JP4275178B2 - 3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成方法及び装置 - Google Patents

3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成方法及び装置、並びに3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算方法及び装置、更には、3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性診断方法及び装置に関するものである。
変圧器を電力系統に接続し、運用開始する際に発生する励磁突入電流について、今までは変圧器差動継電器の不正動作が問題になっていたが、ほぼ解決されてきた。しかしながら、今日の電子制御機器の発達により、瞬時電圧降下による弊害が発生している。この問題については、電力業界においても、重要性は認識しつつも、その解析手法は明確にされていないのが現状である。
例えば、特許文献1(特公平6−67114号公報)には、励磁突入電流による電圧降下を演算するものが記載されている。
特公平06−067114号公報
しかしながら、前述の特許文献1の技術では、変圧器励磁特性や運転経験から電圧降下を演算することは不可能である。また、励磁突入電流×系統インピーダンスから電圧降下を計算することが出来ず、励磁力率角が考慮されていない等から電圧降下を演算出来ないという問題があった。
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、メーカやユーザから提供される3相交流変圧器の投入時の突入電流のピーク値、投入位相角、残留磁束、飽和磁束、系統インピーダンス等のデータに基づいて、実際の励磁突入電流波形を生成出来る3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成方法及び装置、並びに、それに基づいて、変圧器投入時の瞬時電圧降下を予測演算出来る3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算方法及び装置、更には、投入時の電力系統電圧安定性を診断出来る3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性診断方法及び装置を提供せんとするものである。
前記目的を達成するための本発明に係る3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成方法は、3相交流変圧器の励磁突入電流波形を生成する方法であって、3相のうちのc相突入電流が正の値で、b相突入電流が負の値とし、c相突入電流のピーク値の時刻をθ(c、0)、c相の投入位相角をα(c)とした時に、θ(c、0)=180−α(c)とする第1のステップと、c相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(c、1)、c相の飽和磁束をBsa(c)、c相の投入位相角をα(c)、c相のオフセット磁束をBos(c)=cos(α(c))、c相の残留磁束をBr(c)とした時に、θ(c、1)=sin−1(Bsa(c)−Bos(c)−Br(c))−α(c)+90とする第2のステップと、c相の突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻をθ(c、2)、c相突入電流のピーク値の時刻をθ(c、0)、c相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(c、1)とした時に、θ(c、2)=2θ(c、0)−θ(c、1)とする第3のステップと、c相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(c、3)、c相突入電流のピーク値の時刻をθ(c、0)とした時に、θ(c、3)=θ(c、0)−90とする第4のステップと、b相突入電流のピーク値の時刻をθ(b、0)とした時に、θ(b、0)=−α(b)とする第5のステップと、b相突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻をθ(b、2)、b相の飽和磁束をBsa(b)、b相の投入位相角をα(b)、b相のオフセット磁束をBos(b)=cos(α(b))、b相の残留磁束をBr(b)とした時に、θ(b、2)=sin−1(Bsa(b)−Bos(b)−Br(b))−α(b)+90とする第6のステップと、b相の突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(b、1)、b相突入電流のピーク値の時刻をθ(b、0)、b相突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻をθ(b、2)とした時に、θ(b、1)=2θ(b、0)−θ(b、2)とする第7のステップと、b相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(b、3)、b相突入電流のピーク値の時刻をθ(b、0)とした時に、θ(b、3)=θ(b、0)−90とする第8のステップと、c相突入電流の直流分をIdc(c)、c相突入電流の波高値をIp(c)、c相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(c、1)、c相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(c、3)とした時に、
とする第9のステップと、c相突入電流をI(c、t)、c相突入電流の直流分をIdc(c)、c相突入電流の波高値をIp(c)、c相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(c、3)、0度≦t<360度とした時に、I(c、t)=(Ip(c)−Idc(c))×sin((t−θ(c、3))+Idc(c))とする第10のステップと、前記第10のステップで作成された前記I(c、t)からI(c、t)<0の時、I(c、t)=0、I(c、t)≧0の時、I(c、t)=I(c、t)とする第11のステップと、b相突入電流の直流分をIdc(b)、b相突入電流の波高値をIp(b)、b相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(b、1)、b相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(b、3)とした時に、
とする第12のステップと、b相突入電流をI(b、t)、b相突入電流の直流分をIdc(b)、b相突入電流の波高値をIp(b)、b相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(b、3)、0度≦t<360度とした時に、I(b、t)=(Ip(b)−Idc(b))×sin((t−θ(b、3))+Idc(b))とする第13のステップと、前記第13のステップで作成された前記I(b、t)から、I(b、t)>0の時、I(b、t)=0、I(b、t)≦0の時、I(b、t)=I(b、t)とする第14のステップと、b相突入電流をI(b、t)、b相補正突入電流をIh(b、t)、c相突入電流をI(c、t)、c相補正突入電流をIh(c、t)、0度≦t<360度とした時に、I(b、t)>−I(c、t)/2の時、Ih(b、t)=−I(c、t)/2、I(b、t)≦−I(c、t)/2の時、Ih(b、t)=I(b、t)、I(c、t)<−I(b、t)/2の時、Ih(c、t)=−I(b、t)/2、I(c、t)≧−I(b、t)/2の時、Ih(c、t)=I(c、t)とする第15のステップと、a相突入電流をI(a,t)、b相補正突入電流をIh(b、t)、c相補正突入電流をIh(c、t)、0度≦t<360度とした時に、I(a,t)=−(Ih(b、t)+Ih(c、t))とする第16のステップとを含み、a相突入電流を前記I(a,t)とし、b相突入電流を前記Ih(b、t)とし、c相突入電流を前記Ih(c、t)として、3相交流変圧器の励磁突入電流波形を生成することを特徴とする。
また、本発明に係る3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算方法は、3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下を予測演算する方法であって、前記3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成方法により生成された励磁突入電流波形をフーリエ展開して、前記a相、b相、c相の各基本波突入電流の実効値と、該基本波突入電流の位相角とをそれぞれ演算し、各相の基本波突入電流に発電端又は送電端から受電端までの系統インピーダンスを乗じて各相の電圧降下を求め、さらにこの各相の電圧降下から各相の受電端電圧を求め、該各相の受電端相電圧から求めたbc相の受電端線間電圧と前記各相の基本波突入電流から求めたbc相の線間電流との力率角が70度以上、且つ90度以下になるように前記各相の基本波突入電流の位相角を調整することを特徴とする。
また、本発明に係る3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性診断方法は、3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性を診断する方法であって、前記3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成方法により生成された励磁突入電流波形と、前記3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算方法により演算された瞬時電圧降下量の時間変化とを表示することを特徴とする。
