JP5468691B1 - 変圧器の磁気飽和特性推定システム、磁気飽和特性推定システムおよび磁気飽和特性推定方法 - Google Patents

変圧器の磁気飽和特性推定システム、磁気飽和特性推定システムおよび磁気飽和特性推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】推定対象変圧器のより少ない情報と測定波形とから磁気飽和特性を推定する。
【解決手段】複数の特性曲線が記憶されている記憶部109と、遮断器を投入した際の電圧測定波形に基づいて投入位相を算出する投入位相算出部101と、推定対象変圧器の定格電圧・容量に基づいて複数の特性曲線から第1特性曲線を選択する第1特性選択部102と、投入位相および第1特性曲線に基づいて残留磁束ごとの励磁突入電流の第1演算波形を求める第1演算部103と、第1演算波形のうち遮断器を投入した際の電流測定波形に類似する第1選択波形を選択して、対応する選択残留磁束を選択する残留磁束選択部104と、投入位相および選択残留磁束に基づいて特性曲線ごとの励磁突入電流の第2演算波形を求める第2演算部105と、第2演算波形のうち電流測定波形に類似する第2選択波形を選択して、対応する第2特性曲線を選択する第2特性選択部106と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、変圧器の磁気飽和特性推定システム、磁気飽和特性推定システム、および磁気飽和特性推定方法に関する。
点検などにより電力系統から切り離された変圧器を再び連系するため、変圧器遮断器を投入して、変圧器を充電(変圧器に電圧を印加)すると、大きな励磁突入電流(インラッシュ電流)が流れる場合がある。この励磁突入電流の大きさは、主として遮断器の投入位相、変圧器の残留磁束および磁気飽和特性によって決定され、変圧器の定格電流の10倍程度に達する場合もあり、変圧器保護リレーの誤動作などの障害を引き起こす恐れがある。そのため、変圧器の励磁突入電流を定量的に演算して、障害の原因を特定するとともに、その対策を検討・実施することが重要となる。
前述したように、変圧器の励磁突入電流の演算には、磁気飽和特性が必要となる。この磁気飽和特性は、変圧器の製造時の測定試験により得られるが、試験の記録がない場合も多い。そこで、例えば特許文献1では、銘板に記載された情報のみから変圧器の機器定数を推定するシステムが開示されている。
特開2008−205450号公報
しかしながら、特許文献1の変圧器の機器定数推定システムでは、銘板値として定格容量、高圧側定格電圧、低圧側定格電圧、周波数、結線方式、および短絡インピーダンスをすべて入力する必要がある。そのため、これらの情報の一部でも取得できない場合には、空心インダクタンスなどの磁気飽和特性を算出することができない。
前述した課題を解決する主たる本発明は、変圧器の磁気飽和特性を推定するシステムであって、複数の変圧器の磁気飽和によって発生する励磁電流と磁束との関係をそれぞれ示す複数の特性曲線が記憶されている記憶部と、推定対象変圧器の遮断器を投入した際の電源電圧を測定した電圧測定波形に基づいて、前記遮断器の投入位相を算出する投入位相算出部と、前記推定対象変圧器の定格電圧および定格容量に基づいて、前記複数の特性曲線から1つを第1の特性曲線として選択する第1の特性選択部と、前記投入位相および前記第1の特性曲線に基づいて、前記推定対象変圧器の複数の残留磁束をパラメータとして励磁突入電流を演算し、残留磁束ごとの第1の演算波形を求める第1の演算部と、前記第1の演算波形のうち、前記遮断器を投入した際の励磁突入電流を測定した電流測定波形に類似する演算波形を第1の選択波形として選択して、前記複数の残留磁束のうち、前記第1の選択波形に対応する残留磁束を選択残留磁束として選択する残留磁束選択部と、前記投入位相および前記選択残留磁束に基づいて、前記複数の特性曲線をパラメータとして励磁突入電流を演算し、特性曲線ごとの第2の演算波形を求める第2の演算部と、前記第2の演算波形のうち、前記電流測定波形に類似する演算波形を第2の選択波形として選択して、前記複数の特性曲線のうち、前記第2の選択波形に対応する特性曲線を第2の特性曲線として選択する第2の特性選択部と、を有することを特徴とする変圧器の磁気飽和特性推定システムである。
