JP5468902B2 - X放射線を検出する装置、撮像装置及び方法 - Google Patents

X放射線を検出する装置、撮像装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、X線光子、特にコンピュータ断層撮影における光子を検出する装置、撮像装置及び方法に関する。
コンピュータ断層撮影(CT)は、対象物の内部の3次元画像を生成するに至り、広く使用される手段へと発展している。3次元画像は、単一の回転軸の周りで取得された多数の2次元X線画像に基づいて作り出される。CTは人体の医療診断で最も一般的に使用されているが、非破壊材料試験にも適用可能であることがわかっている。CTの基礎及び応用に関する詳細な情報は非特許文献1に記載されている。
今後のCT及びXR撮像における主要な革新的な態様の1つは、X放射線に曝されたときに分析対象を通過する、あるいは分析対象により伝播される光子(フォトン)のエネルギー分解計数である。伝播された光子の数及びエネルギーに応じて、X線に進行された物質の種類を推測することができる。特に、これにより、人体内の相異なる部位、組織及び物質を特定することが可能になる。光子の検出又は計数を参照すると、光子はセンサの変換材料に突き当たるときに電荷パルス(電流パルスと呼ばれることもある)を作り出すことが理解される。この電荷パルスが検出され、光子の存在が断定される。電荷パルスは、X線光子がセンサの変換材料と相互作用するときに生成される多数の電子−正孔対に由来する。この電荷パルスの持続時間は所謂“電荷収集時間”に相当する。単一電子−正孔対の検出は、本出願の焦点とするところではなく、光子を表す電子−正孔対に由来する電荷パルスの処理である。このことを定式的に“光子を検出する”又は“光子を計数する”と表現することもある。X線光子の相互作用により生成される電荷パルスに関し、電荷パルスはこのX線光子に属するという定式化も用いる。同様に、“センサに突き当たった光子により生じる電荷パルスを処理する”は、以下では、“光子を処理する”と表現することもある。
単一X線光子を、光子エネルギーを決定しながら計数するため、計数検出器に接続された少なくとも1つのセンサ画素が用いられる。計数検出器は、以下の機能を提供する電子回路である:
a)例えばCZT(テルル化カドミウム亜鉛)といった変換材料内で入射光子により引き起こされる荷電粒子(電子及び正孔)の移動/運動に由来する電荷パルスの増幅及び/又は積分を行う前置増幅器、
b)電荷パルスにより運ばれる電荷の量に高さが比例する、前置増幅器の出力からの電圧パルスを整形する整形器(整形素子)、
c)整形器の出力での電圧パルスが各弁別器により定められる閾値より高いか低いかを検査する多数の弁別器、
d)弁別器により定められる閾値を超過したパルスを計数する、弁別器ごとのカウンタ。
例えばコンピュータ断層撮影において、X線光子を計数することの基本的な課題の1つは、入射X線光子の非常に高いレート(例えば、検出器に衝突する直接ビームに関してチューブ濾過作用を考慮した場合、10量子/s・mm程度)である。これは、光子の計数を可能にするためには、非常に短い時間ウィンドウ内に極めて多数の光子を、対応する電荷パルスに基づいて弁別しなければならないことを意味する。
多数の光子に対処する一手法は、センサ画素の大きさを縮小することによって画素当たりの受光フォトン数を減少させることである。しかしながら、現状で実用的な画素の辺の長さが200μmから400μm程度であると仮定すると、画素当たりの光子数は依然として非常に高く、正確な計数は不可能である。
対処しなければならない他の1つの課題は、直接変換材料が高い逆バイアス電圧で作動されるときに存在するリーク電流(すなわち暗電流)に関するものである。リーク電流が前置増幅器に流れ込むと、前置増幅器は過負荷になり、電圧パルスを整形することができなくなるので、リーク電流が前置増幅器に流れ込むことを阻止しなければならない。マイクロストリップ型の計数検出器という特別なケースでは、センサと整形器との間に配置された交流(AC)カップリングキャパシタが、リーク電流が前置増幅器の入力に流れ込むのを阻止する。しかしながら、センサ材料とのX線光子の相互作用により生成される一連の電荷パルスに由来する時間変化する“AC”電流に対して非常に低いインピーダンスを示すためには、キャパシタを大きくしなければならず、故に、上述のような画素サイズを有する検出器には不都合あるいは非実用的である。
代わりに、センサのリーク電流を排出するように画素内に構築可能なリーク電流補償(leakage current compensation;LCC)用回路を含める試みが為されている。
計数検出器に話を戻すと、際だった課題は計数検出器の所謂“麻痺”である。この用語は、前置増幅器がまだ第1の光子を処理している間に第2の光子が到来するときの状況を表す。これは、第2の光子の発生が第1の光子の処理時間(整形時間によって決定される)内にあることを意味する。これは、第1の光子が単独で処理された場合に有するであろうものより時間的にかなり長い電圧パルスが形成されることを生じさせる。
また、実行中の処理の間に更なる電荷パルスが到来することは、前置増幅器の出力での電圧パルスの持続時間を更に増大させることになる。従って、計数検出器は、第1の光子のみが処理された場合の持続時間と比較して増大された持続時間を有する組み合わさった電圧パルスを見ることになる。電圧パルスは更に広くなることがあり、一連の光子のまさに最初と最後の光子は、互いに離れた光子の処理時間を超えるものの、これらの光子を区別することができない。上述のパルスの積み重なり(パイルアップ)の更なる1つの欠点は、連続した光子イベントの組み合わさった電圧パルスは、単一パルスの何れよりも高くなることである。この影響によってパルスが弁別器の閾値を上回り得る場合、誤ったイベントが記録されてしまう。
結果として、より多くの光子が実際にセンサ材料と相互作用した場合であっても、たった1つの光子が計数されるだけである。故に、計数検出器は、単一光子の処理時間内に互いに短い時間を置いて到着する連続した電荷パルス群によって麻痺させられる。1つの光子を処理することによって占有されるために検出器が更なる光子を弁別不可能である時間は、計数検出器のデッドタイムとも呼ばれる。上述のデッドタイム挙動はしばしば、麻痺デッドタイム又は拡張デッドタイムとも呼ばれる。
なお、高速で信号を処理することができる前置増幅器及び整形器を構築することは可能である。しかしながら、そうすることは、雑音指数を妥協することになり、またエネルギー情報の劣化をもたらす弾道損失を悪化させることになる。“弾道損失”という用語についての詳細は非特許文献2を参照し得る。
この問題をどのように解決するかの一手法が非特許文献3に開示されている。各々が台形状の重み関数を実行する一定数の並列動作プロセッサを用いてセンサ信号をフィルタリングすることが提案されている。重み関数は、イベントの如何なる到着時間においても常に、信号を最大利得で増幅する少なくとも1つのプロセッサが存在するよう、すなわち、台形状の重み関数の平坦な頂部に対応して信号が発生するよう、互いに対して好適にずらされる。ホイール(wheel)と呼んでいる4つのプロセッサの出力が順々に、共通のホールド用キャパシタ内でサンプリングされる。
特許文献1は、2つのウラン同位体からの放射線間のエネルギー差を利用することによって、ウラン成分のアイソトープ含有量を決定する装置及び方法を開示している。この装置は、β放射線に対して感度を有する検出器、増幅器、及び閾値電圧以下のエネルギーを有するβ線に対応するパルスを排除するための弁別器を含む計数回路を有する。