また、本発明に係る3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成装置は、3相交流変圧器の励磁突入電流波形を生成する装置であって、3相のうちのc相突入電流が正の値で、b相突入電流が負の値とし、c相突入電流のピーク値の時刻をθ(c、0)、c相の投入位相角をα(c)とした時に、θ(c、0)=180−α(c)としてc相突入電流のピーク値時刻を設定するc相突入電流ピーク値時刻設定手段と、c相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(c、1)、c相の飽和磁束をBsa(c)、c相の投入位相角をα(c)、c相のオフセット磁束をBos(c)=cos(α(c))、c相の残留磁束をBr(c)とした時に、θ(c、1)=sin−1(Bsa(c)−Bos(c)−Br(c))−α(c)+90としてc相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻を設定するc相突入電流第1始点時刻設定手段と、c相の突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻をθ(c、2)、c相突入電流のピーク値の時刻をθ(c、0)、c相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(c、1)とした時に、θ(c、2)=2θ(c、0)−θ(c、1)としてc相突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻を設定するc相突入電流第1終点時刻設定手段と、c相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(c、3)、c相突入電流のピーク値の時刻をθ(c、0)とした時に、θ(c、3)=θ(c、0)−90としてc相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻を設定するc相突入電流第2始点時刻設定手段と、b相突入電流のピーク値の時刻をθ(b、0)とした時に、θ(b、0)=−α(b)としてb相突入電流のピーク値時刻を設定するb相突入電流ピーク値時刻設定手段と、b相突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻をθ(b、2)、b相の飽和磁束をBsa(b)、b相の投入位相角をα(b)、b相のオフセット磁束をBos(b)=cos(α(b))、b相の残留磁束をBr(b)とした時に、θ(b、2)=sin−1(Bsa(b)−Bos(b)−Br(b))−α(b)+90としてb相突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻を設定するb相突入電流第1終点時刻設定手段と、b相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(b、1)、b相突入電流のピーク値の時刻をθ(b、0)、b相突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻をθ(b、2)とした時に、θ(b、1)=2θ(b、0)−θ(b、2)としてb相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻を設定するb相突入電流第1始点時刻設定手段と、b相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(b、3)、b相突入電流のピーク値の時刻をθ(b、0)とした時に、θ(b、3)=θ(b、0)−90としてb相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻を設定するb相突入電流第2始点時刻設定手段と、c相突入電流の直流分をIdc(c)、c相突入電流の波高値をIp(c)、c相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(c、1)、c相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(c、3)とした時に、
としてc相突入電流の直流分を演算するc相突入電流直流分演算手段と、c相突入電流をI(c、t)、c相突入電流の直流分をIdc(c)、c相突入電流の波高値をIp(c)、c相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(c、3)、0度≦t<360度とした時に、I(c、t)=(Ip(c)−Idc(c))×sin((t−θ(c、3))+Idc(c))としてc相突入電流波形を作成するc相突入電流波形作成手段と、前記c相突入電流波形作成手段により作成された前記I(c、t)から、I(c、t)<0の時、I(c、t)=0、I(c、t)≧0の時、I(c、t)=I(c、t)として前記c相突入電流の負側波形を除去するc相突入電流負側波形除去手段と、b相突入電流の直流分をIdc(b)、b相突入電流の波高値をIp(b)、b相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(b、1)、b相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(b、3)とした時に、
としてb相突入電流の直流分を演算するb相突入電流直流分演算手段と、b相突入電流をI(b、t)、b相突入電流の直流分をIdc(b)、b相突入電流の波高値をIp(b)、b相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(b、3)、0度≦t<360度とした時に、I(b、t)=(Ip(b)−Idc(b))×sin((t−θ(b、3))+Idc(b))としてb相突入電流波形を作成するb相突入電流波形作成手段と、前記b相突入電流波形作成手段により作成された前記I(b、t)から、I(b、t)>0の時、I(b、t)=0、I(b、t)≦0の時、I(b、t)=I(b、t)として前記b相突入電流の正側波形を除去するb相突入電流正側波形除去手段と、b相突入電流をI(b、t)、b相補正突入電流をIh(b、t)、c相突入電流をI(c、t)、c相補正突入電流をIh(c、t)、0度≦t<360度とした時に、I(b、t)>−I(c、t)/2の時、Ih(b、t)=−I(c、t)/2、I(b、t)≦−I(c、t)/2の時、Ih(b、t)=I(b、t)、I(c、t)<−I(b、t)/2の時、Ih(c、t)=−I(b、t)/2、I(c、t)≧−I(b、t)/2の時、Ih(c、t)=I(c、t)として前記b相補正突入電流波形及び前記c相補正突入電流波形を作成する補正突入電流波形作成手段と、a相突入電流をI(a,t)、b相補正突入電流をIh(b、t)、c相補正突入電流をIh(c、t)、0度≦t<360度とした時に、I(a,t)=−(Ih(b、t)+Ih(c、t))として前記a相突入電流波形を作成するa相突入電流波形作成手段と、前記a相突入電流波形作成手段により作成された前記a相突入電流を前記I(a,t)とし、前記補正突入電流波形作成手段により作成された前記b相突入電流を前記Ih(b、t)とすると共に、前記c相突入電流を前記Ih(c、t)として、3相交流変圧器の励磁突入電流波形を生成する励磁突入電流波形生成手段とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算装置は、3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下を予測演算する装置であって、前記3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成装置により生成された励磁突入電流波形をフーリエ展開して、前記a相、b相、c相の各相の基本波突入電流の実効値と、該各相の基本波突入電流の位相角とをそれぞれ演算する基本波突入電流演算手段と、前記各相の基本波突入電流演算手段により演算された各相の基本波突入電流に発電端又は送電端から受電端までの系統インピーダンスを乗じて各相の電圧降下を演算する電圧降下演算手段と、前記電圧降下演算手段により演算された各相の電圧降下から各相の受電端相電圧を演算する受電端相電圧演算手段と、前記受電端相電圧演算手段により演算された各相の受電端相電圧から各相の受電端線間電圧を演算する受電端線間電圧演算手段と、前記受電端線間電圧演算手段により演算されたbc相の受電端線間電圧と、前記基本波突入電流演算手段により演算された各相の基本波突入電流から求めたbc相の線間電流との力率角が70度以上、且つ90度以下になるように前記各相の基本波突入電流の位相角を調整する位相角調整手段とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性診断装置は、3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性を診断する装置であって、前記3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成装置により生成された励磁突入電流波形と、前記3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算装置により演算された瞬時電圧降下量の時間変化とを表示する表示手段を有することを特徴とする。