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
本発明によれば、推定対象変圧器のより少ない情報と測定波形とから磁気飽和特性を推定することができる。
本発明の一実施形態における変圧器磁気飽和特性推定システムの構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態における変圧器磁気飽和特性推定システムの各部の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムの動作を説明するフローチャートである。 変圧器のI−Φ特性曲線の例を示す模式図である。 定格電流および定格磁束で正規化された変圧器のI−Φ特性曲線の例を示す模式図である。 変圧器遮断器を投入した際の電源電圧の測定波形の一例を示す模式図である。 第1の演算処理S3(突入電流演算部103)におけるパラメータの一例を示す図である。 第1の演算処理S3(突入電流演算部103)におけるパラメータの一例を示す図である。 励磁突入電流の演算波形の一例を示す模式図である。 変圧器遮断器を投入した際の励磁突入電流の測定波形の一例を示す模式図である。
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
===変圧器磁気飽和特性推定システムの構成===
以下、図1を参照して、本発明の一実施形態における変圧器磁気飽和特性推定システムの構成について説明する。
図1に示されている変圧器磁気飽和特性推定システム10は、投入位相算出部101、I−Φ特性選択部102、106、突入電流演算部103、105、残留磁束選択部104、入力部107、出力部108、記憶部109、およびバス110含んで構成されている。また、投入位相算出部101、I−Φ特性選択部102、106、残留磁束選択部104、入力部107、出力部108、および記憶部109は、バス110を介して互いに接続されている。なお、変圧器磁気飽和特性推定システム10の機能は、入力部107、出力部108、記憶部109、およびバス110を備えるコンピュータ100によって実現することができる。
===変圧器磁気飽和特性推定システムの動作===
以下、図2ないし図9を適宜参照して、本実施形態における変圧器磁気飽和特性推定システムの動作について説明する。なお、以下においては、記憶部109に特性曲線が記憶されている変圧器と推定対象変圧器とがいずれも三相変圧器である場合について説明する。
記憶部109には、既知の複数の変圧器について、磁気飽和特性を示すI−Φ特性曲線が予めデータベース化されて記憶されている。ここで、変圧器のI−Φ特性曲線の例を図3に示す。図3に示すように、I−Φ特性曲線は、変圧器の磁気飽和によって発生する励磁電流Iと磁束Φとの関係を示し、変圧器の定格電圧や定格容量によって大きく異なる。そこで、本実施形態では、記憶部109には、I−Φ特性曲線のI軸(横軸)方向を変圧器の定格電流で、Φ軸(縦軸)方向を変圧器の定格磁束でそれぞれ正規化(規格化)した正規化I−Φ特性曲線が記憶されている。ここで、変圧器の正規化I−Φ特性曲線の例を図4に示す。図4において、I軸およびΦ軸の単位は、pu(per unit)となっている。
前述したように、変圧器磁気飽和特性推定システム10の機能は、コンピュータ100によって実現することができる。例えば、コンピュータ100に変圧器磁気飽和特性推定プログラムを実行させることによって、投入位相算出部101、I−Φ特性選択部102、106、突入電流演算部103、105、および残留磁束選択部104に相当する処理を実行することができる。図2は、これら各部に相当する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムの動作を示している。