パルスのパイルアップの問題を解決する一手法が非特許文献4に開示されている。そこで提示されているパルステイル外挿システムは、シンチレーションカメラに適用するように設計されている。
英国特許出願公開第1154825号明細書
Willi A. Kalender、「Computed Tomography」、ISBN 3-89578-216-5 G. Knoll、「Radiation Detection and Measurement」、第3版、1999年、J.Wiley&Sons C. Fiorini、A. Pullia、E. Gatti、A. Longoni、W. Buttler、「First Experimental Characterization of ROTOR:the New Switched-Current VLSI Amplifier for X-ray Spectroscopy with Silicon Drift Detectors」、IEEE Transactions on Nuclear Science、2000年6月、第47巻、第3号、p.823-828 Lewellen、Bice、Pollard等、「Evaluation of a Clinical Scintillation Camera with Pulse Tail Extrapolation Electronics」、The Journal of Nuclear Medicine、1989年9月30日、第9号
本発明は、特にコンピュータ断層撮影における光子であるX線光子を検出する、改善された計数性能を有する装置を提供することを目的とする。本発明は更に、それに対応する、特にコンピュータ断層撮影における光子であるX線光子を検出する方法を提供することを目的とする。本発明のその他の応用分野は、例えば心臓治療の介入手順用の、カテーテル検査で使用されるような動的なフラットX線検出器とし得る。
本発明の一態様に従って、上記課題は、特にコンピュータ断層撮影における光子であるX線光子を検出する装置であって、光子を電荷パルスに変換するように適応されたセンサと、電荷パルスを、更なる処理に十分な振幅を有する電気信号に変換するように適応された第1の前置増幅器と、電気信号を電気パルスに変換するように適応された第1の整形器と、電気パルスを閾値と比較するように適応された第1の弁別器とを備えた電気回路網を有し、センサの出力から弁別器の出力までの電気回路網の電気経路が、電気的なトリガー信号に応答して作動されるように適応されたスイッチング素子を有し、トリガー信号は電気経路の電気的な状態から得られ、光子によって発生された電気信号を受信した電気経路が、光子の検出がトリガー信号によって指し示された後に、センサから切り離され、スイッチング素子は、第1の整形器を有する第1の電気経路及び第2の整形器を有する第2の電気経路、交流電流用のシンク、又はグランド(GND)の間で切り換えるように適応されている装置によって達成される。
本発明の他の一態様に従って、上記課題は、上述の装置を有する、特に医療用の、X線光子の検出に基づく撮像装置によって達成される。このような撮像装置は、特に、X線機械、コンピュータ断層撮影装置、核医学技術装置(例えば、陽電子放出断層撮影装置又は単一光子放出コンピュータ断層撮影装置)、又は何らかのその他のラジオグラフィー装置として具現化される。
本発明の他の一態様に従って、上記課題は、特にコンピュータ断層撮影における光子であるX線光子を検出する方法であって、電気回路網内で実行される:
− センサにより、光子を電荷パルスに変換する段階、
− 前記電荷パルスを電気信号に変換する段階、
− 前記電気信号を電気パルスへと整形する段階、
− 弁別器により、前記電気パルスを閾値と比較する段階、
− 前記センサの出力から前記弁別器の出力までの前記電気回路網の電気経路内で、電気的なトリガー信号に応答してスイッチング操作を実行する段階、
を有し、
− 前記トリガー信号は前記電気経路の電気的な状態から得られ、前記光子によって発生された電気信号を受信した前記電気経路が、前記光子の検出が前記トリガー信号によって指し示された後に、前記センサから切り離され
前記スイッチング操作は、第1の整形器を有する第1の電気経路及び第2の整形器を有する第2の電気経路、交流電流用のシンク、又はグランドの間で切り換えるように適応される
方法によって達成される。
従来技術は、時間に依存したスイッチングを用いることを提案しているが、それは光子の受信中にスイッチングすると問題を生じさせ得る。本発明は、光子が受信されることにスイッチングを依存させることを提案する。
一般的な光子、又は或る一定のエネルギーの光子が受信されると、スイッチング素子が作動される。スイッチング素子を作動させることにより、第2の光子がセンサに衝突したことにより発生された電荷パルスが、第1の光子によって発生された電荷パルスと同一の電気経路に沿って流れて、上述の問題を有する混合された拡張電圧パルスを生じさせることを防止することができる。
これにより、第2の光子に属する第2の電荷パルスは、スイッチング素子によって、第1の光子に属する第1の電荷パルスが通ったのと同一の電気経路を通ることができないため、第1の電荷パルスを分析するのに十分な時間が提供される。故に、改善された光子の弁別が達成され、より正確な光子の計数が可能になる。なお、前置増幅器及び整形器は別々に具現化される必要はなく、単一の素子として、特に整形前置増幅器として具現化されてもよい。
上述のように、当該装置は、センサの出力から弁別器の出力まで電気経路が規定された電気回路網を有する。用語“電気回路網”は、特に、相異なる電気的要素が電気的且つ機能的に接続されるという意味で理解されるべきである。このことは、相異なる要素が単に共通の電源によって、あるいは共通のグランドによって連結されるということではなく、それらが電気的に相互作用するということを意味する。用語“電気経路”は、特に、電気信号が、少なくとも部分的に、この経路によって1つの要素から次の要素まで送られるという意味で理解されるべきである。
本出願の文脈において、スイッチング素子は、少なくとも1つの入力ポート及び1つの出力ポートを有し、当該スイッチング素子を作動させることによって、例えば接続から切断へ、入力ポートと出力ポートとの関係を変化させ得る、あるいは一般的に、1つ以上の具体的な入力ポートと1つ以上の具体的な出力ポートとの間で接続を構築する、何らかの素子である。特に、このスイッチング素子は、1つの入力ポートが複数の出力ポートのうちの1つに接続されることを可能にする。スイッチング素子を作動させることにより、電気経路は変更されることが可能である。特に、電気経路は接続且つ/或いは切断されることが可能である。
スイッチング素子を作動させるためのトリガー信号は、電気経路の電気的な状態から得られる。用語“電気的な状態から得られる”は、特に、電気経路に沿った電位が取り出され、対応する電圧(又は電流)がスイッチング素子、又はスイッチング素子の作動を制御する素子に送られることを意味する。電気経路から引き出される該信号はトリガーとして作用するので、該信号が完全にそのままでスイッチング素子に到達することは必ずしも必要でない。代わりに、取り出し点とスイッチング素子との間に能動素子や受動素子が配置されてもよい。