本発明に係る3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成方法及び装置によれば、メーカやユーザから提供される3相交流変圧器の投入時の突入電流のピーク値、投入位相角、残留磁束、飽和磁束、系統インピーダンス等のデータに基づいて、実際の励磁突入波形を容易に生成出来る。
また、本発明に係る3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算方法及び装置によれば、前記3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成方法及び装置により作成した励磁突入電流波形を用いて変圧器投入時の瞬時電圧降下を容易に予測演算出来る。
また、本発明に係る3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性診断方法及び装置によれば、前記3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成方法及び装置により作成した励磁突入電流波形と、前記3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算方法及び装置により予測演算した変圧器投入時の瞬時電圧降下に基づいて、投入時の電力系統電圧安定性を容易に診断出来る。
図により本発明に係る3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成方法及び装置、並びに3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算方法及び装置、更には、3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性診断方法及び装置の一実施形態を具体的に説明する。図1及び図2は本発明に係る3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成装置、並びに3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算装置、更には、3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性診断装置の制御系の構成を示すブロック図、図3は瞬時電圧降下予測演算を行う様子を示すフローチャート、図4は励磁突入電流波形を生成する様子を示すフローチャート、図5は入力画面の一例を示す図、図6は実効値電圧と基本波実効値電圧との関係を示す図、図7〜図11は励磁突入電流波形を生成する様子を示す波形図、図12は励磁突入電流波形生成装置により作成された3相交流変圧器の励磁突入電流波形及び瞬時電圧降下量の時間変化を実線で示し、実測値を破線で示した一例を示す図、図13は本発明に係る3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算方法により瞬時電圧降下を予測演算する様子を示すフローチャート、図14は励磁突入電流波形生成装置により作成された励磁突入電流波形と、基本波突入電流波形とを示す図、図15は位相角調整手段により励磁力率角を調整する過程を示す図、図16は励磁突入電流波形生成装置により作成された励磁突入電流波形と、瞬時電圧降下予測演算装置により演算された瞬時電圧降下量の時間変化とを表示手段により表示した様子を示す図、図17は電圧・電流・励磁インピーダンス計算結果を表示手段により表示した様子を示す図である。
図1及び図2において、1は3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成装置3、並びに3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算装置、更には、3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性診断装置を兼ねるシステム部に設けられたデータ入力装置であり、2はデータ読込装置、4aは電流現象変化点設定装置、4bは波形生成装置、5は基本波電流抽出装置、6は電圧演算装置、7は表示手段となる表示装置である。
励磁突入電流波形生成装置3の制御部には、3相交流変圧器の励磁突入電流波形を生成する装置の構成要素として、3相のうちのc相突入電流が正の値で、b相突入電流が負の値とし、c相突入電流のピーク値の時刻をθ(c、0)、c相の投入位相角をα(c)とした時に、θ(c、0)=180−α(c)としてc相突入電流のピーク値時刻を設定するc相突入電流ピーク値時刻設定手段となるc相突入電流ピーク値時刻設定器8と、c相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(c、1)、c相の飽和磁束をBsa(c)、c相の投入位相角をα(c)、c相のオフセット磁束をBos(c)=cos(α(c))、c相の残留磁束をBr(c)とした時に、θ(c、1)=sin−1(Bsa(c)−Bos(c)−Br(c))−α(c)+90としてc相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻を設定するc相突入電流第1始点時刻設定手段となるc相突入電流第1始点時刻設定器9と、c相の突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻をθ(c、2)、c相突入電流のピーク値の時刻をθ(c、0)、c相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(c、1)とした時に、θ(c、2)=2θ(c、0)−θ(c、1)としてc相突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻を設定するc相突入電流第1終点時刻設定手段となるc相突入電流第1終点時刻設定器10と、c相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(c、3)、c相突入電流のピーク値の時刻をθ(c、0)とした時に、θ(c、3)=θ(c、0)−90としてc相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻を設定するc相突入電流第2始点時刻設定手段となるc相突入電流第2始点時刻設定器11と、b相突入電流のピーク値の時刻をθ(b、0)とした時に、θ(b、0)=−α(b)としてb相突入電流のピーク値時刻を設定するb相突入電流ピーク値時刻設定手段となるb相突入電流ピーク値時刻設定器12と、b相突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻をθ(b、2)、b相の飽和磁束をBsa(b)、b相の投入位相角をα(b)、b相のオフセット磁束をBos(b)=cos(α(b))、b相の残留磁束をBr(b)とした時に、θ(b、2)=sin−1(Bsa(b)−Bos(b)−Br(b))−α(b)+90としてb相突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻を設定するb相突入電流第1終点時刻設定手段となるb相突入電流第1終点時刻設定器13と、b相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(b、1)、b相突入電流のピーク値の時刻をθ(b、0)、b相突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻をθ(b、2)とした時に、θ(b、1)=2θ(b、0)−θ(b、2)としてb相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻を設定するb相突入電流第1始点時刻設定手段となるb相突入電流第1始点時刻設定器14と、b相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(b、3)、b相突入電流のピーク値の時刻をθ(b、0)とした時に、θ(b、3)=θ(b、0)−90としてb相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻を設定するb相突入電流第2始点時刻設定手段となるb相突入電流第2始点時刻設定器15と、c相突入電流の直流分をIdc(c)、c相突入電流の波高値をIp(c)、c相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(c、1)、c相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(c、3)とした時に、
としてc相突入電流の直流分を演算するc相突入電流直流分演算手段となるc相突入電流直流分演算器16と、c相突入電流をI(c、t)、c相突入電流の直流分をIdc(c)、c相突入電流の波高値をIp(c)、c相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(c、3)、0度≦t<360度とした時に、I(c、t)=(Ip(c)−Idc(c))×sin((t−θ(c、3))+Idc(c))としてc相突入電流波形を作成するc相突入電流波形作成手段となるc相突入電流演算器17と、前記c相突入電流波形作成手段となるc相突入電流演算器17により作成された前記I(c、t)から、I(c、t)<0の時、I(c、t)=0、I(c、t)≧0の時、I(c、t)=I(c、t)として前記c相突入電流の負側波形を除去してゼロとするc相突入電流負側波形除去手段となるc相突入電流負側波形除去器18と、b相突入電流の直流分をIdc(b)、b相突入電流の波高値をIp(b)、b相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(b、1)、b相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(b、3)とした時に、