プログラムの実行が開始されると、まず、投入位相算出部101に相当する投入位相算出処理S1を実行する。投入位相算出処理S1では、推定対象変圧器について、遮断器を投入した際の電源電圧の測定波形(電圧測定波形)に基づいて、遮断器の投入位相を算出する。なお、電圧測定波形は、例えば、入力部107から入力され、バス110を介して記憶部109に記憶されている。ここで、電圧測定波形の一例を図5に示す。図5においては、t0時点で変圧器遮断器が投入されており、t0までの波形から遮断器の投入位相を算出することができる。例えば、a相(電圧Va)の127.4°と算出される。
次に、I−Φ特性選択部102(第1の特性選択部)に相当する第1の特性選択処理S2を実行する。第1の特性選択処理S2では、推定対象変圧器の定格電圧および定格容量に基づいて、記憶部109に記憶されている複数の正規化I−Φ特性曲線から1つ(第1の特性曲線)を選択する。
より具体的には、定格電圧および定格容量が推定対象変圧器と一致する変圧器の正規化I−Φ特性曲線が記憶部109に記憶されている場合には、その特性曲線を第1の特性曲線として選択する。また、そのような特性曲線が複数ある場合には、それらのうちの任意の1つを第1の特性曲線として選択する。一方、そのような特性曲線がない場合には、定格電圧および定格容量が推定対象変圧器により近い変圧器の正規化I−Φ特性曲線を第1の特性曲線として選択する。
次に、突入電流演算部103(第1の演算部)に相当する第1の演算処理S3を実行する。第1の演算処理S3では、投入位相算出処理S1において算出した投入位相、および第1の特性選択処理S2において選択した第1の特性曲線に基づいて、推定対象変圧器の残留磁束をパラメータとして励磁突入電流を演算する。ここで、第1の特性曲線は正規化I−Φ特性曲線の1つであるため、まず、第1の特性曲線に推定対象変圧器の定格電流および定格磁束を乗じて、推定対象変圧器のI−Φ特性曲線(第3の特性曲線)に変換し、当該第3の特性曲線および投入位相に基づいて励磁突入電流を演算する。なお、励磁突入電流の演算には、公知のEMTP(Electro Magnetic Transients Program:電磁過渡現象解析プログラム)を用いることができる。
前述したように、励磁突入電流の大きさは、主として遮断器の投入位相、変圧器の残留磁束および磁気飽和特性によって決定され、第1の演算処理S3では、投入位相および磁気飽和特性を固定して、残留磁束ごとに励磁突入電流の波形(第1の演算波形)を求める。なお、a相,b相,c相の残留磁束をΦa,Φb,Φcとすると、各相の残留磁束の和Φa+Φb+Φc=0となる。また、各相の残留磁束は、推定対象変圧器の定格磁束Φnの±85%の範囲内(−0.85Φn≦Φa,Φb,Φc≦0.85Φn)に収まる。そして、これらの条件を満たすような各相の残留磁束の組み合わせ(Φa,Φb,Φc)をパラメータとして設定する。
ここで、第1の演算処理S3(突入電流演算部103)におけるパラメータの一例を図6および図7に示す。図6および図7においては、推定対象変圧器の定格磁束Φn=1080Wbとなり、パラメータの変化幅(ステップ幅)が200Wbとなっている。また、Φa+Φb+Φc=0を満たす条件式として、以下の式(1)ないし式(6)を用いている。
Φa=0,Φb=−Φc ・・・(1)
Φb=0,Φc=−Φa ・・・(2)
Φc=0,Φa=−Φb ・・・(3)
Φb=Φc=−Φa/2 ・・・(4)
Φc=Φa=−Φb/2 ・・・(5)
Φa=Φb=−Φc/2 ・・・(6)
