口を出力単位ごとの人口に変換する処理を説明したが、第6実施形態は、前述した第5実施形態にも適用可能である。また、第6実施形態で述べた変換処理は、集計単位ごとの端末数を出力単位ごとの端末数に変換する場合にも適用可能であり、前述した第1〜第3実施形態に適用することで、集計単位ごとの端末数を出力単位ごとの端末数に変換することができる。
[第7実施形態]
第7実施形態では、屋内局の通信領域および電波到達範囲が異なる周波数帯を利用する複数の屋外局の通信領域のうち2つ以上が地理的に重複して存在する環境で、集計単位であるエリア(セクタ)ごとの推計値(端末数又は人口)を、出力単位(ここでは一例としてメッシュ)ごとの推計値に変換する例について説明する。
第7実施形態の端末数推計装置の機能ブロック構成は第6実施形態と同様であるが、変換部24の処理が異なるため、変換部24の処理について図21、図22に基づき説明する。
図21に示すように、屋内局の通信領域および電波到達範囲が異なる周波数帯(屋外2GHz/1.7GHzと屋外800MHz)を利用する複数の屋外局の通信領域が地理的に重複して存在する環境では、変換部24は、それぞれの通信領域について第6実施形態で述べた変換処理を行うことで、それぞれの通信領域に関する出力単位(メッシュ)ごとの人口を求め、最後に、出力単位ごとに各通信領域に関する人口を合算することで、出力単位ごとの人口を得る。
図21の例では、変換部24は、まず、屋外2GHz/1.7GHzを利用する屋外局の通信領域、屋外800MHzを利用する屋外局の通信領域、屋内局の通信領域それぞれについて第6実施形態で述べた変換処理を行う。例えば、屋外2GHz/1.7GHzを利用する屋外局の通信領域において、出力単位QとエリアAとが重なった分割エリアがエリアA全体に対し40%の面積比であるとすると、エリアAの推計人口100人に面積比0.4を乗算することで、出力単位QとエリアAとが重なった分割エリアの推計人口40人が得られる。同様にして、出力単位QとエリアBとが重なった分割エリアについての推計人口3人(エリアBの推計人口30人×面積比0.1)、および、出力単位QとエリアCとが重なった分割エリアの推計人口5人(エリアCの推計人口100人×面積比0.05)が得られる。屋外800MHzを利用する屋外局の通信領域についても同様に、出力単位QとエリアDとが重なった分割エリアの推計人口3人(エリアDの推計人口10人×面積比0.3)、および、出力単位QとエリアFとが重なった分割エリアの推計人口9人(エリアFの推計人口30人×面積比0.3)が得られる。一方、屋内局については、個々の屋内局の電波到達範囲であるエリアは非常に小さくて、図21の例では、1つの屋内局のエリアLの全体が出力単位Qと重なっているため、100%の面積比と考えることができる。そこで、エリアLの推計人口10人に面積比1.0を乗算することで、出力単位QとエリアLとが重なったエリア(この例ではエリアL全体)の推計人口10人が得られる。
最後に、変換部24は、上記のようにして得られた、出力単位Qと各エリアとが重なったエリアの推計人口を合算することで、出力単位Qの推計人口70人を得る。以上のようにして、集計単位ごとの人口から出力単位Qの推計人口へ変換することができる。
図21は、1つの出力単位Qの推計人口への変換を示しているが、同様の処理を他の出力単位についても実行することで、対象とする全ての出力単位の推計人口への変換を行うことができる。
図22には、対象とするn個の出力単位の推計人口への変換を行うための行列式を示す。即ち、図22の式の右辺の
Figure 0005470469
(jは1以上m以下の整数(mは対象とするn個の出力単位のうち何れかと重なっている集計単位の数))は、推計により求められた集計単位ごとの人口(推計人口)を意味し、左辺の
Figure 0005470469
(iは1以上n以下の整数)は、出力単位ごとの人口を意味し、右辺の行列式における
Figure 0005470469
は、集計単位bの人口から出力単位aの人口へ変換するための変換係数を意味する。ここでの変換係数は、前述した分割エリアが元のエリア全体に占める面積比に相当する。
図22における各変換係数は、推計単位(例えばエリア)と出力単位(例えばメッシュ)との位置関係から予め求めることが可能であり、各変換係数を予め求めて図22の式を記憶しておくことにより、図22の式を用いて、推計により求められた集計単位ごとの人口(推計人口)から出力単位ごとの人口へ簡易に且つ速やかに変換することができる。
以上のようにして、屋内局の通信領域および電波到達範囲が異なる周波数帯を利用する複数の屋外局の通信領域のうち2つ以上が地理的に重複して存在する環境であっても、集計単位ごとの人口を出力単位ごとの人口に変換することができる。
なお、第6、第7実施形態では、予め推計で得られた集計単位ごとの人口を出力単位ごとの人口に変換する例を説明したが、以下の変形例も考えられる。
特徴量および拡大係数とともに、当該位置データが属するエリア(集計単位)が地理的に重なる複数の出力単位それぞれに関する出力単位IDおよび該出力単位との重なり部分の面積比(即ち、重なり部分が集計単位全体に占める面積比)の1つ以上の組合せを、位置データに関連付けて特徴量保管部17Aに保管しておく。