としてb相突入電流の直流分を演算するb相突入電流直流分演算手段となるb相突入電流直流分演算器19と、b相突入電流をI(b、t)、b相突入電流の直流分をIdc(b)、b相突入電流の波高値をIp(b)、b相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(b、3)、0度≦t<360度とした時に、I(b、t)=(Ip(b)−Idc(b))×sin((t−θ(b、3))+Idc(b))としてb相突入電流波形を作成するb相突入電流波形作成手段となるb相突入電流演算器20と、前記b相突入電流波形作成手段となるb相突入電流演算器20により作成された前記I(b、t)から、I(b、t)>0の時、I(b、t)=0、I(b、t)≦0の時、I(b、t)=I(b、t)として前記b相突入電流の正側波形を除去してゼロとするb相突入電流正側波形除去手段となるb相突入電流正側波形除去器21と、b相突入電流をI(b、t)、b相補正突入電流をIh(b、t)、c相突入電流をI(c、t)、c相補正突入電流をIh(c、t)、0度≦t<360度とした時に、I(b、t)>−I(c、t)/2の時、Ih(b、t)=−I(c、t)/2、I(b、t)≦−I(c、t)/2の時、 Ih(b、t)=I(b、t)、I(c、t)<−I(b、t)/2の時、 Ih(c、t)=−I(b、t)/2、I(c、t)≧−I(b、t)/2の時、 Ih(c、t)=I(c、t)として前記b相補正突入電流波形及び前記c相補正突入電流波形を作成する補正突入電流波形作成手段となるb相補正突入電流演算器22及びc相補正突入電流演算器23と、a相突入電流をI(a,t)、b相補正突入電流をIh(b、t)、c相補正突入電流をIh(c、t)、0度≦t<360度とした時に、I(a,t)=−(Ih(b、t)+Ih(c、t))として前記a相突入電流波形を作成するa相突入電流波形作成手段となるa相突入電流演算器24と、前記a相突入電流波形作成手段となるa相突入電流演算器24により作成された前記a相突入電流を前記I(a,t)とし、前記補正突入電流波形作成手段となるb相補正突入電流演算器22により作成された前記b相突入電流を前記Ih(b、t)とすると共に、前記補正突入電流波形作成手段となるc相補正突入電流演算器23により作成された前記c相突入電流を前記Ih(c、t)として、3相交流変圧器の励磁突入電流波形を生成する励磁突入電流波形生成手段となる励磁突入電流演算器25とを有して構成されている。
また、3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下を予測演算する装置構成としては、図2に示すように、基本波電流抽出装置5及び電圧演算装置6を有して構成されており、図1に示す励磁突入電流波形生成装置3により生成された励磁突入電流波形をフーリエ展開して、前記a相、b相、c相の各相の基本波突入電流の実効値を演算する基本波実効値演算器26並びに該各相の基本波突入電流の位相角を演算する基本波位相角演算器27により基本波突入電流演算手段となる基本波電流抽出装置5が構成されている。
また、電圧演算装置6には、基本波突入電流演算手段となる基本波電流抽出装置5により演算された各相の基本波突入電流に発電端又は送電端から受電端までの系統インピーダンスを乗じて各相の電圧降下を演算する電圧降下演算手段となる電圧降下演算器28と、該電圧降下演算手段となる電圧降下演算器28により演算された各相の電圧降下から各相の受電端相電圧を演算する受電端相電圧演算手段となる受電端相電圧演算器29並びに該受電端相電圧演算器29により演算された受電端相電圧から受電端線間電圧を演算する受電端線間電圧演算器30と、基本波電流抽出装置5により演算された基本波突入電流から各相の線間電流(Δ電流)を演算する線間電流演算器33とを有する。
更に、線間電流演算器33により演算された線間電流と、受電端線間電圧演算器30により演算された受電端線間電圧との力率角を演算する励磁インピーダンス演算器34を有し、該励磁インピーダンス演算器34により演算された力率角のうち、bc相の力率角が70度以上、且つ90度以下になるように各基本波突入電流の位相角を調整する位相角調整手段となる基本波位相角補正器31と、励磁力率角精度設定器32、励磁力率角判断器35等を有して3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算装置が構成されている。
また、3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性を診断する装置構成としては、3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成装置3により生成された励磁突入電流波形と、3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算装置となる電圧演算装置6により演算された瞬時電圧降下量の時間変化と、を表示する表示手段となる表示装置7を有して3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性診断装置が構成されており、表示装置7により電圧・電流・励磁インピーダンス計算結果が表示される。
図3に示すステップSにおいて、データ入力装置1により励磁突入電流波形生成、瞬時電圧降下算出、並びに電力系統電圧安定性診断を行うために必要なデータを入力する。この中で、36では図5の入力画面41の励磁突入電流波高値欄41aに示すように、変圧器メーカやユーザから提出された励磁突入電流波高値と、磁束演算定数他欄41bに示すように、飽和磁束、残留磁束、系統インピーダンス、投入位相角等の計算諸元等を入力するものである。
図3に示すステップSにおいて、37では変圧器投入時のa相の投入位相角を入力するものである。ここで、突入電流の最大値を求めるには、38で入力される残留磁束の条件で位相角は270度が適当である。38では、変圧器投入時の各相の残留磁束を入力するものである。ここで、突入電流の最大値を求めるには、a相の残留磁束をBr(a)、b相の残留磁束をBr(b)、c相の残留磁束をBr(c)、最大残留磁束密度をBmとすると、
が適当である。
図3に示すステップSにおいて、39では、短絡容量マップから求められる発電端又は送電端から受電端までの系統インピーダンスを入力するものである。40では、変圧器メーカの設計資料からのデータを採用することが出来る場合にはその値を採用し、変圧器メーカからのデータが無い場合には1.1(pu)〜1.3(pu)の適当な値を入力する。尚、ここで、磁束(pu)は所定の基準電圧を印加した場合の磁束を1(pu)とした磁束の単位としている。
ステップSでは、図1に示すデータ読込装置2により、前記ステップSにおいてデータ入力装置1から入力された入力データを読み込む。ステップSでは、前記ステップSで読み込んだデータから励磁突入電流波形生成装置3の電流現象変化点設定装置4a及び波形生成装置4bにより励磁突入電流波形を生成する。
ステップSでは、前記ステップSで生成した励磁突入電流波形から図2に示す基本波電流抽出装置5により基本波電流を抽出する。ステップSでは、前記ステップSで抽出した基本波電流と、前記ステップSの39で入力した系統インピーダンスから基本波の受電端電圧を求める。
ステップSでは、前記ステップSにおいて求めた計算過程を含めた計算結果を図示しないメモリーに保存すると共に、瞬時電圧降下及び励磁突入電流波形を図2に示す表示装置7に表示する。
図5に示す入力画面41において、被計算変圧器定格情報欄41c、励磁突入電流波高値欄41a及び磁束演算定数他欄41bに各種の入力を行ない、計算実行ボタン41dをクリックすることにより、図16に示すように、励磁突入電流波形生成装置3により生成された励磁突入電流波形42と、電圧演算装置6により演算された瞬時電圧降下量の時間変化波形43とが表示装置7により出力表示される。
尚、図6は実系統における変圧器投入時の電圧を実測した結果であり、図6に示す点線は実効値電圧(Vab(rms),Vbc(rms),Vca(rms))、実線は基本波実効値電圧(Vab(1),Vbc(1),Vca(1))であり、基本波実効値の電圧降下が実効値電圧降下よりも大きいことが判明しており、基本波実効値で検証することにより安全側で瞬時電圧降下を予測することが出来る。尚、(rms)は実効値を示し、(1)は基本波を示す。
図1に示すデータ読込装置2は、入力データフォーマットに入力された項目を読み込む装置であり、例えば、被計算変圧器定格情報欄41cの電圧(kV)を読み込み10MVA基準電流(IU)を加工する。
図4は図1に示す電流現象変化点設定装置4a及び励磁突入電流波形生成装置3により3相交流変圧器の励磁突入電流波形を生成する様子を示す。ステップS11において、図1に示すデータ読込装置2により読み取った図5に示す各種情報から図1に示す電流現象変化点設定装置4aにより電流現象の変化点を検出する。ステップS12において、b相及びc相電流を生成する。
即ち、図1に示す3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成装置3の電流現象変化点設定装置4aに設けられたc相突入電流ピーク値時刻設定手段となるc相突入電流ピーク値時刻設定器8により、3相のうちのc相突入電流が正の値で、b相突入電流が負の値とし、c相突入電流のピーク値の時刻をθ(c、0)、c相の投入位相角をα(c)とした時に、θ(c、0)=180−α(c)としてc相突入電流のピーク値時刻(図7のc相突入電流波形44のピーク値44aの時刻)を設定する。