なお、図6におけるパラメータ(Φa,Φb,Φc)=(0,0,0)は、条件式(1)〜(6)をいずれも満たすため、これらの何れかのグループに含めてもよい。このようにして求めたパラメータ(残留磁束)ごとの励磁突入電流の演算波形の一例を図8に示す。
次に、残留磁束選択部104に相当する残留磁束選択処理S4を実行する。残留磁束選択処理S4では、第1の演算処理S3において求めたパラメータごとの励磁突入電流の演算波形(第1の演算波形)のうち、遮断器を投入した際の励磁突入電流の測定波形(電流測定波形)に類似する演算波形(第1の選択波形)を選択する。なお、電流測定波形は、例えば、入力部107から入力され、バス110を介して記憶部109に記憶されている。ここで、電流測定波形の一例を図9に示す。図8および図9に示すように、励磁突入電流の演算波形と測定波形とでは振幅が通常一致しないため、本実施形態では、それぞれを最大振幅で正規化したうえで比較する。
より具体的には、図8に示した励磁突入電流の演算波形(第1の演算波形)では、c相(電流Ic)の第1波で最大振幅となっているため、その値で各相の波形を正規化した波形(第3の演算波形)を求める。また、図9に示した励磁突入電流の測定波形(電流測定波形)では、c相(電流Ic)の第1波で最大振幅となっているため、その値で各相の波形を正規化した波形(正規化電流測定波形)を求める。そして、残留磁束ごとの第3の演算波形のうち、正規化電流測定波形との差の二乗和が最小となる(すなわち、ユークリッド距離が最小となる)演算波形を第1の選択波形として選択する。
さらに、パラメータとして用いた残留磁束(の組み合わせ)のうち、第1の選択波形に対応する残留磁束(選択残留磁束)を選択する。例えば、(Φa,Φb,Φc)=(800Wb,−400Wb,−400Wb)が選択される。なお、選択残留磁束は、例えば、バス110を介して記憶部109に記憶される。
次に、突入電流演算部105(第2の演算部)に相当する第2の演算処理S5を実行する。第2の演算処理S5では、投入位相算出処理S1において算出した投入位相、および
残留磁束選択処理S4において選択した選択残留磁束に基づいて、記憶部109に記憶されているI−Φ特性曲線をパラメータとして励磁突入電流を演算する。ここで、記憶部109に記憶されているI−Φ特性曲線は正規化I−Φ特性曲線であるため、まず、これらの正規化I−Φ特性曲線に推定対象変圧器の定格電流および定格磁束をそれぞれ乗じて、推定対象変圧器の非正規化I−Φ特性曲線に変換し、当該非正規化I−Φ特性曲線をパラメータとして励磁突入電流を演算する。
前述したように、励磁突入電流の大きさは、主として遮断器の投入位相、変圧器の残留磁束および磁気飽和特性によって決定され、第2の演算処理S5では、投入位相および残留磁束を固定して、磁気飽和特性(非正規化I−Φ特性曲線)ごとに励磁突入電流の波形(第2の演算波形)を求める。このようにして求めたパラメータ(非正規化I−Φ特性曲線)ごとの励磁突入電流の演算波形は例えば図8のようになる。
最後に、I−Φ特性選択部106(第2の特性選択部)に相当する第2の特性選択処理S6を実行する。第2の特性選択処理S6では、第2の演算処理S5において求めたパラメータごとの励磁突入電流の演算波形(第2の演算波形)のうち、電流測定波形に類似する演算波形(第2の選択波形)を選択する。本実施形態では、第2の演算処理S5においても、励磁突入電流の演算波形と測定波形とを最大振幅で正規化したうえで比較する。
より具体的には、励磁突入電流の演算波形(第2の演算波形)の最大振幅で各相の波形を正規化した波形(第4の演算波形)を求める。そして、非正規化I−Φ特性曲線ごとの第4の演算波形のうち、正規化電流測定波形との差の二乗和が最小となる(すなわち、ユークリッド距離が最小となる)演算波形を第2の選択波形として選択する。