このことは、或る一定の電圧レベルを上回るトリガー信号のみがスイッチング素子を作動させるように、電気経路とスイッチング素子との間に比較器を配置することを含む。また、特に、スイッチング素子の機能が基づく原理が作動のために一定の電圧レベルを必要とするとき、スイッチング素子の特性に、最小電圧の要求を含めてもよい(例えば、電界効果トランジスタの最小ゲート電圧、又はリレーを動作させるための最小電圧)。
電気的経路からトリガー信号を得ることは、何らかの信号又は特定の振幅を有する信号が電気経路を進行しているかに応じてスイッチング素子を作動させることを可能にする。特に、スイッチング素子は、光子がセンサに衝突するか否かに応じて作動されることが可能である。
本発明の好適な一実施形態によれば、トリガー信号は前置増幅器における電圧から、好ましくは、前置増幅器の出力における電圧から得られる。
これは、光子がセンサに衝突することにより発生された電荷パルスを前置増幅器が受信するとき、第1の光子の存在を指し示す或る一定のレベルが定められ得ることを意味する。前置増幅器の状態が、第1の光子の存在を検出し、そして、第1の光子に続く第2の光子のセンサとの相互作用に由来する更なる電荷パルスが、第1の光子に属する電荷パルスと同一の経路に沿って伝播するのを防止するように、スイッチング素子を作動させるために使用される。こうすることは、前置増幅器はセンサの近くにあり、光子の存在が断定されたときに素早い反応を可能にするので有利である。
本発明の更なる好適な一実施形態によれば、トリガー信号は弁別器における電圧から、好ましくは弁別器の出力における電圧から得られる。
弁別器に到達した電圧パルスが或る一定の閾値を超えている場合、弁別器は出力パルスを生成する。この出力パルスは、後続のカウンタによって計数され得るものであるが、スイッチング素子を作動させるためにも使用される。これが意味するところは、パルスが計数される基準(弁別器に設定される閾値に基づく)を満足する電圧パルスが弁別器にて受信された場合に、そのパルスが、第2の光子に属する後続の電荷パルスが、第1の光子に属する電荷パルスと同一の電気経路に沿って伝播することを防止するように、スイッチング素子を作動させるために使用されるということである。
これは、トリガー信号が容易に得られるため有利である。トリガー信号を得るために、電気経路に沿った2つ以上の点を選択し、それらの電気的な状態を、例えばOR結合又はAND結合などで処理することも可能である。
本発明の更なる好適な一実施形態によれば、スイッチング素子は、センサの出力を電気経路又はグランドに切り換えるように適応される。
当初、スイッチング素子は典型的に、センサの出力を電気経路に接続し、到来する光子を待つ状態にある。第1の光子が検出されたとき、上述のように、第2の光子に属する電荷パルスが、検出器により見られた第1の光子に応答する電圧パルスを長引かせ、不正確な結果を引き起こすことを防止することが必要である。これを達成するため、スイッチング素子はセンサの出力を、電気経路から切り離してグランドに接続する。センサは、光子がセンサと相互作用したことにより生成された全電荷を提供するのに幾らかの時間を要するので、センサの出力が電気経路から過度に早く切り離されないことを確実にしなければならない。すなわち、前置増幅器は少なくとも電荷収集時間の期間にわたってセンサ電流を積分することができなければならない。
これは、第2の光子が第1の光子のすぐ後(しかし、第1の光子の電荷収集時間内ではない)に続く場合に、第1の光子に属する電荷パルスの処理が影響を受けないことを意味する。その場合、第1の光子の処理が完了したとき、又はまさに完了しようとしているとき、スイッチング素子はセンサの出力を電気経路に戻すように切り換えることができる。そして、装置は再び、光子が到来するのを待つ。これは、かなり安価な解法が提供され得るので有利である。第1の光子の電荷収集時間中に第2の光子がセンサ材料と相互作用する場合には、双方の光子を分離することができないことがあり、双方の光子が単一の光子を表すように見えることが起こり得る。
本発明の更なる好適な一実施形態によれば、電気経路にリーク電流補償(LCC)回路が接続される。
多くの場合、半導体センサは、センサ内に十分に強い電界を構築するために高電圧で駆動されなければならない。この電界は、電子と正孔とを互いに分離し、デバイスの高速な電荷収集/応答(鋭い電流パルス分布)を保証するセンサの基本機能のために必要である。そのようなセンサは、高電圧のため、相当のDCリーク電流を示し得る。そのようなDCリーク電流は、前置増幅器に入力されないように補償される必要がある。
これを解決するため、この実施形態においては、第1の光子が処理され、且つセンサの出力が第1の光子を処理中の電気経路に接続されていない間に、リーク電流はリーク電流補償回路に送られる。これは、リーク電流補償が容易に統合され得るので有利である。
本発明の更なる好適な一実施形態によれば、当該装置は交流電流用のシンク(ACシンク)を有し、スイッチング素子は、センサの出力を電気経路又はこのシンクに切り換えるように適応される。
上述のように、キャパシタがACリンクとして用いられ得る。しかしながら、有限の画素面積の下では、キャパシタは不都合であり、使用されることができない。故に、第1の光子を処理中の電気経路からセンサが切り離されている間にセンサの出力に接続されるACシンクを提案する。これは、必要な場合にセンサのリーク電流を補償することができるため有利である。
本発明の更なる好適な一実施形態によれば、シンクは整形器として具現化される。
この実施形態は、第1の光子を処理している電気経路からセンサが切り離されている間に、センサから到来する電荷パルスを処理する可能性を切り開く。これにより、第1の光子のすぐ後に続く第2の光子は、電気回路網の第1の光子とは異なる部分で処理されることが可能である。第1の光子の処理が完了したとき、センサの出力は、第1の光子を処理した電気経路に戻るように切り換えられることができる。これは、後続の光子に関する情報が得られるので有利である。
本発明の更なる好適な一実施形態によれば、トリガー信号は時間遅延素子を介して送られる。
電荷パルスを生じさせる電子−正孔対の分布の性質により、1つの光子に属する電荷が依然として到来している間にセンサの出力が電気経路から切り離される状況が起こり得る。このような状況は、その光子に属する全電荷が考慮される場合の真の振幅と比較して、電圧パルスの振幅を小さくしてしまう。これもまた、電荷パルスの一部のみが考慮されることにより、必要な閾値を超えられないことがあるため、弁別器が光子を検出しない状況をもたらし得る。
故に、電気経路に沿って(電荷パルス、電気信号又は電圧パルスによって)光子の存在が指し示されたときであっても、スイッチング素子が作動される前に時間遅延が導入される。時間遅延は、単一光子のセンサ材料との相互作用に由来する電荷パルスのかなりの割合が収集される時間に相当する値に設定される。電荷パルスの例えば75%、90%又は95%といった具体的な値を、選択されたセンサ材料におけるX線変換の原理の根底にある統計モデルに基づいて、あるいは実験的に、決定することができる。電荷パルスの十分量を収集するように設定される時間を、以下では電荷収集時間と呼ぶ。
遅延時間を、衝突光子が有する最も高いエネルギーに対応する、考え得る最大の電荷パルスの電荷収集時間に設定することが有利になり得る。この最も高いエネルギーは、例えば、コンピュータ断層撮影や動的あるいは静的なX線撮像用のフラット検出器に使用するX線光子を生成するために用いられるX線管の動作電圧によって決定される。