次に、c相突入電流第1始点時刻設定手段となるc相突入電流第1始点時刻設定器9により、c相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(c、1)、c相の飽和磁束をBsa(c)、c相の投入位相角をα(c)、c相のオフセット磁束をBos(c)=cos(α(c))、c相の残留磁束をBr(c)とした時に、θ(c、1)=sin−1(Bsa(c)−Bos(c)−Br(c))−α(c)+90としてc相突入電流の直流分を含んだ第1の始点(図7のc相突入電流波形44の直流分を含んだ第1の始点44b)の時刻を設定する。
次に、c相突入電流第1終点時刻設定手段となるc相突入電流第1終点時刻設定器10により、c相の突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻をθ(c、2)、c相突入電流のピーク値の時刻をθ(c、0)、c相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(c、1)とした時に、θ(c、2)=2θ(c、0)−θ(c、1)としてc相突入電流の直流分を含んだ第1の終点(図7のc相突入電流波形44の直流分を含んだ第1の終点(図7のc相突入電流波形44の直流分を含んだ第1の終点44c)時刻を設定する。
次に、c相突入電流第2始点時刻設定手段となるc相突入電流第2始点時刻設定器11により、c相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(c、3)、c相突入電流のピーク値の時刻をθ(c、0)とした時に、θ(c、3)=θ(c、0)−90としてc相突入電流の直流分を除去した第2の始点(図7のc相突入電流波形44の直流分を除去した第2の始点44d)時刻を設定する。
次に、b相突入電流ピーク値時刻設定手段となるb相突入電流ピーク値時刻設定器12により、b相突入電流のピーク値の時刻をθ(b、0)とした時に、θ(b、0)=−α(b)としてb相突入電流のピーク値(図7のb相突入電流45のピーク値45a)時刻を設定する。
次に、b相突入電流第1終点時刻設定手段となるb相突入電流第1終点時刻設定器13により、b相突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻をθ(b、2)、b相の飽和磁束をBsa(b)、b相の投入位相角をα(b)、b相のオフセット磁束をBos(b)=cos(α(b))、b相の残留磁束をBr(b)とした時に、θ(b、2)=sin−1(Bsa(b)−Bos(b)−Br(b))−α(b)+90としてb相突入電流の直流分を含んだ第1の終点(図7のb相突入電流45の直流分を含んだ第1の終点45b)時刻を設定する。
次に、b相突入電流第1始点時刻設定手段となるb相突入電流第1始点時刻設定器14により、b相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(b、1)、b相突入電流のピーク値の時刻をθ(b、0)、b相突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻をθ(b、2)とした時に、θ(b、1)=2θ(b、0)−θ(b、2)としてb相突入電流の直流分を含んだ第1の始点(図7のb相突入電流45の直流分を含んだ第1の始点45c)時刻を設定する。
次に、b相突入電流第2始点時刻設定手段となるb相突入電流第2始点時刻設定器15により、b相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(b、3)、b相突入電流のピーク値の時刻をθ(b、0)とした時に、θ(b、3)=θ(b、0)−90としてb相突入電流の直流分を除去した第2の始点(図7のb相突入電流45の直流分を除去した第2の始点45d)時刻を設定する。
次に、c相突入電流直流分演算手段となるc相突入電流直流分演算器16により、c相突入電流の直流分をIdc(c)、c相突入電流の波高値をIp(c)、c相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(c、1)、c相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(c、3)とした時に、
としてc相突入電流の直流分(図7のc相突入電流波形44の直流分44e)を演算する。
次に、c相突入電流波形作成手段となるc相突入電流演算器17により、c相突入電流をI(c、t)、c相突入電流の直流分をIdc(c)、c相突入電流の波高値をIp(c)、c相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(c、3)、0度≦t<360度とした時に、I(c、t)=(Ip(c)−Idc(c))×sin((t−θ(c、3))+Idc(c))としてc相突入電流波形44を作成する。
次に、c相突入電流負側波形除去手段となるc相突入電流負側波形除去器18により、c相突入電流波形作成手段となるc相突入電流演算器17により作成された前記I(c、t)から、I(c、t)<0の時、I(c、t)=0、I(c、t)≧0の時、I(c、t)=I(c、t)として前記c相突入電流の負側波形を除去してゼロとする(図9のc相突入電流波形44参照)。
次に、b相突入電流直流分演算手段となるb相突入電流直流分演算器19により、b相突入電流の直流分をIdc(b)、b相突入電流の波高値をIp(b)、b相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(b、1)、b相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(b、3)とした時に、
としてb相突入電流の直流分(図7のb相突入電流45の直流分45e)を演算する。
次に、b相突入電流波形作成手段となるb相突入電流演算器20により、b相突入電流をI(b、t)、b相突入電流の直流分をIdc(b)、b相突入電流の波高値をIp(b)、b相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(b、3)、0度≦t<360度とした時に、I(b、t)=(Ip(b)−Idc(b))×sin((t−θ(b、3))+Idc(b))としてb相突入電流波形を作成する(図9のb相突入電流45参照)。
次に、b相突入電流正側波形除去手段となるb相突入電流正側波形除去器21により、b相突入電流波形作成手段となるb相突入電流演算器20により作成された前記I(b、t)から、I(b、t)>0の時、I(b、t)=0、I(b、t)≦0の時、I(b、t)=I(b、t)として前記b相突入電流の正側波形を除去してゼロとする(図9のb相突入電流45参照)。
次に、図4のステップS13において、b、c相突入電流波形44,45を補正する。
即ち、補正突入電流波形作成手段となるb相補正突入電流演算器22及びc相補正突入電流演算器23により、b相突入電流をI(b、t)、b相補正突入電流をIh(b、t)、c相突入電流をI(c、t)、c相補正突入電流をIh(c、t)、0度≦t<360度とした時に、I(b、t)>−I(c、t)/2の時、Ih(b、t)=−I(c、t)/2、I(b、t)≦−I(c、t)/2の時、Ih(b、t)=I(b、t)、I(c、t)<−I(b、t)/2の時、Ih(c、t)=−I(b、t)/2、I(c、t)≧−I(b、t)/2の時、Ih(c、t)=I(c、t)として前記b相補正突入電流波形及び前記c相補正突入電流波形を作成する。
即ち、図10に示すように、図9に示すように作成したc相突入電流波形44及びb相突入電流45をそれぞれ正負反転させた破線で示す反転波形46,47を作成し、その反転波形46,47の1/2の大きさの1/2反転波形48,49を作成する。そして、図11に示すように、c相突入電流波形44と1/2反転波形49との交点を50,51とした時、c相補正突入電流波形52はc相突入電流波形44から交点50で1/2反転波形49に連続する波形として作成され、b相補正突入電流波形53は1/2反転波形48から交点51でb相突入電流波形45に連続する波形として作成される。
次に、図4のステップS14において、a相突入電流波形作成手段となるa相突入電流演算器24により、a相突入電流をI(a,t)、b相補正突入電流をIh(b、t)、c相補正突入電流をIh(c、t)、0度≦t<360度とした時に、I(a,t)=−(Ih(b、t)+Ih(c、t))として前記a相突入電流波形54を作成する。
即ち、図12に示すように、a相突入電流波形54は、b相補正突入電流53とc相補正突入電流波形52との和を正負反転した波形により生成される。
そして、励磁突入電流波形生成手段となる励磁突入電流演算器25により、a相突入電流波形作成手段となるa相突入電流演算器24により作成されたa相突入電流を前記I(a,t)とし、補正突入電流波形作成手段となるb相補正突入電流演算器22により作成されたb相突入電流を前記Ih(b、t)とすると共に、補正突入電流波形作成手段となるc相補正突入電流演算器23により作成されたc相突入電流を前記Ih(c、t)として、3相交流変圧器の励磁突入電流波形を生成し、図4のステップS15において、基本波電流抽出装置5に供される。
図12は励磁突入電流波形生成装置3により作成された3相交流変圧器の励磁突入電流波形52,53,54及び瞬時電圧降下量の時間変化55,56,57を実線で示し、実測値を破線で示した一例である。このように、両者を比較した結果、励磁突入電流波形生成装置3により作成された3相交流変圧器の励磁突入電流波形52,53,54及び瞬時電圧降下量の時間変化55,56,57は実測値に極めて近い波形となることが分かる。