ここで、同じ出力単位IDが関連付けられた位置データについて(特徴量×面積比)を算出し、得られた(特徴量×面積比)を出力単位ごとに集計し、出力単位ごとの集計値を(観測期間長×2)で割り算することで出力単位ごとの端末数を推計してもよい。
また、同じ出力単位IDが関連付けられた位置データについて(特徴量×面積比×拡大係数)を算出し、得られた(特徴量×面積比×拡大係数)を出力単位ごとに集計し、出力単位ごとの集計値を(観測期間長×2)で割り算することで、出力単位ごとの人口を推計してもよい。その際、出力単位ごとの(特徴量×面積比×拡大係数)を人口推計単位(例えば属性や時間帯など)別に集計し、得られた出力単位ごと且つ人口推計単位ごとの集計値を(観測期間長×2)で割り算することで、出力単位ごと且つ人口推計単位ごとの人口を推計してもよい。
また、同じ出力単位IDが関連付けられた位置データについて、人口推計単位(例えば属性や時間帯など)別に(特徴量×面積比)を算出し、得られた人口推計単位別の(特徴量×面積比)を出力単位ごとに集計し、得られた出力単位ごと且つ人口推計単位ごとの(特徴量×面積比)の集計値に当該人口推計単位に関する拡大係数を乗算し、得られた乗算結果を(観測期間長×2)で割り算することで、出力単位ごと且つ人口推計単位ごとの人口を推計してもよい。但し、この場合は、位置データに拡大係数を関連付けることは必須ではなく、各人口推計単位に関する拡大係数は、例えば位置データとは別に予め記憶されたもの又は外部から取得されたものを上記の乗算の際に用いてもよい。上記の処理により、出力単位ごと且つ人口推計単位ごとの人口が得られれば、出力単位ごと且つ人口推計単位ごとの人口を、出力単位ごとに合算することで、出力単位ごとの人口を推計してもよい。
また、前述したように、拡大係数を人口推計単位ごとに求めることは必須ではなく、例えば、全体で共通の拡大係数を用いるなど、人口推計単位ごとの拡大係数を用いなくてもよい。このような場合、一例として、対象となる全ての位置データについての(特徴量×面積比)を集計し、得られた集計値に共通の拡大係数を乗算し、乗算結果を(観測期間長×2)で割り算することで、人口を推計してもよい。
なお、上記のようなさまざまな変形例で用いられる特徴量は、前述した第1〜第3実施形態の何れの方法で算出してもよい。
また、第7実施形態では、第4実施形態をベースにして、集計単位ごとの人口を出力単位ごとの人口に変換する処理を説明したが、第7実施形態は、前述した第5実施形態にも適用可能である。また、第7実施形態で述べた変換処理は、集計単位ごとの端末数を出力単位ごとの端末数に変換する場合にも適用可能であり、前述した第1〜第3実施形態に適用することで、集計単位ごとの端末数を出力単位ごとの端末数に変換することができる。
[第8実施形態]
第8実施形態では、位置データや属性情報から個人識別性を持つ情報を除去するための非識別化処理を行う実施形態について説明する。
図23に示すように、第8実施形態における端末数推計装置10の機能ブロック構成は、第4実施形態における端末数推計装置の機能ブロック構成(図12)において、位置データ取得部11と蓄積部12の間に、非識別化処理を行う非識別化部25(非識別化手段)を加えた構成とされている。
非識別化部25は、位置データに含まれる識別情報(例えば電話番号)に対し、一方向性関数による不可逆符号への変換を含む非識別化処理を行う。ここで一方向性関数を用いるのは、変換後の情報からの復元を防止するためであり、一方向性関数としては、例えば図24に示すように、国内外の評価プロジェクトや評価機関により推奨されているハッシュ関数に基づく鍵付ハッシュ関数を用いることができる。
また、図24に示すように、携帯端末のユーザの属性情報を用いた処理が行われる場合、非識別化部25は、当該処理の前に、属性情報中の個人を特定可能な番号(例えば電話番号)に対し、一方向性関数による不可逆符号への変換を含む非識別化処理を行う。さらに、非識別化部25は、属性情報中の氏名情報を削除し、生年月日情報を年齢情報に置き換え、住所情報を、番地情報が削除された町丁目レベルの住所情報に置き換えてもよい。
以上のような非識別化部25による非識別化処理により、位置データや属性情報から個人識別性を持つ情報を除去することができるため、位置データや属性情報から個人が識別されてしまうといった不都合を未然に防止することができる。
なお、第8実施形態では、第4実施形態をベースにして、非識別化処理を説明したが、第8実施形態は、前述した第5実施形態にも適用可能である。また、第8実施形態で述べた非識別化処理は、人口推計だけではなく、第1〜第3実施形態で述べた端末数推計についても適用可能である。また、第8実施形態で述べた非識別化処理は、第6、第7実施形態で述べた変換処理を行う場合にも適用可能である。
[第9実施形態]
第9実施形態では、ある推計値(端末数や人口など)が出力される前に、予め定められた基準に基づき推計値に対し秘匿処理を行う実施形態について説明する。
図25に示すように、第9実施形態における端末数推計装置10の機能ブロック構成は、第8実施形態における端末数推計装置の機能ブロック構成(図23)において、人口推計部21と人口出力部22の間に、秘匿処理を行う秘匿処理部26(秘匿処理手段)を加えた構成とされている。