この好適実施形態は、光子計数の精度を高めるので有利である。
本発明の更なる好適な一実施形態によれば、時間遅延素子は、正の傾斜波を受信した場合と負の傾斜波を受信した場合とで異なる遅延を示す。
用語“傾斜波(ramp)”は、急勾配やエッジを含む。この実施形態を用いると、時間遅延素子は、光子が検出された場合に、光子がもはや検出されないときに対して異なる挙動を示し得る。上述のように、第1の光子に属する電荷パルスが送られた電気経路からセンサの出力を切り離す前に、幾らかの時間(電荷収集時間)を経過させることが望ましい。しかしながら、この遅延は、第1の光子に属する電荷パルスの終了が検出されたときには、全く必要ない、あるいは同程度には必要ないものとなり得る。この終了は、第1の光子を処理した電気経路が利用可能であることを好適に指し示すので、電荷収集時間によって定められた期間が経過するのを待つことなく元の状態に切り換えることが好ましい。
本発明の更なる好適な一実施形態によれば、電気経路とスイッチング素子との間に、トリガー信号が第1の電圧レベルを上回ったときにトリガー信号をスイッチング素子に接続するように適応された論理素子が配置される。
この実施形態は、トリガー信号を直接的にスイッチング素子に与えることが望ましくない場合に用いられ得る。トリガー信号は、第1の電圧レベルが超過された場合にスイッチング素子に与えられ、そうでない場合には遮断される。これは、スイッチング素子を作動させることに規定レベルを設定することができるため有利である。
本発明の更なる好適な一実施形態によれば、論理素子は、トリガー信号が第2の電圧レベルを下回ったときにトリガー信号をスイッチング素子から切り離すように適応される。
これは、トリガー信号がスイッチング素子に接続されているときに、トリガー信号をスイッチング素子から切り離すことに関する第2の電圧レベルを定めることを可能にする。これは、スイッチング素子の挙動を一層詳細に制御し得るので有利である。論理素子が立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジの何れを受信しているかに関する区別を行ってもよい。
本発明の更なる好適な一実施形態によれば、電気回路網は少なくとも第2の整形器を更に有し、スイッチング素子は、第1の整形器若しくは第2の整形器、又は更なる整形器を電気経路内に切り換えるように適応される。
整形器は、第1の光子を処理するために或る一定の時間を必要とする。上述のように、この処理時間中に第2の光子が受信される場合、もはや光子を弁別することができない。この実施形態においては、第1の光子が受信されて第1の整形器によって処理されているとき、センサの出力は第2の整形器へと切り換えられる。これは、第2の光子が第1の光子のすぐ後に到来する場合であっても、第2の光子に属する電荷パルスは、第1の光子の処理に影響を及ぼすことなく、第2の光子を処理することに利用可能な第2の整形器へと送られる。
また、たとえ1つ、2つ又はそれより多くの整形器がそれぞれの光子を処理中であっても、次の到来光子を受け入れるのに利用可能な更なる整形器が存在するよう、スイッチング素子を介してセンサの出力(又は、前置増幅器の出力)に接続される一層多くの整形器を追加することが可能である。
複数の整形器間での切り換えには数多くの異なる手法が用いられ得る。例えば、1−2−3−1−2−3−1又は1−2−3−2−1−2等といった順序で3つの整形器を交代させ得る。1つ以上の特定の整形器、例えば整形器1、に優先度を定めることも可能である。その場合、この整形器が利用可能なときは常に、次の到来光子はこの整形器に送られる。これは、例えば、1−2−1−2−3−1等といった順序を生じさせ得る。
本発明の更なる好適な一実施形態によれば、第1の前置増幅器は第1の整形器に結合され、電気回路網は少なくとも、第2の整形器に結合された第2の前置増幅器を更に有し、スイッチング素子は、第1の前置増幅器/第1の整形器と第2の前置増幅器/第2の整形器との一方を電気経路内に切り換えるように適応される。
複数の整形器の使用は、整形器は或る一定の処理時間を必要とし、その間、更なる電荷パルスを受信すべきでないことを考慮に入れたものである。前置増幅器も或る一定の処理時間を有するため、相異なる整形器間での切り換えの概念を、各々が前置増幅器とそれに接続された整形器とを実装した相異なる回路ブロック間での切り換えに拡張することが有利である。故に、1つの光子の処理が1つの、前置増幅器及び整形器の回路ブロックを占有している場合、スイッチング素子は、次の到来光子が適切に処理され得るように、電気経路を別の1つの、前置増幅器及び整形器の回路ブロックに切り換えることができる。
また、信号処理の性能及び品質を高めるため、前置増幅器の機能と整形器の機能と結合させた整形前置増幅器を用いることができる。
この改善実施形態においては、センサは、如何なるときも一度に1つの整形前置増幅器に接続されるようにして、少なくとも2つの整形前置増幅器の間で切り換えられる。1つの整形前置増幅器から別の1つの整形前置増幅器へとセンサを切り換えることは、例えば、1つの整形前置増幅器の出力電圧が閾値を超過しており(これは、少なくとも関心ある最小エネルギーを有する光子がセンサと相互作用したことを指し示す)、且つ閾値を超えた後に或る一定の時間(例えば、予期される最大の電荷収集時間)が満了した後に行われる。それにより、光子がセンサと相互作用したことにより生成された電荷パルス全体が、1つの整形前置増幅器によって積分されることを確実にし得る。
本発明の更なる好適な一実施形態によれば、第1の弁別器と並列に少なくとも第2の弁別器が接続され、第1の弁別器に第1のカウンタが接続され、第2の弁別器に第2のカウンタが接続され、第1の弁別器及び第2の弁別器は、異なる光子エネルギーに対応する異なる電圧閾値を受け取る。
これは、特に、相異なるX線光子エネルギーに対応する相異なる電圧閾値を用いるマルチエネルギー弁別器・カウンタ(MEDC)において、第1の整形前置増幅器に続く単一の弁別器(カウンタに接続される)が、各々がカウンタに接続された多数の弁別器で置き換えられることを意味する。これらの弁別器は並列接続される。すなわち、それらそれぞれの入力は第1の整形前置増幅器から同一の信号を受信する。
同様に、その他の整形前置増幅器に続く各弁別器も、相異なるX線光子エネルギーに対応する相異なる電圧閾値を用いる多数の弁別器で置き換えられ得る。複数の整形前置増幅器のうちの1つに接続される各MEDCの相異なる閾値の数を同一にし、且つ各MEDCに正確に同一の閾値群を選定することが有利になり得る。
上述のように、第1の整形前置増幅器から第2の整形前置増幅器へとセンサを切り換えることは、特に、第1の整形前置増幅器の出力電圧が最低の閾値を超過しており(これは、少なくとも関心ある最小エネルギーを有する光子がセンサと相互作用したことを指し示す)、且つ閾値を超えた後に、例えば第1のタイマーによって決定される或る一定の時間(例えば、予期される最大の電荷収集時間)が満了した後に行われる。それにより、光子がセンサと相互作用したことにより生成された電荷パルス全体が、第1の整形前置増幅器によって積分されることを確実にし得る。