図14は励磁突入電流波形生成装置3により作成された3相交流変圧器の励磁突入電流波形52,53,54を基本波電流抽出装置5により、フーリエ展開し、励磁突入電流基本波58,59,60を抽出した結果を波形で示したものである。
図13は電圧演算装置6により、3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下を予測演算する様子を示すフローチャートである。先ず、ステップS21において、図2に示す励磁力率角精度設定器32により、励磁力率角の精度を0.5に初期化する。次に、ステップS22において、基本波位相角補正器31により位相角補正値γを0に初期化する。そして、ステップS23において、基本波電流抽出装置5の基本波位相角演算器27により抽出された基本波位相角抽出結果に基づいて基本波位相角補正器31により位相角補正値γを加算して基本波位相角を補正する。
次にステップS24において、発電端又は送電端から受電端までの系統インピーダンスと、前記基本波電流抽出装置5により求めた基本波突入電流の実効値と、前記基本波位相角補正器31により補正された基本波突入電流位相角とにより、電圧降下演算器28により各相の電圧降下を演算する。
次にステップS25において、発電端又は送電端電圧を1(pu)とし、該発電端又は送電端電圧と、前記電圧降下演算器28により演算された各相の電圧降下との差を受電端相電圧とする演算を行う。
次にステップS26において、図2の受電端線間電圧演算器30により、前記ステップS25において求めた受電端相電圧から受電端線間電圧を演算する。
次にステップS27において、前記基本波電流抽出装置5により求めた基本波突入電流の実効値と、前記基本波位相角補正器31により補正された基本波突入電流位相角とにより、線間電流演算器33により線間電流を演算する。
次にステップS28において、受電端線間電圧演算器30により求めた受電端線間電圧と、前記線間電流演算器33により求めた線間電流から励磁インピーダンス演算器34により励磁インピーダンスと、励磁力率角とを演算する。
次にステップS29において、前記ステップS28で求めたbc相の励磁力率角が(80−精度)よりも大きく、且つ(80+精度)よりも小さくなる場合には、ステップS35に進み、表示手段となる表示装置7により、図16及び図17に示すように、励磁突入電流波形、瞬時電圧降下量、電圧・電流・励磁インピーダンス等の計算結果が表示される。尚、ここで、精度は励磁力率角精度設定器32により設定される励磁力率角の精度である。
図16は励磁突入電流波形生成装置3により作成された3相交流変圧器の励磁突入電流波形52,53,54及び瞬時電圧降下量の時間変化55,56,57を示し、図17は電圧・電流・励磁インピーダンスの計算結果の一例である。
図17において、Ia,Ib,Icはそれぞれ基本波電流抽出装置5により抽出された基本波実効値と、基本波位相角補正装置31により補正された位相角である。ΔVa,ΔVb,ΔVcは電圧降下演算器28により演算された電圧降下である。Va,Vb,Vcは受電端相電圧演算器29により演算された受電端相電圧である。Vab,Vbc,Vcaは受電端線間電圧演算器30により演算された受電端線間電圧である。Ia−Ib,Ib−Ic,Ic−Iaは線間電流演算器33により演算された線間電流である。Zm(a),Zm(b),Zm(c)は励磁インピーダンス演算器34により演算された励磁インピーダンスである。励磁力率角判断器35はZm(b)欄の位相角で励磁力率角を判断し、79.6度で収斂した一例である。また、受電端線間電圧降下量はパーセントで示したものである。
前記ステップS29において、前記ステップS28で求めたbc相の励磁力率角が(80−精度)以下、または(80+精度)以上の場合には、ステップS30に進み、基本波位相角補正器31により設定された位相角補正値γが360度以外の値ならば、ステップS32において、位相角補正値γに1を加算して、前記ステップS23に進む。ここで、位相角補正値γは0度から360度までの値をとるものである。
前記ステップS30において、基本波位相角補正器31により設定された位相角補正値γが360度であれば、ステップS31に進み、精度が10以外の値であればステップS33に進み、その精度に0.5を加算して、前記ステップS22に進む。前記ステップS31において、精度が10の場合には、ステップS34においてエラー表示を行う。
前記ステップS32,S33において、調整される励磁力率角は、図15に示すように、精度が80±0.5の場合は、横軸に示す位相角補正値γが360度では収斂せず、精度が80±1の場合には横軸に示す位相角補正値γが94度で収斂することが分かる。
ここで、励磁力率角について、理想的な変圧器の励磁力率角は、遅れ90度であり90度を超えないものであるが、一般的な変圧器は、変圧器の無負荷損失が存在するために、現地実測結果によれば、変圧器の励磁力率角は70度〜80度程度であった。励磁力率角は、一般にsin関数で表される。ここで、sin(70度)=0.93、sin(80度)=0.98、sin(90度)=1.00で、誤差が10%以内であるので励磁力率角判断については、80±10度の精度で行うことにした。即ち、受電端線間電圧と基本波突入線間電流との力率角は70度以上、且つ90度以下が好ましい。
本発明の活用例として、3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成方法及び装置、並びに3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算方法及び装置、更には、3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性診断方法及び装置に適用できる。
本発明に係る3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成装置、並びに3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算装置、更には、3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性診断装置の制御系の構成を示すブロック図である。 本発明に係る3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成装置、並びに3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算装置、更には、3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性診断装置の制御系の構成を示すブロック図である。 瞬時電圧降下予測演算を行う様子を示すフローチャートである。 励磁突入電流波形を生成する様子を示すフローチャートである。 入力画面の一例を示す図である。 実効値電圧と基本波実効値電圧との関係を示す図である。 励磁突入電流波形を生成する様子を示す波形図である。 励磁突入電流波形を生成する様子を示す波形図である。 励磁突入電流波形を生成する様子を示す波形図である。 励磁突入電流波形を生成する様子を示す波形図である。 励磁突入電流波形を生成する様子を示す波形図である。 励磁突入電流波形生成装置により作成された3相交流変圧器の励磁突入電流波形及び瞬時電圧降下量の時間変化を実線で示し、実測値を破線で示した一例を示す図である。 本発明に係る3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算方法により瞬時電圧降下を予測演算する様子を示すフローチャートである。 励磁突入電流波形生成装置により作成された励磁突入電流波形と、基本波突入電流波形とを示す図である。 位相角調整手段により励磁力率角を調整する過程を示す図である。 励磁突入電流波形生成装置により作成された励磁突入電流波形と、瞬時電圧降下予測演算装置により演算された瞬時電圧降下量の時間変化とを表示手段により表示した様子を示す図である。 電圧・電流・励磁インピーダンス計算結果を表示手段により表示した様子を示す図である。
符号の説明
1…データ入力装置、2…データ読込装置、3…励磁突入電流波形生成装置、4a…電流現象変化点設定装置、4b…波形生成装置、5…基本波電流抽出装置、6…電圧演算装置、7…表示装置、8…c相突入電流ピーク値時刻設定器、9…c相突入電流第1始点時刻設定器、10…c相突入電流第1終点時刻設定器、11…c相突入電流第2始点時刻設定器、12…b相突入電流ピーク値時刻設定器、13…b相突入電流第1終点時刻設定器、14…b相突入電流第1始点時刻設定器、15…b相突入電流第2始点時刻設定器、16…c相突入電流直流分演算器、17…c相突入電流演算器、18…c相突入電流負側波形除去器、19…b相突入電流直流分演算器、20…b相突入電流演算器、21…b相突入電流正側波形除去器、22…b相補正突入電流演算器、23…c相補正突入電流演算器、24…a相突入電流演算器、25…励磁突入電流演算器、26…基本波実効値演算器、27…基本波位相角演算器、28…電圧降下演算器、29…受電相電圧演算器、30…受電線間電圧演算器、31…基本波位相角補正器、32…励磁力率角精度設定器、33…線間電流演算器、34…励磁インピーダンス演算器、35…励磁力率角判断器、41…入力画面、41a…励磁突入電流波高値欄、41b…磁束演算定数他欄、41c…被計算変圧器定格情報欄、41d…計算実行ボタン、42…励磁突入電流波形、43…瞬時電圧降下量の時間変化波形、44…c相突入電流波形、45…b相突入電流波形、46,47…反転波形、48,49…1/2反転波形、50,51…交点、52…c相補正突入電流波形、53…b相補正突入電流波形、54…a相突入電流波形、55,56,57…瞬時電圧降下量の時間変化、58,59,60…基本波