秘匿処理部26は、人口推計部21から推計値(推計人口など)を受け取ったときに、例えば図26に示す秘匿処理を行う。即ち、秘匿処理部26は、推計の基礎となったエリア(セル)ごとの位置データが何台の端末から取得されたかを示す取得元端末数が、秘匿処理が必要と判断するための予め定められた基準値(一例として10)未満であるか否かを判定する(図26のステップS61)。なお、取得元端末数は、同一端末についての重複を除いたユニークな端末数を示す。ここでの判定を行うには、エリア(セル)ごとの位置データの取得元端末数が必要となるが、一例としては、人口推計部21が、位置データに対応付けられた特徴量を集計する際に、該位置データ中の識別情報(例えば、前述した非識別化部25による非識別化処理後のハッシュ済み電話番号)の数をカウントし、得られたハッシュ済み電話番号総数の情報を秘匿処理部26に渡し、秘匿処理部26がハッシュ済み電話番号総数をエリア(セル)ごとの位置データの取得元端末数として用いてもよい。
ステップS61にて、推計の基礎となったエリア(セル)ごとの位置データの取得元端末数が基準値未満ならば、秘匿処理部26は当該エリア(セル)に関する推計値をゼロとすることで、当該推計値を秘匿する(ステップS62)。なお、ここでの秘匿方法は、推計値をゼロとすることに限定されるものではなく、推計値を所定の文字や記号(例えば「X」など)で表象する方法など他の方法を採用してもよい。
一方、ステップS61にて、推計の基礎となったエリア(セル)ごとの位置データの取得元端末数が基準値以上ならば、秘匿処理部26は当該エリア(セル)に関する推計値に対し、以下のような、推計値出力にて用いられる階級幅の確率的丸めを行う(ステップS63)。即ち、あるエリア(セル)に関する推計値をx、階級幅をkとすると、秘匿処理部26は、kn≦x<k(n+1)(nは整数)の場合に、当該推計値xを、確率(x−kn)/kでk(n+1)に、確率(k(n+1)−x)/kでknに丸める。
例えば、推計値xが23、階級幅kが10の場合、k×2≦x<k(2+1)なので、n=2となり、推計値「23」は、確率0.3(30%の確率)で「30」に、確率0.7(70%の確率)で「20」に丸められる。
以上のような秘匿処理部26による秘匿処理により、推計結果からの個人特定を防止して推計結果の有用性を高めることができる。また、秘匿した値が他の値から推測できてしまうといった不都合を未然に防止することができる。
なお、確率的丸めにおける階級幅は、集計に用いた位置データのうち拡大係数が最大のものを抽出し、その拡大係数を所定倍(例えば10倍)した値を階級幅として設定してもよい。また、予め階級幅を決定しておき、確率的丸めを実施してもよい。その際、拡大係数が予め定められた階級幅の所定割合(例えば1/10)を超える位置データを含むエリア(セル)のデータは捨てるといった処理規則を採用してもよい。
また、秘匿処理部26による秘匿処理は、図26に示す処理には限定されず、別の処理を採用してもよい。例えば、図26のステップS61では、「推計の基礎となったエリア(セル)ごとの位置データの取得元端末数」に代わり、「推計の基礎となったエリア(セル)ごとの位置データの個数」が基準値未満か否かを判定してもよいし、「出力される推計値(人口又は端末数)」が基準値未満か否かを判定してもよい。また、図26のステップS61で否定判定された場合には、ステップS63の処理を省略してもよい。
なお、第9実施形態では、第8実施形態(非識別化処理を行う形態)をベースにして秘匿処理を説明したが、第8実施形態のような非識別化処理を行わない場合についても適用可能である。また、第9実施形態は、第4、第5実施形態で述べた人口推計についても適用可能であり、第1〜第3実施形態で述べた端末数推計についても適用可能である。また、第9実施形態は、第6、第7実施形態で述べた変換処理を行う場合についても適用可能である。
さて、前述したさまざまな実施形態の人口推計単位、並びに、出力に係る出力単位および出力形態について以下に述べる。
人口推計単位は、ユーザの属性(年齢、性別、住所など)、時間帯、場所(セクタやメッシュなど)の少なくとも1つに応じて設定可能とされている。例えば、人口推計単位として、ある属性が定められた場合は、第4実施形態でも述べたように、人口推計部21は、各観測対象位置データに関連付けられた属性情報に基づいて、人口推計単位とされた属性ごとに、各観測対象位置データに関連付けられた特徴量と拡大係数とを乗算し該乗算結果の総和を(観測長×2)で除することで、人口推計単位とされた属性ごとの人口を推計することができる。例えば図16に示すように、観測エリアについて推定された人口や、性別・年齢層・住所といった属性ごとの人口を出力することができる。また、複数の属性を組み合わせた条件(例えば性別と住所を組み合わせた「東京都在住の女性」といった条件)を採用してもよい。また、人口推計単位として、例えば毎日1時間刻みの時間帯が定められた場合は、人口推計部21は、各観測対象位置データに含まれた取得時刻情報に基づいて各観測対象位置データがどの時間帯に該当するかを特定し、1時間刻みの時間帯ごとに、各観測対象位置データに関連付けられた特徴量と拡大係数とを乗算し該乗算結果の総和を(観測長×2)で除することで、時間帯ごとの人口を推計することができる。なお、人口推計単位として時間帯を設定する場合には、時系列に沿って不連続な時間帯(例えば、毎日13:00〜14:00の時間帯、毎週土曜日および日曜日の10:00〜11:00の時間帯など)を設定してもよい。