同様に、第2の整形前置増幅器への切り換え後に、更なるX線光子がセンサと相互作用して第2の整形前置増幅器の出力に、最低の閾値を超える電圧パルスを生じさせる場合、第2のタイマーが起動され、例えば予期される最大の電荷収集時間の経過後に満了する。タイマーの満了時、センサは最後の整形前置増幅器が接続されるまで再度切り換えられる。最後の整形前置増幅器が切断されなければならない場合、第1の整形前置増幅器が自身の電荷パルスを完全に処理して再び使用可能になる(この場合、センサは再び第1の整形前置増幅器に接続される)まで、センサは単にACシンクに接続されてもよい。第1の整形前置増幅器が再び使用可能になったことは、第1の整形前置増幅器の出力電圧が再度、更なる閾値を下回ったことを検出することによって検出可能である。この更なる閾値は、通常、MEDCにて使用される関心ある最小光子エネルギーを表す閾値よりかなり低くし得る。
たとえ第1の整形前置増幅器が自身の電荷パルスの処理を終え、再び使用可能である場合であっても、第1の整形前置増幅器をセンサに再び接続することを、その他全ての整形前置増幅器が一度接続された後のみにすることが有利になり得る。
少なくとも2つの整形前置増幅器(及び、続いて接続されるMEDC)とACシンクとを備えた構成において、第1の整形前置増幅器は、最後の整形前置増幅器の最後のタイマーが(最後の整形前置増幅器の出力電圧が最小の閾値を超えたことにより起動された後に)満了し、且つ第1の整形前置増幅器が再び使用可能である場合にのみ、再びセンサに接続される。第1の整形前置増幅器が依然として自身の電荷パルスを処理している場合、最後のタイマーが満了したとき、センサはACシンク(又は、有意なリーク電流が存在しない場合にはGND)に接続すなわち切り換えられる。その後、第1の整形前置増幅器が再び使用可能になると直ちに、センサは再び第1の整形前置増幅器に接続される。
ACシンクは、光子を検出しそのエネルギーを弁別することが可能なように、MEDCが後ろに接続された別の整形前置増幅器で置き換えられてもよい。これは、しかしながら、この最後の部品はやはり過負荷になり、計数される光子数及びそのエネルギーの精度の低下をもたらすという潜在的な欠点を有する。
本発明のこれら及びその他の態様は、以下にて説明する実施形態を参照することにより明らかになる。
理解されるように、上述の特徴群及び後述の特徴群は、本発明の範囲を逸脱することなく、指し示されたそれぞれの組み合わせにおいてだけでなく、その他の組み合わせにおいてや、単一の特徴としても用いられ得る。
コンピュータ断層撮影において光子を検出する装置を示す図である。 コンピュータ断層撮影において光子を検出する方法を示す図である。 図1に従った装置の電気回路網の第1の実施形態を示す図である。 図1に従った装置の電気回路網の第2の実施形態を示す図である。 図1に従った装置の電気回路網の第3の実施形態の主な要素を示す図である。 図1に従った装置の電気回路網の第4の実施形態の主な要素を示す図である。 エネルギー弁別式の計数検出器を構築することを可能にする、図1に従った装置の電気回路網の第5の実施形態を示す図である。
図1は、ここではコンピュータ断層撮影装置11であるX線光子の検出に基づく撮像装置内の、光子32、34を検出する装置10を示している。光子検出装置10は、光子32、34の各々を電荷パルスに変換するように適応されたセンサ14、電荷パルスを電気信号に変換するように適応された第1の前置増幅器16、電気信号を電気パルスに変換するように適応された第1の整形器18、及び電気パルスを閾値と比較するように適応された弁別器20を備えた電気回路網12を有する。センサ14の出力24から弁別器20の出力26までの電気回路網12の電気経路22は、電気トリガー信号Vに応答して作動されるように適応されたスイッチング素子28を有する。トリガー信号Vは電気経路22の電気的な状態から得られる。
具体的には、センサ14は、センサ材料を有する複数の画素を備えた光センサとして具現化される。センサ材料はCZTを有し、あるいはCZTから成る。第1の整形器18は、電気信号の立ち上がりから、立ち上がり及び立ち下がりを有する電圧パルスを形成するように適応されている。第1の前置増幅器16及び第1の整形器18を、衝突光子に由来する電荷パルスから電圧パルスを生成する1つの整形前置増幅器に結合することが可能である。
この実施形態において、弁別器20の出力26はカウンタ30に接続されている。装置10は、カウンタ30がセンサ14に衝突する光子32、34を計数することを可能にする。光子32、34は、当然ながら、概略的に示されているだけであり、各光子32、34は、センサ14に衝突するとき、統計的に分布した数の電子−正孔対を作り出し、これらの電子−正孔が電荷パルスを生じさせる。
簡単に述べると、装置20の機能は、到来した光子32、34が正確に計数されるようにして、到来光子32、34を表す電圧パルスをカウンタ30に与えることである。当然ながら、或る一定の閾値群より高い、低い、あるいは範囲内の光子の数を計数することも可能である。続いて、装置20がこれをどのように達成するかを説明する。
図2は、コンピュータ断層撮影において光子を検出する方法の段階群を示している。段階36にて、センサ14を用いて、到来した光子32、34の各々が電荷パルスに変換される。段階38にて、電荷パルスは電気信号に変換される。図1に従った実施形態においては、これは前置増幅器16によって達成される。
段階40にて、電気信号は電気パルスに整形される。図1に従った実施形態においては、これは整形器18によって達成される。段階42にて、弁別器20を用いて、電気パルスは閾値THと比較される。
段階44にて、電気トリガー信号Vに応答して、電気回路網12の電気経路22内のスイッチング操作が実行される。電気トリガー信号Vは電気経路22の電気的な状態から得られる。図1に従った実施形態においては、これはスイッチング素子28によって達成される。
図3は、図1に従った装置10の電気回路網12の第1の実施形態を示している。同一の要素、あるいは同一の機能を果たす要素には同一の参照符号を用いる。以下では、電気回路網12の機能を、特に前置増幅器16と整形器18との間の相互作用に関して説明する。なお、用語“整形器”は、前置増幅器に続く高域通過フィルタ及び低域通過フィルタという典型的な組み合わせに限定されず、特に、成形素子が、前置増幅器16と一緒にされた変形差動対手段である整形前置増幅器として具現化された図3以降の図に示す回路構成をも含む。具体的にはn型MOSFET(金属−酸化物−半導体電界効果トランジスタ)として具現化されるFET(電界効果トランジスタ)N1b及びN2bは、I/2の電流を強要する電流源を形成するように設計されており、それぞれ、ゲート電圧V1及びV2を受ける。ゲート電圧V0を受けるFET P0は電流Iを排出する。具体的にはp型MOSFETとして具現化されるFET P1a及びP1bは、正確に同一の幾何学構成を有するように設計されており、FET P1bはゲート電圧VCRefを受ける。センサ14から信号を受信しない場合、FET P1a及びP1bは同一の電流I/2を排出する。
特にはCZTであるセンサ14の材料との光子32、34の相互作用により、センサ14内で負電荷が生成される。この電荷の量は光子32、34のエネルギーに比例する。この負電荷はパルスを形成し、フィードバックキャパシタンスCの左側の電極へと流れる。グラフ50は、第1の光子32によって生成された電流と、後続の第2の光子34によって生成された電流とを示している。
前置増幅器16は、反転入力と非反転入力(電圧VPreRefを受ける)との間の電位差がゼロになるように出力電圧を調整しようとするので、出力電圧Voutは入力電流の積分値に従って増加する。
増加された出力電圧はFET P1aのゲートにフィードバックされ、FET P1aにI/2より小さい電流を排出させる。その結果、余剰電流はP1bを介して排出されなければならない。