Claims (6)

  1. 3相交流変圧器の励磁突入電流波形を生成する方法であって、
    3相のうちのc相突入電流が正の値で、b相突入電流が負の値とし、
    c相突入電流のピーク値の時刻をθ(c、0)、
    c相の投入位相角をα(c)、
    とした時に、
    θ(c、0)=180−α(c)とする第1のステップと、
    c相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(c、1)、
    c相の飽和磁束をBsa(c)、
    c相の投入位相角をα(c)、
    c相のオフセット磁束をBos(c)=cos(α(c))、
    c相の残留磁束をBr(c)、
    とした時に、
    θ(c、1)=sin−1(Bsa(c)−Bos(c)−Br(c))−α(c)+90とする第2のステップと、
    c相の突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻をθ(c、2)、
    c相突入電流のピーク値の時刻をθ(c、0)、
    c相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(c、1)、
    とした時に、
    θ(c、2)=2θ(c、0)−θ(c、1)とする第3のステップと、
    c相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(c、3)、
    c相突入電流のピーク値の時刻をθ(c、0)、
    とした時に、
    θ(c、3)=θ(c、0)−90とする第4のステップと、
    b相突入電流のピーク値の時刻をθ(b、0)、
    とした時に、
    θ(b、0)=−α(b)とする第5のステップと、
    b相突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻をθ(b、2)、
    b相の飽和磁束をBsa(b)、
    b相の投入位相角をα(b)、
    b相のオフセット磁束をBos(b)=cos(α(b))、
    b相の残留磁束をBr(b)、
    とした時に、
    θ(b、2)=sin−1(Bsa(b)−Bos(b)−Br(b))−α(b)+90とする第6のステップと、
    b相の突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(b、1)、
    b相突入電流のピーク値の時刻をθ(b、0)、
    b相突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻をθ(b、2)、
    とした時に、
    θ(b、1)=2θ(b、0)−θ(b、2)とする第7のステップと、
    b相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(b、3)、
    b相突入電流のピーク値の時刻をθ(b、0)、
    とした時に、
    θ(b、3)=θ(b、0)−90とする第8のステップと、
    c相突入電流の直流分をIdc(c)、
    c相突入電流の波高値をIp(c)、
    c相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(c、1)、
    c相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(c、3)、
    とした時に、
    とする第9のステップと、
    c相突入電流をI(c、t)、
    c相突入電流の直流分をIdc(c)、
    c相突入電流の波高値をIp(c)、
    c相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(c、3)、
    0度≦t<360度
    とした時に、
    I(c、t)=(Ip(c)−Idc(c))×sin((t−θ(c、3))+Idc(c))
    とする第10のステップと、
    前記第10のステップで作成された前記I(c、t)から、
    I(c、t)<0の時、I(c、t)=0
    I(c、t)≧0の時、I(c、t)=I(c、t)
    とする第11のステップと、
    b相突入電流の直流分をIdc(b)、
    b相突入電流の波高値をIp(b)、
    b相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(b、1)、
    b相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(b、3)、
    とした時に、
    とする第12のステップと、
    b相突入電流をI(b、t)、
    b相突入電流の直流分をIdc(b)、
    b相突入電流の波高値をIp(b)、
    b相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(b、3)、
    0度≦t<360度
    とした時に、
    I(b、t)=(Ip(b)−Idc(b))×sin((t−θ(b、3))+Idc(b))
    とする第13のステップと、
    前記第13のステップで作成された前記I(b、t)から、
    I(b、t)>0の時、I(b、t)=0
    I(b、t)≦0の時、I(b、t)=I(b、t)
    とする第14のステップと、
    b相突入電流をI(b、t)、
    b相補正突入電流をIh(b、t)、
    c相突入電流をI(c、t)、
    c相補正突入電流をIh(c、t)、
    0度≦t<360度
    とした時に、
    I(b、t)>−I(c、t)/2の時、 Ih(b、t)=−I(c、t)/2
    I(b、t)≦−I(c、t)/2の時、 Ih(b、t)=I(b、t)
    I(c、t)<−I(b、t)/2の時、 Ih(c、t)=−I(b、t)/2
    I(c、t)≧−I(b、t)/2の時、 Ih(c、t)=I(c、t)
    とする第15のステップと、
    a相突入電流をI(a,t)、
    b相補正突入電流をIh(b、t)、
    c相補正突入電流をIh(c、t)、
    0度≦t<360度
    とした時に、
    I(a,t)=−(Ih(b、t)+Ih(c、t))
    とする第16のステップと、
    を含み、
    a相突入電流を前記I(a,t)とし、b相突入電流を前記Ih(b、t)とし、c相突入電流を前記Ih(c、t)として、3相交流変圧器の励磁突入電流波形を生成することを特徴とする3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成方法。
  2. 3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下を予測演算する方法であって、請求項1に記載した前記励磁突入電流波形生成により生成された励磁突入電流波形をフーリエ展開して、前記a相、b相、c相の各基本波突入電流の実効値と、該基本波突入電流の位相角とをそれぞれ演算し、各相の基本波突入電流に発電端又は送電端から受電端までの系統インピーダンスを乗じて各相の電圧降下を求め、さらにこの各相の電圧降下から各相の受電端電圧を求め、該各相の受電端相電圧から求めたbc相の受電端線間電圧と前記各相の基本波突入電流から求めたbc相の線間電流との力率角が70度以上、且つ90度以下になるように前記各相の基本波突入電流の位相角を調整することを特徴とする3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算方法。
  3. 3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性を診断する方法であって、
    請求項1に記載の3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成方法により生成された励磁突入電流波形と、
    請求項2に記載の3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算方法により演算された瞬時電圧降下量の時間変化と、
    を表示することを特徴とする3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性診断方法。
  4. 3相交流変圧器の励磁突入電流波形を生成する装置であって、
    3相のうちのc相突入電流が正の値で、b相突入電流が負の値とし、
    c相突入電流のピーク値の時刻をθ(c、0)、
    c相の投入位相角をα(c)、
    とした時に、
    θ(c、0)=180−α(c)としてc相突入電流のピーク値時刻を設定するc相突入電流ピーク値時刻設定手段と、
    c相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(c、1)、
    c相の飽和磁束をBsa(c)、
    c相の投入位相角をα(c)、
    c相のオフセット磁束をBos(c)=cos(α(c))、
    c相の残留磁束をBr(c)、
    とした時に、
    θ(c、1)=sin−1(Bsa(c)−Bos(c)−Br(c))−α(c)+90としてc相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻を設定するc相突入電流第1始点時刻設定手段と、