一方、出力に係る出力単位も、推計単位と同様に、ユーザの属性(年齢、性別、住所など)、時間帯、場所(セクタやメッシュなど)の少なくとも1つに応じて設定可能とされている。
また、出力に係る出力形態は、例えば図27(a)に示す人口分布を示す図、図27(b)に示す時系列的な人口変動を示す図、図27(c)に示す人口構成を示す図など、さまざまな出力形態を選択可能とされている。また、これら各々について、ユーザの属性(年齢、性別、住所など)、時間帯、場所(セクタやメッシュなど)のうち1つ又は複数の組合せごとに出力してもよく、例えば図27(c)に示すように5才刻みの年齢層ごとの男女別の人口構成を出力することができる。
次に、特徴量に関する変形例を述べる。前述した第1、第2実施形態においては、特徴量を求める対象の位置データ(第1の位置データ)の前後の位置データの時間差(第2の位置データと第3の位置データとの時間差)を、第1の位置データの特徴量として算出する例を示した。これを式で表すと、特徴量は、以下の式(7)で表すことができる。なお、以下の式(7)は、前述した式(4)を変形しただけであり、式(4)と等価である(即ち、式(4)の考え方を変更したものではない)。
ij=ui(j+1)−ui(j−1) (7)
本変形例は、特徴量計算部17において算出される特徴量の算出方法の別のバリエーションを示すものである。
本変形例では、特徴量計算部17は、上記の第1の位置データの特徴量を求める場合、第2の位置データ及び第3の位置データについての種別情報(例えば後述する位置データの生成要因(生成タイミング))を考慮する。具体的には、特徴量計算部17は、第3の位置データと第1の位置データとの時間差に対し、第3の位置データの種別情報(ここでは生成要因)に対応する補正係数αを乗算した値を算出するとともに、第1の位置データと第2の位置データとの時間差に対し、第2の位置データの種別情報(ここでは生成要因)に対応する補正係数βを乗算した値を算出する。ただし、上記以外に、特徴量計算部17は、第1の位置データの種別情報に応じて補正係数α又はβを定めても良いし、また、第1および第2の位置データの種別情報に応じて補正係数βを定めても、第1および第3の位置データの種別情報に応じて補正係数αを定めてもよい。そして、特徴量計算部17は、これらの乗算で得られた値を合算した値を第1の位置データの特徴量とする。特徴量計算部17における特徴量の算出処理を式で表すと、以下の式(8)で表される。
ij=α(ui(j+1)−uij)+β(uij−ui(j−1)) (8)
第2の位置データ及び第3の位置データについての種別情報としては、例えば、位置データが位置登録情報である場合、当該位置登録情報の生成要因に関する情報が挙げられ、この生成要因に関する情報は、生成された位置登録情報に含まれている。位置登録情報の生成要因としては、端末が位置登録エリア(Location Area)境界を跨いだこと、周期的に行われる位置登録に基づき生成されたこと、端末の電源オン等によるアタッチ処理の実行、端末の電源オフ等によるデタッチ処理の実行などが挙げられ、これらの生成要因に対応して、補正係数αおよびβの設定値を予め定めておく。そして、特徴量計算部17は、第3の位置データの生成要因に関する情報に応じて第3の位置データについての補正係数αを設定し、第2の位置データの生成要因に関する情報に応じて第2の位置データについての補正係数βを設定すればよい。なお、補正係数α、βはともに、0以上1以下の値に予め定めておいてもよい。但し、この数値範囲は必須ではない。
例えば、周期的に行われる位置登録に基づく位置登録情報のように端末の位置と位置登録情報の生成契機とが無関係である位置登録情報の場合は、現在のセクタに滞在していた時間の期待値は、当該位置登録情報の生成の前後で同じと考えられる。一方、位置登録エリア境界を端末が跨いだことで生成された位置登録情報の場合、少なくとも当該位置登録情報が生成される前は、端末は現在のセクタに滞在していなかったと判断できる。そのため、当該位置登録情報が生成される前に端末が現在のセクタに滞在していた時間を0と考え、第1の位置データの種別情報(生成要因)が「位置登録エリア境界跨り」であれば、上記式(8)における補正係数β(即ち、直前の位置データとの時間差に関する補正係数β)を0に設定することができる。これにより、より実態に即した特徴量を算出できる。なお、このように第1の位置データの種別情報(生成要因)が「位置登録エリア境界跨り」である場合に、補正係数βを0として特徴量を算出すると、前述した第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