FET N1b及びN2bは電流I/2を強要するので、余剰電流(定義通り正電荷によって運ばれる)はこの変形差動対の右側の分岐から流れ去らなければならいが、前置増幅器16の非常に高い入力抵抗のためCの左側の電極へと流れるしかなく、それにより、Cの左側の電極上の負電荷が排除される。
これは、前置増幅器16の出力電圧Voutが電圧パルス(グラフ52に示す)の形態をとり、その高さはセンサ14にて生成された電荷の量、ひいては、センサ14の材料と相互作用した量子のエネルギーの指標となることを意味する。
この電圧パルスは、閾値THを定める弁別器20によって処理されるのに十分な強さである。このパルスが閾値THを超過するのに十分な高さを有する場合、弁別器20は、電源電圧(しばしば、VDDと呼ばれる)の振幅を有し且つ立ち上がりエッジで開始する計数電圧インパルスVdiscr,outを生成する。グラフ54は、閾値THが超過されているか否かに依存する弁別器20の応答を示している。図1に示すように、この計数インパルスはカウンタ30へと送られる。
この例においては第1及び第2の光子は別々に計数されるのに十分なだけ時間的に離れているが、第2の光子が第1の光子のすぐ後に続くために、本発明の利益を利用可能にしない場合には、第1の光子32に属する電圧パルスと第2の光子34に属する電圧パルスとが1つの拡張されたパルスに結合されてしまう状況も起こり得る。これが意味することは、実際には2つの光子32、34がセンサ14に衝突したが、カウンタ30は弁別器20から1つのパルスのみを受信することになるということである。より多くの光子32、34が矢継ぎ早に続くとき、この状況は悪化し、更に拡張されたパルスと、より多くのカウントがカウンタ30により見逃されることとをもたらす。
この問題を解決するため、センサ14の出力24と弁別器20の出力26との間の電気経路22に変更を加えることが可能なスイッチング素子28が本発明により提案される。スイッチング素子28の機能は以下の通りである。
第1の光子32がセンサ14に衝突すると、光子32によって生成された個別の電荷パルスは、前置増幅器16によって電気信号へと成形される。この活動は、前置増幅器16の出力に接続された制御素子56によって検知される。制御素子56は、前置増幅器16内での電気信号の生成が検知された場合、特に、電気信号が或る一定の電圧レベルを超えた場合に、スイッチング素子28を切り換えるように適応されている。
ここで、センサ14に衝突した第1の光子32によって前置増幅器16内で電気信号が生成されたと仮定すると、制御素子56は、センサ14の出力24が前置増幅器16の入力から切り離されるようにスイッチング素子28を切り換える。
故に、第2の光子34が第1の光子32のすぐ後に続く場合であっても、第2の光子34に由来する電荷パルスは前置増幅器16に到達せず、第1の光子32の電荷パルスの処理に干渉し得なくなる。この実施形態において、スイッチング素子28は、作動されるとき、センサ14の出力24をグランドGNDへと切り換える。
これは必ずしも、第2の光子34に関する情報が失われるということを意味しない。何故なら、第1の光子32に応答しての処理が完了したとき、制御素子56はスイッチング素子28を元の位置に戻すように切り換える、すなわち、センサ14の出力24が前置増幅器16の入力に再接続されるからである。この時点で、更なる電荷パルスは前置増幅器16に到達することができる。典型的に、これは、第2の光子34により生成された電荷パルス内の全電荷が失われるのではなく、第2の光子34の処理及び検出は依然として可能であることを意味する。
強調しておくが、1つの光子に関する情報が仮に失われたとしても、装置10が麻痺し得ないことは依然として有意な利点をもたらす。
制御素子56が電気信号の処理を検出するときに依拠する閾値は、具体的な用途の具体的なニーズに基づいて決定することができる。また、電気信号処理の開始(立ち上がりエッジ)の検出用の1つと、電気信号処理の終了(立ち下がりエッジ)の検出用の1つという、2つの異なる閾値を定めることが有利となり得る。さらに、図5及び6を参照して詳細に後述するように、時間遅れを組み込むことも可能である。最も単純な処理素子56は更なる弁別器として具現化され得る。
要するに、前置増幅器16が光子32、34を処理している最中に前置増幅器16がセンサ14から更なる電荷パルスを受信することを阻止することにより、装置10は麻痺しなくなる。前置増幅器16は機能的に整形器18と結合されるので、前置増幅器16と整形器18とが電荷パルスに対する出力電圧を整形するということができる。
図4は、図3の電気回路網12を僅かに変更したものと、リーク電流補償(LCC)回路60及びACシンク62とを示している。
図3に従った電気回路網12への変更は、制御素子56の電気経路22への異なる接続に表されている。この場合、トリガー信号は弁別器20の出力26における電圧から得られる。この実施形態において、スイッチング素子28の活動は、計数すべきパルスの弁別器20による実際の検出に結び付けられる。
この実施形態において、LCC回路60はセンサ14の出力24に接続され、ACシンク62はスイッチング素子28に接続されている。従って、スイッチング素子28がセンサ14の出力24を電気経路22から切り離すとき、センサ14の出力24はACシンク62に接続される。続いて、この実施形態の機能を説明する。
LCC回路60はセンサ14のDCリーク電流を排出するように構成されている。これを達成するため、スイッチS1が閉じられる。なお、容量CはDC電流を遮断するため、前置増幅器16を介してDC電流を排出することは不可能である。また、DC電流は、差動対のFET N1b、N2bを含む右側の分岐を介して排出されることもできない。故に、DC電流はLCC回路60の変形された差動対のFET N10b、N11bを含む右側の分岐を介して排出される。FET P10bのゲートは必要な値をとる。(なお、これはリーク電流によって設定され得るゲート電圧である。)
ゲート電圧が決定される遷移段階の後、センサリーク電流はLCC回路60を介して排出される。光子の検出を可能にするため、スイッチS1は開かれる。なおも、FET P10bの必要なゲート電圧はキャパシタCによって維持されるので、リーク電流はなおもLCC回路60を介して排出される。
前置増幅器16及び整形器18が光子を処理するときは常に、スイッチング素子28はセンサ14をACシンク62に接続するように切り換えられる。光子の処理が終了したとき、更なる光子が処理され得るように、スイッチング素子28はセンサ14を前置増幅器16に再接続する。
ACシンク62が整形器として具現化されると有利である。そうすることは、センサ14の出力24を電気経路22から切り離したままで、到来する光子を計数する機会を切り開くからである。
図5は、本発明の第3の実施形態を示している。なお、この図はこの実施形態に関する主要な要素の簡易図である。
図5において、センサ14は、容量Cと並列に電流Iを有する電流源として表されている。スイッチング素子28は、同時に作動されて複数の整形器18a、18b、・・・、18mのうちの1つを電気経路22に接続することを可能にする2つのスイッチとして具現化されている。また、この実施形態は、並列接続された複数の弁別器20a、20b、・・・、20nを含んでいる。弁別器20a、20b、・・・、20nは、相異なるエネルギーレベルの光子32、34を検出するため、それぞれ、閾値THa、THb、・・・、THnを有する。弁別器20a、20b、・・・、20nにはそれぞれ、個々のカウンタ30a、30b、・・・、30nが接続されている。制御素子56は時間遅延素子70及び論理素子72を有する。この電気回路網12の機能は以下の通りである。