さらに、パラメータとして用いた非正規化I−Φ特性曲線のうち、第2の選択波形に対応する特性曲線(第2の特性曲線)を選択する。例えば、(Φa,Φb,Φc)=(800Wb,−400Wb,−400Wb)が選択される。なお、第2の特性曲線は、例えば、バス110を介して、記憶部109に記憶されたり、ディスプレイなどの出力部に表示されたりする。このようにして、推定対象変圧器の磁気飽和特性が第2の選択波形として推定される。
前述したように、変圧器磁気飽和特性推定システム10において、既知の変圧器の複数のI−Φ特性曲線を予めデータベース化しておき、遮断器の投入位相および変圧器のI−Φ特性曲線(磁気飽和特性)を固定して、残留磁束ごとに励磁突入電流の第1の演算波形を求め、第1の演算波形のうち励磁突入電流の測定波形に類似する演算波形のパラメータ(残留磁束)を選択し、遮断器の投入位相および変圧器の残留磁束を固定して、I−Φ特性曲線(磁気飽和特性)ごとに励磁突入電流の第2の演算波形を求め、第2の演算波形のうち励磁突入電流の測定波形に類似する演算波形のパラメータ(I−Φ特性曲線)を選択することによって、推定対象変圧器のより少ない情報と測定波形とから磁気飽和特性を推定することができ、磁気飽和特性の試験の記録がない場合であっても、変圧器の励磁突入電流を演算して系統解析を行うことができる。
また、三相変圧器に対しては、残留磁束ごとに励磁突入電流の第1の演算波形を求める際に、各相の残留磁束の和Φa+Φb+Φc=0となる複数の残留磁束の組み合わせをパラメータとすることができる。さらに、Φa+Φb+Φc=0を満たす条件式として、上記の式(1)ないし式(6)を用いることができる。
また、既知の変圧器の定格電流および定格磁束で正規化された複数の正規化I−Φ特性曲線を予めデータベース化しておくことによって、データベースに異なる種類の変圧器を混在させることができるため、より多くの変圧器をデータベース化して用いることができる。さらに、異なる種類の推定対象変圧器に対しても、正規化I−Φ特性曲線を推定対象変圧器のI−Φ特性曲線に変換して用い、磁気飽和特性を推定することができる。
また、励磁突入電流の演算波形および測定波形をそれぞれの最大振幅で正規化したうえで比較することによって、正規化電流測定波形との差の二乗和が最小となる演算波形を類似する演算波形として選択することができる。
また、既知の変圧器の複数のI−Φ特性曲線を予めデータベース化して記憶している記憶部109を備えるコンピュータに、変圧器磁気飽和特性推定システム10の各部に相当する処理を実行させるためのプログラムにおいて、遮断器の投入位相および変圧器のI−Φ特性曲線(磁気飽和特性)を固定して、残留磁束ごとに励磁突入電流の第1の演算波形を求め、第1の演算波形のうち励磁突入電流の測定波形に類似する演算波形のパラメータ(残留磁束)を選択し、遮断器の投入位相および変圧器の残留磁束を固定して、I−Φ特性曲線(磁気飽和特性)ごとに励磁突入電流の第2の演算波形を求め、第2の演算波形のうち励磁突入電流の測定波形に類似する演算波形のパラメータ(I−Φ特性曲線)を選択することによって、推定対象変圧器のより少ない情報と測定波形とから磁気飽和特性を推定することができる。
また、遮断器の投入位相および変圧器のI−Φ特性曲線(磁気飽和特性)を固定して、残留磁束ごとに励磁突入電流の第1の演算波形を求め、第1の演算波形のうち励磁突入電流の測定波形に類似する演算波形のパラメータ(残留磁束)を選択し、遮断器の投入位相および変圧器の残留磁束を固定して、I−Φ特性曲線(磁気飽和特性)ごとに励磁突入電流の第2の演算波形を求め、第2の演算波形のうち励磁突入電流の測定波形に類似する演算波形のパラメータ(I−Φ特性曲線)を選択することによって、推定対象変圧器のより少ない情報と測定波形とから磁気飽和特性を推定することができる。
なお、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
10 変圧器磁気飽和特性推定システム
100 コンピュータ
101 投入位相算出部
102、106 I−Φ特性選択部
103、105 突入電流演算部