このように、特徴量計算部17は、対象の位置データ(第1の位置データ)についての特徴量を算出する場合、第1の位置データの前後の位置データである第2及び第3の位置データについての種別情報(一例として位置データの生成要因)に応じて、第2の位置データと第3の位置データとの時間差を補正し、補正した時間差を用いて特徴量を算出する。これにより、位置データの種別情報に基づいて特徴量をより精度よく算出することができる。
1…通信システム、10…端末数推計装置、11…位置データ取得部、12…蓄積部、13…観測期間取得部、14…観測エリア取得部、15…観測対象取得部、16…前後位置データ取得部、17…特徴量計算部、17A…特徴量保管部、18…端末数推計部、19…端末数出力部、21…人口推計部、22…人口出力部、23…属性・拡大係数記憶部、24…変換部、25…非識別化部、26…秘匿処理部、100…携帯端末、200…BTS、300…RNC、400…交換機、500…管理センタ、501…社会センサユニット、502…ペタマイニングユニット、503…モバイルデモグラフィユニット、504…可視化ソリューションユニット、700…各種処理ノード。

Claims (26)

  1. 携帯端末を識別する識別情報と、前記携帯端末の位置に関する位置情報と、前記位置情報が取得された位置取得時刻情報と、を含む位置データを取得する位置データ取得手段と、
    ある第1の位置データについて、当該第1の位置データと同一の識別情報を含む位置データのうち、当該第1の位置データの直前の位置データである第2の位置データの位置取得時刻情報、および当該第1の位置データの直後の位置データである第3の位置データの位置取得時刻情報を取得する前後位置データ取得手段と、
    前記第1の位置データの位置取得時刻情報、前記第2の位置データの位置取得時刻情報および前記第3の位置データの位置取得時刻情報のうち2つ以上に基づいて、前記第1の位置データについての特徴量を計算する特徴量計算手段と、
    観測すべき観測期間に関する観測開始時刻以降であり且つ観測終了時刻以前である位置取得時刻情報を含み、且つ観測すべき観測エリアに関する観測エリア情報に対応づけられる位置情報を含む1乃至複数の位置データを、観測対象位置データとして取得する観測対象取得手段と、
    前記観測対象位置データについての特徴量、および前記観測開始時刻と前記観測終了時刻との差である観測期間長に基づいて、観測期間中に観測エリアに在圏した端末数を推計する端末数推計手段と、
    を備える端末数推計装置。
  2. 前記特徴量計算手段は、前記第2の位置データの位置取得時刻と前記第3の位置データの位置取得時刻との差を、前記第1の位置データについての特徴量として計算し、
    前記端末数推計手段は、前記観測対象位置データについての特徴量の総和を前記観測期間長の2倍によって除して得られた数値を、前記端末数として推計する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の端末数推計装置。
  3. 前記特徴量計算手段は、
    前記第1の位置データの位置取得時刻と前記第2の位置データの位置取得時刻との差が所定値より大きい場合、前記第1の位置データの位置取得時刻から予め定められた時間だけ過去に遡った時刻を、前記第2の位置データの位置取得時刻として用いて、前記第1の位置データについての特徴量を計算し、
    前記第1の位置データの位置取得時刻と前記第3の位置データの位置取得時刻との差が所定値より大きい場合、前記第1の位置データの位置取得時刻から予め定められた時間だけ未来に進めた時刻を、前記第3の位置データの位置取得時刻として用いて、前記第1の位置データについての特徴量を計算する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の端末数推計装置。
  4. 前記特徴量計算手段は、
    前記第1の位置データが位置登録エリア境界の跨りに起因して生成された位置登録情報を含むか否か、および前記第3の位置データが位置登録エリア境界の跨りに起因して生成された位置登録情報を含むか否かを判別し、
    前記第1の位置データが位置登録エリア境界の跨りに起因して生成された位置登録情報を含むか否かの判別結果と前記第3の位置データが位置登録エリア境界の跨りに起因して生成された位置登録情報を含むか否かの判別結果とに応じて、前記第1の位置データの位置取得時刻情報、前記第2の位置データの位置取得時刻情報および前記第3の位置データの位置取得時刻情報のうち2つ以上を用いて、前記第1の位置データについての特徴量を計算する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の端末数推計装置。
  5. 前記特徴量計算手段は、
    前記第1の位置データが位置登録エリア境界の跨りに起因して生成された位置登録情報を含む場合、前記第1の位置データの位置取得時刻を第1の変数に設定し、
    前記第1の位置データが位置登録エリア境界の跨りに起因して生成された位置登録情報を含まない場合、前記第1の位置データの位置取得時刻と前記第2の位置データの位置取得時刻との中点時刻を第1の変数に設定し、
    前記第3の位置データが位置登録エリア境界の跨りに起因して生成された位置登録情報を含む場合、前記第3の位置データの位置取得時刻を第2の変数に設定し、