先ず、スイッチング素子28が、整形器18aを電気経路22に接続する実線で図示した位置にあると仮定する。第1の光子32がセンサ14に衝突する場合、電荷パルスは前置増幅器16によって電気信号に変換され、整形器18aに送られて電圧パルスに変換される。
電気信号を電圧パルスにする処理中、弁別器20a(全ての弁別器の中で最小の閾値を有する)の閾値THaが超過され、弁別器20aの出力26に信号が供給される。
このトリガー信号Vは制御素子56の時間遅延素子70に到達する。時間遅延素子70は、弁別器20aの出力26からの信号を或る一定の時間量だけ遅延させるように作用する。スイッチング素子28の即座の作動は第1の光子32に属するエネルギーを遮断し得るので、時間遅延素子が第1の光子32に由来する全ての電荷(又はそれらの大部分)を集めるのに十分な時間だけ遅らせる。この時間遅れを電荷収集時間と呼ぶ。この時間は高いエネルギーを有する光子ほど大きくなり得るので、最長の電荷収集時間を考慮に入れるように時間遅れを設定することが有利となり得る。
そして、遅延された弁別器20aからのパルスは論理素子72に到達する。論理素子72は、トリガー信号Vの振幅を或る一定の閾値と比較し、閾値を超えている場合、スイッチング素子28を作動させる。当然ながら、トリガー信号Vに基づいて、論理素子72がそれ自身の出力信号を生成することも可能である。
この実施形態において、スイッチング素子28を作動させるとは、両側のスイッチング素子28が点線で指し示された位置をとることを意味する。これは、整形器18aが切り離され、整形器18bが電気経路22に接続されることを意味する。整形器18aはもはや切断されているので、そのベースラインに戻り、当該整形器18aに送られてくる次のパルスを正しく処理する準備が整った状態となり得る。
整形器18aが再び光子を正しく処理するのに未だ利用可能でない時間ウィンドウの間に、第2の光子が整形器18bによって処理される。光子32、34を処理しなければならないレートに応じて、1、2、又はそれより多くの整形器が、光子を処理しているために、あるいはベースラインに戻る過程中であるために、利用可能でないことがあり得る。従って、この実施形態に示すように、必要に応じて一層多くの整形器が用いられ得る。
図6は、本発明の第4の実施形態を示している。この実施形態の基本機能は図5の実施形態においてと同一であり、この点において図5を参照する。
図5との主な相違は整形前置増幅器74a、74b、・・・、74nであり、これらの各々は、先の図に従った前置増幅器16及び整形器18を結合させている。
光子32、34が衝突するレートに応じて、先の図に従った前置増幅器16は、第1の光子32に関する電荷パルスを処理している間に第2の光子34に属する電荷パルスを受け取ることがあり得る。この状況を回避するため、各々が個別に電気経路22へと切り換えられることが可能な複数の整形前置増幅器74a、74b、・・・、74nが設けられる。
これが意味するところは、第1の光子32が検出され且つ電荷収集時間が経過すると直ちに、現在使用中の整形前置増幅器74aが切り離され、利用可能な整形前置増幅器74bが電気経路22へと切り換えられるということである。もはや電気経路22から切断されている整形前置増幅器74aは、そのベースラインに戻って、当該整形前置増幅器74aに送られてくる次の光子に属する電荷パルスの処理準備が整った状態になるのに十分な時間ウィンドウを有する。
図6の単一の弁別器は、エネルギー弁別式の計数検出器をもたらす図5に示したような並列接続された多数の弁別器に置き換えられてもよい。
図7は、本発明の第5の実施形態を示しており、センサを3つの整形前置増幅器(74a、74b、74c)の間で切り換えることが可能なエネルギー弁別式計数検出器を表している。各整形前置増幅器は3つの弁別器に、すなわち、74aは20a−1、20a−2、20a−3に、74bは20b−1、20b−2、20b−3に、74cは20c−1、20c−2、20c−3に接続されている。整形前置増幅器74aは全て詳細に示されているが、残りの2つの整形前置増幅器74b及び74cは単にブロック図として表されている。3つの閾値TH1、TH2及びTH3について、関係TH1<TH2<TH3が成立する、すなわち、TH1が関心ある最小の光子エネルギーに対応すると仮定する。その他の弁別器の閾値は図7に示していないが、弁別器20b−1及び20c−1も閾値TH1を有し、弁別器20b−2及び20c−2も閾値TH2を有し、弁別器20b−3及び20c−3も閾値TH3を有すると仮定する。従って、制御ブロック56a、56b及び56cは全て、最低のエネルギー閾値を有する弁別器の出力に接続されている。
直列接続されたスイッチ28a、28b、28cが存在し、それにより、センサは3つの異なる整形前置増幅器74a、74b若しくは74c、又はGNDに相次いで接続されることが可能である。最初、センサ14はスイッチ28aを介して第1の整形前置増幅器74aの入力に接続される。センサと相互作用する光子がセンサ内で電荷パルスを生成し、該電荷パルスは(スイッチ28aの現在位置により)第1の整形前置増幅器74aによって処理され、該整形前置増幅器の出力に電圧パルスが生成される。さらに、この電圧パルスは3つの弁別器20a−1、20a−2及び20a−3によって処理される。
電圧パルスが閾値TH2を超えるのに十分な大きさであるがTH3を超えるのに十分でないと仮定する。なお、TH1も超えられている。これは、対応するカウンタ及び制御ブロック56aをトリガーする。制御ブロック56a内で、予期される最大の電荷収集時間が経過した後に満了するタイマーが起動される。タイマーが満了すると、スイッチ28aの位置は変更され、センサ14はそれ以降、センサを整形前置増幅器74bの入力に接続するスイッチ28bの入力に接続される。整形前置増幅器74aの出力は、更なるX線光子がセンサと相互作用することに由来する更なる電荷パルスに影響されることなく、ベースラインに戻るのに十分な時間を有する。
次のX線光子は、第1の整形前置増幅器に関して説明したのと同様にして、第2の整形前置増幅器74bによって処理されることが可能である。すなわち、電荷パルスにより、整形前置増幅器74bの出力電圧が最低の閾値(すなわち、ここでは弁別器20b−1の閾値)を超えると直ちに、制御ブロック56bが、予期される最大の電荷収集時間が経過した後に満了するタイマーを起動させるようにトリガーされる。そして、タイマーが満了すると、スイッチ28bの位置は変更され、センサ14は、センサを更に整形前置増幅器74cの入力に接続するスイッチ28cの入力に接続される。整形前置増幅器74cは、更なるX線光子を処理する準備が整った状態となる。
このX線光子の処理により、整形前置増幅器74cの出力が最低の閾値(ここでは弁別器20c−1の閾値)を超える場合、制御ブロック56cが、予期される最大の電荷収集時間が経過した後に満了するタイマーを起動させるようにトリガーされる。このタイマーが満了すると、制御ブロック56cはスイッチ28cをトリガーし、その入力がそれ以降GNDに接続されるようにその位置を変化させる。それにより、センサ14はGNDに接続される。その間の時間に第1の整形前置増幅器74aの出力電圧が、好ましくはTH1より低い(対応する弁別機能が制御ブロック56a内に組み込まれている)更なる閾値を下回っている場合、第1の光子の処理が終了していることが意味され、制御ブロック56aは、スイッチ28aにその位置を、元の位置に戻すように再び変更させる。それにより、センサは再び、第1の整形前置増幅器74aに直接的に接続される。