104 残留磁束選択部
107 入力部
108 出力部
109 記憶部
110 バス

Claims (7)

  1. 変圧器の磁気飽和特性を推定するシステムであって、
    複数の変圧器の磁気飽和によって発生する励磁電流と磁束との関係をそれぞれ示す複数の特性曲線が記憶されている記憶部と、
    推定対象変圧器の遮断器を投入した際の電源電圧を測定した電圧測定波形に基づいて、前記遮断器の投入位相を算出する投入位相算出部と、
    前記推定対象変圧器の定格電圧および定格容量に基づいて、前記複数の特性曲線から1つを第1の特性曲線として選択する第1の特性選択部と、
    前記投入位相および前記第1の特性曲線に基づいて、前記推定対象変圧器の複数の残留磁束をパラメータとして励磁突入電流を演算し、残留磁束ごとの第1の演算波形を求める第1の演算部と、
    前記第1の演算波形のうち、前記遮断器を投入した際の励磁突入電流を測定した電流測定波形に類似する演算波形を第1の選択波形として選択して、前記複数の残留磁束のうち、前記第1の選択波形に対応する残留磁束を選択残留磁束として選択する残留磁束選択部と、
    前記投入位相および前記選択残留磁束に基づいて、前記複数の特性曲線をパラメータとして励磁突入電流を演算し、特性曲線ごとの第2の演算波形を求める第2の演算部と、
    前記第2の演算波形のうち、前記電流測定波形に類似する演算波形を第2の選択波形として選択して、前記複数の特性曲線のうち、前記第2の選択波形に対応する特性曲線を第2の特性曲線として選択する第2の特性選択部と、
    を有することを特徴とする変圧器の磁気飽和特性推定システム。
  2. 請求項1に記載の変圧器の磁気飽和特性推定システムであって、
    前記複数の変圧器および前記推定対象変圧器は、いずれも三相変圧器であり、
    前記第1の演算部は、前記推定対象変圧器の各相の残留磁束の和が0となる複数の残留磁束の組み合わせをパラメータとして励磁突入電流を演算し、残留磁束の組み合わせごとの第1の演算波形を求め、
    前記残留磁束選択部は、前記複数の残留磁束の組み合わせのうち、前記第1の選択波形に対応する残留磁束の組み合わせを前記選択残留磁束として選択することを特徴とする変圧器の磁気飽和特性推定システム。
  3. 請求項2に記載の変圧器の磁気飽和特性推定システムであって、
    前記複数の残留磁束の組み合わせは、前記推定対象変圧器の各相の残留磁束(Φa,Φb,Φc)が以下の式(1)ないし式(6)の何れかを満たすことを特徴とする変圧器の磁気飽和特性推定システム。
    Φa=0,Φb=−Φc ・・・(1)
    Φb=0,Φc=−Φa ・・・(2)
    Φc=0,Φa=−Φb ・・・(3)
    Φb=Φc=−Φa/2 ・・・(4)
    Φc=Φa=−Φb/2 ・・・(5)
    Φa=Φb=−Φc/2 ・・・(6)
  4. 請求項1ないし請求項3の何れかに記載の変圧器の磁気飽和特性推定システムであって、
    前記記憶部には、前記複数の変圧器の定格電流および定格磁束で正規化された複数の正規化特性曲線が記憶されており、
    前記第1の特性選択部は、前記推定対象変圧器の定格電圧および定格容量に基づいて、前記複数の正規化特性曲線から1つを前記第1の特性曲線として選択し、
    前記第1の演算部は、前記第1の特性曲線に前記推定対象変圧器の定格電流および定格磁束を乗じて第3の特性曲線に変換し、前記投入位相および前記第3の特性曲線に基づいて、前記第1の演算波形を求め、
    前記第2の演算部は、前記複数の正規化特性曲線に前記推定対象変圧器の定格電流および定格磁束をそれぞれ乗じて複数の非正規化特性曲線に変換し、前記複数の非正規化特性曲線をパラメータとして励磁突入電流を演算し、非正規化特性曲線ごとの前記第2の演算波形を求め、