    c相の突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻をθ(c、2)、
    c相突入電流のピーク値の時刻をθ(c、0)、
    c相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(c、1)、
    とした時に、
    θ(c、2)=2θ(c、0)−θ(c、1)としてc相突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻を設定するc相突入電流第1終点時刻設定手段と、
    c相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(c、3)、
    c相突入電流のピーク値の時刻をθ(c、0)、
    とした時に、
    θ(c、3)=θ(c、0)−90としてc相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻を設定するc相突入電流第2始点時刻設定手段と、
    b相突入電流のピーク値の時刻をθ(b、0)、
    とした時に、
    θ(b、0)=−α(b)としてb相突入電流のピーク値時刻を設定するb相突入電流ピーク値時刻設定手段と、
    b相突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻をθ(b、2)、
    b相の飽和磁束をBsa(b)、
    b相の投入位相角をα(b)、
    b相のオフセット磁束をBos(b)=cos(α(b))、
    b相の残留磁束をBr(b)、
    とした時に、
    θ(b、2)=sin−1(Bsa(b)−Bos(b)−Br(b))−α(b)+90としてb相突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻を設定するb相突入電流第1終点時刻設定手段と、
    b相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(b、1)、
    b相突入電流のピーク値の時刻をθ(b、0)、
    b相突入電流の直流分を含んだ第1の終点時刻をθ(b、2)、
    とした時に、
    θ(b、1)=2θ(b、0)−θ(b、2)としてb相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻を設定するb相突入電流第1始点時刻設定手段と、
    b相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(b、3)、
    b相突入電流のピーク値の時刻をθ(b、0)、
    とした時に、
    θ(b、3)=θ(b、0)−90としてb相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻を設定するb相突入電流第2始点時刻設定手段と、
    c相突入電流の直流分をIdc(c)、
    c相突入電流の波高値をIp(c)、
    c相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(c、1)、
    c相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(c、3)、
    とした時に、
    としてc相突入電流の直流分を演算するc相突入電流直流分演算手段と、
    c相突入電流をI(c、t)、
    c相突入電流の直流分をIdc(c)、
    c相突入電流の波高値をIp(c)、
    c相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(c、3)、
    0度≦t<360度
    とした時に、
    I(c、t)=(Ip(c)−Idc(c))×sin((t−θ(c、3))+Idc(c))
    としてc相突入電流波形を作成するc相突入電流波形作成手段と、
    前記c相突入電流波形作成手段により作成された前記I(c、t)から、
    I(c、t)<0の時、I(c、t)=0
    I(c、t)≧0の時、I(c、t)=I(c、t)
    として前記c相突入電流の負側波形を除去してゼロとするc相突入電流負側波形除去手段と、
    b相突入電流の直流分をIdc(b)、
    b相突入電流の波高値をIp(b)、
    b相突入電流の直流分を含んだ第1の始点時刻をθ(b、1)、
    b相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(b、3)、
    とした時に、
    としてb相突入電流の直流分を演算するb相突入電流直流分演算手段と、
    b相突入電流をI(b、t)、
    b相突入電流の直流分をIdc(b)、
    b相突入電流の波高値をIp(b)、
    b相突入電流の直流分を除去した第2の始点時刻をθ(b、3)、
    0度≦t<360度
    とした時に、
    I(b、t)=(Ip(b)−Idc(b))×sin((t−θ(b、3))+Idc(b))
    としてb相突入電流波形を作成するb相突入電流波形作成手段と、
    前記b相突入電流波形作成手段により作成された前記I(b、t)から、
    I(b、t)>0の時、I(b、t)=0
    I(b、t)≦0の時、I(b、t)=I(b、t)
    として前記b相突入電流の正側波形を除去してゼロとするb相突入電流正側波形除去手段と、
    b相突入電流をI(b、t)、
    b相補正突入電流をIh(b、t)、
    c相突入電流をI(c、t)、
    c相補正突入電流をIh(c、t)、
    0度≦t<360度
    とした時に、
    I(b、t)>−I(c、t)/2の時、 Ih(b、t)=−I(c、t)/2
    I(b、t)≦−I(c、t)/2の時、 Ih(b、t)=I(b、t)
    I(c、t)<−I(b、t)/2の時、 Ih(c、t)=−I(b、t)/2
    I(c、t)≧−I(b、t)/2の時、 Ih(c、t)=I(c、t)
    として前記b相補正突入電流波形及び前記c相補正突入電流波形を作成する補正突入電流波形作成手段と、
    a相突入電流をI(a,t)、
    b相補正突入電流をIh(b、t)、
    c相補正突入電流をIh(c、t)、
    0度≦t<360度
    とした時に、
    I(a,t)=−(Ih(b、t)+Ih(c、t))
    として前記a相突入電流波形を作成するa相突入電流波形作成手段と、
    前記a相突入電流波形作成手段により作成された前記a相突入電流を前記I(a,t)とし、前記補正突入電流波形作成手段により作成された前記b相突入電流を前記Ih(b、t)とすると共に、前記c相突入電流を前記Ih(c、t)として、3相交流変圧器の励磁突入電流波形を生成する励磁突入電流波形生成手段と、
    を有することを特徴とする3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成装置。
  5. 3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下を予測演算する装置であって、
    前記3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成装置により生成された励磁突入電流波形をフーリエ展開して、前記a相、b相、c相の各相の基本波突入電流の実効値と、該各相の基本波突入電流の位相角とをそれぞれ演算する基本波突入電流演算手段と、
    前記各相の基本波突入電流演算手段により演算された各相の基本波突入電流に発電端又は送電端から受電端までの系統インピーダンスを乗じて各相の電圧降下を演算する電圧降下演算手段と、
    前記電圧降下演算手段により演算された各相の電圧降下から各相の受電端相電圧を演算する受電端相電圧演算手段と、
    前記受電端相電圧演算手段により演算された各相の受電端相電圧から各相の受電端線間電圧を演算する受電端線間電圧演算手段と、
    前記受電端線間電圧演算手段により演算されたbc相の受電端線間電圧と、前記基本波突入電流演算手段により演算された各相の基本波突入電流から求めたbc相の線間電流との力率角が70度以上、且つ90度以下になるように前記各相の基本波突入電流の位相角を調整する位相角調整手段と、
    を有することを特徴とする3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算装置。
  6. 3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性を診断する装置であって、
    請求項4に記載の3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成装置により生成された励磁突入電流波形と、
    請求項5に記載の3相交流変圧器の投入時の瞬時電圧降下予測演算装置により演算された瞬時電圧降下量の時間変化と、
    を表示する表示手段を有することを特徴とする3相交流変圧器の投入時の電力系統電圧安定性診断装置。
JP2007089415A 2007-03-29 2007-03-29 3相交流変圧器の励磁突入電流波形生成方法及び装置 Active JP4275178B2 (ja)

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