    前記第3の位置データが位置登録エリア境界の跨りに起因して生成された位置登録情報を含まない場合、前記第1の位置データの位置取得時刻と前記第3の位置データの位置取得時刻との中点時刻を第2の変数に設定し、
    設定された第1の変数と第2の変数との差分に基づいて、前記第1の位置データについての特徴量を計算する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の端末数推計装置。
  6. 前記特徴量計算手段は、
    前記第1の位置データの位置取得時刻と第1の変数との差が所定値より大きい場合、前記第1の位置データの位置取得時刻から予め定められた時間だけ過去に遡った時刻を、第1の変数として用いて、前記第1の位置データについての特徴量を計算し、
    前記第1の位置データの位置取得時刻と第2の変数との差が所定値より大きい場合、前記第1の位置データの位置取得時刻から予め定められた時間だけ未来に進めた時刻を、第2の変数として用いて、前記第1の位置データについての特徴量を計算する、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の端末数推計装置。
  7. 前記前後位置データ取得手段は、前記観測対象取得手段により取得された観測対象位置データそれぞれを前記第1の位置データとして、当該第1の位置データについての第2の位置データの位置取得時刻情報、および当該第1の位置データについての第3の位置データの位置取得時刻情報を取得し、
    前記特徴量計算手段は、前記観測対象位置データそれぞれについての特徴量を計算し、
    前記端末数推計手段は、計算で得られた前記観測対象位置データについての特徴量を用いて、前記端末数を推計する、
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の端末数推計装置。
  8. 前記前後位置データ取得手段は、前記位置データ取得手段により取得された全ての位置データそれぞれを前記第1の位置データとして、当該第1の位置データについての第2の位置データの位置取得時刻情報、および当該第1の位置データについての第3の位置データの位置取得時刻情報を取得し、
    前記特徴量計算手段は、前記全ての位置データそれぞれについての特徴量を計算し、
    前記端末数推計手段は、計算で得られた前記全ての位置データそれぞれについての特徴量のうち、前記観測対象位置データについての特徴量を用いて、前記端末数を推計する、
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の端末数推計装置。
  9. 携帯端末を識別する識別情報と、前記携帯端末の位置に関する位置情報と、前記位置情報が取得された位置取得時刻情報と、を含む位置データを取得する位置データ取得手段と、
    ある第1の位置データについて、当該第1の位置データと同一の識別情報を含む位置データのうち、当該第1の位置データの直前の位置データである第2の位置データの位置取得時刻情報、および当該第1の位置データの直後の位置データである第3の位置データの位置取得時刻情報を取得する前後位置データ取得手段と、
    少なくとも前記第2の位置データの位置取得時刻と前記第3の位置データの位置取得時刻とに基づいて、前記第1の位置データについての特徴量を計算する特徴量計算手段と、
    観測すべき観測期間に関する観測開始時刻以降であり且つ観測終了時刻以前である位置取得時刻情報を含み、且つ観測すべき観測エリアに関する観測エリア情報に対応づけられる位置情報を含む1乃至複数の位置データを、観測対象位置データとして取得する観測対象取得手段と、
    前記観測対象位置データについての特徴量、および前記観測開始時刻と前記観測終了時刻との差である観測期間長に基づいて、観測期間中に観測エリアに在圏した端末数を推計する端末数推計手段と、
    を備える端末数推計装置。
  10. 前記端末数推計装置は、端末数を人口に変換するための拡大係数を記憶した拡大係数記憶手段、をさらに備え、
    前記端末数推計手段は、前記観測対象位置データについての特徴量、前記観測期間長、および前記拡大係数に基づいて、観測期間中に観測エリアに在圏した人口、および人口を推計する単位である人口推計単位毎の人口、の少なくとも一方を推計する、
    ことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の端末数推計装置。
  11. 前記拡大係数は、特徴量および観測期間長に基づいて推計された端末数を用いて導出されることを特徴とする請求項10に記載の端末数推計装置。
  12. 前記端末数推計装置は、
    前記端末数推計手段による推計で得られた観測エリアごとの推計値を、観測エリアとは異なる出力単位ごとの推計値に、出力単位と観測エリアの重なり領域が観測エリアに占める面積比に基づいて変換する変換手段、
    をさらに備える請求項1〜11の何れか一項に記載の端末数推計装置。
  13. 前記変換手段は、