    前記第2の特性選択部は、前記複数の非正規化特性曲線のうち、前記第2の選択波形に対応する特性曲線を前記第2の特性曲線として選択することを特徴とする変圧器の磁気飽和特性推定システム。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れかに記載の変圧器の磁気飽和特性推定システムであって、
    前記残留磁束選択部は、前記第1の演算波形をそれぞれの最大振幅で正規化した第3の演算波形を求め、前記電流測定波形をその最大振幅で正規化した正規化電流測定波形を求め、前記第3の演算波形のうち、前記正規化電流測定波形との差の二乗和が最小となる演算波形を前記第1の選択波形として選択し、
    前記第2の特性選択部は、前記第2の演算波形をそれぞれの最大振幅で正規化した第4の演算波形を求め、前記第4の演算波形のうち、前記正規化電流測定波形との差の二乗和が最小となる演算波形を前記第2の選択波形として選択することを特徴とする変圧器の磁気飽和特性推定システム。
  6. 複数の変圧器の磁気飽和によって発生する励磁電流と磁束との関係をそれぞれ示す複数の特性曲線が記憶されている記憶部を備えるコンピュータに、
    推定対象変圧器の遮断器を投入した際の電源電圧を測定した電圧測定波形に基づいて、前記遮断器の投入位相を算出する投入位相算出処理と、
    前記推定対象変圧器の定格電圧および定格容量に基づいて、前記複数の特性曲線から1つを第1の特性曲線として選択する第1の特性選択処理と、
    前記投入位相および前記第1の特性曲線に基づいて、前記推定対象変圧器の複数の残留磁束をパラメータとして励磁突入電流を演算し、残留磁束ごとの第1の演算波形を求める第1の演算処理と、
    前記第1の演算波形のうち、前記遮断器を投入した際の励磁突入電流を測定した電流測定波形に類似する演算波形を第1の選択波形として選択して、前記複数の残留磁束のうち、前記第1の選択波形に対応する残留磁束を選択残留磁束として選択する残留磁束選択処理と、
    前記投入位相および前記選択残留磁束に基づいて、前記複数の特性曲線をパラメータとして励磁突入電流を演算し、特性曲線ごとの第2の演算波形を求める第2の演算処理と、
    前記第2の演算波形のうち、前記電流測定波形に類似する演算波形を第2の選択波形として選択して、前記複数の特性曲線のうち、前記第2の選択波形に対応する特性曲線を第2の特性曲線として選択する第2の特性選択処理と、
    を実行させることを特徴とする変圧器の磁気飽和特性推定プログラム。
  7. 変圧器の磁気飽和特性を推定する方法であって、
    推定対象変圧器の遮断器を投入した際の電源電圧を測定した電圧測定波形に基づいて、前記遮断器の投入位相を算出し、
    前記推定対象変圧器の定格電圧および定格容量に基づいて、複数の変圧器の磁気飽和によって発生する励磁電流と磁束との関係をそれぞれ示す複数の特性曲線から1つを第1の特性曲線として選択し、
    前記投入位相および前記第1の特性曲線に基づいて、前記推定対象変圧器の複数の残留磁束をパラメータとして励磁突入電流を演算し、残留磁束ごとの第1の演算波形を求め、
    前記第1の演算波形のうち、前記遮断器を投入した際の励磁突入電流を測定した電流測定波形に類似する演算波形を第1の選択波形として選択して、前記複数の残留磁束のうち、前記第1の選択波形に対応する残留磁束を選択残留磁束として選択し、
    前記投入位相および前記選択残留磁束に基づいて、前記複数の特性曲線をパラメータとして励磁突入電流を演算し、特性曲線ごとの第2の演算波形を求め、
    前記第2の演算波形のうち、前記電流測定波形に類似する演算波形を第2の選択波形として選択して、前記複数の特性曲線のうち、前記第2の選択波形に対応する特性曲線を第2の特性曲線として選択することを特徴とする変圧器の磁気飽和特性推定方法。
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