同様に、第2の整形前置増幅器74bの出力電圧が、好ましくはTH1より低い(対応する弁別機能が制御ブロック56b内に組み込まれている)更なる閾値を下回ると直ちに、第2の光子の処理が終了したことが意味され、制御ブロック56bは、スイッチ28bにその位置を、元の位置に戻すように再び変更させる。それ以降、第2の整形前置増幅器は、第1の整形前置増幅器が切断される必要がある場合に(スイッチ28a及び28bを介して)センサに接続される準備が整った状態となる。
同様に、第3の整形前置増幅器74cの出力電圧が、好ましくはTH1より低い(対応する弁別機能が制御ブロック56c内に組み込まれている)更なる閾値を下回ると、第3の光子の処理が終了したことが意味され、制御ブロック56cは、スイッチ28cにその位置を、元の位置に戻すように再び変更させる。それ以降、第3の整形前置増幅器は、第1及び第2の整形前置増幅器が切断される必要がある場合に(スイッチ28a、28b、28cを介して)センサに接続される準備が整った状態となる。
この手法は、有意に高められた光子レートに対処することが可能な、麻痺しないエネルギー分解式X線検出器を実現することを可能にする。最も単純な例では、スイッチ28b、28c及び整形前置増幅器74b、74cを用いずに、スイッチ28aがその位置を変更すると、スイッチ28aは直接的にGNDに接続される。そして、制御ブロック56aが、整形前置増幅器74aの出力から、光子の処理が終了したことを検出すると、スイッチ28aはセンサを整形前置増幅器74aに再接続する。
図面及び以上の説明にて本発明の詳細な例示及び説明を行ったが、これらの例示及び説明は、限定的なものではなく、説明的あるいは例示的なものと見なされるべきものである。従って、本発明は開示の実施形態に限定されるものではない。
図面、この開示及び添付の特許請求の範囲の教示を受けて請求項に係る発明を実施する際、当業者は、開示の実施形態への他の変形を理解し実現することができる。特許請求の範囲において、用語“有する”はその他の要素又は段階を排除するものではなく、不定冠詞“a又はan(或る)”は複数であることを排除するものではない。“左”、“右”などの用語は、本発明の理解を容易にするために使用されただけであり、本発明の範囲を限定するものではない。
特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、それらの手段の組み合わせが有利に用いられ得ないということを指し示すものではない。請求項中の如何なる参照符号も請求項の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (12)

  1. コンピュータ断層撮影スキャナにおいてX線光子を検出する装置であって、
    当該装置は電気回路網を有し、該電気回路網は、
    光子を電荷パルスに変換するように適応されたセンサと、
    前記電荷パルスを電気信号に変換するように適応された第1の前置増幅器と、
    前記電気信号を電気パルスに変換するように適応された第1の整形器と、前記電気パルスを閾値と比較するように適応された第1の弁別器と、
    前記センサの出力から前記弁別器の出力までの当該電気回路網の電気経路であり当該電気経路の電気的な状態から得られる電気的なトリガー信号に応答して作動されるように適応されたスイッチング素子を有し、前記光子によって発生された電気信号を前記電気経路が受信したことを指し示すものである前記トリガー信号によって指し示される前記光子の検出後に、作動された前記スイッチング素子が前記センサを前記電気経路から切り離す、電気経路と、
    前記トリガー信号を前記スイッチング素子へと経路付ける時間遅延素子と
    を含み、前記スイッチング素子は、前記第1の整形器を有する第1の電気経路及び第2の整形器を有する第2の電気経路、交流電流用のシンク、又はグランドの間で切り換えるように適応されている、
    装置。
  2. 前記トリガー信号は前記前置増幅器における電圧から得られる、請求項1に記載の装置。
  3. 前記トリガー信号は前記弁別器における電圧から得られる、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記電気経路にリーク電流補償回路が接続された請求項1乃至3の何れかに記載の装置。
  5. 前記シンクは整形器として構成されている、請求項1に記載の装置。
  6. 前記時間遅延素子は、正の傾斜波を受信した場合と負の傾斜波を受信した場合とで異なる遅延を示す、請求項1乃至5の何れかに記載の装置。
  7. 前記電気経路と前記スイッチング素子との間に、前記トリガー信号が第1の電圧レベルを上回ったときに前記トリガー信号を前記スイッチング素子に接続するように適応された論理素子、が配置された請求項1乃至の何れかに記載の装置。
  8. 前記論理素子は、前記トリガー信号が第2の電圧レベルを下回ったときに前記トリガー信号を前記スイッチング素子から切り離すように適応されている、請求項に記載の装置。
  9. 前記第1の前置増幅器は前記第1の整形器に結合されており、前記電気回路網は少なくとも、前記第2の整形器に結合された第2の前置増幅器を更に有し、前記スイッチング素子は、前記第1の前置増幅器/前記第1の整形器と前記第2の前置増幅器/前記第2の整形器との一方を前記電気経路内に切り換えるように適応されている、請求項1乃至の何れかに記載の装置。
  10. 前記第1の弁別器と並列に少なくとも第2の弁別器が接続され、前記第1の弁別器に第1のカウンタが接続され、前記第2の弁別器に第2のカウンタが接続され、前記第1の弁別器及び前記第2の弁別器は、異なる光子エネルギーに対応する異なる電圧閾値を受け取る、請求項1乃至の何れかに記載の装置。
  11. 請求項1乃至10の何れかに記載の装置を有する、医療用の、X線光子の検出に基づく撮像装置。
  12. コンピュータ断層撮影スキャナにおいてX線光子を検出する方法であって、電気回路網内で実行される:
    − センサにより、光子を電荷パルスに変換する段階、
    − 前記電荷パルスを電気信号に変換する段階、
    − 前記電気信号を電気パルスへと整形する段階、
    − 弁別器により、前記電気パルスを閾値と比較する段階、
    − 前記電気回路網の前記センサの出力から前記弁別器の出力までの電気経路の電気的な状態から電気的なトリガー信号を得る段階、及び
    − 前記電気経路内で、時間遅延素子によって経路付けられる前記電気的なトリガー信号に応答してスイッチング操作を実行する段階、
    を有し、
    前記スイッチング操作は、前記光子の検出が前記トリガー信号によって指し示された後に、前記光子によって発生された電気信号を受信した前記電気経路を前記センサから切り離し、前記スイッチング操作は、第1の整形器を有する第1の電気経路及び第2の整形器を有する第2の電気経路、交流電流用のシンク、又はグランドの間で切り換えるように適応される、
    方法。
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