    屋内局の通信領域および電波到達範囲が異なる周波数帯を利用する複数の屋外局の通信領域のうち2つ以上が地理的に同じ観測エリアに重複して存在する場合には、重複して存在する通信領域それぞれについて前記面積比に基づく出力単位ごとの推計値への変換、および、前記通信領域それぞれについての変換後の推計値の合算を行うことで、出力単位ごとの推計値を得る、
    ことを特徴とする請求項12に記載の端末数推計装置。
  14. 前記端末数推計手段は、前記観測対象位置データについての特徴量、前記観測期間長、端末数を人口に変換するための拡大係数、および、観測エリアとは異なる出力単位と観測エリアの重なり領域が観測エリアに占める面積比に基づいて、出力単位ごと且つ人口推計単位ごとに分けて人口を推計する、
    ことを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の端末数推計装置。
  15. 前記端末数推計手段による人口の推計に先立ち、位置データに対し、前記特徴量と、前記拡大係数と、前記面積比および該面積比に係る出力単位IDの組合せとが関連付けられ、
    前記端末数推計手段は、同じ出力単位IDが関連付けられた位置データについて(特徴量×面積比×拡大係数)を算出し、得られた出力単位ごとの(特徴量×面積比×拡大係数)を人口推計単位別に集計し、得られた出力単位ごと且つ人口推計単位ごとの集計値および観測期間長に基づいて、出力単位ごと且つ人口推計単位ごとの人口を推計する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の端末数推計装置。
  16. 観測開始時刻と観測終了時刻との組を含む観測期間情報を取得する観測期間取得手段と、
    1乃至複数の位置情報と対応づけられる観測エリア情報を取得する観測エリア取得手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載の端末数推計装置。
  17. 得られた推計値を出力する出力手段、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1〜16の何れか1項に記載の端末数推計装置。
  18. 前記出力手段による出力形態は、人口分布を示す図、時系列的な人口変動を示す図、および人口構成を示す図の少なくとも1つを採用可能とされ、前記出力手段による出力単位は、携帯端末のユーザの属性、時間帯、場所の少なくとも1つに応じて設定可能とされている、
    ことを特徴とする請求項17に記載の端末数推計装置。
  19. 前記端末数推計装置は、
    前記位置データ取得手段により取得された位置データに含まれる識別情報に対し、一方向性関数による不可逆符号への変換を含む非識別化処理を行う非識別化手段、
    をさらに備え、
    前記非識別化手段は、
    携帯端末のユーザの属性情報を用いた処理が行われる場合、当該処理の前に、前記属性情報に対し前記非識別化処理を行う、
    ことを特徴とする請求項1〜18の何れか1項に記載の端末数推計装置。
  20. 前記端末数推計装置は、
    得られた推計値が出力される前に、予め定められた基準に基づき前記推計値に対し秘匿処理を行う秘匿処理手段、
    をさらに備える請求項1〜19の何れか1項に記載の端末数推計装置。
  21. 前記秘匿処理手段は、
    推計の基礎となったエリアごとの位置データが何台の端末から取得されたかを示す取得元端末数が、秘匿処理が必要と判断するための基準値未満か否かを判定し、あるエリアの位置データの取得元端末数が基準値未満の場合、当該エリアに関する推計値を秘匿する、
    ことを特徴とする請求項20に記載の端末数推計装置。
  22. 前記秘匿処理手段は、
    あるエリアの位置データの取得元端末数が基準値未満でない場合、推計値出力にて用いられる複数の階級のうち当該エリアの推計値が属する階級における上限値、下限値、階級幅、および当該推計値に基づいて、当該エリアの推計値を、前記上限値との差分および前記下限値との差分に応じた確率値をそれぞれ伴った前記上限値および前記下限値に丸める、
    ことを特徴とする請求項21に記載の端末数推計装置。
  23. 端末数推計装置により実行される端末数推計方法であって、
    携帯端末を識別する識別情報と、前記携帯端末の位置に関する位置情報と、前記位置情報が取得された位置取得時刻情報と、を含む位置データを取得する位置データ取得ステップと、
    観測すべき観測期間に関する観測開始時刻以降であり且つ観測終了時刻以前である位置取得時刻情報を含み、且つ観測すべき観測エリアに関する観測エリア情報に対応づけられる位置情報を含む1乃至複数の位置データを、観測対象位置データとして取得する観測対象取得ステップと、
    取得された観測対象位置データそれぞれを第1の位置データとして、各第1の位置データについて、当該第1の位置データと同一の識別情報を含む位置データのうち、当該第1の位置データの直前の位置データである第2の位置データの位置取得時刻情報、および当該第1の位置データの直後の位置データである第3の位置データの位置取得時刻情報を取得する前後位置データ取得ステップと、
    観測対象位置データそれぞれについての特徴量を、前記第1の位置データの位置取得時刻情報、前記第2の位置データの位置取得時刻情報および前記第3の位置データの位置取得時刻情報のうち2つ以上に基づいて計算する特徴量計算ステップと、
    計算で得られた前記観測対象位置データについての特徴量、および前記観測開始時刻と前記観測終了時刻との差である観測期間長に基づいて、観測期間中に観測エリアに在圏した端末数を推計する端末数推計ステップと、
    を備える端末数推計方法。
  24. 端末数推計装置により実行される端末数推計方法であって、
    携帯端末を識別する識別情報と、前記携帯端末の位置に関する位置情報と、前記位置情報が取得された位置取得時刻情報と、を含む位置データを取得する位置データ取得ステップと、
    取得された全ての位置データそれぞれを第1の位置データとして、各第1の位置データについて、当該第1の位置データと同一の識別情報を含む位置データのうち、当該第1の位置データの直前の位置データである第2の位置データの位置取得時刻情報、および当該第1の位置データの直後の位置データである第3の位置データの位置取得時刻情報を取得する前後位置データ取得ステップと、
    前記全ての位置データそれぞれについての特徴量を、前記第1の位置データの位置取得時刻情報、前記第2の位置データの位置取得時刻情報および前記第3の位置データの位置取得時刻情報のうち2つ以上に基づいて計算する特徴量計算ステップと、
    観測すべき観測期間に関する観測開始時刻以降であり且つ観測終了時刻以前である位置取得時刻情報を含み、且つ観測すべき観測エリアに関する観測エリア情報に対応づけられる位置情報を含む1乃至複数の位置データを、観測対象位置データとして取得する観測対象取得ステップと、
    計算で得られた前記全ての位置データそれぞれについての特徴量のうち前記観測対象位置データについての特徴量、および前記観測開始時刻と前記観測終了時刻との差である観測期間長に基づいて、観測期間中に観測エリアに在圏した端末数を推計する端末数推計ステップと、
    を備える端末数推計方法。
  25. 端末数推計装置により実行される端末数推計方法であって、
    携帯端末を識別する識別情報と、前記携帯端末の位置に関する位置情報と、前記位置情報が取得された位置取得時刻情報と、を含む位置データを取得する位置データ取得ステップと、
    観測すべき観測期間に関する観測開始時刻以降であり且つ観測終了時刻以前である位置取得時刻情報を含み、且つ観測すべき観測エリアに関する観測エリア情報に対応づけられる位置情報を含む1乃至複数の位置データを、観測対象位置データとして取得する観測対象取得ステップと、
    取得された観測対象位置データそれぞれを第1の位置データとして、各第1の位置データについて、当該第1の位置データと同一の識別情報を含む位置データのうち、当該第1の位置データの直前の位置データである第2の位置データの位置取得時刻情報、および当該第1の位置データの直後の位置データである第3の位置データの位置取得時刻情報を取得する前後位置データ取得ステップと、
    観測対象位置データそれぞれについての特徴量を、少なくとも前記第2の位置データの位置取得時刻と前記第3の位置データの位置取得時刻とに基づいて計算する特徴量計算ステップと、
    計算で得られた前記観測対象位置データについての特徴量、および前記観測開始時刻と前記観測終了時刻との差である観測期間長に基づいて、観測期間中に観測エリアに在圏した端末数を推計する端末数推計ステップと、
    を備える端末数推計方法。
  26. 端末数推計装置により実行される端末数推計方法であって、
    携帯端末を識別する識別情報と、前記携帯端末の位置に関する位置情報と、前記位置情報が取得された位置取得時刻情報と、を含む位置データを取得する位置データ取得ステップと、
    取得された全ての位置データそれぞれを第1の位置データとして、各第1の位置データについて、当該第1の位置データと同一の識別情報を含む位置データのうち、当該第1の位置データの直前の位置データである第2の位置データの位置取得時刻情報、および当該第1の位置データの直後の位置データである第3の位置データの位置取得時刻情報を取得する前後位置データ取得ステップと、
    前記全ての位置データそれぞれについての特徴量を、少なくとも前記第2の位置データの位置取得時刻と前記第3の位置データの位置取得時刻とに基づいて計算する特徴量計算ステップと、
    観測すべき観測期間に関する観測開始時刻以降であり且つ観測終了時刻以前である位置取得時刻情報を含み、且つ観測すべき観測エリアに関する観測エリア情報に対応づけられる位置情報を含む1乃至複数の位置データを、観測対象位置データとして取得する観測対象取得ステップと、
    計算で得られた前記全ての位置データそれぞれについての特徴量のうち前記観測対象位置データについての特徴量、および前記観測開始時刻と前記観測終了時刻との差である観測期間長に基づいて、観測期間中に観測エリアに在圏した端末数を推計する端末数推計ステップと、
    を備える端末数推計方法。
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